トランスフォーマー/ロストエイジ

 「面白い度☆☆☆ 好き度☆☆☆」

 創造主よ。地球に手を出すな。

 上記のセリフはトランスフォーマーの正義の軍団オートボットの司令官オプティマス・プライムが最後の最後に言うセリフなんだけど、もう爆笑しちゃってさ。
 確かに!ってwほんと、映画やアニメの神とか創造主って、作った世界にちょっかい出しすぎよね。オレはすごいんだぞ!オレの前ではお前らなんて愚かで卑小な存在なんだぞ!って必死にアピールすることほど愚かで卑小なものはないよね。
 だからこの手の世界を創造した神に近しい存在ってしょぼくなっちゃう。沈黙は金って知らないのかって。
 しかしアメリカって『2001年宇宙の旅』みたいな題材が好きなんだなあってつくづく思った。世界は創造主によって構築されているっていう哲学が自然観の底板にあるんだよね。
 そういうのは非科学的だって思う人もいると思うけど、そういった自然観が近代以降ヨーロッパで自然科学を発展させた大きな原動力だったりするからね。古代ギリシャの目的論的自然観との対比で、実験や観察により自然界の法則を明らかにしていく科学的な見方を機械論的自然観っていうんだけど、自然がメカならそれを設計するメカニックが当然いるだろってことになるわけで。
 実際そういったメカニックなしでランダムに生物が進化していくブラインドウォッチメイカー(盲目な時計職人)の考え方ってアメリカ人には受けが悪いらしい。
 ダーウィン進化論っていうのは、竜巻に巻き上げられた鉄くずが、それこそトランスフォーマーみたいにランダムで組みあがって、竜巻が通り過ぎたらボーイングのジャンボジェット機になってたってくらいありえないだろっていう。
 そこでこの映画のスタッフはリチャード・ドーキンスのブラインドウォッチメーカー説とも、創造論者のID節とも異なる第三の学説を提唱したのだ!

 それこそトランスフォーミウム!

 念じるだけでどんな物体にも形を変えられる金属なのだ~!ジャ~ン!・・・ってグリーンランタンか!!
 あれじゃね?トランスフォーマーの神様ってあいつらじゃねえの?合流しちゃえよもうwなんか最近ではプリキュアシリーズでもプリキュアの神が登場して視聴者を騒然とさせているらしいけれど、やっぱり神ならばもっとどっしりと構えて欲しいよね。
 神から見て人類が虫けら同然なら、オレらだっていちいち虫けらの世界に干渉しないわけじゃん。もう眼中にないと思うんだよね。眼中無さ過ぎて偶然踏み潰しちゃったってことくらいはあるけどさ。
 ユダヤ教の神様みたいに、お前らはわしのルールを守らなかった!天罰じゃ~!とかやるのは、割と人類と同等くらいのたいしたことないやつなんじゃないのっていう。
 そういう不満というかツッコミがあったから、自分の漫画で創造主を出すことになったときはいろいろ考えたけどね。そしたら逆の意味でしょぼくなっちゃったっていうw
 つまり人類とスケールが違いすぎて、人類の役に全く立たない。それはそれで、お前ほんとに神か?って話になっちゃってねwでも人類側のそんな挑発に乗るほどオレの神は感情的じゃないからね。オレは神様だから、あれもできるぞ、これもできるぞ、どうだすごいだろウハハ!はなんか違うなあって。

 まあなんにせよ、トランスフォーマーの方々の誕生にはそのトランスフォーミウムっていう金属が関わっているらしいんだな。オレ達有機物の生物はよくわからないけど。
 あとなんと6000万年前の恐竜の絶滅にもトランスフォーミウムが関係していたのだ!なんか地上のあらゆるものを金属にしちゃうメタル爆弾(今勝手に命名。作中ではシードって呼んでた)が爆発して恐竜が金属になって滅んじゃったんだって。
 でもそんなもんで完全に滅ばないのがダイナソー。4体だけはしぶとくメタルになっても生き続け、トランスフォーマー化していたという。だから今回出てくる恐竜型トランスフォーマー(ダイナボット)は一応人間っぽい形にも変形するんだけど知能は恐竜のそれで、会話とかはしない。
 しかしダイナボットってすげ~懐かしいよ。というのも昔日本のテレビアニメでトランスフォーマーってやっててさ。別に私ロボットアニメとか好きじゃなかったんだけど、オモチャ屋に恐竜のオモチャってホントなくてさ。今の若い連中は絶対知らないと思うけど、ほんっとうになんもなくてさ。
 言ってみれば飢餓状態でさ。もう恐竜の形してたらなんでもよくてさ。ダイナボットの5対セット持ってたんだよね。すごい懐かしいよ。あいつらどこやっちゃったんだろ。
 今回の映画ではティラノサウルス(ちょいドラゴンぽい)、スピノサウルス(ノラネコさん曰くちょいアンギラスっぽい)、プテラノドン(ランフォリンクスぽい)、トリケラトプスの4体だったけど、昔はステゴサウルスとブロントサウルスがいたんだよね。で、言うまでもなくブロントサウルスが一番好きだったんだよね。
 だからブロントサウルス型ダイナボットが出なかったのは残念だったけど、冒頭の恐竜の時代のシーンでそれらしい恐竜の群れが出てたから良しとする。あいつらもあんなにいれば一頭くらいはトランスフォーマーになったに違いない。
 まあ最近のアクション映画は動きが機敏でさ。ああいう動きはブロントサウルスの形では無理があるって判断なのかもしれないけどさ。でもさ、あんなにディティールの細かいごちゃごちゃしたロボットがビル街で取っ組みあったり集団戦やられるとさ、もう目が疲れちゃってさ。これは一作目で私が嫌になっちゃった理由なんだけどさ。CGがすごいのは分かるけど目がチカチカしないか。隣の人なんて疲れ果ててグースカ寝てたぜって。映画本編も3時間近くあるしね。

 なんというか盛りすぎなんだよ、マイケルベイ監督は。面白いものとりあえず突っ込んどけ感がすごいよね。特盛映画というか、物量大作戦映画というか・・・
 すごいことをダレ場なしにどんどん上乗せしちゃえば、そりゃパワーインフレどころの話じゃないぜって。まあ小中学生くらいはそれで大喜びだから、いいんだろうけどね。
 だいたい対立勢力が多すぎるだろ。三つ巴は聞いたことあるけど、四つ五つ六つどもえ位になってたよ。作り手把握できてんのかい。トランスフォーマの脚本って足し算しかできないんだろうね。引き算や因数分解(整理)ができないから、長くグダグダになっちゃうんだろうね。でもまあ、ゴジラの悲劇からの反動で、わりと楽しかったけど。
 んで、結局最後までロックダウンっていうトランスフォーマーの勢力が謎だった。謎のまま倒されてしまった。(´;ω;`)あいつと主人公の相棒のメカニックがかわいそすぎる。彼らのリベンジを求む。ロックダウンリベンジ!
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