解析学覚え書き④

対数微分法
対数は表現の仕方を変えた指数のこと。
いつもは底の右上に小さく控えている指数が、対数関数では方程式の左辺に陣取りメインキャストに昇格しており、右辺のロガリズム(log)を使ってその値を求められるようになっている。つまり対数関数は、指数関数の逆関数である。

まずは基本ルール。
logの微分.jpg

①底が変数で指数が定数の場合
対数微分法①.jpg

②底が定数で指数が変数の場合
対数微分法②.jpg

③どちらも変数の場合
対数微分法③.jpg

例題1
対数微分法例題①.jpg

例題2
対数微分法例題②.jpg

例題3
対数微分法例題③.jpg

解析学覚え書き③

逆三角関数の微分
解析学覚え書き①の復習コーナー。アークコセカントの微分の問題だけ通分がやたら面倒くさい。ケアレスミスを誘う、げに恐ろしき問題よ。

アークサインの微分
アークサインの微分.jpg
例題1
アークサインの微分①.jpg

例題2
アークサインの微分②.jpg

アークコサインの微分
コサインの微分と同様でアークサインの微分の符号を変えるだけ。
アークコサインの微分.jpg
例題
アークコサインの微分①.jpg

アークタンジェントの微分
アークタンジェントの微分.jpg
例題1
アークタンジェントの微分①.jpg

例題2
アークタンジェントの微分②.jpg

例題3
アークタンジェントの微分③.jpg

アークコセカントの微分
コセカントの逆関数はarccosecと言うのだろうか。なげえ!
アークコセカントの微分.jpg
例題
アークコセカントの微分①.jpg

解析学覚え書き②

三角関数の微分
まず半径=1の単位円上では
sinθはy/1でy(縦)
cosθはx/1でx(横)
tanθはy/xでグラフの傾きになる。

微分で求める導関数(二つの点の間隔を極限まで小さくして求めるグラフ)は円の接線になるので、θのグラフと導関数は直角でクロスすることになる(円の接線は円と垂直に接する)。

したがって三角比を微分するとサインとコサインの位置関係が90°ずれるので

sinθ′=cosθ
cosθ′=-sinθ(増減関係がcosθと逆だから)

さらに
-sinθ′=-cosθ
-cosθ′=sinθ
となり、4回微分すると90°×4で一周してくる。

ちなみにタンジェントの微分だけは図で説明しているテキストがなぜかなくて、サインとコサインは図で表すと割と簡単なんだからタンジェントも行けるだろ、と絵を描いて考えてみました。
確かにサインコサインに比べてちょっと面倒くさいんだけど、中学三年生の相似の知識で行けるし、私みたいなのはビジュアルがないときついのでレッツ正接。

タンジェントの微分①.jpg
まずタンジェントの微分(tanθ′)の位置を確認。タンジェントは単位円上では底辺1の直角三角形の高さを担当するので、赤い線のあそこになります。

△OABと△OCDは相似なので
OB:OD=OA:OC
1:X=cosθ:1
cosθX=1
X=1/cosθ
よって
OD=1/cosθ

次に図のD~D′のディファレンチエーションしてるところをクローズアップする。
タンジェントの微分②.jpg
最初の図の△OCDと、クローズアップした図の△DED′は相似なので
ODとDD′は対応している。
よって
OD=1/cosθから
DD′は1/cosθの微分
DD′=dθ/cosθ

さらに△OCD∽△DD′Fでもあるので
OD:DF=OC:DD′
1/cosθ:tanθ′=1:dθ/cosθ
tanθ′=(1/cosθ)×(dθ/cosθ)
tanθ′=dθ/cosθ²
よって
tanθ′=1/cosθ²

まとめ
sinθ′=cosθ
cosθ′=-sinθ
tanθ′=1/cosθ²


ちなみに
サインの逆数をコセカント(cosec)
コサインの逆数をセカント(sec)
タンジェントの逆数をコタンジェント(cot)

という。
よって
tanθ′=1/cosθ²=secθ²

また三平方の定理より
sinθ²+cosθ²=1
各項をcos²で割ると
sinθ²/cosθ²+cosθ²/cosθ²=1/ cosθ²
sinθ/cosθ=tanθより
tan θ²+1=1/ cosθ²

というわけで
tanθ′=tanθ ²+1

統計学覚え書き③

 テス勉コーナー。今年中に数学終わるといいなー。

相関係数
なつかしき統計学覚え書き①の復習問題。
相関係数=共分散÷(標準偏差X×標準偏差Y)

例題1:牧草の給水量と収量の相関係数
5か所の実験農場で給水量と1エーカー当たりのムラサキウマゴヤシ草の収量を調べたところ次のようであった。
牧草.jpg
このとき、給水量と収量の相関係数を求めよ。

給水量の平均X ̄=24   給水量の分散S²X=72   給水量の標準偏差SX=8.49
収量の平均Y ̄=6.488   収量の分散S²Y=1.018   収量の標準偏差SY=1.01

給水量と収量の共分散SXYは
牧草の共分散.jpg
≒8.46

相関係数は
牧草の相関係数.jpg
≒0.98

例題2:新生児の身長と体重の相関係数
ある病院で生まれた新生児5人の身長と体重を計測したところ、 次のようであった。
新生児.jpg
このとき、身長と体重の相関係数を求めよ。

身長の平均X ̄=47.6  身長の分散S²X=5.44   身長の標準偏差SX=2.33
体重の平均Y ̄=2606  体重の分散S²Y=330104  体重の標準偏差SY=574.55

身長と体重の共分散SXYは
新生児共分散.jpg
=1254.4

相関係数は
新生児相関係数.jpg
≒0.94

不偏推定量
標本調査の際、母集団と比較してバイアスがかかっていない平均や分散のサンプルを普遍推定量という。
具体的に言うと、サンプルの平均の平均が母平均になる、もしくは、サンプルの分散の平均が母分散になる。

母平均の不偏推定量=X ̄
母分散の不偏推定量=n/n-1×分散(σ²)


例題1:ヘリコニア・ビハイの花の長さ
ドミニカ島に生息するヘリコニア・ビハイ(熱帯雨林に生える高さ4mくらいの多年草)を無作為に10個選び、花の長さを計測したところ、

47.12 46.75 46.81 47.12 46.67 47.43 46.44 46.64 48.07 48.34(mm)

であった。
花の長さの母平均・母分散の不偏推定量を求めよ。ただし、花の長さは正規分布に従うものとする。

n=10
X ̄=47.139
S²≒0.36

よって
母平均μの不偏推定量は47.139mm
母分散σ²の不偏推定量は10/9×0.36=0.4mm²

例題2:新生児の体重
ある病院で生まれた新生児の8人を無作為に選び、体重を計測したところ

2250 3525 3005 1930 2325 1955 2725 4100(g)

であった。
新生児の体重の母平均、母分散の不偏推定量を求めよ。ただし、新生児の体重は正規分布に従うものとする。

n=8
X ̄=2726.88
S²≒527443.36

よって
母平均μの不偏推定量は2726.88(g)
母分散σ²の不偏推定量は8/7×527443.36=602792.41(g²)

母平均の区間推定

例題1:瓶詰め食品①
瓶詰されている食品の内容量を調べたところ、

307 304 305 308 302 303 304 305 307 310 (g)

であった。
このとき、この瓶詰されている食品の内容量の母平均を信頼水準95%(α=0.05)で推定しなさい。ただし、食品の内容量は正規分布に従っているとする。

n=10 X ̄=305.5  S²=5.45 S=2.33
自由度(1,9)、α=0.05のF分布の表で確認するとF=5.12

n、X ̄、S、Fを区間推定の式に代入すると
缶詰①.jpg
よって
303.74<μ<307.26

例題2:瓶詰め食品②
瓶詰されている食品の内容量を調べたところ、

455 456 455 452 453 458 453 455 451 458 (g)

であった。
このとき、瓶詰されている食品の内容量の母平均を信頼水準95% (α=0.05)で推定しなさい。 ただし、食品の内容量は正規分布に従っているとする。

n=10 X ̄=454.6 S²=5.04 S=2.24
自由度(1,9)、α=0.05のF分布の表で確認するとF=5.12

n、X ̄、S、Fを区間推定の式に代入すると
缶詰②.jpg 
よって
452.91<μ<456.29

帰無仮説
仮説検定にかけて間違っているかどうか調べる仮説のこと。背理法に近い。♪豚キム豚キム~!
仮説検定の手順は以下のとおり。

①帰無仮説H0を立てる。
Hは「仮説」という意味の英単語のハイポセシスの頭文字。

②データの数(n)、データの平均(x ̄)をまとめる。

③分散(σ^2)を求める。
(データの平均-個々のデータ)^2をデータの数だけ全て足したものをnで割る。

④標準偏差(分散の平方根)を用いて検定統計量を求める。
全数調査が可能で母集団の分散が分かっている場合はz検定、手持ちのサンプルでしか分散が出せない場合はt検定を使う。

z検定の場合(変数が二択のもの。正規分布を用いる)
Z検定.jpg

t検定の場合(変数が連続的なもの。t分布を用いる)
T検定.jpg

⑤分布表を使ってその仮説が正しい確率を判定する。

例題1:男子高校生(3年)の平均身長は本当に165cmなのか
17才男子の平均身長は165cmといわれている。ある高校の3年生10人を無作為に選び身長を測定したところ次のようであった。

170.1 164.1 166.3 166.8 173.4 162.1 169.3 170.6 161.7 172.3 (cm)

この高校の3年生男子の平均身長は165cmであるかどうかを危険率 5%で検定せよ。ただし3年生男子の身長は正規分布に従うものとする。

①帰無仮説は「平均身長が165cm(μ=165)」

②n=10、x ̄=167.67

③分散は
例題1分散.jpg
なので電卓を使って計算すると15.3461

④標準偏差は
σ=s≒3.917
t検定の式にμ=165、n=10、x ̄=167.67、s=3.917を代入して
例題1t検定.jpg
≒2.0449

⑤自由度=10-1=9、危険度α=5%(両側2.5%)のt分布の表で確認すると
±2.262が棄却点なので2.0449は棄却されない。
よって高校三年生の男子の平均身長は165cmという仮説はこのデータでは覆せない。

例題2:入浴は血圧に影響を与えるのか
20才女性10人を無作為に選び、入浴後の最高血圧と安静時の最高血圧の差を求めたところ、 次のようになった。

16 4 8 2 10 -6 -4 12 8 10

このとき、入浴後の最高血圧と安静時の最高血圧の母平均に差があるかどうかを危険率5%で検定せよ。ただし最高血圧は正規分布に従うとする。

①帰無仮説は「入浴後の最高血圧と安静時の最高血圧の差は変わらない(μ=0)」

②n=10、x ̄=6

③分散は
例題2分散.jpg
なので44

④標準偏差はs≒6.63
t検定の式にμ=0、n=10、x ̄=6、s=6.63を代入して
例題2t検定.jpg
≒2.71

⑤自由度=10-1=9、危険度α=5%(両側2.5%)のt分布の表で確認すると
±2.262が棄却点なので2.71は棄却される。
よって入浴後の最高血圧と安静時の最高血圧の母平均には差がある。

例題3:赤血球を減らす餌は本当に効果があるのか
次のデータは10匹のラットを5匹ずつに分け、群Bには普通の餅をあたえ、群Aには血中の赤血球数を減らすと考えられている餅を与えた場合の血液1ml中の赤血球数である。

群A:7.97, 7.66, 7.59, 8.44, 8.05
群B:8.06, 8.27, 8.45, 8.05, 8.53


このとき、赤血球数を減らす食餅の効果があるかどうかを危険率5%で検定しなさい。ただし、赤血球は正規分布に従うとする。

①帰無仮説は「餌に赤血球数を減らす効果はない=二つの群の母分散は同じ」

②群A:n=5、A ̄=7.942 群B:n=5、B ̄=8.272

③分散は
群A
例題3①.jpg
=0.092776

群B
例題3②.jpg
=0.038496

④二つの群の分散を比べるのでF分布の式に群AとBの分散を代入する。
例題3③.jpg
≒2.41

⑤自由度(4,4)、危険度α=5%(0.05)のF分布の表で確認すると
6.3882なのでF=2.41は棄却されない。
よって餌に赤血球数を減らす効果はない。

例題4:落花生の調理法によって体重の増加量に差はあるのか
次のデータは10匹のラットを5匹ずつに分け、群Aには生の落花生を与え、群Bには炒った落花生を一定期間与えて体重の増加を調べたものである。

群A:62 60 56 63 56
群B:57 56 49 61 55


このとき、生の落花生を食べていたラットの体重増加量と炒った落花生を食べていたラットの体重増加量に違いがあるか危険率5%で検定しなさい。

①帰無仮説は「落花生の調理法は体重増加量に関係しない=二つの群の母平均は同じ」

②群A:n=5、A ̄=59.4 群B:n=5、B ̄=55.6

③分散の分子の部分はそれぞれ
群A
(62-59.4)²+(60-59.4)²+(56-59.4)²+(63-59.4)²+(56-59.4)²
=43.2 

群B
(57-55.6)²+(56-55.6)²+(49-55.6)²+(61-55.6)²+(55-55.6)²
=75.2

したがって、ふたつの群の分散を合わせた推定値S²は
(43.2+75.2)/(5+5-2)
=118.4/8
=14.8

よって
S=3.85

④独立な二群のt検定の統計量を求めると
例題4③.jpg
≒1.56

⑤自由度=10-2=8、危険度α=5%(両側2.5%)のt分布の表で確認すると
±2.306が棄却点なので1.56は棄却されない。
よって落花生の調理法は体重増加量に関係しない。

数学史覚え書き

 「自由と平等の国」アメリカの憲法が、教育を受ける権利を国民の基本的人権として保障していないことをあなたはご存知だろうか。実際最低限の教育を受けられない子どもも多く、アメリカは国連が採択した子どもの権利条約も批准していない。
 二〇一五年になって南スーダンとソマリアが相次いで批准したため、国連加盟国一九三ヵ国中、署名しておきながら未だに批准していない国はとうとうアメリカだけとなった。『崩壊するアメリカの公教育~日本への警告~』6ページ


 ご無沙汰しております。季節もすっかりオータムとなり毎年恒例の体調不良です。最近もいろいろと面白い本や映画はあったんだけど、ブログでまとまった記事にする体力と根性がなくなりつつあって、とうとう今日まで更新できずにいました。
 それでも鈴木大裕さんの『崩壊するアメリカの公教育~日本への警告~』は、マイケル・ムーア監督の『キャピタリズム~マネーは踊る~』に匹敵する衝撃を受けたから、この場を借りてご紹介。まずは、そんなインパクト受けたての当時のツイートが残っているのでご覧下さい。

 『崩壊するアメリカの公教育』一気読み。アメリカ公教育のニューパブリックマネジメントの話。ハリケーンカトリーナで壊滅したニューオーリンズの公立学校をそのまま潰して、民間のチャータースクール(認可制の学校。業績が悪いと認可が取り消され廃校になる)にしちゃったとか、統一テストにスポンサーがついちゃっているとか、幼稚園児に手錠とか驚愕の事実続出!

 経営学的な経費節減で言えば、大学で教員免許を取得した「プロの教員」より、5週間の研修を受けただけのバイトの方が安く済むし、さらに賃金の安い発展途上国から教師を大量に引っ張っちゃうほうがいい。フォードがこの手法で自動車産業に革命を起こしたけど、それの教員バージョンなわけだ。教師は誰にでもできる、と。

 じゃあこういう先生は生徒指導はできるのかって話だけど、生徒指導は武装した警察に任せちゃうので問題ないらしい。小学生でも幼稚園生でも反抗的な子どもは犯罪者予備軍ってことでゼロトレランスでしょっぴいちゃう。小さい子は手錠がゆるいので、手首じゃなく上腕部にかけるんだってさ、ohボーイ。

 そんな感じで貧しい地域の学校に通う、黒人、知的障害者、低学力の子どもは、学力テストの点数という一元的な尺度で容赦なく切り捨てられる一方、富裕層の通う学校では、文学や美術、音楽など、テストの点数に直結しない分野も含んだ多元的で豊かな教育を受けているという逆転現象も考えさせられた。


 ・・・あらためて思うと、やべえな、資本主義のアメリカやべえなっていう。しかもこういった教育産業の市場化、合理化(コーポラトクラシー)ってイギリスのサッチャー政権でも既に試みられたし、そのサッチャーの教育政策を著書で高く評価しているのが、なにを隠そうイエッス安倍さんだからね。そしてそんなアベっちの余計なお世話な制度のせいで私は来年度から再び大学で講習を受けるのであった。

 つーか、自由な市場競争は経済的にはいいことなのかもしれないけれど、アダム=スミスも指摘するように、この手のレースには公平かつ一元的なルールが必要なわけで、ほいでそれは得てして数値的な客観的データになりがちなんだけど、教育っていうのは言ってみれば複雑系なわけで、数値に変換される際にスポイルされる部分がすごい重要だったりするわけだっていう。
 そういう今まで私が懸念していた案件について「ああ、やっぱりそうか。そうなるわな」って事例を紹介してくれたのが、この本なわけです。
 だいたい学校などには個々のご家庭に関するプライベートな情報の守秘義務があるわけで、全部アカウンタビリティなんてやれるもんならやってみろって話なんだよ。

 こういう無理くりな価値観の一元主義に対するアンチテーゼは当然アメリカにもあるわけで、この前鑑賞したクリント・イーストウッド監督の『ハドソン川の奇跡』がめっちゃそういう内容なのが面白かった。
 欧米と日本のビジネスの仕方で大きく異なるのが、客観的なデータを重視するか、それとも主観的な感覚や経験を重視するかだって言われていたんだけど、アメリカの映画でめっちゃ後者を主張する作品って珍しいなっていう。まさに職人礼賛の映画なんだ。シミュレーションや数値的なデータを過信しすぎるばかり、人的なファクターを軽視するのは我慢ならんっていうカタルシス。
 つまり、一言で言うと
 
 万国の数学嫌いよ、団結せよ!

 ・・・ってことで、今回は数学の歴史のお話です(なんつー前フリ)。
 理科の教科書とかには巻末資料で科学の歴史の年表とかあるけど、数学ってそういや見たことないなってことで、小中高で習う定理や公式を中心に作成してみました。

古代

古代エジプト
世界最古の数学の書物アーメス・パピルスに方程式的ななぞなぞが残されている。
またナイル川の氾濫による土地の所有権争いから、測量術や天文学が発展。
ロープの長さを3:4:5にわけて直角三角形を作っていたらしい。
全国の数学嫌いの最初の関門の分数もこの時にはすでにあった。

古代メソポタミア
60進法を開発。円周率も3.1くらいだと計算していた。
そろばんも作られた。

古代インド
無限の概念や、数列の規則性を表す式である漸化式も作られる。
インドのピンガラは紀元前300年頃にゼロを発明した。

古代中国
紀元前1世紀あたりの『九章算術』という数学の本において、平方根や立方根、負の数や方程式が登場。ちなみに方程とは「右と左を比べる」という意味で、この本の中国語に由来する。

古代ギリシャ

タレス
相似の考えを使ってピラミッドの高さを測る。
また、円に内接する直角三角形の斜辺は直径だというタレスの定理を考えた。

ピタゴラス
万物の根源は数だと言った人。
竪琴の調律(ピタゴラス音階)などから、この世界は整数と分数で出来ていると高らかに宣言したが、外ならぬ彼のピタゴラスの定理から弟子が無理数(平方根)を見つけてしまった。

ゼノン
ストア派の哲学者。アキレスとカメの例え話を使って空間や時間を無限に分割することを批判した。また「AはBである」を証明するために、あえてその逆の「AはBでない」の矛盾を検証する背理法も考えた。

ユークリッド
幾何学をしっかりまとめた最初のテキスト(原論)を作る。小中で習う図形分野、また高校の三角比や正弦定理、余弦定理はだいたいここで完成している。
ユークリッドは素数の数は無限にあることも発見した。

アルキメデス
円の面積を非常にたくさんの角がある多角形と考えて計算する取り尽くし法(積分的アイディア)で求め、円周率を計算する。

ヒッパルコス
星の明るさのグレードを作った天文学者。三角測量の実績から、角度と弦の対応表を作成。

プトレマイオス
地理学者。円の一周の角度を一年365日に基づいて360分割する。
三角関数の加法定理も考えた。

1~10世紀

ディオファントス
アレクサンドリア(エジプト)。方程式をはじめとする代数学をまとめる。中学校ではディオファントスの一生という方程式の文章問題で有名。

パッポス
アレクサンドリア(エジプト)。双曲線や放物線を分類。回転体の表面積や体積の求め方という数Ⅲ的な内容を考えた。

ブラフマーグプタ
インド。7世紀あたりに二次方程式の解の公式を作り、以後全国の中学三年生が強制暗記させられる羽目になった。

フワーリズミー
ペルシャ。ゼロを小さい○である0で表すこと紹介。この時のアラビア式の計算法がアルゴリズムの語源。

バッターニー
ペルシャ。正弦、余弦、正接をsin、cos、tanを用いて表したパイオニアだと考えられている。

ジェルベール
フランス。インド・アラビア数字の1~9をヨーロッパに紹介。
また10~11世紀あたりに分数の表記に例の横棒がアラビアに倣って使われだす。
割り算のマークである÷もこのあたりの時代だが作者不詳。

中世

ウイッドマン
ドイツ。+と-のマークを考える。

フィボナッチ
イタリア。自然界でよく見られるフィボナッチ数列で有名。現在の小学校から中学校あたりまでの計算方法をまとめる。

ルネサンス(14~15世紀)

ルドルフ
ドイツ。平方根を示すマークを、スクエアルーツの「ル」の字(r)を変形させてとした。

大航海時代(16世紀)

カルダノ
イタリア。複素数と確率論の創始者。三次方程式や四次方程式の解を紹介。

ネイピア
スコットランド。自然対数を作る。

オートレッド
イギリス。掛け算のマークの×と、非常に面倒な計算を対数の原理を利用させ大雑把に求めるひみつ道具の計算尺を作る。

科学革命(17世紀)

デカルト
フランス。文字式をxとyのグラフとして表すデカルト座標を開発。解析学ができるきっかけを作る。
また未知数はアルファベットの最後の方(x、y、z)、既知数はアルファベットの最初の方(a、b、c)としたのも彼で、さらに指数も彼の表記方法が一般的だが二乗だけはxxと表記していた。

カバリエリ
イタリアのボローニャ大学教授。円柱と円錐と半球の体積におけるカバリエリの定理。最近では中1ですでに習う。
また、線の長さの比と面積の比が二乗になっていることを見つける。

フェルマー
フランス。ディオファントスの『算術』に意味深なメモを残し、のちの数学者たちの人生をメチャクチャにする。

メルカトル
デンマーク。軍用の航海図の人のイメージがあるが、双曲線の面積を求めようとした際にベキ級数展開を考える。

ウォリス
イギリス。虚数の発見。物理では運動量保存の法則。

パスカル
フランス。賭博についてのフェルマーとのメールのやり取りで“同様に確からしい”という確率論の前提を考え、それを発展させる。また、数学的帰納法を完成。

ホイヘンス
オランダ。確率における期待値(平均値)。遠心力の発見。

近代化(18世紀)

ニュートン
イギリス。物理学(運動の変化の割合)の研究から微分法を考案。

ライプニッツ
ドイツ。微分法を使って曲線の極大・極小を求める。
また微分の逆の計算が積分だったということに気づく。
座標や関数などの用語も考案し、さらに二進法や計算機も開発。すごい。

ド・モアブル
フランス。1733年に正規分布を発見。

ベイズ
イギリスの牧師。1761年に最近話題のベイズの定理を考案。

19世紀

ガウス
ドイツ。1811年に複素数平面を考える。

ラプラス
フランス。1814年に古典的な確率論を本にまとめる。

ガロア
フランスの革命家。生き様がハチャメチャで面白い(女絡みの決闘でハタチで死んじゃう)。
1832年に群論を考案し五次以上の方程式では解の公式が作れないことを証明、のちの科学(相対論や量子力学など)を大いに発展させる。

リーマン
ドイツ。1859年に素数の分布の規則性に関するリーマン予想。ちなみに今だに未解決。

20世紀

ピアソン
イギリスの優生学者。全数調査を確立。ヒストグラムも考案。

フィッシャー
アメリカの経済学者。標本調査を確立。

フォン・ノイマン
アメリカ。1928年にゲーム理論を考案。40年代にはコンピューターを使って円周率を2000桁まで計算する。ちなみに現在ではスパコンで1兆桁くらいまで計算ができる。

ゲーデル
チェコ。1931年に、ある公理はその公理の正しさをその公理の枠組みだけでは証明できないという不完全定理を導く。

ワイルズ
イギリス。1994年に人生を懸けてフェルマーの最終定理を解く。
フェルマーの最終定理とは、ピタゴラスの定理は指数が2だが、これが3以上では絶対に不可能だという証明。何と360年近くかかった。

21世紀

ペレルマン
ロシア。2003年にポアンカレ予想を解く。終わりのない二次元的な曲面のある一点からロープを伸ばし、元の点に戻るとき、そのロープを引っ張ってひっかからずに回収できれば、その曲面は球面と同じであるが、それは三次元でもそうなのか?という問題。

 こうしてまとめると、小学生で習う計算の表記法がわりと歴史的には後で作られたことがわかるな。易しい分野が必ずしも古くから発見されているわけじゃないっていう。むしろちびっこにもわかるような説明の仕方こそ最も難しいのかもしれない。若かりし頃にピカピカの小学1年生に足し算教えたことあるけど、地獄だったもんな。ゲーデルの定理を痛感したよ。
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