『ダブルスピーク』制作裏話

 サイトの「カートゥーン」に『ダブルスピーク』の本編をアップ。本編はこちらで読めます。

 この漫画はとってもセリフが多くて、もう気が狂うほど写植(吹き出しのセリフをフォントにすること)の作業が辛く、結局字が読みづらいページだけ写植を打ちました。本当は全部やるつもりだったんですけど、まあ追々暇があったら全部やろうと思ってます。
 私はこの写植とスクリーントーンの作業が大変嫌いで、もっと言えばペン入れと下書きも嫌いという(好きなのはプロット考えている時)、もう漫画辞めちまえ!って話なんですが、なんでまだ描いているんだろう・・・?

 さて、科学を信じ、霊的なものを否定しているこんな私なので、4年前幽霊を題材にしたこの漫画を描くときにはかなり葛藤がありました。自己矛盾というか・・

 でも大槻教授のオバケがどうしても描きたくなっちゃったんだから仕方がない!なんて不謹慎な・・・

 そのワンアイディアでおはなしすべてが形成されていったって感じです。幽霊などのオカルトを批判していた科学者の幽霊なんて面白いじゃないですか。・・・面白くないですか?私の自己満足なのかな?私はすっごい面白いと思うんですけど・・・

 しかし4年前の漫画だけあって(ペイオフに時代を感じる…)やっぱり画風とかネームの切り方とかが今と違うな・・・でも今もあまりこの時から進歩してないな・・・まいったな。
 あと意外にもあんまりマスコミ批判してなかった。むしろマスコミのレーゾンデートルを称賛してたぞ。もっと批判的なテーマの漫画だと思ってた。 

芸術と娯楽のはざま

 だめだ~kenkoさんが仰る通り私の書くものって小難しいのかもしれない。作り手として、自分の創作物が受け手に受け入れられないときに「それは読み手の理解力が・・・」って責任転嫁することは最もやってはいけないこと。いじめ。かっこわるい。

 だから私がもっと分かり易く楽しく描ければいいわけで、それがSFでも小難しくならずに力技で読む人を楽しませることはできるはず。
 もともと漫画というのは良くも悪くもサブカル。賢い人だけが楽しむ芸術や文学じゃなくて大衆的な娯楽。だから読者の人が「難しくて理解できない」じゃだめ。いかん。

 私はそもそも中学の時あだ名が「バカ田代」って言われていたほどなのに、なぜこうなった?いや、バカだから難しい概念を分かりやすく伝えられないのである。
 真に賢ければスノッブはあり得ないのである。

 とはいえ芸術論のぬるま湯につかって、いっちょまえに御託を並べるのも結構楽しい。しかしそれではみんなを楽しませられるいい作品は作れない。
 でもそのためにみんながやっているようなこと(ベタなバトル、パンチラ)はしたくない。それは別に自分がやらなくても、やりたくてやる人が星の数ほどいるから。

 「ちょっとだけ芸術な娯楽をやりたい(SA=少しアートの略。今作った言葉)」という自分の理想が高いんだと思うけど、そこに挑戦し続けたい。「うわ!こんな発想があったか!」って読み手を驚かせたい。どうせ何時間も膨大な労力をかけて描くなら。
 でも芸術に行きすぎて、誰にも評価されないなんてそんなのはいやだ。「どうせ大衆におれのアートは理解できんよ」なんて負け犬の遠吠えはかっこ悪い。

 私は良くも悪くも自分の為だけに描けない。面倒くさいもん。ブログの記事でも読んでくれる人の為に書くし、面白いって言ってもらったらもう最高。モチベーション注入のパワーアップ。
 だから誰にも面白いっていわれないものは作りたくない。逆に言えば一人でもそれを面白いって思う人がいれば、それは作った価値がある。
 ABCDの四人がいて、ABCが面白いという作品と、Dだけが面白いという作品は優劣が付けられない。むしろ少数派のDを楽しませる作品ってすごいって思うしなあ。

 クリエイティブな活動には答えが無い。そこが面白いところだろうから、とりあえず作り続けていればいいのかな?意味や結果よりも創作は継続が大事。
 そうすればいつか評価してくださるもの好きな人にも出会えるかもしれない・・・

第二次世界大戦は帝国主義が悪かった

 今日は終戦記念日ですが、難しいです。あの戦争の責任の所在・・・

 一番わかりやすいのは軍部。「A級戦犯が一番悪かった。あの戦争はみんな彼らのせいだ」ってことにしちゃうこと。確かに悪かったし。
 軍部は、アジアの侵略された国家にも、日本の末端の兵士にも悪いことをしたと思う。岸信介総理なんて、満州開発していた時はひどいこと平気でやっていたらしいし・・・

 毎年この時期に話題になる靖国参拝問題は、つまりはあの神社に、戦争のスケープゴートになり得るA級戦犯の軍部の人と、あの当時の世界情勢で国を守るためには、戦争に参加するしかなかった兵士の英霊が一緒に合祀されていることが、そもそもの原因らしい。

 日本ってどんな悪い人も亡くなっちゃえばノーサイドだから、その言い分は分かるけど、外国にしてみたら怖いんだと思う。A級戦犯に日本のトップが手を合わせているのは。
 「あの国・・・平和ボケしてるかと思ったら、なにかまたよからぬことを考えているのか?」と。「そんなことは決してない。そういう神道という伝統なんです」って理屈で説明しても、過去に実際侵略をしているわけで、どうにも「はいそうですか」って侵略された国は簡単には思えないんだろうな。

 よく外国に戦争の謝罪ばっかりする日本の姿勢を「弱腰だ。あの戦争で日本の為に勇敢に戦った兵士に失礼だ」という意見の人がいるけど、あれはちょっと話が分からない。
 “現在”の世界の平和のために、あの戦争を肯定するわけにはいかないし、外国に謝ったから英霊が浮かばれないってのはおかしい。
 亡くなった兵士の方には「無茶な作戦立てて戦争を始めてしまってすいませんでした」って謝ればいいんじゃないか。
 あの時の兵士の方だって馬鹿じゃない。相手がどんな大国か分かっていたと思う。だからアメリカとは極力戦争をやりたくなかった。

 じゃあ勝つ見込みがあったら戦争はいいのか?って言う人もいそうだけど、もうあの時代はみんな植民地支配がブームだったんだから、第二次世界大戦は、枢軸国のせい…とか、日本の軍部のせい…とかそんな話じゃない。
 枢軸国だけが悪いんじゃない。連合国も含めて帝国主義が普通だった時代のせいってことにしちゃ、なんでまずいのか?

 私は第二次世界大戦はそのように理解しています。どの列強国もひどいことをしていた。それが当たり前だったおっかない時代だったんだ、と。今のグローバル化、市場原理主義がおっかないように。

モンスターズ・インク

 「面白い度☆☆☆☆☆ 好き度☆☆☆☆☆」

 お前の持っているヤツを入れれば完成だよ。

 この前見た『ヒックとドラゴン』。ナイトフューリードラゴンの「トゥース」が「ネコみたくて可愛い」とか言われていますが、私はああいうあざとい可愛さの奴が嫌いで(「イルカは友達じゃねえ!ぶりっ子しやがって!」という『ファインディング・ニモ』のサメと同じ心境)、どっちかというと、他のドラゴンのデザインがカートゥーンっぽくて好きで、それがけっこうこの『モンスターズ・インク』のお化け(※ちびっ子がデザインしたという脇役のお化けです)のデザインと通じるものがあるなと思いました。

 カートゥーン調のお化けと言えば、この映画って珍しくオープニングが手描きアニメで、「え?これ本当にピクサーの『モンスターズ・インク』?違うの借りてきた?」って思いました。この手描きのモンスターがまさにカートゥーンで、このオープニングはピクサーで一番好きです。

 この作品、実は私公開時からずいぶん時間が経ってからDVDで観たんです。なぜかこの作品はCMで「お涙ちょうだい」のあざとい香りがして感動系嫌いな私はスルーしていました。
 その後大学の『ファインディング・ニモ』を一緒に観に行った友だちが「モンスターズ・インクいいよ。見た方がいいよ」と推薦するので、けっこう大人しい系の彼女がそんなに推すとは相当面白いのか?と観てみたら、予想外のアダルティな産業サスペンスでした。あの人がまさかの黒幕!?
 私こういうの大好き。ありがとう!この映画の完成度はやばい。

 この経験でピクサーは感動だけで終わらないということを学び、感動系CMを流す『カールじいさん』や『トイ・ストーリー3』も観に行くようになりました。
 そもそも日本のピクサーのCMをつくるマーケティング担当プロデューサー曰く、アメリカのCMはコミカルなところを前面に出した方が受けるが、日本は笑いよりも感動を強調した方が効果があるらしいのです。なんなんだろうね、日本人って。わけわかんねえ。そんなに感動したいのか。

 まあ『モンスターズ・インク』は感動作っちゃ感動作だけど、私が好きなのはそこじゃなくて、モンスターが人間の子どもを驚かせてその悲鳴をエネルギーにして、それをモンスターの街のエネルギー資源にしているというその発想!こういうアイディア私もよく考えるから大好き!いかついモンスターたちが勇敢にちびっこの部屋に挑むシーンは大爆笑。
 ワニのような恐竜のような爬虫類系のお化けが、子ども部屋から泣いて帰ってきて「どうしたの?(声がバカっぽいw)」「子どもが寄ってきた、こんな近くまで」「怖がらないの?6歳なのに?」って相方のセリフで笑わない人はおかしい。
 このアイディアは、小さい頃から子どもは部屋で一人で寝るという欧米の文化から生まれたものですよね。だからテディ・ベアとかと添い寝する子がいっぱいいる。

 ・・・でまあ案の定、作中で「モンスターズ・インク」のCMやるんだよね。世界観の設定を観客に解り易く伝える武器として作中作(ここではテレビCM)って非常に役に立つ。例えば『スターシップ・トゥルーパーズ』ではプロパガンダ的ニュース番組だったし、『ジュラシック・パーク』ではアトラクションのアニメ映画だった。私もよくこの手法は使わせてもらってます。

バグズ・ライフ

 「面白い度☆☆☆☆☆ 好き度☆☆☆☆☆」

 さあ弱い立場はどっちだ?アリはお前たちなんかいらない。お前がアリを必要なんだ。

 『ダイナソー』でも書きましたが、『ゴルゴ13』や『ドラゴンボール』のような漫画がダメな「アンチ一騎当千漫画」の私にとって、弱い立場の人々がみんなで結束して、一騎当千の強さを持つ敵を追い払うこの手の物語は感涙もの。
 確かに民主主義には問題点は多いんです。世論(=多数派)が必ずしも最善の方法を考えたり決定するとは限らない。むしろ少数の頭のいい人のクリティカルな意見に影響され流されてしまう可能性があることは、この前dario氏との対談でも論じました。

 しかし民主主義はファシズムよりはまだましであることは確かです。今年、終戦ドラマを手掛けた倉本聰さんが「今の日本人は自分たちがおかしくなっていることに無自覚で気付いていない」と嘆いていましたが、それを言うなら戦中の全体主義だって一種の洗脳でひどいだろってはなしで、英霊をたたえる風習まで否定することになっちゃうんじゃないか、と。
 そういった現象(世論の無秩序かつ無意識的な形成)は今に始まったことじゃない。だから今の日本人の問題点は戦時中の問題点でもあったはず。よって「昔の日本人は良かった」は成り立たない。だいたい昔は美化されるんだよ。すぎちゃったんだから。

 この映画の非常によくできた点は、悪役のバッタ「ホッパー」は「アリ(民主主義)の恐ろしさ」を知っているという点。このことでホッパーがただのアニメの悪役ではなく、非常にリアルな指導者として描かれていることが分かります。

「ちんけな一匹を放っておけば、いつか奴らみんなが楯突くようになるんだ。そのチンケなアリの方が俺たちバッタよりも100倍も多いんだ。奴らがそれに気付けば、こんな生活ももうできなくなるんだぞ!問題は食いものじゃない。アリに誰がボスなのかを教えるためにわざわざ戻るんだ!」
 
 ホッパーは賢い。リアルに賢い。長期的なストラテジーを持ってアリを支配している。またラストの戦いでもアリの女王陛下を殺そうとする。リーダーをつぶせば大衆は屈服するという、侵略と支配の鉄則を知っているのです。
 
 そんな剛腕ホッパーが、あんな可愛い小鳥のひなに・・・られちゃうのが、めちゃめちゃシュールで大爆笑!やはり自然界のヒエラルキーは絶対なのね。
 ただあの蛾と結婚しているカマキリのじいさんは普通に考えてあの映画の昆虫では最強だぞ。バッタ如きにしばかれてたけど・・・
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