侵略的外来種について

 その地域にいなかった動植物が、人間によって他の国や地域から連れて来られて自然に放された場合、外来種はアウェーの空気に適応できず死んでしまうこともありますが、なかにはとんでもなく適応力が強い奴がいて、見事に在来種に混じって仲良くなっちゃう場合があります。
 もっと凄い奴になると、今までいた在来種をけちらして、かつての生態系に大きな影響を与えるものがいます。そんな逞しすぎる彼らを「侵略的外来種」といいます。

 有名どころでは・・・

アライグマ
アニメの影響で持ち込まれたが、凶暴すぎて飼いならせず捨てられ生態系に帰化。まさにジュラシックパーク。

マングース
ハブを駆除するために持ち込まれたが、ハブではなくアマミノクロウサギを食べちゃった。

アカミミガメ
いわゆるミドリガメ。めちゃくちゃ大きくなる。強暴。

ヤギ
彼らのような家畜は実は結構逞しい。ドードーも家畜により絶滅したという説がある。

ブラックバスとブルーギル
言わずと知れた外来魚のスター。もとは食用として連れてこられる。フライやムニエルにするとおいしい白身魚らしいが、まったく流行らなかった。バス釣りファンから「これを規制するのは待ってくれ」という反発がとても強い。

ウシガエル
うちの近所にも小さいころよくいた。最近私の地元ではなぜか全く見かけなくなった。よく道路で無残につぶれて死んでたのに・・・あれは小学生にはトラウマものでした。

ナイルパーチ
観賞魚として人気が高いが、アメリカの湖において固有種を尽く滅ぼした前科あり。

セイヨウタンポポ、シロツメクサ
野原でおなじみの彼ら。もはや日本の原風景化している・・・

 彼らが危険な点は、在来種をいじめる以外にもあって、人体にとって危ない病原菌を持ち込んでいる可能性があるということ。すごく怖いのは狂犬病とか。
 だから外来種はホイホイ税関を通っちゃまずい。外来種には「入れない、捨てない、拡げない」という三原則がありますけど、そんなスローガンでは甘いと思う。
 セイヨウミツバチやブラックバスは社会的に需要があるし、いなくなった時の経済的損失が大きいから特別扱い?とか言ってますが、聖域なし外来種改革しないと日本の生態系はやっぱり変わっちゃうんじゃないのか??結局この問題も経済の話にたどり着くのが興味深い。

 私は海外の珍妙な動物においては、ペットとしての売買を全面的に禁止にしちゃえばいいと思ってます。日本って動物好きなのか、動物園もやたらあるし、ペットショップでも動物園レベルのすごい動物が普通に売ってる。
 こういうのってオタクの需要があるんでしょうけど、どうしても見たいなら動物園に行って見れるようにすればいい。なぜカミツキガメを自分で飼育しようとする・・?
 そうなると「なぜ犬や猫はOKで、マイナーな動物はダメなんだ!?」って反論が来るから、もういいや。ペット全面禁止にしちゃえ。結局イヌやネコは炭酸ガスで無慈悲に殺しちゃっているわけで。
 
 そもそもなんで人間ってペット飼いたがるんだろう??もう少し大きな視点に立つと、やはりそういう遺伝子が人にはあってサブリミナルマインドで、あんなことやってるのだと思う。
 人間がいなければ出会うことはまず地理的に不可能だった世界中の動植物を相互作用させて、ガチンコバトルで淘汰、生態系を安定させようとしているのかもしれない。なにしろ生物多様性は複雑になればなるほど生態系は不安定になりますから。
 世界中の猛者たちを競い合わせて、すごい強い生物を誕生させる手助けを無意識にやっているのが人間だったらすごいなあ。

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 でも一番多い記事は生物学、そして映画と本・・・相対的には漫画も恐竜もあまり記事は無いんだけど・・・これをやると見に来る人が増えるのかな?
 なすぼねさんみたいに生物に詳しい人とかと出会えたらいいな。いろいろ教えてほしいです。

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それいけ!アンパンマン いのちの星のドーリィ

 「面白い度☆☆☆☆☆ 好き度☆☆☆☆☆」

 アンパンマン原点に帰る。

 「アンパンマン」って週末ニュース見ようとしたら、日本テレビはアンパンマンタイムで「なんだアンパンマンかよ・・・」と思いながらも、チャンネルを変えるのがおっくうで、そのまま見ちゃうことが極たまにあるのですが(絵本はもともと好きなので)よくよく考えてみればアンパンマンって、アメコミのヒーローとは一線を画する何とも独特なヒーロー。
 自分の体の一部を引き千切って空腹に苦しむ動物たち(主にかばおくんのイメージ)に分け与えてしまうのだから、こんな利他的なヒーローの前では他のヒーローの善行なんてまだまだ自己満足で利己的だと思う(言いすぎ?)。

 原作者のやなせたかし先生は(descf氏はやなせ先生の漫画の賞を受賞し、本人に会ったそうだ。羨ましい!)NHKの番組において「ほんとうの正義というものは、けっしてかっこうのいいものではないし、そしてそのためにかならず自分も深く傷つくものです(『アンパンマン』の著者あとがき)」と言っていて、これは正義を遂行するということは奇麗事ではなく、少なからず自己犠牲的な精神が伴うものだし、たとえば戦時中の一般市民の生活の苦しさ、貧しさを考えれば、大体の人にとっては政治的な理念どうこうよりも、まずは生活が安定しなければ幸せはない。
 本当のヒーローとは、みんなの空腹をまずもって救ってくれるという哲学が『アンパンマン』には通底している。そのためには顔の形が不格好になっても構わない。もっと言えば顔がなくなっちゃっても構わないと・・・
 戦後生まれの作家にこんなすさまじい発想はできないと思う。

 ということで、『アンパンマン』のテーゼって意外と重い。唄の歌詞でも「なんのためにう~まれて、な~にをし~ていきるのか?」ってめっちゃ哲学的。
 そしてこのテーマをガツンとぶつけてきたのが、この映画『それいけ!アンパンマン いのちの星のドーリィ』です。
 アンパンマンって、そもそもアンパンを焼いていたパン工場の窯に煙突から流れ星が入っちゃって、それによってアンパンマンは誕生するのですが(OPアニメ参照)その設定をこの映画は大きなテーマにしていて、アンパンマンに命を与えた流れ星を「いのちの星」というそうです。
 「いのちの星」は、アンパンマンの世界を生命あふれる美しい環境にする源で、その星をたたえるお祭りをアンパンマンの世界の住人は定期的に開催しているよう。
 この設定は実はけっこうこの世の真理を突いていて、科学的にも地球の生命の材料は宇宙の星が運んできたし、この地球の生態系の根源的エネルギーは太陽ですから、私たちもマジで星のいのちを持っていますよね。

 今作ではその「いのちの星」によって命をもらった人形「ドーリィちゃん」がゲストキャラクターなのですが、こいつがまたニヒルかつ毒舌で、同じ星をもらって生を受けたアンパンマンと対極をなすキャラクター。
 ドーリィちゃんはアンパンマンの唄の歌詞「何のために生まれて?」を「自分のためでしょ」とクールに言い放ち、自分の好き勝手に生きるエゴイスト。幼稚園でもみんなの傷つくことを平気で言うし(空気読めw!)、ルールなんてお構いなしの問題児。
 ドーリィちゃんがここまでやさぐれているのには、けっこう重くて悲しい理由があって、それで「せっかくもらった命なんだから、好きに生きなきゃもったいない」という発想に至ったのですが、周りの空気があまりにも読めないドーリィちゃんは、基本的にみんないい奴のアンパンマンワールドでは見事に浮いてしまい、好きに生きているはずなのに生きててあまり楽しくないんです。星からもらった命もなんか腐ってきているし・・・

 そんな彼女に(あ、ドーリィちゃんって女性。フランス人形みたいなキャラね)アンパンマンは、「僕が生まれてきたのは困っているみんなを助けるためなんだ」と、なんとアンパンマンご本人から、あまり明かされることのなかった自身のヒーロー哲学が公開されます。まさに「情熱大陸」アンパンマン編!このシーンって結構異色だったのでは?

 そして案の定、人形を欲しがるドキンちゃんのわがままを叶える為に、ばいきんまんが開発した最終兵器「スーパーカビだんだん(打つのが面倒くさいので以下SKDD)」が遠隔操作しきれずに暴走。ばいきんまんの手を離れ世界をカビだらけにしてしまいます。
 ドーリィちゃんを助けるために彼女の盾になり、SKDDの攻撃を食らってしまうアンパンマン。ここから凄い展開なのですが、SKDDの腐食液によって、アンパンマンは完全に絶命してしまい、新しい顔をジャムおじさんが投げつけても復活しなくなってしまたのです!
 頭さえ変えればいくらでも戦えると思っていたアンパンマンって腐らせると完全に倒せるのかよ!

 前代未聞のアンパンマンのピンチに、ドーリィちゃんは、これほどまで自分の為に命を投げうってくれたアンパンマンを助けるために自分の「いのちの星」はあったんだ、と自分の「いのちの星」を取り出しアンパンマンに捧げます。
 これによってアンパンマンは最強の兵器SKDDを撃破。しかし星を失ったドーリィちゃんはもとのボロボロな人形に戻ってしまった・・・
 このドーリィちゃんの生き様?に感動した「いのちの星」は再びドーリィちゃんに命をふき込み、彼女は人間の女の子として生まれ変わることができましたとさ。

 ・・・テレビシリーズでは味わえない原作の重くて深いスピリットが感じられる感動作。七夕の夜にぜひどうぞ。ちなみに私はアンパンマンのキャラでは汽車の「エスエルマン」が好きです。あんま出ないけど。

竹内薫さんが疑似科学批判も批判するわけ

 サイエンスライター竹内薫さんは疑似科学論者も困りものだけど疑似科学を批判する人たちにもうんざりしたと、『なぜ「科学」はウソをつくのか』で書いています。

 疑似科学というのは、一見科学っぽいけれど科学的根拠がないいわば科学の振りをしたオカルトの事で(マイナスイオンとか)、確かにそれを科学の話にされちゃうと科学者にとっては困りものですが、そのような疑似科学を批判する大槻教授のような人も竹内さんは批判するというのはどういうことなのでしょうか?

 思うに竹内さんは疑似科学批判をする人のいきすぎた攻撃性が嫌いなんだと思う。つまりその人の理論の正当性というよりは、「人格」の問題。いくら正しいことを言っていても、いちいち突っかかってくる奴なんて相手にしたくないじゃないですか。
 疑似科学批判をする人にも冷静で客観的に批判する人もいますが、確かにネットなどを見てみると疑似科学批判者(=トンデモバスター)って相手を批判(攻撃)することが大好きな人が多く、なにかにつけて相手の論理の批判ポイントを詮索しようとしてきます。

 専門的な科学の話の場合それはそれでいいのですが、ネットのやり取りでは感情論になったりすることも多く、それを知ってか知らずか批判対象を煽るような記事を書く人も多いです。
 疑似科学を批判したいのなら一番いいのは上から目線で相手を攻撃するのではなく、正しい科学的事実だけを記事で説明すればいいだけなのに、攻撃的な人は攻撃的な文章を書くのが楽しいのか、それだけで満足しない場合が多い。

 それどころか批判ばかりして相手の人間性すら攻撃する。だいたい科学的に正しいかどうかと、疑似科学論者が社会的にいいか悪いかって別問題な気がするし、なんだかなあ。
 つまり疑似科学批判者が攻撃的な文章を書いて楽しくなれるのも疑似科学論者がいてくれるおかげで、そういう意味では疑似科学の方が懐が深いなあってなっちゃう。これは逆効果では?

 そもそもプロの学者ひしめく学会や科学雑誌では疑似科学が多数派になる場合はまずないので、放っておけば淘汰されるとは思うんですが、問題は現代が多数派が正しいとされる社会システムの民主主義であること。
 で多数派の正体と言ったら専門的なことなどまったく分からない一般庶民であり、そういう人たちに疑似科学が広まるのはやばい。
 だから私も疑似科学はフィクションとしては面白い(ものもある)けど、やはり間違ってると思うし、それがルイセンコイズムのように「科学」になっちゃうと非情に危険だと警戒はしていますが、批判する方ももう少しやり方を考えるべきだと思います。

 批判する人も意外とプロの学者じゃなくて、そういう科学の話が好きなだけの素人(私だ)の場合が多いからなあ・・・そういう人ってやっぱり科学が好き以上に叩くのが好きなんだと思う。
 私もかつて福岡伸一さんを批判したので、偉そうなことは言えませんが・・・

センター・オブ・ジ・アース

 「面白い度☆☆(3Dだったら推定☆☆☆☆☆) 好き度☆☆☆☆」

 この映画は本当は映画館で観たかったんですけど、当時3D上映ができる映画館がなくて今日テレビで初めて観ました。
 とにかく3Dの面白さや迫力の演出を再優先して構成されている映画で、正直3Dがなければ面白さは半減してしまうと思う。
 深い内容なんて全くない。登場人物もたったの三人だし。伏線もひねった展開も特にない、単純なロードムービー。こんなに単純なお話って絵本以来かもしれない・・・なんか逆に童心にかえった感じで2Dでも意外と楽しかったですw。

 ここまで3Dのために映画の要素を削り取ってくれると潔さすら感じますね。だからかえって3Dで見たときには『アバター』以上に楽しめたかもしれませんが、残念・・・!どっかで再上映してくれないかな?
 トロッコのシーンや、地底に落下するシーンに、メガロサウルス?のよだれ・・・もう3Dの効果を狙っているシーンは2Dで見ても分かってしまいます。
 あと地底世界の背景がめちゃくちゃかっこよかった。私は惑星パンドラよりもこっちの世界の方が魅力的だったかも。
 
 さて、この映画にはドラマがほとんどないので正直あまり書くことがないのですが、私がこの映画で最も印象に残ったのは、なんと言っても海生爬虫類プレシオサウルス!!(断言)
 こんなかっこいいプレシオサウルスを見せてくれただけで大満足です!本当に泳ぐシーンとか超かっこよかった・・・!プロローグに出てくる三葉虫もかなりリアルで感動したなあ(なぜか魚だけアニメ調だったのは何故??)。
 欲を言えばジャングルのシーンでもっと恐竜を出してほしかった。それも東京ディズニーランドの「ウエスタンリバー鉄道」に出てくるような70年代の復元のレトロな恐竜を。

 とにかく私はああいうストレートに子どもをワクワクさせるシーンって大好きで、なんか懐かしいんですよ。だから時代設定も現代じゃなくて19世紀とか20世紀初頭がよかったな・・・あの古臭い冒険にPSP(プレイステーションポータブル)は合わない!

 最近やたら恐竜とか古生物の出てくる映画を見ているので、また恐竜のイラストを描きたくなってしまい、漫画が進みません・・・プレシオサウルス・・・あとで描こう・・・

追記:描いた。
plesio.jpg
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