論文発表

 とうとう論文の発表も終わりました。パワーポイントが大学のバージョンは古くて、ちょっと見苦しいところがあったと思いますが、時間配分はバッチリ。西洋美術史の團名保紀先生に御誉めの言葉も頂けてよかった。

 また一昨年退官なされた彫刻家の黒田能勝先生が、わざわざ私の発表を見に来てくださって、意外かつ嬉しい再開。熱い抱擁を交わしました。先生は私が休学した時も心配して電話をくださり、いつも気にかけてくれ「本当ご心配おかけしました」としか言いようがないです。
 また黒田、團両氏いわく、なんとハーバート・リードはモダン彫刻家ヘンリー・ムーアが批判された時、完全な論理武装をした上でムーアの活動を弁護した評論家らしいです。それは知らなかった!英語圏にフロイトやユングを広めた人だという話は知っていましたが。

 指導教官の新井先生も「かなりよく仕上げてきた」と仰ってくださり、あの膨大なページ数の論文をコンパクトにするため、レイアウトを変更して頂きました。こんなエディターみたいな仕事させてしまって申し訳ありませんでした。長い間大変お世話になりました。

 とにかくこれでオレを縛るものは何もねえ!野に放たれたティラノサウルスのごとく創作活動をしていきたいと思います。

 あ、あと帰りに駅の売店でハイチュウのグレープフルーツ味を見つけました。私この味一番好きなんですよ。そもそもハイチュウの初期のラインナップってイチゴ、グリーンアップル、そしてグレープフルーツでしたよね?
 いつの間やらグレープフルーツ味のポジションをグレープ味が奪って、この味なくなっちゃいましたけど。まあ、グレープフルーツ味って度々復活しては消え、を繰り返してますよね。

マンガの面白さについて

 今日は何年振りだろうか、KO氏と居酒屋で三時間以上もマンガ談義をしました。いや~有意義な議論ができてとても面白かった。なんか毎日のように居酒屋やファミレスで『ソニックブレイド』のストーリーを二人で考えてた時を思い出します。青春だなあ。

 私は的確にものを言うとかKO氏は言いますが、私が思うにこの人の方が指摘が厳しいです。KO氏は、プロの編集者よりも編集者然としたところがあって、教員にはもったいない人材なのですが、マンガを評価する際、重箱の隅をつつくようなディティールにこだわります。それに対して大雑把な私は、マンガの面白さはディティールに宿るのではなく、物語の中核に宿ると思っているので意見が対立、激論となりました。

 私はかつて、(プロの)編集者の細部にわたる指摘を全て取り入れ、しかしその割に作品が面白くならなかったことがあるので、細かな箇所を変更するだけでは作品の面白さは改善しないのではないかと考えるようになりました。
 編集者の人は気を使ってくれているのか、親切に「ここをちょっと直せば面白くなると思うよ」などと言ってくれるのですが、実はそのようなマンガは細部を調整してもどうにもならない場合が多いのです。
 要は基礎工事からダメ。細部を直したってどうにもならないという作品は、基礎工事に問題がある住宅がゆがんで、そのたびに微調整してもきりがないのと同じで、問題の根本的な解決にはなりません。ちょっと名残惜しいですが、大ナタをふるって大手術するしかないのです。
 例えば、絵を描く人なら解ると思うのですが、絵とは全体の調和を第一とします。似顔絵を描く時に、いくら顔のパーツパーツがその人のものに似ていても、全体のバランスが崩れているのなら似ていないのと同じで、マンガも物語の「骨格」が大切なのだと思います。

 よって骨格(中核)がしっかりしていて、はじめて外観(細部)の面白さが成り立つのですが、マンガを読む人は別に作り手じゃないので、マンガの骨格なんか意識せずに表面をなぞって楽しみます。しかしその面白さの秘密は、外観でなくその内部に宿っているのだと思います。
 ここで言う中核は、その作品の「ルール」と言い変えてもいいかもしれません。例えば、スポーツ漫画にしても、バトル漫画にしても、福本伸行さんのギャンブル漫画にしても、それが面白いのは、作品を貫くルールが明確だからなのではないでしょうか。そのルールが、ぶれていないマンガは理解しやすいし、安心して楽しめるというか。
 従って、面白いマンガの要素の一つとして「ゲーム性」が挙げられると思うのです。ゲームには絶対的なルールが必ず存在します。そのルールに基づき、キャラクター達が戦略をとっていく・・・煎じ詰めれば、面白いマンガの話とはそういうことなのではないかと私は思いました。

 そもそも人生だって、見えないルールをどれだけ理解し振舞うかが重要な気もしますし。自然科学だって、自然における普遍的ルールの追求ですよね。「ゲーム理論」って合理的すぎてあまり好きじゃないんですけど、まあ、世の中にルールがある以上、ゲームっちゃゲームですね。結局のところ。

『芸術による教育』の要約⑪

 やった~!!完成だ!壊れて抜けた個所もこれで埋まりました。本当ならば先週完成していたんですけど、まあできたからいいや。

11.「第11章 必要な革命」要約
 第11章は本書のまとめである。リードは本書で述べたような、芸術を基礎とするラディカルな教育システムを実行することは、社会的な革命を起こすことと同じであり、革命に伴う困難は、理想主義と、現実を和解させることでも、理論と実践を和解させることでもなく、規律と自由を和解させることであり、社会秩序と民主主義を和解させることだと論じている。
 そして「あらゆる人が特別な種類の芸術家であり、その創造的な活動、その遊びや仕事(自然な社会では、仕事と遊びの心理に区別があるべきではありません)において、自分自身を表現する以上のことをしているのです。その人は、私たちの共通の生命が、その展開において取るべき形を示しつつあるのです」(1)と議論を締めくくっている。


1.ハーバート・リード著 宮脇理 岩崎清 直江俊雄訳『芸術による教育』(フィルムアート社2001年)「第11章 必要な革命」352ページ

『芸術による教育』の要約⑩

 第10章は、何と6ページ程しかありません。

10.「第10章 環境」要約
 ここでは、教育は適切な世界の選択であり、教師は子供とその環境の調停者であるというブーバーの主張に基づき、芸術教育における適切な環境、つまり学校のモデルを提案している。望ましい学校の法則としてリードは、「学校の提供する環境は、人工的であってはならない」「学校が、心地よい比率や調和的な色彩をつかさどる単純な法則を満たすべきである」「学校は工房であって美術館ではない。創造的活動のセンターであって、学問の為のアカデミーではない」「環境は、行動の自由、歩きまわる自由を保障するものでなくてはならない」などの条件を挙げ、その具体的事例として、実際的で機能的で、かつ美しいモデルであるケンブリッジシャー州のインビントンにあるヴィレッジ・カレッジを紹介し、その設計図を掲載している。

『芸術による教育』の要約⑨

9.「第9章 教師」要約
 この章でリードは、芸術教育の教師の理想を、教育における創造性を重視するオーストリアの哲学者マルティン・ブーバーの主張を引用することで考察している。
 リードは、教師と生徒のあるべき関係を、師匠とともに暮らし、知らず知らずのうちに直接的な人生の奥義を学ぶような師匠と弟子の関係に例え、教師はこのように、「あたかも意識していなかったように」行動するべきであると述べている。リードが理想とする教師は自分自身を教育し、メタ認知する。これは自分自身と孤独に向き合うのでなく、意識的に周囲の世界に自分を関わらせることであり、生徒の教育は常に教師の自己教育につながるのである。さらに教師とは個人と環境を結びつけるもの、調停者(産婆役)であり、感覚の働きによる無意識の社会的統合を欠いてはならないとも付け加えている。
 リードは教育者ではないが、『芸術による教育』執筆準備の際に、多数の学校を訪問し授業を観察したという。そこで導き出された結論とは、教育の最高の結果は、指導体系や教師の学問的な資格とは関連してはいないということ。そして優れた教育的成果は、学校あるいは学級における教師の「包容」の才能による、子どもたちとの共感的な雰囲気を作り出すことにかかっているということなのである。
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