物理学実験覚え書き②

 生還しました。

 教授のキャラが先週の利根川先生から、マスターキートンのユーリースコット先生になってました。Dマイナーだよ、これは君が本気で取り組んだものとは到底思えない(※実際はBでした)。昼が無理なら夜学びたまえ(※ネットカフェで)。
 とにかく今回の受講生のレベルは低い、と。こんなレベルのお前らに今後の科学技術を担う子どもたちの理科教育は任せられねえ!みたいな。
 これに関しては少なくとも私は返す言葉ないよ。当日にエクセルの表計算の仕方やグラフの作り方調べてたから。
 でも、2回目となると、さすがにエクセルの使い方にもなんとなく慣れてきたので、最終日には多摩ズーに繰り出す余裕も見せました。

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 ペコ(以下:ペ)「ええ、この園でろくろを回して10年ほどになります。」

 この動物園、チンパンジーの檻のキャプションがキャバクラとかホストクラブっぽくて面白い(宣材写真っぽい)。絶対インタビュー答えている時の写真だよねw
 というわけで(どういうわけだ)、エスポワールで繰り広げられた6つの実験について内容と感想をまとめていきます。

たわみによるヤング率の測定
アルミニウム、銅、鉄、真鍮(銅と亜鉛の合金)といった金属棒の年齢・・・じゃなくて強度を調べる実験。
金属棒のブリッジに一個200gのおもりを一個ずつ吊り下げ、金属棒がどれだけたわんだかを、光てこ法(金属棒に当てた反射光がどれだけズレたかを調べる測定方法)や、ダイヤルゲージ法(目盛り付きのバネを金属棒の上に当て、どれだけバネが戻ったかでたわみを測る方法)で調べる。
金属のヤング率Eは、金属棒の長さl3×荷重M×重力加速度g÷(金属棒の厚さa3×金属棒の幅b×ダイヤルゲージの目盛りe)と、非常にしちめんどくさい計算をしなければ算出できないので、実測データをまとめた表の値からヤング率をエクセルに計算させようとしたんだけど、エクセルってほとんどいじったことがなくて、当日に提出できず、近隣のネットカフェで大苦戦。ビターな初戦となった。
ちなみにエクセルってセルA×セルBをA✽Bって書くんだね。アスタリスクなんだ。

以下は測定データ。
吊るした荷重(おもり)がXgの時の、下に引っ張られた度合い(cm)とヤング率を各金属棒でそれぞれ求めた。
しかし単位をセンチメートルでヤング率を求めると(dyne/c㎡)というマイナーな単位で値が出てしまうので、この時の10につく指数をひとつ減らして(N/㎡)に変換した(1dyne=10-5N、c㎡=10-4㎡なので、1(dyne/c㎡)=10-1(N/㎡)になる)。
また、金属棒の厚さや幅はマイクロメーターを使って測定した。

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ということで、吊り下げたおもりによって試料(金属棒)が変形する度合いは、おもりの重さに比例し、また、形状の異なる真鍮の測定結果がほとんど同じ値であることから、形状によらず金属ごとに決まっていることがわかる。

オシロスコープを用いた電気信号測定に関する実験
オシロスコープの使い方をお勉強するだけのボーナス課題。
オシロスコープってそもそもなんなんだっていう話だけど、よく科学研究所とかに心電図的なモニターがあるじゃん。あれ。
つまり、時間的に変化する電気現象を波形に変換し、それをモニターに表示するマシーンがオシロスコープ。

オシロスコープの構造
オシロスコープを分解すると、最近の若い小説家志望者には死語になったらしいブラウン管が組み込まれていることがわかる。
平成世代のために説明すると、ブラウン管とはドイツのブラウンさんが発明した陰極線管のことで、真空のガラス管の中で、電子銃から陰極線(電子線)を発射し、それを蛍光板に当てることで画像を表示させる装置。このようにブラウン管を使った表示システムをCRT(カソード・レイ・チューブ)とも言う。

オシロスコープの原理
①カソード(陰極)と加速電極の間に高い電圧を加え、カソードをヒーターで加熱する。

②カソードから電子が放射され電子ビームになり、加速電極に向かって速度を加速させる。

③加速電極には中央に穴が空いているため、電子ビームは加速電極を通過してブラウン管の奥にある蛍光膜にぶつかり、そこに輝点を生じさせる(電子ビームは蛍光膜の所で収束するようになっておりシャープな輝点が描ける)。

④蛍光膜状に波形を描かせるために、垂直偏向板に信号電圧を加え、さらに水平偏向板に一定速度で大きくなっていく電圧を加えると輝点が左から右へ一定速度で移動し(スウィープ)、縦方向に電圧、横方向に時間軸を取ったギザギザの波形(のこぎり波)が描かれる。(スウィープはA→Bで繰り返し行われて、BにいったらすぐにAに戻しているため波形がのこぎり状になっている。)

同期
このように垂直偏向板に加えられた電圧信号は波形としてブラウン管面上に描かれるが、観測しようとする信号が同じ波形の繰り返しの場合には、一回目のスウィープと二回目のスウィープで表示する波形の書き出し位置(周期のタイミング=位相)が異なってしまうため、ブラウン管上に波形がいくつも重なってしまい見苦しい。
そこで、観測信号の波形をブラウン管面上で静止させるために、観測信号とのこぎり波のタイミングを合わせる工夫(同期)をする必要がある。全く同じ形の波が周期的に現れれば、画面上の波は止まって見えるからである。
じゃあ、具体的にどうやるかというと、トリガー回路を使って、任意の電圧になったら、観測信号に対しパルス信号を定期的に発生させるようにする。これによってスウィープ信号を発生させる。
さっきも言ったように、スウィープ信号は通常、ブラウン管の右端(に相当する電圧)に達すると、急速にもとの左端(に相当する電圧)に戻り、再びスウィープを開始するようになっているが、次のパルスBが来るまでスウィープを休止させる(待ちの時間を与える)と、オシロスコープは各スウィープのたびに同じ波形を描くことができる。
まさにMYST4。

参考サイト:『オシロスコープの原理 岩通計測株式会社』https://www.iti.iwatsu.co.jp/ja/support/05_07.html

オシロスコープの操作パネル
インテンシーボタン:線の輝きを調整する。
フォーカスボタン:輝線のピントを合わせる。
ポジションボタン:グラフの位置を上下に移動させる。

TIME/DIVボタン
テレビリモコンのチャンネルや音量をザッピングするボタンに似ている。
モニター上の格子1マス(ディビジョン=DIV)あたりの単位時間(TIME)を変更できる(波形の横幅が変わる)。
モニター上では0.2ms/DIVのように表示される。

VOLT/DIVつまみ
このつまみを回すと、モニター状の格子1マス(ディビジョン=DIV)あたりの電圧(V)を変更できる(波形の振れ幅が変わる)。
※プローブの倍率を×10(減衰率×10)にした場合は、実際の電圧は1/10になるため、モニターに表示される値を1/10に直すのに注意!
例:0.5V→0.05Vとして計算。

レベルつまみ
うまく調整すると波形の動きを止めることができる。

INPUT CH
入力チャンネル。発信機からの配線をここに接続する。チャンネルは2つある。

キャリブレーション(校正)
測定を始める前に行うオシロスコープの動作チェック。
電圧と周期を表示面から読み取るために、波形が画面外に行かないようにする目的がある。
以下、キャリブレートの手順について示す。

①プローブ(電気探針)をオシロスコープの CH1 INPUT に接続する。プローブの部分には倍率を切り替えるスイッチがあるが、これは通常10倍(×10)にする。

②オシロスコープの電源を入れる前に、操作パネルのスイッチ類を基本ポジションにセットする。

③電源を入れる。

④操作パネルの CH1 VARIABLE を右に回し切る(軽くロックがかかる)。

⑤輝線調整を行う。 
TRIGGER MODE が AUTO 、 TRIGGER SOURCE が[CH1]、VERTCAL MODEが[CH1]になっていることを確認し、 CH1 GND のボタンを押して押し込まれた状態にする。
CH1 TIME/DIV を操作し 1[ms]程度にする(この値は画面上に表示される)。

※画面中央の水平目盛線付近に横一本の輝線が表示されない場合は、 INTENSITY と CH1 POSITION を調整する。

※画面に太い輝線が現れた場合は、 INTENSITY と FOCUS で輝線を細くする。

※画面に傾いた輝線が現れた場合は、中央水平目盛線と輝線が平行になるように TRACE ROTATION をドライバーで調整する。最終的に線が細くなるように調整する。

⑥CAL信号を観測する。 
PROBE ADJUST にプローブを接続し(※つまりプローブのついたケーブルはオシロスコープからオシロスコープにつながっている)、 CH1 GND を押し込まれていない状態、 CH1 AD-DC を[DC]へ切り替える。

波形観測の方法
キャリブレーションが終了したら、発振器を用意し、発振器を、「正弦波」、「周波数1[kHz]」、「ATTENUATOR 20[dB]」、「AMPLITUDE(のダイヤルを右いっぱいにひねる)」、に設定する。

①使用CHのGNDのスイッチを押し込まれていない状態にする。 

②発振器のOUTPUTと、オシロスコープのINPUTをプローブでつなぐ。その際、プローブはGND端子(オシロスコープにつなぐ側)からつなぐ。

③使用チャンネル(CH)に合わせて、TRIGGER SOURCE を選択(CH1を使用する場合は[CH1]を押した後にTRIGGER LEVEL を調整)して、波形を表示(停止)させる。
 
④表示された波形が観測しやすい太さになるように TIME/DIVとVOLTS/DIVを調整する。

⑤現れた信号から必要な測定(電圧と周期)を行う。

電圧の測定
波のピークの下端が画面上の適当なグリッド線に、ピークの上端がセンターグリッドに合うように、波形の位置を動かし、合わせた後に何[DIV]あるのかを読み取る。

電圧[ⅤP-P(ピーク・トゥ・ピーク)]は次の式(1)で求められる。

ⅤP-P = X[VOLT/DIV]×L[DIV]×A・・・(1)
 
 X:[VOLT/DIV]のレンジ
 L:波形の上端から下端までの距離(振幅の二倍の大きさでマス目の数を数える)
 A:プローブの倍率(×1と×10に設定できる)

周波数の測定
画面上の水平目盛線(GND線)と波形の交点を二つ決めて、その二点間の距離L[DIV]をマス目の数から読み取る。

周期[T]は次の式(2)で求められる。

T=Y[TIME/DIV]×L[DIV]・・・(2)

 Y:[ms/DIV]のレンジ
 L:GND線と交差する二点間の距離

リサジュー図形の測定
オシロスコープには「X―Yモード」と呼ばれる測定モードがあり、CH1INPUTとCH2INPUTに入力された信号を、それぞれY軸(垂直方向)信号、X軸(水平方向)信号としてリサジュー図形を描くことができる。

操作手順
①VERTCAL MODEとTRIGGER SOURCEを[CH1]にする。
②CH1INPUTに発振器1を接続し、見やすい波形になるように発振器1を操作する。
③VERTCAL MODEとTRIGGER SOURCEを[CH2]にする。
④CH2INPUTに発振器2を接続し、見やすい波形になるように発振器2を操作する。
⑤VERTCAL MODEを[CH1]にする。
⑥HORIZONTAL MODE の[ALT]と[B]を同時に押し、X-Yモードに切り替える。
⑦発振器1と2の周波数調整つまみを微調整し、画面上の波形ができるだけゆっくりした動きになるようにする。ここで表示されたものがリサジュー図形。
⑧発振器の周波数調整つまみを調整し、周波数比を変更してみる。

リサジュー曲線の仕組み
リサジュー図形とはオシロスコープによって同時に測定している2種類の波形(単振動)のひとつを縦軸、もう一つを横軸に表示することにより描かれる平面図形である。
この時のふたつの波形の周波数や位相を変えることによって、リサジュー図形はシンプルになったり複雑になったり、回転したり静止したりする。
1855年にフランスの科学者リサジューによって考案された。

リサジュー図形から分かること
リサジュー図形の形状から2つの波の振幅、位相差、周波数の違いを調べることができる。

1.振幅
図形の縦と横のふれ幅を見れば普通に分かる。

2.位相差
二つの波の周波数が同じ(1:1)場合

①リサジュー図形が右肩上がりの直線
→二つの波の山と山がぴったり合っている。(位相差0°)

②リサジュー図形が円
→二つの波はsinとcosの関係のようにずれている。(位相差90°)

③リサジュー図形が楕円
→二つの波のずれが、①と②の中間である。

ちなみに、位相差φはリサジュー図形の高さをA、リサジュー図形とY軸の二つの交点の距離をBとすると以下の式で求めることができる。

φ=sin-1(B/A)

3.周波数
二つの波の周波数がずれると、それに伴い位相もずれ、リサジュー図形の形が変化する。例えば周波数比が1:1の時では直線→楕円→円→楕円→直線と移り変わる。
リサジュー図形の形から周波数比を調べたい時は、リサジュー図形を四角形で囲み、縦の辺と横の辺でそれぞれいくつの波が接しているかをカウントする。

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例えば、上の図のようなリボン状のリサジュー図形は縦の辺に波がひとつ、横の辺に波が二つ接しているので(波形のブレは無視してくれ)、周波数比は1:2だということがわかる。

物理学実験覚え書き①

 先週の土日に東京の大学へ人生初のスクーリングとやらに行ってきました。自分が通っている大学には大きく3つのコースがあって、1つめがレポートを書いて、それに合格したらさらに単位習得テストを受けるというコース、2つめがスクーリングに参加して、さらにレポートを提出するコース、最後がスクーリングだけで単位が取れるコース。
 で、今回の物理学実験はスクーリングだけのコースだったんですよ。だから私も、テストやレポートがないってことは、講義を受けるだけでわりと簡単に取れるんだろうな、とか呑気にワクワクしてたんですが、そんなぬるい希望は見事に初速度Vで吹き飛ばされました。まさに理系の洗礼! 
 レポートめちゃくちゃ書くっていうね。しかもそのレポートもテキストや講義をまとめるとかそういうもんじゃないからね。ガチの実験報告だからね!

 実験室にヒントの冊子と実験器具だけ置いてあって、あとはお前らがチームを作って考えろっていう、リアル脱出ゲーム的な展開で、なんか思ってたのと違う!っていう。
 なんかこう、実験の授業のやり方とか、生徒に対しての安全指導とか、そういうの教えてもらえるのかなと思ってたら、先生のお話は最初の1コマだけで、あとの時限はバックヤードに撤収。まさに利根川先生。「これで説明の全てを終わらせていただきます。ファッキンブチ殺すぞゴミめら(※言ってません)」みたいな感じで、ほとんど放置w
 しかも、その最初のお話の内容も、小保方さんの論文データ改ざん問題から始まり、そこから研究者としての心構えとか、実験や論文に対する取り組み方とか、総じて理系研究職を対象とした研修的な内容で色々とガチ。理系甘く見てた。

 おまえたちは皆・・・大きく見誤っている・・・この世の実体が見えてない。甘えを捨てろ。おまえらの甘え・・・その最たるは、今、口々にがなりたてた、その質問だ。
 質問すれば答えが返ってくるのが当たり前か・・・?バカがっ・・・!とんでもない誤解だ。自然界というものは、とどのつまり、肝心なことは、何一つ答えたりしない。斜面を転がる金属球、木から落下するリンゴ・・・連中は何か肝心なことに答えてきたか・・・?


 ホールマスターは耳の痛い激を飛ばし壇を降りた。同時に勝負の時を刻む時計が、その数字を減らし始めた。

 ということで今週中に実験レポートを5つ形にしないといけないんですよ。つーか、このスクーリングの参加者って、言うまでもなくみんな理系学部出身者で、要は、学部時代に自分の専攻分野の単位だけで高校の免許を取得していて、社会人になってからさらに中学の理科の免許(※物理化学生物地学の四天王すべてを攻略しないともらえない)が欲しかったり、あと一番多かったのが、教員免許は持ってないんだけど、高校には理系なら理科の教員免許持っていなくてもやれる実習助手っていうポジションがあるみたくて、それをやっている人が、やっぱり教員免許が欲しいと、今回のスクーリングを受けているというパターン。というか、そういう人がほとんどだった。
 つまり芸術系の参加者は言うまでもなく私だけでいろいろ浮いていた。このひと間違って参加しちゃったんじゃないの?みたいな。
 そんな感じで理系参加者を前提にしたスクーリングだから、ワードやエクセルの数式や関数、グラフを使いこなせるのは当たり前ってことで、話が進んでるんだよね。
 よって、こんなたわいもないトレース実験(実際に実測データが教科書通りになっているかどうかを確認する実験)のレポートの6つや7つ2日程度で書けるだろっていう。
 とはいえ、このノルマは、ほかの参加者もゲゲッて顔していたから、かなりシビアなレベルであることは確かなようだ。

 ちなみに、実験の種類は8つくらいあって、その中から各班ごとに6つの実験課題が与えられて、それをチームで取り組むんだけれど、当然班ごとにやれる実験とやれない実験があって、私の班に出された実験課題は・・・

①金属の強度(ヤング率)を調べる実験
②オシロスコープの使い方及び原理とリサジュー図形
③力学的エネルギーの保存の法則の確認
④電磁誘導現象の実験
⑤振り子による重力加速度の測定
⑥金属の熱伝導率のマスターカーブを調べる実験

 ・・・というわけで、ペットボトルロケットの飛距離の測定という楽しい神々の遊びができなかった。あと一番楽しみにしてた電子顕微鏡いじりもオペレーターが手配できなかったとかなんとかで、いじらせてもらえなかった(甘えを捨てろ)。でも原理的なものは最初の講義でちょっと教えてくれた。

 以下は最初のお話のメモです。

・日本は実験を軽視する傾向がある。小保方さんは実験ノートをろくにとっていなかった。しかし現在は特許よりも実験ノートが重視される時代である。

・実験結果をまとめるだけで、そこから議論や考察ができないということは、自分の知識の水準が低いということを露呈していることになる。

・自然科学の研究手順は以下の4つ
①目的(アブダクション。見通しを立てる)
②方法(どうやれば調べられるか実験方法を考える)
③結果(実際に実験してデータを出す)
④考察(結果から規則性などを導き出す)


・学術論文は、以下の手順で作成される。
①問題意識の実証(データ取り)
②結果の考察(一番難しく長い苦しみが味わえる)
③論文に謝辞や参考文献を掲載(日本では謝辞をあまり書かない。またどこまでが自分で実証したデータで、どこからが他の研究データの引用なのかの脚注を小保方さんはおざなりにしてしまった)
④査読してもらう
⑤修正
⑥また査読
⑦学術雑誌に掲載(論文の反響であるインパクトファクターは日本の雑誌よりも欧米の雑誌の方が大きいので英語で論文は書けたほうが良い。物理学の業界では『フィジカル・レビュー』誌のインパクトファクターがとてもでかい)

・好きだから研究するという時代ではなく、異常に世間の反応を意識するような時代になってしまった(先生方の全盛期はもっと牧歌的というか趣味的だったらしい)。

・実験レポートの注意点
①グラフの縦軸と横軸に説明と単位を付ける。
②連続的な現象なのか、その時だけの現象なのかの区別がつくようにグラフの表現を変える。
③測定データと引用データで表示を変え、脚注に引用先を明記する。

・先生は材料屋で、ジェットエンジン用のチタン合金を開発していた。昔はニッケル基超耐熱合金という温度が上がると強度が増す合金を使っていたが、現在は軽いチタン合金を使っている。それを開発した(すげえ)。

ノギスの使い方
ノギスは旋盤やフライス盤加工で製品の長さを測る基本的な器具。ノギスにメモリをつけたポルトガルの数学者ペトルス・ノニウスさんに由来(ノニウス→ノギスになまった)。
ちなみに日本以外ではノギスを現在の形に完成させたフランス人にちなんでバーニャ・キャリパーという(バーニャカウダっぽい)。
ノギスはステンレス製で、ステンレスは鉄(主成分)+ニッケル(30%代)+クロムの合金である。この時混ぜるニッケルの割合が30%代だと熱で合金が伸び縮みしなくなるという。
ノギスの各部分は以下のような名前と役割がある。

・クチバシ:小さいハサミ状の部位。クチバシが外側に沿っていて内径を測ることができる。

・ジョウ:大きいハサミ状の部位。外径を測る時に使う。

・デプスバー:ノギス後方についた小さな定規状の部分でジョウを動かした分だけ伸びることで、長さを測ることができる。

・主尺:でかい定規。cm単位の長さはこっち側の目盛り(の副尺の0があるところ)を読む。

・副尺:小さい定規。mm以下の長さはこっち側の目盛り(の副尺と主尺の目盛が一致しているところ)を読む。

マイクロメーター
ノギスのジョウ同様、長さを測りたいものモノを挟み込む系の器具。
測定物をアンビルとスピンドルで挟んで、この時のスリーブ(定規的な部分。柄の前方にある)の目盛りを読む。
スピンドルは柄についているシンブルというマッドサンダー的な回転部を一回転まわすと0.5mm動く。このスピンドルを動かすことで測定物を挟むことができる。

電子顕微鏡(EM)
物体の内部を見る透過型(TEM=トランスミッション・エレクトロニック・マイクロスコープ)と、物体の表面を見る走査型(SEM=スキャニング・エレクトロニック・マイクロスコープ)の二種類がある。
人の目の分解能(二点を区別できる間隔の狭さの限界値)は0.1mmだが、SEMは30オングストローム、TEMはなんと1.4オングストロームもあり、原子や分子も見える。

日本のメーカーでは日立製作所や日本電子が強い。海外メーカーではフィリップス製がいいらしい。
電子顕微鏡はとにかく試料作りが大変で、さらに1ミリが100メートルで見える世界なので、ちょっとした振動が大震災になり、世間が寝静まった深夜2~3時しか使えない。
ちなみに電子顕微鏡で髪の毛を見ると、ストレスや副腎皮質ホルモンや麻薬や放射線の影響で髪の毛の表面のキューティクルがボロボロに剥がれてくることがわかる(アメリカの麻薬局で容疑者の髪の毛を採取することがあるのはこのため)。
そこで、サファリパークのライオンとシマウマのタテガミをもらって電子顕微鏡で見た場合、ライオンのキューティクルは美しく、シマウマのキューティクルはズタボロだった。

 キリがないので今日はここまでで。生きてエスポワールから生還できれば、次回から実験レポートについての感想をまとめる予定です。特に力学的エネルギーの保存についてはかなり面白いことがわかったのでカミングスーン(計算あってるかわからないけれど)。

デッドプール

 「面白い度☆☆☆ 好き度☆☆」

 なんというか、アボカドと腐ったアボカドがヤったような顔だな。

 う~ん(^_^;)ポスターがけっこうキャッチーで期待値が上がりすぎてしまったようだ。もっとメチャクチャな内容かと思ってたので拍子抜け。普通じゃんか!っていう。
 これまでにないアメコミヒーロー映画という触れ込みだったけれど、わりとこれまでにあるアクション映画。
 つーか、どことなく『アントマン』とキャラや物語構成がかぶるんだよな(個人的にはアントマンの脚本の構成の方がずっとうまい)。ほいで、『マチェーテ』とか『キックアス』的な最近流行りのバイオレンスを加えたんだろうけれど。
 だから、新しかった部分って、せいぜい冒頭のキャストとスタッフ紹介かな。「出演:イギリス人の悪役」「ティーンエイジャー」「監督:ギャラが高いだけの役たたず」みたいな。
 たとえばさ、第4の壁を破壊できる能力とかいうけれど、これって古畑任三郎もできるし、日本のコンテンツではそんなに目新しいものでもないわけじゃん。
 さらに、このメタ的なギャグをやる以上はさ、もう全力でコメディ映画に振り切るしかないわけよ。
 だって『鏡の国のアリス』のアリスや、『ソフィーの世界』のソフィーよろしく、自分がコミックのキャラって認識しているなら、もうその世界の出来事は“劇”に過ぎないわけで、そしたら最後、どうやってもハラハラドキドキはないわけじゃん。ああ、結局みんな演技なんだねっていう。
 だから、これをやるなら、シリアス要素は全て捨てる、全編ギャグで行くんだ!という覚悟がないと、単にしらけるだけなわけです。
 それなのにこの映画は、中途半端にラブロマンスとかシリアスな葛藤とかを中盤の回想でダラダラとやっているから、どっちつかずというか、あちゃ~振り切れなかったなあっていう印象。

 他のXメンを出す予算がないんだろ。

 まだいたの?もう帰りなよ、眼帯つけたサミュエル・L・ジャクソンとか出てこないからさ。


 こういうネタ嫌いじゃないんだけどさw
 結局、こういうネタの扱い方って日本の方が慣れているよね。とんねるずのタカさんやノリさんが「ダーイシ」とか「湊部長」とか、視聴者には第4の壁で隠されていた番組制作陣の真似をしたりさ、漫画だったらガモウひろしさんや小栗かずまたさんといった同じ雑誌の連載陣をネタにした少年ジャンプの『幕張』とかさ。ちょっとオタクくさくなる上、かなり諸刃の刃だから私自身はこういうメタで毒のあるやつは漫画ではやらないんだけど。
 それに、実際、この前やってたアベンジャーズのアニメあったじゃん(ディスクウォーズ)。あれでたまたまデッドプールが出てくる回を見たんだけど、あっちのほうがずっとくだらなくて面白いんだよ。で、それを期待しちゃったっていうのもあるんだよな。
 つまりさ、デッドプールって、主演より脇役として扱ったほうが全然いいっていうね。『みどりのマキバオー』のベアナックルみたいなやつじゃん(笑)
 主演になりたいんだけど、メインキャラに「お前うざいよ、あっちいけよ」とか「お前が出てきちゃうと段取りがおかしくなっちゃうから困る」とか、邪険に扱われてこそ輝くキャラなんじゃないかって。
 それが、この映画だと逆にXメンサイドに「仲間になれ」って勧誘されているもんね。いったいコイツのどこがよくて勧誘してんだってことで、Xメンの銀色タンクトップおじさんの方がキャラが立っちゃってたもんなw
 だから、本編のデッドプールにそういったうざさがなかったってことが残念だったな(ちなみにポスターにはあった)。普通に悩める二枚目っていうかさ、そういうの違うだろっていう。

 というかさ、ちょっと意地悪な拷問をされたとは言え、末期ガンで死ぬしかなかった俺ちゃんの命を、あの悪役のドクターは助けたとも考えられるから、「オレの顔をこんなにしやがって」みたいな恨みがちょっと弱いんだよね。もっと不死の存在になったことによる恐ろしさや狂気を描いても説得力が増しただろうし、むしろ、もう一度彼女に会えたんだから感謝しろよっていうか。感謝した上でバキューンって殺しちゃっても面白いわけじゃん。
 とにかくもっと突き抜けて欲しかった。なんかキャラが消化不良だったよ。あ~あ、もったいないというか。宣伝負けだなというか。
 いやいや、確かに笑えるところもあったんだけどさ、思い返すと、それって大体デッドプールのギャグじゃなくて、同居人の婆さんとか、バーのマスターとか脇役が発したギャグなんだよね。でも、それってダメだろうっていう。
 不謹慎路線なら、『ブラックアダー』とか、ローワンアトキンソンのブラックコメディの方がずっとハラハラするもんな。もっとデッドプールはミスタービーンのように悪気がなく無関係の市民を殺しちゃっても良かったと思う。

 惚れればあばたもえくぼ。

 あばただらけだ。


 こんな弱音を吐いてないで、デッドプールよイギリスへ行け!子どもや老人、身体障害者をいじめてこそのクソ無責任ヒーローなのだ。

障害者教育総論覚え書き①

 昨年度の経験で興味関心を持った分野。イギリスの教育業界では、「障害(ディスアビリティ)のある子ども」って言うとネガティブなイメージが大きいからか、特別な教育的ニーズを有する子ども(チルドレン・ウィズ・スペシャルエデュケーショナルニーズ:SEN)と呼んでいるらしい。
 ニーズか・・・なるほど。これぞポリティカルコレクトネス。鳥は空を飛べるけど、空を飛べない人間はディスアビリティなのかっていう話だよね。いやいやニーズが違うんだという。

国及び地方公共団体は、障害のある者が、その障害の状態に応じ、十分な教育を受けられるよう、教育上必要な支援を講じなければならない。――教育基本法

参考文献:石部元雄、柳本雄次編著『特別支援教育―理解と推進のために―』

特別支援教育の基本的視点
 特別支援教育とは、障害の特性に応じた専門性の継承だけではなく、障害のある子が障害のない子とともに学ぶことができる統合性と、生活の拠点であるコミュニティに根ざした地域性を重視した教育である。また同時に、通常学校の抱える教育問題の解決とも深く関わっているといえる。
 さて、07年の文部科学省「特別支援教育の推進について」において、特別支援教育の理念が改めて示されている。

「特別支援教育は、障害のある幼児児童生徒の自立や社会参加に向けた主体的な取り組みを支援するという視点に立ち、一人一人の教育的ニーズを把握し、その持てる力を高め、生活や学習上の困難を改善又は克服するため、適切な指導及び必要な支援を行うものである。
 また、特別支援教育は、これまでの特殊教育の対象の障害だけでなく、知的な遅れのない発達障害も含めて、特別な支援を必要とする幼児児童生徒が在籍する全ての学校において実施されるものである。
 さらに、特別支援教育は、障害のある幼児児童生徒への教育にとどまらず、障害の有無やその他の個々の違いを認識しつつ様々な人々が生き生きと活躍できる共生社会の形式の基礎となるものであり、我が国の現在及び将来の社会にとって重要な意味を持っている。」( 『特別支援教育―理解と推進のために―』22ページ)

 こうした状況の中、特別支援教育には新たな課題が現れた。一つは、支援を行なう対象が広がったことによる知的障害特別支援学校の在学者の急増対策、もう一つが国連の「障害者の権利条約」への批准に向けた条件整備である。
 この課題に取り組む一環として、障害のある子どもが障害のない子どもと共に教育を受けるというインクルーシブ(包括的)教育の理念や、個別の教育的ニーズのある子どもに対して、そのニーズに的確に応える指導を提供できる多様で柔軟な仕組みを整備することの重要性が主張されている。
 この他、就学相談・就学先決定のありかた、インクルーシブ教育システム構築のための人的・物的な環境整備、教職員の確保及び専門性向上のための方策について意見が交わされている。

特別支援教育における学校内外の連携体制
特別支援教育は、学校の教職員全体の特別支援教育に対する理解の下に、学校内の協力体制を構築するだけでなく、学校外の関係機関との協力が不可欠である。
小中学校においては、学級担任や児童生徒に対する支援を行うための校内委員会の設置、また、外部の専門家チームや巡回相談との連携体制の構築が進められている。

校内委員会は、学習や生活で特別な支援を必要としている児童生徒に対しての支援の中心であり、学級担任に対して助言やサポートを行う中核組織であり、この校内委員会の円滑な運営、活動なしでは特別支援教育の進展は期待できない。

専門家チームは、障害の評価、判断、望ましい教育的対応についての意見の提供、学校の支援体制への指導、助言、本人および保護者への説明、校内研修への協力などを行う。

巡回相談員は、児童生徒や学校のニーズの把握と、指導内容・方法といった校内の支援体制づくりへの助言、個別の指導計画の作成への協力などを行う。

地域の支援体制としては、広域特別支援連携協議会の設置が提言されている。専門性の高い機関が中心となり、関係機関に対する支援やこれらの機関との連携協力の調整を図るなど指導的な役割を果たしていくことで、支援地域に効果的な教育的支援体制を構築する。

特別支援コーディネーター
 特別支援コーディネーターとは、校内の特別支援教育の推進役であり、校内の特別なニーズのある子どもを把握するため、諸検査を実施したり、情報交換のための校内委員会を(月一回、最低でも学期に一回)開催し、個別の教育支援計画や個別の支援計画を作成する。

 それと同時に特別支援コーディネーターは、外部の関係機関に対する「学校の顔」でもある。

 巡回相談員との連携では、学校から市町村教育委員会へ巡回相談を依頼し、市町村教育委員会から巡回相談員へ個票を送付してもらう。そして、巡回相談員に観察してもらう子どもの座席表を作成したり、相談を受ける部屋を用意し、巡回相談当日は同席のうえで情報提供を行う。
 その際には、保護者に対する心理検査や医療機関への受診を専門家である巡回相談員から勧めてもらうようにする。ここで注意する点は、あくまで学校での子どものよりよい成長や発達を支援するための方針を得るために検査を受けることが必要であることを保護者に話すことである。

 保護者との連携では、担任教師と保護者との関係がうまくいかない際に、コーディネーターがその間の調整役になって学校への信頼関係の構築に努める。

 その他、関係機関との連携では、特別支援学校はその地域の特別支援教育の中心として位置づけられ、地域の小中学校などから支援の要請があれば、特別支援学校の教師が直接学校や園を訪問し支援を行うのだが、その際に校内のコーディネーターが知的特別支援学校と小中学校のパイプ役になって支援の要請を行う。

 また子どもが医療機関やリハビリテーション機関に通っている場合は、それらの機関との信頼関係を築くと共に、児童生徒などのさまざまな教育情報を収集して指導や支援に生かす。

 以上を踏まえると、特別支援コーディネーターの役割は以下の5つにまとめることができる。

①校内の関係者や医療、福祉等の関係機関との連絡調整、保護者との関係作りを行う。
②保護者に対する学校の相談窓口となり、保護者を支援する。
③担任の教師に対して、相談に応じたり、助言したりするなどの支援を行う。
④校内での適切な教育的支援につながるよう教育委員会に設置されている巡回相談や専門家チームとの連携を図ること。
⑤校内委員会の適切で円滑な運営がなされるよう推進役を担うこと。

特別支援教育の指導

特別支援学校
かつての盲学校、聾学校、養護学校が合体してできた、複数の障害種(視覚障害、聴覚障害、知的障害、肢体不自由、病弱)および重複障害に対応可能な学校制度である。

特別支援学級
小学校、中学校だけに設置されているが、学校教育法(第81条)には高等学校にも置いて良いとされている。
在籍する児童生徒の障害や能力、適性が多様であるため、1学級あたりの児童生徒の数は8人が標準となっている。
知的障害学級(IQ75以下)、情緒障害学級(高機能自閉症や緘黙など)、聴覚障害学級といった感じで障害種別にクラス分けがされている。これらをまとめて特別支援学級という。

通級による指導
小中学校の通常学級に在籍している軽度の障害のある児童生徒に対し、障害の改善・克服を目的として、通常学級の教科の指導を特別な指導とともに行うことである。
在籍校内で実施される場合と、在籍校以外の学校において実施される場合がある。
後者の場合、当該児童生徒の在籍校の校長は他の学校での指導を特別の教育課程に関わる授業とみなすことができる。

領域・教科を合わせた指導
日常生活の指導、遊びの指導、生活単元学習及び作業学習を指す。
通常指導は領域別、教科別に行われ、学問的に分化した内容を系統的に教えるのに対し、領域・教科を合わせた指導では、領域、教科に分けず学習内容を包含的に取り上げ、実際の子どもの生活に即した具体的な活動を重視する。

特別支援学校の教育課程と編成上の特例
 特別支援学校における教育課程は、「学校教育の目的や目標を達成するために、教育の内容を児童生徒の心身の発達に応じ、授業時数との関連において総合的に組織した学校の教育計画である」と定義され、その教育内容は、子どもの学習や心理的発達という観点から分類(スコープ)や系統化(シークエンス)が図られている。

 特別支援学校には独自の教育領域として自立活動が、幼稚部、小学部、中学部、高等部のすべてに設定され、現在では健康の保持、心理的安定、人間関係の形成、環境の把握、身体の動き、コミュニケーションの6つに区分されている。自立活動の内容は学年や障害の種別によって自動的に決まるのではなく、一人ひとりに応じて個別に指導計画を立てなければならない。

 特別支援学校の教育課程は、基本的に幼稚園、小学校、中学校、高等学校に準ずる(同じことをやるということ)とされているが、知的障害の場合はその障害の性質上、教育課程の枠組みが例外的に特有のものとなっている。以下に記す。

小学部
小学部全体が小学校低学年のスコープになっており、外国語と総合的学習の時間は設定されていない。

中学部
教科編成が中学校と異なり技術・家庭が職業・家庭に、また中学校で必修の外国語が選択科目になっている(ただ設定する場合は授業時数の点では必修扱い)。

高等部
高等学校にはない道徳が設置されており、また、各教科(国語、数学など)・各科目(現代文・古典、数学Ⅰ、数学Ⅱなど)の構成ではなく、すべて教科のみで構成されている。さらに知的障害特別支援学校の高等部は修了認定を単位ではなく、授業時数で規定している。

 なお、知的障害の教科は高等部の専門教科を除いて、学年別ではなくすべて段階別として示され、小学部に3段階、中学部に1段階、高等部に2段階の計6段階で構成されている。

 さらに、障害の重度・重複化に伴い、特別支援学校では教育課程を組むにあたって以下のような特例が認められている。

①各教科の目標・内容の一部を取り扱わないことができる。
②各教科の各学年の目標・内容の全部または一部を、前学年や前学部のものに取り替えることができる。
③知的障害を除く特別支援学校の外国語については、小学部の外国語活動の目標・内容の一部を取り入れることができる。
④小学部・中学部では幼稚部教育要領のねらい・内容の一部を取り入れることができる。
⑤重複障害児教育において各教科の一部または各教科に替わって自立活動を主に指導できる。

減法が加法として計算できるのは何故か

 小学校の算数では、+は足し算のマークで「たす」と読み、-は引き算のマークで「ひく」と読んでいたというのに、中学校に入ると+は「プラス」、-は「マイナス」と読み、正負の符号として理解し直さなければならない。これが数が苦手な子は混乱してしまう。
 だいたいまったく同じマークなのに別概念を追加させるから、わけがわからなくなるわけで、でも数学なんて理屈じゃねえ、スポーツのルールみたいなもんだ!みたいに割り切って考えられる人は・・・

プラスを増やすことと、マイナスを減らすことはいっしょ!
+(+1)=-(-1)

プラスを減らすことと、マイナスを増やすことはいっしょ!
-(+1)=+(-1)


よって引き算は足し算に変えることができる!

 という、わりとざっくりとした説明だけで、あっさりこのことわりを受け入れちゃうんだけど、一部にはやっぱり「いやいや、なんでプラスを減らすことと、マイナスを増やすことはいっしょなんだよ???」って納得しない人もいる。
 これは理屈どうこうじゃなくて、実際にこのルールが実感できるような生活経験がイメージできないからピンと来ないんだろうなあって気はする。かたぎの中学生で金融とか株式をやっている子ってあまりいないじゃん。まさか学校の授業でみんなで桃太郎電鉄をやらせるわけにもいかないし。
 例えば、マイナスのつく負の数っていうのは、0より小さい数って考えちゃうと、もう国語的に矛盾するわけで、0の概念(=数が何もない)自体を「0はただの基準(数のスタート地点)」みたいな感じで修正させたほうがいいんだよな。
 そのスタート位置から右に進むことをプラス、逆に左に進むことをマイナスって言うんだよってすれば、絶対値の概念もなんとなくわかるし。ああ、スタート地点からどれだけ離れているかが絶対値なのか、と(物理学で言うスカラー)。
 で、そうやって考えれば、小学校では絶対できなかった、1-5みたいなインポッシブルな計算もできるようになるぞっていう。
 
カッコ外しのルール
1+(+1)は+1
1-(-1)は-1

1+(-1)は-1
1-(+1)は-1


 私は、今まで学習塾で数学を教えているときは、こんなふうにカッコの前後で同じ符号が二個続くと、カッコはずしてプラスに、カッコの前後で違う符号が二個続くと、カッコはずしてマイナスって考えればいいよって、正負の加減法の概念に全く触れずに、とっととカッコをはずさせていたんだけど、文科省の教科書はやっぱり、数学の研究者が書いているわけで、そういう学問性を無視した教え方はアンタッチャブルらしく、一応足し算引き算とプラスマイナスの概念の違いに果敢に言及しようとしていて、つまり、引き算である減法は厳密には、全部加法に変換するんだって説明してるんだよな。
 で、これがすっごいややこしいんだ。数学の先天的センスがある人や、数学が好きな人なら「オラ、ワクワクすっぞ」なんだろうけど、私みたいな数に愛されていない頭脳の人は、かえって混乱しちゃって、つーか正直私自身も、この教科書の説明じゃ良くわからない。結局のところ、当たり前だけど、数学の教科書って数学が好きで、数学が得意な人が書いているから、私みたいな想定外のバカがいることを考慮してないんだよね。
 なんというか、一年の2学期で教える方程式的な考え方をしていて、最初からそんな高度な思考ができたら、そもそもこんなところつまずかねえよっていう不条理を感じる記述なんですよ(^_^;)

Q:東西にのびる道路をP地点から□km進み、そこからさらに東へ2km進んだら、P地点から5kmの場所にいました。はじめにP地点から何km進んだでしょう?

 みたいな問題があって、これを数直線で考え加法にすると・・・

□+(+2)=5

 この□に当てはまる数は

□=(+5)-(+2)・・・①

 に式を変えれば求められるので・・・

 とか、書いてあるんだよ!これってもはや等式変形で方程式なわけじゃないですか!というか脱ゆとりで小学校の時点でここら辺のレベルまでやってるのかもしれないけれど、だとしてもこの考え方できるような子どもだったら、そもそもこの教科書いらねえよっていう。
 ほいで、□に入る数は、P地点から最初に5km移動して、そこから-2km移動した結果とも考えられるので

□=(+5)+(-2)・・・②

 ①式と②式より、引き算は加法に直せます。

 ・・・う~ん、何度読んでもわかりづらい・・・orz
 これなら、概念すっとばしてルールだけ教えちゃったほうが、計算自体はできるようになると思ったんだけど、やっぱり学校は学習塾と違って学術的概念を軽視するわけにはいかないので、自分なりにどうやったら、この引き算が足し算に変化できるということを、みんなに理解させられるのかなと悩んだ挙句、こんな感じのヴァンガードファイト的なゲームを考案しました。

ルール
①二人ひと組のペアを作って、ひとり5枚ずつトランプのカードを配る。

②黒札はそのカードの数を足して、赤札はそのカードの数を引いて、5枚のカードの合計得点を計算し、その点数をお互いに言う。(カードは見せない!)

③ジャンケンをする。ジャンケンに勝った人は、相手からカードを一枚取るか、相手にカードを一枚取ってもらうかを選ぶ。

④カードのやり取りをしたら、自分のカードの合計得点をあらためて計算する。 

⑤このように3回ジャンケンをしてカードをやり取りして、合計得点の多い人が勝ち。
      
つまり・・・黒札を増やし、赤札を減らすゲーム!

たとえば
・黒札の10のカードを相手から取った場合
 +(とった)(+10ポイント)

・赤札の10のカードを相手に取られた場合
 -(とられた)(-10ポイント)

→どっちも10ポイント増える!+10

・黒札の10のカードを相手に取られた場合
 -(とられた)(+10ポイント)

・赤札の10のカードを相手から取った場合
 +(とった)(-10ポイント)

→どっちも10ポイント減る!-10

よって
プラスを増やすことと、マイナスを減らすことはいっしょ!
+(+10)=-(-10)

プラスを減らすことと、マイナスを増やすことはいっしょ!
-(+10)=+(-10)

引き算は足し算に変えることができる!

得点表.jpg

 ちなみに計算が苦手な人のために得点計算表も作りました。これでうまく納得してくれるかどうかはわからないけれど(かなり苦し紛れなゲームであることは認めます)、一番最悪なのは、この時点でパージしちゃう人を出しちゃうことだよね。
 ここでくじけられちゃうと、今後の数学が誇張表現でもなんでもなく全て計算できなくなっちゃうから、得意な人にとっちゃ出てくる数も桁が小さくて簡単すぎる前哨戦なんだけど、だからこそ基礎工事として超重要で、誰も落としちゃいけない、教える側にとっては責任重大な単元だという。
 他にこう教えるといいんじゃないかってアイディアがあったらぜひご教示ください!
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