『エア・フレーム―機体―』

 飛行機乗れますか?

 マイクル・クライトン先生の産業サスペンス小説。先生は『ジュラシックパーク』を書き終えた90年代からSFとはうってかわって企業ミステリーものを連発していて、日米貿易摩擦を取り上げた『ライジングサン』(92年)、ラディカルフェミニズム問題に一石を投じるかのごとく逆セクハラ問題を取り上げ、デミ・ムーア主演で映画化されたことでも有名な『ディスクロージャー』(93年)、そして1996年に発表されたのが、この『エアフレーム』だ。

 私はもともと飛行機恐怖症でベルヌーイの定理か何だか知らないけど、何トンもあるあんな鉄の塊が空を飛ぶってのが不安極まりなくて、ぶっちゃけ高校の修学旅行ですらいやだば死になくないって騒いだくらいなんですが(主翼しなってる!)この小説で一層空の旅がおっかなくなっちゃった・・・

 航空業界の規制緩和や、連邦航空局(FAA)とメーカーの慣れ合い、アメリカ、ヨーロッパ、アジア間での航空機輸出競争、機体にどれだけ記録装置を組み込み、どのパーツを選ぶかは(エンジンすら!)航空会社にその選択権があり、機体を作ったメーカー側に責任はないこと、また最近話題の格安航空会社の洒落にならないリスク、粗悪な模造品が部品として混入する問題など、命にかかわる空の旅が市場の原理によってここまで影響されてしまうんだと愕然!

 とはいえクライトン先生は本書で、主人公以下飛行機製造に命を賭ける技術者の男たちをかなり好意的に「プロジェクトX」の如く描いている。実はこの作品の一作前があの『ロストワールド』で、ここでもクライトンは技術者のドッグ・ソーンをカッコよく描いているので、本書はそんなドッグが5人くらい出てくると思えばクライトン先生の理論屋よりも技術屋好きなのがよく分かるでしょう。

 そして本書のもう一つのテーマが映像メディア(=テレビ)批判だ。ただでさえ風評被害で社内がごたついている時に、正確な情報などハナから求めず、スピードと面白主義を標榜するテレビ業界が、偏向報道をして事態をさらにかき回すのだからもう大変。

 というか本書最大の山場は、この航空機製造メーカー「ノートンエアクラフト社」事故原因究明チーム(IRT)VS全米で人気のニュースショー「ニューズライン」の熾烈なディベートだったりするので、本書の真のテーマは「航空業界の実態」ではなく、むしろこっち(テレビ報道の危うさ)だったりするのかもしれない。
 そしてこのネタは後の『恐怖の存在』でPMLとしてさらに進化を遂げることになる(※詳しくはサイトのコラム参照)。

 テレビ批判と言えば、日本のテレビの権威が本格的に失墜したのはついこないだだが、アメリカのテレビはもっと前からひどい有様で、腐敗したいうか元々ひどかったらしい(メディアの性質上か?)。

 しかし個人的には、私たちがテレビを叩くのはちょっとお門違いだと思うんだ。普通の大人はテレビはそもそも「そんなものなんだ」って思わなければおかしいだろって考えているから。
 テレビで報道されたことが客観&中立で、まして真実であると思い込んでいることこそが大きな問題で、それはいい歳した大人が少年ジャンプを読んであんな海賊が実在するんだって思いこんでいるくらい愚かな話だ。

 最近ではテレビ離れした若い人がよく「これからはネットだグーグルだニコニコ動画だ」って言っているけど、あれも結局はなにも進歩しちゃいない。信仰の対象が別に移っただけで、ニコニコ動画に真実があるわけないだろと。これでは彼らがバカにするテレビ信者とまったく同類だぜって。

 そもそもテレビ番組と言う一方的な娯楽は、私たちの理解のレベルに合わせて作られる。つまりテレビがバカだというのならそれは私たちがバカだってことだし、そのテレビの影響力と馬鹿馬鹿しさにあきれた企業が「やってらんねえ!」と仕事を投げてしまったら、さらなる悲劇が起きるわけだ。

 これはどれが一番悪いとかじゃなくて、世の中はそう言うシステムだって言うこと。でもみんなそんな複雑なことは考えたくないから、てっとりばやく責任の所在を知りたがる。それも分かりやすい形で。特定の人物ならなおよい。金持ちで傲慢で太った豚野郎なら最高だ。
 ニューズラインはそれが数字を稼げることをよく心得ていて、視聴者心理を前提に番組を組んでいってしまう。それは仕方がない。そう言う商売なのだから。漫画だって最初の三ページで飽きられたら終わりなんだよ!

 さてここからは『失われた黄金都市』のように登場人物を振り返りながらひとこと。今回は登場人物の数が多くて整理するのが大変だったわ・・・

「ケイシー・シングルトン」
 ノートンエアクラフト品質保証部(QA)の女性職員。30代で黒髪のショート。毎朝8キロのジョギングをするスポーツマン。飲酒癖でトヨタをクビになった旦那さんと離婚。同じ服しか来たがらないアリスンと言う女の子がいる。親は新聞社の編集長。また兄が二人いて女性よりも男の中のほうが落ち着くタイプ。
 二名の死者と多数の重傷者を出したN22ワイドボディ機のイルカ跳び事故の事故調査の責任者に任命させられる。ちょっとスケープゴートくさいが・・・
 ちなみにセックスの後は相手と朝まで一緒にいたいタイプ。

「ジェニファー・マローン」
 20代後半。人気テレビ番組ニューズラインの美人セグメントプロデューサー。過酷なテレビ業界で若くして頭角を現したやり手。たた一度の失敗すら許されず他所に飛ばされてしまうので、本人も仕事に関して極めて冷徹。番組を成功させるならどんな手だって使う。
 内心取材相手を馬鹿にしており、真実の情報などハナから興味もないし航空機について勉強する気もない。それだけ多忙。
 ケイシーに対しても内心「ババア」扱いするが、とんでもない逆襲をされるwちなみにセックスの後は男にとっとと帰ってほしい淡泊なタイプ。

「ノーマ」
 ケイシーの秘書。年齢不詳で大柄、チェーンスモーカー。ノートンエアクラフト社に誰も知らない昔からいる大ベテランで会社の事情通。創業者チャーリー・ノートンと付き合っていたという伝説もある彼女にはCOOのジョン・マーダーすら口を出せない。

「ボブ・リッチマン」
 ケイシーの補佐をすることになった新人。ノートンエアクラフト創業者の甥っこでやたらケイシーに付きまとう。マーケティング部門にいたので航空機製造に関しては無知。
 読者は彼を通してケイシーから航空機の初歩的説明をされるという、そんな構成になっている。

「ダグ・ドアティー」
 IRT構造担当。悲観的な人で事故機を見ていつも「私の美しい機体が・・・」って嘆いている。太っていて分厚いメガネをかけている。

「グエン・バン・トラン」
 IRTアビオニクス担当。ベトナム出身で航空機に搭載された電子機器を調査。ケイシーのお気に入りらしいが、意外と登場シーンは少なかった。

「ケン・バーン」
 IRT原動機担当。つまりはエンジン。口が悪くぶっきらぼうだが、頼もしいおやっさん。典型的な技術屋。

「ロン・スミス」
 IRT電気系統担当。機体の電気回路全般を調べる。そしてそのすべてを丸暗記している天才。敬語キャラで内向的。病気のお母さんと一緒に暮らしている。

 ケイシーは彼らを指して「普通子供はいつかおもちゃを卒業して女の子に行っちゃうでしょう?でも彼らはおもちゃを卒業しないの」と評したw

「ロブ・ウォン」
 デジタルデータシステム部の若手プログラマー。フライトデータレコーダー(FDR)の解析担当。この手のレコーダーは航空機事故の真実を語るブラックボックスであり事故原因究明の重要な手がかりになりそうだが、業界内の認識はそれとは異なるものだった・・・(詳しくは上巻151ページ参照)

「フェリックス・ウォラースタイン」
 フライトシミュレーターのパイロット訓練計画責任者。ジョン・チャン機長が凄腕パイロットだと証言。

「ジェイ・ジーグラー」
 音声解析研究室の責任者。元CIAで電子工学の天才。音だけで人物や情景を言い当てるとんでもない音オタク。偏執的な性格で自身の研究室には複数の鍵、解析装置はすべて自分で作ったものを用いている。長髪。

「ジェリー・ジェンキンス」
 部品管理係。航空機は百万もの部品すべてに記録が残されているという。その管理者。

「ビル・べンスン」
 広報担当。無愛想で短気、あまりマスコミ受けのよくない人物。

「エドワード・フラー」
 法務部長。この事故がテレビに報道されたらどういう展開になるか適切にアドバイスする。最後に大活躍。

「ドン・ブルール」
 労働組合ノートン支部長。工場の労働者の動向をケイシーに教え忠告する。元ボクサー。

「テディ・ローリー」
 テストパイロット。事故の再現飛行を行う命知らず。ケイシーとは男女の仲だが、セックスしたらすぐに帰っちゃうw伊達男。

「ジョン・マーダー」
 ノートンエアクラフト社最高業務責任者。中国との大口取引を成立させるため、ケイシーをIRTのリーダにし事故調査を依頼するが・・・ノートン家の娘婿。

「ハル・エドガートン」
 ノートンエアクラフト社長。冷徹。てっきりジョン・マーダーが社長に就任するかと思ったらこの人がやってきたので、一部ではマーダーとは犬猿の仲だという噂がある。

「エイモス・ビーダーズ」
 ケイシーのご近所さんでパグと二人暮らしの老人。飛行機の墓場…〈ツイストアンドシャウト〉とも呼ばれる強度試験場の責任者でもあり、経験豊富な生き字引。事故調査にケイシーに重要なアドバイスをしてくれる。
 この手のかっこいい老人は『恐怖の存在』でも登場する。

「マイク・リー」
 トランパシフィック航空代表。航空会社の代表としてIRTの会議に参加。ちょっと勝手な行動が目立つが・・・元空軍パイロットで将軍。中国系。

「ダニエル・グリーン」
 飛行標準管理事務所職員。事故機のパイロットを返したことをケン・バーンになじられる。

「ジョン・チャン」
 事故を起こしたTPA545便の機長。百戦錬磨のパイロットで凄腕。今回の事故は人的ミスではないという根拠に。

「ケイ・リアン」
 スチュワーデス。ジョン・チャン機長を過剰に褒め称えているが・・・

「エミリー・ジャンセン」
 30歳。夫と娘と共に事故に遭遇した乗客。

「スコット・ハーマン」
 エミリーの家庭用カメラの映像解析を請け負ったビデオ・イメージング・システムズ社の職員。怪我したのかなぜか片足にギブスをはめてる。

「マーサ・ガーション」
 マスコミ対策の専門家。ぱっと見は物腰柔らかいおばあちゃんだが、そのアドバイスは的確でケイシーにマーティ・リアドンが得意とする戦法を伝授する。リアドンとは長い長い確執があるらしい。

「マーティ・リアドン」
 テレビタレント。辛らつでナイフのように鋭いコメントで相手を攻撃する人気レポーター。超多忙。この前も「最近ヒット作がないですね」と言ってアル・パチーノを怒らせた。素人とのインタビューをまるでチェスのゲームのように進めていく。

「ディック・シェンク」
 ニューズラインのエグゼグティブプロデューサー。部下の失敗は絶対許さない非情な人物。

「ブラッドリー・キング」
 航空機事故専門の悪徳弁護士。通称“スカイ・キング”。ケン・バーンに「このゲス野郎」と評される。

「フレデリック・バーカー」
 航空コンサルタントでキングの腰ぎんちゃく。実は大学で航空力学どころか理学も学んでいない。ケン・バーンに「人間の屑」と評される。

「ジャック・ロジャーズ」 
 地方紙テレグラフスターの航空宇宙専門のベテラン記者。50代後半。専門用語や小難しい話にはハナから興味がないテレビ屋と違い、徹底的な取材を行い、あらかじめ取材相手と同程度に内容を把握しておくため専門知識は豊富。悪く言えば地味で、ジェニファー・マローンには馬鹿にされるが、ケイシーには信頼されている。


 よくよく考えたら旅客機って数年で壊れる電化製品とは大違いだ。飛行機は原発と一緒で何十年も使う。その信じられない耐久性をになっているのがエンジニアや整備員なんだよね。
 あと飛行機の命が主翼って言うのも知らなかった。だからそのノウハウが中国に流れることを工場労働者は最も恐れていたんだけど・・・確かにあそこがダメなら墜落しちゃうもんなあ・・・改めて科学技術ってすごい。

『超音速ソニックブレイド』脚本全話完成

 私がこの漫画を思いついたのは2003年、場所は前橋のファミレスだったと思う、いや違うな、足利のロイヤルホストだったかな?いやいやごめん幕張のフードコートだったかも・・・w
 そんな感じで『ソニックブレイド』はもう記憶があいまいなほど昔に考えた漫画なんですが、まさかこの長編漫画を連載できる機会がくるとは・・・長生きはするもんですね!

 そもそも巨大ロボットアニメなんてろくに見たことないのに(弟は大ファンだった)なんでこんなガンダムみたいな漫画を描こうと思ったのかって言うと、結構理由はあざとくて売れ線というものを一度やってみたかっただけだったりする。それほどまでに私の漫画はどれも売れ線とは程遠いものだった・・・

 友人のKO氏いわく当時のテレビアニメは「ロボット」「美少女」「学園もの」をハイブリッドしたものが受けていたらしく、私は本当かよ?って思ったけど、ここは騙されたと思ってその三つのお題を漫画に入れてみた。
 まあそれ以外は私の好きなようにやっちゃったから、結局マイクル・クライトン作品とMOTHER2が足された不気味な内容になってしまったことは言うまでもないw

 私は作り手があまりにその分野が好きすぎると、その熱が足を引っ張りマニアックで一般受けしにくい作品ができがちだって思っているから、恐竜漫画は封印していたんだけど、確かに仮に私が巨大ロボットものが超好きで、部屋にたくさんロボットがあるような奴だったら、こんな巨大ロボットをぞんざいに扱うような作品はできなかったと思うw
 なにしろかの『アパッチ野球軍』のように巨大ロボットを作るところから始まるのだから、ソニックブレイドが戦うのは物語でもかなり後なのだ。
 
 普通の人って『ジュラシックパーク』でも恐竜がフェンスから逃げてパークをうろつくシーンに「おおおっ」ってなるんだろうけど、やっぱりあの映画の一番すごいところって恐竜の作り方をそれっぽく説明したところだと思うんだ。
 だから私も、琥珀の説明や卵のふ卵器のシーンに当たる、ソニックブレイド開発シーンを結構多めに入れちゃった。つーかあれでもかなり削ったから、プロのプログラマーから見ればこんな短期間にとんとん拍子に実装までできるわけないだろ!って突っ込まれちゃうだろうけどね。
 
 とにかくかなり異色な内容のロボット漫画に仕上がったと思います。物語は全57話。脚本は150ページ!連載開始前にちゃんと最終回まで完成している、漫画業界ではまれに見るプリプロダクションに時間をかけた作品になっていると思います(脚本に約半年かかった)。
 それもこれも連載サイトが「ちゃんと完結さえさせてくれれば打ち切りはしない」と約束してくれたため。ふっふっふその言葉があだとなったな!

 これから五年間オレはあんたの世話になるぜ!(=社長ありがとうございます)

『ごっちゃんです!!』語り解禁

 私のブログではプロの漫画作品の感想は意図的にやらないようにしていたんだ(映画はやるけど…)。だって素人の分際で偉そうだし、じゃあてめえはこれを描けるのかってなるじゃん。でも『ごっちゃんです!!』はやっぱどうしても喋りたくなっちゃうよね。今まで読んだ中で一番好きな漫画だし。
 
 つの丸先生は『モンモンモン』野球編や『みどりのマキバオー』とか描いていた位だから、スポーツ漫画が好きでけっこう読みこんでいたんだろうな。『アストロ球団』とか『あしたのジョー』とか。だからスポーツ漫画特有の文脈を知ってる。
 スポーツの文脈とスポーツ漫画の文脈ってやっぱり微妙に違うんだよね。それをどこまで「ご都合主義」とか言われずに騙せるかだよね。これはかなり難しい。K氏の言う『スラムダンク』と『アヒルの空』の違いってやつ。

 そもそも、つの丸先生は今まで動物の擬人化漫画をやってきたんだけど、先生自身も仰っているように『ごっちゃんです!』では人間の擬獣化を試みているんだよね。
 動物って見た目は可愛いけど何考えているか分からないし、親切にしたって向こうは感謝もしない。それでも人は愛でてしまう。典型例はネコ。
 正確にはごっちゃんのモデルはネコじゃなくてウサギなんだけど、まあ似たようなもんだろう。でなんであいつらは態度も悪いのに愛されて人気ペットのポジションにいるかって言ったらやっぱり「外見」な気がする。あれが見た目がテヅルモヅルとかだったらみんなグロくて飼育してない。

 動物じゃないけど(いや動物かw)峰不二子ちゃんのような自分勝手でわがままな小悪魔系女性を好きな心理も、やっぱり利己的ながら「可愛い」って言うのがあるんだろうな。
 また仮にそんな美人じゃなくても、その人がふと見せるそぶりが可愛かったら、多少態度が悪くても許せてしまう。もっといえば「ブサ可愛い」って言うのもあるらしいし。
 かつて「BSマンガ夜話」で『みどりのマキバオー』を取り上げた時、マキバオーの声をやった声優の人が「あまりに不細工すぎてかばってやりたくなる」とかいうようなことを言っていたけど、確かにこれはブサカワ心理の一つの根拠にはなっていると思う。
 まあマキバオーはごっちゃんみたいに態度も悪くないし、なによりも人間と普通に会話していたから、そこはかなり違うんだけど・・・
 そもそもマキバオーはその不細工にも負けず本編でけなげに頑張っている描写があったから一般受けしたのかもしれないし。

 それに対してごっちゃんは見た目はマキバオーと同じブサカワキャラなんだけど、言葉を発しないし、特に健気ってわけでもない。どちらかというと尊大な奴だ。
 つまりまずもってつの丸先生の画風を可愛いと思えなきゃ、ごっちゃんは単なる「ムカつくデブ」で終わってしまうってこと。
 で、ホントにそこで終わっちゃっている批判が多かったことに驚いた。ムカつくキャラで笑わせるというのは『モンモンモン』からやってきたつの丸先生お馴染みの技法だからだ。それが通用しない。純粋なギャグ漫画ならともかくスポーツ漫画では許せないってことなのだろうか。

 なんかシンガーソングライターとしての所ジョージさん並に過小評価されている気がするけど、つの丸先生って実は(「実は」っていうのも失礼)画力も演出もすっごい高くて、漫画としての完成度は半端無い。
 だから後はあの画風が受け入れられるかどうかって単純な話なのかもしれない。つの丸先生の絵を少しでも可愛いと思えれば『ごっちゃんです!』の評価はかなり変わると思う。

 『ごっちゃんです!!』で具体例を挙げてみよう。この漫画には「カチ」っていう超おっかない凶暴かつ馬鹿なジャイアンみたいな先輩が出てくるんだけど、実を言うとごっちゃんの最大のファンはカチなんだ。何とカチはごっちゃんが関取になった時も国技館に応援に駆けつけている!ここら辺の作り方がすごいうまい。
 ツンデレってあるけれどカチはまさにツンデレに近い。アキラや純太、さらにヤンキーでさえ恐れるカチなのに、ごっちゃんにはすっごい優しい。このごっちゃんにだけ見せる可愛い一面。そしてキタジやヒデといった同学年(実はダブったんだがw)と絡む描写がカチの魅力を重層的なものにしている。

 また、少年漫画のポイントとして「弱点を作る」というのがある。ドラえもんならネズミといった具合に。超凶暴なカチにも天敵がいる。それがOBのランディー先輩だ。カチは絡む相手によってさまざまな一面を見せてくれる万華鏡のようなキャラ。
 さらにさらにカチは最後の最後にまだ新たな一面を見せてくれる。どれだけあるんだって感じだけど、主役のごっちゃんが作劇設定上動かしにくい分、カチがもう一人の主人公となってくれているのだろう。少年漫画の展開の王道「成長」を見せてくれるのがカチだから。 
 
 つの丸先生の漫画って男は顔じゃないを実践してそれができているからカッコいい。K氏が言うとおり単行本5巻の48ページのカチは惚れる。あんなゴリラみたいなキャラにさえ愛着を持たせてしまうのだから、つの丸先生の「キャラ力」は尋常じゃ無い。
 最近は見た目だけで誤魔化すアニメや漫画が多いけど、つの丸先生は見た目であえてハンデを背負いながらも漫画力でそれを補ってしまう。もちろん見た目でハンデの無い読者はさらに楽しめる。
 例えば大きな角を持つシカはメスにモテるんだけど、よく考えると大きすぎる角は邪魔で生存戦略上ハンデキャップになる。なのになんでメスはそいつと子供を作りたがるんだろう?って謎があった。
 これをハンディキャップ理論っていうんだけど、つまり俺はこんなハンデを背負えるほど生命力や競争力があるぜってことらしいんだ。
 
 このように『ごっちゃんです!!』の大きな魅力となっているのが「カチ」に代表される脇を固める先輩キャラだ。
 相撲部というなんか上下関係もけいこも厳しそうな部活の話なのに、やたら読後感がいいのは先輩が優しいからだ。その理由は簡単で後輩のくせにとんでもなく偉そうなごっちゃんをなんだかんだ言って受け入れているから。
 その中でも特に三年生ってやっぱいいんだ。キタジ先輩みたいな人は本当「上司にしたい相撲取り」だよw賢くて冷静でめっちゃ頼りがいがあって強い。パーフェクトな男。カチの女房役をやっているだけあってすっごい気配りもできて優しい。

 また描写としてはそこまで多くはないんだけど、主人公たちのライバル校「甲山工業高校相撲部」もアレだけの断片的なカットで、部内の雰囲気を読者に感じさせてしまうのだからすごい。
 たった五冊しかない漫画だけど作者の中でちゃんとイメージが完成されていたんだろうな。

 この漫画ってやっぱり少年ジャンプではあっさり打ち切りになっちゃった漫画なんだけど、五冊でサクッと終わったってのも実は逆によかったのかも。何度も何度も読み返しやすいしね。
 とにかく何から何まで漫画の作り方の勉強になるし、純粋に読み手として楽しめちゃう『ごっちゃんです!!』・・・まあ人にお勧めはしないけど私のフェイバリット漫画です。
 最近の美形キャラばっかでてくる漫画に食傷気味の方は中和剤として読んでみたらいかがでしょうか?

 最後にふと思ったんだけど、スポーツ漫画はいまだに「友情」「努力」「勝利」がちゃんと機能しているジャンルなんだろうか。
 なんでこんな事言うかと言うと、もはや一部の野心家をのぞいて「勝利」というものに熱くなれない時代だと思うかただ。
 「勝利」という目標がこければ「努力」がこける。だからどういう風に今の世の中にスポーツ漫画が最適化しているのか気になるんだ。相変わらず同じことをやっているのか。

(※余談だが、実は『ごっちゃんです!!』の最後の試合は結末が描かれてない!かつてのジャンプ漫画だったら必ず明確な「勝利」を描くはず!)

 「スポ根」だけがスポーツ漫画ではなくて、生涯スポーツ論やリーダー論、マネジメント論、コーチングの観点からだってスポーツは描ける気もする。スポーツじゃないけど『オーケストラ!』とか『英国王のスピーチ』がそれに近い。
 面白いのはさ、芸術系の部活の漫画だよね、音楽(のだめ)とか美術(ハチクロ)とか。そういう部の「勝利」ってなんだ?コンペ出典とか?まさか『けいおん!』はメジャーデビューが目標の漫画じゃないだろ。

ザ・タウン

 「面白い度☆☆☆☆☆ 好き度☆☆☆☆」

 探さなかったのは探しだす意味がなかったからだ。

 世界一銀行強盗が起こる街らしいボストンのチャールズタウンを舞台にしたギャング映画。って言うと北野映画的バイオレンスものって感じがするけど、なんというんだろう、この映画って上手く言語化できない爽やかさがあって心になんか引っ掛かるんだ。
 でもそういうとまた誤解を生みそうなんだよな~別に青春映画とかなわけじゃないし、結構結末はそれなりに悲惨なんだけど・・・む~・・・創作ってやっぱ奥深いなw

 あらすじだけ読むと、けっこうベタなんだよね。ある若者ギャングが昔馴染みの友達と共にいつものように銀行強盗を実行するんだけど(!)そこで人質にした美人銀行員と恋に落ちてしまうって感じ。
 でもあらすじ斜め読みして「な~んだありきたりじゃん」って馬鹿にしちゃ勿体ないぜ。確かに前半の展開は結構ありがちな「なりすまし劇(の亜種?)」なんだけど(三谷幸喜ならここはこうやってコメディにするな~とか見てたw)中盤から後半の熱量がなんかすごい。脚本のここの技術がどうこうとかじゃなくて全体的なアベレージ、お話の持っていき方がただただ上手いんだ。

 まあ、とにかく重火器持って銀行や現金輸送車を襲うんだから、ちびっ子ギャングのいたずらのレベルを超えているんだけど、なんていうんだろ、当の本人たちは本当駄菓子屋で万引きする感覚でやっちゃうから、あんまり悪党に見えない。
 だって小学生が駄菓子屋で万引きした位で「こいつらは悪の権化だ!」ってあんまり憎まないでしょう?しょうがねえなあって感じじゃん。
 高校生くらいがやるとさすがにワルのレールを感じちゃうんだけど、やっぱこの映画のギャングたちって描き方が上手いのか『ルパン三世 カリオストロの城』みたいに清々しい。

 こういう勉強できない悪ガキって小中学校の頃は結構いたんだけど、やっぱり義務教育が終わっちゃうと途端に疎遠になっちゃうよね。別にケンカ別れしたわけじゃないのに。
 最近リアルが充実していないのか、子どもの頃の友だちと遊ぶ夢をよく見るんだけど、やっぱりあの頃は付き合っている友達の「振れ幅」が大きかったと思う。
 いい子、悪い子、賢い子、バカな子、金持ち、貧乏人、いろいろな子どもが強制的に一つの部屋に放り込まれていたから、本当社会に出てサラリーマンをやるよりも社会を学べたような気がする。
 大人になるとなんか似たような仲間とばかりつるんじゃうんだよね。ツイッタ―だって「クラスタ(特定の興味によってできるフォロワーのまとまり)」ってのができるくらいだから。
 で、他者の些細な違いを受け入れられなくなってしまう。まあさすがに「銀行襲撃なう」は受け入れられないけどさw

 でも仮にこいつらが『刑事ナッシュ』とか『24』とか『CSIマイアミ3』とかの刑事ドラマの世界で同じことをやったら、問答無用で撃ち殺されちゃう悪役Aになっちゃうんだろうな~って考えると、作劇の仕方で同じ事象もどうにでも描けるってことだよね。
 みのさんの「どうぶつ奇想天外!」とかで、ペンギンが主人公の回ではオタリアってすっごい凶悪で残虐非道な海の殺し屋なんだけど、オタリアが主人公の回ではシャチ母子の知育玩具にされちゃうかわいそうな奴になっちゃうんだよ、あれと似たようなもんだよね。

 とはいえ彼らの犯罪を決して軽く描いているわけではなくて、銀行強盗に巻き込まれた女性銀行員がトラウマになるシーンや、主人公たち実行犯を裏でピート・ポスルスウェイトさんが操っているシーンとかもあって加害者と被害者の関係を重層的に描いていたりする。
 主人公は加害者でもあり、チャールズタウンの被害者でもあるのだ。陳腐な表現だけど、やっぱり人間って親と生まれる街は選べないわけで、そのスタートラインで人生の半分以上はすでに決定されちゃうんじゃないか?ってこの映画を観ててすっごい感じた。

 人間の人生ってぶっちゃけなるようにしかならなくて、それを死ぬ前にどれだけ受け入れられるかどうかだけなんだろうなって思う。個人差はあるけど今まで全ての人が例外なく老いて死んでいったわけだからね。
 それに私って近代的な「自由意思」なるものもあまり信じてないから、自分の運命は自分で切り開く!って言う考え方もなんか違和感があるんだ。
 なんか典型的な「いまどきのバイタリティーのない若いもん」の思考って感じがして情けないけど、おれ達は世代的に高度経済成長もバブルも知らないんだから、いかにこの慢性的不況と、ぬるま湯的な豊かさに付き合っていくかだよね。どっちもいずれあっさりなくなる気もするけど。
 
 ただこの考え方も突き詰めて考えると、まあつまらないニヒリズムだ。私一人で日本の不況や栃木県足利市は変えることはできないけれど、そんなに嫌なら群馬や埼玉に逃げてもいいし、日本が嫌なら国外逃亡だってできる。別に銀行襲ったわけじゃないんだから選挙に出たっていいわけだしね。
 でもやらないし、できない。それで「ぶーぶー」街(=自分の置かれた境遇)の悪口を言ったり未来を悲観している人が最近すごい多い気がする。
 この映画の主人公ダグ・マクレイはそういった意味ではあがいた。これじゃダメなんだって。友達や家族や町や過去を捨てて、まっとうな人生をやりなおそうってあがき、その希望の象徴が女性銀行員だったんだけど、結局多くの犠牲を払って街は出れたものの彼女との堅気の生活は手に入れられなかった。

 この映画に「ひっかかり」を感じた大きな理由は、生きて街を出られた彼が最後のシーンで何を思い感じているのかがうまく想像できないところだ。
 私、絶対この主人公も「たけし映画」のように最後は死ぬと思っていて(犯罪者Aだしなw)それが予想を裏切って無事生きて警察から逃げられたんだから、普通の映画なら「よかった~!ハッピーエンドでスッキリ!ちゃんちゃん」ってなるんだけど、なんかすっごい複雑な気持ちになったwそれは決して「なんだよ結局助かっちゃうのかよ、甘っちょろい結末だな~」とかではなくて。

 それはやっぱり最後に見せる彼の何とも言えない表情のせいなのかもしれない。友人や家族を失った悲しみなのかな?それともアメリカにいる限りおっかけてくるであろうFBIへの恐怖なのかな?そのどちらでもない虚無感なのかな?
 『ジュラシックパーク』の原作小説の最後のセリフって知ってますか?「もともと人はどこかへいけるわけではないのですよ」なんだよ。
 
 最後にラストのテロップについて。

 チャールズタウンは強盗の温床として名高い。だが昔も今も市民の多くは善良は人々である。この作品を彼らに捧げる。

 捧げられても!

さや侍

 「面白い度☆☆ 好き度☆☆」

 父が明日どじょうすくいをすると言って聞かないんです。

 なんだかんだで今日初めて見たダウンタウン松本人志監督映画。松本人志さんが日本のお笑いに与えた影響なんかは私よりも詳しい人がいくらでもいるでしょうし、今なお「信者」といったレベルの熱心なファンの方もそれこそたくさんいるでしょうから、私がこの人について書くのは気が引けるのですが、実はこの人のスローペースかつシュールな笑いって漫画家だと「うすた京介」あたりに影響を与えていて、ダウンタウン以降のお笑い芸人がみんなダウンタウンの真似ばかりしたように、うすた先生以降のギャグ漫画家もうすた的ギャグ漫画を描くようになっちゃったという感覚が私にはあります。

 これはつまりテレビのお笑い番組の文法が漫画に持ち込まれるようになったってことなんだけど、以降その「邪道」がギャグ漫画の基本スタイルになっちゃった。
 そして今なおジャンプのギャグ漫画ってボケのキャラがシュールなことをやって、それを受けた突っ込みのキャラが「なんたらなんたら~~~~!!!(ガーン)」みたいなことばかりやっていたりするwやっていることがテレビの漫才なんだよw
 なんにせよ松本さんはギャグ漫画のスタイルすら変えてしまったのだ。そんな松本さんはもともと漫画家になりたかったらしい。なんか皮肉w

 で、本題。たけしさんが「笑いとは落差、ギャップである」と言ったように、松本人志さんは「笑いとは繰り返し、パターンである」と確信している気がしてならない。
 とにかく個々のネタが面白かろうとつまらなかろうと、それをひたすら繰り返していけば、なんだかよく分からないけど、見ている人は段々松本さんのペースにのせられてつい笑ってしまう。そんなような長期戦をこの人は得意とするんだろうなってつくづく思った。せっかちお断り!
 いや~だからこの映画もとにかく長い。くどい。時間の無駄。そしてそのナンセンスさがシュールな笑いを生んでいるのだから、なんかこれで笑っちゃうのはちょっと悔しい気がするwだって無価値無意味なのだから。
 
 ツービートの漫才が鋭い痛みを与える猛スピードの機関銃だとすれば、ダウンタウンの漫才はこんにゃくをぺたってず~っとくっつけられているような感じ。やめろよ、しつこいなあって最初は思うんだけど、とうとうあまりのくどさとくだらなさに降参して笑ってしまう。
 たけしさんが松本さんのことを「ちょっとオタクくさいんだよな」と評するのもよく分かる。良くも悪くも松本さんってお笑いオタクなんだ。
 だからオタクの王様岡田斗司夫さんが大好きなんだろうけどね。

 で、オタクの第一世代が貴族的なように、お笑いオタクの松本さんも素人(=お笑い平民w)がお笑いを評価することなんかできやしないぜ!って思っているフシがあるw
 そういえば最近のお笑い決定戦的な番組は、M1だろうがキングオブコントだろうがIPPONグランプリだろうがオモバカだろうが、全て芸人が芸人の芸を審査している。素人である視聴者の感覚なんか信じちゃいない、松本人志さんはたけしさんと同じように「迎合」をしないのだ。だからこそあのポジションにいるのだろうな・・・

 あれ?あんまり『さや侍』の話してないな…ごめんごめん。で、話を戻すけど、このおはなしって本当に松本人志が全て考えたの?って、観ながら私ず~っと思っていた。
 良くも悪くも脚本がしっかりしちゃっているんだ。特に冒頭~中盤の松本的グダグダがウソみたいな程、クライマックスにかけて展開が王道になっちゃってる。

 演出とかも一気にプロの仕事になっちゃってて、これ絶対松本さんの力じゃねえだろってw笑顔をなくした若君のように松本監督はただその場で座っているだけで、現場慣れした映画のてだれ達が「はいはい松本さんはそこにいてください。セットもこっちが組みます。このアングルはどうでしょうか?30日目の業では殿さまが金平糖のふたをしめるという演出はいかがでしょう?」とかいろいろやっちゃって、松本さんはシャイだから「うん、いいね…」くらいしかスタッフに口出ししていなかったらちょっと切ないよな。

 クレジットを見るにおそらく「脚本協力」の高須さんや板尾さんがかなりテコ入れをしたんだろうけれど、それが映画全体として見事にちぐはぐな印象を与えちゃって私はちょっと松本映画としての魅力をスポイルしちゃったと思う。
 こんなちゃんとした映画を果たして松本さんは撮りたかったのか。もっと松本さんの好き勝手にやらせて、映画としてははっきり言って破綻しているんだけど、こんなの松本さんしか撮れないよ!っていうものを作った方がいいと思うんだけど、まあ映画って一人じゃとれないから難しいんだろうな…あ、それが前二作で「今回はちゃんと作ろうよ」ってことになったとか??

 最後に一言。うどん鼻すすり指導:ほっしゃん、字幕監修:チャド・マレーンに一番受けたのは私だけではないはずだ!
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