(500)日のサマー

 「面白い度☆☆☆ 好き度☆☆」

 薔薇は赤。スミレは青。くたばれアバズレ。

 男なら誰しも経験があるという「サマー効果」の500日を描いた映画。「サマー」とはこの映画に出てくるヒロインの名前で夏のことではない。
 まるで500日にも感じたひと夏だけの恋を描いたピュアなラブコメだと勝手に想像していたけれど、映画はこんなエクスキューズから始まる。

 原作者のメモ:これは架空の物語で実在の人物との類似は偶然である。特にジェニー・ベックマンはクソ女め。

 このクソ女をモデルにした女性がサマーなんだ。・・・というと相当性悪な女性とそれに振り回される草食系男子のラブコメって感じだけど、それは半分くらい当たっていて、半分は外れている。
 サマーはどこにでもいそうな普通の女性で、そこまで変わったキャラクターではない。「私愛だの恋だの信じていないの」なんてほざく女は掃いて捨てるほどいると思うし、こういうちょっと不思議ちゃん系の子は、感じたことをすぐに言葉や態度に現すから、言動が二転三転するのは当たり前だと割り切らなければいけない。

 コリン星のプリンセスを見ていれば分かるように、不思議ちゃんはキャラと振る舞いの結果のギャップがすごくて、コリン星のコリンってお前コリンエステラーゼ爆弾の略かこの野郎って思ったりもするけれど、どんな女性も自分の人生のことに関してはある年齢に達したら一気に打算的になるから、ゆうこりんだけが特別ひどい女ではない。
 男はよく「女性は線(ストラテジー)ではなく点(タクティクス)で考える」って言うけどこれは間違いだ。こと恋愛に関しては女性の方が一枚も二枚も上手だし、恋愛にとって重要な「精神的タフさ」が女性は高い以上、我々男に勝ち目はない。

 まあ、だから「私あなたとは真剣に付き合えないの。でもいい?」って言われた時に「ああオレは二番か三番志望くらいの愛人にされるな」って覚悟しないといけない。
 それを男はバカだから「ああ、この子はまだ恋愛に憶病で人を真剣に愛したことがないんだな。とりあえずオレは彼女の心を開くぜ」っていいように解釈しちゃうから悲劇は始まる。
 だいたいこんな女を好きになると、家族(しっかりものの妹)や友人に「あの女とはもうやめとけよ」ってあきれられるんだけど、サマーみたいな奴って大抵同性にも嫌われるから(女友達がいない)、みんなにボロクソ言われるサマーが可哀想に思えてきちゃうんだよね。
 それでまわりがサマーを批判すればするほど、トムはサマーを好きになる。サマーが特別悪女でもトムが特別バカでもない。これは愛ゆえに怒った悲劇だ。恋愛なんて加害者のいない災害みたいなものなんだよ。

 この映画の作りは結構面白い。構成が独特で、サマーとそれに恋するトムとの500日のお話は、トムがサマーに突然別れ話を切り出された290日めあたりを境に天国から地獄に落ちるんだけど、その天国の前半と地獄の後半を順序入れ替えでランダムに見せていくから、トムがすっごいげんきんな男に見えて、こいつもこいつで腹立たしいw。SEXできただけで脳内でミュージカルが始まっちゃうんだから、もう情けないよね、男って。
 ちなみにトム・ハンセン役のジョセフ・ゴードン=レヴィットは笑顔が頼りなさそう&人がよさげなところが妻夫木聡にとても似ている・・・って、どうでもいいですね。

 私が思ったのは、この映画の作り手は登場人物の印象をあえて地味にして、キャラに感情移入させないようにしているんじゃないかってこと。もう言っちゃうけど、サマーだって別にそこまで美人じゃないからね。
 確かに恋愛あるあるネタみたいなことをやっているから、特に男なんかはトムに感情移入して「サマーはクソ女だ」とか怒るかもしれないけど、私はこの映画は極めて珍しい「メタ的恋愛映画」だと思う。
 男女のやり取りを、まるで夏休みのアサガオの観察日記のように傍観できるのがこの映画なんだ。「恋愛は素晴らしい」も「恋愛は馬鹿馬鹿しい」もない。男女が出会って別れた。ただそれだけのことをじっと観察するだけ。それだけの映画。
 なんで作者はこんな映画を作ったんだろう?それはジェニー・ベックマンに聞いてくれ。

 最後に一言。オータムはやめておけ・・・!運命じゃないって!これサマーと同じ路線でウィンターとスプリングって計4回傷心しちゃうから!!

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