・・・とか言うけど、これまだ「制作」はしてないよねw執筆裏話だよねwその上執筆期間も5年前だから、何考えて書いたか忘れちゃったよw
ん~まいった・・・とにかく私って恐竜が好きだから一度恐竜の漫画を書こうとは思ってたんだけど、この前見た映画『ダイナソープロジェクト』もそうだったけど、恐竜を題材にした映画を作るのってかなり難しいんだよね。
あの『ジュラシック・パーク』でさえ一作目が奇跡の出来って感じで、続編はすごい映画だったかって聞かれれば、そうでもないし・・・
それくらい物語の作劇構造に「恐竜」というのは合わせにくい。アボカドと違ってかなり使い勝手の悪い食材だと思う。だから『ダイナソープロジェクト』の失敗はしょうがないと思うんだ(失敗でいいよね?あれw)。
これが哺乳動物ならラスカルとかフリーウィリーとか人と動物の交流にまつわる感動ドラマが描けるんだけど(日本人ってこういうのやたら好き)、恐竜って絶滅しちゃってるし、どっちかというと一般的には「でかい怪獣」のイメージが強い動物だからね。その点F先生の『のび太の恐竜』はうまくやったよね。
でもあれは結構例外で(『REX恐竜物語』とかもあったけどさ)、恐竜映画って基本的にはB級モンスターパニック映画のコンテキストで作られることが多い。
『ジュラシック・パーク』の上手かったところって、この人と恐竜の交流(動物映画の文脈)と恐竜の恐怖(モンスター映画の文脈)を半々でバランスよく取り入れたってことだよね。
続編の『ロストワールド』では、今度は『ハタリ!』の恐竜版をやりたかったのかな?って気がする。
だから恐竜そのものよりも、恐竜を人間たちがどう捉えるか、そのドラマをメインに持ってきた感じだったのかもしれない。
あれは構成が下手だっただけで、もうちょっと練りこめばメッセージ性の強いいい映画になった気はするよね。ちょっと悪乗りしてモンスター映画にしちゃった感じがするけどね。そこがスピルバーグ監督なんだろうけどw(※無意味にグロい)
あともうひとつのやり方といえば、ディズニーの『ダイナソー』のように動物生態映画みたいに作っちゃうことだよね。私が恐竜映画で一番好きなのが、この『ダイナソー』なんだけど、さすがはディズニー。動物映画の老舗だけあって映像の美しさは凄かった。
一応アニメ映画ってことで恐竜喋らせてドラマも入れてたんだけど、今度は『ディープブルー』や『ライフ』みたいなガチの動物ドキュメンタリー映画の恐竜版を作ってはくれないだろうかw
まあこんなもんかな。他にも恐竜の出し方としては、時代に取り残された場所があってそこに現代も恐竜が生き残っているという失われた世界タイプ(『ダイノトピア』なんかもこれ)や、ドラえもんみたいに現代人が恐竜の時代にタイムスリップしちゃうタイムマシンタイプ、そして本当クライトン先生はすごいなあって思ったんだけど、現代に恐竜を科学技術で再生させるクローニングタイプなどがある。
もうどう考えても恐竜のクローン再生が恐竜と人間を出会わせる最後のアイディアなような気がして、私なんかはどうしよう・・・って悩んじゃったんですが、ある時「あ、これはもうファンタジーってことにして、最初から恐竜と人間が共存してればいいや」って発想を逆転させて、この漫画の設定を組んで行きました(やけになったとも言える)。
だから、中途半端にSFな雰囲気を出しちゃって「なんで人間と恐竜がいるんだよ?」っていう読者の人のツッコミを極力喚起させないように、「ああこれはこういう世界観ってことなんだ」って、最初のシーンから恐竜がいることを前提として描きました。
例えば『ハリーポッター』を見て「なんで魔法が使えるんだよ?」ってツッコミ入れる人はいないでしょ?それと一緒で、恐竜がもともといる世界なんだよって。
まあ後半はけっこう世界観の謎が解けてきてSFっぽくもなっちゃうんだけど、それでも西部開拓時代にないものは極力出さないようにした。
そもそも「恐竜」というとんでもないものを西部劇に出している以上、それ以外で変なことにはしたくなかった。これは戦国時代にマスコミとかを出しちゃった『風と翼』とは対照的なやり方をとったと言える。
でも未知の島とかギアナ高地とか孤立した地域に恐竜が生き残っているってのは今までいろいろあったけど、大陸ひとつに恐竜が生き残っているという話は私が初めてだったと思う。自分でも思い切った設定にしたなあってけっこう満足してますw
で、意外と「荒野」と「恐竜」っていうのが合うんだよね。『ダイナソー』でも荒野を恐竜の群れが歩いていくシーンがあるんだけど、そもそも恐竜の化石って「死の谷」とかそんな物々しい名前のついた荒地(バッドランド)から発掘されることが多いんだよw
だから西部劇とは合わないこともないんだよね。エイリアンも出せるくらいなんだから。作劇万能ふりかけ、美少女の次は西部劇やで!
ということで、いろんなことがもう開拓され尽くしている恐竜もので、なんとか知恵を絞ってオリジナリティを出したのが、『恐竜大陸サウラシア』なわけです。
もうこれ以上のアイディアは私には出ないと思うから、恐竜漫画はこれで最初で最後になると思う。でも私よく頑張ったよ。ほかの人がどう思うかはわからないけど、私自身は結構面白い話だと思うし、生きているうちにこの漫画だけは仕上げたいからね。
それにさ、けっこう動物ものとしてもいい感じにバランスとってると思うんだよ。日本の動物映画ってバクテリアの一つ覚えのように感動ものにしか仕上げないけどさ、それは一部の動物の一部の要素を拡大解釈しているだけであってさ、動物の中には不快なものもグロテスクなものもいるし、人間にとって迷惑なもの、人間にはとても制御できないものだっているわけだ。
だから『ジュラシック・パーク』の原作で一番好きな一節なんだけど「恐竜にも人に懐いてかわいいやつもいれば、この手の動物園では飼育できないような凶暴なやつもいる」んだよ。
最後の方ではあからさまにポケットモンスターのアンチテーゼをやっているけど、まあそういうことなんだ。自然界の全てを支配できるなんて思い上がりもいいところなんだよ。
さらにそれを生態系にまで広げれば、人間VS自然もしくは人間♡自然といった単純な二元論には還元はできないことがわかる。
人間だって自然の一部なんだから、ある程度は自分の都合のいいように改変はできるかもしれないけれど、その結果が副作用としてブーメランのように跳ね返ってくることだってある。
現代で快適な生活をしている私たちにはなかなか実感はできないけど、感謝祭のピルグリムファザーズだってアメリカに移住したときは相当苦労して、移民のほとんどが死んじゃったらしい。
歴史の本によれば、インディアンと対立したり戦争で死んじゃったらしいけれど、それ以上にアメリカの大自然の厳しさが立ちはだかったんじゃないかなって思う。
だからこの脚本を普通に読めば、作中の恐竜はインディアンの置き換えだってわかるんだけど、それと同時に私は恐竜を強大な大自然のメタファーとしても描いてみたんだ。
宇宙にすら進出しちゃった私たちにどれだけのフロンティアが残されているかはわからないけど、それでも地球上で私たちが安全に暮らせるエリアはすご限られている。
そして今の快適な生活があるのは、先祖の人がこうやって頑張って開拓してくれたからなんだよね。
え~っと・・・なんかあまり裏話的な話をしてないぞwまあいいや。
作中に登場する人物は、ほとんどが実在する古生物学者がそのまんま元ネタになっているので、詳しい人はすぐにわかると思う(『80日間宇宙一周』と名前のつけ方が一緒)。でもフィリップとリズリーとアニーだけは古生物学者が元ネタではないので、ここで説明。
フィリップは昔フジテレビでやってた『世界超密着TV!ワレワレハ地球人ダ!!』って番組で「スネークハンター」ってコーナーがあったんだけど、そこで出てくるアナコンダ捕獲に異常な執念を燃やすスネークハンターの「わがままフィリップ」ってやつが元ネタ。あとはフィリップ・アストリーっていう近代サーカスの創始者からも取っている(もちろん古生物学者フィリップ・カリー博士からも!)
リズリーは確か江戸時代に日本にやってきた最初のサーカスで「リズリーサーカス」ってのがあったんだって。リズリーって語感がかわいいし、小柄な女の子にぴったりだったから決めちゃったw
アニーは西部劇ってことで「アニーよ銃をとれ!」からつけました。最初の設定ではコープのキャラも兼ねていて、銃を持つと性格が豹変する凄腕女性ガンマンだったんだ。でも書いてみてあまりに漫画っぽいキャラになっちゃったから、コープと役割を分担させることになった。
だから、あのまま書いていたらコープはいなかったんだね。私コープのキャラが結構好きだから、やっぱ分離させてよかったなあって思うよ。キャラの数も減らしゃいいってもんじゃないよねw無意味にたくさんいるのは困りものだけど・・・
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