発達と学習について

スキャモンの発達曲線
20歳時における臓器の重さを100としたとき、それぞれの臓器の発達に伴う重量変化をグラフ化したもの。リンパ型は小学校高学年で180%突破して、20歳で100%に落ち着き、神経系は小学校入学時に大体完成、生殖腺は思春期あたりで急激に成長。

ポルトマンの生理的早産
ヒトはほかの霊長類と比べてかなり未熟な段階で出産してしまう。頭がでかいから?
直立姿勢や、ある程度の発話は生後一年が最低でも必要。

トムゼンの発達加速現象
世代が新しくなるほど、身体の発達速度が速くなること。
栄養状態が良くなったり、都市化に伴う生活様式の変化などの影響らしい。
最近の子供は性的にませているというやつ、あれは真実だったのか。


発達段階

乳児期(0~1歳ごろ)
第一次性徴:生まれつきの性別
モロー反射:衝撃音を聴かせると両腕を広げて抱きつこうとする。
バビンスキー反射:足を裏をなでると足を指を広げる。

幼児期(1~5、6歳ごろ)
運動機能の発達。基本的な就活週刊の形成。
言語活動が発達してカタコトじゃなくなる。
自己と客体が未分化で自己中心的。
3歳頃に自我が芽生えて第一次反抗期。

児童期(5、6歳~12歳ごろ)
客観的思考が発達し、ルールを持った集団的な遊びができる。
ギャングエイジ:10歳頃に排他的な遊び仲間を形成。

青年期(12~25、場合によっては30歳ごろ)
抽象的思考の著しい発達。
ルソー的に言うと第二の誕生。
自我が確立し、第二次反抗期。
青年期スパート:青年期の急激な身体的発達
心理的離乳:親から精神的に自立する。



ピアジェの発達段階説

感覚運動期(0~2歳)
言葉が未熟で、感覚や運動を通じて環境に適応。
何度も同じことを繰り返す。

前操作期(2~7、8歳)
イメージを伴った思考ができる。
言語の発達が著しく、ごっこ遊び(象徴的活動)をする。

具体的操作期(7、8~11、12歳)
具体的な思考はできるけど、抽象的な思考がまだ得意じゃない。
思考の脱中心化(オレ様化卒業)がはじまり、社会的な行動をする。

形式的操作期(11、12歳以降)
抽象概念も可能だし、想像上の問題もイメージして考えられる。
言語や記号を用いた仮説演繹ができる。



ローウェンフェルドの絵画の発達段階

錯画期(2~4歳)
スクリブル(なぐりがき)

象徴期(3~4歳)
円や線によって何かを表そうとする。絵本の車輪にこんなのを描くよね。

前図式期(4~7歳)
紙の上にイメージが列挙されることからカタログ期とも呼ばれる。
この時期に頭から直接足が出る頭足人が登場!

図式期(7~9歳)
地面を表す線(基底線)をひいたりする。上から見下ろした絵(展開図)や、内部がすけたような絵(レントゲン描法)を描く。

初期写実期(9~11歳)
自由な発想で描くことが少なくなり、目で見た通りの風景を描こうとする。
年齢的にはギャングエイジ。

疑写実期(11~13歳)
立体感や凹凸など実物らしく描こうとするが、子供なりの工夫でそれを頑張って表現する。
児童画として結構味のある作品が多い。

決意期(15歳以降)
創造的な活動に行き詰まりを感じてやめちゃう。思春期の描画の危機。



フロイトの発達段階説
リビドー(エロエネルギー)をあらゆる発達段階で焦点化。
口唇期(0~1歳半):授乳
肛門期(1歳半~3歳):排泄訓練
男根期(3~6歳):両親との同一視
潜伏期(6~12歳):社会参加の基礎的訓練
性器期(12歳以降):異性が欲しい

ハヴィガーストの発達課題
乳幼児期の課題:歩行、会話、トイレ、善悪の区別
児童期の課題:日常の遊びに必要な身体的技能、仲間との付き合い方、読み書き計算の基礎
青年期の課題:ジェンダー、社会的役割、両親や大人からの情緒的独立、経済的自立

コールバーグの道徳性の発達段階
前習慣的水準
第1段階:罪の回避と服従
第2段階:自己の利益を優先する利己的な志向
慣習的水準
第3段階:周囲の期待に応えて「よいこ」を志向
第4段階:権威と社会秩序の維持
自律的水準
第5段階:社会契約的な志向
第6段階:普遍的で原理的な志向

レフ・ヴィゴツキー
発達の最近接領域

発達には、自分ひとりで解決できる領域と、その境界ギリギリのちょっとしたアドバイスで乗り越えられる領域があり、そのふたつの領域のズレを発達の最近接領域という。
内言(ないげん:思考にとって必要な声には出さない心の声)と外言(がいげん)

ジョン・ボウルヴィ
イギリスの医学者。精神分析学に動物行動学(エソロジー)の視点を取り入れた。
アタッチメント:母親の顔が見えなくなると泣いちゃうような、子と母の情愛的な結びつき。
マターナル・デプリベーション:母親の愛情不足は子供の情緒、知能に大きな影響を与える。

ハーローの代理母の実験
ミルクがある針金の代理母とミルクはないが布でできた代理母を与えられて育ったサルは発達に異常が見られたという実験。
サルの赤ちゃんはミルクを飲む時以外は、ずっと布でできた代理母にしがみついたことから、赤ちゃんにとってはミルク(授乳)よりも、母親との接触による安心感やぬくもりの方が大切だということがわかった。

ゲゼルの生得説(成熟優位説)
人間の発達や行動は、遺伝的要因によるものであり、生まれながらに決定されている成熟法則に従うだけ。先天的。レディネス期(成熟)を待ってから教育を行う。

ワトソンの環境優位説
人間の認識や行動の成立は環境によって決まっていく。

シュテルンの輻輳説
精神発達は、遺伝適用員と環境的要因が独立に作用し、その合計による。

ジェンセンの環境閾値説
個人の特性の発達には、環境要因の質と量が必要であり、そのレベルがある程度の域に達した時にはじめて特性が発現する。
輻輳説のような遺伝と環境の純粋な加算ではなく、こちらは遺伝と環境の相互作用を主張。

ブルーナーの学習優位説
適切な方法(刺激や、経験)を用いれば、どんな水準の子供にも学習は可能であるという説。
早期教育の根拠がこれ。学習によってレディネスの発達が促進させられる。

クロンバックの適正処遇交互作用
いくら優れた学習方法でも、どんな学習者にも効果的であるとは限らない。
一人ひとりの個性の特性を考慮して、学習方法を採用する。

バンデューラの社会的学習理論
学習は自分の経験だけでなく、他者の行動を観察することでも成立する。
社会における自己効力感の提唱。

プラトー(高原現象)
基本的にやればやるほど成績は上がるが、学習課題によってはやってもやってもなかなか成績が向上しない歩留まり状態があるという現象。
※それでも諦めずに学習を続けると、再び成績が向上することがある。

オルポートの機能的自律
最初は外発的動機付け(親や先生に怒られたくないから勉強する。友達に負けたくないから勉強する)によってやっていた学習が、だんだん自分の興味関心(内発的動機付け)が基準になっていくこと。

アンダーマイニング効果
内発的動機付けによって勉強する気になっている時に、報酬や罰を与えるとそっちが学習の動機付けになってしまう現象。

ワイナーの原因帰属の分類
達成動機が高い人:成功を自分の能力や努力に帰属。失敗を自分の努力不足に帰属。
達成動機の遅い人:成功を運や課題の容易さに帰属。失敗を自分の能力不足に帰属。

セリグマンの学習性無力感
いくら積極的にやっても無駄だっていう体験をすると、その後簡単に解決できることでも自発的にやらなくなってしまうこと。

ヘルマン・エビングハウス
精神物理学(意識や知覚はブラックボックスだ)に影響を受ける。
世界初の記憶の実験。
記憶の忘却曲線・・・記憶して一日目は急激な忘却が起こるがそれ以降は比較的緩やか。

エルンスト・クレッチマー
ドイツの医学者。体型と性格に基づく類型化。
肥満型:躁鬱気質。社交的
細長型:分裂気質。内向的
闘志型(ガッチリ):粘着気質。几帳面で辛抱強い。

シェルドン
アメリカの医学者。体格と気質の相関関係によって類型化。
内蔵緊張型(内胚葉型):社交的
身体緊張型(中胚葉型):大胆で積極的
頭脳緊張型(外胚葉型):内気で過敏

シュプランガー
個人が興味のある文化的価値によって類型化。
理論、経済、審美、社会、政治、宗教

教育心理学覚え書き

心理学の大まかな分類

構成心理学
ヴントなど
意識は様々な要素で構成される複合物であり、各構成要素ごとに分解し、それを再び構成し直せば、心理世界の全体像が把握できる。
その後、哲学的なヴュルツブルク学派(ヴィントに批判される)やゲシュタルト心理学が現れた。

精神分析学
フロイト、ユングなど
神経症や心身症は、無意識や潜在意識の抑圧が原因である。

行動主義心理学
ワトソン、スキナーなど。アメリカで発展、誕生
意識をブラックボックス化(ペンディング)して、客観的に観察できる入出力の部分を重視する。自由意思は錯覚!

ゲシュタルト心理学
ヴェルトハイマー、ケーラー、レヴィンなど。
構成心理学のアンチテーゼ。精神は単純な要素の集合体ではなく、その全体性や構造を重視する。


19世紀:心理学という学問の誕生

ヴィルヘルム・ヴント(ドイツ)
実験心理学のパイオニア。
心理学は経験科学である!内観(自己観察)によって心理を各構成要素に分解。(構成心理学)
ライプチヒ大学に心理学実験室を解説→心理学の誕生!

フランシス・ゴールトン(イギリス)
ダーウィンのいとこ。
優生学。家畜の品種改良のように人為的に遺伝子をかけあわせたほうがいい社会になる。


19世紀末~:精神分析学の登場

フロイト
人間の心はイド、エゴ、スーパーエゴによって階層化される。夢(無意識の意識)の分析。
性的欲望(リビドー)をメインにした神経症理論

アドラー
個人心理学

フロイトが自我(=個人)を階層化したのに対して、心的要素の最小単位を自我とした。
つまり個人はそれ以上分けることができない全体である。
共同体による、劣等感の形成やその補償(適応規制の一種。自分の欠点を克服するために他の得意分野を伸ばす)を論じる。
また世界初の児童相談所を開設。

カール・ユング
フロイトの研究が主に神経症だったのに対して、ユングは分析心理学をはじめる。
性格の向性理論(内向性、外交性)を提唱。ほかにも四つの心理類型や、元型、集合無意識。

自我心理学派
エリック・エリクソン

発達段階説
人生は8つの段階に別れ、それぞれの段階に心理的、及び社会的危機(課題)が訪れるとした。
エリクソンによれば発達とは大人になって完了するものではなく、生涯にわたって継続される現象である。
例えば青年期の課題とは自己同一性(アイデンティティ)の獲得である。
モラトリアム期(執行猶予期間)という言葉を考えたのもこの人。


20世紀:意識、要素に対する否定

古典的行動主義
ワトソン
心理学の研究報告から、研究者の意識や主観を取り払うために、とりあえず客観的な観察ができる行動から人間の心理を研究しようとした。

環境優位説(経験説)・・・人間の認識や行動は育つ環境によって決まる。

SーR理論
刺激と反応の結び付きから学習は成立するという理論

11ヶ月のアルバート坊やの恐怖反応の条件づけの実験
最初は白いネズミが嫌いでもなかった赤ちゃんに、ネズミに触ろうとするたびに大きな音を出すことで、ネズミ=恐怖というイメージを植えつけた実験。(般化)

エドワード・ソーンダイク
試行錯誤説
の提唱。
紐を引っ張ると扉が開いて餌が取れる仕掛けのある箱の中にネコをいれ、行動を観察。試行錯誤を繰り返すことで正しい行動に至る時間が短縮される。スキナーに大きな影響を与えた実験。
結合の法則・・・刺激と反応の結合によって学習は行われる
効果の法則・・・結合の度合いは快不快の程度による
教育測定運動。

パブロフ
学習における古典的条件付け(レスポンデント条件付け)
パブロフの犬
腹ペコのイヌにベルを鳴らす=餌というイメージを植え付け、ベルがなっただけでヨダレが出るようにした。



新行動主義
トールマン

サインゲシュタルト説:ネズミの迷路の実験
ネズミは単純な反応(S-R理論)をしているのではなく、迷路の実験の法則を洞察学習していた。

S-S理論(認知説)・・・事物や関係を新しい法則で理解し認知することで学習が行われるという理論。

徹底的行動主義
パブロフの主張を純粋に継承し強化

ハル
人間は思考機械である!行動主義に数理モデルを導入。S-R理論の強化。

スキナー
オペラント条件付け(道具的条件付け)
箱に入れられたネズミは餌の出るレバーを自発的に押すようになる。
正の強化・・・報酬がもらえるから頑張る
負の強化・・・ペナルティが与えられるから頑張る
プログラム学習・・・オペラント条件付けを応用した教育メソッド。




ゲシュタルト心理学
ゲシュタルトとは日本語で「形態」という意味。
ヴントの構成心理学の反動によって登場。意識を構成要素ごとに分けることは不可能であり、全体は部分の想把以上のものであることを主張した。

ヴェルトハイマー
仮現運動(φ現象)=錯視の研究(偶然この時期ルミエール兄弟が映画を発明)
プレグナンツの法則・・・人間は刺激を単純化して知覚する傾向がある。

ヴォルフガング・ケーラー
ヴェルトハイマーと同じくゲシュタルト心理学の創始者のひとり。
洞察説を提唱。
チンパンジーにバナナを取らせる実験をして、彼らの行動が試行錯誤の繰り返しの蓄積によるものではなく洞察による結果だと考えた。

クルト・レヴィン
トポロジー(位相幾何学)心理学。
ゲシュタルト心理学を社会学に応用、社会心理学の父。集団心理の研究。
青年期の若者を子供と大人の境界にはさまれたマージナルマン(境界人)と呼ぶ。
ツァイガルニク効果・・・達成できなかった思い出の方が達成できた思い出よりもよく覚えていること
場の理論・・・学習は心理学的環境と生活空間の構造の変化に生じる。



人間性心理学
人間の主体性や創造性を重視した心理学の第三勢力と言われる。
ちなみに第一勢力が心理分析、第二勢力が行動主義心理学である。

アブラハム・マズロー
人間性心理学の創始者で、自己実現理論(欲求5段階説)を提唱。
第一段階:生理的欲求(食べたい、寝たい)
第二段階:安全欲求(危険を回避したい)
第三段階:社会的欲求(仲間が欲しい)
第四段階:承認欲求(尊厳欲求。認められたい)
第五段階:自己実現欲求(クリエイティブな活動がしたい)

※第六段階:自己超越(いろいろ悟った段階。ここまで行く人は全体の2%くらい)

版画について

凸版
版の凸部にインクをつけて刷りとる方法。

木版画
木の板を使って、凹部を彫刻刀で彫るやりかた。彫った部分はインクが乗らない。
単色木版:紙の白とインクの色だけの版画。
一版多色木版:ひとつの原版を使って色ごとに複数回刷りだしを重ねる方法
多版多色木版:刷色の種類分だけ版を作る方法。浮世絵版画がこれ
彫り進み木版:一枚の版を刷を重ねるごとに掘り進めていく方法。版を進めると戻れない!
釘打ち木版:釘とハンマーで彫っていく方法。点描みたくなる

紙版画
紙を重ねて凸部を作る方法。

コラグラフ
いろんなものを貼り付ける方法。コラージュ。
素材を貼り付けたら剥がれないようにジェッソを塗る。
硬いものを使うとプレス機が痛む。

凹版
版の凹部にインクを詰めて、プレス機で刷りとる方法。銅版画がこれ。

ドライポイント
樹脂板を使ってニードルで彫っていく方法

エッチング
銅版を酸を使って腐食させていく方法。
まず銅版に液体グランド(防食剤)を塗り、そのグランドを書き取るようにニードルで彫り進めて版を作る。ニードルを入れてグランドが取れた部分は腐食液(塩化第二鉄)につけると溶けるので、腐食が終わったら重曹水や醤油を使って版を洗って腐食の進行を止めて、リグロインで液体グランドを洗い落とす。
完成した銅版の凹部にゴムベラを使ってインクを詰めて、吸水しない透明シート、版、湿らせた刷紙、吸い取り紙の順で重ねていき、プレス機で転写する。

孔版
版に穴を開けて、穴の部分だけインクが刷り込まれる方法。

シルクスクリーン
多版多色印刷。穴の中にあるインクを載せたくない部分の位置を固定するために版にメッシュ(スクリーン)をくっつける。布やガラス、金属にも印刷できる。
速乾性のインクを使用するので手際よく作業を進めなければいけない。

ステンシル(女の子用のおもちゃにあるアレ)

平版
版に凹凸をつけないで刷る方法。

リトグラフ
平らな版にインクがつく部分と弾かれてつかない部分を作る方法。
19世紀末にポスター印刷で流行った手法。手順が面倒。
脂肪性のクレヨン(油性)で描画し、アラビアゴム液(水性)を塗る。
その後アラビアゴム液を洗い流し、描画部をホワイトガソリンで拭き取る。
これで描画部だけアラビアゴム液がつかない状態になる。
版を湿らせて油性の製版インクをローラーで乗せる。
湿った部分はインクがつかず、水をはじく描画部分にだけ油性インクが乗る。
乾燥させたあと、インク部を補強するためにラズンパウダー(樹脂の粉)やタルク(ストーンパウダー)を乗せる。
アラビアゴム液を塗り、製版完了。
その後アラビアゴム液を水で洗って、ホワイトガソリンでインク部分を落とす。
本番用のインクをローラーで乗せて、その上に紙を静かに置く。リトグラフ用プレス機で印刷。
版を刷り重ねながら完成させる。
版をそのままにしておくと、印刷用インクがこびりつくので、ホワイトガソリンでインクを洗い流し、製版インクを塗った状態に戻して保存。

デカルコマニー(ロールシャッハテストみたいなやつ)
マーブリング(水に浮かせた紙の上に絵の具を垂らす方法)

デザインについて

デザインの成立過程
18世紀にイギリスで起こった産業革命によって、機械による大量生産、大量消費が可能になった。
その産業革命のひずみ(環境破壊、粗造乱造、資本家への富の集中、格差社会)に対するアンチテーゼとして、ジョン・ラスキンが豊かなものづくりのあり方を提唱。

アーツアンドクラフツ運動
その思想の影響を受けたウィリアム・モリスが、芸術と工芸の融合をモットーに「アーツアンドクラフツ運動」を起こす。これが近代デザインの起源。

アール・ヌーボー
「新しい芸術」の意味。これはフランス語で、イギリスでは「モダンスタイル」、ドイツやオーストリアでは「ユーゲントシュティール(青春様式)」と呼ばれる。
植物の蔦などをデザインに取り入れた曲線が印象的な様式。

セセッション
19世紀末のドイツ、オーストリアで起こった、美術、建築、工芸の革新運動。
これまでの様式からの「分離」を意味する。

バウハウス
1919年にグロビウスがワイマールに作った世界初のデザイン教育機関。
建築を中心とする芸術と技術の統合を目指した(グロビウスは建築家)。モダニズム建築や絵画、工芸に大きな影響を与える。
講師陣はカンディンスキー、クレー、モホリ・ナギ、ヨハネス・イッテンなど。

アール・デコ
20世紀前半のフランスにおいて、アール・ヌーボーの反動から生まれた様式。
幾何学的で実用性と様式美を重視した合理的なデザインが特徴。

戦後のモダンデザイン
第二次世界大戦後は、北欧(スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、フィンランド)を中心にモダンデザインが展開される。
ボルボや、ロイヤルコペンハーゲンなど。・・・イケアは??

グッドデザイン賞
1957年、通産省によって創設。
1950年のニューヨークで行われたグッドデザイン展によってグッドデザイン運動が発生しその影響から。国民生活の質的な向上と産業の振興を目標に導入された。
グッドデザイン賞のマークを考えたのは亀倉雄策で、フジテレビやNTTのマーク、東京オリンピックの公式ポスター、大阪万博のポスター(1970年)などが代表作。

田中一光
科学万博――つくばや無印良品、海遊館、西武百貨店のマークなど。

ユニバーサルデザイン
バリアフリーの考え方をさらに発展させ、障害のあるなしにかかわらず、誰もが安全かつ便利に使えるデザインを指す。障害者や高齢者用と限定せずに、一般化。
ノースカロライナ大学のロナルド・メイスが考案。

レタリング
本来手で「文字を書く」という意味。書写、カリグラフィ
デザインされた文字や書体を選択すること、といった意味合いでも使われる言葉。

新しい書体のデザイン(ロゴタイプ=デザイン性のある書体)

レタリングとは、広告や印刷物などで視覚的な効果を考えて文字をデザインすることである。

明朝体
明の時代にできた書体。横線が細く、縦線が太い。
横線の止めに三角系の「うろこ」がついている

ゴシック体
1880年あたりにできた書体。
※ゴシック調(=12世紀あたり)の頃にできたわけではない(ゴシックホラーやゴスロリと一緒)横の線と縦の線がほぼ同じ太さで、サンセリフ体に相当する。

和文字
永字八法「永」が点画の基本形(一文字で全部すんじゃう)

英文字  
バー:横線のこと
ステム(幹):縦線のこと
セリフ:線の端につける飾りのこと(うろこ)

ローマン体・・・線のはしに三角状のセリフを持つ
エジプシアン体・・・スクエアセリフ(セリフがステムと同じ太さ) しっかりとした感じ
サンセリフ体・・・セリフがない(和文のゴシック体に相当)
スクリプト体・・・ペン書体風の筆記体的なもの

アセンダライン:一番上のセリフが来る線
キャピタルライン(キャップライン):一番上の横線が当たる線
ミーンライン:小文字の一番上の線
ベースライン:基準線
デッセンダーライン:一番下のライン
ベース~ミーン=エックスハイト
ベース~キャピタル=キャップハイト

ピクトグラム
文字や言葉ではなく、絵で内容を伝えるために、簡略化した図案を用いる方法。非常口とか。
アイソタイプ。
ちなみにルイヴィトンや読売ジャイアンツのように2つ以上の文字から記号を図案化するのをモノグラムという。

色について

光源色・・・自ら光を出す色光

物体色・・・光が物体にあたって反射して知覚される色

透過色・・・セロハンを通過することで現れる色

色の三要素
明度・・・色の明るさ、暗さ

彩度・・・色の鮮やかさ。彩度が高いと色がビビッド(鮮明)に、低いと白黒(グレースケール)になる。カラーか白黒かを有彩色、無彩色という。

色相・・・色の方向性。赤味や青味など。無彩色には当然ない。色相環という輪っかで表される。

赤→オレンジ→黄色→黄緑→緑→青緑→青→青紫→紫

色立体
色の三要素を表した立体モデル。
軸の高さが明度、軸からの距離が彩度、軸からの方角が色相。

日本色彩研究所配色体系(PCCS)
明度(高→低):ホワイト(W)→ライトグレイ(ltGy)→マイルドグレイ(mGy)→ダークグレイ(dkGy)→ブラック(Bk)

彩度が低い色(明度高→低)
ペール→ライトグレイッシュ→グレイッシュ→ダークグレイッシュ

彩度が中くらいの色
ライト→ソフト→ダル→ダーク

彩度が強い色
ブライト→ストロング→ディープ

彩度が最も高い色
ビビッド

混色
加法混色・・・混ぜれば混ぜるほど明度が上がって白くなる。ライト。
色光の三原色:赤、緑、青(三原色)
※黄色は赤と緑を足すとできる!

減法混色・・・混ぜれば混ぜるほど明度が下がって黒くなる。絵の具。
色料の三原色:マゼンダ(赤紫)、イエロー、シアン(青緑)

中間混色・・・印象派の筆触分割のようなもの。青と黄色を隣同士に置くと離れたところでは緑に見える。

回転混色・・・複数の色を高速回転する円盤に塗ると混ざって見える。

色の対比現象
ハーマングリッド効果
明度対比の一種。黒いコマを白い線で分割するとき、白い線がぶつかり合うところが灰色に見える現象。

同化現象(ベゾルド効果)
隣り合う色の影響で同じ色でも違って見える現象。黒がとなりだと黒っぽく、白がとなりだと白っぽく見える。

光しん現象
背景の明るさによって同じ面積でも大きさが違って見えること。
灰色の背景だと黒いものよりも白いものの方が大きく見える。

プルキンエ現象
明るい場所では赤い色が遠くまでよく見えて、薄暗い場所では赤いものよりも青いものの方が認識しやすい現象。

色の効果
進出色・・・赤、オレンジ、黄色といった暖色は飛び出して見える。
後退色・・・青、緑といった寒色は後ろに下がって見える。

膨張色・・・暖色系の色は実際よりも大きく見える。
収縮色・・・寒色系の色は実際よりも小さく見える。

色の視認度・・・明度のギャップを大きくすると高くなる。(黄色と黒のしましまなど)
色彩調節・・・色が及ぼす心理的効果を利用して部屋の配色を考える方法。『アンドロメダ病原体』の研究所みたいなやつ。

ドミナントカラー配色・・・支配的な色が存在する配色

セパレーション・・・配色の境界に別系統の帯を入れて、配色を分離させ調整を図るやり方。縁辺対比(マッハ効果)がそれ。

日本の伝統色
青系統
浅葱色(あさぎいろ)、縹色(はなだいろ)、瑠璃色、藍色

緑系統
萌黄色、鶯色、常磐色(くすんだ緑)

黄色系統
くちなし色、黄檗色(きはだいろ)、黄丹(おうに:黄赤)、亜麻色(明るい灰色がかった黄色)

赤系統
あかね色、緋色、瑪瑙色、蒲色、鴇色(濃い赤茶色)(薄い紫みの赤)
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