『青春アタック』脚本⑯邂逅相遇

白亜高校の校門
バイクにまたがった二人乗りの昭和のバンカラがマッスル山村と対峙している。
「オレッチ、樹羅高校で番長やらせてもらってるジョニーってもんだけどよ、ここに海野美帆子っていう女子生徒がいるって聞いてよ、連れてきてくんねえか?」
山村「なんだ貴様ら・・・
剃り込みと木刀がトレードマークのお前たちに大切な学友をハイそうですかと差し出すわけなかろう・・・」
ジョ二ー「ほう・・・オレッチとやんのか、おお?」
ブレザーを脱ぐ山村「拳を交えたいのなら・・・このマッスルが相手になるぞ・・・」
後ろの木刀を持った細身のバンカラが止める。
「やめるのだジョ二ーよ・・・他校の学生とのトラブルは、あのお方に固く禁じられているはずだ・・・」
バイクを降りるジョ二ー「固いこと言うな久蔵・・・って、おめえどこまで脱ぐんだ!!??」
ブリーフ一枚になっているマッスル山村。
山村「お前も遠慮せず脱ぐがいい・・・」
久蔵「気をつけろジョ二ー・・・目の前にいるのは本物の変態なのやもしれぬぞ・・・」
ジョ二ー「あ・・・あの・・・別の人呼んできてもらえますか・・・?」

駆け寄ってくる女子たち
華白崎「こちらです・・・」
ちおり「うわー本物のくにおくんだ!かっけー!」
ちおりの腕章に気づくジョ二ー「・・・もしや、おめえがこの学校のヘッドか?」
ちおり「夜露死苦!」
華白崎「生徒会長の生原です・・・
わたくし共としては、本校の学生の個人情報を他校の学生に伝えることはできません。
おひきとりを・・・」
華白崎にすごむジョ二ー「あああ!!??」
たじろいで後ずさる華白崎「・・・け・・・警察を呼びますよ・・・!」
ジョ二ー「気の強い姉ちゃんだな・・・どうする?」
ちおり「いいアイディアがあるよ!」

校庭に土俵を作り、シコを取るジョ二ーと山村。
ジョ二ー「オレっちは相撲で負けたことがねえ・・・」
山村「奇遇だな・・・俺もだ。」

小声で華白崎「どうするんですか・・・山村先輩が負けたら・・・」
ちおり「そしたら昔剣道をやってた華白崎さんが、あの居合の先生みたいな人と二回戦。」
華白崎「・・・なんで、こういう時に不良の扱いがうまい京冨野先生と吹雪先生がいないんだ・・・」
ちおり「みあってみあって・・・!はっけよーい・・・!のこった!!!」

ぶつかり合う両者。
ジョ二ー「やるなオメエ・・・!」
山村「お前こそ、なかなか可愛い乳首をしているではないか・・・!」
ちおり「のこったのこったー」

相撲を見に来る海野「一体何の騒ぎ・・・?」
ちおり「あ、海野さん!つっぱり大相撲春場所。」
海野「へ~私おすもう大好き!枡席に座っていい?」
久蔵「お主が海野氏か・・・?」
海野「はい・・・そうですけど・・・」
久蔵「実は我が主から手紙を預かっておってな・・・」
海野「てがみ?」
久蔵「・・・狩野レイを覚えているかね・・・」
海野「・・・え?今なんて・・・」
久蔵「狩野レイだ。彼女は我が樹羅高校に通っている・・・もうじき卒業で番長は引退したが・・・」
目をうるめる海野「・・・し・・・親友です・・・生きてたんだ・・・」
久蔵「そなたのことを忘れたことは一時もないと申しておったぞ・・・」
海野「れ・・・レイちゃんのこと・・・もっと教えてください・・・こ、こちらへ・・・!」
ちおり「私も聞きたい!」
海野「茨城県のヤンキーとも戦ったんですか・・・?」
久蔵「その話は長くなるな・・・まずレイ殿は成人式で暴れる馬鹿どもをひとり残らず・・・」
学校の中に入っていく一同。

校庭に取り残されるジョ二ーと山村。
がっぷりよつで硬直状態。
ジョ二ー「もう降参したらどうだ・・・!?」
山村「お前こそ、鳥肌がたっているぞ・・・」




電車を降りる海野。
東京駅から丸の内のビルディング街を歩く。
久蔵からもらった手紙を開く。
海野「このビルが・・・高体連本部ビル・・・」



屋上に駆け上がる海野。
扉を開けると、スーツを着た長身の旧友が立っている。
狩野「・・・覚えている・・・?」
涙を流す海野。
「もちろんよ・・・」
狩野「・・・もういじめられてない・・・?」
頷く海野「強くなったもの・・・」
駆け寄って抱きしめ合う二人。
狩野「・・・ただいま・・・」



丸の内のカフェで話し合う狩野と海野。
海野「手紙読んだよ・・・高体連で働いているってすごいね・・・」
狩野「・・・バレーボール・・・続けてるんでしょう。
あの大会に出場するの?」
海野「うん・・・」
狩野「・・・海野さんなら優勝できるよ。」
海野「レイちゃんといっしょにやりたかったな・・・」
狩野「そうだね・・・」
海野「ね・・・ねえ・・・よかったらうちの学校で一緒にやらない?」
苦笑いする狩野「相変わらずだね・・・もう何年もやってないよ・・・」
狩野の脚の古傷に目が行く海野。
海野「・・・ごめん・・・」
狩野「・・・悩んでいるの・・・?チームのことで・・・」
海野「・・・え?」
狩野「海野さんのことなら何でも分かるよ・・・」
海野「まいったな・・・みんな素質はあるんだけど・・・個性が強すぎて・・・」
狩野「・・・確かに大会の選手名簿をみたら・・・海野さん以外は女子バレー部じゃないよね・・・」
海野「メンバーは、家なき子と、狂った科学者と、元アイドルと、料理人と、全国模試一位の秀才。」
ドン引きする狩野「それ・・・どこまでが本当の話?」
海野「・・・え?」

狩野「なるほど・・・
私のアドバイスが役に立つかはわからないけど・・・」
海野「お願いします。」
狩野「あの二人に聞いたと思うけど・・・震災のあと・・・私は樹羅高校に入学したんだ・・・」
海野「全国の元気な子が集まるビーバップ的なハイスクールだよね・・・」
狩野「・・・どんな無法地帯なんだろうって不安だったんだけど・・・
今までで一番秩序があったんだ・・・」
海野「みんな喧嘩自慢のツッパリなのに??」
狩野「どうしてか分かる?」
海野「う~ん・・・」
狩野「・・・誰が一番強いかハッキリしていたからよ・・・
樹羅高校は喧嘩が強い新入生が来ると、まず学校の番長がタイマンをはるんだ・・・
勝負に勝ったほうが次の番長。それでおしまい。」
海野「それでレイちゃんが勝っちゃったの・・・?」
照れて赤くなる狩野「わ、私は一応、女の子だから・・・みんな女子には優しいんだ。」
海野(なんか久蔵さんの話と違うけど・・・まあいいか・・・)
狩野「何が言いたいのかというと・・・チームのボスをはっきりさせたほうがいいってこと。」
海野「そうか・・・確かにな・・・
部長の私か、生徒会長でセッターの生原さんか・・・スキルが高い華白崎さんか・・・」
狩野「ちがうちがう・・・」
海野「・・・え?」
狩野「部員じゃない・・・監督を付けるの・・・それもとびきり優秀な・・・」
海野「・・・監督・・・?」
狩野「中学時代に私たちが勝てたのも、素子さんのおかげでしょう・・・?」
海野「たしかに・・・でも・・・うちの学校にはそんな先生は・・・」
狩野「・・・おかしいな・・・いるはずだけど・・・」
海野「・・・え?」
狩野「若干15歳で日本代表に選ばれ、輝かしい成績を残したセッターで二つ名は“闘将”・・・」
海野「ほ・・・ほかの学校の先生じゃない・・・?」
狩野「そうだったかなあ・・・
オリンピック予選で未成年なのに飲酒したまま試合に出て、熱くなって相手の選手を殴って、女子バレー界から一瞬で姿を消した、伝説の選手が確か・・・」
突然思い当たる海野「・・・いるかも・・・」
狩野「その人は今なにをしてるの・・・?」
海野「・・・保健室で飲んだくれてます・・・」
椅子から立ち上がる海野。
海野「こうしちゃいれない・・・!東京に来た甲斐があった・・・!
ありがとうレイちゃん!!また絶対連絡するね!」
狩野「お役にたててよかった・・・」

海野の後ろ姿を見送る狩野。
狩野「がんばれ、バレー少女・・・」



職員室
さくら「はくしょん!・・・風邪ひいたかな・・・熱燗であったまろう・・・」
とっくりを傾ける。
脚立に乗って不器用に窓に横断幕を飾り付ける羽毛田と病田。
病田「こっち・・・」
位置を調整する羽毛田「そっち?こっち?」
さくら「誰かの誕生パーティ?」
羽毛田「女子バレー部が大会に出るんですよ。」
さくら「こんな年度末に?」
病田「学校を挙げて応援してあげたくて・・・」
遠くから横断幕を眺める京冨野「ちょっと傾いてねえか・・・?」
病田「どっち・・・??」
横断幕を読むさくら「がんばれ白亜高校・・・」
羽毛田「病田さんが書いたんですよ。達筆でしょう?」
さくら「さすが国語教師・・・」
病田「顧問の私にはこんなことしかできないですから・・・」
京冨野「この学校にバレーを教えられる教員がいればな。」
羽毛田「生徒にいい思い出を作ってやれるんですけどね・・・」
タバコに火を付けるさくら「そうねえ・・・」

バーンと職員室の扉を勢いよく開けて入ってくる海野。
羽毛田「おや・・・」
病田「美帆子ちゃん・・・」
京冨野「東京に行ってたんじゃねえのか?」
荒い足取りで、さくらの前に近づく。
さくら「・・・?」
海野「・・・日本代表だったんですよね。」
さくら「・・・ま・・・まあ・・・」
深く頭を下げる海野
「うちのチームの監督になってください・・・!!」
タバコを口からポロリと落とすさくら「あつ・・・」



保健室の人気教師のさくら先生が女子バレー日本代表だったことは即座に全校に知れ渡った・・・

人目を気にして、窓から保健室に忍び込むさくら。
保健室の前の廊下では海野が立って待っている。
保険室のドアには「バレー部勧誘お断り」というパネルがかかっている。

さくら「・・・あの子本当にしつこいな・・・しかし・・・なんであの黒歴史がバレたんだろう・・・
全日本バレー連盟の選手データも抹消したはずなのに・・・
もしかして・・・高体連の方には残っていたのか・・・」

廊下の海野に声をかける病田。
病田「今日はもう諦めたら・・・?」
海野「それでは、明日また来ます。」
病田「吹雪先生は監督はやらないと思うよ・・・」
海野「・・・輝かしい実績があるのになんで・・・」
病田「・・・きっと吹雪先生の中ではそうじゃないんじゃないかな・・・」
海野「・・・全日本が?」
病田「スポーツ選手には・・・必ず引退があるから・・・
その競技に人生を懸けていたほど・・・やりきれない思いがある・・・」
海野「・・・私にとってそれは今なんです。」
保健室に一礼して歩いていく海野。

保健室の扉が開く。
さくら「行った・・・?」
病田「・・・はい。」

保健室の中で話し合う女教師たち。
さくら「諦めてくれたかな・・・?」
病田「美帆子ちゃんを見くびりすぎです・・・
きっと先生が監督になるまで、通い続けますよ・・・」
さくら「そのまま卒業させちゃおうぜ・・・」
病田「・・・やってあげればいいのに。」
酒を煽るさくら「私のやり方はもう古いよ・・・」
震える病田「・・・ずるい。」
さくら「病田先生・・・?」
泣き出す病田「さくら先生は・・・いつも生徒から人気があって・・・
私は見向きもされない・・・
私は・・・あの子達に何も教えてやれないから・・・」
慌てるさくら「ちょ、ちょっと大の大人が泣かないでよ・・・」
病田「私が自慢できることは・・・人よりも闘病生活が長かったことだけ・・・」
さくら「・・・す・・・すごいじゃない・・・」
病田「・・・今、この時を摘め・・・」
さくら「・・・は?」
病田「古代ローマの詩人ホラティウスの一節です・・・人はいずれ死んでしまう・・・
私はきっと長生きできないけれど・・・
自分が生きた意味をほかの人に残せるってことは・・・幸せなことだと思いますよ。」
さくら「・・・そうかもね・・・」
病田「・・・監督やってあげたら?」
でも断るさくら「・・・いや・・・いいかな・・・」
病田(・・・え?)

『青春アタック』脚本⑮鎧袖一触

白亜高校の学食
サンマ定食を食べる花原「へ~海野さんにそんな友達がいたんだ。」
サンドイッチを食べる海野「もう何年も会ってないけどね・・・」
子ども用のスプーンで猫まんまを食べるちおり「花原さんみたいだよね!」
花原「私はそんな暴力はしないぞ。」
ちおり「中学時代に対不良の爆弾作ったんでしょ?」
花原「・・・そんなこともあったね・・・あれは人生で二度目の逮捕だったかな。」
海野「死んじゃうから・・・」
海野に質問をするちおり「なんで離れ離れになっちゃったの?」
配慮する花原「・・・お、おい・・・」
海野「いいよ・・・
レイちゃんはどんな時でも私を守ってくれた・・・」



中学時代の回想
海野たちの教室。
机をくっつけて、海野と狩野がランチを食べている。
粗末なパンを食べている狩野
豪華なお弁当をあける海野「はい、レイちゃん。」
狩野「・・・?」
海野「いつもパンばっかりだから、私が作ってきたんだ。よかったら食べてよ。」
狩野「海野さんが・・・?」
海野「ま、まあ・・・正確にはお母さんとだけど・・・」
狩野「・・・うれしい。いただきます。」

すると、教室に不良男子が入ってくる。
不良「オレの女を辱めたのはてめえか外人。」
無視して食事をする狩野「・・・おいしい。」
彼氏を止めるうめちゃん「・・・もういいって・・・この子に関わっちゃアカン・・・!」
不良「お前は引っ込んでろ。俺の気が済まん。」
狩野「・・・彼女の忠告は聞いた方がいいわよ・・・」
海野が作ってくれた弁当を床に落とす不良
椅子から立ちあがる狩野
慌てる海野「・・・レイちゃん、私はいいから・・・!」
狩野「・・・海野さん・・・」
海野「・・・うん・・・」
ホッとする海野とうめちゃん。
しかし怒りが収まらない不良が、狩野の飲んでいた牛乳を狩野の頭からかける。
一同「・・・!!」
狩野「・・・この学校のお友達を全員呼んできなさい。めんどうくさいから。」
うめちゃん「全員殺される・・・海野はん・・・助けて・・・!」
海野「祈ろう・・・」

――翌日、校内の不良グループは全員転校をした・・・

海野(レイちゃんはケンカが誰よりも強かったけど・・・
暴力を振るうときは決まってわたしを守るときだけだった・・・
レイちゃんのおかげで、わたしは学校でいじめられることもなくなった。
しかし・・・レイちゃんの強さは周辺の喧嘩自慢の男の子の功名心に火を灯してしまった・・・)

鉄パイプを手に取る不良少年「巨人狩りだ!」


ケガを心配する海野「レイちゃん・・・だいじょうぶ?」
頭に包帯をしている狩野「とうとう素手で勝てないから凶器を使い出した・・・」
海野「もうケンカはやめて・・・」
狩野「わたしもやめたいんだけど・・・
きりがなくて・・・一人で戦うにはもう限界が近いな・・・」
海野「なんでこんなことに・・・」
狩野「このままでは海野さんにも危害が加わる・・・いい加減終わりにしないと・・・」
海野「・・・どこへ?」
狩野「ゲームしてくる・・・」
海野「危ないことは嫌だよ・・・」
狩野「だいじょうぶ。海野さんはわたしが必ず守るから。」

ゲームセンター
不良グループが集会をしている。
そこへ、ボロボロになった構成員を引きずって狩野が歩いてくる。
狩野「どいつがボス?」
奥を指さす半殺しにされた構成員「あの人です・・・」
ボスに近づいていく狩野。
ボスは筋骨隆々でいかつく、喧嘩慣れしている凄味がある。
ボスに声をかける狩野「ゲームしようか。」
ボス「え?」

格闘ゲームの筐体のモニターに頭から突き刺さって動かないボス。
ざわつく不良たち。
狩野「これからはわたしがボスよ。」
不良「誰がお前なんかと・・・」
そう言った不良も、ボスの向かいの筐体に突き刺さる。

狩野「血の気の多い君たちに、うってつけの仕事を与えるわ・・・
この周辺の不良グループ、暴走族、ギャングの最強格をすべてリストアップして、自宅の住所を突き止めてほしいの。」
不良「それで、どうすれば・・・」
狩野「火をつけてきなさい。ノルマは1人1軒以上。」
不良「戦国時代か・・・」
「逮捕されちゃうじゃないですか・・・!」
狩野「はくがつくでしょう?」
「放火殺人はおそらくムショから出てこれません・・・!」
狩野「あと・・・警察の事情聴取で私の名前を出したら・・・殺すから。」



公園のたこ焼き屋の屋台に絡むチンピラ
「おうおう・・・誰に断ってたこ焼き焼いとんじゃ・・・」
海野と狩野が、屋台でたこ焼きを買っている。
海野「ここ、美味しいんだって。」
狩野「楽しみだな・・・」
狩野を見て、逃げ出すチンピラ。

・・・こうして、一人の女子中学生によって関西の反社会勢力はすべて滅ぼされた・・・



学食
食事がのどを通らない花原「・・・それ、どこまでホントの話・・・?」
海野「・・・え?」
花原「恐竜みたいな女ね・・・」
海野「・・・レイちゃんより強い不良は、結局日本にはいなかった・・・
これでやっと平和に暮らせると思ってた・・・
でも・・・誰よりも強い恐竜でも・・・天変地異には勝てなかった・・・」



95年1月。
大地震で壊滅した早朝の神戸。

つぶれたボロアパートでうめいている狩野。
太ももに鉄の支柱が突き刺さり、なかなか抜けない。
狩野「・・・・・・。」
歯を食いしばって引き抜く。傷口から大量の血があふれるが、冷静に止血する。
学校のジャージ姿のままアパートからはい出ると、倒壊した建物だらけの戦場のような光景が広がっている。
狩野「・・・こんな景色・・・もう見たくないと思ったのに・・・」
脚を引きずりながら歩いて行く狩野。
狩野「海野さんを・・・助けなきゃ・・・」

横倒しになった高速道路の橋脚を横目に、よろよろ歩いて行く狩野。
被災した街にはだれもおらず、静寂が漂っている。

とうとう海野の自宅までたどり着くが、裕福だった海野の邸宅は跡形もなくつぶれていた。
狩野「・・・・・・!そ・・・そんな・・・」
がれきを必死に掘り起こそうとする狩野。
「海野さん・・・たーくん・・・お父さん、お母さん・・・」
馬鹿力で柱を持ち上げようとするが、さすがにびくともしない。
太ももから再び血があふれ出てくる。
地面に膝をつく狩野。
そして、慟哭を上げる。
狩野「いない・・・なんで・・・!」

?「ああ・・・誰もいないな・・・」
声の方を振り返ろうとする狩野。
しかしその前に鉄パイプで思い切り頭を殴られる。
がれきの上に倒れる狩野「がはっ・・・!」
不良「・・・やっと、お前に復讐できる・・・」
鉄パイプを受け取るボス「おい、オレにもやらせろ・・・どのみち、大勢死んでんだ。
犠牲者が一人増えても変わりやしねえよな・・・」
涙を流す狩野「・・・おねがい・・・私の友だちをさがして・・・」
ゲーム筐体に突っ込まれた傷で、顔の皮膚が縫われているボス
「・・・お前、言ってたよな?
不良なんざ、人を殺す度胸もない腰抜けだって。
・・・見とけこの野郎・・・」
鉄パイプで再び殴るボス。
ズタボロの狩野。
ボス「死ね!死ね!死ね!!このくそ外人が!!!」
どんどん血まみれになる狩野。
鉄パイプでひたすら殴り続ける。

動かなくなる狩野。
ボス「はあはあ・・・死んだか・・・」
不良「・・・ば・・・バレないよな?」
ボス「こいつは地震で死んだんだ。そうだろ?」
不良「あ・・・ああ・・・」
立ち去っていく二人。

瓦礫のそばでうつぶせに倒れている狩野。
脚はぐちゃぐちゃにへし折れ、パンツは脱がされ、尻に「バカ」と書かれている。
涙を浮かべる狩野。



体育館に作られた仮設の避難場所
被災した人たちが毛布にくるまって、冬の寒さに耐えている。
弟と段ボールの上に座って、放心状態の海野。

会場を右往左往する被災者「わたしの母を見ませんでしたか・・・?」
「妹がいないの・・・!」

その様子を呆然と眺める。
海野「レイちゃん・・・無事かな・・・」
はげますたーくん「お姉ちゃん・・・きっと大丈夫だよ。」
海野「・・・被災してやっとわかった・・・
・・・レイちゃんのご両親は・・・きっと・・・戦争で亡くなったんだ・・・
それで・・・たった一人で知らない国へ逃げてきて・・・
孤独で・・・不安で・・・」
涙を浮かべる。
海野「・・・それなのに・・・私をかばってくれた・・・」
涙をぬぐう海野。
立ちあがる。
たーくん「お姉ちゃん・・・?」
海野「わたし・・・探してくる・・・」
たーくん「ぜったい危ないよ。」
海野「・・・見過ごせない・・・!」
たーくん「ぼくを一人にしないで・・・ひとりぼっちはやだよ。」
海野「たーくん・・・」



たーくんをおんぶしながら、崩壊した都市を歩く海野。
たーくん「レイちゃんのおうちってこっちだっけ?あっちじゃない?」
海野「そうだっけ・・・?」
たーくん「・・・もう帰ろうよ。目印の信号が全部なくなっちゃったから・・・わかんないよ。」
海野「信号・・・なんで忘れてたんだろう・・・!」
ポケベルを取り出す。
液晶を読むたーくん「505・・・3418・・・なんの番号?」
海野「・・・SOS・・・美帆の家・・・!」



救急車が海野の家に走ってくる。
ストレッチャーに乗せられる狩野。
海野「・・・ひ・・・ひどい・・・」
死にかけでやっと一言絞り出す狩野「・・・ごめんね。」
海野「あの・・・どこに搬送されるんですか?」
救急隊員「病院もいくつかやられているから・・・でも、お友達はなんとかします。」

走り去っていく救急車をみつめる兄弟。
たーくん「お姉ちゃん・・・行こう・・・ここにいてもしかたがないよ・・・」
海野「・・・・・・。」
瓦礫の中から、バレー大会の写真を見つける海野。
海野「・・・うん。・・・生きよう。」



学食
厨房でブーちゃんが無言で涙をぬぐう。
花原「じゃあ、それ以来会ってないんだ・・・」
海野「連絡の取りようがなかったから・・・あのころは生きるので精いっぱいで・・・」
ちおり「私たちは幸せだね。」
花原「え・・・おまえもけっこう・・・いや・・・うん。」
海野「でも、生きてれば絶対また会える。そう思うんだ・・・」

学食に入ってくる華白崎。
華白崎「生徒会長・・・ちょっと。」
ちおり「どしたの?」
華白崎「校門にやっかいな不良がいます・・・今マッスル山村先輩が対応していますが・・・
どういたしましょう・・・」
ちおり「花原さん、爆弾投げる?それとも屋上から落とす?」
花原「いやよ・・・怖いもん・・・」

『青春アタック』脚本⑭合縁奇縁

深夜
文部大臣の邸宅。
暴走族が集合し、邸宅の周りをバイクでグルグル回っている。
「ブンブンブブブン!!卒業式!1回!卒業証書!2枚・・・!」

カーテン越しに外を眺める文部大臣
妻「あなた・・・警察に通報したほうが・・・」
明智文部大臣「無駄だよ・・・警察が到着する頃には消えているさ・・・
それに・・・警察にもとっくに息がかかっているだろう・・・」
娘「どういうこと・・・?」
文部大臣「あれはメッセージさ・・・今度の大会に余計な口を出すなという・・・」

波止場にある廃倉庫に入っていく暴走族。
パラリラパラリラ~と爆音を鳴らす。

廃倉庫の中にはロシア女が一人だけいて、ドラム缶の上に片膝を立てて座っている。
暴走族の総長が大勢の部下を従えて凄みをきかせて入ってくる。
ロシア女に話しかける総長「・・・約束の金を出せ、狩野(かるの)レイ。」
狩野「・・・それは約束を守った人が言う言葉・・・」
総長「ああ?てめえ、関東最大の暴走族のヘッド呼び出しといて、コケにすんのかこの野郎、ぶち殺すぞ!」
大勢の暴走族が狩野を取り囲む。
狩野「暴力はいけないわ・・・」
にやりと笑う総長。
総長「俺は暴力が好きだぜ・・・」
すると、総長をとりかこむ暴走族。
突然の部下の裏切りに慌てる総長「・・・!な、なんだてめえら・・・!!」
囁くように狩野「・・・私をぶち殺すんじゃなかった・・・?」
総長「・・・はは・・・冗談だよ・・・悪かったよ・・・」
狩野「そう・・・それならよかった・・・」
ドラム缶から降りて、総長に近づいてくる狩野。
総長「・・・・・・。」
総長が警戒して懐のナイフを探る。
すると、狩野がその手を咄嗟につかみ、総長の股間にナイフを刺してしまう。
真っ赤に染まるズボン。
慟哭する総長「ぎゃああああ・・・お母ちゃん・・・!!」
狩野「私も暴力は好きなの。」
激痛で倒れる総長。
そこに狩野がバイクを蹴り飛ばし、総長を潰してしまう。
狩野「隠れ家に爆音で来る馬鹿がいるかよ。」
恐怖で凍りつく暴走族。

怯えながら狩野に声をかける暴走族の副長「か・・・狩野さん・・・」
狩野「レイでいいよ・・・」
副長「レイさん・・・破門戸さんから、バレー大会の選手名簿が届きました・・・
確かに出場しているそうです・・・」
狩野「本当に・・・?」
副長が資料を渡す。
封筒を開ける狩野。
笑顔になる狩野「ホントだ・・・」
資料には、海野美帆子の写真が入っている。



白亜高校の学生寮。
海野の部屋のキャビネットには、両親と弟との家族写真の隣に、中学時代にバレーの大会で撮った記念写真が立ててある。
そこには、海野と狩野が写っている。
海野「中学時代か・・・そういや、レイちゃん今頃何してるんだろう・・・」



1993年神戸――
中学校の教室
海野「千葉県から転校しました海野美帆子です。好きなスポーツはバレーボールです。
みなさん仲良くしてください。」
教師「よろしくしたってな!」
ひそひそ話をする生徒たち
「なんやあいつ、坂東の人間か、ディズニーランドをなわばりにしとるからって、なめくさりやがって・・・」
「あいつ、金持ちらしいで。見てみい、あの世間知らずそうな顔・・・はらたつ。」

海野(わたしが転校した中学校はいわゆる下町の学校で、貧しい町工場の子どもが多かった・・・)

女子「なあ、あいさつ代わりに、畿内のしきたりを教えてやろうやないか・・・」
「よっしゃ!いっちょ、しばいたるか・・・!!」



学校の屋上
嬉しそうに階段を上って屋上へ向かう海野。
海野「ありがとう!私が立ち上げた女子バレー部に入部してくれるなんて・・・
一緒に大会で優勝を目指そうね!」
海野を取り囲む女子たち「ああ・・それはうそや。
誰が、お前みたいなよそ者の下でバレーなんかするかい。」
海野「・・・え?」
女子「お前んち金持ちなんやろ、とりあえずウチらに5000円ずつくれや。」
海野「神戸市って友だちを作るのに料金が発生するの・・・!?」
女子「誰がお前と友だちになるかい!!」
「いてまうぞコラ!」
海野「ご・・・ごめん、私みんなに失礼なことしちゃったかな・・・」
女子「そのしおらしい態度がむかつくんじゃ!関西のもんを下にみやがって・・・!
生まれて今まで人にいじわるとかしたことないんか!!」
海野「い・・・いじわる・・・?いじわるとは・・・?」
女子「特定の人物に対して、とおせんぼとか、なかま外れとか、ぶったり蹴ったりとかして、あわよくば泣かしてしまおうっていう、人間なら誰しも通る所業や・・・!」
本気で悩む海野「う~ん・・・あったかなあ・・・
たーくんを泣かしちゃったことはあったかも・・・」
女子「たーくん?」
海野「あ、わたしの弟です・・・
たーくんは今度小学校なんだけど、まだおむつをしてて・・・」
女子「・・・なめとんか!やっちまえ!!」
海野をリンチする女子たち。
うずくまる海野「痛い痛い!!やめてよ・・・!」

その時、給水塔から起き上がる巨体の女。
?「・・・眠れない・・・」
女子「なんやお前は!」
「うめちゃん、あいつも転校生や!」
「ロシアから来た狩野や!」
海野「狩野・・・?」
狩野「・・・せっかく静かに落ち着ける場所をみつけたのに。」
給水塔から降りてくる中学時代の狩野。
すくっと立ちあがると、身長は170センチ以上はある。
その巨体に驚く女子たち「なんじゃあ、ごっついな!!」
「お前本当に13歳か、巨人ちゃうんか!!」
傷だらけの海野に目をやる巨体の転校生。
狩野「・・・同族になんてひどいことを・・・」
女子「じゃかしい、黙っとけ、この外人。
ここはおめえらが来ていい国じゃねえんだ!」
狩野「・・・うん・・・ひどい国ね・・・」
女子「なんやと!?日本に喧嘩売ってんのか?」
狩野「私は喧嘩はしない・・・」
相手がひるんだと思って笑う女子「へっ・・・びびったか・・・」
狩野「私がするのは・・・」
そういうと、ボス格の女子の脚をつかんで持ち上げてしまう。
パンツ丸見えで逆さになるボスの女子。
女子「あああ、うめちゃん!!」
股間を手で隠すうめちゃん「きゃああああ!なにするんや!やめろ!!」
すると、そのまま屋上の手すりを乗り越えて、5階からうめちゃんを落下させようとする。
恐怖で失禁するうめちゃん「う・・・うわあああああ!!!やめて・・・!死にたくない!!」
狩野「・・・殺し合いよ。」
海野が狩野の巨体にすがりつく。
必死に女子をかばう被害者の海野
「だいじょうぶ!わたしはもうだいじょうぶですから!!勘弁してあげてください!」
狩野「・・・落としてみない?」
海野「みない!みない!!」
いじめていた女子たちの方を振り向く海野「・・・ほらみんなも!!」
女子たち「あたしたちが全面的に悪かったです!許してください!!」
狩野「・・・そう。わかった。」
土下座する女子たち「ありがとうございます!!」
一瞬場の空気が緩む。

狩野「・・・でも落とすけど。」
脚をつかんでいた手を放す狩野。
うめちゃんは絶叫しながら落下していく。
あまりの光景に失神したり、吐いたり、号泣する女子たち。
屋上から出ていく狩野
「・・・人類が暴力を禁止している理由が分かったかしら。」
海野は、うめちゃんが落ちていったほうを、おそるおそるのぞく。
すると、中庭の木にうめちゃんが引っかかっていることに気づく。
息を吐く海野「・・・よかった・・・」
女子たちに声をかける海野
「じゃ、じゃあ・・・とりあえずみんな無事だったことだし、あらためてバレー部の入部について話し合おうよ!」
涙を流す女子たち「こ・・・こいつも狂ってる・・・!!うわああああ!!」



昼休み。
校舎の裏で一人でパンを食べている狩野。
駆けてくる海野「狩野さ~ん・・・!」
狩野「あなたはさっきの・・・」
海野「こんなところにいた・・・捜しちゃったよ・・・」
狩野「私に何か用・・・?」
海野「さっきの・・・お礼が言いたくて・・・ありがとう。」
狩野「・・・そんなことでわざわざ・・・怪我は大丈夫だった?」
海野「うん、こんなのへっちゃら!バレーボールやってるし!」
狩野「・・・あなた変わってる。」
海野「そうかな・・・となりいい?」
狩野「・・・どうぞ。」

狩野の隣の芝生に座る海野。
海野「私は美帆子・・・海野美帆子です。千葉から転校してきたんだ・・・」
狩野「レジーナ・カルノヴァ・・・こっちでは狩野レイだから・・・レイでいいわ・・・」
海野「よろしくね、レイちゃん!」
狩野「・・・この国で私に親しく近づいてきたのはあなたが初めてよ、海野さん。」
海野「そうなの?」
狩野「だいたい差別するか、怖がるかのどちらかだから・・・
いえ・・・もしかしてその二つは一緒なのかもしれないわ・・・」
海野「日本を嫌いにならないでね・・・でも確かに驚いちゃった。
めちゃくちゃ強いんだもん!」
狩野「両親が特殊な職業についていたのよ。」
海野「へ~どんな?」
狩野「父が鉄砲の通信販売、母が腕利きの殺し屋。どっちも殺されちゃったけどね。」
ドン引きの海野「・・・・・・。」
微笑む狩野「冗談よ。
それに私は特段強くはない・・・みんな本気で戦う覚悟がないだけ・・・
ちょっと脅せば相手は従うと思っている・・・相手が殴り返すかもしれないことを忘れてる・・・」
海野「・・・どこでそんなこと習うの?」
狩野「・・・知りたい?」
頷く海野。
狩野「私の国はね、今戦争をしているの・・・」
海野「・・・え?」
気持ちよさそうに背伸びをする狩野「・・・やっと、静かに落ち着ける場所を見つけた。」
海野「ねえ・・・私でよかったら・・・友達になってくれないかな・・・」
狩野「わたしと・・・?・・・いいの??」
明るく微笑む海野「わたしもこっちでは友達がいないし・・・一緒にご飯を食べようよ。」
狩野「・・・うん。」



海野(すぐにわたしたちは親友になった・・・
レイちゃんは、よく私の家にも遊びに来てくれて、家族ぐるみの付き合いになったんだ。)


海野「お待たせ。レイちゃん、はいこれ。あげる。」
狩野に何かを渡す。
狩野「なにこれ?」
海野「お揃いのポケベル。お父さんに買ってもらったんだ。
(ボタンを押す)こうするとメッセージがやりとりできるんだよ!」
狩野「ありがとう。これで、この国でスパイ活動ができるわ。」
海野「レイちゃんが言うと冗談に聞こえないから・・・」

中学のバレーの大会
トスをする海野「はいっ!」
海野のボールを受けてアタックを決める狩野。
ホイッスルがなる。
ハイタッチをする海野と狩野。

海野の親がカメラを構える。
海野のお母さん「とるよー!」
写真に収まるユニフォーム姿の海野と狩野。

海野「ねえ・・・レイちゃん。」
狩野「・・・うん。」
海野「高校でも一緒にバレーをしようよ。」
狩野「いいよ・・・」
海野「約束だよ。」



現在。
中学時代の写真を眺める海野
「約束・・・守れなかったな・・・」

『青春アタック』脚本⑬春愁秋思

私立白亜高校――
長い桜並木を登った丘の上に、その高校はある・・・
様々な事情で学校を追われた若者が最後に辿り着く、千葉県にある小さな私立高校・・・

坂道をかけあしで登っていく小さな女の子
他校の学生とすれ違う。
「・・・?なんで小学生が高校の制服を着てるの・・・??」
「さあ・・・」
冬の寒さを耐えた桜並木の桜はつぼみをつけ始めている。

生徒会室
華白崎「生徒会長がお見えです。」
生徒会員たち「生原会長おはようございます!!」
生徒会長の椅子によじのぼって座るちおり「みんな、おはよ~!」
会長の机の上に書類を置く華白崎
「こちらが春の高校バレー、バトルロイヤル大会の出場申請書です。
目を通していただいて決裁を。」
海野「いよいよだね・・・!」
引き出しからアンパンマンのスタンプを出すちおり「ここにハンコ?」
華白崎「それとこちらにも。」
ちおり「こっちはしろったま子さんでいい?」
華白崎「会長のご自由に・・・」
スタンプを押すちおり。
書類をまとめる華白崎
「ありがとうございます。この起案文書を高体連に提出すれば、申し込みはすべて完了となります。
大会の日程は3月3日。つまり全国の高校の卒業式よりも早いので、春高バレー初の高校三年生の出場が可能です・・・つまり海野部長と、乙奈さん、ブーちゃんさんはエントリーができます。」
海野「高校生活の最後の思い出を作ろうね!」
乙奈「・・・はい!」

部屋の隅でその様子を見る花原
「・・・。ちおりのやつなんで華白崎さんを副会長に残留させたのよ・・・
おかげで生徒会費を私的に使い込むという私の大作戦が不可能になったじゃない・・・」
華白崎「花原さん・・・なにか?」
花原「いえ・・・」

華白崎「何度も申しました通り、この大会にはリスクもあります。敗退した場合は、その時点でその高校の女子バレー部は廃部。
何回戦まで勝ち進んだかによって、バレー部の廃部期間が変動するものの・・・初戦敗退では、その期間は10年。10年分の部費は高体連に吸い取られ、優勝チームの賞金にあてられるのです。」
海野「10年間も後輩はバレーができなくなるのね・・・」
華白崎「その点、我が校はもともと女子バレー部員が海野部長だけであり、海野部長が卒業したら自然消滅でしたから、あまり大きな影響はないかと思いますが・・・
女子バレーに実績のある名門校の意気込みは違うでしょう・・・
例年以上に本気で優勝を狙いに来るに違いありません。」
海野「6億円だもんね・・・」
乙奈「所さんの宝くじレベルですわ・・・」
華白崎「わたしの試算によりますと、この賞金6億円が白亜高校の資金に丸々充てられた場合、向こう10年間、つまり2008年まで白亜高校は経営を継続することができます。」
ちおり「・・・10年後この学校で、みんなと会えるといいね!」
海野「そのころは28歳か・・・」
乙奈「わたくしは30ですわ・・・」
華白崎「この学校を未来にも残しましょう・・・!」
一同「えいえいおー!」
花原「え・・・私の借金は・・・??」



東京都千代田区
GHQのビルを改造した、全国高等学校体育連合の本部ビル
全国の高校生の健全な発達を促すために、体育・スポーツ活動の普及と発展を図ることを目的とし、競技普及、競技力向上、指導者育成を目指す、悪の秘密結社である・・・

高級な椅子に座り、穏やかにペルシャネコをなでている小柄な紳士。
彼こそ高体連の総裁「破門戸錠」である――
総裁の部屋に入ってくる、ロシア系の長身の女性。
ロシア女「・・・幹部は全員集まっています・・・」
破門戸「それはけっこう。」
立ち上がって高級ブランドの背広を着る紳士。
ネコが破門戸の膝の上から飛び降りる。
かがんでネコに触れるロシア女「ほら、おいでスペクター・・・
総裁はネコがお好きなんですね・・・私もです・・・」
破門戸「ネコは優れたハンターですからね・・・我々は愛くるしい愛玩動物だと勘違いしていますが・・・彼らは屋外で多くの野生動物を殺す・・・その狩猟本能は決して失われない・・・
さて。」
ネコにモンプチを食べさせるロシア女。
破門戸「我々も狩りと参りましょう・・・」
牙を向いてキャットフードを食べるネコ。



高級レストランのようなホール。
タキシードを着た高体連の幹部たちが、フレンチのフルコースを食べている。
幹部「ああ・・・破門戸新総裁、遅かったじゃないか・・・もう食べ始めているよ。」
微笑む破門戸「構いませんよ・・・」
幹部「破門戸くんの提案したバレー大会だが・・・悪くない。
優勝校以外は廃部というバトルロイヤルシステムの話題性は十分で、多くのスポンサーがついた。昨年の10倍だよ。高野連の奴らも青ざめてるんじゃないか・・・ははは」
破門戸「・・・どうも。」
幹部「それでだ。今みんなと話し合っていたんだがね。
やはり優勝校は、我が高体連に巨額の供託金を毎年支払っている、例の高校にしようかと思うのだよ・・・」
破門戸「ほう・・・」
ほかの幹部「主審とラインズマンはすでに買収したので、ご心配なく。
すべて我々が進めるので、総裁は何もしないでゆっくりしていてもらいたい・・・
もちろん総裁にも美味い汁はたっぷり・・・」
破門戸「みなさんバレーボールがお好きなようだ。」
幹部「ああ、ほかの競技よりも“忖度”がしやすいからな。」
破門戸「私もバレーボールが大好きでね・・・」
ホールの幹部たちの後ろをうろつく破門戸。
「地位も金も極めたこの老体でも・・・バレーボールに青春をかける若者たちの姿を見ていると・・・
胸に熱い情熱を感じます・・・
コートには・・・チームの仲間たちがいる・・・」
葉巻を吸う幹部「そうだな・・・チームは大切だな。」
破門戸「レシーブし、トスをあげ、パスをつなぐ・・・チームプレーです・・・
チームがなければ・・・意味がない。」
すると、一人の幹部の後ろで立ち止まる破門戸
「一人が頑張っても・・・意味がないんだ・・・」
幹部「うんうん・・・」
その刹那、バレーボールのポールを持ったロシア女が、その幹部の後頭部をポールで殴りつける。
幹部の頭蓋骨がひしゃげて、テーブルに血しぶきが飛ぶ。
ほかの幹部が目を背ける。
破門戸の表情は変わらない。
幹部たち「ああ・・・なんてことだ・・・」
ロシア女は、さらに2、3発、幹部を殴りつける。
床にポールを投げつけるロシア女。激しい音がホールに響く。
席に着く破門戸「64年の東洋の魔女から34年・・・
我が国の女子バレーは転換点にある・・・
本当に強い選手をみつけ・・・育てなければ・・・高体連に未来はない・・・」
破門戸にナプキンを付けるロシア女。
微笑む破門戸「さて・・・食事を始めましょう。」



体育館
山村「ばかな・・・!こんなところにここまでの選手がいるとは・・・!うわあああああ!!」
華白崎のアタックを受けて吹っ飛ぶマッスル山村。
地面に着地する華白崎「まあまあか・・・」
ちおり「かっけー!!」
海野「華白崎さん・・・すごい・・・!」
華白崎「中学時代にちょっとかじっただけですが・・・」
海野「ちょっとかじったレベルじゃないよ・・・!
これならすぐに即戦力として戦えるわ・・・!」
ちおり「かっけー!!」
花原「・・・乙奈さん、わたしたちは即戦力じゃないみたいよ・・・」
乙奈「ま・・・まあ、素人ですからね・・・」
華白崎「みなさんも即戦力になってくれなければ困ります。
大会予選はもうすぐなんですから・・・」
海野「みんなにバレーボールを教えてくれないかな・・・」
華白崎「そう来ると思いまして・・・すでに個人メニューを作成しました。」
書類を配布する華白崎。
華白崎「花原さんはブロックとレシーブとサーブ。
生原会長はレシーブ。
乙奈さんは・・・だいたいすべて・・・」
ちおり「わーい、レシーブ練習100セットだって!やったー!」
乙奈「私のメニューはずっしり重いですわ・・・」
華白崎「どんなスポーツも結局は基礎練習の量で決まります。
毎日このメニューをさぼらずにこなせば、少なくとも初戦敗退はないでしょう・・・」
海野「みんながんばろう!」
華白崎「では、二人一組になってください。」

レシーブ練習。
ちおりには海野が、乙奈には山村が、花原には華白崎がボールを打っている。
海野「生原さん行くよー!」
ボールを打つ海野。
レシーブをするちおり「え~い!」
海野「じょうずじょうず・・・!」

山村のボールをよける乙奈「きゃああ!」
山村「恐怖に打ち勝つのだ歌姫・・・!」
乙奈「ご・・・ごめんなさい・・・もう少し弱く打ってくださる・・・?」
山村「こ・・・これ以上か?チャンスボールになってしまうぞ・・・まあいいだろう・・・」
ほとんど自由落下状態のボール。
それでも怖がる乙奈「きゃああ!!」
山村「お・・・オレの触ったボールが嫌とかないよな・・・?」
ブーちゃんが山村を慰める。

華白崎「いきますよ、花原さん・・・!」
勢いよくアタックをする華白崎。
花原「・・・いや、うちらだけ速くね!!?」
みぞおちにボールが当たる。
花原「うぎゃあ!!」
華白崎「姿勢を低く・・・!もう一度・・・!」
花原「よしこい・・・!」
アタックをする華白崎。
今度は顔面にボールが当たる。
花原「ぐぎゃあ!!!」
華白崎「ボールをよく見る・・・!もう一度・・・!!」
花原「球速を下げてよ・・・!」
華白崎「低速は甘え・・・!花原さんならいける・・・!」
花原「いけないって・・・!」
花原の悲鳴。
海野「めちゃくちゃしごかれてる・・・」

花原「ねえ・・・そろそろ交代しない・・・?」
華白崎「え?ええ・・・もちろん・・・」
ニヤリと笑う花原。
超全力でアタックを撃つ。
花原「死ねや~~~!!!」
華白崎は必死にレシーブで食らいつく「さすが、いい球です・・・!」
花原「馬鹿な、返された?!」
華白崎は上がった球を再びアタックする。
華白崎「はい!」
花原の顔にボールがめり込む。
格ゲーのように吹っ飛ぶ花原。
「うーあ、うーあ・・・!!」

花原「海野さん・・・!あのヒロスエが私をいじめる・・・!
きっと選挙戦で私を恨んでいるんだ・・・!」
海野「そ・・・そうかなあ・・・」
遠くから華白崎「・・・さっき、死ねって言ってませんでした?」
花原「い・・・いえ・・・」
ふと、乙奈のほうに目をやると、山村がとうとう床にボールを転がしている。
山村「ほーら」
それでも怯える乙奈「きゃああ!!」
海野「・・・・・・。」



男子バレー部部室
大此木「お前がここで愚痴ってるなんて珍しい・・・」
海野「花原さんと華白崎さんの折り合いがつかなくて・・・」
大此木「やっかいなのは、あいつらはどちらも学があり、弁が立つところだ・・・
結局のところ、似た者同士だから衝突する。
似た者同士だから、そのうち分かり合うよ・・・気にするな。
それに、華白崎はお前に勝るとも劣らない選手だ。
中学時代に県大会で優勝しているからな。戦力になる・・・」
海野「知らなかった・・・」
大此木「・・・まだあるか・・・?」
海野のコップにスポーツドリンクを注いでやる大此木。
海野「うん・・・それとね、乙奈さんは、過剰にボールを怖がるの・・・」
大此木「オレ様のドライブサーブがトラウマを植え付けたか・・・すまねえな。」
海野「・・・そうなのかな・・・その前からボールをよけていた気がするけど・・・」
大此木「お前らは古いんだろ?」
海野「もともと幼稚園が一緒だったんだけど、そのあと私の家が神戸に引越しちゃって・・・
再会したのは、被災地の支援コンサートに乙奈さんが来てくれたとき・・・驚いたな・・・」
大此木「じゃあ、ずっと一緒だったわけじゃねえのか・・・」
海野「うん・・・いつの間にか私の手の届かないところへ行ってた・・・」
大此木「あいつは芸能界で天下を取ったんだ・・・ボールくらい克服できるよ。」
海野「ありがとう・・・」
立ちあがる海野。
海野「男子バレー部の分まで頑張るね。」
大此木「白亜高校の名を全国に知らしめて来い。がんばれよ。」

『青春アタック』登場人物(第二部~群雄割拠~)

 今年の春高バレーも終わっちゃいましたね。開催時期がズレたから、もはや冬高バレーな気もするけど。
 ってことで、今度は戦争だ!

血織制服.jpg
生原血織(はいばらちおり)
高校2年生。セッター。生徒会長。
雑草を食べて生き延びてきた宿無し少女で、精神年齢は小学2年生くらい。
「青春アタック」というアニメの影響でバレーボールにのめり込む。
ホームレス時代にボーリングの球でトスの練習をしていたので、トスの技術が非常に高い。
ふたつ名は「パラボラアテンダー」

花原白衣.jpg
花原めぐな
高校2年生。アタッカー。
身長が高いだけの理由で、ちおりに強制的にチームに勧誘される。母親の借金を背負っており、その返済のためにバレー大会に参加する。
運動は苦手だが、スパイクのパワーとブロックの跳躍力を潜在的に秘める。
ふたつ名は「アイアンロックス」

海野部長.jpg
海野美帆子
高校3年生。レシーバー。
白亜高校女子バレー部部長。明るく温厚な性格で、面倒見が良い。
バレーの技術は県内屈指で、特にどんなボールもセッターに返す、レシーブ成功率が全国で最も高い。女子バレー界では「アブソリュートディフェンダー」と呼ばれていた。

乙奈さんアイドル.jpg
乙奈ひろみ
高校3年生。ライト。
海野さんの親友の元アイドル。
ボール恐怖症で、レシーブ面でチームの足を引っ張るが、物理法則を無視した軌道の読めないサーブを打つことができ、サービスエースとしてチームに貢献する。
ふたつ名は「スターライトステージ」

ブーちゃんコック.jpg
ブーちゃん
高校3年生。リベロ。
乙奈さんの無二の相棒でいつも一緒にいる無口な料理人。
背が低いが、パスとレシーブが非常にうまく、チームをつなぐ重要選手となる。
ふたつ名は「白亜高校の職人」

カッシー.jpg
華白崎桐子
高校1年生。センター。生徒会副会長。
クールビューティな雰囲気だが、コートに入ると熱血スポーツ少女に豹変する。
中学生の頃バレーボールをしており、千葉県ではかなり名の知れた選手だった。
しかし、海野が中学時代は兵庫県にいたため、面識がなかった。
ふたつ名は「ブランニューレディ」

マッスル山村
高校2年生。マネージャー。
チームのために試合のスケジュール調整、スコア管理、応援などを行う。
思いつめたメンバーをさりげなく励ますことも。

吹雪さくら先生
保健室の養護教諭。酒とタバコが大好きで、本人は不健康極まりない生活を送っている。
とある事情で、白亜高校のバレーチームの監督を頼まれるが、かなり無責任でいい加減。
しかし、頭は抜群にキレる戦略家。

つよめ.jpg
病田通代女
スポーツ誌の記者。白亜高校の病田先生は姉に当たる。
気弱で繊細な姉とは違って、明るく積極的な性格。他校の情報を教えてくれる。

破門戸.jpg
破門戸錠
高体連の総裁で、春の高校バレーバトルロイヤル大会のゲームマスター。
元華族で、日本に再び東洋の魔女を復活させようと目論む。
見た目は水谷豊で、口調はフリーザに激似の老紳士。

カルノ.jpg
狩野レイ
日本全国の不良が集結する茨城県の樹羅高校のギャングを束ねる女ボス。
あだ名は「カルノサウルス」で、喧嘩で負けたことがないため、周囲に恐れられ友達がいなかった。
実は平和主義者で、情に厚い性格だが、弓を引く人物にはバレーボールのポールで殴りかかるなど容赦がない。海野とは、中学時代にちょっとした因縁がある。

有葉さん.jpg
有葉理央
栃木県の三畳農業高校バレー部部長。
地図にはない山奥にある秘境高校で動物たちとバレーの練習に励んできた少女。
おでこと八重歯と扇子がトレードマーク。
ふたつ名は「ジェットワールドサーカス」

アライ.jpg
アライ
三畳農業高のセンター。凶暴なアライグマでカウンター攻撃が得意。

オジカ.jpg
オジカ
三畳農業高のセッター。賢者のような風格のある巨大なシカ。

クマガイ.jpg
クマガイ
三畳農業高のセンター。のんびり屋のツキノワグマ。

シマダ.jpg
シマダ
三畳農業高のバレー部員。可愛らしいシマリス。

イノセ.jpg
イノセ
三畳農業高のレシーバー。突進でどんなボールも拾ってしまうニホンイノシシ。

万石正一
さすらいの動物解説者。

鮎原姉妹
東京都のお嬢様名門校として有名な聖ペンシルヴァニア女子大学附属高校バレー部キャプテン。
あの伝説のバレー選手の血を引く双子。攻めの咲(妹)と守りの幹(姉)で、性格は対照的だが、仲はいい。高校女子バレー界の絶対的王者で誰よりもバレーを楽しんでいる。高校卒業後は姉妹揃ってプロ入りが取り沙汰されているが・・・
ふたつ名は「ランス&シールド」
Calendar
<< March 2026 >>
SunMonTueWedThuFriSat
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031
search this site.
tags
archives
recent comment
recent trackback
others
にほんブログ村 科学ブログへ にほんブログ村 科学ブログ 恐竜へ カウンター
admin
  • 管理者ページ
  • 記事を書く
  • ログアウト

1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 | 32 | 33 | 34 | 35 | 36 | 37 | 38 | 39 | 40 | 41 | 42 | 43 | 44 | 45 | 46 | 47 | 48 | 49 | 50 | 51 | 52 | 53 | 54 | 55 | 56 | 57 | 58 | 59 | 60 | 61 | 62 | 63 | 64 | 65 | 66 | 67 | 68 | 69 | 70 | 71 | 72 | 73 | 74 | 75 | 76 | 77 | 78 | 79 | 80 | 81 | 82 | 83 | 84 | 85 | 86 | 87 | 88 | 89 | 90 | 91 | 92 | 93 | 94 | 95 | 96 | 97 | 98 | 99 | 100 | 101 | 102 | 103 | 104 | 105 | 106 | 107 | 108 | 109 | 110 | 111 | 112 | 113 | 114 | 115 | 116 | 117 | 118 | 119 | 120 | 121 | 122 | 123 | 124 | 125 | 126 | 127 | 128 | 129 | 130 | 131 | 132 | 133 | 134 | 135 | 136 | 137 | 138 | 139 | 140 | 141 | 142 | 143 | 144 | 145 | 146 | 147 | 148 | 149 | 150 | 151 | 152 | 153 | 154 | 155 | 156 | 157 | 158 | 159 | 160 | 161 | 162 | 163 | 164 | 165 | 166 | 167 | 168 | 169 | 170 | 171 | 172 | 173 | 174 | 175 | 176 | 177 | 178 | 179 | 180 | 181 | 182 | 183 | 184 | 185 | 186 | 187 | 188 | 189 | 190 | 191 | 192 | 193 | 194 | 195 | 196 | 197 | 198 | 199 | 200 | 201 | 202 | 203 | 204 | 205 | 206 | 207 | 208 | 209 | 210 | 211 | 212 | 213 | 214 | 215 | 216 | 217 | 218 | 219 | 220 | 221 | 222 | 223 | 224 | 225 | 226 | 227 | 228 | 229 | 230 | 231 | 232 | 233 | 234 | 235 | 236 | 237 | 238 | 239 | 240 | 241 | 242 | 243 | 244 | 245 | 246 | 247 | 248 | 249 | 250 | 251 | 252 | 253 | 254 | 255 | 256 | 257 | 258 | 259 | 260 | 261 | 262 | 263 | 264 | 265 | 266 | 267 | 268 | 269 | 270 | 271 | 272 | 273 | 274 | 275 | 276 | 277 | 278 | 279 | 280 | 281 | 282 | 283 | 284 | 285 | 286 | 287 | 288 | 289 | 290 | 291 | 292 | 293 | 294 | 295 | 296 | 297 | 298 | 299 | 300 | 301 | 302 | 303 | 304 | 305 | 306 | 307 | 308 | 309 | 310 | 311 | 312 | 313 | 314 | 315 | 316 | 317 | 318 | 319 | 320 | 321 | 322 | 323 | 324 | 325 | 326 | 327 | 328 | 329 | 330 | 331 | 332 | 333 | 334 | 335 | 336 | 337 | 338 | 339 | 340 | 341 | 342 | 343 | 344 | 345 | 346 | 347 | 348 | 349 | 350 | 351 | 352 | 353 | 354 | 355 | 356 | 357