ゾンビランド

 「面白い度☆☆☆☆ 好き度☆☆☆」

 人生に後悔はない?

 ・・・ガーフィールドかな。

 
 例えば萌えアニメにおいて、パンチラだったり、お色気シーンだったり、ツンデレだったり、ピンク髪は淫乱だったり、テンプレートと化しているお約束はたくさんある。
 そしてそういったありきたりな萌えアニメが増えると、ハイコンテクスト化された前提をあえて内側から崩すようなアンチテーゼな萌えアニメが現れる。

 これはアメリカ映画がやたら好きなゾンビ映画、ヴァンパイア映画にも言える。とにかくこういった狂犬病ウィルスかなんかが元ネタと思われる「感染ホラーもの」にもお約束みたいな設定がけっこうあって、その設定(特にシチュエーション)を教科書通りにやりながらも、それをメタ的に脱構築したような内容の映画が、この『ゾンビランド』です。

 この映画って、地球上のほとんどの人類がゾンビ化したというとんでもなく絶望的な世界(ゾンビランド合衆国)を描きながらも、僅かに生き残った主人公一行がゾンビ退治や、破壊、略奪行為、そして憧れのハリウッドセレブとの出会いをエンジョイしていくという、なんとも呑気なロードムービに仕上げられている。
 もうゾンビランドはただのお約束な了解事項となっていて、そのゾンビランドという非日常を彼らは日常にしているのだ。いや、実際のところは彼らに聞いてみないと分からないけど・・・

 つまり日本のアニメファンが条件反射的に「髪の毛がピンク=エッチ」ってメタ認識できるほどに、アメリカ人もこれまでに数え切れないほどのゾンビ映画を観ているだろうから、もうその「お約束」を使ってどうやって個性を出していくのか?って言うのが鑑賞のポイントになっているんだろうね。

 ただこの映画って笑えたし面白いっちゃ面白いんだけど、私がいまいち乗れなかったのは登場人物のバックボーンが意外としっかり描かれていて「普通にいい話」にもなっているということ。

 妹は子ども時代が楽しめなかった。
 ゾンビランドで大人になるのは大変だ。
 …どこでもだよ。


 この無駄に真面目なプロット作りが逆におバカ映画としての没入感をスポイルしてしまったようにも思える。
 え?この映画笑っていいの?それともいい話としてみればいいの?って最後まで分からなくて、なんか純粋に楽しめなかったんだよなあ。
 
 ・・・だからこの映画の結末って結構気になっていたんだ。どう落とすんだろう?って。もし仮にちゃんとしたゾンビ映画(ってなんだそりゃ)なら、ゾンビ化した世界が救われて終わるだろうし(じゃないと文字通り「救われない」w)・・・
 で、結局「ゾンビランド」という世界をある種の前提(=日常)にした映画だから、ラストは「仲間がいなけりゃゾンビと同じだ!」しかなかったのは分かるんだけど・・・だとしたら登場人物の哀しい過去なんかいらないよな。
 だって悲し過ぎるじゃん!普通に考えて絶対あいつらその内、弾薬や食料が尽きてのたれ死ぬか、ゾンビにやられちゃうもんなあ。中途半端にペーソスがあるのがちょっと尾を引いた気がする。

 ビル・マーレイのシーンとか馬鹿馬鹿しくて最高だったのにね。ビル・マーレイをゾンビと間違って射殺しておきながら、彼の死に顔を見て「あはは・・・ごめん私彼に弱いのよ・・・だけど悲しい・・・」って・・・(笑)コメディアン冥利に尽きる最期かも知れなかったけどね。

 ちなみにエンドロールの後にも出てくるよ!(まだ生きてたw)
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