『青春アタック』脚本⑫大同団結

投票日まであと1日の張り紙。
選挙運動に追い込みをかける両陣営。

校門前
登校する学生全員に握手をするちおり
ちおり「花原さん、私腕がいたい。」
花原「弱音を吐くな!握手の数が票の数・・・!たとえ腕がもげても握手をするのよ。」
乙奈「まったく同じことをブラック芸能事務所がおっしゃっていましたわ・・・
もちろん世論から袋叩きにあって倒産しましたけど。」
花原「・・・え?」
海野「生原さんは小さいから、肩にも負担がかかるのよ・・・」
花原「わかった。いま踏み台を用意するわ・・・」
ちおり「いいよ、わたし頭なでなでしてもらう!」
花原「・・・はあ?」
握手ではなく頭をなでてもらうちおり。
学生「きゃああかわいい!」

生徒会室
緊張して無言の華白崎
「校門前はずいぶんな人だかりですね・・・」
はげます病田「だいじょうぶですよ・・・
華白崎さんが今まで学校のためにやってきたことはみんなが知っています・・・」
華白崎「しかし・・・学校の存続にこだわるあまり・・・私は多くの恨みを買いすぎた・・・
経費節減のために潰した部活動も多い・・・育毛クラブに死せる詩人の会・・・」
ショックを受ける病田「え?私の部活動って潰れてたんですか・・・??」
生徒会室に入ってくる大此木「珍しく弱気じゃねえか・・・お前らしくもねえ」
華白崎「大此木くん・・・」
大此木「お前みたいなやつは最後まで高慢で嫌な奴でいればいいんだ・・・
相手は幼稚園生みたいなやつだぞ・・・何を恐れることがある・・・?」
冷たく笑う華白崎「そうね・・・わたしはあんなポピュリズムには屈しない・・・」

学校の掲示板には、学校新聞が貼られる。
「両候補の得票数は拮抗する見込み」
「すべては明日の立会演説会で決まる――」



体育館
立会演説会
司会の羽毛田校長「それでは、生原陣営から有権者に対して最後のメッセージをどうぞ。」
聴衆からの大歓声と拍手。
さくら先生「この度、生原候補の後援会長を承りました養護教諭の吹雪さくらです・・・」
え~この生原候補は、入学して期間は浅いですが・・・まずかわいい!
小さいからスペースもとらない!以上の点で、生徒会長にはうってつけの人物!
生徒諸君、ぜってえ、投票してくれよな!」
海野「内容がカルピスより薄い・・・」
花原「ひ・・・ひどい演説だ・・・」

羽毛田「せ・・・政策面ではなにかございますでしょうか・・・?」
さくら「・・・へ?ちおりん、なんかある??」
ちおり「楽しい学校、あかるい教室、美味しい給食!」
羽毛田「もう少し具体的に・・・」
ちおり「ん~むずかしくてよくわかんない。」
さくら「さすが生原先生、まさにそれが政治の真実・・・!
結局は、シンプルな問題をみんなで難しくしちゃっているのよ。」
病田「あ・・・あの・・・この、高校に給食を導入というのは、予算はどこから・・・」
さくら「出たよ、カネカネカネ・・・政治に金は要らねえんだ!」
ちおり「うん!食べ物はゴミ箱をあさればタダで・・・」
ごまかすさくら「先生、もうこの辺で・・・!うっふ~ん♡」

羽毛田「で・・・では、華白崎候補、お願いします・・・」
登壇する華白崎。
まばらな拍手。
用意した演説原稿に目をやる。
A案とB案、どちらを使うか悩む。

なかなか演説をしない華白崎に戸惑う観衆。
ざわつく。

病田「華白崎さん・・・」
大此木「なにやってんだあいつ・・・」

華白崎「・・・わたしが皆さんに嫌われていることは知ってます・・・
言い訳はしません・・・
確かに学校のためとはいえ、時に非情な判断をすることもあった・・・
事件や事故があるたびに、全校生徒へ募金やボランティアを強制したことは、本当にごめんなさい・・・ああいうことは強制することではなかった・・・
また・・・インフルエンザが流行ったとき、いつも病気がちな病田先生を長期間強制隔離し、国語の授業を混乱させたことも謝罪します・・・病田先生は結局陰性だったし・・・」

4組男子「おいメガネ!生原ちゃんの家を焼いたのもあんたなのか!?」
3組練習生「乙奈先生を週刊誌に売ったのも謝罪してください・・・!」

華白崎「・・・それは・・・」

4組男子「中途半端な謝罪ならするんじゃねえ!」
4組女子「そうよ・・・!火災現場であなたを見かけたって人もいるのよ・・・!」
華白崎に大ブーイングが飛ぶ。
羽毛田「みなさん・・・静粛に・・・」

舞台に上がる乙奈「・・・静まりなさい・・・!」
舞台上のスーパーアイドルに全校生徒が鎮まる。

乙奈「あの火災現場にはわたくしも居合わせました・・・
教会の近くでしたから・・・
それなら、わたくしも共犯ですか?」
3組練習生「乙奈先生が放火をするわけ・・・」
乙奈「では、華白崎さんは放火するのですか・・・?
華白崎さんはボランティアで貧しい方々に奉仕活動を行っていました・・・
みなさんにも呼び掛けていましたが、誰も参加しなかったのでご存じないでしょう・・・
あの日も・・・華白崎さんは真っ先にホームレスの方々を救助していましたわ・・・」
舞台袖から出てくる花原「私も証言する。
ちおりの家を焼いたのは暴徒化したリストラサラリーマンよ・・・」
3組練習生「じゃあ、週刊誌の件は・・・」
花原「ああ、あれも絶対華白崎さんじゃないわ。命かける。」
4組男子「どうしてそこまで言い切れるんだ!」
花原「あのネタを週刊誌に売ったの、あたしだもん。
あの10万円の謝礼金で年を越せたわ~」
ドン引きする全校生徒「・・・・・・。」
その直後花原めがけてゴミが飛んでくる。
全校生徒「この人間のクズが~~!!」
花原「あの翼ちゃんが乙奈さんだって分からなかったのよ・・・!許して・・・!!」

グダグダになって立会演説会は終わる。
羽毛田「ええ、では、昼休みから投票を受け付けますので、よろしくお願いします・・・」
海野と乙奈に抱きかかえられながら、べそをかいて出ていく花原。

全校生徒が帰った体育館。
会場を片付ける華白崎
病田「華白崎さん・・・なぜB案を使わなかったんですか・・・?」
華白崎「・・・恥ずかしくなっちゃったのよ・・・
病田先生・・・私なんかについてくれてありがとう・・・
やるべきことはやりました。投開票を楽しみにしましょう・・・」



学食
生原陣営が食事をとっている。
ブーちゃんがとんかつを揚げている。
ちおり「わ~い!とんかつだ~!」
ついでに揚げパンも上げてくれたブーちゃん。
ちおり「揚げパンまで・・・うれし~!!」
乙奈「花原選対委員長は・・・?」
さくら「校長先生から厳重注意を受けて早退したらしいわよん・・・」
乙奈「あらあら・・・わたくしは、もう気にしておりませんのに・・・」
さくら「あの時はマスコミのメディアスクラムで全授業がストップしたからね~」
学食に駆けてくる海野「開票速報が出たわ!!」

「投票率99.5%
生原血織(新)・・・123当
華白崎桐子(現)・・・28落」

ちおり「ばんざーい!ばんざーい!!」
シャンパンを開けるさくら
海野「生原会長おめでとう!!」

お通夜状態の生徒会室
記者会見を受ける華白崎
「今日まで私を支えてくれた有権者の皆さんとスタッフに感謝します・・・
この結果は一重に私の力不足によるもの・・・
生原新生徒会長にエールを送りたいと思います・・・」



投票をした学生にインタビューをする放送委員会
「生原さんを選んだ理由は?」
学生A「やっぱり、見た目がかわいいし・・・
華白崎さんは確かに学校に貢献したとは思うけど・・・
正直見た目が・・・くそ真面目・・・って感じで・・・」
学生B「端的に言うと、ブスだよな!」
リポーター「有権者は政策の内容ではなく、見た目で候補者を決める・・・
民主主義の現実が垣間見えた選挙戦でした。現場からは以上です!」



生徒会室
華白崎のスタッフが段ボールに荷物を詰め部屋から出ていく。
ちおり「うお~今日からここに住んでいいの?」
病田「こちらが会長室のカギになります・・・」
ちおり「わ~い!」
手入れされたAO機器を眺める
海野「すごい・・・職員室よりも設備がしっかりしてる・・・」
病田「それと・・・これも差し上げます・・・
華白崎さんのもう一つの演説原稿です・・・
こちらの方が、華白崎さんの想いが伝わって好きだったんですけどね・・・」
原稿を受け取る海野「・・・。」
ちおり「海野さん読んで!」
原稿用紙を開く海野
「私はこの学校が好き・・・入学試験も学費もない、この学校が・・・
きっとこれからも不幸な境遇の子どもはたくさん生まれる・・・
この学校は・・・そんな子たちの最後の希望になる・・・
私はその希望を・・・ずっとずっと残していきたい・・・」
病田「生原会長・・・素敵な学校にしてくださいね・・・」



その後・・・
興奮して体育館に入ってくるちおり。
ちおり「ねえ!この学校に広末涼子が来た・・・!」
花原「ちおり・・・それは枯れた柳の幹じゃ・・・」
ちおり「本当だって・・・!」

体育館にショートカットの美少女が入ってくる。
美少女「失礼します・・・」
ちおり「あー!あの子だよ!!」
花原「人気アイドルの次は女優かよ・・・あ・・・本当にヒロスエがいる・・・」
山村「なんと美しき貴婦人・・・我が体育館に何用かな・・・?」
笑う美少女「メガネを外しちゃったから、気づかないんですね・・・山村先輩・・・」
気がつく乙奈「あら・・・」
海野「もしかして・・・」
コンタクトの華白崎「約束通り、チームに入れてもらいますよ・・・」
花原「うそでしょ?・・・華白崎さんなの・・・??」
ちおり「やべー超きゃわわ!!あのメガネ今すぐ捨てたほうがいいよ!」
透明感のある笑顔で笑う華白崎。

こうして、生原ちおりによって白亜高校は統一されたのだった――

『青春アタック』脚本⑪倚門之望

壁に全国模試の結果が張り出される。
ガヤ「すげ~な、また華白崎が全国一位かよ・・・!」
「なんでそんなやつがこんな底辺校にいるんだ・・・?」

背伸びして結果を見るちおり「わたしはどこかな~?」
花原「5教科2点のあんたが全国ランカーに載るわけ無いでしょ・・・」
ちおり「見えな~い、花原さんだっこして~」
花原「まったく・・・ほら」
ちおりを抱きかかえてあげる。
ちおり「花原さんは?」
花原「わ、わたしはこういうすでに判明していることを丸暗記することに意義を感じないから・・・」
ちおり「あった!偏差値62だって!頑張ってせいぜい千葉大だってよ。」
花原「声がでかい・・・!」
海野「華白崎さんは本当にすごいよね・・・私なんて体育しかできないもん。」
乙奈「わたくしも音楽だけですわ・・・四国4県が言えるかも怪しい・・・」
ちおり「メディア、リディア、新バビロニア、ミスルでしょ?」
花原「お前は異世界に住んでいるのか・・・
ふん・・・あそこは、たしか親が弁護士でしょう?
金持ちの家は子どもの学力が高いことが相関関係としてあるのよ・・・」
ちおり「わたしたち貧乏でよかったね!」
海野「・・・え?うん・・・」

近づいてくる華白崎「・・・自分の努力不足を家柄のせいにしている限り、あなたたちの成績が上がることはないわね」
花原「出たよ・・・」
海野「まったくおっしゃる通りです・・・華白崎さんは大学は何処へ行くの・・・?」
そのまま横切ろうとする華白崎「・・・私が受験する2年後まで、この学校が果たしてあるのか・・・」
花原「あんた1年生だったのか・・・」
海野「ねえ・・・バレーの話は・・・」
華白崎「・・・この前お断りしたはずです・・・私はいま選挙の準備で忙しいので。」
行ってしまう。

ちおり「・・・せんきょ?」
海野「生徒会長の選挙よ・・・そうか・・・1年生だから華白崎さんは副会長だったんだ・・・」
花原「いくら優秀でも、あんな冷たい女には票は入らないと思うわ・・・」
乙奈「でも・・・あの人の経理で、この学校は紙一重に廃校を逃れていますわ・・・」
花原「なら政治家じゃなくて官僚をやってればいいのよ・・・
ちおり・・・あんた立候補しなさい。」
ちおり「地盤もカバンも看板もないですが・・・」
花原「貧乏代表として、特権階級をギャフンと言わせるのよ。」
海野「花原さん、そんなむちゃくちゃな・・・」
花原「生徒会費で好きなだけ納豆ご飯食べられるわよ?」
ちおり「ほんと!?やる~!」



職員室
羽毛田校長「いや~今年の会長選挙は面白くなりそうですね・・・」
くわえたばこをして校長にお茶を出すさくら
「え?華白崎副会長の繰り上げ当選じゃないんですか?
だいたいあの子しか立候補しないでしょう。」
京冨野「生原のお嬢が出馬するらしいぞ。」
京冨野がちおりの選挙ポスターをさくらに差し出す。
幼稚園生みたいなクレヨンで書かれた文字で
「たのしいがっこう おいしいきゅうしょく しゅういちあげぱん」と書いてある。
京冨野「マニュフェストだそうだ・・・」
さくら「・・・校長、あたしちおりちゃんの後援会長やっていいっすか?
立候補には一名以上の教員の推薦がなきゃいけないわけだし・・・」
羽毛田「どうぞどうぞ!」
華白崎のポスターも差し出す京冨野「委員長のほうももらってきたぜ・・・」
さくら「白亜高校を蘇らせる4つのお約束・・・基礎的財政収支健全化・・・不必要な歳出の見直し、事業仕分け・・・つーか字が多い。この文字の小ささはアラサーの女には無理。」
病田「・・・・・。」
病田が職員室から出ていき、生徒会室に入っていく。

生徒会室
生徒会のスタッフが関係各所に電話攻撃をかけている。
「もしもし・・・!今回の選挙、はい、ぜひ社長のお力添えを・・・!」
「自治会長様はいらっしゃいますでしょうか、はい・・・今年の選挙の件で・・・!!」
おどおどする病田「華白崎さん・・・ちおりちゃん陣営にはさくら先生がついたみたい・・・
さくら先生はわたしと違って生徒から人気があるから・・・どうしよう・・・」
ワープロを打って演説原稿を作成する華白崎
「目立ちたいだけのタレント候補ですよ・・・捨ておきましょう・・・」
印刷機から原稿が出力される。
華白崎「A案です。こちらがB案・・・
誤字脱字の確認をお願いします。日本語として不自然な点がないかも・・・」
原稿を添削する病田「わ・・・わかりました・・・」
華白崎「・・・・・・」



廊下を花原がマウンテンバイクをこいで走っている。
自転車の後ろにはちおりが二人乗りをしており、笑顔で手を振っている。
花原「はいばら、はいばらちおりでございます。
段ボールの家は焼かれ、こんにちまでぺんぺん草を食べて生きてまいりました。
本当に苦しい学生の気持ちがわかる政治家・・・はいばらちおりにどうぞ清き一票を・・・」
なぜかビートたけしのものマネをするちおり
「おわっちゃったのかな、まだはじまっちゃいねえよこのやろう!」
4組女子「ちおりちゃんがんばって!」
3組練習生「生原プロデューサーファイト~!」
運動部の主将たち「ちおりちゃん、会長になったら部費をはずんでくれよ~!」
花原「華白崎が3倍なら、ちおりは今の4倍だすわ。財源には羽毛田校長の給与を充てる・・・!」
主将「わ~いグラウンド増設しようぜ!」
悪い顔をする花原(・・・我ながら天才ね・・・
ちおりを客寄せパンダにして私が生徒会の会計の実権を握れば、この学校の金はわたしのもの…)

そのとき、マウンテンバイクのバランスが崩れ、豪快に転ぶ2人。
花原「ぎゃあああああ!」
ちおり「にゃあああああ!」

全身をすりむく花原「誰よ!廊下にワックスがけをしたのは!!」
清掃用具を持つ華白崎「・・・校内で自転車に乗る方が悪いのでは・・・?」
花原「あ、あんたの仕業ね・・・!」
華白崎「・・・校内の美化活動はわたしの日課です。」
花原「ま~た、分かりやすい点数稼ぎを・・・」
華白崎「あなたたち学生が毎日しっかりと掃除をすれば、こんなことをする必要もないの・・・」
ちおり「花原さん掃除さぼっているのバレてるよ?」
花原「・・・はは・・・」
華白崎「・・・政治家は、甘い幻想を国民に抱かせてはならない。」
花原「何が言いたいのよ・・・」
華白崎「べつに・・・」
華白崎「生原さん・・・あなたはなんで生徒会長になりたいの・・・?」
ちおり「ん?生徒会長になったら毎日白いご飯を食べさせてくれるって花原さんが・・・」
あわてる花原「生原先生ストップ・・・!」
華白崎「なるほど・・・花原さん、あなたの借金返済のために、この学校を渡すわけにはいかないわ・・・今度の選挙はわたしが絶対に勝つ・・・」
花原「もし負けたら?」
華白崎「そうね・・・あなたたちとバレーでもやってあげるわ・・・」
喜ぶちおり「ほんと!?やったー!!」



保健室
消毒をするさくら「あんたたち選挙運動初日で何でもう満身創痍なのよ・・・」
ちおり「花原さんがこけた。」
花原「あの子が校舎をピカピカにするから・・・」
ちおり「誰も見ていないところで、学校のために働いている・・・
本当によくできた人だよね!」
花原「対抗馬を褒めてんじゃないわよ・・・」
さくら「・・・で?有権者の感触は?」
花原「ばっちり。この子かわいいからけっこう人気あるんですよ。」

保健室に入ってくる海野「学区に生原さんのポスターを貼ってきたよ。」
乙奈「校内も完了ですわ・・・」
さくら「ごくろう・・・で、華白崎のポスターははがしてきたの?」
海野「・・・え?それは・・・」
さくら「じゃあ落書きは?バカとか、うんことか何でもいいから書いてこないと・・・!
ネガティブキャンペーンは選挙運動の基本よ?」
乙奈「こっちのイメージがかえって悪くなりませんかしら・・・」
さくら「だからロビイストとか影の人間を使うのよ。
花原選対委員長・・・ずいぶんと生ぬるいじゃない・・・
相手の心臓を掴んで握りつぶすくらいの非情さがないと、選挙には勝てないわよ?」
花原「べ・・・勉強になります・・・」
海野「そういえば、なんでさくら先生はこっちの後援会長を引き受けたんですか?」
目をそらすさくら「そ・・・それは、まあいいじゃん・・・」
華白崎のチラシを見て乙奈「もしかしてこれかしら?
一部の教員が校内で飲酒・喫煙をしているが、未成年である学生への教育的悪影響を鑑みて、一切禁止にすべきです・・・」
さくら「独身女から酒とタバコを取り上げるなんて、あの子は冷血動物よ・・・!うわああ!」
花原「学校の外で飲めばいいじゃないですか・・・」
さくら「これだから平成世代は・・・大人には、あんたたち子どもにはわからない苦労があんのよ・・・
この酒も医療用アルコールという名目で保健室が購入しているけど、あの子が会長になったらいつ摘発されるやも・・・」
ちおり「・・・見逃してやろうよ。」
さくら「さすがちおりん・・・!先生はあなたのことが大好き!」
ちおり「厳しく取り締まると、この先生きっと密造するよ。」
乙奈「それは犯罪ですわ・・・」
さくら「とにかく、どんなにできた人物にも叩けばホコリは出てくるものよ・・・
女子高生たちよ、華白崎桐子副会長のスキャンダルをとってきなさい・・・!」



生徒会室を隣の校舎の窓から望遠鏡で監視する乙奈
生徒会室で帳簿をつけている華白崎
乙奈「作業を始めて3時間・・・休憩するそぶりもない・・・なんて勤勉な方・・・」

1組プロフェッショナルクラス
1組生徒「海野さん、1組に何か用ですか?」
海野「華白崎さんについて聞きたくて・・・」
生徒「とっても優しい人ですよ。」
生徒「数学の授業も解りやすいしね。」
生徒「東大の二次試験の数学を解説できる高校生はあの人くらいだよね!」
海野「クラスのみんなとはうまくやれてるんだ・・・」
生徒「あの人・・・まじめすぎるから誤解されやすいのは知っています。
でも、本当はとってもあたたかい心を持った人なんです。」



下校する華白崎を尾行する海野と乙奈
海野「こういうことしたくないんだけどな・・・」
カメラを持つ乙奈「同感ですわ・・・
でもわたくしもあの方に芸能活動をリークされたわけですし・・・おあいこってことで・・・」
海野「そう言いながら、なんか楽しそうね乙奈さん。」
乙奈「スパイ大作戦とか大好きなんです。
あ・・・あの弁護士事務所がおうちですわね・・・」
弁護士事務所の角を曲がって建物の影に入っていく華白崎。
追いかけようとする二人。
海野「あれ・・・?いなくなっちゃった」
乙奈「わたくしとしたことがターゲットを見失いましたわ・・・!」
すると二人の背後に現れる華白崎
「わたしは人に見られて恥かしいことなど一度もしたことはない・・・」
乙奈「いつから背後にいらっしゃったのですの・・・?!!」
華白崎「しかし、他人のプライバシーを暴こうとするなんてあまりにも悪趣味です。」
海野「・・・本当にごめん・・・
でも・・・私は選挙とか関係なく・・・あなたのことが知りたいの・・・」
華白崎「・・・なぜ?」
海野「ともだちに・・・なりたいなって・・・」
華白崎「私は、ずっと前から友だちだと思っていますよ・・・職員室でみなさんと机を並べた時から。」
海野「・・・え?」
華白崎「それでは、また明日学校で。」
そういうと、ボロボロの平屋に入っていく華白崎。

海野「え・・・?ここが華白崎さんの家・・・?」
乙奈「家が弁護士事務所の・・・裏だっただけなのですわね・・・」
海野「乙奈さん・・・帰ろう・・・友だちにすることじゃないよ、これ・・・」
カメラをしまう乙奈「はい・・・」

帰っていく二人を横目に、マウンテンバイクで走ってくる花原
「これはスクープよ!高学歴エリートだと思われていた華白崎の実家がまさかの廃屋レベル!!
明日の学級新聞の一面はこれに決まりね!」
ワクワクしながら華白崎の家の塀をよじ登り、家の中を覗き込む花原。
その時、家の中で何かが割れる音がする。

華白崎の家の中は、床中にものが散乱するひどい有様で、父親らしき人物が酔っぱらって華白崎を突き飛ばしている。
駆け寄る華白崎の小さい妹や弟たち「おねえちゃん・・・!」
メガネをひろう華白崎「また、吞んじゃったのね・・・」
まったく動じずエプロンをして、部屋を片付け、妹たちのために食事を作る。
フライパンに油をひく「モヤシ炒めスペシャルでいい・・・?」
妹「お姉ちゃん・・・ケガ大丈夫・・・?」
妹の頭をなでて微笑む華白崎「心配ない・・・
高校を卒業したらすぐに就職してあなたたちを楽にするから・・・」
父親「酒を出せ、この野郎!」
華白崎「・・・わたしを殴っても、酒は出てこないわよ・・・」
父親「やってみなきゃわからねえ!」
華白崎を殴る父親。
怯える兄弟たち「おねえちゃん・・・!」
華白崎「なぐるなら私にして・・・!」

無言で塀から降りる花原「・・・想像以上に重かった・・・見なかったことにしよう・・・」
すると、海野がまだ帰っていないことに気づく。
花原「海野さん・・・?」
海野「やっぱり・・・見過ごせない・・・!」
華白崎の家の中に入っていく海野
花原「・・・え!?ちょ、ちょっと、その中は・・・」

ウイスキーの瓶を取り出す父親
「へへへ・・・おとなしく、さっさと出せばいいんだ・・・」
その瓶を取り上げて、流しに捨ててしまう海野
父親「て・・・てめえ、何者だ!?何をしやがる・・・!」
震えながら海野「世の中には・・・こんな親が本当にいるんだね・・・」
華白崎「海野さん・・・」
父親「桐子!誰だこいつは!!民生委員か!!?」
涙を流す海野「・・・・・・。」
あわてて花原も入ってくる「海野さん、もう帰ろう・・・人の家に首を突っ込んじゃ・・・」
父親に向けて、ゆっくりと話しだす海野
「・・・わたしには両親がいません・・・」
父親「だ・・・だから何だ・・・!」
海野「・・・今まで誰にも言ったことはないけど・・・
3年前の大震災で私の家は被災して・・・
お父さんとお母さんはわたしをかばってつぶれてしまった・・・」
華白崎「・・・なんで、そんな話をするの・・・?」
華白崎の方を向く海野「ともだちだから・・・」
花原「・・・・・・。」
海野「でも・・・心の中に両親がいるから・・・私は明るく生きていける・・・
それはきっと、あなたの娘さんたちだってそう・・・
もし・・・この子たちの心の中に、優しいお父さんの姿がなくなったら・・・
絶対に・・・生きてはいけない・・・
だから、華白崎さんのお父さん・・・家族をもっと大事に・・・!」
海野にも殴りかかろうとする父親「・・・酔っていて何を言っているかわからん!」
その父親をひっぱたく花原
吹っ飛ぶ父親「ぐええええ!!!」
花原「なら、いい加減酔いを醒ませ!!
・・・あんたの娘は誰よりも優秀で・・・お前がいなくたって一人で生きていけるんだ・・・!
でも毎日家に帰っている・・・家で親の帰りを待っている・・・
まだわからないの?
父親のあんたが好きだからよ・・・!!」
華白崎「花原さん・・・」
花原「お父さんの人生に何があったからは知らないけど・・・
家族がいる幸せってやつをもう一度考え直してみなさい・・・
海野さん、帰ろう・・・」
涙をぬぐう海野「うん・・・おじゃましました・・・」
後ろから呼び止める華白崎
「待って・・・学級新聞にリークする気・・・?」
振り返らずに家を出ていく花原「・・・墓場まで持っていくわよ・・・」
微笑む海野「じゃあまた明日学校でね・・・!」
2人を見送る華白崎「・・・・・・。」



翌日の保健室
さくら「どうだった、委員長のスキャンダルのネタはあった?」
海野「いえ・・・まったくのクリーンでした・・・ね?」
乙奈「ええ・・・残念ながら三木武夫レベルですわ・・・」
腕を組むさくら「ダメか~!結局いい子なのよね、あの子は・・・面白みがないっていうか・・・」
花原「そういえば、さくら先生ってお酒で悪酔いしたことってあるんですか・・・?」
さくら「あるよ、しょっちゅう。
大人は孤独だからね。
30を過ぎると、アルコールしか友達がいなくなるのよ・・・」
すると、保健室に入ってくる華白崎
「なら・・・いい友達がいますけど、紹介しましょうか・・・?
失業した弁護士で華白崎和夫っていうんですけど・・・」
さくら「マジで!?」
海野「華白崎さん・・・」
華白崎「あの人に、大人のお酒の飲み方を教えてあげてほしいんです・・・」
さくら「おっけー!お姉さんが可愛がってあげるわよ~ん!」
花原の方を向いて華白崎「対立候補の陣営に来て悪かったわね・・・すぐ出ていくから・・・
ただ・・・2人に一言言いたくて・・・」
花原・海野「・・・・・・。」
華白崎「・・・ありがとう。」
保健室から出ていく華白崎。
微笑むちおり「??なんかよくわからないけど・・・よかったね!」

『青春アタック』脚本⑩鶴鳴之士

海野「やっぱり大此木くんが下がったか・・・花原さん、ネット際で両手を上げててくれる?」
花原さん「・・・?こう?」
海野「もし男子チームがアタックをしてきたら、そのまま上へジャンプして欲しいの。」
花原「・・・え?怖い・・・」
海野「大丈夫、ブロックは相手のスパイクを直接止めるというよりは、コースを絞るためのもの・・・
ボールは当たらないわ・・・花原さんの身長はじゅうぶん相手には脅威よ・・・」
花原「ま・・・まあ・・・上に飛ぶくらいなら・・・」
海野「ちおりちゃん、私がレシーブした球を練習のように花原さんにトスできる?」
ちおり「いいよ~!」
海野「花原さん・・・いつも山村くんにぶつけているアレをお願い。」
ニヤリとする花原「・・・オーケイ・・・」
山村「その山村は何をすればいいかな。」
海野「花原さんのとなりでブロックしてくれる?」
山村「2枚か・・・鍛え抜かれた我が大腿四頭筋が日の目を見る時が来たれり・・・」
ホイッスルがなる。

ジャンプサーブをする海野
「大此木くんには本気でかからないと・・・」
先ほどよりも強いボールを放つ海野。
大此木「なめるなあ!!」
飛び込んで海野のサーブをレシーブする大此木。
観客「すげえ!レシーブしたぞ!!」
「プロの試合みたい!!」
大此木「野球部、センターライン方向へトスだ!!」
野球部「御意!」
大此木がバックアタックをしてくる。
前方に飛んでくる大此木にビビる花原「ひいい怖い!!」
一人でブロックする山村「ぬう!裏切るか花原さん・・・!!」
花原を超えてボールが飛んでくる。
海野「さすが、大此木くん!バックアタックで返してきた・・・!」
体重が乗ったバックアタックを後方に飛びながら力を逃がしてレシーブして上げる海野。
海野「男子のボールは重い・・・!」
観客「あの二人ヤバいな!」
直ぐに起き上がる海野「生原さん・・・!」
冷静にをトスを上げる生原「ほい!」
花原「くらいやがれ・・・!」
大此木「ブロックだ!!」
ネット際で走り高跳びの要領で陸上部がブロックをする。
ネット越しで陸上部と花原の顔が近づく。
ドキッとする花原「イ・・・イケメンが至近距離に・・・!」
スパイクを空振り、下に落ちたボールを踏んづけて転び、床にゴチンと頭を打つ花原
「きゃ~!!」
海野「花原さん、だいじょうぶ!?」
大此木「な・・・なんてチョろいんだ・・・」
陸上部「・・・・・・。」
大此木「なんでお前もちょっとドキドキしてるんだよ!!
て・・・てめえら合コンしに来たんじゃねえんだぞ!!
思い出せ・・・!女子どもが我々モテない男子にどんな仕打ちをしてきたか・・・!」
野球部「大此木部長、すまない。運動部の主将はそういう経験が実はそんなにないんだ・・・」
サッカー部「2月にはけっこうチョコレートもらえるしな・・・」
大此木「・・・え?俺様だけ??」
海パン一枚の水泳部「俺もいるぞ・・・!」
大此木「水泳部・・・!」
海パンの中からボールを取り出す水泳部「スイミングで鍛えたこの肩から繰り出されるクロールサーブ・・・味わうがいい・・・!」
大此木「て、お前、どこからボール出してんだよ!」
ニヒルに笑う水泳部「どこでもドアも出せるぜ・・・?」
耳打ちする大此木「(コイツはモテないわ・・・)・・・水泳部よ、耳をかせ。」

スコアボードは「女子4―男子0」
病田「サーブ権は男子チームに移ります・・・!」
ホイッスルがなる。
綺麗なフォームでフローターサーブを打つ水泳部「スイムスイム!!」
よける乙奈「きゃああ!」
海野「乙奈さん・・・!」
乙奈「あんな速いボール無理です・・・!」
山村「いい打球だ・・・そしてあの発達した僧帽筋・・・勉強になる・・・」
花原「あいつサーブうまいわね・・・」
水泳部「ふはは・・・怯えておるわ・・・!だが悪夢はまだ始まったばかりだ・・・!!」
再び乙奈を狙ってくる水泳部。
再び避ける乙奈「きゃああ!!」
海野「乙奈さんレシーブしよう・・・!」
乙奈「こ・・・怖いです~!」
海野「ボールをよく見て・・・!練習通りにやれば返せるから・・・」
水泳部「踊れ踊れ・・・!!」
大此木「ぎゃはは!まるでドッチボールだな・・・!悔しかったらレシーブしてみい!!」
花原「乙奈さんばっかり狙うのは卑怯よ・・・!」
ちおり「そ~だよ!
それに・・・ドッジボールだよ。」
大此木「・・・え?」
花原「ぷ~間違ってやんの、だっさ~」
ちおり「安室奈美恵のCAN YOU CELEBRATE?の出だしはカニサラダじゃないよ!」
大此木「う・・・うるさいわ・・・!!俺様は安室奈美恵なんか歌わん・・・!!
水泳部、容赦はするな・・・!あの運動音痴の乙奈をあと8回狙えば、我々男子の勝利だ・・・!」
海野「そうはいかないわ・・・!
向こうがサーブを打ったら、乙奈さんはすぐに前へ上がって。私が拾う・・・!」
乙奈「海野さん・・・本当にごめんなさい、私足手まといで・・・」
海野「アイドル時代に歌やダンスが苦手なメンバーになんて声をかけてた・・・?」
乙奈「・・・え?」
微笑む海野「・・・だいじょうぶ!」
メガネをなおす大此木「くだらねえ友達ごっこしてやがる・・・」

水泳部のサーブが飛んでくる。
すると標的が乙奈ではなく後衛レフトのブーちゃんになっている。
海野「しまった・・・!!」
大此木「足手まといは一人じゃねえだろ海野・・・!」
すると、ブーちゃんが水泳部のサーブを上手にレシーブしてセッターのちおりに運ぶ。
大此木「なんだと!!??」
海野「・・・!!!うまい・・・!!生原さんトス・・・!」
ちおり「やっ!」
ちおりは花原ではなく、今度は山村にトスを上げる。
山村「・・・え?俺・・・!?」
あわててアタックモーションに入る山村。
大此木「ブロックだ!!」
ネット際で走り高跳びの要領で陸上部がブロックをする。
ネット越しで陸上部と山村の顔が近づく。
ドキッとする山村「イ・・・イケメンが至近距離に・・・!」
スパイクを空振り、下に落ちたボールを踏んづけて転び、床にゴチンと頭を打つ山村
「きゃ~!!」
大此木「なんでお前までキュンキュンしてるんじゃ!!」

海野「ナイスレシーブ、ブーちゃん!」
乙奈「じょうずでしたわ・・・!」
コツをつかんだ様子のブーちゃん。
花原「それに引き換え、あんたは何してんのよ!」
山村「その言葉、そのままお返ししよう・・・恋する乙女よ・・・」
ちおり「・・・海野さん、前衛もわりと足手まといだよ!」
海野「え・・そんなことは・・・いや・・・そうかも・・・」
花原と山村「・・・え?(かばってくれない・・・!?)」

水泳部「おのれ、学食のおばちゃん・・・我がサーブを見切ったというのか・・・?」
大此木「気にするな、ただのまぐれだ。べつに無理にサービスエースを狙わなくてもいい。
前衛のバカ二人はイケメンを与えときゃ無効化できる・・・
テニスの王子様、お前もブロックに加われ!」
テニス部「ぼくは、マッスル山村はタイプじゃ・・・」
大此木「うるさい!」

海野「生原さん・・・クイック攻撃とかどこで習ったの・・・?」
ちおり「な~に、それ?」
海野(花原さんがときめいてスパイクが打てないことを見越して、とっさに山村くんにアタッカーを変えた・・・山村くんもときめいたけど・・・安定したトス、瞬時の判断力・・・
生原さんにはセッターの才能があるのかも・・・)
海野「生原さん・・・ちょっといいかな・・・?」
ニコニコするちおり「悪だくみ?」
海野「そう。」

水泳部がサーブを打つ。
レシーブする海野「モーションがきれいな分、弾道が読みやすいわ・・・!」
ボールは山なりにちおりのほうへ飛んでいく。
海野「生原さん・・・!」
ちおり「おっけー!」
大此木「ぐはは、誰にトスするっていうんだ!?」
すると、トスをすると見せかけて、ちおりがジャンプして相手コートにボールを入れる。
大此木「!!」
野球部「フェイントだ!!」
後衛から猛ダッシュするサッカー部「くそ、間に合わない・・・!こうなったら・・・!」
サッカー部がネット際の返球にスライディングをかます。
サッカー部「青き翼・・・シュート!!」
そのスライディングが、リカバーしようとした大此木の顔面に当たる。
大此木「ぎゃああああ!」

ホイッスルを鳴らす病田「女子チームにサーブ権がうつります・・・!」
海野「やったあ!作戦通り!!」
ちおり「わ~い」

サッカー部とケンカする血まみれの大此木
「だいたい、てめーはなんで体育館でスパイクなんか履いてやがるんだ!あぶねえだろ!」
サッカー部「バレーシューズなんてミッドフィルダーが持ってるわけないだろ・・・!」
野球部「あいつら、本当に素人か・・・?ずいぶん技巧的なプレーをするじゃないか・・・」
鼻血をふく大此木「海野だ・・・!あいつが悪知恵を与えやがったんだ・・・!!」
大此木の肩を叩くテニス部「大此木くん、お客さんが呼んでいるぞ・・・」
大此木「あ!?試合中に何考えて・・・」
見ると、コートのそばに華白崎が腕を組んで立っている。

スコアボード「女子4―男子3」
華白崎「あなた・・・素人の女子なんて10分もあればストレート勝ちできると言っていたわね・・・」
大此木「そ、それはだな・・・」
華白崎「ストレート勝ちどころか、接戦、しかも負けているじゃないの・・・」
大此木「うるせえな、このオレ様がバレーで負けるわけねえだろ・・・!」
華白崎「・・・ならいいけど。忘れてないわよね・・・?この試合の主旨を。」
そう言うとパイプ椅子を広げて、監督席に座る華白崎。

コートに戻る大此木「おい、スポンサーがもうお遊びはやめろとよ・・・」
野球部「・・・本当にこの試合に勝ったら部費を3倍にしてくれるんだろうな・・・?」
大此木「だが、負けたら全屋外運動部を廃部とか言い出しかねないぞ、あいつは。」
目の色が変わる男子チーム。

華白崎を見る花原「なんで生徒会がからんでいるのよ・・・」
海野「ただの観戦だと思うけど・・・」
乙奈「そうでしょうか・・・」
山村「気をつけた方がいいぞ・・・見ろ、委員長が来て、向こうの目の色が変わった・・・」

サーブエリアに立つ山村。
「筋肉なら水泳部に負けん・・・!」
海野「お願い、山村くん・・・!」
山村「ふん!!」
剛速球を打つ山村。
海野「うまい!」
気合でレシーブする大此木「おらああ!」
スパイクを打つテニス部「スマッシュ!!」
コートのスミを狙うテニス部。
レシーブが間に合わない海野「しまった・・・!」
黄色い歓声が上がる。
観客の女子「王子~~!!」
大此木「お友達をかばいすぎて隙だらけだぜ、海野・・・!」

海野「さすがテニス部・・・ラリーの読み合いがうまいな・・・」
乙奈「海野さん・・・」
海野「どんまい!」

大此木「オレのサーブで終わらせてやる・・・」
海野「くるよ・・・下がって・・・!」
腕を勢いよく振り上げ、風車のように振り回し、ボールに回転をかける大此木
「これがプロのサーブじゃあああ!!!」
ブーちゃんがレシーブしようとするが、ボールが突然落ちてレシーブができない。
海野「ドライブサーブだ・・・!」
ちおり「すげー!あんなのもあるんだ!海野さんできる?」
首を振る海野「私も初めて見た・・・」
大此木「もう一度くらえ!」
ブーちゃんが変化球に対応しようと前に出るが、今度は球が伸びてライン上に落下する。
観客「すげえ!!」
男子「あんなにスポーツができて、なんであいつはモテないんだ・・・!?」
女子「やっぱり顔がちょっと・・・オースチンパワーズDXに激似だし・・・」
大此木「うるせえぞ!!」

スコアボード「女子4―男子9」
大此木「どうだ海野!次でとどめだぞ!」
海野「私に打ってきてくれないかな・・・私なら・・・」
大此木「落ちぶれたもんだな海野・・・お前は大会でもそれを言うのか?」
海野「そ・・・それは・・・」
大此木「こっちは真剣にバレーをやってるんだ。
おめえらみたいな学生時代の思い出作りじゃねえ!」
乙奈「・・・・・・。」
大此木「ラストはお前じゃカナリア!
おめ~が挑発してこの戦争は始まったんだ、けつを持ちやがれ!」
海野「乙奈さん、大丈夫私がフォローする!」
乙奈「・・・海野さん・・・」
首を振る乙奈「わたくしにも意地というものがありますわ・・・」
大此木「そうか・・・それなら・・・」
全力でドライブサーブを打つ大此木
「死ぬがいい!!」
すると、ドライブサーブにぶつかっていく乙奈。
勢いで後ろに吹っ飛んで倒れる。
花原「乙奈さん・・・!?」
山村「交通事故か!」
うずくまる乙奈「ぐはっ・・・花原さん・・・決めてください・・・!」
猛ダッシュで上がったボールに追いつき、花原にトスをする海野「花原さん!!」
花原「乙奈さん・・・!あんたの死は無駄にはしない・・・!!」
ジャンプして、大此木のように腕を振るう花原。
花原を見上げる野球部「なんて高さだ・・・!」
花原「新必殺技・・・!名付けて・・・大此木のマネ!!!」
拳を握りしめて下に腕を振るう花原。
野球部「スパイクにドライブをかけただと!!??」
ボールに変化がかかり、慌てて野球部が腕を伸ばしボールを受けるが、球速を落とすことができずに、サッカー部の頭頂部にぶち当たる。
サッカー部「ぐえ!」
結果的にヘディングをしたようになり、ボールが野球のフライのように勢いよくコートの外へ飛んでいく。
大此木「負けるかああああ!!!」
ボールを追いかけ、体育館の壁にある肋木に素早くよじ登り、そこから三角跳びをしてボールに届く。
大此木「刮目せよ!!これが!天井アタックじゃあああ!!」
渾身のスパイクをする大此木。
そのまま地面に勢いよく落下する。
大此木「ぐえええええ!!!」
花原「なんつー執念よ、あいつは!」

しばらく動かなかったが、むくりと起き上がる大此木「ど・・・どうだあ・・・オレ様の勝ちだ・・・」
病田「あ・・・あの・・・4回ボールに触れているので、このラリーは女子チームの勝ちです・・・」
大此木「4回だと!!?」
病田「陸上部の子がブロックタッチを・・・し・・・してたような・・・」
大此木「おい、てめえ、審判・・・!女教師だからって女子に有利な判定をするのか!!
世紀の誤審だぞキサマ・・・!!」
病田「ひいい・・・ごめんなさい・・・殺さないで・・・!」
陸上部が腫れた指を見せる。
大此木「・・・・・・。」
パタリと気絶する大此木。

木の枝で大此木をつつくちおり「・・・動かなくなったよ?」
体育館に駆けてくるさくら先生「体育館の2階から飛び降りたバカはこいつ?」
海野「はい・・・」
大此木の瞳孔をライトで確認するさくら
「マッスルくん、海パンマン、あまり頭を揺さぶらないようにして保健室に運んでちょうだい。」
山村「了解した・・・」
水泳部「せ~ので上げるぞ・・・!」
二人で大此木を運んでいく。
さくら「乙奈ちゃんもボロボロじゃない・・・!手当てするからおいで・・・!」
乙奈「でも、試合が・・・」
さくら「両者痛み分けで中止よ!!病田先生ゴングを鳴らして!」
意識が戻る大此木「ま・・・待ってくれ・・・勝負はまだ終わってねえ・・・」
海野「男子チームの勝ちでいいよ・・・私のまけ。」
大此木「そうはいかねえ・・・
・・・男子バレー部は全国に部数が少ないから、地区大会で1回勝てば関東大会に出れるだろ、などと軽んじられていたんだ・・・オレはバレーボールという球技は決して女子だけのものじゃないことを・・・この試合を通じて・・・高らかに宣言し・・・この偏見に一石を・・・」
海野「・・・ん?ごめん、何を言っているのかよく聞き取れない・・・」
両腕を振って野次馬を追い返すさくら「解散よ!撤収!!」

残った女子と男子。
野球部「国体出場選手をあそこまで追い込んだんだ・・・誇りを持てよ。」
握手をする海野「ありがとう・・・こっちも久々に楽しい試合ができたわ。」
サッカー部「よかったら、また一緒に遊ぼうよ!」
ちおり「うん!」
キュンキュンする花原
「あ・・・あの、よかったら今度、国立科学博物館の大寄生虫展にでも行きませんか・・・?」
ドン引きする陸上部「・・・い、いや・・・けっこうです・・・」

椅子から立ちあがる華白崎「・・・くだらないわ・・・」
海野「華白崎さん・・・」
野球部「両者勝者なしだから、今回の話は無かったことにさせてもらうぜ。」
華白崎「・・・とんだ茶番だったわね・・・
まあ、海野部長がいなかったら試合にもならなかったと思うけど・・・」
花原「あんたでしょ、あいつをけしかけて体育館を私たちから取り上げようとしたのは・・・!」
華白崎「・・・あなたは、跳躍力とパワーはあるけど・・・ブロックもパスもできないのは話にならない。
バレーボールはチームでボールを繋いでいくスポーツなの・・・
アタッカーだって後衛に行く・・・レシーブは?サーブは打てるの・・・?」
花原「・・・それは・・・」
華白崎「海野部長。大会で優勝する気があるのなら、花原さんと乙奈さんは戦力外通告よ。
まあ、どのみち、メンバーが足りなくてエントリーできないでしょうけど・・・」
海野「それは・・・」
ちおり「・・・お姉さんもいっしょにやろうよ・・・!」
華白崎「・・・なんですって・・・?」
ちおり「いっしょにやりたいんでしょ!バレーボールも詳しそうだし。」
華白崎「あなたに私の何がわかるのよ・・・」
その時、華白崎のほうに剛速球のアタックが飛んでくる。
とっさにオーバーで剛速球の力を逃がし、トスを上げる華白崎「!」
剛速球が飛んできた方を振り向く華白崎。
バウンドするバレーボール。
大此木「・・・衰えてねえじゃねえか・・・」
立ち去る華白崎「・・・わたしはお遊びでスポーツはしない・・・」

大此木「海野・・・あいつをメンバーに入れろ。
本気で試合に勝ちたいなら・・・華白崎はきっと力になってくれる・・・」
海野「知らなかった・・・華白崎さんがバレーをしてたなんて・・・」

『青春アタック』脚本⑨男耕女織

体育館
海野「今日はサーブの練習をしましょう。
バレーのサーブは大きく2つのやり方があって、クロールのように上から腕を振るうフローター、ゴルフスイングのように下から腕を振るうアンダーがあります。
試合ではもっぱらフローターサーブを使いますが、トスを安定させるなどコツがいるので、初心者は相手コートに入れやすいアンダーがおすすめです。
ちょっとお手本を見せるね・・・」
ボールを上に投げて奇麗なスイングでサーブを打つ海野。
ちおり「かっけー!」
乙奈「テニスのサービスをラケットなしで行う感じなのですわね・・・」
海野「そうかもしれないね。」

花原「ジャンプしないスパイクみたいなもんでしょ・・・」
得意げにボールを投げて力任せにたたきつける花原。
ボールは真下に吹っ飛び、床にバウンドし、花原の顎にぶつかる。
もんどりうつ花原「ぎゃああああああ!」
目を輝かせるちおり「もう一回やって!超面白いから!」
腹を抱えて笑う山村。
花原「・・・おまえら・・・」

ちおり「今度はわたしがやってみる!」
海野「生原さんはトスがきれいだから上手かもね。」
ちおり「いっくよ~!てい!」
ちおりのサーブが花原の後頭部にきれいに当たる。
花原「ぎゃあああああああ!!」
腹を抱えて大爆笑する山村。
花原がボール籠に入ったバレーボールをちおりに投げつけまくる。
花原「てめえ、わざとだろ!!」
追いかける花原と逃げるちおり「にゃ~~」
乙奈「アメリカでこういうアニメありましたよね。」
海野「トムとジェリー・・・?」

花原がちおりに向けて剛速球を打つ。
ジャンプしてよけるちおり。
剛速球がそのまま、体育館に入ってくる男子生徒の方へ飛んでいく。
海野「あ、危ない・・!」
その剛速球をたやすくレシーブし、上に上がったボールを自分でバックアタックする男子生徒。
アタックを顔面にまともに食らう花原「ぎゃあああああああ!!!」
吹っ飛んで床に倒れる花原。
海野「!花原さん・・・!!」
救急箱を取り出す山村「一日三度はまずい・・・!」
男子生徒「馬鹿どもが・・・バレーボールはふざけてやるお遊戯じゃねえ・・・」
海野「あなたは・・・男子バレー部の・・・」
大此木「落ちぶれたもんだな海野部長・・・
お前さんにとってバレーボールはこの程度のものだったのか・・・?」
海野「大此木くん・・・」
鼻にティッシュを入れている花原「・・・ちょっと!顔の形が変わったらどうすんのよ!」
大此木「もっと美人になるんじゃないのか?
バレーボールを玩具にしていたのはお前だろ・・・
ふざけてスポーツをやると、こういうことになるんだ。覚えておけ・・・」

花原「あんたね~!男子が女子に暴力を・・・」
海野「花原さん、いけない・・・!」
すると、大此木は花原の背後に回り
大此木「こういうときだけ・・・」
花原に腕を回し抱え込み
大此木「ジェンダーを・・・」
長身の花原をもちあげてしまう。
大此木「持ち出すんじゃない!」
花原にアルゼンチンバックブリーカーを決める大此木。
マットに沈む花原「ぎゃああああああああ!!!」
ちおり「かっこい~!ルチャリブレだ!!」
山村「美しい・・・」
べそをかく花原「何すんのよ~痛いじゃない・・・」

慌てて割って入る海野
「バレーボールでふざけていたのは謝る・・・!謝るからプロレス技はもう許して・・・!」
大此木「わかったか、女子ども・・・!
お前ら女子どもにバレーをやる資格はない。とっととこの体育館からうせろ。解散だ・・・」
その時、楽しくなっちゃったちおりが大此木にドロップキックを決める。
ぶっ倒れる大此木「うお!!」
海野「生原さん、なにを・・・!」
山村「見事な空中殺法だ・・・」
アントニオ猪木の雑なものマネをするちおり「ありがとー!!」
起き上がってメガネを直す大此木「なんだ、このアラレちゃんみたいなやつは・・・」
花原「私のためによくやった、ちおり・・・」
花原にマスクをかぶせようとする生原「さあ、これをかぶって、私とタッグを組もう!」
もがく花原「嫌よ!なにすんのよ・・・!くさい・・・!」
ちおりを見つめる大此木「こいつか・・・」

ちおりを抱える海野「この子に悪気はないのよ・・・」
大此木「いいか、放課後に体育館を使いたいのはお前らだけじゃねえ。
真面目にやらねえなら、男子に使わせろ。」
海野「で・・・でも現在の男子の運動部に屋内競技はないはず・・・」
大此木「我々男子バレー部も活動を再開してね・・・今後は俺たちが使う・・・」
海野「いきなりそんなこと言われても・・・」
大此木「はっきり言う。お前らの実力では大会優勝は不可能だ。
過去の実績がある男子バレー部が使ってこそ、この体育館は光輝くというもの・・・」
花原「何言ってんのよマッシュルーム!やってみなきゃわからないじゃない!!」
大此木「ほう・・・国体に出場経験があるオレ様に、キサマら素人が勝てると・・・?」
トーンダウンする花原「え・・・?国体に出たのですか・・・?」
乙奈「あらあら・・・過去の栄光にすがりつくなんてみっともないですわよ・・・大此木さん・・・
肝心なのは今、どれだけ努力を重ねているかです・・・
そこまでおっしゃるなら体育館の使用権をかけて、白黒つけようじゃありませんか・・・」
慌てる海野「お・・・乙奈さん・・・?」
大此木「言うじゃねえかカナリア女。
(山村の方を向いて)おい、おかま野郎、お前はどういう見解だ?」
山村「オレのことか?このマッスルはいつでもか弱き者の味方だ・・・」
大此木「よう言った!男子VS女子、全面戦争の始まりだ!」



コートにスコアボードが運ばれる。
ホイッスルを首にかける病田。

体育館に観衆が集まってくる。
男子「一部のイケメン以外はゴミムシのように扱いやがって・・・!てめえらもう許さねえぞ!」
女子「黙れ!あんたらちょこちょこ私たちをエロい目で見てるの知ってるんだからね・・・!
マジでキモいんですけど~」
男子「誰がブスのパンツなんか見るかよ!」
女子「へんた~い!」
コートの左右で男女に分かれて罵り合っている。

乙奈「・・・わたくしたちの試合が男女の代理戦争になっておりません・・・?」
山村「・・・愚かな。」
花原「・・・オコの野郎、遅いわね・・・逃げたんじゃ・・・」
海野「病田先生は審判をお願いします。」
おろおろする病田「あ・・・あの・・・万が一ミスジャッジをしたら・・・」
ちおり「市中引き回しに遭うと思うよ!」
めまいで倒れかける病田
海野「・・・先生・・・!」

体育館に入場する大此木「待たせたな女子バレー部!」
女子バレー部が振り返ると、大此木は野球部とサッカー部とテニス部と陸上部と水泳部の主将を引き連れている。
花原「・・・!ちょっとバレー部じゃないじゃない!!」
大此木「わたしは運動部に顔がきいてね・・・!特別に集まっていただいたのだよ・・・!」
花原「こんなの卑怯よ!こっちは運動部は海野さんしかいないのよ!
山村は一体何の部活動か不明だし・・・!」
山村「筋肉トレーニング部だ。」
ちおり「それスポーツなの?」
山村「無論だ」
海野「ま・・・まあ、男子で運動ができる山村くんがこっちにいるのは心強いわ・・・!」

観客の男子たちからブーイングが飛ぶ
「てめ~山村~!男子のくせに女子の味方につくのか~!裏切り者~!死ね~!!」
ちょっと心配する花原「山村・・・あんた、今後の学校での立場的に大丈夫なの・・・?」
意に介さない山村「ふっ・・・言わせておけ・・・
言ったはずだ・・・俺は最後まで女子の味方だと・・・!
諸君に口だけではないことを見せてやろう!!」
そう言うとジャージを脱ぐ山村。なぜか女子の体育着とブルマーを履いている。
ドン引きする女子たち「ぎゃあああああ!変態!!!!」
中にはショックで泣いてしまう女の子もいる。
きらびやかにポージングをする山村「どうだ!なかなか似合うであろう・・・!」
花原「こいつ・・・メンタルの怪物か・・・」
ちおり「なんでマッチョってビキニパンツ履きたがるんだろうね。」
ビキニパンツの水泳部(・・・負けた・・・)



病田「そ・・・それでは、只今より男子対女子のバレーボール時間無制限1本勝負を行います・・・
ルールはサイドアウト制、10点先取したチームが勝利となる特別試合です。」

海野「いよいよ始まるわ・・・バレーボールはサーブ権があるチームがラリーを制した場合に得点となるの。サーブはコートの後衛、ライトの選手が打ちます。」

女子の方に目をやる大此木「今、ルールを説明してやがる・・・なめられたもんだ・・・」
運動部の主将たち(オレ達もルール知らないんだけどな・・・)
大此木「おい海野!最初のサーブ権はお前らにくれてやる!武士の情けだ。」
海野「本当に・・・?ありがとう大此木くん!」
大此木「その笑顔はやめろ!なれあいはせんぞ女子!」
サッカー部「海野さん本当にいい子だよな・・・」

サービスエリアに入る海野。
海野(力ではこっちには分がないわ・・・相手コートからボールが返ってきたら負ける・・・
私がやれることは・・・)
海野がボールを高く上げる。
ハッとする大此木「・・・いかん!」
ダッシュをして本気のジャンプサーブを打つ海野。
男子コートにプロ並みの剛速球が飛んでくる。
さすがの男子も球速が速すぎて見きれず、水泳部の顔面に当たる。
ゴーグルが木っ端微塵に割れる水泳部「ウルトラソウル!!」
大此木「水泳部~!!!」

ホイッスルを鳴らす病田「女子チーム先制です・・・!」
海野「だ・・・大丈夫!?怪我はない・・・!??」
恐怖で顔がひきつるサッカー部「・・・え?なにあれ・・・時速100kmは出てないか・・・?」
大此木「後衛!気をつけろ!!海野の野郎サービスエースで決着をつけるつもりだ!!」
ちおり「海野さんすげ~!!」
テニス部「大此木くん、聞いてないぞ!ラケットなしで我々にあれをレシーブしろというのか!!」
大此木「男子がひるむな!たかが女の打ったボールだろ!!
あんなもん男子バレー界ではしょっちゅう飛んでくるわ!」
今度はテニス部のみぞおちに海野の剛速球が当たる。
テニス部「ぐええええええええ!!!」
陸上部「優しい顔して、一切の手加減がない・・・」

怯えるサッカー部「・・・次は俺だ・・・だが、俺もU18に選ばれた男・・・
球技で無様な姿は見せられない!!」
海野がサッカー部にボールを打ってくる。
海野のボールを見切って、オーバーヘッドシュートを決めるサッカー部。
サッカー部「見切った~~!!必殺・・・高橋陽一!!!」
そのボールが大此木の後頭部に当たる。
大此木「ぎゃああああ!!!」
海野「よしこれで3点!」
大此木「蹴るな~~~!!!」
サッカー部「ダメなのか?」
海野「ルール的にはだいじょうぶだよ!」
サッカー部「ようし、もう一回お願いします・・・!!」
大此木「やめろ!」
もう一度海野のサーブを蹴り返すサッカー部「必殺樋口大輔!!」
また大此木の後頭部に当たる「があああああああ!!!」
爆笑する花原「人がボール当たってるのみるの、めちゃめちゃ面白いわね」
ちおり「でしょ!」
大此木「審判!タ~イム!!!」

大此木「サッカー部てめえ!パスをつなぐ気あるのか!!」
サッカー部「すまない・・・今度はトラップするよ・・・」
野球部「やめておけ、あんなもんが胸に当たったら心停止になる可能性がある・・・」
サッカー部「じゃあ・・・スカイラブハリケーンで・・・」
大此木「海野・・・提案があるんだが・・・」
海野「なに?」
大此木「今更だが、フォーメーションを変えさせてくれ・・・!」
海野「え~」
大此木「サーブ権くれてやっただろ・・・!」
海野「どうするみんな・・・?」
乙奈「このままだと一方的に男子をいじめているようにも見えますからね・・・
わたくしはけっこうですわよ。」
花原「向こうも言うてそんなにバレーが得意じゃないってことがわかったから、いいんじゃない?」
海野「大此木くん、いいって!」
大此木「かたじけねえ・・・
審判!レセプションフォーメーションの変更だ!!」

潔癖社会の到来

 この前、すごい珍しくこのブログの記事にコメントがついて、それがさくらももこ先生の記事で、子ども社会の残酷で汚い一面って『ちびまる子ちゃん』だと最終的にスポイルされちゃったよねっていう内容だったんだけど、いよいよ清廉潔白で、見た目も中身も美しい人しか社会的に認められなくなったなっていうね。
 今まで強大な利権を持っていた特権階級の既得権益に、週刊誌が一石を投じて、それをネット世論が騒ぎ立て、そのまま崩壊させていく様はドーパミンが出てカタルシスになるんだろうけど、そういった強大な存在がこれまで引き受けていた、よろずダーティな問題への対処は今後は誰が引き受けるんだろうっていうのはあるよな。

 自民党を下野させて民主党政権を実現させた時だって、みんな脳汁ドバドバだったからな。で、結局、政治は混乱したわけじゃん。その上、我々国民は、長い目で民主党政権を育てようともせず、すぐに自民党に戻しちゃったじゃん。で、アベガ-とかやってんじゃん。
 もちろん、長年、ゴシップだ、陰謀論だと否定されていた特権階級の横暴が白日の下にさらされ、溜飲が下がる被害者の人もたくさんいたと思うし、人気や権力でやりたい放題できなくなったっていうのは、いい社会にはなっているとは思うんだけど。
 ただ、人間って、そこまで完全じゃないし、間違うし、どんな人にも欠点ってあるじゃん。このままいくと、自分たちだって告発される側になるんじゃないか、すっごい生きづらい世の中になるんじゃないかっていう覚悟はいるよね。

 あとさ、名誉棄損とかイメージが損なわれたとかいうけどさ、ダウンタウンの松本さんってそもそも女性関係でクリーンなイメージないじゃん。「そりゃそうだろ」ってみんなが思うと思ってたら、あのレベルの芸能人ですら活動休止にまで追い込まれちゃったわけだから、時代は変わったんだろうな。
 でも、多くの人を惹き付けるような魅力のある人って絶対に異性が寄ってきちゃう気もするしな。ムズイな。ちんこ切るしかないな。
 あれって、一般の女性じゃなくてプロだったら大丈夫だったのかも怪しいよな。ナイナイ岡村さんの失言もあったけど、女性を性的に消費する言動自体がもうアウトなんだろう。そうなると、吉本芸人的な「女遊びは芸の肥やし」っていうのが、もう通用しないという。
 これ、おっぱいとか過剰に強調している美少女漫画とかもそのうち絶対にコンプラでやられると思うよ。

 そういや、今回の件でついに松本人志さんの『大日本人』を見たんだけど、正直、天才だと思った。
 私はもともとそこまでダウンタウンのファンじゃなかったんだけど、「ごっつええ感じ」とか、ダウンタウンが大好きな友達が公開時に真っ先に見て、みんな「期待外れだった」とか「ラストが意味不明」とか言ったので、今日の今日まで見なかったんだけど、ラスト最高じゃん。
 なんだろう、絶対に品行方正な人からはあんな発想出てこないと思うよ。あの、ラストの冷たい暴力は、意識的かどうかはわからないけど(松本監督は感覚の人だと思うし)、ウルトラ兄弟大集合の風刺だよね。見方を変えれば、寄ってたかっていじめをしているようにも見えるぞっていう。

 松本さんの件で特に思ったのは、真相がうやむやでも週刊誌が勝てちゃうのがすごいよなってとこ。売れちゃうから。そして週刊誌を訴えて勝ったとしてもそんなにお金がもらえないっていう。もし事実無根だったら通り魔みたいだよな。
 そもそも基本的に性行為ってお互い空気を読んでなんとなくのムードでやっちゃうものだから(契約書とか書いてやるようなものではない)、そうなると気が変わって、実はあの場では同意しましたが、実は後悔していますってやられたら、全国の男性は死ぬよな。
 でもさ、理論的には、このロジック男性も使えるはずなんだけど、絶対に世間の共感は得られないよな。
 やっぱりちんこ切るしかないよな。
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