また読んじゃった

 とりあえず『古代生物オパ』の第一話の下書きが終わり、数枚ペン入れをし、あと少しでサイトにアップできるぞってタイミングで、再びK氏が陽気に出現。
 またまたサイトにあげる前に読んじゃいました・・・オパ好きなのはありがたいけど、これじゃあ意味ねえよ!ギャラリー後回しにして、三連休前に完成させとくべきだったな…

 「オパを描いていると、中学校と同じことをいい年してやっているようで虚しくなるよ」って言ったら「田代。漫画家なんてそんな職業よ」と本質をハンマーでスコーンと叩くような的確な指摘。確かに!
 ギャグ作家はそりゃそうなんでしょうけど、私としてはこの漫画あまりにくだらなさすぎるので、もう少しまともなプロットのある『80日間宇宙一周』あたりを手がけたいのですけどね…
 後は、現在取り寄せ中の生物学の本が届けば「バイオロジー」も書けるし、脚本だけの漫画も何とかしたいし、『ダブルスピーク』は45ページに再編集してまとめたいし…
 まあとりあえず、K氏には読まれちゃったけど(これで目的のほとんどが消滅したけど)『オパ』第一話はちゃんと載せよう…
 でも、くだらないの描いてて一番笑っているのは、私本人だと思う…虚しい…(私のギャグのハードル低いから)
 で、K氏、ハチクロの山田さんの殴り描き結構似てたでしょ?

やっぱり資本主義が勝つ

 大西洋のクロマグロが絶滅の危機にあるとして、モナコやEUが大西洋のクロマグロの取引の全面禁止をワシントン条約の締約国会議でもちかけました。
 パンダやトラ、シロナガスクジラなどの絶滅危惧種のラインナップにクロマグロが加わるのはなんというか、すごいものがありますが、これが可決されると、ただでさえ貴重な上、SUSHIブームによって台湾や中国もアグレッシブに漁獲に乗り出している、天然モノのクロマグロの価格が急高騰することは必至で「庶民はマグロを気軽には食えなくなるんじゃないか」とマスコミを中心に大きな騒ぎになりました。
 結局発展途上国や、EUの中でも日本にマグロを輸出しているスペインなどが反対票を投じたらしく(秘密投票だったので真相は不明)クロマグロが絶滅危惧種に追加される事は(今回は一応)回避されました。

 この話魚が嫌いな人にはどうでもいい話で、言い出しっぺのモナコもクロマグロを食っているどころか、輸出も輸入もしていない全く無関係な国で、まあだからこそ取引禁止が言えたわけですが、とどのつまり、クロマグロがどれほど絶滅の危機に瀕しているのかのデータがニュースではほとんど取り上げられず、鮨屋の映像ばっかり流していた感じが「個人的には」します(NHKのあたりは客観的に報道していたのかな?)。
 モナコの言うとおりに本当に絶滅しちゃったら、マグロ価格高騰どころか天然モノは永遠に食えなくなるわけで、テレビも文化的な感情論を刺激するような報道ばっかりしてないで、どういう調査や研究の上でモナコがあの案を出してきたのか、調べて報道する義務はあると思うんですけど…
 想像するに、クロマグロがどれくらい絶滅の危機に瀕しているかの正確なデータは、存在しないような気もします。生態ピラミッドの上層にいる強肉食動物のクロマグロは、ただでさえ個体数がそこまで多くないし、常に高速で回遊しているから、情報を集めるのがクジラ並に大変なような気が…情報不足なんじゃないかな?

 牛や豚の家畜のように、養殖で安定供給と言うのは、マグロ食文化の維持においては王道的安全策だと思いますが、なんというか、結局この議論を観ていると、「まぐろの絶滅の危機を救え」って言う崇高なテーゼより、「マグロの価格高騰させて高値で売り付けてやろうフッフッフ…」という目論見とか、「鮨屋でクロマグロ食えないなんてふざけるな!」という食欲満載のいやしさとか、「日本がマグロ買ってくれなきゃ俺たちの生活は立ち行かない!」という漁業で生計立てている人の切実な思いとか、経済的な香りばかりするのはなぜだろう…
 KO氏は「別にマグロ食えなくたっていいじゃん、そんな騒ぐことか?」と冷めた主張。なんかこれって2004年にあった、吉野家の牛丼が食えなくなるっていうBSE騒ぎと似てるのかもしれませんね。

 結局環境問題って経済問題に他ならず、今回もまた資本主義の勝利ってことなのでしょう。マグロを保護することによる生物多様性の維持より、いじきたない食欲が勝ってしまった…そういう話みたいですね。
 日本をはじめとする取引禁止反対派を最終的に支持してくれたのが、発展途上国だと言うことも、ちょっと考えていかなければいけないことだと思います。

プロとアマチュアの違い

 プロとアマチュアの違いとは「その仕事で食って行けるかどうか」ってことなんでしょうが、アメリカのアートシーンにおけるプロの芸術家の定義とは食って行けるかどうかではなく「その活動を継続しているかどうか」だそうです。
 つまりお金は二の次で、とにかく制作することが大切だと言う事で、これは確かに納得は出来ますが…それは広義の「芸術家」の定義であって「プロの芸術家」ではないのかな?って気もします。

 で、私はプロの作家とアマチュアの作家の違いとは「自分の仕事に妥協が出来るかどうか」だと思っています。
 自分の仕事に手を抜く言い訳のようにも聞こえますが、仕事である以上、いかに腕がよくて、創作に対する崇高な情熱を持っていても、納期を守れないようじゃプロ失格だと思うし、締め切りまでに無理のない計画で制作を進めることが大切なんじゃないかと思います。
 だからプロとは限界を超えて自分の表現をアグレッシブに追求する人ではなく、むしろ真逆で、ある程度自分の活動を突き放して見れる人なんじゃないかと思うわけです。
 それを大前提とした上で、出来る限りいい仕事をしようという意欲のある人が、やはりプロの作家だと思います。
 まあこれって働いている人からしてみれば当たり前のことなんでしょうが。

 最近の私は、大学で散々絵画の教員に自分の絵に訳のわかんないこと言われたから、その教員の意味の分からない精神分析や、指摘が頭にこびりついちゃって妥協が出来なくなっちゃっていました。
 所詮絵なんて趣味の範囲の話なんだから、もっと気楽に「これでいいや。無理」って感じで完成にしちゃえばいいのに、「ああ、ここ変かな?」とか「ここもっと立体的にできるな」とか「結局これ絵としてどうなの?」とかうだうだ考えて、細かいところ直し続けて、「ああ蛇足だった~」と失敗させてしまいます。

 絵画の教員は「そうやって悩み続けることが芸術だ」とそれらしいこと言ってましたが、そんな発想じゃいつまでたってもプロになれないんじゃないかな?って気もします。
 その思想ってどんどん視野が狭まっていくって言うか、精神衛生上非常によくないと思うし、プロでやるなら社会と少なからず関わっていかなきゃいけないから、鑑賞者が「そこそんなに気にならない」と言ったら「そうか。なら別にいいか」って思えるくらいに客観視できた方がいいと思います。悩もうが苦しもうが、受け手にそれが伝わらなければただの自己満足だし・・・

 売れるかどうかだけで、自分の表現の追求をまるっきり放棄してしまった人は作家にあらずっていうのは言うまでもありませんが、自分の限界と上手く付き合っていくことが、作家活動を継続する上で大切だと思います。

自慢肯定論

 今の子どもは、自分の将来像が「内向き傾向」で、自分や家族の幸せを願い、小さい時から親孝行とか考えてたりして、「世界や国や社会を変えてやる」なんて大きな夢のある子は少ないようです。
 この話、本当かどうか知りませんけど、とにかく私が思うに、自分より若い世代を中心に、いい人や優しい人は増えたような気は確かにしないでもないです。
 で、それは悪く言えば、視野が狭く、周りの空気ばかり読んでいるような消極的な子が多いとも言えるのですが、でもそれで全然いい気もします。
 テロリストなんて本気で世界変える気で暴力行為やってるわけで、彼らは視野が広いっちゃ広いですからね。他の価値観認めないから狭い気もするけど。

 金森俊朗先生によれば「今の子は今を生きているという充実感や、これからを生きる希望が持ちにくいという生きづらさを抱え、自己肯定感が低い」と言います(『子どもの力は学びあってこそ育つ』60ページ)。
 そのことで言えば、「よく自分の自慢をする男にいい男はいない」という女性のガールズトークがあるんですけど、私は「自慢のひとつも言えないような男の人も男の人でどうなのかな」と思います。
 今の女性には、変に自己主張して場をこじらせない、事なかれ主義な草食系男子が今人気なのかな?それともここでいう自慢男って、自分の自慢ばかりして、人のいいところを見ようとしない人ってことなのかな?それは嫌だな。
 
 今はモノも情報もあふれていて、民主主義だし自由にやりたいこと出来るのに、今の若い人が多くを望まないとはどういうことなのだろうと思います。
 それともそういう夢や野望はあるんだけど、それを人前で話すのははしたないと思っていて、そっと自分の胸だけにしまっておこうって感じで、礼儀が正しいってことなのかな?

 私は自分の話をするのって好きだし、悪くないと考えています。人の武勇伝とかすごい話を聞くのも結構好きです。それが自慢でも、自分の失敗談でも、なんか自分のことを他者に伝えることで、己をさらに知ると言う事ってあるし、アイデンティティの形成って、他者とのささいな衝突やもめ事を避けつづけて、当たり障りのない人間関係をやっていてもうまくいいかないと思うんです。
 人間関係ってそんなスマートにできることじゃなくて、もっと泥試合で、恥さらしの連発だと思うし、それによって自分がどんな人間なのか分かるってことも大いにあると思うんですけどね。
 
 まあ優しい、いい人が増えてくれることには越したことはないのですが。それに視野広がっても特にいいことないですしね。宇宙とか考えても虚しくなるだけだし(笑)。

親の経済力と子の学力

 教育者の金森俊朗さんらによれば、今はほとんどの子が塾に通っている、ダブルスクール状態らしいです。
 小学生の頃の私は、塾って言ったら「すごい勉強が得意でセレブな子だけが通うところ」だと思っていましたが、今や小学生が塾に通うのは珍しくないようで、そう考えると「学校で先生は何を教えているんだ」っていう突っ込みも少しは解ります。教育実習に行き研究授業をやり、しかも塾で講師もしている、どっちも片足突っ込んでいる私が言うのもなんですけど。

 かわいそうなのは、学校の後に間髪入れずに塾へ輸送されている子どもたちなのですが、私がお世話になっている塾に通っている子を見る限り、そんなに嫌そうじゃないのが驚き。もう運命と受け入れているのか、勉強がそこまで嫌いじゃないのか、塾の雰囲気が結構和むのか(これはある気がする。この塾アットホームでピリピリはしてないから)けっこうダブルスクール状態に順応してるんですよね。すごい時代だ。私なら脱走します。

 このような子どもが塾に通うのが当たり前の世の中で、たびたびマスコミが報道するのが「親の経済力と子の学力の相関関係」なのですが、なんでも東大に入学する子の親はたいていセレブだとか。
 この「学力格差は実は経済格差とつながっている」と言う説は、事実なのでしょうか?私が思うに「子の学力は親の学力に少し影響している」とは思いますが、金をかけていい塾に入れないと今の子供は勉強ができないって話でもないんじゃないかな、と思うわけです。
 つまり…親の学力が高い→高給取りになる→この親は自分でも子どもに勉強教えられるけど、仕事が忙しい→金があるので塾や予備校に子どもの勉強を任せる→結果子どもはいい大学に入る…ってだけで、たまたま結果論としていい大学に入る人の家が金持ちなだけって気もします。
 一番厳しいのは、自分の子供に勉強を教えられない親が、なけなしのお金で塾に勉強をまる投げしてしまうと言う事です。
 お金持ちじゃなくても、勉強が教えられればいいんですけど、でも教えられるほど勉強できれば、大抵いい仕事就けて裕福なのかな?いやそうでもないな。どうだろう。

 まあ「金持ち=勉強できる」って単純な話じゃないことは確かです。大切なのは、今の子どもたちが将来親になった時に、せめて自分の子どもにだけは義務教育分の学習内容を教えられるくらいの学力を、学校が養うことだと思うんですけど…難しいんだろうな。
 学力だけで人生や将来をスクリーニングしちゃうっていうのが、やっぱりそもそもの原因なんでしょうね。学力だけじゃなくて、本当は人格が一番大切なのはみんな分かっているんでしょうけど、人の心なんて偽るの巧い人は、面接でいくらでも偽れるだろうしな…
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