なんでもすごいっちゃすごい論

 vicさんにならって今年観た映画の評価をおさらいしてみると星五つばかりということに気がつく。☆の大安売りだ。
 ☆5っていうのは「もうこれ以上はこの話は面白くしようがない」ってことなんだけど、確かにプロの人たちが一生懸命考えつくしたものを見ているのだから、素人の私が見て「これこうすれば、もっと面白くなるのに」って思うことはそうそうない。

 そもそも私って小さい頃から単純かつ大げさですぐになんにでも感動する。「すごいなあ」とか「かっけえ」とか「腹が痛い」とか・・・
 同時につまらないものも素直に「つまんねえ(=笑えない)」って思っちゃうから☆1との二極化が進んでいるんだと思う。なら大沢の親分さんのようにアッパレと喝でいいじゃねえかって気もするんだけどね。まれにちょっと惜しいのとかがあるから、この五段階の評価基準は継続するけど。

 で、この前物まね芸人の苦労話が「金スマ」でやっていた・・・と言うかそれを録画したものを母親が朝見ていて自分もつられて観たんだけど、「馬鹿馬鹿しいなあ」って思う芸でも、自分が少しでもそれをやってみると、この芸をやるためにとんでもない苦労があるんだって言うことに気付く
 ・・・ていうかそんなの当たり前なんだけど、なかなか人ってそれに気付く想像力は皆あるのに面倒くさいから考えない。だからつい「こんなバカなことやって金がもらえていいなあ」ってバカにした目線で見ちゃうこともある。

 でも実際その芸を自分がやってみたり、自分にはできるのだろうかって考えると、自分には到底できないということに気付く。別にそんなのやってみたくもないよって言う人もいるだろうけど、やっぱりそいつができないことに変わりはない。つまり受け手から作り手に移行した時、その人を尊敬する気持ちが生まれたりする。

 私なんて何を見てもいちいち「これってどう作ったんだろう?」とか「すごいなあ」とか思ってトリップしちゃうから面倒がられているんだけど(最近は理科の授業中、電流計と電圧計って内部構造は何が違うんだろう?と不思議な気持ちに・・・)、どんな人もそれなりに自分の仕事をしていて、その結果社会に貢献しているんだから、その仕事の成果や苦労を分かってもらえるのは嫌なことじゃないと思う。

 でも映画などのクリエイターや、匠の技を持つ町工場の職人って、他の職種よりも個人戦の色彩が強いと思う。自分の個性を売りにして戦っているというか(評価を人のせいにできない)。もちろん映画も漫画も今時は大人数で作っているんだけど、でも創作活動とはリーダーがいなくても秩序化する創発現象なんかでは決してない。
 『トイ・ストーリー』を作ったアニメ会社のピクサーがすごいって言うけど、あのすごさはとどのつまりジョン・ラセターって言うカリスマ的リーダーがいるからってところはあると思う。

 誰がやってもまあ大体同じ仕事が出来る・・・それを目指してアメリカの工業化は進んできた。自動車会社のフォードも、サービス業のマクドナルドも、熟練の技を持つ職人さんなんていなくても、仕事の分散化およびマニュアル化によって、バイトの人をたくさん集めれば複雑な仕事ができるようになっている。
 その流れでハリウッド映画もアメリカの大きな輸出商品として作り方のマニュアル化を進めてきたけれど、やっぱり物を言うのは作家の個性だと思う。
 あれだけプロデューサーや投資家がうるさく内容に注文をつけ、映画の構成の仕方も分刻みで決まっているハリウッド映画でさえ、監督の個性って表出するもん。

 まあだから私は映画製作の事はよく分からないけど、そのすごさは想像がつくから、本当にすごいなあって思います。たま~にこんなの俺でも作れるんじゃね?って思うのもあったりするんだけど、でもそれも井の中の蛙だろうから、やっぱすごい。世間が言うつまらない映画を作った監督も、その仕事がもらえるだけ有名でカリスマ性があったってことだろうからね。

 そしてプロの仕事のすごさって最終的にすっごい微妙な世界に入ってくる。素人には分からないレベルの。おそらくぱっと見「わ~上手~い」って思うレベルまではどんな人もちょっと努力すれば行けるんだけど、そのレベルを超えようとした途端、だんだんちょっとの上達の為にかける時間や努力が膨大なものになってくる。大抵の人はここで「やってられねえよ!」ってやめちゃうんだけど、一部にその仕事が好きすぎてやめたくてもやめられない幸せなのか哀しいのかよく分からない輩がいる。それがプロなんだろうなあ。
 そういったぱっと見では気付かない隠れた努力を認めてくれる人に出会えることが孤独なクリエイターの幸せなのかも。そう考えるとあの物まね芸人「ツートン青木」さんは息子さんに自分の仕事を分かってもらえて幸せ者だろうなあ。
 ちなみにツートンさんの古畑任三郎のものまねって「後期」ですよね?詳しく言えば第3シリーズ以降。初期はもっと早口でしっかり喋っていたからね。私は第1シリーズの「殺しのファックス」が好きです。トリックどうこうじゃなくてシーンの組み立てとかがカッコ良かった。
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