『80日間宇宙一周 Sea of hope』脚本⑤

波を切って海を進む海賊船
海賊「ギャハハハハいただいたぜ~!」
「あいつら今頃半泣きだろうよ!」
新人「この船、どこら辺で売りさばくんすか?」
ロジャー「土星あたりかなあ・・・いま景気いいらしいし。」
新人「お頭レーダー反応です!後方から飛空艇が追ってきます!」
ロジャー「なんだと!?」
マルチモニターにライトたちの顔が映る。
ロジャー「しつこいやつらだ・・・撃墜しろ!」
「アイアイサー!(c)ももいろクローバー」

猛スピードで海賊船に追いつく飛空艇。
ルヴェリエ「この船、けっこう性能いいですね」
ライト「せやな」

海賊船の母艦の側面に回りこむ。
母艦から大砲が出てくる。
ミグ「撃ってくるぞ!」
壁の操作盤に気づくルヴェリエ「このスイッチは?」
飛空艇からミサイルが発射されて大砲を破壊する。
ライト「!!お前何をした!?」
ルヴェリエ「え、いや、その・・・」
ミグ「ライト、この船は武装船みたいだぞ・・・!」
ライト「よっしゃ、あいつらにお見舞いしたれ!」

海賊船を攻撃する飛空艇。
海賊船の砲撃は飛空艇が小さくすばしこくてなかなか当たらない。
ロジャー「あんな小さい船相手になに手こずっている!」
砲弾を装填する海賊「さーせん!」
ロジャー「ダメか!?勝てそうもないのか!?どうなんだ!?」
「それは・・・」
ロジャー「はっきりしろ!」
「アイサー勝てません!」
ロジャー「よっしゃ逃げるぞ!!」
「イーエー!!」

海賊船内に無線でライトの声が入る。
ライト「コラお前ら~オレたちの船を返さんか~い!」
ロジャー「やなこった!こっちも商売なんだよ!」
ライト「お前ら~いい加減にせえへんとマジで地獄見せたるで~!」
ロジャー「え、それはやめて・・・」

飛空挺を海賊船のカタパルトにつっこませる。
そのまま船内に突入する飛空艇。慌てて逃げていく海賊たち。
飛空艇から出てスパナを振り回すライト「オラア海賊ども~!お礼参りじゃ~~!!」
三人を取り囲む海賊「ええい、ひるむな!数じゃこっちが勝ってるんだ、お前らは飛んで火にいる夏みかんよ・・・!」
ミグ「それはどうかな?このEM銃を船内で発火させてみろ。私も死ぬがお前らともども道連れだぞ」
海賊「ひいいいい!この人本気だ、怖いよ・・・!」
ライト「責任者はどいつや!」

海賊船艦橋。
扉を荒々しくあけライトたちが乗り込んでくる。
ライト「あんたが海賊ロジャーか!」
ロジャー「え・・・?ちがうよ?」
ライト「部下に言って俺らの船を返させろ!」
ロジャー「まあまあ落ち着けって。これにはふか~い事情があるんだよ」
「なんやな。」
「まあまあ座って・・・おい、この人たちにつめた~い飲みもんでも出してやれ!」
「へ、へい・・・!」
海図や計算機を机から落とし、テーブルクロスが敷かれ、楽団が演奏をはじめる。
ライト「そうやって丸め込もうったってそうはいかんからな」
ロジャー「違うって・・・」
ルヴェリエ「とりあえず話を聞いてみましょうよ。」
ライト「ええかルヴェリエ。こいつら海賊っていうのは宇宙で最も油断ならんやっちゃ、絶対気を許すんやないぞ。」

5分後
酒に酔ったライトがロジャーと肩を組んで大爆笑している。
ライト「ニャハハハハあんた気が合うなあ!」
ロジャー「おめーこそ気に入ったぜ!この船に乗り込むたあ海賊以上に血の気が多いぜ!!」
ため息をつくミグ「あのバカ・・・」
ルヴェリエ「すっかり友達になってますね・・・」
ミグ「で、なぜ人の宇宙船を掠奪するんだ?まだ話してもらってないぞ。」
ロジャー「それはだな、海王星のためにやってるんだって。」
ルヴェリエ「海王星のため・・・?」
楽団がお涙頂戴の短調の曲を弾きだす。
ロジャー「あんたらも20年前にこの星に隕石が衝突したのは知ってるだろ?」
ライト「ああ」
「あの隕石の事故処理をしたのが俺たち海賊だったんだよ。」
ルヴェリエ「え・・・?」
ロジャー「ほら衝突直後は海王星は治安もへったくれもなくてな、もう混乱の極みだったんだ。
政府も軍も衝突地点には恐れをなして近づきもしなかったしな。
でも誰かがやらなきゃいけなかったから、オレたちがクレーターの上から大量の土砂をかけて放射線を防いだんだ。あれでも1万分の1にまで減ったんだよ?」
ライト「ふ~ん、でもお前らがタダでそんなよいおこないするはずないやろ。どうせたんまりギャラをふんだくったんちゃうんか」
「まあね・・・
でもよ、その作業のおかげで俺たちの半数は重い病気や障害を抱えている。十分ギャラに見合った仕事はしたと思うぜ。」
周りを見ると海賊のほとんどが腕や足のどこかが失われている。
笑って義手を降る海賊
ルヴェリエ「王家が海賊に面倒な仕事を押し付けていたなんて・・・そういう時、真っ先に国民のために命をかけるのが貴族なんじゃないですか?」
ロジャー「あくまで理想はそうだがな・・・誰かの為に自分の身をなげうつのはなかなか出来ることじゃないんだぜ」
ルヴェリエ「でも・・・」
ルヴェリエを優しくなでるミグ「最後まで聞いてみよう・・・で、なぜ船を盗んだ?」
ロジャー「やっぱそこ行く?それはその・・・中古の宇宙船を集めて他の星に売るんだよ。おたくらの船さ、なかなかいいエンジン積んでいるじゃない?あれは金になるなあって・・・」
ライト「やっぱり金か!しょうもないやっちゃなあ・・・」
ロジャー「オレたちには金がいるんだよ。それも外貨が。」
「なんでやねん」
「それで海王星の支援物資を買っているのさ。何年もずうっとね・・・」
「・・・なんやと?」
「オレたちが命懸けで事故処理をして獲得した最大のギャラはそれさ。
まだわかりませんか?ルヴェリエ・ネプトゥヌス殿下。」
ルヴェリエのコンパスの針がロジャーを指している。



王宮
テロリストが書庫から書類の束を持ってくる「どうぞ」
ピカール「拝見。」
何かを見つけ笑うピカール
「なるほど・・・海王星の財政のからくりが解けましたよ。」
ナッシュ「どういうことだ?」
一枚の書類を見せる「ご覧なさい。」
「これは・・・私掠行為許可証・・・!」
「あの女王なかなかの悪党のようだ。
しかしこれで海王国政府と海賊がつながっていることがわかった。」
「ああ、海賊の居所を聞き出せるな、」
「さっそくお願いします。」



海賊船、艦橋。
ルヴェリエ「え・・・?もしかして僕が探していたのは・・・この人???」
ロジャー「はじめまして殿下。お会い出来て光栄です。」
ルヴェリエ「でも、なぜエガリテ隊長はあなたを訪ねろと・・・」
ロジャー「エガリテは私が近衛隊の隊長をやっていた頃の親友です。そのコンパスは私が仕事をやめた時にあいつに渡したものです・・・」
コンパスを裏返すルヴェリエ。海王国の紋章が刻印されている。
「あなたが・・・海王星の救世主・・・?」
ミグ「そうか・・・海王星の逼迫した財政では、国民全てに十分な生活物資は供給できなかった。
だから海賊を使って非合法な手段で物資を集めさせた・・・私掠行為を許可して。」
ロジャー「すべては海王星のためです。」
ルヴェリエ「僕らの星はあなたがた海賊によって養われていたってことですか・・・!」
ロジャー「え、い、いや、その・・・」

部屋を飛び出すルヴェリエ
海賊「あ、坊ちゃん!」
ロジャー「ほっといてやれ!」
ライト「・・・ショックやったろうな・・・」
ロジャー「俺なんかに会わなかったほうがよかったのかもな。」
ライト「そんなことないって・・・あいつは体はちっこいけれど強いから。」
ミグ「・・・・・・。」


甲板の縁に座って海を眺めているルヴェリエ。
ミグ「いいかな・・・」
隣に座るミグ
「確かに海賊を憎む気持ちはわかる」
「海賊が憎いんじゃないんです。
ボクら王族がこんな汚いことをしていたなんて・・・」
「きっとお母さんも国民を救うために必死だったんだと思うよ。」
「でも・・・何の罪もない他の星の人々を襲って物資を集めてたなんて・・・」
ルヴェリエの肩に軽く手を乗せるミグ「・・・・・・。
キャプテンロジャーがリンドバーグ号を返してくれるそうだ。いつでも出発できる。」
ルヴェリエ「それで僕はどこへ行けばいいんですか・・・?僕の目的地はここだったんですよ」
「そうか・・・じゃあここでお別れだな。」
「ミグさんたちは?」
「ノーチラス号を止めに行くよ。海王星を救わなくては・・・」
「なんで海王星人でもないミグさんがそこまでするんですか?」
「言っただろ・・・私は過去に決着を付けなければいけない。
海王星をこんな状況にしたのは私の責任でもあるんだよ」
「え・・・?」
「あなたに打ち明けるのがずっと怖かった・・・でもここで別れるのなら、勇気を出して告白します。」
「・・・・・・。」
「私の名はミグ・チオルコフスキー。冥王星の軍人。海王星の隕石衝突を止められなかったチオルコフスキー将軍の娘です。そして・・・テロリストのノーチラス号強奪に手を貸してしまった・・・」
「ミグさんが・・・」
「私には償いきれないほどの罪がある。その罪を少しでも償いたいから私は戦う。」
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