『80日間宇宙一周 Galaxy Minerva』制作裏話

 いや~調子に乗った。

 さすがに3回目となるとマンネリとの戦いになってきちゃって、かなり辛かった。設定のマンネリ、ストーリー展開のマンネリ、そしてキャラのマンネリ・・・
 マンネリ化するってのは結局元がそこそこ面白いってことだから肯定的にも取れるんだけど、書いている方が結構しんどくなってくる。
 ああ、こんなシチュエーション前にも一度書いたな~って覚えてるから。同じこと何度もやれないし・・・でもミグとライトが宇宙船で色々な星に行ってそこで様々な人と交流するっていう設定は変えられないからなあ。

 ・・・ってやっぱこれ、水戸黄門だよね。

 だからもうこのシリーズで多くは書けないな、と悟った。あと2本くらいで完結させちゃおうと思う。火星と地球かな。木星は・・・どうすっかw
 とにかく完結編の構想はもう既にだいたい出来ているから終わらせる気になればいつでも出来るんだけれど、4作目以降はちょっと期間をおいて新鮮な気持ちに戻したほうがいいかもしれない。
 てことで今回を持って『80日~』は無期限休養に入ります。あとはマロさんの小説を楽しむとして・・・(笑)

 さて今回の天王星の話、ネタ的にはかなり気に入ってるんだけど、作中で描かれるアイドルとか社会情勢とかがちょっとやばそうな気がするので(一時期、お蔵入りを真剣に検討した)、そこはあくまでもこの物語はフィクションであるということを念頭に置いて読んでください。
 いや、私の漫画なんてみんな大して読んでないから、そこはインディーズの強みというか、まあ、気楽なところなんですけどね。人気作家じゃ絶対書けないぞ、これ。でも島本先生ならやっちゃう気がするw

 というわけで登場人物について。今回はいよいよというか、ついにというか、ライトを中心に話を作ってみました(初めてライトのモノローグが出てくる)。
 実はライトってこのシリーズではけっこうなデウスエキスマキナ(ちょっといいセリフ言って話の方向性を変えることができる使い勝手のいいキャラ)だったんだけど、今回はライトの話なのでそうはいかない。だから結構書いてて心細かったです。

 その、F先生が『ブリキのラビリンス』でドラえもんを壊しちゃった時、その後の展開どうしようってきっと不安になられたと思うんですけど、そんな追体験を勝手に妄想してました。いや、これは偉大な巨匠に対して恐れ多いですね。

 今回のテーマは「夢」。一作目で夢を絶対に諦めないというキャラ設定にしたライトをどう掘り下げていくか、けっこう悩んだんですが、あっそうだ、ライト並みかそれ以上に夢に向かって真っ直ぐな純粋なキャラを出してみたら面白いんじゃないか?というコンセプトでアリエル・スカイという女の子を考えました。
 ツイッターでもつぶやいたんですが、私の漫画って結構女の子が出てくるんだけど、この『80日間宇宙一周』のシリーズってなにげに一度も女の子が登場していない稀有なタイトル。

 で、いよいよ満をじしての美少女キャラ投入だったんですが、前回のルヴェリエ王子が隙間家具のようにミグとライトの間にスポンと入ったのに対して、女の子のアリエルはどうやってもライトとミグの微妙な関係をある種破壊してしまうような、少女漫画の三角関係にありがちなライバルキャラっぽくなってしまってちょっと手こずりました(アリエルが嫌な奴に見えちゃう)。

 とはいえアリエルが16歳前後だとしてライトが25歳、ミグが31歳・・・どんなトライアングルだってなるじゃないですかw
 31歳が16歳に嫉妬するってのもなんかおかしな話だしw
 で、やばいやばい、このラブコメ展開気持ち悪いと悩んでいたら、ある時ひらめいた!ミグとライトを別行動させればいいんだ、と。

 これぞカーズ2に私が学んだダブルプロット構造なのだ!(普通はシェイクスピアだろ)

 つまりミグとライトを一度喧嘩させて引き離し、お互いに相手の良さを再確認するような構造にすればいいと思ったんです。これが決まればもうラストまでは一直線・・・あれ?これ海王星の時も言ったかw
 でも本当に物語って起承転結の起承までできればあとは方向性は決まっちゃうからなあ・・・とにかく辛いのは起承。激ムズです。

 あと何が難しかったかなあ…?一応天王星のモチーフはローマ帝国の共和制末期あたりなんだけど、領土問題どうこうは・・・まあ察してw
 マイナーなアイドル文化がある種、国家全体を揺るがす信仰になるのも、コンスタンティヌス帝が某宗教を最終的に国教に・・・察して!!

 そういえば今ってここまでアイドルブームな割にアイドル業界の実態がまったくわからないよな。いや夢を売る商売だから、そういう暗部は非公開っていうのはわかるんだけど、このネット時代、元アイドルとかがアイドル業界の構造をつまびらかにぶっちゃけたってよさそうなもんじゃん。ノンディスクロージャー契約でも引退時に結ばさせられてんのかなあ?
 同じ夢を売る商売の漫画業界は『バクマン。』が原稿料まで大発表しちゃったのになあ・・・

 とにかくシングルを売るにしても事務所にどれだけ入るのか、印税の分配はどうなっているのか。作曲者、編曲者、作詞家、アイドルと来て、例えばAKB48のような大所帯の場合、彼女らにどれだけのマージンがいっているのか、とかいろいろ気になる。
 で、そういう業界の裏話を作中でも使いたかったんだけど、本当調べても出てこなくて(本もあんまねえし)、仕方ないから私が勝手に想像力で新人アイドルの一日をシミュレーションしてみました。
 よってあれは全くの素人の想像なので、多分違うと思うw

 アイドルといえば、作中で宇宙で最も人気があるアイドルという設定にしたジュリエッタの大物アイドル感を出すのが結構大変だった。あれ、見る人が見ればわかるけれどレディ・ガガさんがモチーフ。
 また、機械のアイドルでもファンが差別せずに応援してくれるってオチは10年前だと「んなわけないじゃん、田代の漫画っていつもご都合主義だよなあ」って馬鹿にされたと思うんだけど、今は実例がいるからね。いるからね!ファミマにいるからね!!

 スゲエ時代だ!!!
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