バンクーバーの朝日

 「面白い度☆☆☆ 好き度☆☆ 妻夫木くんのユルさ☆☆☆☆☆」

 ね、悪い人ばかりじゃないでしょ?

 でもあいつらデカいだろ。


 現在の日本は超高齢社会と言われていて、選挙でも絶対数の多いお年寄りの民意が優先されてしまうから、数で負ける若者の政治離れが進んで、挙げ句の果てには自分たちのパイが不当に老人に搾取されていると思い込み「老害」なんて史上サイテーサイアクのスラングが跳梁跋扈する始末。
 老害という言葉は恥ずかしいことに50代~30代も使っていて、はっきり言って下の世代にとっちゃお前らも老害だろ感がすごいんだけど、こういう人たちって戦後の日本を豊かな経済大国に発展させたのが老害だという視点が欠落している。
 それに少子化だって、後続世代が子どもを作らなかったのが原因だろ。「早く嫁をもらえ」とか「孫の顔が見たい」とか、そういう親のプレッシャーが嫌で、自分の好きに生きたわけであってさ。いや、今の社会状況じゃ子どもを養うほどの余裕がないとか言うけれど、戦後はみんな貧しかったわけで、一度味わってしまった豊かな生活水準を下げられないのが問題なんだよね。
 私は、別に少子化を食い止めるために子どもを作れ!なんて全然思っていない。私も未だ独身だし。ただ、その結果による多少の不利益は潔く受け入れろって思うことがある。
 民主主義という多数決で政治が行われているだけなのに、人生の先輩たちを口汚く罵るのは、おかしいんじゃないのか。お年寄りの方もそんな文句言われても困るだろう。若い奴らの甘ったれもここまできたかって呆れているに違いない。オレたちはなんのために一生懸命働いたんだっていう、
 そして、私が興味があるのはそのあとの未来だ。つまり、そういった働き者の「老害」の世代が亡くなり、ごっそり日本の人口が減ったとき、不足した労働力はどうやって補うのか。100年後には日本の人口は三分の一になっちゃうらしい。
 私は、とうとう日本は移民を受け入れるようになるんじゃないかって思うんだ。つーかそれしかないだろ。私たちの世代が「老害」と言われるようになる未来、海外から出稼ぎにやってくる外国の人とどう付き合っていくべきか?そういうことを考えるいいきっかけとして、この映画は作られたのかな?そう思っていたんだ。

 そしたらすごいゆるかった。

 なんかね(^_^;)出ている俳優はすごい豪華な割に、見事にどのキャラも薄いというか、本当に全編ゆる~いテイストで、『タイタンズを忘れない』とか『ナンバー42』とかの感動スポーツ映画を期待した私は、ちょっと肩透かしだったというか・・・やっぱこういう内容の映画はアメリカってすごいうまいんだなって再確認しちゃったよ。
 いや、でもつまらなかったわけじゃないんだよ。ただ取り上げる題材や伝えたいであろうテーマは割と重いもののはずなのに、すっごい安心して見れるんだw低刺激というか。やっぱりマイルドな「いい話」が日本人は好きなんだなあって。
 しかし、日本人っていうのは、あれよね。ずるいよね。未だに自分たちを「被害者」としての視点でしか描けないんだっていう。日本人が「加害者」として描かれる映画は、まだ受け付けられないんだなって。本当に第二次世界大戦とか反省してんのかなあって。
 
 日本人は愚かだ。一度つけあがるとすぐに過ちを侵す。残念だ。

 一応「加害者」としてのポジションにいるカナダ人の人も割といいやつに描いていたから、まあ、向こうでも受け入れられたらしいんだけど。
 むしろカナダっていい国なんだなあって思うよ。字幕には表示されなかったけど、「フェアにやれ!」ってインチキカナダ人審判に抗議したカナダ人の観客が「オレはジャップじゃなくてベースボールを愛してるんだ!」とかこっそり名台詞言っていたしw
 でも、ちょっと淡々と描き過ぎかなって。これは作り手が意図的に深く追求しなかったんだろうなって感じはするんだけどね。いろんな層に配慮して。
 でもさ、これからやってくるのは、この映画で描かれた立場が逆になった社会だろう。カナダ人と日本人の立場を逆にしてみたとき、オレ達日本人はあそこまで外国人労働者や移民に寛容でいられるのだろうかって。
 関東大震災の時、在日朝鮮人が井戸に毒を入れたっていうデマにまんまと踊らされて、朝鮮の人をリンチしちゃったオレたちが、仕事を奪われ、野球でも負け、戦争で奇襲攻撃を仕掛けられた時、在日外国人の人をどこまで許せるのか。やっぱり強制収容所に送っちゃうんじゃないかっていう。

 とにかく、もうちょい脚本を練れば、もっといい映画になった気もするんだけど(そしてもっと人を選ぶ映画になった)、バンクーバー朝日っていう日系人の移民だけで結成されたカナダの野球チームのノリがね、『巨人の星』よりは『けいおん』なんだよね。
 全然ハングリーじゃないんだよね。移民一世のおじさんたちは「白人どもを叩きつぶせ~!」みたいなガラの悪い阪神ファンみたいな野次を飛ばしているんだけど、バンクーバー朝日のメンバーは移民二世ってこともあってか、あまり白人に強い対抗心を持っていないっていうのがね、あのチームのアグレッシブのなさにつながっているという(^_^;)
 ここら辺は、なんか今の日本の現状を皮肉ってんのかなって。今の若者って割とニヒルで、自分たちが頑張ってもどうせ世の中変わらねえよみたいに考えているところあるからね。だから投票にすら行かないわけで。
 これはもう、なんか、人間ってどの時代に生まれるかで考え方って変わっちゃうのかなあって切なくなったよwだから寿命ってのがあって定期的にメンバー交代してんのかなって。
 しかし、あのチームの良くも悪くもゆるふわな感じはホント何なんだろうな。リアルに考えるとみんな肉体労働をした後に野球の練習に行っているから、あまり元気がないとか…気分転換の趣味でいいやみたいな。
 実際、送りバント戦法も知恵を絞ったというよりは、割と偶然思いついったぽいし、血のにじむ特訓みたいなシーンも、監督がメンバーに具体的な指示を出すシーンすらほとんどない!なんかこの映画作った人スポーツやったことあるのかなっていうのはあったな(^_^;)
 演出の仕方によっては、もう白人の球は打てない!って潔く諦めて、ID野球やるところはもっとドラマチックになったんじゃないかなあ。

 かっこいいと思ってやってねえよ。
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