経済学覚え書き①

 今、大学で経済学(というか社会学全般)を勉強しているのですが、テキストが分厚い&重い・・・!500ページ以上あるのにハードカバーじゃないから、クネクネして持ちにくい(^_^;)
 ただ、持ちにくさに我慢できれば、テキストの内容は初心者向けですっごいわかりやすく、なによりも面白い!レヴィットの『ヤバい経済学』あたり引用するところ、著者の伊藤元重先生なかなかの学者さんのような・・・

 で、ここでは第一章で自分が面白いと思った箇所や、メモっておきたい用語を覚え書きします。昔はこういうことって大学ノートにやってたんだけど(ナドレックさんにこの前怒られたけど、本や映画を見ながらメモをとるのが癖)、もう鉛筆で字を書くのすら億劫で、しかも私、字が汚いから、後で読み返した時になんて書いてあるかわからないこともあったんですが、そう言う意味ではパソコンは福音だよなあ。
 
 経済学を学ぶ目的は、経済学者の議論にだまされないようにするためである。
                    ――イギリスの高名な経済学者の言葉(誰やねん)

お金の役割
①価値尺度手段:商品の価値の測定基準になる。
②価値貯蔵手段:富を蓄えることができる。
③交換手段:商品の交換のなかだちをする。
④支払手段:銀行預金やクレジットカードで決済をすることができる。

トレードオフの関係
あちらを立たせれば、こちらが立たず。リチャード・ドーキンスが多用(している気がする)
例えば、トレードオフの関係を無視して、好きなだけ生産&消費をすると、資源が枯渇するので、結局最終的には制約を受ける。ここら辺は生態学や進化論などと一緒。
経済学の一つの目的はトレードオフの関係をふまえて、どのような選択が最善か指針を与えること。※保全生態学者っぽい。

アダム・スミス
海外との自由な貿易が最終的に自分たちの国を豊かにする。←重商主義(貿易差額を獲れば国は豊かになるという考え方に基づく保護貿易政策=自分の国さえ儲かりゃいい)批判。市場の機能で社会は豊かに。

デビッド・リカード
ワインを作るよりもラシャ(毛織物)を作る方が得意なイギリスと、ラシャを作るよりもワインを作る方が得意なポルトガルがあったとき、イギリスはラシャ、ポルトガルはワインと、役割を分担して生産にあたった方が、どちらの国の利益も拡大する(二国のワインとラシャの生産量の合計が上がる)という比較生産費説に基づく自由貿易を主張。これを国際分業という。

フリードリッヒ・リスト
逆に保護貿易を主張したのがこの人。
当時のドイツの遅れた工業を見て、これは国が守りながら発展させないと、仮に自由貿易を始めても国際競争に絶対に敗北すると考えた。
具体的には関税を課したり、輸入量の制限をするべきだとした。
この人はほかにもヨーロッパを統合すべきだ、というEUみたいな発想を19世紀の時点で考えていて、そのEUが加盟国間で関税を排除しているのは、なかなか考えさせる。

市場の失敗
ただ規制緩和をすればいいってものじゃくて、市場に全てを委ねると、環境が破壊されたり、所得分配に格差が生じたり、やっぱり社会がめちゃくちゃになる。
ケインズなどは確か政府が市場に介入することを論じていた(気がする)。
代表例は以下のとおり。
①独占の形成
②外部不経済の発生
③利益にならないために公共財が供給されない
④情報の非対称性
⑤流動性の罠
(貨幣を貯め込もうとするために総需要が不足し失業が増える)

合成の誤謬
各個人の行動を考えるだけでは、経済全体の動向はつかめないこと。

 僕が古畑さんとコンビを組んだのは二年前です。まあ、とにかく僕らは名コンビって言われてましたから。まあ、確かにあの、息はあってたし、その、互いの足りない部分を補うっていうか、つまり、1+1=2ではなく3にも4にもなったそういう理想的な関係でしたね。
                                ――ある巡査の言葉

例えば・・・自分の貯蓄を増やそうとする→消費が抑えられる→生産に対する需要が減少→景気が悪化→企業の利潤が低下→サラリーマンの所得の減少→結局貯蓄が減少

囚人のジレンマのナッシュ均衡(みんなが自分の利益“だけ”を追求するとみんな損するというやつ)などが有名。

行動経済学
消費者や生産者は常に合理的な選択をする(自分が得する事を選び、損することは避ける)、というのが経済学の前提であるが、そこに心理学の研究成果も取り入れた考え方。

ミクロ経済学
個々の市場の需要や供給を分析する。

マクロ経済学
マクロ経済政策、経済成長、経済全体の動向を分析。インフレ、デフレ、政府財政、為替レート、GDP(国内総生産)や政府支出など。

需要供給曲線
経済学で最も重要な、黄金のクロス。縦軸は価格、横軸は買われる量もしくは売られる量。

需要曲線
右下がり!デマンドの頭文字Dが使われる。
値段が安いと、たくさんの人が買う(グラフ右)。値段が高いとあまり買わない(グラフ左)。

供給曲線
右上がり!サプライの頭文字Sが使われる。
売値が安い(=儲けがわずかだ)と、あまりその商売に手を出す人はいない(グラフ左)。売値が高いと、みんながその商売に手を出す(グラフ右)。

均衡価格
エクリブリウム(均衡)の頭文字Eが使われる。
需要曲線と供給曲線が交わった点に於ける価格のこと。需給の一致。

超過供給
グラフの右のエリア。
価格が高く、供給量が多く、需要は少ない。
売れ残りが出るので、どんどん価格は安くなる。

超過需要
グラフの左のエリア。
価格が安く、供給量が少なく、需要は多い。
欲しい人はたくさんいるのに売り切れるので、どんどん価格は高くなる。

価格の乱高下
白菜や石油など。
基本的に毎年ほとんどの人が買うので、仮に供給量が大幅に変化しても需要が変化しにくい(非弾力的な需要)。いっぱい取れても毎年買われる量は同じ。不作でも買われる量は同じ。
また、ある年で白菜が高値をつけても、ほかの農家はすぐに白菜に乗り換えることが難しいので、需要に伴った供給量の調整に時間がかかる。よって供給曲線は値段に関わらず変化しない、年度ごとの垂直線になる。

計量経済学
現実のデータ(売上や生産量)をもとにして、需要曲線や供給曲線を引いていく分野。過去十年の白菜の価格と収穫量のデータをグラフ化すると、だいたい理論通りの曲線を描く。

需要曲線のシフト
供給量は変わらないが、例えばその土地の近くに鉄道の駅ができて便利になったりすると、土地の需要が増え、地価が上がったりする。
この場合、供給量が弾力的(需要に合わせて供給できる)だと地価は緩やかに上がり、供給量が非弾力的(需要に応じて供給量を変化させられない)だと地価は急激に高騰する。
もう一つ地下を上げる原因は、地主の売り渋り。この場合、供給曲線Sは右下がり――つまり、価格が高くなればなるほど、供給量が減るという普通とは逆の曲線を描く。

消費税
消費税が10%かかると1000円のものは1100円で売られる。この負担は、需要供給曲線の弾力性の程度によって、消費者が負担するか、生産者が負担するかが決まる。

①消費者が負担する場合
需要曲線の傾きが急(=需要が非弾力的)なので、高くなってもみんな我慢して買う。
対して、供給曲線の傾きは緩やか(=供給が弾力的)なので、供給する側が価格に敏感に反応できる。つまり、少しでも価格が下がったら、みんなごぞーっと撤退する可能性があるので、生産者価格はあまり下がらない。
また価格が上がっても、需要が非弾力的なので、売り手もそこまで供給量を増やさない。

②生産者が負担する場合
需要曲線の傾きが緩やか(=需要が弾力的)で、高くなったらみんな買わない。安くなったら買えばいいやってなる。
対して、供給曲線の傾きは急(=供給が非弾力的)なので、価格が高かろうが安かろうが供給量をあまり変えることができない。よって価格が高くなったら売れ残りが出る場合がある。そうなると、均衡価格は大幅に下がることになる。
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