世界帝国とベーシックインカム

 前回、経済の自由化、グローバル化をしても市場原理によって格差ができるのならば、逆にネットを使って世界経済をブロック化してもいいんじゃないか?という記事を書いたのですが、もうひとつ方法があることに気付きました。

 グローバル化自体を何とかするのではなくて、それと負の相互作用をしている弱肉強食な市場原理主義の方をなんとかする、もしくは市場原理主義に基づく自由競争がエスカレートしてもそこまで労働者の負担が大きくならないようにすればいいのではないかという考え方です。

 これには国際法のような、世界経済における共通のセイフティネットのルールを整備する必要があり、これはこれで難しいのですがグローバル化の波が止められず、これからは国家の枠組みがどんどん薄くなっていくならば、世界基準の弱者救済システムを考えなければいけない。
 じゃないとネット上における「世界」と言う名の帝国が生まれて、何十億人もの人はその帝国の奴隷として働かされてしまう。冗談じゃない。
 戦時中は「お国の為に働け」だったのが「世界の為に」になっただけで、人は人に親切にすると幸せになれる動物なのに、いつまでたっても「自分の幸せのため」「身近な人の幸せのため」に働くことができやしない。

 そもそもグローバルな市場原理主義って突き詰めて考えると国家という概念の崩壊に行き着きますよね。国の意味性や仕事なんてなくなっちゃう。国籍なんかもなくなって「地球人のび太!」としか言えなくなっちゃう。
 でも国ってこれまで、その領土に住む国民の生活水準(社会保障)や安全を対内的(警察)にも対外的(自衛隊)にも守ってくれていて、それがなくなるというのは、これからは世界帝国がSFの地球連邦のように、世界民の安全をちゃんと守らなければいけないと言うこと。
 つまり世界帝国がちゃんと社会保障、いや世界保障と世界安全をやってくれなければ、私は世界帝国民になんてなりたくない。日本人のままでいい。

 たとえばグローバル化って人口が多い中国やインドを経済的に豊かにしたから貧困の数が大きく減ったらしい。それでも中国には大変な格差問題がある。貧困の数は減ったけど、格差問題は増えたのかもしれない。
 中国の人がテレビで言ってたけど、昔はみんな貧しくてある意味平等だったけど、今は金持ちと貧乏人の差が激しくて、これなら昔の方がまだマシだった?って考える中国人って結構いるらしい。

 そういった意味で日本って、戦後の焼け野原から高度経済成長、バブル経済とすっごい望ましい形で経済的に発展できたなあ、って思う。
 今グローバル化によって途上国は急速に発展できる可能性はあるけど、底辺がゆっくり持ち上がっていくような貧乏人の絶対数が減っていく経済的発展ではなくて、ごく僅かな富裕層のレベルを一気に上げてそれで結果的に平均をあげるような発展をさせている気がする。
 こんな発展で果たしてその国の国民は幸せなのか・・・

 とするならばグローバル化を進めるには、貧困層への社会保障がきっちり整備されなければいけない。じゃないと市場原理主義は、労働者をできる限りタダ働きさせようとするので、労働者の生存権も社会権もみんなつぶされてしまう。 

 私は経済の専門家でないから分からないけど、グローバル化って今後進むと世界通貨って統一されるのかな?世界版ユーロみたいに。
 じゃなくてまだまだ外国為替取引とかをやるのならば、セーフティネットの基準だけは世界帝国が監督しながらも、その国ごとの通貨価値があるから各国にやらせた方がいいのかも。
 いやでもそんな中途半端だと、やっぱり今と一緒で国家間の争いがありそうだから、やはり通貨を世界で統一しちゃった方がいいな。「1グローブ」とか。

 そして世界帝国は、ネットの利点を最大限生かして世界中の全ての人に一律月に6万グローブのベーシックインカム(働かなくてもギリギリ生活できる程度のお小遣いのこと)を振り込んでやればいい。
 ベーシックインカムはみんなの党とかがやろうとしているけど、将来的にグローバル化がさらに進むというなら、日本と言った特定の国家だけが実行するのではなくて、これを世界規模でやった方が効果的だと思う。
 そうなると岡田斗司夫さんの言うように、世界のみんながスナフキンのように暮らしだすかも知れない。
 働かなくても何とか生活ができるならば、自分の夢をずっと追いかける人も出てきそうだし、おそらくクリエイターや科学者には人類史上最大の福音が訪れる。文化や理学に基づく科学技術はかなり発展しそう。

 富の再分配をする社会主義の批判と一緒で「こんなことするとみんな働くの馬鹿馬鹿しくなって社会が成り立たないよ」って言う人もいるけど、一生働かずにだらだら暮らすっていうのも、ごく一握りの特殊な才能の持ち主しかできないような気がするし、ほとんどの人は暇になっちゃって外に出て月6万の生活をもっとよくするために小遣い稼ぎ感覚で働き出すと思う。

 このベーシックインカムはいまだにどこの国も取り入れてないので、実際に導入したらどうなるかさっぱり分からないけど、これが導入できなかったのはこのアイディアに問題があったというよりは、これを実現できる技術的な土壌が無かったからかもしれない。
 今は全国民の口座にお金振り込むのくらいネットで何とかできそうなんだけど。

 私はベーシックインカムをとりいれるといわゆる3Kのような辛い労働の給料がメチャクチャ上がると思う。誰もやりたがらないから。
 そんな誰もやりたがらない過酷な労働を自らすすんでやる人は尊敬されるし、辛い仕事をした分莫大なお金が手に入ってハッピー。ブルーカラー労働者の見方は絶対変わる。

 また公務員の給料は限りなく0になると思う。これはイギリスの貴族院がノーギャラの名誉職になっているのと同じ。
 今公務員が人気があるのは安定しているからだけであって、バブル期には誰もやりたがらなかった。銀行すら人気がなくて、みんな商社に入りたがっていた。
 でもベーシックインカムの社会だと予め最低限の安定はしているので、公務員はお金の為ではなく本当に公共の福祉のために働きたい人がやるようになると思う。
 いやそれどころか、公務員の仕事はたくさんの人を幸せにできる可能性があるから、そんな崇高な仕事をやりたい人は逆にお金を払ってやるのかもしれない!
 俺公務員やりたいから働くわ、と。

 ベーシックインカムは生活に困らないから離婚が増えるって言う人もいるけど、増えちゃダメ?私近代的な結婚っていう制度も時代の流れでなくなってもいいと思う。
 女性は家を守る代わりに夫に食わせてもらって、経済的な理由で嫌々旦那と一緒に生活しなきゃいけないなんておかしいよ。
 結婚ってけっこう相手の経済状況が大きく関係しちゃうけど、ベーシックインカムならお金がなくても優しくていい人を選びやすくなりそうだし、老後の為に結婚して子供を作って・・・なんていう強迫観念もなくなる。結婚しないのが普通にもなるかも。
 逆に結婚して子どもを作って月にもらえるお金を増やそうとする人もいそう。そうなれば少子化はなくなるし、労働人口も増える。

 どんなシステムにもいい面と悪い面があってそれは実際導入しない限り、どんなに予測しても見えてこなかったりする。これはパラダイム・シフトの性質上仕方がない。
 そしてベーシックインカムっていい面、悪い面の前に面白そう。どっかが今ベーシックインカムの実験をやっているらしいけど、すごい興味があるなあ・・・
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