三角比について

 「数学って人生に役に立たない」と言う人に対して「いや世の中が便利なのは数学のおかげだよ」って数学が好きなたけしさんとかは言うけど、ちょっと議論がかみ合ってないよね。
 数学って、確かに人類の社会(主に科学)には大貢献しているけど、一般人の日常生活にはあまり利用する機会がないんだよ。
 私ももう何年も高校の数学やってなかったから(って現役の時もろくにやってない)もう細かいところほとんど忘れちゃって、やばい。大雑把な理屈すら危うい。
 だから数学できる人って、つまりは日常で数学の腕を鈍らせないように、日々トレーニングしているんだよね。科学者なら計算も仕事のうちだから全然腕は鈍らないけど、問題は一般人だよね。
 毎日のトレーニングを怠ればすぐに筋力は落ちちゃうのと一緒で、プロでもないのに教養として高校数学をキープするのは相当すごいと思う。
 専門家でさえ日常生活で数字(バーコードとか)を見たら暗算するようにしているらしい。そうやってトレーニングのチャンスを捻出しているわけだ。

 ・・・で二年ぶりに三角比教えなきゃいけないんだよ。これは厳しい。私の生活で三角比を使う機会は全くない。
 だから正弦定理と余弦定理の公式が、さも自明の理のようにテキストに書いてあってもなんで?状態。
 おそらく学生の人も「なんでこういう公式なの?」って質問してくるだろうから、自分なりに証明ができるように勉強中。正弦定理はOK。余弦定理はもう少し解り易く説明できないとダメ。

 とにかく中学校の三角形の合同条件、相似条件をふまえて説明すれば分かりやすいということとなった。
 あれはつまり、角度と辺のある程度のデータがそろえば、残りの分からないデータも、分かっている数値から導き出せるってことで、三角比の導入では幾何学のパイオニア「タレス」の逸話なんかを説明すると面白いかもしれない。

 多分タレス・・・だったと思うんだけど(えええ!?)、あの人はピラミッドの高さを三角比で計算したんだよね。ピラミッドってすっごい巨大だし、壁が斜めっているから高さが分からない。
 もしピラミッドが中空になってたら、内部の最上階から紐をたらしてその紐の長さを測ればいいんじゃないか?って思うけど、ピラミッドって細い通路といくつかの空間があるだけで、結構詰まっているイメージがある。
 これは私が図鑑から得たイメージだから、ピラミッド専門家の吉村先生とかは「いや意外と中空ですよ」とか言う可能性もあるけど、あんな重い石材で作っているから内部が中空だと崩れそうだ。

 ・・・まあいいや。とにかくピラミッドが立入禁止で、外からピラミッドの高さを調べる場合・・・ってそんな場合がないから私は数学ができないんだけど、とにかくそういう場合、タレスは数学ができるから、直角三角形の性質を利用するって考えるんだよね。
 例えばよくある例で「ピラミッドのてっぺんを見た時の目線と地面との角度」と「ピラミッドを見ている人のピラミッドまでの距離」をだせば「距離に占める高さの割合(タンジェント)」を使って「ピラミッドのてっぺんの高さ」が分かるというのがあります。
 もし目線の角度が45度で、距離が150メートルなら、タンジェント45度は1÷1=1だから、ピラミッドの高さは150メートルになる。

 ・・・とここまで考えた時、目線の角度ってタレスはどうやって出したんだ?って思ったんだけど、やっぱ天才はすごいね。
 目線の角度とかじゃなくて、を使ったんだよね。この発想がすごいよね。まずメジャーで測れる小さいものを用意して、その物体の高さと出来る影の長さを使って角度を算出して、相似な三角形ってことで、影の伸び率でピラミッドの高さを図ったんだよね。
 ただこれ影の伸び率って、時間が経つと太陽の位置と共に変わっちゃうから、超急ピッチで取り掛かったんだろうね。弟子集めてプロジェクトチームでも作ったんだろうね。それは楽しそうだな。
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