芸能界特技王決定戦TEPPEN

 この番組すっごい面白かった。芸能人って多趣味な人が結構いるけど、趣味のレベルを超えてセミプロみたいになっちゃった芸能人を集めて、どの芸能人がその分野で一番得意なのかを決定する番組。
 私はピアノは見逃しちゃったんですけど、剣道がすっごい面白くて、スポーツってなんか理屈抜きでかっこいいなあって思っちゃった。まさに闘う男たちだよね。
 男ってやっぱり敵と戦うことによって一番輝くと言うか、もうドラゴンボールとかを見ているようで、一体誰が一番強いんだ?ってわくわくして目が離せなかったよ。こういうところに女は惚れちゃうんだろうなあ。
 今男が情けないって言うけど、それは男が輝くような機会が少ないからって気がする。情けないことに男って暴力をやっている時が一番かっこいいんじゃないの?
 だから戦争はいけないって言うのは分かっているけど、戦争とかが起こって初めて女は男に惚れるって言うのもあるかもしれない。
 人間って結局ただの動物だから、理性で暴力や戦争はいけません!とか考えながらも、体は暴力的なものに反応してしまう。
 スポーツと戦争を同一視するのは飛躍だ!とか言われそうだけど、重なる部分も絶対あるよ。あの真剣に戦う怖いくらいの気迫の男たちを見ていたらそう思った。

 これで絵画とかをやったらどうなるんだろう?とか思っていたら、腕相撲の後本当に絵画をやってくれて、本村弁護士が驚異的なデッサン力を見せつけてくれた。
 でもやっぱ絵画はスポーツ的なかっこよさは無かった。おそらく勝ち負けがはっきりしないからだろう。審査員が判定するのも難しいよね。漫画家の江川達也先生と山田五郎さんが「むずかしいなあ~」って点数決めてたけど、本当に難しいよ。
 なんでもフィギュアスケートとかは機械的にこれができたら何点とか決まっているらしいのだけど、ファインアートまで行っちゃった現代の絵画はそういった共有化できる判断基準があまりないから、どうにも主観になっちゃう。
 ダチョウ倶楽部のリーダーは遠くの背景をくっきり書いちゃって「空気遠近法(水墨画などで遠景はぼかす手法)ご存知ない?」って山田さんに言われていたけど、それを知っていたりやったから上手いってことでもないだろう。
 審査員は古今東西の絵画技法を知っていなきゃいけないんだろうけど、それが仇となって絵の観方が狭くなってしまうって言うことはないのだろうか。「この技術を知っているとは!」とか「難易度の高い人間の指をここまで描くとは!」とか・・・それはそうなんだけど、それはかなりディープでオタク的なものの見方になっていないかって気もする。そういった非常に細かいポイントを見る人は一般人では少ないぞって。
 絵に疎い一般人なんてぱっと見の印象で決めちゃうだろうし、そのぱっと見の印象のすごさはすっごい細かい所の技巧から来ているって言うのにはなかなか気付かないものだからね。
 
 だから絵画ってスポーツのように目の前にライバルがいるわけじゃないから、まあ強いて言えば審査員との戦いなのかもしれないけど、ちょっと隙を見せたり手を抜いたら敵に負けちゃう剣道とは違い、手を抜くのも、逆にめちゃくちゃこだわるのも自由。
 だからかなり自分との戦いな気がする。それに、いくらこだわっても「自己満足」って言われちゃう可能性もあるし・・・孤独な世界なんだなあ・・・
 実際あんなにデッサン力のある本村弁護士が、感情内向的な画風を持つしずちゃんに負けたからねw。

SPACE BATTLESHIP ヤマト

 「面白い度☆☆☆☆ 好き度☆☆☆☆」

 こりゃ~岡田斗司夫さん喜ぶわ。

 この映画ってよく「リアルタイムで宇宙戦艦ヤマトのアニメを見たファンの為の映画」とか言われちゃうけど、それはもったいないと思う。少なくとも私はNOヤマト知識で見たけどかなり楽しかった。
 こういうガチなSFがアニメで毎週やっていたなんて羨ましいなあ。まあ岡田斗司夫さん曰く放送当時はロボットブームにあえて乗らなかったのが裏目に出てコケタらしいんだけど・・・そんなこといっちゃ「ガンダム」も「ルパン三世」も最初は視聴率今一つだったからね。もうよく分からないよ。

 戦闘シーンのビジュアルは海外ドラマの「ギャラクティカ」に弾幕系シューティングゲームを足したような感じで大迫力。
 船内の描写は、クルーの制服がもろアニメだから日曜朝の特撮番組を見ているようだったけど、地球の危機を救うとか言いながら、どこか和気あいあいで楽しそう。だいたいどんな状況だろうが常に緊張してちゃ疲れるから、あれはあれでリアルな艦内描写だったのかもしれない。
 艦内に結構若いお姉ちゃんとかたくさんいて、軍の空母や潜水艦と言うよりは、大学生の合宿みたいのがいいよね。ああやって女性もたくさん乗せると男女のトラブルで面倒なことにならないのだろうか・・・

 実際キムタク演じる古代進は、いきなり森雪にチューしちゃってこいつ気でも狂ったのかって思ったんだけど、森雪もなんかあんなに古代を嫌っていたのに唇許しちゃうからね。これはキムタクだからやれることであって、もし私がこんな事したらビンタの後通報に処されるよ。
 まあこいつらのデレデレ恋愛パートは正直どうでもよくて、しかも森雪なんて自身が放射能除去装置化して(すごい展開w)地球を救う救世主に本当になっちゃったのに「古代さんのいない世界なんて生きる意味がない!」とか、キムタクのキスは本当に恐ろしい魔力を持っているのだなと思いました。
 よくいう「ツンデレ」って私いま一つどういうキャラ設定か分からなかったんだけど、あれだね。キャラと言うよりは、最初からその人が好きなんだけど、その事実を受け入れられなくてイライラしている面倒くさい“シチュエーション”がツンデレみたいね。なんか小学生の男子の恋みたいだね。

 しかしこの映画はキャラが良かった。それは原作が良かったのもあるんだろうけど、原作のそれぞれのキャラにあてた俳優がハマり役で面白かったんだと思う。
 名前と名台詞くらいは誰でも知っている沖田艦長は山﨑努で、後半心臓を悪くして寝たきりになっちゃうんだけど、そのしぐさがなんか調教師に叱られてシュンとしているオランウータンみたくて大爆笑だったし、西田敏行の徳川機関長や、橋爪功の司令長官もしぶさ全開でカッコ良かった。上手く説明できないけどなんか橋爪功さんは良かったなあ・・・ちょっと橋本総理に雰囲気が似ていて日本のリーダーとして既視感があったからかな?

 操縦士の島や、空間騎兵隊の隊長とかも良かったし・・・っていうか空間騎兵隊って名前からしてかっこいいよね。空間+騎兵隊ってドラえもんのタイムパトロール位なんかカッコいい言葉だと思う。
 この空間騎兵隊長は宣伝活動の任務でキムタクと共に「ぷっすま」に出演して、崩したブロック越しに水着ギャルを覗き見るというエロ企画を喜々としてやっていて、非常に好感度が上がったんだけど、あんな凄まじい死に様を見せるとはびっくり。

 でも私が一番気に入ったのは柳葉敏郎だね。あの口調ってよく物まね芸人が真似していてコイツらすっごい大げさにやってるんだろって思っていたんだけど、本当にやってた。
 もう大好きな声優緒方賢一さんが霞むほどギバちゃんの口調が面白くて、コダイ。オレハアソコヲ破壊スルコトニ決メタ。が、もう面白くて面白くて。なんだよこいつの演技は。もう大好き。

 最後にデスラー総統について。自分の星がダメになったから人類を一掃して地球に移住するって言う目的は、ウルトラマンやドラえもんの敵っぽくていいんだけど、敵の中にもいい奴らがいてそいつが放射能除去装置をくれるとかって、なんか人類のメタファーなのかな?って気がする。
 たとえば森の動物たちがいきなり強大な科学力を持つ土木建設会社に美しい自然を破壊され、ただ一つの希望、環境汚染除去装置を求めて旅をしたら、結局環境を救おうと協力してくれたのも自分たちの環境を破壊していた人類だった・・・ってそんな感じですよね。
 デスラーにとってみれば人類なんて諫早湾の生物みたいなもので、自分たちの住みよい生活のためには別にちょっとくらいそこの生物が死んでもいいやって思っていたのに、それがまさかムツゴロウが爆弾つけて突っ込んでくるとは夢にも思わなかったんだろうなあ・・・
 もし私たちが小動物に逆襲されたら、虫けら諸君よ。君たちは私を怒らせすぎたって絶対言うよね。

『第9地区』のDVDが安い!

 元日にあの『第9地区』がなんと1500で売ってました。ちょうどクオカードがあったので、それで『第9地区』と『カールじいさんの空飛ぶ家』をやっと購入。
 『カールじいさん』のスタッフってギアナ高地の背景書くために実際テーブルマウンテンに登ったんですね。すごいなあ・・・
 でも、もっとすごいのは実際のテーブルマウンテンの奇岩が映画のものよりも不思議な形をしていたってこと。本当に別の惑星みたいな世界ですよね。植物も8割が固有種で、珍妙な形のものばかりだし。

 本当は『オーケストラ!』のDVDも欲しかったのですが、この映画はキャンペーン対象商品じゃなくて4500円くらいして高くて買えなかった・・・
 なんか「作中の音楽のスコアつき!」とかいろいろ凝っていてそれで高いんだけど、私としては別に本編が見れればいいから、楽譜抜いてその分安くしてほしいなあ・・・

 で、昨日K氏が遊びにきたんだけど、結局ふたりで『第9地区』のDVDを通しで全て見てしまった。このDVD、メニュー画面とかもかなりデザインが凝っていて面白いですよ。
 あと好き度が☆5の『ヒックとドラゴン』とかもDVDを買いたいんだけど、あれはなぜか売ってなかったなあ・・・

トロン:レガシー

 「面白い度☆ 好き度☆☆☆」

 CMが全てを物語る映画。

 あちゃ~内容がねえ~。『アリス・イン・ワンダーランド』の時もそうだったけど、もうディズニーの3D実写映画は観に行かないようにしよう。さらば5月のジャック・スパロウ。

 映像はすごい。何より映画開始数分が一番すごい。まずディズニーのロゴマークのシンデレラ城がトロンの世界っぽくなっているし、コンピュータ上の光の直線がだんだん街を描き出していくオープニングとかめちゃくちゃかっこよくて鳥肌立ったもん。映画館で鳥肌立ったのは『ダイナソー』のプテラノドンのシーン以来だ。
 とにかくこの映画は3Dがどうこうじゃなくて、メカや世界観の「デザイン」がかなりスタイリッシュでかっこいい。どこかレトロなのもポイント。
 でもこの無機質なところがメチャクチャカッコいい電脳世界に、人間と言うサルのドラマ性を持ち込むのは、かなり難しかったのだと思う。
 私はこんなかっこいい世界に人がいると台無しだと思うんです。人って動物である以上チンコもあるしウンコもするじゃないですか。そういう汚いものはこの世界にはふさわしくないなあって・・・
 だから、この「グリッド」と言うヴァーチャルスペースで人が飯を食ったり、コロシアムを観戦したり、バーで女ひっかけたりしているのはちょっと違和感があって、かっこよさが滑稽に思えてきちゃった。そして傘や杖までキラキラ光っているのでもう撃沈。
 作り手は「どうだかっこいいだろう?」って思っているんだろうけど「いやメチャクチャすべってますよ」って、なんか痛い感じがしてきちゃって作り手の自己満足映画に思えてしまった。まあ人を出さなければ映画にならないんだろうけど、なんだかなあ・・・
 大体行動や学習を記憶するディスクをあんなにぞんざいに武器として投げつけちゃっていいのか?w

 ・・・というわけで映像だけで後は特に何もない映画。物語も緩急がなくて退屈だし、キャラクターも没個性的。ここまで退屈に思ったのは『告白』以来。上映時間がすっごい長く感じた。映像重視で内容が無いのは百歩譲ってまあいいよ。それなら上映時間半分にしてほしいよ。
 あの鳥居みゆきみたいな女は結局何だったんだ?開発者が意図せず、シミュレーションプログラム上に偶然生まれてしまった創発的アルゴリズムか?
 人間をデジタル化するというおおまかな設定自体は面白そうだっただけに、細かな設定が練り込み不足な感じがしたのは残念。もう少しプリプロダクションに時間をかければよかったのに・・・これならまだ『サマーウォーズ』の電脳世界「OZ」の方が巧かったと思う。だからOZの世界をトロンのデザインでやってくれたらさぞカッコ良かっただろう。
 つーかサマーウォーズなんかよりも、時代を先取りしすぎてコケた電光超人グリッドマンをこの映画のスタッフが手掛けたら、きっとすごい映画ができそうな気もする。ぜひグリッドマンを実写映画化してくれ!

 最後にあの車のシーン(ライトサイクルレースとかそんな競技)だけは普通に爆笑。あの動き続ける直線を操作して直線にぶつからないように線を伸ばし続けるゲーム(コンピュータ版釘さしみたいな奴)ってコンピュータゲームではかなり初期のものですよね。あれは簡単なコードで作れるから私も中学生のころ技術の授業でプログラミングした経験があります。
 それを実写でリアルにやっているからすっごい面白かった。おお!そういやそうなるよな!ってw。そんな感じでリアルインベーダーとかリアルテトリスとかリアルパックマンとかいろいろやってほしかったなあ。

『ラストパーティ』制作裏話

 あけましておめでとうございます。今朝は中世の騎士の漫画『ラストパーティ』をサイトにアップしていました。

 ・・・裏話ってもう二年以上前に描いたから当時の心境とか忘れちゃったよ。この頃はまさかサイトを作って自分の漫画を公開するなんて想像もしていなかったから、とにかく吹き出しの字が汚い。
 今だったら少なくとも字が読める程度には書いていたんだけど、この頃は友だちか担当編集者の人くらいにしか見せなかったから、読めない字があったらその場で教えればいいやって感じで適当だった。・・・正直読めませんね、これじゃあ・・・『ダブルスピーク』の時のようにあとで写植をしようと思います。
 でもこいつはページ数が多くて大変だなあ・・・とりあえずあまりにひどいところから優先してやっていこう・・・

 しかし思うんだけど、当時の私はなんでこんな漫画描こうと思ったんだろう?中世とか剣とか魔法とか別に興味ないのに、無理して書いているから近年まれにみるほど物語の粗が多い。
 一生懸命頑張っている感じは伝わるけど、vicさん風に言えばボタンの掛け違い状態と言うか・・・まああまり納得のいくできじゃない。
 で、今思い出したんだけど、当時打ち合わせに行っていた漫画雑誌がファンタジーとスポーツと学園物しかうちはダメって言っててそれでファンタジーに初挑戦したんだった!
 で、ファンタジーってRPGのドラクエのような世界だろ・・・ドラクエの世界って中世ヨーロッパっていうけど、中世ヨーロッパって実際どんな世界だったんだろう?と中世についてあまりにも無知だったので、中世に関する書籍をとりよせていろいろ勉強したんだった。

 ただ勉強した割には時代考証がメチャクチャなのは前にも話した通り。そもそも魔法なんて存在する時点でおかしいよね。まあケルト魔術って言うのは本当に大昔にあったんだけど・・・
 とにかく私は騎士ですらよく分かっていなかったんだ。でも「騎士」って言われて「こうこうこういう人」ってなかなか答えられないですよね?
 一般的なイメージは鎧着て馬にまたがって・・・って言うイメージで・・・でもそれは「キャバリエ(馬に乗る人の意)」っていう騎馬兵のイメージであって、イングランドの騎士って言うと騎士は階級なんですよね。いわゆる「サー」です。
 中世の貴族の息子は、幼少期から英才教育を受けて、大体二十歳くらいでナイトの爵位を授与されていました。偉い人が剣で新人騎士の肩をペシペシってやるあの儀式(ダビング)です。
 ここら辺は私は本で読みましたけど、『ロック・ユー』っていう中世の馬上槍試合(ジュースティング)を取り上げた愉快な映画があるのでそっちを見た方がイメージが簡単につかめるかも。

 この漫画で一番面白いと思うのは「馬に乗って戦う」ってイメージの騎士がウマと戦っているって言うところですよね。ここは自分でも面白いと思った。
 あとはページの都合&面白くないという理由でカットになっちゃったけど、剣に執着していた騎士のヴィンツァーが長弓戦術が流行っちゃったことで前線を離れヒッキーになっちゃって、でも最後はあんなにこだわっていた剣を捨てて、弓で巨大な軍馬を倒すって言うところも皮肉があって好きかも。まあカットされたけどw。ツバイハンダーなんてハンマー投げの室伏選手じゃないんだから、あんな風に絶対投げれないよね・・・
 
 逆にいまいち上手く描けなかったなって思ったのは女の子(シルビア)の行動原理なんだけど、こんな女騎士になりたい奴って当時の少女で絶対いなかったよね(ジャンヌ・ダルクさんくらいか)。でもそれは現代の価値観で考えるから感情移入できないだけかもしれない。そんなことをこれを読んだ編集さんが言ってた。
 現代の価値観に近いのは引きこもりの騎士ヴィンツァーだと思うけど、本当に当時の西ヨーロッパってしじゅう戦争ばっかやってて、もう戦争やる資金もないからエドワード三世が地方の諸侯を回って「資金援助してよ」って頭下げてたくらいだった。他にもイタリアの商会を羊毛産業詐欺で騙してお金工面したりとか・・・だからリチャード一世が獅子心王と言われたように、エドワード三世は羊毛産業王とも言われる。そんなにお前ら戦いたいんかいって感じですよねw。

 ヴィンツァーもシルビアもそんな時代に生きていた人なんだから、戦争とか死とかに多少ならずとも向かい合わなければいけなかっただろうし、人権何て言うのもなかったわけだしね。これはヴィクトリア朝でも全くなかったけど。特に子どもの人権。
 まあシルビアは同じ戦争に行くなら、戦死して娘を悲しませた魔法使いの母親よりは、常に生還する(←臆病なだけ)剣士のヴィンツァーの方がかっこいいしマシってことで進路をそっちにしたんだろうな。・・・安易な・・・でも中学生くらいの将来の夢ってこんな感じだよね。
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