地学概論覚え書き①

参考文献:『カラー版徹底図解地球のしくみ』

地球の内部構造
直接地面を掘って調べるというわけにはいかないので、スイカが熟れたかどうかを外側から叩いて調べるように、地震波を利用して内部の構造を推定する(地震波トモグラフィー)。
地震の縦波のP波は、過密波のために液体中も固体中も通るが、横波(波の伝わる方向と垂直に波打つタイプの波)のS波は、固体中しか通らない。

このような性質を踏まえて地球の内部を考えると、震源地から比較的近い場所で起こった地震の場合、震央からの距離がちょうど200キロメートルあたりで、走時(地震波が発生してから観測地点に到達するまでの時間のこと)と震央距離とのグラフである走時曲線が折れ曲がる(走時と震源距離の変化の割合が小さくなる=地震波の速度が速くなる)。
これは地下深くにP波が通常よりも速く伝わる層(地震の高速道路のようなもの)があり、そのために地震波の速度が不連続に変化することを示している。

この地震の速度を不連続に変化させる境界のことを旧ユーゴスラビアの発見者アンドリア・モホロビチッチにちなんでモホロビチッチ不連続面という(略してモホ面)。
そしてこのモホ面よりも上を地殻、下をマントル(硬いので地震が速く伝わる層)という。モホ面の深さは海洋地域で約5~10キロメートル、大陸地域で30~50キロメートルと大陸地域の方が深い。

次に、震源地から比較的遠い場所で起こった地震の走時曲線を見ると、震央から103度~143度の地域(距離がでかいのでもはや地球の中心からの角度で表す。だいたい11000~15000キロメートルくらい)にはP波が届かないことから、この地域をシャドーゾーンと呼ぶ。

また、103度よりも遠くにはS波が伝わらないことから、、地下約2900キロメートルの深さの場所にも不連続面があり、その下は液体になっていることもわかる。この境界をアメリカの発見者べノー・グーテンベルグにちなんでグーテンベルグ不連続面といい、この面よりも上をマントル、下を核という。

まとめ
地殻
(厚さ7~40キロメートル)

モホロビチッチ不連続面

上部マントル(深さ670キロメートルまで。岩石の結晶構造が圧力で変化する深さ670キロメートルを境に上部マントル、下部マントルに分けられる)

下部マントル(深さ2900キロメートルまで)

グーテンベルグ不連続面

外核(液体の鉄。深さ5100キロメートルまで)

レーマン不連続面

内核(固体の鉄。5000~6000℃と、とても熱いが、圧力もものすごいので融点が高くなって固体のまま)

プレートテクトニクス理論の確立
1910年代にドイツのウェゲナーは、大西洋を挟むアフリカ大陸と南米大陸の海岸線が似ていることから、かつてこの二つの大陸はくっついていたのではないかと考えて、大陸移動説を唱えた。ウェゲナーは自説を証明するために、メソサウルスという爬虫類の化石や、グロッソプテリス植物群の化石が両大陸に分布し、地質構造の連続性があることを発見した。
また、古生代後期の大陸氷河が、南米南部、アフリカ南部、オーストラリア、インドまで広がっていたことを氷河の削り跡から発見した。
こうして、かつて6つの大陸はひとつの超大陸(パンゲア=ギリシャ語で「すべての大陸」という意味)だったことを結論づけて、1912年に『大陸と海洋の起源』という論文を発表した。
しかしこの学説は当時は受け入れられなかった。その理由は大陸を動かす原動力を説明することができなかったからである。

その後、大陸移動説は歴史の表舞台から消え去ったが、1950年代になると再び取りざたされることになった。
マグマが冷えて岩石ができるとき、岩石ができた当時の地球の磁場の方向が残留磁気として岩石に残る。この残留磁気を調べると、大昔にできた北米大陸とヨーロッパ大陸の火成岩の磁北が一致しないことが分かった。つまり磁北を一致させるためには両大陸を移動させる必要があったのである。
また、冷戦時代にアメリカが行った海底地形調査で、海底の巨大山脈である海嶺の存在も明らかになり、海嶺を中心に左右の海底に残された古地磁気の縞模様を調べると、綺麗に左右対称になった。つまり大西洋の海底は海嶺を中心に二つに分かれて拡大を続けているということを認めざるを得なくなった。

こうしてウェゲナーの大陸移動説は、アメリカのヘスとディーツによって海洋底拡大説として説明され、これらの学説を基にプレートテクトニクス理論が生まれた。
プレートとは地球の表面を覆う十数枚の硬い板状の岩盤のことで、ゆっくりとマントルの上を移動している。
プレートは海嶺で生まれて海溝へ沈み込む。その際にプレート同士が衝突したりすれ違ったりする。このプレートの運動を元に様々な地殻変動(巨大山脈の形成、地震や火山の発生原因など)を説明する理論がプレートテクトニクス理論である。

ウィルソンサイクル
プレートテクトニクス理論の構築にもっとも貢献したカナダのツゾー・ウィルソンは、プレートの運動がライフサイクルを持っており、以下の6つのステージに分けられることを示した。
これをふまえると、どんな海洋プレートもやがてはマントルへ沈み込んで地表から消えてしまうが、大陸プレートはマントルに沈み込むことがなく、分裂や衝突を繰り返しながら地表に存在し続けることがわかる。

①大陸分裂の開始
大陸の下でマントルの上昇流が活動、大陸に断裂ができて2つに分裂し始める。
現在のアフリカ地溝帯はこの段階。

②大陸分裂
大陸の分裂が進み、間に海洋プレートができる。その上に海水が入り込んで海洋が生まれる。現在の紅海やアデン湾はこの段階。

③海洋拡大
海嶺が海洋プレートを生産し続け海洋は拡大を続ける。大陸プレートの縁と海洋プレートは直接つながったまま。現在の大西洋はこの段階。

④沈み込み型造山帯
大陸プレートの移動が妨げられると、海洋プレートとの境界に破断ができ、海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込み始める。この部分では火山活動が起こり、弧状列島や山脈ができる。
現在の日本列島や太平洋の南アメリカ西岸がこの段階。
また海洋は縮小しつつある。

⑤大陸縁成長・海洋縮小
海嶺は海溝から沈み込み、海洋底の生産は終わる。海洋は縮小し、両側にあった大陸が接近する。地中海はこうして形成された。

⑥大陸衝突・海洋の消滅
海洋は消滅し大陸どうしが激突する。これにより山脈が形成、現在のインドとヒマラヤがこの段階。

ウィルソンサイクルは3~9億年周期で超大陸の生成と分裂が繰り返されていることを説明する。
大西洋は最も最近の超大陸パンゲアの分裂(おそらく1億3000万年前~8000万年前)によってでき、太平洋はそれよりも前の超大陸の分裂にともなうパンサラッサという海の形の変化よって出来た。

日本列島の歴史
日本列島が現在の形になるまでの過程は大きく3つのステージに分けることができる。

①超大陸分裂による大陸縁の時代(7億~5億年前頃)
7億年前、超大陸ロディニアはスーパープルーム上昇によって分裂し、複数の大陸が誕生、その間には海洋地殻が作られながら広大な海洋が形成されていった。
日本列島の起源となる場所は、ロディニアが分裂し中国南部地塊と北アメリカ地塊に分離した場所の中国南部地塊の縁に当たる場所に該当する。
両地塊がさらに分離すると、間には海が侵入し、中国南部地塊に海洋地殻が接続した構造が作られた。これが日本列島の最も原始的な骨格である。ちなみに、中国南部地塊の断片をなす地層は隠岐、能登半島、飛騨山地に露出している。

②大陸縁での付加体による成長の時代(5億~2000万年前)
5億年前以降、海洋地殻に圧縮力が作用し、日本付近で海溝から海洋地殻の沈み込みが始まったことで、海溝付近では付加体による陸地の成長が始まった。付加体とは、海洋プレートの上に乗っていた堆積物が大陸プレートの下に沈み込む際にはぎ取られ、陸地側にくっついた部分を言う。
その後、4億年にわたり日本列島付近では陸地の成長が続き、400キロメートルほど海溝側に陸地が付加された。
この時、プレートの沈み込みに伴って付加体の一部も地下深部に引きずり込まれ、変成岩の地層ができ、ここに花崗岩マグマが貫入することで、日本列島を作る地殻を垂直方向にも成長させた。
恐竜が発掘される手取層群は、大陸の縁の前弧域で堆積した地層で、古い付加体の地層に覆いかぶさって、浅海、もしくは淡水性の地層として形成された。この層は整然と積み重なった砂・礫・泥からなり、チャートや石灰岩を含まないので、付加体と区別しやすい。
また日本各地の石灰岩の山は、海山の周囲に発達した珊瑚礁が海溝で付加されて陸地の一部になったものである。

③島弧での付加体による成長の時代(2000万年前~現在)
2000万年前になると、日本列島の地殻の下部にプルームが上昇、中国大陸の一部だった日本列島の地殻が大陸から引き裂かれ、日本列島は島弧になった。
また、分裂し陥没した場所には、玄武岩質の海洋地殻が形成され日本海が誕生した。
これに伴い、日本海側では激しい火山活動が起こり、このとき噴出した火山岩は変質により緑色をしているので、この岩石が分布する地域はグリーンタフ地域と呼ばれている。この地域には、当時の火山活動でできた銅や亜鉛に富む黒鉱という鉱物を産することが多い。
そして、2000万年前以降も、海溝側では付加体の成長が続き、日本列島は今なお成長を続けている。

マグマと溶岩の違い
マグマとは熱い岩石が溶融状態になったもの。
地球内部の熱によって溶けていると思われがちだが(私だ)、岩盤どうしが擦れ合うことによって発生する摩擦熱で溶けているらしい。
高温のものでは1200℃以上もある。地表に噴出する前の段階をマグマと言うのに対して、一度地表に現れたものは溶岩と言われる。
ちなみに、マグマとマントルを同じようなものだと思っている人がいるが(私だ)、マントルはカンラン石で出来た固体である。

マグマの構成物質
マグマの主成分はシリカ(二酸化ケイ素)で、ほかには金属などの元素や、揮発性成分として火山ガスが溶け込んでいる。火山ガスは噴火に際してマグマから分離して噴煙となる。火山ガスの大部分は水蒸気で、ほかに二酸化炭素、硫化水素、二酸化硫黄などが含まれる。ちなみに火山ガスの成分は、水蒸気以外有毒である。
さらに、マグマはその材料のカンラン石や、発生場所から地表までの通り道にあった岩石を運んでくることがある。このような岩石はゼノリスといい、地球内部の物質的な構成を知る重要な手がかりになる。

マグマの性質を決定する要因
シリカの量とマグマの温度でマグマの性質は決まっている。
シリカの量が多く、温度が低いと、粘り気が強く、白っぽくなる。これをデイサイト質・流紋岩質マグマという。
シリカの量が少なく、温度が高いと、粘り気が弱く、黒っぽくなる。これを玄武岩質マグマという。

マグマができる条件
以下の3つがある。

①高温
マントルのカンラン石が高温になると、圧力が同じでもカンラン石が溶けてマグマが生じる可能性がある。

②低圧
マントルのカンラン石が上昇して圧力が下がると、融点が下がるため、温度が同じでもカンラン石が溶けてマグマが生じる可能性がある。

③水の添加
カンラン石に水が添加されると、カンラン石の溶ける温度が大幅に下がり、高温や低圧にならなくてもマグマが生じる。

地震波の種類
地震波には伸び縮みが伝わる縦波のP波と、ズレが伝わる横波のS波がある。
P波は進む速度が速く(秒速5~6キロメートル)、固体の地殻・マントル・内核も、液体の外核も伝わる。また振れ幅が小さい。
S波は進む速度が遅く(秒速3~3.5キロメートル)、固体は伝わるが、液体は伝わらない。
また振れ幅が大きい。

震度とマグニチュード
震度は地震動の強さを表し、そのため同じ地震でも震源から離れると小さくなる傾向がある。また震源からの距離が同じ場合はマグニチュードが大きいほうが震度は大きい。
震度は以前は観測所での体感や被害の大きさから決められていたが、現在では各地の震度計が感知した加速度で決定されている。震度は国によって基準が異なり、日本では10段階の気象庁震度階級が使われている。
マグニチュードは地震の規模、つまり、放出された地震波のエネルギーの強さを表す。そのためマグニチュードは同じ地震なら同じ値である。基本的にマグニチュードが1上がると地震の規模は32倍になる。

海溝型地震と内陸活断層型地震
海溝型地震は、プレートの沈み込みによって起きる地震。
太平洋岸に、地震動による直接被害や津波をもたらす、マグニチュード8を超えるクラスの地震が、数十~数百年の短い間隔で同じ場所で繰り返し発生する。

内陸活断層型地震は、内陸部の割れ目である活断層が壊れてずれることで起きる地震で、規模はさほど大きくないものの、震源が都市に近い場合は大きな被害をもたらす可能性がある。
1つの活断層による大地震発生間隔は1000年から数万年と非常に長いが、日本は活断層の数が大変多いので(カウントされているものだけで2000を超える)、地震が多発しているように感じる。
ちなみに、西南日本内陸部の断層は横ずれ型が多いのに対し、東北日本内陸部の断層は縦ずれ型が多い。

インサイド・ヘッド

 「面白い度☆☆☆☆ 好き度☆☆☆☆☆」

 月に連れてってあげてね。

 心の中のイメージを具体化して描くっていう内容の作品は、かつて私も描いたことがあるんだけど、これがなかなか難しい。確か、大学でフロイトとかユングとかを勉強していた時期だったんだけど、精神っていうのはもともと実体のあるものじゃないから、上手にやらないとイドとかスーパーエゴがどうたらとか、なかなか話が小難しくなっちゃうんだ。
 ということで、ピクサーが人間の感情をテーマにした作品を作るって聞いて「おやおや、さすがのピクサーでもこのテーマは難しいですよ、ほっほっほ・・・」とかうそぶいて、あまり興味が湧かなかったんだけど、この前さ、アベンジャーズを見てさ。その時にこの映画の予告編がやってて。ドリカムのやつ。それで、もうこの夏、恐竜よりもバナナよりも一番楽しみな映画になっちゃった。

 相変わらずうめえな~~~!って。

 まずさ、感情をキャラクターにするっていうのは、まあアイディアとしては割と思いつくと思うんだけどさ、あの5つに絞り込んだっていうのがうまい。
 人間の感情って、まあ、日本だと喜怒哀楽になるんだろうけど、私は個人的に喜と楽の違いがよくわからないし(喜べば楽しいだろ)、学説によっては人の感情って20種類以上あるっていう人もいて、どこで区切りを付けるかって難しいところなんだけどさ。
 ピクサーはさ、往年のスーパー戦隊っぽく、メインの感情を、喜び(ジョイ)、悲しみ(サッドネス)、怒り(アンガー)、嫌悪(ディスガスト)、恐怖(フィアー)の5人にして、喜び以外わりとネガティブな感情にさせたってのが意表をついて面白かった。
 喜怒哀楽だとポジな感情とネガな感情が2対2のトントンになるけど、この映画だとまさかの1対4なわけだからね。もう絶対的にポジティブが数で負けているのよ。
 ライリーっていうのは、もともとすごい優しい女の子で、大自然いっぱいのミネソタから大都会サンフランシスコに引っ越してきてさ、いろいろ悩みや不安もあるんだけど、パパもママも頑張っているんだから自分だけわがままは言えないって、気を使ってネガティブな感情を抑圧しているんだよ。こういうタイプの子は実際にもいて、教育上かなり注意が必要なんだけどさ。
 つまり、心の中では、喜びが一人で必死にテンション上げて「明るく元気なライリー」ブランドの維持に孤軍奮闘しているってわけ。ここからして、もう破滅の匂いがするじゃん(^_^;)

 で、いつもは飄々としている映画評論家の町山さんも珍しく「全町山が泣いた!」って、この映画を絶賛するとともに指摘してたんだけどさ、この5つの感情のチョイスって、心理学的にも唸るところがあってさ、ひょんなことから喜びと悲しみが行方不明になっちゃって、残りの感情がライリーの精神状態をなんとかしようと頑張るんだけど、この怒り、嫌悪、恐怖の3つの感情って、動物にもあるすごい原始的な感情なんだ。
 これらってドラクエ的に言うと「たたかう」「ぼうぎょ」「にげる」に対応する感情で、自然界で生き残るためにはすごい重要な感情なわけ。
 でもそれって逆を言えば、非常に自分本位な感情で、だからこいつらがいくら頑張ったところでライリーの精神や人格はガンガン崩壊してっちゃうわけ。もうね、本当に音を立てて崩れていってさ、となりの席のちびっこなんてキョトンとしててさ、なんつーもんを子どもに見せるんだ、すごい映画だなって思ったんだけど。

 じゃあ、行方不明になった竹内結子と大竹しのぶはなんなんだって言うと、この二つの感情は大脳新皮質にある比較的新しい感情で、ヒトみたいな高等な動物にしかないんだよ。
 ほいで、その役割はなんだっていうとさ、ネタバレになっちゃうんだけど、共感の感情なんだ。アリストテレスいわく人間っていうのは得てして社会的な存在だからね。
 11歳くらいってさ、ギャングエイジを卒業して、いよいよ社会(=他者集団)と本格的に向き合う時期なわけじゃん。ちょっとメタな思考もできるし。第二の誕生なわけですよ。
 んでさ、いつも場をもり下げるようなネガティブなことしか言わず、お前はちびまる子の永沢君かっていう、悲しみがさ、実は他人を思いやる上でとっても大切な感情なんだよって解釈されていて、この映画の重要なテーマになっているんだけど。
 まあ、すっごいネガティブな人がみんな、自分と同じような境遇の人に対して思いやりの心があるかっていうと、クエスチョンがつくところはあるけどさ。
 本当に辛く苦しみもがいている人って、もはや他人のことを考えている余裕すらなくて、誰かれ構わず周囲の人をネガティブ沼に引きずり込むようなところあるけれど。割と共感しやすいだけに伝染しやすい感情でもあるんだよな。

 悲しんでいたから、みんな来てくれたんだ。

 なんにせよ、ひとつだけ確かなのは、そういう悲しみで胸がいっぱいな人に、喜びみたいなやつが「頑張って♪いけるいける!」とか言っても、うつ病には逆効果だってことだよ。それにどんなに「あなたの辛さわかるよ」って言っても、「お前に私の苦しみがわかるか」ってとっちゃったりもするから、そうなるともっと不幸なやつを連れてくるしかないだろうなっていう。不幸インフレというか。「あ、この人よりは自分はマシかも」みたいな展開にしないと埒があかないぞ、みたいな。
 つまりさ、人間っていうのは、いつも笑顔で元気よくなんていられないわけ。どんなにポジティブな人でもどこかで限界が来て精神が壊れてしまう。
 そんなとき、適度にベントして格納容器の内圧を下げてくれるのが悲しみなんだ。そう言う意味でネガティブな感情っていうのは調整弁の働きをしているとも言える。
 私なんかは、すぐに弱音や愚痴を吐いて逃げちゃうんだけど(この前もやらかした)、逆にすっごい明るく元気で精神的にタフそうな人がうつになっちゃったりもするし、長期的にはネガティブな奴の方が図太いんじゃないかって思うことはあるけどね。人をさんざ心配させやがってな。
 
 しかし、この吹き替えキャスティングは抜群に良かったよな。竹内結子なんて一時期あんな髪型してたもんな。見た目で選んだんじゃないかって思ったもんw
 ちなみに、私は予告では怒りが一番好きだったんだけど(少女の感情なのに何故か中年のおっさん)、本編見ると悲しみとムカムカ(※嫌悪。スパッツがエロい)が割と気に入っちゃった。今後思春期になっていくにあたって、ムカムカがコントロールルームの主導権を握るんだろうな、とか。
 でもディスガストをムカムカって訳しちゃったのは、ちょっと怒りと区別がつきにくくてややこしいよな。確かにギャルの言う「超むかつくんだけど~」みたいな感情ではあるけどさ。「イヤイヤ」じゃパンチが弱かったのだろうか。
 あと、全町山の涙を誘ったであろう「ビンボン」っていう、ライリーが幼い頃に遊んでいた空想の友達が出てくるんだけどさ。こいつがまた、私なんかはクリエイター的なことやってたからさ、勘弁してくれよって思ってね。
 小さい頃に考えたオリジナルキャラクターほどの黒歴史はないわけじゃん。できることならビンボンみたいに記憶から抹消したいところなんだけどさ。今なお脳裏にこびりついているよゼリーマン。

 最後に一言。睡眠時に記憶の整理をしているM&M'sみたいなやつがすごい面白かった。「7歳のピアノ教室の記憶??ねこふんじゃったとエリーゼのために以外は捨てちゃって」みたいな感じで掃除機で処分しちゃうんだけど、ああいう実際の学説を映像化してくれるのは面白いよなあ。
 でもピアノっていうのは心理学的には、手続き記憶っていうものに分類されるから(自転車の乗り方など、体で覚える系の記憶)、そう言う意味じゃ、夢で処分されない長期記憶だと思うんだけどね。

地球環境問題覚え書き

 社会科で唯一取りこぼしていた分野がこれ。なんか、すごいモヤモヤするので結局この機会にまとめました。これでコンプリートかな。

ラムサール条約
1971年にイランのラムサールで採択。
正式には「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」と、名前が長い。「特に」のエクスキューズが個人的にはなかなか好き。
湿原や沼沢地、干潟は生態系の宝庫なので開発から守っていこうという条約。日本でも尾瀬や奥日光、渡良瀬遊水池など50箇所が登録されている。

国連人間環境会議
1972年にスウェーデンのストックホルムで開催。
かけがえのない地球というスローガンが有名。
またアメリカの経済学者ボールディングは60年代に地球を宇宙船に例えて、一つの運命共同体だと考えた。
ちなみにマイケル・ムーア監督もこう言っている。

結局人はみな同じ船の客なのだと。
どんな違いがあるにせよ一緒に泳ぐか沈むしかない。(『シッコ』)


人間環境宣言
国連人間環境会議において採択。これにより国連環境計画(UNEP)が設立され、地球環境問題に対する世界的取り組みのスタートになった。

世界遺産条約
1972年採択。世界遺産を保護する条約。世界遺産基金設立も明記。
最近では偶像崇拝が嫌いな某武装組織の人たちがガンガン世界遺産を破壊しちゃっているので胸を痛めているに違いない。

ワシントン条約
1973年採択。絶滅の恐れのある野生動物を保護する条約。
動物園の動物はトラやサイをはじめとしてだいたいレッドデータに当てはまるようになっちまったこんな世の中じゃポイズン。

世界人口会議
1974年にルーマニアのブカレストで開催。
人類の急激な人口増加(人口爆発)は深刻で、発展途上国が人口抑制策を適切に実施しても2020年には世界の人口は64億人に達すると予想し、世界人口計画を満場一致で採択した。現実にはすでにその予想を超え、2030年には82億人に達する見通し。

国連人間居住会議
1976年にカナダのバンクーバーで開催。
世界の人間の居住環境の改善(都市化、スラム化など)が話合われた。通称都市サミット。

国連水会議
1977年にアルゼンチンのマルデルプラタで開催された。
現在では9億人の人が綺麗な水を飲むことができず、世界中で水道の水を飲める国は日本を含めて15カ国しかない。アイスランドとニュージーランドがうまいらしい。どうも地震や火山がある国は水が美味しいようだ。

国連砂漠化防止会議
1977年にケニアのナイロビで開催。この会議で採択された砂漠化防止行動が、アジェンダ21の勧告によって砂漠化防止条約になった。

環境と開発に関する世界委員会
1984年に国連に設立。1987年には委員長のブルントラント女史が持続可能な開発という基本理念を発表したことでも有名。そのためブルントラント委員会とも呼ばれる。
持続可能な開発とは、未来の世代の利益を損なわない範囲での環境利用のこと。
先進国が主張する環境保全と、途上国が主張する環境開発に折り合いをつける考え。

モントリオール議定書
1987年にカナダのモントリオールで採択。
オゾン層を破壊するフロンガス(クロロフルオロカーボンやハロンなど)、四塩化炭素(フロンガスの原料)などの物質の規制を定めた。

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)
1988年設立。地球温暖化問題を議論する国際な学術機関。
世界中の科学者が集まって定期的に報告書を出している。
『不都合な真実』のアル・ゴア副大統領とともに2007年にノーベル平和賞を受賞。

バーゼル条約
1989年にスイスのバーゼルで採択。有害廃棄物の越境移動を規制する条約。
例えばライン川のような国際河川が汚染されるとその国だけじゃなくて周りの国も外部不経済を食らってしまう。

国連環境開発会議(地球サミット)
1992年にブラジルのリオデジャネイロで開催。
この会議で採択されたものは以下の通り。
①環境と開発に関するリオ宣言
②持続可能な開発のための行動計画アジェンダ21
③気候変動枠組み条約(地球温暖化防止条約)
④生物多様性条約
⑤森林被害の原因物資を規制する森林原則声明


砂漠化防止条約
1994年にパリで採択。
深刻な干ばつや砂漠化に直面するアフリカなどの国に対処するための国際的な取り決めを定めた条約。

地球温暖化防止京都会議
1997年。正式には「気候変動枠組み条約第3回締約国会議(COP3)」と言う。
かの有名な京都議定書が採択され、2008~2012年までの間に1990年比で5%以上温室効果ガスの排出を削減することが決まった(ただし開発途上国は削減義務を求めない)。
日本は6%減、アメリカは7%減、EUは8%減の削減目標になったがアメリカは大人の事情で離脱した。

京都メカニズム
この会議で定められた温室効果ガス削減のための仕組みを京都メカニズムという。
以下の4つがある。
①排出量取引(ET)
エミッションズ・トレーディング。環境問題の対策に市場原理を取り入れたもの。他国の排出量をお金で買える。
②共同実施(JI)
ジョイント・インプリメンテーション。他国の削減事業に協力すると自国の削減実績としてカウントできる。
③クリーン開発メカニズム(CDM)
クリーン・デベロップメント・メカニズム。途上国の削減事業を支援すると自国の削減実績としてカウントできる。
④森林吸収(吸収源活動)
森林の温室効果ガス吸収分を削減実績としてカウントできる。

持続可能な開発に関する世界首脳会議(環境開発サミット)
2002年に南アメリカのヨハネスブルグで開催。
アジェンダ21の実施状況の検証が行われた。
また持続可能な開発の再確認をした(ヨハネスブルグ宣言)。

持続可能な開発(SD)
1987年に「環境と開発に関する世界委員会」委員長であるノルウェーのブルントラント首相が公表した「我ら共有の未来」の中心的な考え方で(ブルントラント報告)、将来世代のニーズと現在の世代のニーズを共に満足させるような開発を言う。
その後1992年の国連環境開発会議(地球サミット)のリオ宣言では持続可能な開発についての行動計画であるアジェンダ21が採択された。

環境倫理学の三本柱
①自然の生存権
②世代間倫理
③地球有限主義

中学2年生理科第2分野覚え書き②

 ついに大学から理科の単位のテキストが発送されてきました。レポートや試験内容はぶっちゃけ社会科よりもかなり易しくてありがたい限りであります。
 でも、まあとりあえず中学校の理科全分野をまとめきりたいなっていうのがあるので、このシリーズもちゃんと完結させる予定です。おそらくあと二回で終わるかな。そしたら社会科で唯一取りこぼした環境問題をやって、理科の生物学、地学、理科教育法と進んでいきます。
 それに、実はまたまた転職したのでプライベートな時間が捻出できるようになったんだ。書きかけの小説(クリムゾンウィング)も書いちゃうべ。

天気とその変化
気温や湿度などの気象条件、気圧や前線、天気図などを学習する。
雲の出来かたや海陸風など、そのメカニズムを論理的に攻略する必要がある難所。
社会とちょっとかぶるところがあるため、地理に強い人は有利。

乾湿計
湿度を求めることができる2本1組の温度計。
そのまんまの温度計の乾球と、温度計の先が水に濡れたガーゼに包まれている湿球が示す温度の差で湿度を求めることができる。
どういうことかというと、水に濡れている湿球が示す温度は気化熱の関係でほとんどの場合、乾球が示す温度よりも低い。
例えば、湿度が低くとっても乾燥している場合は、湿球の水の蒸発が盛んになってそれだけ気化熱がたくさん奪われるので、湿球が示す温度は乾球よりもずっと低くなる。
逆に、湿度が高い場合は乾球も湿球並みに湿っていることになるので、乾球と湿球の温度の差は小さくなる。
しかし、すごい寒い日の場合は、濡れたガーゼが凍って湿球の方が温度が高くなってしまうことがある。

飽和水蒸気量
1立方メートルの空気がふくむことができる水蒸気の質量(g)のこと。
温度が高くなるほど大きくなる。
水蒸気は水を100℃にしないとできないんじゃないかって思うけど、洗濯物が乾いたり、コップの水がどんどん減っていくように、100℃以下でも飽和水蒸気量分だけ水は蒸発していく。
つまり蒸発と沸騰は違うわけで、蒸発は液体の表面が徐々に気体に変わっていくのに対して(例えば20℃の水は、その全ての水分子の温度が20℃とは限らない)、沸騰は高温になることで蒸気圧が外気圧に打ち勝ち、表面も内部もすべての分子が強制的に気体に変わっていく現象を言う。
富士山の山頂で、お米を炊こうにも100℃以下で沸騰してしまうのはこのため。

雲量
0~1を快晴、2~8を晴れ、9~10をくもりとする。
空の80%が雲で埋まっても晴れなのに注意!

雲の種類
10種類2タイプある。

水平に広がるタイプ
パッと見、高度が低くなるにつれ巨大化している感じ。高度が高い順から・・・

巻雲:すじのような雲。

巻層雲:薄い雲。
巻積雲:うろこ雲。

高層雲:おぼろ雲。巻層雲の厚さがアップしてグレーに。
高積雲:ひつじ雲。雲の大きさが一回りアップ。

乱層雲:雨雲。太陽の光を完全に遮る。

層雲:霧状の雲。地上にやってきて霧そのものになったりする。
層積雲:うね雲。イカダのような形になることもある。

塊状のタイプ
積乱雲:入道雲。はげしい雷雨。
積雲:わたあめのような雲。

断熱膨張
空気が地面で温められて上昇すると、上空は気圧が低いので空気は膨張する。
この時、膨張した空気は熱のやり取りをしていないので断熱膨張と呼ばれている。
断熱膨張の場合は膨張するためのエネルギーを、その空気自身がまかなわなければならないため空気のエネルギーは減り、温度は下がることになる。

凝結高度
雲ができる高度のこと。これは次のような式で求められる。

凝結高度H=125(地上の気温T-露点t)

この125って謎の定数はどっから出たんだって言うと、気象観測により露点は100メートル高度が上がるごとに約0.2℃下がっていくから

t-(H×0.2/100)

そして、気温は100メートル高度が上がるごとに約1℃下がっていくので

T-(H×1/100)

凝結高度は、この露点と気温が一致する高度なので

t-(H×0.2/100)=T-(H×1/100)

両辺に100をかけて

100t-0.2H=100T-H

移項して

0.8H=100T-100t

両辺を0.8で割って

H=(100T-100t)/0.8

H=125(T-t)

氷晶説
雨の出来方について1933年にノルウェーのベルシェロンが提唱した仮説。その5年後にフィンダイセンが修正した。そのプロセスは以下の通り。
①空高くまで発達した雲の内部には、上部には氷の結晶(氷晶)が、下部には0℃以下の温度でも凍っていない過冷却の水滴が、さらにその下には0℃以下の普通の水滴が存在している。
②氷晶と過冷却の水滴が共存している状態では、過冷却の水滴の方が蒸発しやすいため、蒸発した水蒸気は上部に上っていき、氷晶の周りに付着する。
③その結果、過冷却水滴は小さくなり、氷晶は大きくなる。
④大きくなった氷晶は雲の中を落下し、途中で水滴と衝突、ますます大きくなっていく。そして0℃以上の暖かい層まで落下すると氷晶が溶けるので、雨になる。

併合説
氷晶説では、雲の中に氷晶と過冷却の水滴が共存している状態を仮定しているが、実際には熱帯地方などでは、氷晶があるほど高い雲でもないのに雨が降っていたりする。
そこで考えられた仮説が併合説。暖かい雨の説とも言う。
①雲の中の水滴はどれもだいたい同じ大きさだが、ごく少数ほかの水滴よりもサイズが大きいものがある。
②大きい水滴は小さい水滴よりも落下する速さが大きいので、落ちる途中でたくさんの他の水滴とくっつき、さらに大きくなっていく。
③このようにできた大きな水滴が地上に落ちてくるものが雨である。

雨を降らせる雲
氷晶説でも併合説でも、雲の粒が雨粒にまで成長するためには、落下する途中でたくさんの水滴に衝突する必要がある。そのため雨は雲の厚さが十分にないとできない。
つまり、高層雲、乱層雲、積乱雲のような厚い雲が、雨を降らせる雲として挙げられる。

過冷却
液体が凝固点以下になっても固体にならないこと。
水では動かさないで冷やすと-15℃までは凍らない(氷を作るための核がなかなかできないため)。この状態の水の入ったペットボトルをドンってやると一気に凍って楽しい。
雲を作る水滴のような非常に小さい分子では、-40℃になっても凍らないという。

人工降雨
ベルシェロンによって氷晶説が発表されると、この理論に基づけば人工的に雨を降らせることができるんじゃないか?と考える人が相次いだ。
1946年、シェファーは過冷却の霧でいっぱいになった冷蔵庫にドライアイスの破片を落とし、たくさんの氷晶を作り出した。
同じ年、ボンガネットはヨウ化銀を燃やした時に発生する微小な結晶が、-50℃以下で氷晶核として有効に作用することを発見した。
これらの発見を受けて、アメリカのジェネラル・エレクトリック研究所は、飛行機からドライアイスや、ヨウ化銀が染み込んだ石炭を燃やしたものを雲に落として、過冷却状態の雲の粒を氷晶に変えることに成功している。

ヘクトパスカルとミリバール
いつ理科の授業を受けたか、世代を示すリトマス試験紙的になっている気圧の単位。
1946年~1992年まではmb(ミリバール)が使用され、現在ではhPa(ヘクトパスカル)が使用されている。
ちなみに数値は全く一緒。
さらに1946年以前はmmHg(水銀柱ミリメートル)が気圧の単位として使われていた。これは大気圧の実験でトリチェリが水銀を使用したため。

1気圧=1013ヘクトパスカル=760水銀柱ミリメートル

アネロイド気圧計
アネロイドとは「液体を含まない」という意味のギリシャ語。
内部の空気を抜いて真空状態にした金属製の薄い容器で出来ている。
この容器の凹み具合によって気圧の大きさを測るバロメーター。
小さく軽いため持ち運びも便利で使い方も簡単だが、精度は水銀気圧計にはかなわない。

フォルタン型水銀気圧計
逆さにした水銀柱の境界面を図ることで気圧の大きさを求めたトリチェリの実験を応用したバロメーターで、正確な値は得られるものの、持ち運びが不便で、使い方もかなり複雑。
あと高い。プロ用では78万円くらいする。
水銀は境界面が凸型に盛り上がるため、その凸の部分を目盛りで読み取る。
フランスのジャン・ニコラス・フォルタンが開発。

中学2年生理科第2分野覚え書き①

 ダメだ~!中2の2分野も今までみたいに生物学と地学をまとめて一度にアップしたかったんだけど、量が多いのと、忙しくて時間がないという理由で二部構成にします!
 あと『アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン』観ました。相変わらず仲が悪くて面白かった。スタークがまた波風を立てた。

動物のくらしとなかま
タイトル的にどうぶつ奇想天外!的な内容かと思いきや、ほとんど人体の学習だったりする(そりゃヒトも“動物のなかま”だけどさ…)。つーことでかなり医学的な単元。
あと脱ゆとりで進化(ユーステノプテロンや始祖鳥)が復活した。


視覚を司る感覚器官。
レンズの前面にある光彩の中央にある穴(瞳孔)の大きさを筋肉で変化させることで目に入る光の量を調節し、像を鮮明にしている(瞳孔は明るいところでは狭く、暗いところでは広い)。これはカメラでいうしぼりの役目を果たしている。
目のすごいところは遠近調節をひとつのレンズで行うことである。なんとグミのような弾力性のあるレンズの厚みを変えることで焦点距離を変更しピントを合わせてしまう。
近くのものを見るときはチン小帯が緩みレンズの厚さは厚くなり、遠くのものを見るときはチン小帯がレンズを引っ張りレンズの厚さは薄くなる。
ちなみに年齢を重ねるたびにレンズの厚さを厚くすることがだんだん難しくなってくる。これが世に言う老眼である。

網膜
レンズを通過した光は硝子体を通ってカメラのフィルムに相当する網膜に到達する。
網膜の作りはちょっとややこしくて、光の刺激を受け取る視細胞が光の向かってくる方向とはなぜか逆向きについている。そのため視細胞が受け取った光の刺激は、信号となった後に神経細胞でグルリと迂回して、視神経から大脳へと送られる。
ちなみに視細胞には薄暗いところで働く桿体細胞(棒状の細胞という意味)と、明るいところで働く錐体細胞の2種類がある。


聴覚を司る感覚器官。
外耳、中耳、内耳の3つで構成されていて、外耳は耳かく、外耳道、鼓膜、中耳は耳小骨とエウスタキオ管、内耳はうずまき管とと半規管・前庭で出来ている。
耳小骨は下顎の骨の一部が進化してできた、つち骨、きぬた骨、あぶみ骨というとても小さな3つの骨でできており、鼓膜が受け取った音の振動をテコの原理で3倍にまで増幅させている。ちなみにあぶみ骨はヒトの骨で最も小さい。
エウスタキオ管は中耳と喉をつなぐ細い管で、中耳内の圧力を大気圧と同じにする働きがある。耳がピーンとなった時につばを飲み込むと治るのはこの管が開くため。

内耳
内耳で音の刺激を受け取るのはうずまき管だけで、内耳の壁の面積は、鼓膜の面積の25分の1しかないため、空気の振動の圧力は25倍にまで増幅される。うずまき管は蝸牛管とも呼ばれ、現代でもまだまだ仕組みに謎が多い。
内耳の半規管は3つの半円状の管でできており(だから昔は三半規管と呼んでいた)その管の根元の部分には、感覚毛が生えている。体が回転すると、半規管の中のリンパ液が流れて、この感覚毛がなびくため、体の回転を感じることができる。
内耳の前庭はうずまき管と半規管の間にある二つの袋状の部分で、内部には感覚毛と、その上に聴砂という石が乗っている。体が傾くと、この聴砂が動くため、体の傾きが感じられるようになっている。
ちなみに内耳はひとつの部位になっていて、半規管、前庭、うずまき管は全てつながっている。

可聴域
聞くことができる音波の振動数のこと。振動数16~20000ヘルツの範囲でヒトは音が聞こえるが、男子の中にはもう少し低い音が聞こえたり、女子の中にはもう少し高い音が聞こえたりする。

エコロケーション
反響定位。音の反響で周囲の状況を探ること。いわゆるソナー。
超音波を飛ばして餌の位置を探るコウモリは70000ヘルツ以上の超音波(ヒトの可聴域を超える振動数の音のこと)が聞こえる。
イルカなど一部のハクジラは最大20万ヘルツの音で仲間と交信をしている。一説には1000キロも離れている仲間とも通信可能らしい。


嗅覚を司る感覚器官。
鼻の穴の奥は粘膜で覆われた広い空間(鼻腔)になっていて、その天井にある嗅細胞が匂いの化学物質(気体)を受け取ると、嗅神経を通じて刺激が脳に送られる(嗅細胞の数はヒトでは60万個。イヌでは400万個)。
嗅覚と味覚はどちらも化学物質を感じ取るが、嗅覚のほうがずっと敏感である。ヒトでは200個以上の分子さえあれば、その匂いを感じ取れる(イヌではたった一個の分子で匂いを感じ取る)。
ただその反面、嗅覚はとても疲れやすいという一面もあり、最初は感じていた悪臭もしばらくすると嗅細胞が疲れて感じ取れなくなってしまうのだ。自分の口臭が自分ではなかなか気づかないのもこのため。

味盲
特定の味を感じないこと。日本人の8%が該当するという。
味盲の人は、苦味を感じさせるチオフェニール尿酸という物質のみ苦いと感じず、それ以外の苦味物質は苦いと感じる。

昆虫の感覚
昆虫の感覚器官の場所は脊椎動物の常識とは異なるのでなかなか面白い。
昆虫の耳は体全体に生えている毛。また音を使って求愛をするキリギリスやコオロギなどの昆虫は前足のすね、セミはお腹に耳がある。
昆虫の鼻は触覚である。
昆虫の舌は口だけではなく足の裏にもある。ハエが前足を舐めているのはそのため。
昆虫の温度感覚はほとんどが触覚であるが、コオロギなどの一部の昆虫は触覚ではなく前足や口器が温度を感じ取っている。


人の脳は、大脳、間脳、中脳、小脳、延髄の5つの部分で出来ている。
脳の右側は左半身の、脳の左側は右半身の運動を調節している。
最も発達している大脳の表面は、神経細胞の細胞体で構成される灰白質の皮質でできており、大脳の内部は神経線維で構成される白質の髄質でできている。ちょっと煮玉子っぽいカラーリングである。

大脳
感覚や感情・精神の中枢。いわゆる“意識”(『インサイド・ヘッド』)は全てここにある。

間脳
内臓などの働きを調整する自律神経の中枢。

中脳
眼球運動や姿勢などを調整する。
小脳より小さくて矛盾を感じるが、中脳の中は大きさではなく位置が中くらいから来ているらしい。

小脳
運動時に筋肉の働きを調整する。
また平衡感覚の中枢でもあるため、バランス感覚がモノを言う魚類や鳥類では小脳が極めて発達している。

延髄
呼吸や嚥下、心臓の中枢。生命の維持に重要な働きを担っているため、ここが破壊されると生物は死ぬ。某猪木のプロレス技はそう言う意味でまさに必殺技。

脊髄
こいつは脳ではないんだけど、反射の中枢。また、うんち、おしっこ、発汗の働きを担当する。

自律神経
脳や延髄、脊髄などをまとめて中枢神経というが、その中枢神経と、内臓や血液、腺をつなぐ神経が自律神経。
実は自律神経は大脳に支配されていない。だから自律って言うんだけど。
自律神経には脊髄から出る交感神経と、中脳・延髄・脊髄から出る副交感神経の二種類があるが、どちらも間脳が黒幕となって支配している。
面白いのは交感神経と副交感神経の働きが綺麗に正反対なことで、ほとんどの内蔵には交感神経と副交感神経の両方があるため、うまくバランスがとられている。
例えば交感神経は心臓の拍動を促進し、血圧を上昇させ、呼吸を促進し、消化を抑制し、排尿を抑制する。副交感神経はこれの逆を行なう。

消化酵素
消化を促進する物質。作用する相手が決まっている基質特異性、酵素自身は化学反応の前後では変化しない触媒作用が大きな特徴である。
基本的に温度が高ければ高いほど反応速度は上がるが、タンパク質で出来ているため70度を超える高温になると機能を失って(失活)しまう。
またそれぞれの酵素によって最も働くペーハーが決まっている。

デンプンの分解
唾液の中に含まれる消化酵素のアミラーゼ(プリアチン)によってデンプンは分解されるが、いきなりブドウ糖にまでは細かくできない。
アミラーゼは300個以上のブドウ糖がつながったデンプンを、適当に切断したデキストリンと、ブドウ糖二個ずつに切断した麦芽糖(マルトース)にまでしか分解できない。
唾液で麦芽糖にまで分解できなかったデキストリンは、すい液に含まれるアミラーゼ(アミロプシン)で麦芽糖にされ、麦芽糖は小腸でマルターゼという消化酵素によってブドウ糖にまで分解、やっと小腸の毛細血管に取り込まれる。

すい液
三大栄養素全て(+核酸)を分解できることで有名な消化液。
デンプン担当のお馴染みアミラーゼの他、脂肪を分解するリパーゼ、タンパク質をペプチドに分解するトリプシン、そのペプチドをアミノ酸にまで分解するペプチターゼ、核酸を分解するヌクレアーゼがすい液中に含まれている。

ミネラル
科学的な言葉で言うと無機塩類という。
酸とアルカリが中和して出来たものを塩(えん)と言うが、そのうち無機物からできたものを指す。
体液の浸透圧を調整するナトリウムイオン、細胞の浸透圧を調整するカリウムイオン、血液凝固や筋肉の収縮、骨の成分になるカルシウム、遺伝子や歯、骨の成分になる他、代謝のエネルギーに使われるリン、赤血球の成分になる鉄、細胞の代謝率を上げる甲状腺ホルモンの成分になるヨウ素などが有名。

ビタミン
三大栄養素以外の有機化合物の総称。
実はビタミンそのものは体を作る材料やエネルギー源にはならない。しかし体内の化学変化を調整するため、ビタミンを取ると風邪に負けなかったりする。
ABC・・・とアルファベットで識別されているが、これは名づけた順番を表す。しかし必ずしも発見順じゃないし、ビタミンKなどはドイツ語で凝結を表すKoagulationsの頭文字をつけちゃったのでかなりややこしい。
またビタミンBなどは複数の化合物だったためB1、B2と分解された・・・がB3やB4などは間違ってつけてしまったため、いきなりB6、B12と飛んでしまう。

Aは目にいい。レバーやあん肝に多く含まれる。
B1は炭水化物や脂肪の酸化・吸収の促進。豚肉やうなぎなど。
B2は細胞呼吸や発育の促進。神経作用の正常化。レバーやキャビアなど。
Cは細胞呼吸や骨、歯の発育促進。アセロラや緑黄色野菜。
Dは骨、歯の発育促進。あん肝など。
Eは精子、胎盤の形成促進、老化防止。あん肝やアーモンドなど。
Fは皮膚にいい。不飽和脂肪酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸などの必須脂肪酸。
Kは血を固める。納豆や緑黄色野菜、のりなど。

ちなみにビタミンDAKEは脂溶性で使い切れなかった分は肝臓などに蓄積されていくので摂り過ぎに注意する。また水溶性ビタミンでもCなどはサプリメントなどで取りすぎると危険だという。

肝臓
ヒトの内臓器官の中でも最も巨大。沈黙の臓器と呼ばれるように、セガール並みのタフガイだが、以下のような重要な働きをたくさんしているので、無理をさせすぎて悪くすると命に関わる。
①ブドウ糖をグリコーゲンに変えて貯蔵し、必要に応じて再びブドウ糖に変えて血液中に送り出す。
②アミノ酸の一部をグリコーゲンや脂肪に変えて貯蔵する。
③ブドウ糖やアミノ酸を脂肪に作り変える。
④血液成分を作り、古くなった赤血球は破壊する。
⑤体内に入った有毒物質を解毒する。
⑥古くなった赤血球やコレステロールから胆汁を作り胆管に分泌させる。
⑦二酸化炭素とアンモニアから尿素を合成する。
⑧熱を発生させて体温を保つ。

血漿
血液の液体の部分。
栄養分や不要物などの運搬、血小板と協力して血液の凝固作用などを行う(血漿には血液凝固に関係するフィブリノーゲンやプロトロンビンが含まれているため)。
また血漿には免疫グロブリンが含まれている。

赤血球
骨髄で作られる細胞の一種。
赤血球が赤い原因はヘモグロビンという鉄を含む色素のせいで、この色素は酸素が多い場所では酸素と結合し酸素ヘモグロビンになり、酸素が少ない場所では酸素を手放しヘモグロビンに戻る性質がある。
ちなみにヒトの赤血球は中央が凹んだ円盤状の形をしている。また哺乳類の赤血球には核がない。

白血球
色素を持たない血球の総称で、そのため形や大きさは一定ではない。
大型の白血球は骨髄、小型の白血球は脾臓やリンパ腺で作られる。
白血球は細胞の形を変えてアメーバ運動を行うことができ、細菌を捕まえ食べてしまう。

血小板
血小板は骨髄中にある巨大核細胞の破片で、そのため形は一定しておらず核はない。
赤血球の寿命は3~4ヶ月だが、血小板は2、3日で壊れてしまう。

組織液
血漿が毛細血管から細胞と細胞のあいだに染み出たもの。
よって成分的には血漿と一緒。
組織液は、血液と細胞の間における物質のやり取りの仲立ちをする。

リンパ液
組織液の一部は毛細血管に戻らずに、リンパ管という別の管に入り新たな人生を始めてしまう。この時の液体をリンパ漿という。
リンパ管の中には、脾臓やリンパ腺で作られた小型の白血球のリンパ球があり、このリンパ球とリンパ漿を合わせてリンパ液という。
リンパ液も元は血漿なので組織液と同じく、成分は血漿とほとんど一緒。
リンパ液は組織液が運んできた物質を静脈に運ぶ働きがある。また小腸が吸収した脂肪やビタミンA、Dなどの栄養分を運搬する。リンパ液のリンパ球は食作用をする。
ちなみに「リンパ」とはラテン語で「澄んだ水」という意味。私は「ドクター・カール・リンパ」みたいな人がいたのかと思ってました。

貧血
生体中の鉄の60~70%は、赤血球のヘモグロビンを構成するヘム鉄(機能鉄)で、残りの鉄は骨髄や肝臓、脾臓に蓄えられている(貯蔵鉄)。
血中の鉄が不足すると、これらの貯蔵鉄が鉄不足を補うために放出され、それでも足りない場合(出血など)は鉄欠乏性貧血が起こる。
鉄欠乏性貧血になると、だるさや動悸、息切れ、めまい、食欲不振、頭重感を感じ、免疫力も低下するので粘膜が弱まり、口角炎などの合併症も起きる。
ちなみに鉄は、ビタミンCやタンパク質と一緒に朝食の30分前に摂取すると、より吸収が高まる。

血清
ほかの動物に病気を引き起こす抗原を注射し、体内で抗体を作らせた後、その血液を採取、凝固し、上澄みをもらうのが血清。厳密には免疫血清とか抗血清とか言う。
血清療法は19世紀末に北里柴三郎とベーリングが開発した。当時は共同受賞という形式がなかっため、結局ノーベル医学賞はドイツのベーリングのみが受賞したが、彼は「北里がいなかったらこの研究結果はなかった」とコメントしている。

輸血
血液は、種類の違うものを混ぜると血球がくっついてしまう(凝集)。
だから基本的に輸血は同じ血液型で行う。
しかし私の血液型であるO型は、どの血液型の輸血にも使える(凝集が起きない)。
ちなみに最もレアな血液型のAB型は、すべての血液型の人から輸血してもらえる。いいな。
逆にO型はO型の血液じゃないと助からない。

心臓の自動性
心臓の拍動は自律神経によって制御されているが、神経を切断しても動き続ける性質がある。つまり心臓の筋肉は骨格筋とは異なり、神経からの命令がなくても動かすことができる。その原因は右心房にある洞房結節という筋肉が自発的に収縮を繰り返すから。
心臓の拍動のペースはこの筋肉が作っているのでペースメーカーと呼ばれている。
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