舛添要一さんと言ったら、descf氏の漫画で召喚された際には、バリア魔法などを操り主人公を助け、「市川由衣が見たい」と言ったら彼女に女装もしてくれる、強く優しいキャラが印象的ですが・・・(descf氏悪乗りしすぎ!でも市川由衣さんと舛添さんは顔立ちが似てると言ったのは私)
なんでも「今、総理に一番なってほしい人」だとは知りませんでした。誰が言ってるんだろう・・・?
でも総理になるには第一党(与党)の党首にならないといけないわけで、自民党を離党しちゃったら総理になれないと思うのですが・・・
そもそも舛添さんは谷垣さんを批判し、谷垣さんの後任として自民党総裁になりたかったんだけど、党内の風向きが意外にアゲンスト、向かい風になっちゃったのは予測していなかったのかもしれません。
本人は「谷垣じゃ総裁はダメだ!執行部刷新!」と言ったら、周囲が「そうだ、そうだ!」と言ってくれることを期待したんだと思うのですが、それが若手にすら賛同が得られなくて、離党、新党立ち上げになっちゃったような気がします。
こうなると「総理になってほしい人ランキング」から大きく順位を下げるのは必然です。世論は「現状で総理になる可能性がある人の中で、総理になってほしい人」を投票するわけですから党内に基盤を失い追い出されちゃった人じゃ、ちょっとイメージも下がるんじゃないか?
舛添さんは形だけでも「いまは自民党が最も苦しいとき。私が谷垣さんを命がけで支える!」とか振舞った方が好感度は上がっただろうに・・・
でも党の中は一体どうなってるんだろう?そんなに執行部は融通がきかないのかなぁ?傍から見てると、過去最高に何でも相談できる雰囲気のような気もするけど。
鳩山総理といい、谷垣さんといい、なんだかんだ言って優しそうですからね。
『ターミナル・マン』
2010-04-22 17:11:24 (13 years ago)
そこまで長い話じゃなかったので数時間で読めちゃいました。
今回作者のマイクル・クライトンが取り上げたのは脳科学とコンピューター。私は生物学が好きなのですが、いまいちピンと来ないのが、この意識や精神と、脳をはじめとする神経系との相関性。
もちろんそれを否定しているわけでは全くありません。茂木健一郎さんのように、「クオリアうんぬん」と、科学から観念――哲学の方向に行きたいわけでもないです(私は脳科学者の茂木さんが、その理屈が“科学”と言うにはあまりにも曖昧な為、いまいち好きではありません)。
結論から言って、私は頭が悪いので正しくこの科学を理解するのが難しいのです。作中でこんな件があります(文庫版270ページ)。
現代(※とはいえこの作品が書かれたのは1971年であることを留意してください)の電子計算機、たとえば、第三世代のIBMデジタルコンピューターの価格は、数百万ドルにつく。それは莫大な電力を消費する。広い場所を占領する。そのくせ、最大のコンピュータでも、アリの脳と同程度の回路数しか備えていない。人間の脳の容量を持つコンピュータをつくろうものならば、巨大な摩天楼になってしまうだろう。
40年経った現在のコンピュータは言うまでもなく、この当時とは比べ物にならないほど容量が大きくなり、それと反比例するように機器の大きさは小型化しています。
93年の『ジュラシックパーク』時でさえ、恐竜のCGを計算するコンピュータは、一部屋つかって筺体の群れが占拠していました。
これは量子力学、半導体工学、そしてナノテクノロジーの研究進歩によるものですが、作中出てくる、患者に埋め込んだ精神制御超小型コンピュータはまさにその「はしり」であり、クライトンは、電気自動車といい、GPSといい、衛星携帯電話といい、いつも30年近く先の時代を行っちゃってますw。
私は精神と神経の境界は不可分だと思っていて、だから「フロイトが神経症、ユングが精神病を主に手掛けた」と言っても、その違いが明確に理解できません。
というか、説明を聞いても納得できません。それは「神経症」と「精神病」という日本語の言葉が悪いと思います。
たとえば、本書に出てくるコンピュータによって精神制御を受けることになる患者のベンスン氏は、医学的には「精神病」です。
コンピュータの研究者の彼は、交通事故がきっかけで側頭葉を損傷し、「発作」的に普段の意識がなくなり、狂暴な振る舞いをするようになってしまいました。
ややこしいのは、このように神経系に物理的な異常があって起きる場合、それは「精神病」で(うつ病や多重人格もこっち)、特に脳に異常がないのに不安感や緊張感、圧迫感などに襲われるのが「神経症」だということ。
・・・これって逆の方が解り易くないですか?(ただ最近は研究が進み、この二つに大きく分類することはあまりない。あくまでも便宜上。)
この作品の面白い点は、人に危害を与える精神的発作を制御するために「心臓発作と同じく機械で直そう」と医師に「心のペースメーカー」を組み込まれた患者が、そのペースメーカーに“よって”殺人を起こしていくことです。
このくだりがとっても怖い。相変わらずクライトンは、どこまでが実際の研究か分からないようなリアルなSFガジェットで、読み手をゾッとさせるのが巧いです。
どういうことかと言うと、「電撃嗜好者(=エラッド)」という発想があって(130ページ。本当にある考えか分からないけど)、これは覚せい剤に手を出した人が薬への依存が止められないように、脳への電気刺激の際に生じる快感に依存しまうことを言うそうです。
覚せい剤が何故やめられないかと言えば、あれは本人の意志の弱さでは決してなくて(一回目は意志の弱さと好奇心の強さだろうけど)、お腹がすいたらご飯を食べるし、お腹痛くなったらトイレに行くし、眠くなったらベッドに入るのと同じで、覚せい剤の脳への刺激が、本能行動に匹敵する動機づけになってしまうからです。
で、それと同じくエラッドの実験では、金魚、モルモット、ネズミ、猫、ヤギ、イルカでも電撃中毒症状が確認され、ネズミは寝食を忘れヘロヘロになるまで、電気刺激のレバーを押し続けたと言います。
ベンスン氏の脳に埋め込まれた「心のペースメーカー」精神制御チップは、発作の前兆が起こると、それを察知して脳に電気刺激を送り、発作を相殺させるようになっています。
しかし相殺の際の電気刺激の快感の虜となったベンスン氏は、その電気刺激をわざと起こさせるために発作の回数を増やそうとするのです。
ここから面白くなるぞ!とう感じですが、実はラストはちょっと失速気味で(内緒だよ!)そこらへんは『緊急の場合は』と似ています。ただちょっと地味なだけで、十分楽しめます。なにより設定が面白過ぎて飽きさせません。
逆にナノマシンの話の『プレイ』は後半のアクションパートを過剰に描きすぎて白けちゃったということもあるので、それよりはましかな。う~ん、リアルなSF小説で娯楽としても面白いって難しいですね。
やっぱり『ロストワールド』と『タイムライン』はすごかったなあ・・・
あとはコンピュータと脳の相違点の言及は知っていても面白かった。カントは『純粋理性批判』で人間の認識に限界を設けたけれど、今の科学はすごいですからね。「ア・プリオリなんてぶちこわせ!」と脳を研究しちゃってます。
人間は人間のことを完全には分からない。自分の背中や体内が見れないのと同じだ、と言う話もありますが、人間にはコンピュータが遠く及ばない「想像力――イメージする力」があります。だから鏡や内視鏡、レントゲンをこしらえちゃうわけです。
現在の脳の研究は面白く、私も『超音速ソニックブレイド』というロボット漫画でいくつかネタを取り入れたくらいです(ホンダのBMIブレイン・マシン・インターフェイス=意識で機械を動かす研究など)。
ただ意識と記憶の喪失が我々の「死」と呼ぶものならば、脳の構造が完全解明されて、コンピュータやバイテクによる「デバイス」で意識の代用が効いてしまうと「死」を乗り越えられちゃいますよね。
いずれ死を選択するような時代になるかもしれません。いや、本当に。
お勧めキャラ:24歳のコンピュータの天才ギャハード。冒頭の「天才だが若く、礼儀知らずの変人」という、キャラ紹介とはことなり、意外と埋め込み手術反対派の精神分析医ロス先生(この人がほとんど主人公格)にとって頼りになるサポート役でナイスでした!好き。
今回作者のマイクル・クライトンが取り上げたのは脳科学とコンピューター。私は生物学が好きなのですが、いまいちピンと来ないのが、この意識や精神と、脳をはじめとする神経系との相関性。
もちろんそれを否定しているわけでは全くありません。茂木健一郎さんのように、「クオリアうんぬん」と、科学から観念――哲学の方向に行きたいわけでもないです(私は脳科学者の茂木さんが、その理屈が“科学”と言うにはあまりにも曖昧な為、いまいち好きではありません)。
結論から言って、私は頭が悪いので正しくこの科学を理解するのが難しいのです。作中でこんな件があります(文庫版270ページ)。
現代(※とはいえこの作品が書かれたのは1971年であることを留意してください)の電子計算機、たとえば、第三世代のIBMデジタルコンピューターの価格は、数百万ドルにつく。それは莫大な電力を消費する。広い場所を占領する。そのくせ、最大のコンピュータでも、アリの脳と同程度の回路数しか備えていない。人間の脳の容量を持つコンピュータをつくろうものならば、巨大な摩天楼になってしまうだろう。
40年経った現在のコンピュータは言うまでもなく、この当時とは比べ物にならないほど容量が大きくなり、それと反比例するように機器の大きさは小型化しています。
93年の『ジュラシックパーク』時でさえ、恐竜のCGを計算するコンピュータは、一部屋つかって筺体の群れが占拠していました。
これは量子力学、半導体工学、そしてナノテクノロジーの研究進歩によるものですが、作中出てくる、患者に埋め込んだ精神制御超小型コンピュータはまさにその「はしり」であり、クライトンは、電気自動車といい、GPSといい、衛星携帯電話といい、いつも30年近く先の時代を行っちゃってますw。
私は精神と神経の境界は不可分だと思っていて、だから「フロイトが神経症、ユングが精神病を主に手掛けた」と言っても、その違いが明確に理解できません。
というか、説明を聞いても納得できません。それは「神経症」と「精神病」という日本語の言葉が悪いと思います。
たとえば、本書に出てくるコンピュータによって精神制御を受けることになる患者のベンスン氏は、医学的には「精神病」です。
コンピュータの研究者の彼は、交通事故がきっかけで側頭葉を損傷し、「発作」的に普段の意識がなくなり、狂暴な振る舞いをするようになってしまいました。
ややこしいのは、このように神経系に物理的な異常があって起きる場合、それは「精神病」で(うつ病や多重人格もこっち)、特に脳に異常がないのに不安感や緊張感、圧迫感などに襲われるのが「神経症」だということ。
・・・これって逆の方が解り易くないですか?(ただ最近は研究が進み、この二つに大きく分類することはあまりない。あくまでも便宜上。)
この作品の面白い点は、人に危害を与える精神的発作を制御するために「心臓発作と同じく機械で直そう」と医師に「心のペースメーカー」を組み込まれた患者が、そのペースメーカーに“よって”殺人を起こしていくことです。
このくだりがとっても怖い。相変わらずクライトンは、どこまでが実際の研究か分からないようなリアルなSFガジェットで、読み手をゾッとさせるのが巧いです。
どういうことかと言うと、「電撃嗜好者(=エラッド)」という発想があって(130ページ。本当にある考えか分からないけど)、これは覚せい剤に手を出した人が薬への依存が止められないように、脳への電気刺激の際に生じる快感に依存しまうことを言うそうです。
覚せい剤が何故やめられないかと言えば、あれは本人の意志の弱さでは決してなくて(一回目は意志の弱さと好奇心の強さだろうけど)、お腹がすいたらご飯を食べるし、お腹痛くなったらトイレに行くし、眠くなったらベッドに入るのと同じで、覚せい剤の脳への刺激が、本能行動に匹敵する動機づけになってしまうからです。
で、それと同じくエラッドの実験では、金魚、モルモット、ネズミ、猫、ヤギ、イルカでも電撃中毒症状が確認され、ネズミは寝食を忘れヘロヘロになるまで、電気刺激のレバーを押し続けたと言います。
ベンスン氏の脳に埋め込まれた「心のペースメーカー」精神制御チップは、発作の前兆が起こると、それを察知して脳に電気刺激を送り、発作を相殺させるようになっています。
しかし相殺の際の電気刺激の快感の虜となったベンスン氏は、その電気刺激をわざと起こさせるために発作の回数を増やそうとするのです。
ここから面白くなるぞ!とう感じですが、実はラストはちょっと失速気味で(内緒だよ!)そこらへんは『緊急の場合は』と似ています。ただちょっと地味なだけで、十分楽しめます。なにより設定が面白過ぎて飽きさせません。
逆にナノマシンの話の『プレイ』は後半のアクションパートを過剰に描きすぎて白けちゃったということもあるので、それよりはましかな。う~ん、リアルなSF小説で娯楽としても面白いって難しいですね。
やっぱり『ロストワールド』と『タイムライン』はすごかったなあ・・・
あとはコンピュータと脳の相違点の言及は知っていても面白かった。カントは『純粋理性批判』で人間の認識に限界を設けたけれど、今の科学はすごいですからね。「ア・プリオリなんてぶちこわせ!」と脳を研究しちゃってます。
人間は人間のことを完全には分からない。自分の背中や体内が見れないのと同じだ、と言う話もありますが、人間にはコンピュータが遠く及ばない「想像力――イメージする力」があります。だから鏡や内視鏡、レントゲンをこしらえちゃうわけです。
現在の脳の研究は面白く、私も『超音速ソニックブレイド』というロボット漫画でいくつかネタを取り入れたくらいです(ホンダのBMIブレイン・マシン・インターフェイス=意識で機械を動かす研究など)。
ただ意識と記憶の喪失が我々の「死」と呼ぶものならば、脳の構造が完全解明されて、コンピュータやバイテクによる「デバイス」で意識の代用が効いてしまうと「死」を乗り越えられちゃいますよね。
いずれ死を選択するような時代になるかもしれません。いや、本当に。
お勧めキャラ:24歳のコンピュータの天才ギャハード。冒頭の「天才だが若く、礼儀知らずの変人」という、キャラ紹介とはことなり、意外と埋め込み手術反対派の精神分析医ロス先生(この人がほとんど主人公格)にとって頼りになるサポート役でナイスでした!好き。
クライトン尽くし!
2010-04-22 00:29:36 (13 years ago)
-
カテゴリタグ:
- 本
塾の帰りに古本屋で、マイクル・クライトンの『大列車強盗』『ターミナルマン』『ジュラシックパーク』『失われた黄金都市』を購入。
この中には、友達に貸して帰ってこないのもあるのですが(『ジュラシックパーク』なんて何回買ったんだ・・・)、『大列車強盗』と『ターミナルマン』は未読なので、見つけた時はかなり嬉しかったです(本当は『ライジング・サン』を探しに行った)。
特に『ターミナルマン』は、物語の大筋だけは知っていて「いかにもクライトンらしいスリラーだな」と、とても見たかったのですが、かなり初期の作品の為どこにも売っておらず(図書館にもなく)現物は今日初めて見ました。ありがたや~。
で、そのことに浮かれててA氏にせっかく頂いた図書券を使うの忘れてました・・・
佐倉統さん、リチャード・ドーキンスの後は、マイクル・クライトンを堪能したいと思います!
この中には、友達に貸して帰ってこないのもあるのですが(『ジュラシックパーク』なんて何回買ったんだ・・・)、『大列車強盗』と『ターミナルマン』は未読なので、見つけた時はかなり嬉しかったです(本当は『ライジング・サン』を探しに行った)。
特に『ターミナルマン』は、物語の大筋だけは知っていて「いかにもクライトンらしいスリラーだな」と、とても見たかったのですが、かなり初期の作品の為どこにも売っておらず(図書館にもなく)現物は今日初めて見ました。ありがたや~。
で、そのことに浮かれててA氏にせっかく頂いた図書券を使うの忘れてました・・・
佐倉統さん、リチャード・ドーキンスの後は、マイクル・クライトンを堪能したいと思います!
高校の範囲まで切り込んできますね
2010-04-21 01:24:31 (13 years ago)
私は塾で中学校の国語、数学、理科、社会、高校の現代文、生物などを個別指導で教えているのですが、なかにはすごい子がいて、私にバシバシ鋭く高度な質問をぶつけてきてくれます。
いや、いろいろ親しく聞いてきてくれる人はかつてもいたんですけど、今回の子は過去最高レベル。すごい頭がキレる子で、かつて高校レベルの数学の質問をぶつけられ当惑した思いがあります。
中学生の理科で細胞分裂を教えたのですが「植物の根っこは細胞分裂がさかんですが、その観察に適している場所はどこでしょう?」という問題で、解答選択肢が「A:根っこの根元部分(上の方)」「B:真ん中」「C:根っこの先端部分(下の方)」とかだったのですが、「B」と解答したんです。
で、「細胞分裂は根の先の方がよく観察できるよ」と言ったら、「この問題のイラストでは細胞分裂の様子をクローズアップしている部分は、根の先っぽじゃない。それなのに何故根の先端なんですか?」と質問。
この問いの切れ味の鋭さは驚きましたね~すごいところに注目しているな、と。
これは「ちゃんと理由を説明した方がいいな」と「ここらへんは高校で詳しくやるんだけど・・・」と一応前置きして「根っこの最先端・・・これは根冠っていうんだけど、これは土を掘り進めるため、スコップのように固くなっていて、ここは細胞分裂しないんだ。細胞分裂をするという事は細胞の赤ちゃんを作るってことだから、そんな生まれたての細胞にこんなガテン系の仕事はさせられないでしょ?」とかそんな感じで解説(怪しい~・・・汗)。
「で、その上が根端分裂組織って言って、スコップの柄の部分を伸ばしているんだ」みたいに言ったら、納得してくれました。ちなみに「根端分裂組織」とか専門用語は実際には使っておりません。
あまり調子こいて高校の生物の内容をペラペラしゃべると上司の人に「あまり難しいことを話し過ぎないでください」って注意されてしまうので(前の予備校はこれでクビになったw)、生徒の知的好奇心と自己保身の間で折り合いつけてます・・・
質問する本人は結構目を輝かせて聞いてくれるから、ついウンチクりたくなるんですけどね・・・別に授業に関係ない話ではないし。
あと「植物細胞って葉緑体持っていないのもあるんですか?」という質問もすごい破壊力。このまま好奇心をなくさないでほしいなあ・・・
あ、答えは「あります。」葉緑体は光を受容する緑の色素体で、例えば玉ねぎの表皮の細胞にはありません。玉ねぎは根なんで。
もちろん色素体の分化「うんたらプラスト」の話は割愛。またクビになるから・・・(とはいえ今の塾は7年お世話になっています)
あと葉緑体が無くても光合成をする生物もいます。ここらへんは「バイオロジー」ですこしふれました。
いや、いろいろ親しく聞いてきてくれる人はかつてもいたんですけど、今回の子は過去最高レベル。すごい頭がキレる子で、かつて高校レベルの数学の質問をぶつけられ当惑した思いがあります。
中学生の理科で細胞分裂を教えたのですが「植物の根っこは細胞分裂がさかんですが、その観察に適している場所はどこでしょう?」という問題で、解答選択肢が「A:根っこの根元部分(上の方)」「B:真ん中」「C:根っこの先端部分(下の方)」とかだったのですが、「B」と解答したんです。
で、「細胞分裂は根の先の方がよく観察できるよ」と言ったら、「この問題のイラストでは細胞分裂の様子をクローズアップしている部分は、根の先っぽじゃない。それなのに何故根の先端なんですか?」と質問。
この問いの切れ味の鋭さは驚きましたね~すごいところに注目しているな、と。
これは「ちゃんと理由を説明した方がいいな」と「ここらへんは高校で詳しくやるんだけど・・・」と一応前置きして「根っこの最先端・・・これは根冠っていうんだけど、これは土を掘り進めるため、スコップのように固くなっていて、ここは細胞分裂しないんだ。細胞分裂をするという事は細胞の赤ちゃんを作るってことだから、そんな生まれたての細胞にこんなガテン系の仕事はさせられないでしょ?」とかそんな感じで解説(怪しい~・・・汗)。
「で、その上が根端分裂組織って言って、スコップの柄の部分を伸ばしているんだ」みたいに言ったら、納得してくれました。ちなみに「根端分裂組織」とか専門用語は実際には使っておりません。
あまり調子こいて高校の生物の内容をペラペラしゃべると上司の人に「あまり難しいことを話し過ぎないでください」って注意されてしまうので(前の予備校はこれでクビになったw)、生徒の知的好奇心と自己保身の間で折り合いつけてます・・・
質問する本人は結構目を輝かせて聞いてくれるから、ついウンチクりたくなるんですけどね・・・別に授業に関係ない話ではないし。
あと「植物細胞って葉緑体持っていないのもあるんですか?」という質問もすごい破壊力。このまま好奇心をなくさないでほしいなあ・・・
あ、答えは「あります。」葉緑体は光を受容する緑の色素体で、例えば玉ねぎの表皮の細胞にはありません。玉ねぎは根なんで。
もちろん色素体の分化「うんたらプラスト」の話は割愛。またクビになるから・・・(とはいえ今の塾は7年お世話になっています)
あと葉緑体が無くても光合成をする生物もいます。ここらへんは「バイオロジー」ですこしふれました。
クライトンもアリス好き?
2010-04-20 17:19:35 (13 years ago)
-
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- 本
これはどうでもいい覚え書きなのですが、マイクル・クライトンの『ジュラシックパーク』っていくつか『不思議の国のアリス』のネタがあるなあ、とふと感じたんで。
たとえば、ジュラシックパーク運営当局と契約でトラブルがあった、システムエンジニアのデニス・ネドリーが「ライバル会社バイオシンに恐竜の胚を売りつけてやろう」と、パークのセキュリティシステムをシャットダウンさせるオブジェクトが「ホワイトラビット」ですし、そのライバル会社の産業スパイが「ルイス・ドジスン」(ルイス・キャロルとその本名チャールズ・ラトウィッジ・ドジスン)、また数学者イアン・マルカムは自己紹介で「しかもアリスの帽子屋のようにいかれてるw」というセリフがあります。
それにプロコンプソグナトゥスの標本をグラント博士の発掘現場に郵送したコロンビア大学の女性研究員の名前がそのままアリスだった!
探せば他にもいろいろあるかもしれません。クライトンの引用の進化系は、最後の作品『NEXT』の喋るオウム「ジェラール」のセリフだと思いますが、『ジュラシックパーク』も色々小さなネタが面白いですね。
『アリス・イン・ワンダーランド』の物語の中庸さ(悪く言えば物足りなさ)は、規制に厳しいディズニーの体質のせいだ!という意見がありますが、実はクライトンもディズニーは批判していて、ウォルト・ディズニーの暗黒面を描いたのが、金もうけ主義のジュラシックパークの創始者ジョン・ハモンドと言うキャラクターらしいです。
たとえば、ジュラシックパーク運営当局と契約でトラブルがあった、システムエンジニアのデニス・ネドリーが「ライバル会社バイオシンに恐竜の胚を売りつけてやろう」と、パークのセキュリティシステムをシャットダウンさせるオブジェクトが「ホワイトラビット」ですし、そのライバル会社の産業スパイが「ルイス・ドジスン」(ルイス・キャロルとその本名チャールズ・ラトウィッジ・ドジスン)、また数学者イアン・マルカムは自己紹介で「しかもアリスの帽子屋のようにいかれてるw」というセリフがあります。
それにプロコンプソグナトゥスの標本をグラント博士の発掘現場に郵送したコロンビア大学の女性研究員の名前がそのままアリスだった!
探せば他にもいろいろあるかもしれません。クライトンの引用の進化系は、最後の作品『NEXT』の喋るオウム「ジェラール」のセリフだと思いますが、『ジュラシックパーク』も色々小さなネタが面白いですね。
『アリス・イン・ワンダーランド』の物語の中庸さ(悪く言えば物足りなさ)は、規制に厳しいディズニーの体質のせいだ!という意見がありますが、実はクライトンもディズニーは批判していて、ウォルト・ディズニーの暗黒面を描いたのが、金もうけ主義のジュラシックパークの創始者ジョン・ハモンドと言うキャラクターらしいです。
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