こんばんは。『かぐや姫の物語』の余韻に取り憑かれちゃている田代剛大です。今回は、漫画を連載させてもらっているYELLについて、いろいろ発表です。
まず、現在連載中のロボット漫画『ソニックブレイド』最新話更新です!※アカウントが不調で更新できなくなっていたそうです。たいへんお待たせしてしまってすいませんでした。もう連載打ち切り疑惑レベルの停滞・・・orz
いよいよ、物語は核心に入っていきます。というか、ついにロボット出てきます(どんなロボット漫画だ)。つーか開発します。ビルドファイトです(※よく知らない)。
しかし、話は変わりますが昨日、秘密保護法が衆議院で強行採決されちゃって、もう、あまりの早さで決まっちゃって、CIAから圧力あったとか言われてますが、とにかく早すぎて、一体どんな法律なのかさっぱりわかってません。国民は政府のチェック機能を、それが民主主義だ・・・みたいに政治学は言いますが、もう、僕らがあの法律を認識し始めた時には決まっていたという。
すごい。ねじれ解消されて、多数派でいくらでもゴリ押しできちゃうという。たとえが悪いですが、最初はちゃんと選挙で勝ったナチスが、だんだん調子乗って暴走しちゃったのを彷彿とさせます。
とにかく、この法律、文章が割とファジーで、表現の自由においても、いろいろ適用(規制)できそうで、となると私みたいに創作している人は、いろいろやばいということに・・・
さらに、定期的にネットで俎上に上がる、青少年健全育成問題もあるし、政治的、教育的にきわどいものを描いてなくても、『黒子のバスケ』みたいに、変な人に絡まれちゃうし・・・いよいよ日本は漫画業界殺しに来たぞって。
でも、『黒子のバスケ』といい『黒執事』といい、「黒」がつく漫画は受難の漫画なのだろうか。『新黒沢』いろいろ心配です。
5行で、『ソニックブレイド』から脱線しちゃいましたが、この漫画も、というか私の漫画って現実の社会問題を割りといろいろ取り入れるので(だからアメコミ作家的と言われた)、社会的に規制される可能性が高いんじゃないかなあってドキドキ。みんなが目を背けたいような社会問題をネタにしたりするし・・・
まだ、健全育成条例の時は対岸の火事みたいだったんですよ。自分はロリコン的エッチ漫画描いてなかったから。でも、社会的、政治的に有害(=テロ)認定されるなら、エッチ漫画よりも、自分の漫画の方がやばいんじゃないかなあって・・・
でも、この前スタジオジブリは、311が起きてもブレずに作品を作り続けた、という話を聞いて、私も、もう生きて創作できる限りは、『ソニックブレイド』も最後まで話できているし(伏線もはっちゃってるし)変に路線変更させずに、とことん突っ込んでやろうと思った所存です。
でも、ジブリって政治的なアニメ作ってないけれど・・・まあ、自分も政治を題材にすることがあるだけで、『ゴー宣』みたいに漫画を使ったアジテーションをやってるわけじゃないんだけど・・・
しかし、まだ『ソニックブレイド』はウランを食べる怪獣が原発襲うくらいなんで大ジョブそうなんですが、問題は今月連載する『80日間宇宙一周』です(併せてよろしくです)。
この漫画はタイトルはSFっぽいですが、SF(理科)というよりは、どっちかというと社会を題材にした作品で、テロリズムと戦う政府によるテロリズムみたいな、恐ろしいことが平気で書いてあるので、こんなのロシアで発表したら殺されてるよな~って生きる喜びを痛感しています。
とにかく、現在『80日間宇宙一周』は第2章まで入稿済み。2章合わせて15万字くらいあるので、早々には原稿は落ちないと思うんですが、ついに導火線に火をつけられた感じビンビンです。
小説は初めての試みで、すっごい不安ですが、読んでいただけると嬉しいです!
かぐや姫の物語
2013-11-25 02:06:38 (11 years ago)
-
カテゴリタグ:
- 映画
「面白い度☆☆☆☆☆ 好き度☆☆☆ 地井武男さん☆☆☆☆☆」
汚れてなんかいないわ。喜びも悲しみも、この地に生きるものはみな彩に満ちてる。
・・・えらいものを見た。小細工など必要ない天才料理人の職人技を見た感じ。オリジナリティってなんだろうって改めて考えさせる。気をてらう必要はない。普通に『竹取物語』という高校生の頃授業で読まされる、超有名な古典文学を順序通り見せてるだけなのにこのパワー。
この前のまどマギは…あれだ、ケーキにイモムシ入れたようなドッキリ調理だったけど。料理はシンプルでいいっていう。
とにかく、美術的にも、キャラの内面的にも、とんでもなくディティールが細かい。物語や映像の微分というか、解像度が高いんだろうな。
翁が竹を切るシーンからもう引き込まれる。だって上の方の葉っぱが他の竹の葉っぱと引っかかってる感がすごいんだよw
ほかにも粗末な扉の狭い隙間や、お琴の糸の隙間からわずかに(数ミリ)覗くキャラの動画とか、いちいち芸が細かい(琴のお稽古で、調子に乗った姫がエレキギターのように琴を変調させて弾くシーンは爆笑)。
挙げ句の果てには人を殴る音のにぶさまで、やたらリアルだという。あんな音アニメで聞いたことないよw
私は、つねづね、自分には日本のサブカル文脈が合わないな~って思ってた。わかるっちゃわかるんだけど、なんかああいうのが心の底から好きな人の情熱はわからないなあって。
だから、巷で『エヴァQ』や『風立ちぬ』『まどマギ叛逆』がいくら盛り上がっていても、正直自分はそこまで心を揺さぶれず、歯がゆい思いをした。というか、どれも皆、ある種の拷問だった。
とにかく脚本がハイコンテキストで複雑だったり(情報が未整理)、半分作者の自己満足だろ的な観念的な傾向があって、もっと原点に帰ってシンプルに作ればいいのにっていつも思っていた。
そしたら、この有様ですよ。
泣いちった。なんだよこれ。ウルトラセブン最終回かよって。
シンプルな味付けなのに、なぜか味わい深い料理みたいな。たけしさん的に言うならば、超一流のタコの煮込みというか。タコに塩ふっただけなのになんでこんな美味いんだろうっていう。むしろタコという生き物そのものが美味いのか、そのタコ本来の素材の旨さを引き出せる料理人がやっぱりすごいのか・・・
とはいえ、同じジブリ映画なのに、劇場は『風立ちぬ』と違ってスカスカ。やはり宮崎駿だから見に行くという人が多数派なのだろう。でも、フランスじゃないけど、こういうアニメはちゃんと正当に評価して、残していったほうがいいと思う。王道あってのジャンルの豊かさだと思うから。ちなみに予告編のシーン、あれ作中ですごい重要な意味を持ってます。
さて、この映画は完成度が高すぎて、オイラみたいなもんが何を言っても野暮だし、もっと頭のいい人がいろいろ評論すると思うので、ここからは、もう余談ね(観に行きなさい)。
この映画のキャッチコピーって「姫が犯した罪と罰」じゃん。この映画見る前に、私哲学概論の勉強しててさ、そのせいかわからないけれど、ミシェル・フーコーのこと考えちゃってさ。あのハゲ様。
ミシェル・フーコーってポストモダンの思想家なんだけど、『監獄の誕生』って本で、19世紀あたりから残酷な身体刑は減ってきたけど、近代は罪人を一定期間監禁させるようになったよねって問題提起するんだ。
それは、罪を犯した人に対する罰であると同時に、犯罪者を堅気の世界から一時隔離して、まっとうな市民に再教育するという矯正(訓育)でもあるとフーコーは考えた。
それで、たけのこ姫なんだけど、姫が犯した罪と罰は一応作中で語られるんだ。姫が月に暮らしていた時、地球を見て泣いている人がいたんだって。
んで、姫は「あれ?こいつ何で泣いてるの?」って地球に興味が出ちゃったらしい。そしたら、どうやら月ではそういった好奇心みたいな心のブレは犯罪的らしく、姫は地球に追放されてしまった、と。これが罰。
でも、これってフーコー的に考えると、いろいろ不思議なところがある。まずなぜ、姫の記憶を消して、地球で人生を最初からやり直させたのか。
仮に、憎しみも悲しみもない楽園が月ならば、その月の記憶を持ち越して、そのまま人々が欲望に負けたり、醜く争う地球に追放したほうがこたえると思うんだよな。早く月に戻してくれ~アタイが悪かった~ってなるじゃん。
まあ、でもこれ地井武男の物語だから、そういう脚本にしちゃうとプリンセスメイカー地井さんが活躍できないからな!
でも姫の本当の罰は、地球の嫌なところも素晴らしいところも踏まえたうえで、それでも大切に思う愛する人たちとの別れを経験させることだったんじゃないの?とも考えられるんだけど、これもやっぱり変で、地球での記憶は天の羽衣着ちゃうとなくなっちゃうらしいんだよ。
これだと、せっかく地球で懲らしめたのに、それもリセットされちゃうことになる。なら初めから、地球に興味持った時点で姫の「地球に行ってみたいな」っていう記憶を、あの羽衣で消しちゃったほうが手っ取り早いだろって。
ここら辺は、物語を盛り上げる要素だからって話なんだけど・・・でも高畑監督のことだから、もしかしたら合理的なつじつまが合うようになってるかもしれないじゃん(^_^;)
地球の連中を汚らわしいという月の人も、感情のゆらぎがない割には、汚らわしい、汚らわしくないの判断は付くようだし、姫に対する親バカ丸出しの仕送りは、なかなか人間的だ。
もしかしたら、みんな地球にすごい羨望の気持ちがあって、それをスポックのように合理で押し殺しているのだろうか。あそこはすっごい魅力的だけど、行ったら行ったで絶対辛いんだからって。だいたい、弓矢すらお花に変わっちゃう世界だからね。戦争肯定派なはずないよね。
とはいえ、もともと地球人的な民族だったんだけど、なんとか高度に社会を発達させて、神の合理性を手に入れた、みたいな人たちとも考えられる。
で、ときどき先祖返りじゃないけど、戦争はいけないよって言ってる某監督が、兵器見てチンがタオするように、昔の動物的な本能に、惹かれてしまうのかもしれない。
私は生きるために生まれてきたのに。鳥やけもののように。
だいたい、あんま月の人たち楽しそうじゃないからね。そもそも感情がないから仕方がないんだろうけど、苦しみや悲しみ、怒り、憎悪といったネガティブな感情は、喜びや楽しさ、愛みたいなポジティブな感情と表裏一体だからね。
しかし、こういうSFって結局人間賛美になっちゃうのが、ちょっとお決まりの流れというか人間本位的だよね。もちろん私も人間だから、人間に生まれてきてよかった~って感動はするけど、やっぱミミズやオケラは感動しないよなあって。
宇宙を支配するすっごい超越者が出てきても、結局「人間っていいな」みたいな流れになるじゃん。Qべえですら、この前「人間の感情は制御しきれないよ~」とか言ってたし。そこは、やっぱり超越者の、世界外存在の矜持みたいなもの見せて欲しいよね。
まあ、そうなると月の人たちは、姫を地球に追放して、本当は「地球ってサイテー。二度と行きたくない。月の皆さんごめんなさい」って展開を予想していたとも考えられる。
それが、思いのほか、おちこんだりもしたけれど、私はげんきです。的な流れになっちゃって、だから焦って記憶抹消装置を満月の夜に持ってきたのかもなあ。
そういえば、私たちも、ふと理由もなく涙を流すことがある。特に歳がいくと多いけれど(^_^;)あれってなんなんだろう。人生の切なさに涙しているのだろうか。
この映画には「戻ってくる」を感じさせるシーンがわりとある。もちろん姫は月に戻るし、里山のお兄ちゃんも再び山に戻ってくる。しかしそれは、閉じた円環構造ではない。
同じような毎日が繰り返されるようでいて、少しずつ変わっていってしまう不可逆性。それこそが人生の切なさであり素晴らしさなのかもしれない。
死んだんじゃない。見てごらん。木はもう春の支度をしているんだ。
汚れてなんかいないわ。喜びも悲しみも、この地に生きるものはみな彩に満ちてる。
・・・えらいものを見た。小細工など必要ない天才料理人の職人技を見た感じ。オリジナリティってなんだろうって改めて考えさせる。気をてらう必要はない。普通に『竹取物語』という高校生の頃授業で読まされる、超有名な古典文学を順序通り見せてるだけなのにこのパワー。
この前のまどマギは…あれだ、ケーキにイモムシ入れたようなドッキリ調理だったけど。料理はシンプルでいいっていう。
とにかく、美術的にも、キャラの内面的にも、とんでもなくディティールが細かい。物語や映像の微分というか、解像度が高いんだろうな。
翁が竹を切るシーンからもう引き込まれる。だって上の方の葉っぱが他の竹の葉っぱと引っかかってる感がすごいんだよw
ほかにも粗末な扉の狭い隙間や、お琴の糸の隙間からわずかに(数ミリ)覗くキャラの動画とか、いちいち芸が細かい(琴のお稽古で、調子に乗った姫がエレキギターのように琴を変調させて弾くシーンは爆笑)。
挙げ句の果てには人を殴る音のにぶさまで、やたらリアルだという。あんな音アニメで聞いたことないよw
私は、つねづね、自分には日本のサブカル文脈が合わないな~って思ってた。わかるっちゃわかるんだけど、なんかああいうのが心の底から好きな人の情熱はわからないなあって。
だから、巷で『エヴァQ』や『風立ちぬ』『まどマギ叛逆』がいくら盛り上がっていても、正直自分はそこまで心を揺さぶれず、歯がゆい思いをした。というか、どれも皆、ある種の拷問だった。
とにかく脚本がハイコンテキストで複雑だったり(情報が未整理)、半分作者の自己満足だろ的な観念的な傾向があって、もっと原点に帰ってシンプルに作ればいいのにっていつも思っていた。
そしたら、この有様ですよ。
泣いちった。なんだよこれ。ウルトラセブン最終回かよって。
シンプルな味付けなのに、なぜか味わい深い料理みたいな。たけしさん的に言うならば、超一流のタコの煮込みというか。タコに塩ふっただけなのになんでこんな美味いんだろうっていう。むしろタコという生き物そのものが美味いのか、そのタコ本来の素材の旨さを引き出せる料理人がやっぱりすごいのか・・・
とはいえ、同じジブリ映画なのに、劇場は『風立ちぬ』と違ってスカスカ。やはり宮崎駿だから見に行くという人が多数派なのだろう。でも、フランスじゃないけど、こういうアニメはちゃんと正当に評価して、残していったほうがいいと思う。王道あってのジャンルの豊かさだと思うから。ちなみに予告編のシーン、あれ作中ですごい重要な意味を持ってます。
さて、この映画は完成度が高すぎて、オイラみたいなもんが何を言っても野暮だし、もっと頭のいい人がいろいろ評論すると思うので、ここからは、もう余談ね(観に行きなさい)。
この映画のキャッチコピーって「姫が犯した罪と罰」じゃん。この映画見る前に、私哲学概論の勉強しててさ、そのせいかわからないけれど、ミシェル・フーコーのこと考えちゃってさ。あのハゲ様。
ミシェル・フーコーってポストモダンの思想家なんだけど、『監獄の誕生』って本で、19世紀あたりから残酷な身体刑は減ってきたけど、近代は罪人を一定期間監禁させるようになったよねって問題提起するんだ。
それは、罪を犯した人に対する罰であると同時に、犯罪者を堅気の世界から一時隔離して、まっとうな市民に再教育するという矯正(訓育)でもあるとフーコーは考えた。
それで、たけのこ姫なんだけど、姫が犯した罪と罰は一応作中で語られるんだ。姫が月に暮らしていた時、地球を見て泣いている人がいたんだって。
んで、姫は「あれ?こいつ何で泣いてるの?」って地球に興味が出ちゃったらしい。そしたら、どうやら月ではそういった好奇心みたいな心のブレは犯罪的らしく、姫は地球に追放されてしまった、と。これが罰。
でも、これってフーコー的に考えると、いろいろ不思議なところがある。まずなぜ、姫の記憶を消して、地球で人生を最初からやり直させたのか。
仮に、憎しみも悲しみもない楽園が月ならば、その月の記憶を持ち越して、そのまま人々が欲望に負けたり、醜く争う地球に追放したほうがこたえると思うんだよな。早く月に戻してくれ~アタイが悪かった~ってなるじゃん。
まあ、でもこれ地井武男の物語だから、そういう脚本にしちゃうとプリンセスメイカー地井さんが活躍できないからな!
でも姫の本当の罰は、地球の嫌なところも素晴らしいところも踏まえたうえで、それでも大切に思う愛する人たちとの別れを経験させることだったんじゃないの?とも考えられるんだけど、これもやっぱり変で、地球での記憶は天の羽衣着ちゃうとなくなっちゃうらしいんだよ。
これだと、せっかく地球で懲らしめたのに、それもリセットされちゃうことになる。なら初めから、地球に興味持った時点で姫の「地球に行ってみたいな」っていう記憶を、あの羽衣で消しちゃったほうが手っ取り早いだろって。
ここら辺は、物語を盛り上げる要素だからって話なんだけど・・・でも高畑監督のことだから、もしかしたら合理的なつじつまが合うようになってるかもしれないじゃん(^_^;)
地球の連中を汚らわしいという月の人も、感情のゆらぎがない割には、汚らわしい、汚らわしくないの判断は付くようだし、姫に対する親バカ丸出しの仕送りは、なかなか人間的だ。
もしかしたら、みんな地球にすごい羨望の気持ちがあって、それをスポックのように合理で押し殺しているのだろうか。あそこはすっごい魅力的だけど、行ったら行ったで絶対辛いんだからって。だいたい、弓矢すらお花に変わっちゃう世界だからね。戦争肯定派なはずないよね。
とはいえ、もともと地球人的な民族だったんだけど、なんとか高度に社会を発達させて、神の合理性を手に入れた、みたいな人たちとも考えられる。
で、ときどき先祖返りじゃないけど、戦争はいけないよって言ってる某監督が、兵器見てチンがタオするように、昔の動物的な本能に、惹かれてしまうのかもしれない。
私は生きるために生まれてきたのに。鳥やけもののように。
だいたい、あんま月の人たち楽しそうじゃないからね。そもそも感情がないから仕方がないんだろうけど、苦しみや悲しみ、怒り、憎悪といったネガティブな感情は、喜びや楽しさ、愛みたいなポジティブな感情と表裏一体だからね。
しかし、こういうSFって結局人間賛美になっちゃうのが、ちょっとお決まりの流れというか人間本位的だよね。もちろん私も人間だから、人間に生まれてきてよかった~って感動はするけど、やっぱミミズやオケラは感動しないよなあって。
宇宙を支配するすっごい超越者が出てきても、結局「人間っていいな」みたいな流れになるじゃん。Qべえですら、この前「人間の感情は制御しきれないよ~」とか言ってたし。そこは、やっぱり超越者の、世界外存在の矜持みたいなもの見せて欲しいよね。
まあ、そうなると月の人たちは、姫を地球に追放して、本当は「地球ってサイテー。二度と行きたくない。月の皆さんごめんなさい」って展開を予想していたとも考えられる。
それが、思いのほか、おちこんだりもしたけれど、私はげんきです。的な流れになっちゃって、だから焦って記憶抹消装置を満月の夜に持ってきたのかもなあ。
そういえば、私たちも、ふと理由もなく涙を流すことがある。特に歳がいくと多いけれど(^_^;)あれってなんなんだろう。人生の切なさに涙しているのだろうか。
この映画には「戻ってくる」を感じさせるシーンがわりとある。もちろん姫は月に戻るし、里山のお兄ちゃんも再び山に戻ってくる。しかしそれは、閉じた円環構造ではない。
同じような毎日が繰り返されるようでいて、少しずつ変わっていってしまう不可逆性。それこそが人生の切なさであり素晴らしさなのかもしれない。
死んだんじゃない。見てごらん。木はもう春の支度をしているんだ。
経済学覚え書き④
2013-11-21 13:35:55 (11 years ago)
-
カテゴリタグ:
- 経済学
ご機嫌いかがですか。ミクロ経済学もなんか、まとめに入りました。
価格調整メカニズム
需要>供給→価格↑(超過需要)
需要<供給→価格↓(超過供給)
いちいちせりをしているわけじゃないのに、市場全体で見れば価格が調整され均衡状態に落ち着くことを価格メカニズムと言う。
つまり、価格によってその資源の最適配分が可能になるということ。こんな高いんじゃいらないよって人もいれば、多少高くても絶対欲しい!って人もいるので、その場合いらないよって人の分の商品が、絶対欲しい人にうまく回されることになる。
一物一価の法則
同じ商品なら、どこの店でもだいたい同じ価格がついていることを言う。もし全く同じ商品なのに、店によって大きく価格が違ったら、みんな安い店で買うから、高い値段で売っていた店は価格を下げざるを得ない。もしくは店による価格の違いを利用して、転売が出てくると思う。
例えば、バブルの時は物の価格の短期的な変動が激しかったので、安い画廊で絵を買って、別の画廊に同じ絵を高い値段で売ることもできたらしい。
ちょっと話がそれたけど、市場が流動的でグローバルだと、この法則に落ち着く場合が多い。
でも、絶海の孤島とかだと、地域独占的な価格差別が発生しそう(そこで買うしかないから)。富士山のカレーとかがやたら高いのも、まあ富士山の上に物資運ぶコストとかもあるんだろうけど、消費者に選択の余地がない(需要曲線の価格弾力性が低い)からっていうのもあるんだろうなあ。ご飯食べにいちいち下山できないし。
最適税
税を課すことによる影響で、資源配分に歪みが発生するのだが(①の消費税参照)、その度合いは需要や供給の価格弾力性によって異なる。
実は、需要や供給が非弾力的なほうが、税収に比べて社会的なコスト(余剰損失)は少ない。つまり、高くても購入せざるを得ない商品やサービスに増税するのが、資源配分的にはもっとも好ましいらしいのだが、たいてい庶民を地獄に落とす悪税みたいに報道されたりする。
X非効率
池上さんがTPP問題について著書で解説していた時に、持ち出された考え方。つまり、政府が国内のとある産業を保護して、国際競争にさらされないようにすると、結果的にその産業の競争力が落ちて、アメリカのゼネラルモータースのように潰れてしまう。
このように、企業間競争をしていない独占的立場にいる企業は、結果的に組織の中に無駄ができて、効率性が落ちてしまう。
生物学だと「赤の女王仮説」と呼ばれるもの(生物は競争し続けないと淘汰されてしまう)だと思う。小泉さんの道路公団や郵政の民営化は、この視点に立って行われた。
ハイエクの貨幣民営化論
貨幣の発行権を国家が独占しているのはおかしい!民間でそれぞれ通貨を作ってもいいじゃないか!というまるでSF作家のような面白い理論。
国家が財政政策をしくじると深刻なインフレが起きるが、それがなぜ地獄かというと、国民は海外移住でもしない限り、別の通貨に乗り換えられないからであって(日本にいるなら基本的に円しか選択肢がない)、もし仮にひとつの国家に複数の通貨があったら、貨幣間の競争が起きて、貨幣の質は高くなるはず・・・というわけ。
最近出てきた「Suicaでスイスイお買い物」みたいな電子マネーは、貨幣発行の民営化に近いかもしれないが、オタキングさんはもっと前にSF大会で独自通貨を発行していた。あんたはカリオストロ伯爵かw
ナッシュ均衡
ゲーム理論の重要な考え方で、これを考えたジョン・ナッシュはノーベル経済学賞を取っている。でもゲーム理論を考えたフォン・ノイマンには酷評されたらしい。
ナッシュ均衡とは、ゲームのプレイヤーが自分の利益と損失を計算した時に導き出されたもっとも最善な戦略のことを言う。
例えばカイジのジャンケンゲームで言うと、グーチョキパーをそれぞれ三分の一の確率でランダムで出していくのが最善の戦略となる。利根川先生はそれを知ってたのか、目隠しで適当に出すのは禁止していた。作者の福本さんはさすが経済学に強い。
このように各プレイヤーが己の利益を最大化、己の損失を最小化させる最善の戦略をとっていくとゲームは均衡状態になるのだが、面白いことにゲームによっては、このナッシュ均衡が全てのプレイヤーの利益を最大化させるようなパレート最適になるとは限らないということ。
もっとも有名な囚人のジレンマがそれで、全てのプレイヤーが最適戦略を取ると結局みんなが損をしてしまう(みんな裏切る泥沼になるから)。
談合
囚人のジレンマのゲームのよくできたところは、プレイヤー同士の意思の疎通が禁じられているということ。つまり、相手が自分のために泥をかぶってくれるなんて絶対考えられないから、みんながみんな裏切り行為をしてしまう。
こういうゲームを非協調ゲームという。もちろん国際問題でこんなゲームやられるとたまったもんじゃないので、冷戦時代にはアメリカとソ連にはホットラインがつながっていた。
とはいえ、協調すれば必ずしもハッピーというわけではなくて、例えば建設会社(ゼネコン)同士が談合をすると、入札が八百長になり、工事費用が釣り上げられ、その負担が納税者に行ってしまってアンハッピー。
半沢直樹問題
やられたらやり返す、それが倍返しだ!みたいなドラマが流行ったが、実はこれすっごい短期的にはスカっとするけれど、人生はそこそこ長いので長期的に見れば、この戦略はリスクが大きい。
企業間競争で考えると、実は会社経営は長期的スパンの継続試行ゲームなので、将来的な協調の可能性を潰してまで、たった一回の裏切りによる利益を得るのは、あまり理にかなっていない。
その利益を社長が持ち逃げして、会社を潰しちゃえば別だけど・・・
今までもブログで、「ネットの意見ってあまりに短絡的」って言ってたけれど、日本全体がそういったその場しのぎの戦略にしか目がいってないっていうのは、いろいろ危なっかしいと思う。
アベノミクス
安倍さんはイギリスみたいにインフレターゲットをやったけど(あの人サッチャーが好きで、サッチャーはハイエクが好きw)、もともと日本は中央銀行が経済の状況に応じて金融政策を調整する裁量主義だった。インフレターゲットは、最初にインフレ目標を決めて、それを達成できるようにルールを決めてしまうやり方で、その過程でいくらか銀行や企業が淘汰されとうが、ルールを曲げずに目標に向かっていく(ぶれない)。
スター・トレックで言うならば(なぜだ)、ルール主義のマネタリストがスポックで、時と場合によってルールを曲げてしまう裁量主義がカークって感じがする。だから、日本のマネーサプライがブレブレだったのはよくわかるw規則を絶対視するような人は、日本だと得てして冷酷!とか人間味がない!とか色々言われるし、そういうキャラを作ってもな~んか人気が出ない(^_^;)
でも、お金を借りる側からしてみれば、もちろん裁量主義の方がいいのだろうけれど、この場合市中銀行は過剰融資をし、企業はリスクを無視した無謀な経営をする可能性がある。
景気や金融の安定化を重視するのが裁量主義で、マネーサプライの安定化を重視するのがマネタリストと考えるとわかりやすい。
コミットメント
ライバル企業の参入をあらかじめ阻止するために、先手を打って相手の戦略を潰すこと。イオンが参入する前にヨーカ堂は店舗の数を増やしてしまえば、イオンが参入するメリットやインセンティブは少なくなる。
独占的競争
ジョーン・ロビンソンとエドワード・チェンバリンが独自に考案した、独占と完全競争の中間的なケース。実際、独占や、完全競争状態というのは現実ではあまり考えられないので(企業の数は複数あるし、それぞれの企業はある程度価格支配力を持つ)、いくらかの企業が商品の差別化を図ることで競争をしている状態を仮定したほうが、現実的なんじゃないかってことになった。
ポイントは、それぞれの供給者(企業)の供給曲線は右下がり(=価格支配力があるということ)で、限界費用よりも価格の方が高いのは独占状態に近いが、全ての企業の利潤がゼロ(価格=平均費用)になるまで他社の参入が続く点では、完全競争状態に近い。
独占的供給者の価格設定
独占企業の商品の需要
D=100-p
需要=100-価格
この商品を供給するためのコスト
C=2X+10
コスト=2×供給量+10
供給(生産)した分を全て売り切るには、需要の量と供給の量が同じになるわけなので
D(需要)にX(供給)を代入し・・・
D=100-p
X=100-p
等式変形して
p=100-X
つまり価格は100-X円になる。
独占企業の総収入=価格×供給量なので
R(リソース)=p×X=(100-X)×X
利潤は総収入から生産コストを差し引いた額なので
利潤=R(収入)-C(コスト)=(100-X)×X-(2X+10)=-X2+98X-10
この時の利潤を最大化するためには、限界収入と限界費用が一致するまで(すなわちR=CでありR-C=0!)生産をすればいいので、利潤の式を微分して、右辺を0にする。
-X2+98X-10→(微分)→-2X+98
-2X+98=0
X=49
これで供給量は49個ということがわかった。
あとは価格をいくらで売ればいいかなので、供給量49を X=100-p の式に代入して・・・
49=100-P
P=51
一個辺り51円になる。
また限界収入は、総収入を供給量Xで微分したものなので
R=(100-X)×X=-X2+100X→(微分)→-2X+100
限界収入MR=-2X+100
一方限界費用は、総費用をやっぱり供給量Xで微分したものなので
C=2X+10→(微分)→2
限界費用MC=2
よって限界収入=限界費用の式に代入すると
-2X+100=2になって
-2X=-98
X=49
と同様に供給量を求められる。
価格調整メカニズム
需要>供給→価格↑(超過需要)
需要<供給→価格↓(超過供給)
いちいちせりをしているわけじゃないのに、市場全体で見れば価格が調整され均衡状態に落ち着くことを価格メカニズムと言う。
つまり、価格によってその資源の最適配分が可能になるということ。こんな高いんじゃいらないよって人もいれば、多少高くても絶対欲しい!って人もいるので、その場合いらないよって人の分の商品が、絶対欲しい人にうまく回されることになる。
一物一価の法則
同じ商品なら、どこの店でもだいたい同じ価格がついていることを言う。もし全く同じ商品なのに、店によって大きく価格が違ったら、みんな安い店で買うから、高い値段で売っていた店は価格を下げざるを得ない。もしくは店による価格の違いを利用して、転売が出てくると思う。
例えば、バブルの時は物の価格の短期的な変動が激しかったので、安い画廊で絵を買って、別の画廊に同じ絵を高い値段で売ることもできたらしい。
ちょっと話がそれたけど、市場が流動的でグローバルだと、この法則に落ち着く場合が多い。
でも、絶海の孤島とかだと、地域独占的な価格差別が発生しそう(そこで買うしかないから)。富士山のカレーとかがやたら高いのも、まあ富士山の上に物資運ぶコストとかもあるんだろうけど、消費者に選択の余地がない(需要曲線の価格弾力性が低い)からっていうのもあるんだろうなあ。ご飯食べにいちいち下山できないし。
最適税
税を課すことによる影響で、資源配分に歪みが発生するのだが(①の消費税参照)、その度合いは需要や供給の価格弾力性によって異なる。
実は、需要や供給が非弾力的なほうが、税収に比べて社会的なコスト(余剰損失)は少ない。つまり、高くても購入せざるを得ない商品やサービスに増税するのが、資源配分的にはもっとも好ましいらしいのだが、たいてい庶民を地獄に落とす悪税みたいに報道されたりする。
X非効率
池上さんがTPP問題について著書で解説していた時に、持ち出された考え方。つまり、政府が国内のとある産業を保護して、国際競争にさらされないようにすると、結果的にその産業の競争力が落ちて、アメリカのゼネラルモータースのように潰れてしまう。
このように、企業間競争をしていない独占的立場にいる企業は、結果的に組織の中に無駄ができて、効率性が落ちてしまう。
生物学だと「赤の女王仮説」と呼ばれるもの(生物は競争し続けないと淘汰されてしまう)だと思う。小泉さんの道路公団や郵政の民営化は、この視点に立って行われた。
ハイエクの貨幣民営化論
貨幣の発行権を国家が独占しているのはおかしい!民間でそれぞれ通貨を作ってもいいじゃないか!というまるでSF作家のような面白い理論。
国家が財政政策をしくじると深刻なインフレが起きるが、それがなぜ地獄かというと、国民は海外移住でもしない限り、別の通貨に乗り換えられないからであって(日本にいるなら基本的に円しか選択肢がない)、もし仮にひとつの国家に複数の通貨があったら、貨幣間の競争が起きて、貨幣の質は高くなるはず・・・というわけ。
最近出てきた「Suicaでスイスイお買い物」みたいな電子マネーは、貨幣発行の民営化に近いかもしれないが、オタキングさんはもっと前にSF大会で独自通貨を発行していた。あんたはカリオストロ伯爵かw
ナッシュ均衡
ゲーム理論の重要な考え方で、これを考えたジョン・ナッシュはノーベル経済学賞を取っている。でもゲーム理論を考えたフォン・ノイマンには酷評されたらしい。
ナッシュ均衡とは、ゲームのプレイヤーが自分の利益と損失を計算した時に導き出されたもっとも最善な戦略のことを言う。
例えばカイジのジャンケンゲームで言うと、グーチョキパーをそれぞれ三分の一の確率でランダムで出していくのが最善の戦略となる。利根川先生はそれを知ってたのか、目隠しで適当に出すのは禁止していた。作者の福本さんはさすが経済学に強い。
このように各プレイヤーが己の利益を最大化、己の損失を最小化させる最善の戦略をとっていくとゲームは均衡状態になるのだが、面白いことにゲームによっては、このナッシュ均衡が全てのプレイヤーの利益を最大化させるようなパレート最適になるとは限らないということ。
もっとも有名な囚人のジレンマがそれで、全てのプレイヤーが最適戦略を取ると結局みんなが損をしてしまう(みんな裏切る泥沼になるから)。
談合
囚人のジレンマのゲームのよくできたところは、プレイヤー同士の意思の疎通が禁じられているということ。つまり、相手が自分のために泥をかぶってくれるなんて絶対考えられないから、みんながみんな裏切り行為をしてしまう。
こういうゲームを非協調ゲームという。もちろん国際問題でこんなゲームやられるとたまったもんじゃないので、冷戦時代にはアメリカとソ連にはホットラインがつながっていた。
とはいえ、協調すれば必ずしもハッピーというわけではなくて、例えば建設会社(ゼネコン)同士が談合をすると、入札が八百長になり、工事費用が釣り上げられ、その負担が納税者に行ってしまってアンハッピー。
半沢直樹問題
やられたらやり返す、それが倍返しだ!みたいなドラマが流行ったが、実はこれすっごい短期的にはスカっとするけれど、人生はそこそこ長いので長期的に見れば、この戦略はリスクが大きい。
企業間競争で考えると、実は会社経営は長期的スパンの継続試行ゲームなので、将来的な協調の可能性を潰してまで、たった一回の裏切りによる利益を得るのは、あまり理にかなっていない。
その利益を社長が持ち逃げして、会社を潰しちゃえば別だけど・・・
今までもブログで、「ネットの意見ってあまりに短絡的」って言ってたけれど、日本全体がそういったその場しのぎの戦略にしか目がいってないっていうのは、いろいろ危なっかしいと思う。
アベノミクス
安倍さんはイギリスみたいにインフレターゲットをやったけど(あの人サッチャーが好きで、サッチャーはハイエクが好きw)、もともと日本は中央銀行が経済の状況に応じて金融政策を調整する裁量主義だった。インフレターゲットは、最初にインフレ目標を決めて、それを達成できるようにルールを決めてしまうやり方で、その過程でいくらか銀行や企業が淘汰されとうが、ルールを曲げずに目標に向かっていく(ぶれない)。
スター・トレックで言うならば(なぜだ)、ルール主義のマネタリストがスポックで、時と場合によってルールを曲げてしまう裁量主義がカークって感じがする。だから、日本のマネーサプライがブレブレだったのはよくわかるw規則を絶対視するような人は、日本だと得てして冷酷!とか人間味がない!とか色々言われるし、そういうキャラを作ってもな~んか人気が出ない(^_^;)
でも、お金を借りる側からしてみれば、もちろん裁量主義の方がいいのだろうけれど、この場合市中銀行は過剰融資をし、企業はリスクを無視した無謀な経営をする可能性がある。
景気や金融の安定化を重視するのが裁量主義で、マネーサプライの安定化を重視するのがマネタリストと考えるとわかりやすい。
コミットメント
ライバル企業の参入をあらかじめ阻止するために、先手を打って相手の戦略を潰すこと。イオンが参入する前にヨーカ堂は店舗の数を増やしてしまえば、イオンが参入するメリットやインセンティブは少なくなる。
独占的競争
ジョーン・ロビンソンとエドワード・チェンバリンが独自に考案した、独占と完全競争の中間的なケース。実際、独占や、完全競争状態というのは現実ではあまり考えられないので(企業の数は複数あるし、それぞれの企業はある程度価格支配力を持つ)、いくらかの企業が商品の差別化を図ることで競争をしている状態を仮定したほうが、現実的なんじゃないかってことになった。
ポイントは、それぞれの供給者(企業)の供給曲線は右下がり(=価格支配力があるということ)で、限界費用よりも価格の方が高いのは独占状態に近いが、全ての企業の利潤がゼロ(価格=平均費用)になるまで他社の参入が続く点では、完全競争状態に近い。
独占的供給者の価格設定
独占企業の商品の需要
D=100-p
需要=100-価格
この商品を供給するためのコスト
C=2X+10
コスト=2×供給量+10
供給(生産)した分を全て売り切るには、需要の量と供給の量が同じになるわけなので
D(需要)にX(供給)を代入し・・・
D=100-p
X=100-p
等式変形して
p=100-X
つまり価格は100-X円になる。
独占企業の総収入=価格×供給量なので
R(リソース)=p×X=(100-X)×X
利潤は総収入から生産コストを差し引いた額なので
利潤=R(収入)-C(コスト)=(100-X)×X-(2X+10)=-X2+98X-10
この時の利潤を最大化するためには、限界収入と限界費用が一致するまで(すなわちR=CでありR-C=0!)生産をすればいいので、利潤の式を微分して、右辺を0にする。
-X2+98X-10→(微分)→-2X+98
-2X+98=0
X=49
これで供給量は49個ということがわかった。
あとは価格をいくらで売ればいいかなので、供給量49を X=100-p の式に代入して・・・
49=100-P
P=51
一個辺り51円になる。
また限界収入は、総収入を供給量Xで微分したものなので
R=(100-X)×X=-X2+100X→(微分)→-2X+100
限界収入MR=-2X+100
一方限界費用は、総費用をやっぱり供給量Xで微分したものなので
C=2X+10→(微分)→2
限界費用MC=2
よって限界収入=限界費用の式に代入すると
-2X+100=2になって
-2X=-98
X=49
と同様に供給量を求められる。
42 ~世界を変えた男~
2013-11-17 12:02:43 (11 years ago)
「面白い度☆☆☆☆ 好き度☆☆☆☆」
やり返す勇気のない選手になれ、と?
やり返さない勇気を持つ選手になるのだ。
メジャーリーグの唯一の永久欠番42にまつわる、初の黒人メジャーリーガー、ジャッキー・ロビンソンの物語。
その場の怒りや反撃は問題の本質的解決にならないというテーマの映画だったけど、なぜ野球の乱闘シーンは胸踊ってしまうのでしょうか(^_^;)『風立ちぬ』で飛行機失敗シーンで笑っちゃったように、笑いってやっぱり悪魔的で、不謹慎の中に生まれちゃったりするんだろうね。
レイシズムが許せんとか、そういうのじゃなくて、単にこういう星野仙一的展開が面白い。もちろん自分が巻き込まれちゃったらただじゃ済まないし、嫌なんだけど。檻の外で眺めている分には、ね。ずるいよ、ね。
しかし、この映画、人種差別や偏見を克服する『タイタンズを忘れない』みたいな感動映画なはずなんだろうけれど、ついこないだまで経済学の勉強をしていたから、あのハリソン・フォードオーナーの戦略(メジャーリーグに黒人選手を入れる)は、単にアンチ差別や善意ではなく、かと言って作中語られる昔の思い出の罪悪感なんかでもなく、トレードオフの原理の経済的合理性が働いたんじゃないかなって思っちゃう。
すごいよね、経済学。やればやるほど、どんどん嫌われ者になっていくよね!キュウべぇが女子中学生の神経さかなでるようにねw身も蓋もないこと思って、言っちゃうからね。
でも、実はあのオーナーも最初の方で「野球は金田・・・じゃなくて金だ」みたいなことを言って、そしたらジャッキーが「え~・・・?」みたいに引いたから、ちょっと話題変えたじゃんw「あれ?儲けたいからっていう本音路線、こいつにはダメだわ」ってw
まあ、もちろんハリソンオーナーにも善意があったり強い信仰心があって(メソジスト派)、そういうものがなきゃ、人種差別とは戦えなかっただろうし、あんな誹謗中傷や脅しを受けても屈しないなんて、そんな気骨な人たち今時じゃ少年ジャンプ編集部くらいしかないわけでw
でも、いろいろな社会派映画を観てきて(主に『フェアゲーム』)、また、いろいろな人生経験をしてわかったのは、理想“だけ”じゃ人も世の中も動かないし、動かせないってことなんだよ。
理想も確かに大切で、現実に人の心を動かすのだろうけど(そう思い込まなきゃ創作はできません)、でもそれをやる際に自分もリスクを負うとなると、人は理想だけじゃ行動してくれない。せいぜい「頑張ってね~応援してます」くらいで、傍観者モードに入る。まあ、それだってすっごいありがたいんだけど、なにか大事業を起こすときに、全員がこのモードに入られると厳しい。
だから、本当に社会を変えたいならば、人間の利己的な、身も蓋もない嫌~な部分も考慮に入れて動かさないといけない。もちろんそれは自分自身に対しても。
おそらくフォードオーナーは自分の心が負けそうな時に、「でも待てよ、黒人選手が入ったら、うちの球団は莫大な利益がもたらされるぞ」って自分の心に言い聞かせたんじゃないかな。
昔は、あまりに人種差別の抵抗が強くて、黒人選手がもたらすメリットとデメリットを秤にかけたらデメリットが多くなっちゃって、それで二の足を踏んだのかもしれないが、時代は変わって1947年くらいになると、オーナーから見て「今なら行ける!」って思ったんじゃないかなあ。
そして、さらに経済学的、ゲーム理論的に考えれば、こういう時って先駆者利益が独り占めできるわけで、頃合さえ合えば最初の黒人選手で大儲けなんだよね。
さて、ではここで、黒人を使うべきか悩むハリソンオーナーの頭の中を覗いてみよう。
デメリット:誹謗中傷、脅迫、嫌がらせが来たらどうしよう
黒人を嫌がる監督や選手が球団を出てったらどうしよう
黒人を嫌がるスポンサーが降りたらどうしよう
黒人を嫌がる地域が自分たちの球団を排除したらどうしよう
メリット:オレって人種差別と戦ういい人じゃね?という自己肯定感
黒人ってだけで潰された優秀な野球選手の友達への罪滅ぼし
ここまで信仰心を貫けば、死んだとき神様に褒められるぞ
今なら黒人差別の流れが変わりそうで案外いけそうな気がする
なによりジャッキー・ロビンソンが選手として超一流。
黒人の身体能力を利用できないなんて有効な資源の無駄。不条理。
最終的に“とにかく金になる”!
と、これらの要素を踏まえて、トレードオフの原理にかけたんだろう。例えばデメリットの二番目はレオ・ドローチャーっていうスケベなんだけど、チームが勝つならなんでもあり、のすっごい合理的な監督を持っていたのが幸いした。
勝つならゾウも入れるし、下手なら自分の弟の首も切る。
それにデメリットの最後は、結局のところ黒人を嫌がるチームが試合を棄権するってことになるから、そうなるとこっちの不戦勝になってむしろラッキー。
そうやって計算していったら、これはロビンソンをなにがなんでもメジャーリーグにねじ込んだほうが得だろうという。
いや、なんかすごいドライなこと言ってるのはわかるけど、若い人たちに言いたいのは、それくらい善意の行動っていうのは、複雑な世の中では困難だってことなんだよ。
実力や立場のある人が、ありとあらゆる手練手管を駆使してやっと世界は変えられるんだ(変えられないことのが多い)。漫画やアニメの中みたいにヒーローが悪党殴って解決するような、そんな単純な問題じゃないんだよ。現実ではやり返しちゃダメなんだよ。
作中オーナーが言うように「同情」の起源はギリシャ語の「苦しみ」らしい。これは示唆的だ。同情は辛い。同情するなら金をくれって言われちゃうからね。
そこで金を何もためらわず差し出せるのは、相当信仰心の強い人か、その投資が長期的スパンで考えると十分以上に回収できると見込んだ場合だろうなあ。
やり返す勇気のない選手になれ、と?
やり返さない勇気を持つ選手になるのだ。
メジャーリーグの唯一の永久欠番42にまつわる、初の黒人メジャーリーガー、ジャッキー・ロビンソンの物語。
その場の怒りや反撃は問題の本質的解決にならないというテーマの映画だったけど、なぜ野球の乱闘シーンは胸踊ってしまうのでしょうか(^_^;)『風立ちぬ』で飛行機失敗シーンで笑っちゃったように、笑いってやっぱり悪魔的で、不謹慎の中に生まれちゃったりするんだろうね。
レイシズムが許せんとか、そういうのじゃなくて、単にこういう星野仙一的展開が面白い。もちろん自分が巻き込まれちゃったらただじゃ済まないし、嫌なんだけど。檻の外で眺めている分には、ね。ずるいよ、ね。
しかし、この映画、人種差別や偏見を克服する『タイタンズを忘れない』みたいな感動映画なはずなんだろうけれど、ついこないだまで経済学の勉強をしていたから、あのハリソン・フォードオーナーの戦略(メジャーリーグに黒人選手を入れる)は、単にアンチ差別や善意ではなく、かと言って作中語られる昔の思い出の罪悪感なんかでもなく、トレードオフの原理の経済的合理性が働いたんじゃないかなって思っちゃう。
すごいよね、経済学。やればやるほど、どんどん嫌われ者になっていくよね!キュウべぇが女子中学生の神経さかなでるようにねw身も蓋もないこと思って、言っちゃうからね。
でも、実はあのオーナーも最初の方で「野球は金田・・・じゃなくて金だ」みたいなことを言って、そしたらジャッキーが「え~・・・?」みたいに引いたから、ちょっと話題変えたじゃんw「あれ?儲けたいからっていう本音路線、こいつにはダメだわ」ってw
まあ、もちろんハリソンオーナーにも善意があったり強い信仰心があって(メソジスト派)、そういうものがなきゃ、人種差別とは戦えなかっただろうし、あんな誹謗中傷や脅しを受けても屈しないなんて、そんな気骨な人たち今時じゃ少年ジャンプ編集部くらいしかないわけでw
でも、いろいろな社会派映画を観てきて(主に『フェアゲーム』)、また、いろいろな人生経験をしてわかったのは、理想“だけ”じゃ人も世の中も動かないし、動かせないってことなんだよ。
理想も確かに大切で、現実に人の心を動かすのだろうけど(そう思い込まなきゃ創作はできません)、でもそれをやる際に自分もリスクを負うとなると、人は理想だけじゃ行動してくれない。せいぜい「頑張ってね~応援してます」くらいで、傍観者モードに入る。まあ、それだってすっごいありがたいんだけど、なにか大事業を起こすときに、全員がこのモードに入られると厳しい。
だから、本当に社会を変えたいならば、人間の利己的な、身も蓋もない嫌~な部分も考慮に入れて動かさないといけない。もちろんそれは自分自身に対しても。
おそらくフォードオーナーは自分の心が負けそうな時に、「でも待てよ、黒人選手が入ったら、うちの球団は莫大な利益がもたらされるぞ」って自分の心に言い聞かせたんじゃないかな。
昔は、あまりに人種差別の抵抗が強くて、黒人選手がもたらすメリットとデメリットを秤にかけたらデメリットが多くなっちゃって、それで二の足を踏んだのかもしれないが、時代は変わって1947年くらいになると、オーナーから見て「今なら行ける!」って思ったんじゃないかなあ。
そして、さらに経済学的、ゲーム理論的に考えれば、こういう時って先駆者利益が独り占めできるわけで、頃合さえ合えば最初の黒人選手で大儲けなんだよね。
さて、ではここで、黒人を使うべきか悩むハリソンオーナーの頭の中を覗いてみよう。
デメリット:誹謗中傷、脅迫、嫌がらせが来たらどうしよう
黒人を嫌がる監督や選手が球団を出てったらどうしよう
黒人を嫌がるスポンサーが降りたらどうしよう
黒人を嫌がる地域が自分たちの球団を排除したらどうしよう
メリット:オレって人種差別と戦ういい人じゃね?という自己肯定感
黒人ってだけで潰された優秀な野球選手の友達への罪滅ぼし
ここまで信仰心を貫けば、死んだとき神様に褒められるぞ
今なら黒人差別の流れが変わりそうで案外いけそうな気がする
なによりジャッキー・ロビンソンが選手として超一流。
黒人の身体能力を利用できないなんて有効な資源の無駄。不条理。
最終的に“とにかく金になる”!
と、これらの要素を踏まえて、トレードオフの原理にかけたんだろう。例えばデメリットの二番目はレオ・ドローチャーっていうスケベなんだけど、チームが勝つならなんでもあり、のすっごい合理的な監督を持っていたのが幸いした。
勝つならゾウも入れるし、下手なら自分の弟の首も切る。
それにデメリットの最後は、結局のところ黒人を嫌がるチームが試合を棄権するってことになるから、そうなるとこっちの不戦勝になってむしろラッキー。
そうやって計算していったら、これはロビンソンをなにがなんでもメジャーリーグにねじ込んだほうが得だろうという。
いや、なんかすごいドライなこと言ってるのはわかるけど、若い人たちに言いたいのは、それくらい善意の行動っていうのは、複雑な世の中では困難だってことなんだよ。
実力や立場のある人が、ありとあらゆる手練手管を駆使してやっと世界は変えられるんだ(変えられないことのが多い)。漫画やアニメの中みたいにヒーローが悪党殴って解決するような、そんな単純な問題じゃないんだよ。現実ではやり返しちゃダメなんだよ。
作中オーナーが言うように「同情」の起源はギリシャ語の「苦しみ」らしい。これは示唆的だ。同情は辛い。同情するなら金をくれって言われちゃうからね。
そこで金を何もためらわず差し出せるのは、相当信仰心の強い人か、その投資が長期的スパンで考えると十分以上に回収できると見込んだ場合だろうなあ。
経済学覚え書き③
2013-11-14 15:27:51 (11 years ago)
-
カテゴリタグ:
- 経済学
記事が長くなりすぎちゃったので分割することにした経済学の続き。前回は需要曲線(買う側)だったけど、今回は供給曲線(売る側)の方。
供給曲線
X=S(p)
供給量=供給の内訳(価格)
供給量もやっぱり商品の価格で決まる。需要とは逆に、価格が上がると供給量は増え、価格が下がると供給量は減る。※例外アリ。
供給の価格弾力性によって供給曲線は傾きを変える。
弾力性小(非弾力的)・・・傾きが急
弾力性大・・・傾きが緩やか
弾力性ゼロ(価格が変化しても供給量が変えられない)・・・垂直線
弾力性無限(価格が変化したら変化した分だけいくらでも供給が可能)・・・平行線
もう少し複雑な需要曲線
X=S(p,q,w…)
供給量=供給の内訳(商品の価格、材料の価格、働く人の賃金水準…)
需要曲線と同様に、これらも内生変数と外生変数に分けて考える。
商品の価格といった内生変数は供給曲線上の動きとして表され、その他の外生変数は供給曲線をシフトさせる要因となる。
例えば・・・
材料の値段が上がってしまったら、その材料を使って作る商品の供給量は減少するので供給曲線は左にシフト、もしくは商品の値上げをするので上にシフトする。
それとは逆に技術革新や政府の補助金などが出れば、もっと安く作れたり、経済的に助かるので、グラフは下にシフト(値下げ)、もしくは右にシフト(供給量増)する。
総費用曲線C
コストのC。
ある商品を、その供給量(生産量)分だけ作るのにかかった費用の合計を表す曲線。
生産と供給は厳密には異なるが(販売費用、店を出したり、広告をとったりするので)、曲線の形や理屈は供給曲線とほぼ一緒。
固定費用
自動車のボディの金型のように、その商品を一つでも作るためには、あらかじめ必ずかかってしまうコスト。これは生産数にかかわらず独立に決まっている。
可変費用
生産数を上げると増えていくコスト。総費用-固定費用で算出
平均費用曲線AC
アベレージコストってことでACって書くっぽい。
その商品を一つ生産する際にかかる費用を表す。
これは総費用を生産数で割れば求められる。
平均費用曲線は、ある生産数までは作れば作るだけ平均費用は下がっていくが、(固定費用が分散されるので)、それを超えると総費用に占める可変費用の割合が多くなるので、平均費用は上がる。よって平均費用曲線はU字型になる。
限界費用曲線MC
マージナルコストでMC。
その商品の生産数を1増やした時に総費用がどれだげ増えたか、その増加幅を示したもの。
可変費用と似ている気がするけれど、というか似てるんだけど、N個作る時の可変費用と(N+1)個作る時の可変費用の差と考えればいい・・・と思う(総費用の差でも出せる)。
ちなみに限界費用曲線は供給曲線とほとんど同じになるが、そのグラフから読み取る意味合いが異なる。限界費用曲線は、供給量を増やすことでコストがどれだけ増えるかといった供給者の生産技術の度合いを、供給曲線は、限界費用と価格が一致するところまでメーカーが供給を続けるといった供給者の行動を読み取っていることになる。
二着目のスーツ半額問題
これはスーツを売る際の固定費用(店の維持費、店員の人件費、広告費)などが一着売る時と二着売る時でほとんど変わらないため。
限界費用はスーツの仕入れコストくらいなので、二着目を半額にしても十分利益が出る。
完全競争
複数の企業が全く同じ商品を供給している場合(ガソリンスタンドなど)、ある企業が供給量を変化させても、その商品の価格は変化しないという状態。
恐怖のお前の代わりはいくらでもいるんだ状態。
他の企業よりも高い価格をつけたら全く売れないし、低い価格をつけても全ての客がその企業から商品を買うことは原理的に無理なので、あまり意味がない。
つまり他の企業と同じ価格をつけている状態と言い換えることもでき、その時の供給者をプライス・テイカーという。
ただ、独占や寡占の場合は話はもうちょっとややこしくなる。
ロスリーダー
おとり商品のこと。スーパーマーケットで、ある商品(多くの客が必ず買うようなティッシュや牛乳など)だけ赤字覚悟でとんでもなく安い価格をつけることで、客を呼び込む。そうすると、別にほかの商品が定価でも、ほとんどの客は安い商品毎にスーパーを渡り歩くようなことはしないので、そのスーパーで買い物を済ませる。
ただ牛乳をおとり商品にしたスーパーの付近に、牛乳しか売らない専門店があった場合、その店は破滅なので、こういう場合は公正取引委員会が独占禁止法を適用したそう。
限界収入線
価格線としても表される。その商品を一個売ることで追加で入ってくる収入の増加幅。例えば一個100円と定価が決まった商品なら、限界収入は何個売っても100になるので、限界収入線は傾きゼロの平行線になる。
企業の利潤最大化
つまり、限界収入と限界費用との差がプラスならば利益が出ているということなので、その部分を生産者余剰となり、限界収入と限界費用の差がマイナスならば損をしているということになる。よって供給側から考えれば、限界収入線と限界費用曲線の交点まで生産を続けることが利潤最大化となる。
需給均衡
需要曲線と供給曲線のクロスする部分が均衡点というのは、前に出てきたけれど、これはつまり、消費者余剰と生産者余剰が交わる点としても考えることができる。
この均衡価格よりも高いと消費者余剰はマイナスになり、安いと生産者余剰がマイナスになるということ。
総費用関数
C=T(X)
総費用=総費用関数(Xは生産量)
平均費用=総費用÷生産量なので
AC=T(X)÷X・・・①
限界費用は総費用の微分なので
MC=T'(X)・・・②
①の両辺をXでかけると
T(X)=AC×X・・・③
総費用関数=平均費用×生産量になる
③を微分すると
AC×Xの微分は積の微分で(※おそらく生産量と平均費用は、それを導き出す式が異なる独立した値で一緒くたに微分できないため)
AC×X'+AC’×Xになって
Xの微分(X')はXの0乗になるから=1。
AC×1+AC’×X
よって
MC=T'(X)=AC+{(AC)'×X}
限界費用=総費用関数の微分=平均費用+平均費用の微分にその生産量をかけたものとなる。
つまり(AC)'×Xは属する平均費用ACの傾きと等しいわけで、ACは右上がりならば(AC)'の符号はプラスになりMC<AC+{(AC)'×X}となり(限界費用の方が平均費用よりも安い)
ACが右下がりならば、逆に(AC)'の符号はマイナスになりMC>AC+{(AC)'×X}となる(限界費用の方が平均費用よりも高い)。
また平均費用が一定の場合(グラフが平行線)は(AC)'=0になるので(傾いてないから)MC=ACとなる。限界費用と平均費用が同額。
供給曲線
X=S(p)
供給量=供給の内訳(価格)
供給量もやっぱり商品の価格で決まる。需要とは逆に、価格が上がると供給量は増え、価格が下がると供給量は減る。※例外アリ。
供給の価格弾力性によって供給曲線は傾きを変える。
弾力性小(非弾力的)・・・傾きが急
弾力性大・・・傾きが緩やか
弾力性ゼロ(価格が変化しても供給量が変えられない)・・・垂直線
弾力性無限(価格が変化したら変化した分だけいくらでも供給が可能)・・・平行線
もう少し複雑な需要曲線
X=S(p,q,w…)
供給量=供給の内訳(商品の価格、材料の価格、働く人の賃金水準…)
需要曲線と同様に、これらも内生変数と外生変数に分けて考える。
商品の価格といった内生変数は供給曲線上の動きとして表され、その他の外生変数は供給曲線をシフトさせる要因となる。
例えば・・・
材料の値段が上がってしまったら、その材料を使って作る商品の供給量は減少するので供給曲線は左にシフト、もしくは商品の値上げをするので上にシフトする。
それとは逆に技術革新や政府の補助金などが出れば、もっと安く作れたり、経済的に助かるので、グラフは下にシフト(値下げ)、もしくは右にシフト(供給量増)する。
総費用曲線C
コストのC。
ある商品を、その供給量(生産量)分だけ作るのにかかった費用の合計を表す曲線。
生産と供給は厳密には異なるが(販売費用、店を出したり、広告をとったりするので)、曲線の形や理屈は供給曲線とほぼ一緒。
固定費用
自動車のボディの金型のように、その商品を一つでも作るためには、あらかじめ必ずかかってしまうコスト。これは生産数にかかわらず独立に決まっている。
可変費用
生産数を上げると増えていくコスト。総費用-固定費用で算出
平均費用曲線AC
アベレージコストってことでACって書くっぽい。
その商品を一つ生産する際にかかる費用を表す。
これは総費用を生産数で割れば求められる。
平均費用曲線は、ある生産数までは作れば作るだけ平均費用は下がっていくが、(固定費用が分散されるので)、それを超えると総費用に占める可変費用の割合が多くなるので、平均費用は上がる。よって平均費用曲線はU字型になる。
限界費用曲線MC
マージナルコストでMC。
その商品の生産数を1増やした時に総費用がどれだげ増えたか、その増加幅を示したもの。
可変費用と似ている気がするけれど、というか似てるんだけど、N個作る時の可変費用と(N+1)個作る時の可変費用の差と考えればいい・・・と思う(総費用の差でも出せる)。
ちなみに限界費用曲線は供給曲線とほとんど同じになるが、そのグラフから読み取る意味合いが異なる。限界費用曲線は、供給量を増やすことでコストがどれだけ増えるかといった供給者の生産技術の度合いを、供給曲線は、限界費用と価格が一致するところまでメーカーが供給を続けるといった供給者の行動を読み取っていることになる。
二着目のスーツ半額問題
これはスーツを売る際の固定費用(店の維持費、店員の人件費、広告費)などが一着売る時と二着売る時でほとんど変わらないため。
限界費用はスーツの仕入れコストくらいなので、二着目を半額にしても十分利益が出る。
完全競争
複数の企業が全く同じ商品を供給している場合(ガソリンスタンドなど)、ある企業が供給量を変化させても、その商品の価格は変化しないという状態。
恐怖のお前の代わりはいくらでもいるんだ状態。
他の企業よりも高い価格をつけたら全く売れないし、低い価格をつけても全ての客がその企業から商品を買うことは原理的に無理なので、あまり意味がない。
つまり他の企業と同じ価格をつけている状態と言い換えることもでき、その時の供給者をプライス・テイカーという。
ただ、独占や寡占の場合は話はもうちょっとややこしくなる。
ロスリーダー
おとり商品のこと。スーパーマーケットで、ある商品(多くの客が必ず買うようなティッシュや牛乳など)だけ赤字覚悟でとんでもなく安い価格をつけることで、客を呼び込む。そうすると、別にほかの商品が定価でも、ほとんどの客は安い商品毎にスーパーを渡り歩くようなことはしないので、そのスーパーで買い物を済ませる。
ただ牛乳をおとり商品にしたスーパーの付近に、牛乳しか売らない専門店があった場合、その店は破滅なので、こういう場合は公正取引委員会が独占禁止法を適用したそう。
限界収入線
価格線としても表される。その商品を一個売ることで追加で入ってくる収入の増加幅。例えば一個100円と定価が決まった商品なら、限界収入は何個売っても100になるので、限界収入線は傾きゼロの平行線になる。
企業の利潤最大化
つまり、限界収入と限界費用との差がプラスならば利益が出ているということなので、その部分を生産者余剰となり、限界収入と限界費用の差がマイナスならば損をしているということになる。よって供給側から考えれば、限界収入線と限界費用曲線の交点まで生産を続けることが利潤最大化となる。
需給均衡
需要曲線と供給曲線のクロスする部分が均衡点というのは、前に出てきたけれど、これはつまり、消費者余剰と生産者余剰が交わる点としても考えることができる。
この均衡価格よりも高いと消費者余剰はマイナスになり、安いと生産者余剰がマイナスになるということ。
総費用関数
C=T(X)
総費用=総費用関数(Xは生産量)
平均費用=総費用÷生産量なので
AC=T(X)÷X・・・①
限界費用は総費用の微分なので
MC=T'(X)・・・②
①の両辺をXでかけると
T(X)=AC×X・・・③
総費用関数=平均費用×生産量になる
③を微分すると
AC×Xの微分は積の微分で(※おそらく生産量と平均費用は、それを導き出す式が異なる独立した値で一緒くたに微分できないため)
AC×X'+AC’×Xになって
Xの微分(X')はXの0乗になるから=1。
AC×1+AC’×X
よって
MC=T'(X)=AC+{(AC)'×X}
限界費用=総費用関数の微分=平均費用+平均費用の微分にその生産量をかけたものとなる。
つまり(AC)'×Xは属する平均費用ACの傾きと等しいわけで、ACは右上がりならば(AC)'の符号はプラスになりMC<AC+{(AC)'×X}となり(限界費用の方が平均費用よりも安い)
ACが右下がりならば、逆に(AC)'の符号はマイナスになりMC>AC+{(AC)'×X}となる(限界費用の方が平均費用よりも高い)。
また平均費用が一定の場合(グラフが平行線)は(AC)'=0になるので(傾いてないから)MC=ACとなる。限界費用と平均費用が同額。
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