レ・ミゼラブル

 「面白い度☆☆☆☆☆ 好き度☆☆☆」

 私は誰だ? トゥー、フォー、シックス、オー、ワン:ジャン・バルジャン!

 レ・ミゼラブル観てきました。すっごい悲しい話。感想が「悲しい話」だけだと身も蓋もないけど、題はフランス語で「悲しい人」っていう意味だからね。

 もっと言うならば、なんというか葛藤の話なんだよね。この映画には大きく分けて三つの葛藤が描かれるんだけど、ひとつめがジャン・バルジャンで、信仰心を取るか、己の保身を取るか、ふたつめがマリウスの革命(公)か初恋(私)か、最後がジャベール警部で法か善か。
 これらは判断を人に委ねられない上に、正解のない究極の選択。だからこそ人生は辛く切ない。
 ポスターには「生きることは愛することだ」なんて月9のトレンディドラマのようなキャッチコピーがついているけれど、欝展開が二時間半続くような映画で、『ショーシャンクの空に』と同様「信仰心(隣人愛)」が重要なキーワードになっている。

 しかし、妹のためにたった一つのパンを盗んだだけで、ここまでの一大叙事詩wバルジャンめっちゃ悔やんでるw
 この時代の何が悲しいかって、国民に「社会権(生存権)」がなかったことだよ(ワイマール憲法は20世紀)。さらにフランス革命は中学校の公民だと素晴らしい市民革命っていう感じで教えちゃうけど、実際はそのあとも恐怖政治だった(作中では七月革命がベース)。そんな時代に翻弄された人々のおはなし。

 ヴィクトル・ユーゴー原作の古典の名作だけあって、それぞれのキャラクターは立っている。特にあの学生運動にちょっかいだしてた少年カブローシュくんはベストアクトって感じだった。『ヒトラー最後の12日間』の高角砲を撃ってた少年を彷彿とさせたなあw
 あとインチキ宿屋の娘は普通にいいやつだったし、普通にかわいそうだったwなんか役どころが『スターシップ・トゥルーパーズ』一作目のディジーって感じ(わかる人いないかw)そしてヘレナ・ボナム=カーターは相変わらずあんな役しかやらんのかw
 面白かったのは『X-メン』のウルヴァリンが市長やってたことだよな。いつオレたちのファイナルファイトが始まるかとワクワクしてたんだけど、パイルドライバーの一つもありませんでした。

 しかし上映時間は長くて辛かったけど、ジャン・バルジャンの半生を描くにはあれくらいの時間がないと、この手の映画にありがちな失敗――単なるダイジェスト版になっちゃった気がするから、物語のテンポはすっごいうまかったと思う。初見でもゆっくり丁寧に筋を追えたし。
 何が言いたいかっていうと、要は完成度が高すぎてここであまり言うことがないって事なんだけど、調べてみるとこの映画『英国王のスピーチ』の監督さんが作っているんだよね。どうりで・・・!この人の映画はツッコミどころがないんだよねwアンキロサウルスみたいに隙がないんだ。

 夢を見ていたの。愛は死なないと。

 ただアン・ハサウェイのバラードの長尺は正直きつかったwあの人歌が上手いから睡眠効果が半端ないwとはいえ、ディズニーでありがちな「ま~た歌が唐突にカットインされたよ」というストレスはない。最初から最後まで歌でゴリ押しだからwラストの「♪パパ~生きて~生きるのよ~」はもう泣きながら吹いてしまったw

 あと音響が素晴らしい。特に銃声!!まるで耳元で突然発砲されたかのような衝撃。これは映画館じゃないと味わえない・・・けど別に味わわなくてもいいかwしかし19世紀初頭ってまだあんな弾込め銃使ってたのね。手入れが大変そうだ。
 そういえば作中に「市民の味方ラマルク将軍」とかいうセリフが出てくるんだけど、私なんかは「え!?あのジャン・ラマルク!?」ってときめいちゃったけど、どうやら別人wでも博物学者のラマルクも生きてた時代が一緒だし、ちゃんと従軍経験があるんだよ♡

 そーいや、これ見ててなんとなく思ったんだけど、秋元康さんはAKBのあのみそぎの付け方のヒントを、この映画を見て思いついたのではなかろうか。そんで切った髪をファンに売っちゃえばいいんだよね。おっかないのは次に恋愛したメンバーきっと奥歯抜かれる・・・orz

 というわけで『レ・ミゼラブル』でした。臨場感あふれる銃声が聞きたい方はぜひ映画館へ!

UNOはやっぱりへんなゲーム

 宇野俊一「今日も部室(※UNO部の)にダッシュだ!」(撃沈

 Ustreamの「へんなゲーム」で紹介した『UNO』が面白いwすっかり忘れてたけど痴女と変態キャラがいるwwなぜUNOで脱ぐ?w真剣師か
 やっぱ90年代のキャラって“濃い”よねwなんだかんだ言って私のキャラ作りの基準はこの年代になっている気がする。思春期に何を見てしまったかって大事だね。

 んで、くだんのバラを片手に対局中服を脱ぐ生徒会長を、なぜか置鮎龍太郎さんがやってるんだけど、本当いい仕事してるよねw
 謎の秘密結社、制服向上委員会と違って声がプロの声優でうまいから、バカなゲームのバカなキャラとギャップがすごくてもう面白くてしょうがない。
 ギャグキャラってわけじゃないよ?作品の世界観そのものがバカで、それを真剣に演じているから面白いというw
 あとグラフィックも上手いよね。ベタベタなアニメに見えてちゃんとデッサンが取れているもの。作っている方は本気っていうところがいいよね。

 プロの声優といえば、おかっぱの「僕の理論が~!」って言う一癖ある頭脳派キャラは、当時デビューしたての福山潤さんだしね。
 ・・・って、すげえ初期の仕事すぎてウィキペディアにも載ってない!!wwww
 そして私は福山さんが演じたキャラをこれしか知らない。

 とりあえずUNOって誰も全然上がれない泥仕合が多くて、一回の対局で数十分やってたりするwそれが5セットとか来た日にはもう、ストーリーモードを諦めざるを得ない!
 でもそんな試練に打ち勝ってラストまで行くとこんな寸劇が見れます。

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置鮎「負けた……この、私が・・・・しかしなんだ、このふしぎな気分は。」
草尾「これが『ナンバー1カードゲーム』ウノのおもしろさだぜ!また一人、ウノ好きにしちまったぜ。さぁてかえるか!!!」


 誰だよ、こんなバカなシナリオ書いたやつw

 ・・・ってことでみんなもUNOで青春しようぜ!言及放送はこちら。

おまけ:キャラ紹介

宇野俊一(うのしゅんいち)
UNO同好会の(自称)エース。「UNOに自分の青春と情熱の全てをかけている」なんか可哀想な人。この人多分私と同い年かちょっと上。現在どうしているか非常に気になる。
「今日も部室にダッシュだぜ!」とかやってるのだろうか。声はスラムダンクの草尾毅。

塔乃宮紫苑(とうのみやしおん)
対局中服を脱ぐ人。「君にはこれがお似合いだ」と意地悪なカードを出す。女子生徒の支持率は最強を誇るらしい。やっぱこの学校おかしい。


風紀委員長。生徒会長のボディガードみたいな感じ。俊一に「おっさん」とか言いたい放題言われる。髪の色が一緒だからわかるかもしれないけど可愛い妹がいる。声は江川央生。

孝美
コンピューターを駆使した理論的なプレーを好む。コンピューター使っているだけでオタクキャラっていう時代、そういやあったなあ・・・結構強い。
どうでもいいけど、ワイルドで色を青にするときの「ブルー」のセリフが巻き舌。

世良
美少年。なんか病弱そうw声をなぜか制服向上委員会の女の子が当てているのでオカマ度アップ。

千歳
UNO同好会部長。俊一にお化けポニーテールと呼ばれる。「私も忙しい体なので」とか言いながら実際は暇なのか、俊一をオモチャにして、いいように弄ぶことが多い(ほぼパシリ)。取説では高校一年生と書いてあるが、これは間違いで高校二年生。部長だけあってすごい強い。


痴女w手札をなぜか胸の谷間に挟む。なんかアダルトビデオの教師モノにいそうだよなw年代的におそらく若い頃はジュリアナ東京でお立ち台やってて、その後教師になったって感じかな。この推理結構いい線ついてるでしょ。

由良
制服向上委員会のアテレコではけっこう上手い方。まあプロ並みにうますぎると、その演技力が空転するようなゲームだからこれくらいがいいのかもねwミニスカ、ルーズソックスのいわゆるコギャル。

美佐
瓶底眼鏡のキャラって本当絶滅したよね・・・ってモーレツ宇宙海賊にいた~~~!!


けいおん!などでも未だに健在なお嬢様キャラ。どことなく『ぷよぷよ~ん』のうろこさかなびとに似ている。

照美
キュートな15歳だが、精神年齢は11歳くらい」という、設定に製作者の謎のこだわりを感じるキャラ。ベタベタな美少女アニメで、いまなら萌えキャラって呼ばれていたんだろうけれど、こういうツインテールって当時は色物キャラとして扱われていたのが懐かしい。
放課後はコスプレ喫茶を教室で開き、その売上を「グリーンピース」に寄付している。どうしたらこんな設定思いつくのだろうか。

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「誰も俺を止められねえぜ!」確かに手遅れ。

いまを生きる

 「面白い度☆☆☆☆ 好き度☆☆☆☆」

 君がここに存在し、命と個性がここに存在することで――力強い人生が成り立ち、君は詩が書けるのだ。・・・君たちはどんな詩を書く?

 マロさんお勧めの青春映画。原題は『Dead Poets Society』で、英語力0の私は死のポエム部とか訳して、なんでこんなホラー映画みたいなタイトルなんだろうって勝手に怖がってたんですが、ノラネコさん曰く「死せる詩人たちの会」が正しい訳だそうです。恥ずかしい・・・w

 先輩たちの顔をよく見てみろ。君たちとそう変わっちゃいない。野心に満ちた彼らは、人生に消極的になって時間を無駄にするようなことはなかった。それでも彼らは、もうすでにこの世にはなく、墓の下なのだ――

 どんな若者も最終的には老いて死からは逃れられない。だから限られた人生を精一杯生きようよと、厳しい全寮制学校で型破りな教育を試みた、英語教師ジョン・キーティング先生と、彼の教え「カルペ・ディエム(今を生きろ)」をモットーに、「死せる詩人の会」を結成した教え子たちの物語。
 いってみればアメリカ版の「3年B組金八先生」なんだけど、金八先生が常識的な範疇で普通にいい先生だとしたら、キーティング先生は教科書を破らせたり、教卓の上に生徒を立たせたり、国語版リトミックのようなものを試みたりと、授業内容はかなりラディカル。
 じゃあ『GTO』や『ごくせん』みたいな話なのかっていったら、そこは全然違うわけで、キーティング先生にはちゃんと教養(ここ大切)がある。自由な教育というのはただ生徒を自由にさせれば済むわけじゃない。もしそれで済むのならどんな人でも先生はできるはずだ。小学生だって幼稚園生だってOK。つーか先生なんていなくたっていい。

 んで、どうでもいい話なんだけど、「死せる詩人たちの会」を学生たちは学校の裏山かなんかにある洞窟で内緒でやるんだけど、ああいう秘密基地って懐かしいよね。
 うちの中学でも裏山に秘密基地を建造している、小学生の頃を忘れない素晴らしい子達がいるけど、私ももちろんやってた。
 今の私は立場上「いかんよ君たち」って注意しなきゃいけないんだけど、内心混ざりたかったもんね。つーか私といいバカはなんで山に入ってくんだろうね・・・30歳近い私が一人でそんなことやってたらもはや警察呼ばれちゃうもんなあ・・・

 なんの話ししてんだか。さて、作中の時代設定は1959年らしいんだけど、1950年代と言ったら第二次世界大戦の余韻がまだ大きく残っていて、厳しい全体主義の反省から、児童中心主義や自由教育が叫ばれた時代でもある。
 リトミックのダルクローズもそうだし、ハーバート・リード、箱庭療法のローウェンフェルドなども自然主義的な教育(子供の自然な成長を大人の論理で干渉し妨げるべきではない)を訴えた人たちだ。
 だからキーティング先生の教育方法を見たとき、すぐに「あ、そっちのスタンスの先生だ」って感じた。でもよりによって、いやあえてあの厳しい名門進学校ウェルトン学院でその手法を実践するとはこの先生は相当のたまだw

 しかもキーティング先生ってウェルトン学院の卒業生でもあるんだよね。厳しい校則の反動でああなってしまったんだろうか。
 そういえばイギリスの俳優ローワン・アトキンソンさんも、イギリスのパブリックスクール出で勉強はできるんだけど、厳しい規則に徹底的に反抗し先生をてこづらせたそうな。んで大人になってコメディアンやって聖職者や教員、軍隊を徹底的に皮肉ってんだから、もうw

 でもさ、教師が生徒に「自由であれ」って言うのってまあカッコイイセリフかもしれないけど、あんまマネしないほうがいいよね。
 それはつまりキーティング先生のようにクビをかける覚悟をして初めて言える言葉だよ。採用されてすぐだと、そういう金八先生やごくせんの真似したくなる気持ちもわからんでもないが、それで「お前らは自由に生きろ!」とか言っちゃって生徒をその気にさせて、そのあとほかの先生に注意されて、「やっぱお前ら規則通りにやれ」なんて変節したら、生徒の信頼大暴落だもんね。 
 実際、先生がクビになって終わる教師モノ初めて見たよw金八先生でも何度か危ない時あったけど、なんだかんだで無事に定年退職できたじゃんwキーティング先生すげえよな。フツーにクビだもん。
 つまりキーティングごっこはそれくらいのリスクがあるよってことだよね。

 芸術家になるように仕向けるのは危険だよ。彼らがレンブラントでもシェイクスピアでもモーツァルトでもないことに気がついた時、君が恨まれるよ。

 なんでこういうこと言うかっていうと、私は大学時代美術系のところにいたから、こういうラディカルな先生けっこういたんだよ。なかには「本物」の変人もいたんだけど、入ってきたばっかの若い先生でキーティングごっこやっちゃたのがいたんだ。そのリスクも知らずに。
 で、「芸術に答えなどないんだ。好きにしろ」って言うからさ、私もあ、じゃあ好きにしますって好き勝手にしたんだけど、そしたら怒り出しちゃってさw「なんだよ、だったらそんなかっこいいこと言うんじゃねーよ」って大嫌いになったもんね。 
 まあ私も大人気なく言葉通りにふるまったのが悪いんだけど、それはなんでかっていったら「あ、こいつ絶対自分に酔ってかっこいいセリフ言っちゃったな」っていうのが丸分かりだったから。つまりどうせ口だけだろ、と。それを確認したかったんだよね。・・・本当に嫌な奴だよね。私。

 この『いまを生きる』でも、庭を歩く授業でキーティング先生が「諸君自由に歩きたまえ」って言ったら、チョイ悪のチャーリーが「歩かない権利を行使してるんです」って私みたいな屁理屈を言ったんだけど、「そうかありがとう、立派な自己主張だな」といなしたもんねwそれくらいの度量というか機転が利かないと、こういう自由な教育はやらないほうがいいよ。
 自由は素晴らしいって言う人はたくさんいるけれど、それを簡単に言う人は自由すら真剣に考えたことがないんだろうな・・・そんなことをなんとなく思い出してモニョンとした気持ちになった映画でした。

 愚かな夢に枷を解かれた人々たちをも汝は幸せと呼びたもう
 されど人は夢の中でのみ 真に自由なり 昔も今もそして未来にもまた
 テニスンか?
 いやキーティング

『80日間宇宙一周 The Stargazer』制作裏話

 過去最長の脚本!

 物語の骨子は「もしインディジョーンズが家族にいたら」。ハリウッド映画のヒーローってかっこいいけど、その家族にとってはいい迷惑なんじゃないかって感じで物語を組んで行きました。だって平気で人のもの壊すし、人のもの奪うし・・・人殺しだしね。家族が知らないところで謝ってんじゃないかってw
 というわけで、そんなはた迷惑な英雄として考え出したのが、ライトの父クリストファー。もうこのオヤジが馬鹿で馬鹿で動かしてて楽しかったけど、「あれ?これ読んでいる人だんだんムカついてこないかな?嫌われちゃったらやだな」って心配でした。
 言ってみればただの徘徊しちゃうじいさんだもんなw
 でもやってることはインディ・ジョーンズ先生と変わらないんだよ。見方を変えるだけでこんなに印象って変わるもんなんですね~(他人事)

 今回は私の漫画には珍しく武闘派の悪役が出てきたんだけど、このマルドゥクはクリストファーの影の部分だよね。どっちも財宝の魔力にとりつかれている。
 とはいえクリストファーは別に財宝を見つけて悪用しようってわけじゃなくて、純粋に学術目的で調査しているんだけど、動機がなんであれやってることはどっちも墓荒らしだし、人類の探究心っていうのは時に暴力的な結末をもたらすしね。今まではそれを科学技術で描いてきたけれど、今回は趣を変えて人文系の学問でやってみた。
 悲しいのはクリスの学説はあっていたのに、唯一最後までクリスの学説を信じ続けていたのがギャングのボスだけだったって事だよね。これはせつないよな。まあ本人はあまり気にしてないだろうけど。

 難しかったのは物語の結末。どうやって落とそうかなって、前橋に行ってプロデューサー気質の友人と何度か議論を重ねたんだけど、なかなかまとまらなかった。
 クリスがマルドゥクを倒すのはプロットの合理性から行けば正しい気もするんだけど、あの人のイメージに合わなかったんだよね。
 じゃあ誰がマルドゥクを倒すんだ?ってことになって「石版が暴走して死ねば?」って考えたんだけど、「田代、それはギャグになるぞ」って言われて、「じゃあもう死ななくてよくない?」っていうまさかのマルドゥク生存エンドもあったのだ。
 結局友人が考えた案に近いものにしたんだけど、なんとかひねり出したのはクリスとマルドゥクの最大の違いって家族の有無だったんだよね。
 そこで家族がいないひとりぼっちのミグを最後にぶつけてみたんだ。ちょっと苦しかったかな。本当は石版はミグじゃなくてクリスに壊させたかったんだけどね・・・物語の進行上難しかった。

 さて、このお話のイメージボードを固めるために私は、インディジョーンズシリーズ四部作を全て鑑賞し、『トゥームレイダー:アニバーサリー』をプレイし、エジプト編の途中でオレは吉村作治じゃねえとコントローラーを投げつけて、最終的には男版トゥームレイダース(じゃジョーンジーじゃねーか)『アンチャーテッド』の公式サイトでメインテーマをエンドレスで聴いてました。
 私、こういう遺跡探検系のお話嫌いじゃないんだけど(そう考えれば『デザーテッドアイランド』もそうだった!)、トレジャーハンターが狙うお宝がいつも「オーパーツ」だか「ロストテクノロジー」だか胡散臭くて、「うさんくせ~」って馬鹿にしてたんだけど、でもいざそれをやってみると、胡散臭いのをあえて狙うのってすごい難しいんだなって反省したよ。

 まず新紀元社の『図解近代魔術』という本を久々に開き、「それ系」のアイテムや伝説を手当り次第あたって、木星での冒険活劇のビジュアルイメージはサハラよりも北のエジプトあたりってことになりました(ただ西アジアや南アフリカ共和国もミックスされている)。
 で、エジプトのピラミッドにはアトランティスの叡智である「エメラルドタブレット」っていうのがあって、この石版と『2001年宇宙の旅』のモノリス、昨今のスティーズ・ジョブズ&アップル信者のiPad信仰、さらにエヴァンゲリオンの石版におっさんが真剣に話しかけている描写がどうしてもやりたいっていうのが繋がって、「スタータブレット」というアイテムを考え出しました。まあほぼエメラルドタブレットなんだけどw

 あとはもう、賢者の石だろうがエリクサーやら指輪やら槍やらなんでもかんでも本に書いてあるのを闇鍋のごとくぶち込んじゃったんだけど、そもそもこの漫画の世界観が架空のものなので、インディ・ジョーンズ以上になんでもありにできて楽しかった。
 あ、でも「セフィロトの樹」には助けられたな。あれは食べたものに命を与える実をつける木らしいんだけど(ってどう食べるんだ!?)、各セフィロトは惑星に対応しているんだよね。さらに天使にも対応していて「もうなんでもありだな」と思いながら、すごい使い勝手が良くてありがたかった。一番調べてて楽しかったしね。

 でもセフィロトの樹って冥王星に対応するセフィロトがないんだけど、そこはまあ、80日~のセフィロトの樹ってことで・・・また自分で新たな固有名詞を考えて付けちゃうと、読んでいる人がいよいよ整理できなくなっちゃうしね。
 ただでさえ設定量が膨大な上に、サイトの『80日間宇宙一周』の作品解説では「よくわからない設定を大量に出すことは読者を置き去りにすることだ」って昔の自分が偉そうに言ってるし・・・まあ確かにその通りだ。今回読んだ人はついていけたのだろうか・・・ゴメンチャイ(C)ペンギンズ
 とにかく今回私が考えた古代の伝承のアイディアの背骨になってくれたのは間違いなく、このセフィロトの樹だと思う。

 で、ここからが地獄だった。最初のステージの「メインベルトの小惑星」からどうやって一行を最終ステージの「超古代都市コロナド」に連れて行くか、その冒険の過程がさっぱり思いつかんかったorz
 もともとロードムービーが苦手だからね。冒険を“もたせる”ためにいろんなスポット(ロケ地)やアイテム、伝承を考えたんだけど、これはもう本当辛かったですよ。
 テレビゲーム、特にRPGのような鍵をみつけて、その鍵で何かの仕組みが解けて、さらに新たな鍵を探して・・・ってタイプのやつ作っている人ってすごいなあって思いました。

 でもゼウスとアストライアの伝説とか、凱旋祭のトリックとかよく考えたよな。まるで本当にインディ・ジョーンズのようじゃないか。えらいぞオレ。
 ここら辺の伝承はライト一家よかどっちかというとミグの心情のメタファーにしてみたんだけど(ライトは年上の自分を愛してくれるんだろうか)、もうあれだね。ミグとライトは少女漫画にありがちな「すんどめ展開」を繰り返してないでいい加減、決心付けたほうがいいよね。

 いよいよ私の漫画で最も長いお話になってしまった『80日間宇宙一周』も次回でおしまい。ミグとライトをもう動かせないのはさみしいけれど・・・今回でかなり畳み掛けたからね。
 ノーチラス号、ミラージュ、グラビティディフェンスシステムとどんどん出てくる兵器もインフレしちゃったし。最後はやっぱりピカさんの言うとおり「宇宙を破壊する兵器」を考えなくては。最後は宇宙論の難解な本を読みあさらねばならんのか・・・
 まあほとんど最後のオチは出来上がってるんですけどね。マロさんや円崎さんの納得のいく結末になっているのだろうか。ではまた!

おまけ:作中の固有名詞の元ネタ

クリストファー⇒冒険家クリストファー・コロンブスから。

マーガレット・アレゴリー⇒心理学者マーガレット・ローウェンフェルドから(当初はカウンセラーという設定だったため)。アレゴリーとは抽象概念を、記号などを用いて具体化するような寓話表現のこと。神話などに用いられる。

サーシャ・ラグランジュ⇒天文学のラグランジュポイントから。ラグランジュポイントとは3つの天体が平衡状態を保つことができる場所のこと(5種類ある)。例えば太陽と木星と小惑星群の位置関係がそれにあたる。

ケセド・バイザック大佐⇒ケセドとは木星のセフィロト名。苗字は天体望遠鏡のバイザック式から。

ンゴロ・アルベド議長⇒気象学のアルベド(反射能)から。モデルは南アフリカ共和国のネルソン・マンデラ大統領(マディバ)。

マルドゥク⇒バビロンの神様マルドゥクから。木星と同一視されていたらしい。

ギガントマキアーグソクムシ⇒ギガントマキアはギリシャ神話におけるオリンポス神と巨人との戦争のこと。もちろんゼウスも参加。

ハインラインスパイダー⇒『宇宙の戦士』の作者ロバート・A・ハインラインから。宇宙グモが登場する。種小名はその宇宙グモ「アラクニド」から。『イッツアドリームワールド』では悪役の魔法の杖として使ったw

メイキュウグンタイアリ⇒種小名のアヌビスとはエジプトの冥界の神さま。頭はジャッカル。

ケンタロスシニガミカマキリ⇒ケンタウロスは『トゥームレイダース』のパロディ。種小名はエジプトの『死者の書』から。イメージとしては『ナイトミュージアム』の黄金の石版を守る二頭のアヌビス神を参考にしました。

小惑星「1903 XQ」⇒小惑星は発見された日を記号化して名前にするんだけど、これはライト兄弟が有人飛行を成功させた日。

マーシャル大学考古学研究チーム⇒インディ・ジョーンズの出身大学。

港町トート⇒トートはエジプトの知恵を司るすごい偉い神様。頭はトキ。だからってわけじゃないけれどトートは時も管理する。また『MOTHER2』の港町トトももちろん意識してます。

スターライン運河⇒ナイル川

グランド・イクリプスダム⇒アスワン・ハイ・ダム。ただマルチプルアーチ式なのは見た目優先で私が勝手に選んだだけです(アスワン・ハイ・ダムはたしかロックフィル式)。

ガニメデ大瀑布⇒ナイル川第1~第4瀑布

アストライア大神殿⇒アブシンベル大神殿。アストライアはギリシャ神話の正義の女神。ただゼウス一世とのラブロマンス云々は全くの創作です。ごめんなさい。本当はゼウスの娘なの。
アストライアはメインベルトの小惑星の名前にもなっている。

女王ラトナ⇒クレオパトラから。女王クレオパトラは裏切り者に毒をもられる危険があったからか毒に詳しかった。実際毒蛇のエジプトコブラを使って自殺している。
また天王星編の大物アイドル、パトラ・ジュリエッタの名前もクレオパトラから(古代ローマと交流があったため)。

ブリックロード4世⇒『MOTHER2』の同名のダンジョン職人から。アメンホテプ4世っぽくw

死の迷宮アメミット⇒アメミットはエジプトの『死者の書』に出てくる魂を喰らうおっかないワニとライオンとカバのキメラ。

超古代都市コロナド⇒太陽のコロナから。

スタータブレット⇒エメラルドタブレット。『2001年宇宙の旅』のモノリスもイメージしている。作中では木星のモノリスは木星を太陽にするための装置だった。

アマルテアなどの国家の名前⇒すべて木星の衛星の名前が由来。

『80日間宇宙一周 The Stargazer』脚本⑩

ミグをかばって撃たれるクリストファー。
マーガレット「クリス・・・!」
ライト「教授!」
一瞬の隙をついてギャングを攻撃するミグ。
後ろの手下を蹴飛ばし、銃を奪ってギャングを倒していく
石版を持って繭の奥へ逃げ出すマルドゥクと手下。
ミグ「待て・・・!」

追跡を諦め後ろを振り返るミグ。
血を流して横たわるクリス
ライト「しっかりしろ教授・・・!」
クリスに近づくミグ
ミグ「なんで私のために・・・」
クリス「決まってるだろ・・・あなたも・・・大切な家族だからだよ・・・」
涙目になるミグ。
マーガレット「まさかあなたが銃弾くらいで死なないわよね・・・?」
クリス「いや・・・今回はダメっぽい・・・死んじゃう・・・」
ライト「アホなこと言うなや!」
クリス「あ~・・・石版を戻すと得た知識を忘れてしまうのか・・・
・・・でも、ひとつだけわかったことがある」
ライトの頬に手をやるクリス
「20年もかかったが・・・私の宝物はこんなに近くにあったんだな」
ライト「え?」
微笑むクリス「私が求めるべき答えはこれだったんだよ・・・」
ライト「父さん・・・」



繭の奥には狭い通路があり、そこを超えるとミュセイオンの最深部に到達する。
太陽系が描かれた巨大な壁画がある広大な部屋にたどり着くマルドゥク。
壁画の下の台にはタブレットを立てるくぼみがある。
マルドゥク「スタータブレットの本当の使い方をクリストファーは知らねえ・・・
この世の真実を知るなんてほんの余興程度だ・・・」
石版をはめ込むマルドゥク
スタータブレットが起動し、壁画が光り出す。
スタータブレット「グラビティディフェンスシステム作動――」
生まれて初めて微笑むマルドゥク



ミュセイオン全体が大きく振動する。
ライト「何が起きとるんや・・・!?」
マーガレット「早くここから逃げましょう」
クリスに肩を貸すライト「父さん、立って・・・!」
クリス「あたた・・・もっと優しく・・・」
ライト「すまん!」
ミグの方を向くライト「ミグ行くで!」
ミグ「先に行っててくれ・・・私はあの男と決着をつける」
ライト「義理堅いのもええかげんにせえ!崩れるぞ!」
ミグ「ごめんな・・・約束は破れない性分なんだ。二人を頼んだぞ!」
まゆの奥へ駆け出すミグ。
ライト「ミグ!」



ミュセイオン最深部
コックピットのような玉座でスタータブレットを操作するマルドゥク。
玉座に座るマルドゥクにEM銃を突きつけるミグ「それを止めろマルドゥク」
マルドゥク「しつこいやつだ・・・てめえら白人はなんでも奪っていきやがる。
ここはオレたちの星だ。
これ以上よそ者に勝手な真似はさせねえ・・・」
ミグ「その石版は誰のものでもないだろ・・・」
マルドゥク「ふん、ならばお前にも王の力を見せてやる・・・壁画を見な・・・」
壁画に書かれているのは太陽系の軌道図だ。
そこにはメインベルトにあるすべての小惑星の位置が赤いランプで示されている。
マルドゥク「そうだ小惑星だ・・・メインベルトの小惑星は木星の重力によって安定した軌道を保っている・・・もしこの重力をここで操作できるとしたらどうだ?」
ミグ「なんだと・・・?」
マルドゥク「太陽系のどの惑星にも、好きにメインベルトの小惑星を落とすことができるってことだ・・・
直径1000キロのケレスをお前の星に落としてやったっていいんだぞ?」
ミグ「なんでそんなことを・・・」
マルドゥク「お前は4才の頃に、自分が住んでいる村を皆殺しにされたことはあるか?」
ミグ「なに・・・?」
マルドゥク「オレには生まれた時から国がなかった・・・オレはずっとひとりで生きてきた。
だが、この力さえあればオレこそが木星の・・・いや、宇宙の支配者だ・・・!
オレだけの王国を作ってやる・・・!」
ミグ「・・・石版を戻せマルドゥク!そんな方法では王国はできない!
わからないのか?
木星の重力を変えるということは木星の破壊を意味するということだぞ!」
マルドゥク「脅しても無駄だ。もう誰も止められねえ」

振動がさらに大きくなっていく。
地面は引き裂け、地中のガスと溶けた金属が見える。
マルドゥクの護衛のギャングが恐ろしくなって逃げ出す。
ミグ「この星は変わりつつあるんだマルドゥク!」
マルドゥク「うるせえ!」

その時ギャングが悲鳴を上げる。
ミグが振り返ると王の間の両側から二頭のケンタウロスが人間たちに向かって突進してくる。
ケンタウロスに向かって銃撃するギャング。
ケンタウロスは腕の大きな鎌でギャングを薙いでいく。
血しぶきが上がる。
マルドゥク「なるほど王の護衛ってわけか・・・」
二頭のケンタウロスにEM銃を向けるミグ
タブレットを操作するマルドゥク「そいつを始末しろ!」
ギャングを虐殺したケンタウロスは今度はミグに向かってくる。
ケンタウロスの攻撃を転がりながら避けるミグ。
EM銃を撃つがケンタウロスの硬い表皮には効かない。
笑うマルドゥク「死ねえ!」

ミグ「ケレリトゥス博士すまない・・・!」
コックピットのスタータブレットを撃つミグ。
スタータブレットが衝撃で台座から外れて、システムが消えてしまう。
マルドゥク「てめえ、なにしやがる・・・!」
ケンタウロスが向きを変えてマルドゥクの方へ向かってくる。
ミグ「お前に王の資格はない!」
ケンタウロスがマルドゥクの頭の上から鎌を振り下ろす。
マルドゥク「ぎゃあああああ!」
スタータブレットに鮮血が飛び散る。
超古代都市コロナドが崩れていく・・・



アストライア大神殿でミグが戻るのを待つライト。
ライト「ミグ!」
神殿からリンドバーグ号へ駆けてくるミグ「早く離陸しろ!木星が燃えていくぞ!」
スターライン運河の青い水が蒸気を出しながら熱いマグマに変わっていく。
離陸するリンドバーグ号。



木星の大地震が止まる。
リンドバーグ号のコックピットで流れる惑星連合放送のラジオニュース。

「本日未明に木星全土を襲ったマグニチュード10の超巨大地震ですが、これにより各地で甚大な被害が報告されています。これまでの死者は4万人以上――行方不明者は30万人に上る見通しです。」
「こちらはヒマリアの国境付近です。
対立していたヒマリアとアナンケの民がともに助け合い救助活動を行なっています。」
「アマルテア政府は隣国パシファエに5万トンの救援物資を送ると発表・・・」
「木星民族会議のンゴロ・アルベド議長は木星全土に緊急声明を出しました。」

アルベド議長「今こそ木星に生きるすべての民が団結するときなのです。
神はこの苦難を我々に等しく与えました。豊かな国にも貧しい国にも、強い国にも弱い国にも・・・今の木星にはかつてあった格差などありません。私は信じています。
必ずや木星がこの試練を乗り越えることを。」


リンドバーグ号の中ではマーガレットがクリストファーの看病をしている。
ライト「ミグ・・・結局あの板は何やったんや?お前はすべてを見たんやろ?」
ミグ「もしかしたら木星を太陽にする時限装置のようなものだったのかもしれない・・・
でも・・・よくわからない。神はなんでそんなものを造ったんだろう・・・」

ずっと黙ってやり取りを聞いていたが口を開くマーガレット
マーガレット「これは私の仮説に過ぎないけれど・・・
ひとつだけ確かなのは、あれは神の遺跡というようなものじゃないってこと。」
クリス「なんだって・・・?」
マーガレット「古代人がスタータブレットと呼んでいた、惑星内部の熱エネルギーを用いてオリハルコンの結晶を作る生物の・・・まあ鍾乳洞みたいなものね・・・
小惑星にあった星の欠片が成長したらああなるんじゃないかしら。」
クリス「生き物だったっていうのか!?」
マーガレット「人類の文明と類似点がないのも当然ね。そもそも人工物じゃないのだから
・・・あの石碑は鉱物と生物の中間にあたるような存在なのかもしれない。
私たちが文字だと思っていたものは単に彼らが作り出した模様だった可能性もあるわ。」
クリス「すべては人類の壮大な勘違いだったってことか・・・」
マーガレット「あら、そんながっかりすることはないわよクリス。
人は他人と宇宙を共有することはできない。でもほんの小さな誤解によって、神に祈り、他者を慈しむ感情が人間に生まれたのだとしたら、それは壮大な奇跡よ。」
ミグ「・・・奇跡。」
マーガレット「・・・こういう話があるわ。古代には沈黙交易という風習があったの。
異民族と言葉を交わさずに行う交易なのだけれど、考えてみれば言葉も通じない相手と取引をするなんて不思議な話よね。
私はこう思うの・・・それが未知の存在であれ・・・人間は交流することそれ自体に幸福を感じる動物なのだと。分かり合える合えないは問題じゃないの・・・それでも誰かと関わりたくなってしまうのよ。それが人間なの。」

ミグ「・・・・・・。」
ライト「元気出せや父さん。宝はここにおるで。」
ライトに微笑むクリス「そうだな・・・スタータブレットはこれで諦める」
ライト「ああ、わからんままの方がええもんもあるって」
「そして新しい冒険の始まりだ・・・!私は次の宝を求めることにするよ!レッツトライ!」
三人「え?」
クリス「キミらに私たちの孫を産んでもらわないとね」
ライト「はあああ!?」
マーガレット「・・・そうね、あなたたち私たちよりもいい夫婦になるわ」
ライト「ちょっと待てって・・・!」
クリス「孫も冒険家にしようぜ」
マーガレット「クリスいい加減にしなさい。孫にはちゃんと大学に行かせるわ」
ライト「そういう冗談はやめろや!ミグは気位が高いんや!
・・・ごめんなミグ、気にせんでええから・・・」
涙を浮かべるミグ
ライト「ミグ・・・?」
ミグ「ご・・・ごめんね・・・なんか・・・久々に家族を思い出しちゃって・・・」
ライト「ミグ・・・」
夕日に向かって飛んでいくリンドバーグ号。



王は太陽の子
神に知恵という強大な力を授かり王国を築きし者
全知全能のその力は地を揺るがし、海を引き裂き、天空の星をも落とす
王は神にも等しい力を得た

しかし王の心は満たされなかった
満ちていくのは扉の外で祈り続ける女神への思い
王が探し続けていたものは、神の力ではなく
たった一人の愛する人だった

よって王は神の地を去り、その力を封印することに決めた
アストライアの大神殿と迷宮は、探求者に試練を与えるであろう
星の運河を辿り、星の欠片を手にした女神の舞によって真実の扉は開かれるのだ




秘密結社の円卓。
円卓には林檎に絡みつく蛇の紋章が掲げられている。
名だたる政治家や貴族、科学者などが円卓で顔を並べている。
「・・・いい知らせかね?」
スーツの男「ええ」
「だがキミの友人に投資しても宇宙戦争は起きなかったじゃないか。」
「同感だ。太陽系は和平への道を歩みだしている」
スーツの男「果たしてそうでしょうか?
大国が世界平和という理想に舵を切ったときに、切り捨てられるのは少数民族の現実です。
植民地というタガがなくなった今、木星は多くの武器を必要としています・・・
我々のビジネスに負けはない」
「だが、ミラージュ計画はどうなった?ノーチラス号は??強大な兵器で地球を破壊するという君の計画はどれも失敗続きだ」
「ああ、地球はなんともないぞ。欠けてもいない。」
スーツの男「地球を破壊するのはやめました・・・」
「なんだって?」
スーツの男「地球を破壊する程度ではまだ足りない・・・
我らが主が求めるのは宇宙すら破壊する兵器です」
ざわつく
「そんな兵器は存在する意味がないだろう。宇宙がなくなったら商売はできん。」
スーツの男「お忘れですか?我々の目的は金を儲けることではない。
主の意思を実行することです」
「・・・その兵器とは一体どういうものなのかね?」
「我々にもわかるように話してくれないか、ピカール卿」
微笑むピカール。



円卓の奥の空間に入るピカール。
空間は暗く、奥にいる何者かに話しかけるピカール。
ピカール「同志ザドキエルは再び長い眠りに・・・」
木星にあったものと同じ石版(iPad)と対峙するピカール
スタータブレット(・・・月へ行け。そして選択せよ。)
ピカール「はは」

つづく
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