『80日間宇宙一周 Sea of hope』脚本⑤

波を切って海を進む海賊船
海賊「ギャハハハハいただいたぜ~!」
「あいつら今頃半泣きだろうよ!」
新人「この船、どこら辺で売りさばくんすか?」
ロジャー「土星あたりかなあ・・・いま景気いいらしいし。」
新人「お頭レーダー反応です!後方から飛空艇が追ってきます!」
ロジャー「なんだと!?」
マルチモニターにライトたちの顔が映る。
ロジャー「しつこいやつらだ・・・撃墜しろ!」
「アイアイサー!(c)ももいろクローバー」

猛スピードで海賊船に追いつく飛空艇。
ルヴェリエ「この船、けっこう性能いいですね」
ライト「せやな」

海賊船の母艦の側面に回りこむ。
母艦から大砲が出てくる。
ミグ「撃ってくるぞ!」
壁の操作盤に気づくルヴェリエ「このスイッチは?」
飛空艇からミサイルが発射されて大砲を破壊する。
ライト「!!お前何をした!?」
ルヴェリエ「え、いや、その・・・」
ミグ「ライト、この船は武装船みたいだぞ・・・!」
ライト「よっしゃ、あいつらにお見舞いしたれ!」

海賊船を攻撃する飛空艇。
海賊船の砲撃は飛空艇が小さくすばしこくてなかなか当たらない。
ロジャー「あんな小さい船相手になに手こずっている!」
砲弾を装填する海賊「さーせん!」
ロジャー「ダメか!?勝てそうもないのか!?どうなんだ!?」
「それは・・・」
ロジャー「はっきりしろ!」
「アイサー勝てません!」
ロジャー「よっしゃ逃げるぞ!!」
「イーエー!!」

海賊船内に無線でライトの声が入る。
ライト「コラお前ら~オレたちの船を返さんか~い!」
ロジャー「やなこった!こっちも商売なんだよ!」
ライト「お前ら~いい加減にせえへんとマジで地獄見せたるで~!」
ロジャー「え、それはやめて・・・」

飛空挺を海賊船のカタパルトにつっこませる。
そのまま船内に突入する飛空艇。慌てて逃げていく海賊たち。
飛空艇から出てスパナを振り回すライト「オラア海賊ども~!お礼参りじゃ~~!!」
三人を取り囲む海賊「ええい、ひるむな!数じゃこっちが勝ってるんだ、お前らは飛んで火にいる夏みかんよ・・・!」
ミグ「それはどうかな?このEM銃を船内で発火させてみろ。私も死ぬがお前らともども道連れだぞ」
海賊「ひいいいい!この人本気だ、怖いよ・・・!」
ライト「責任者はどいつや!」

海賊船艦橋。
扉を荒々しくあけライトたちが乗り込んでくる。
ライト「あんたが海賊ロジャーか!」
ロジャー「え・・・?ちがうよ?」
ライト「部下に言って俺らの船を返させろ!」
ロジャー「まあまあ落ち着けって。これにはふか~い事情があるんだよ」
「なんやな。」
「まあまあ座って・・・おい、この人たちにつめた~い飲みもんでも出してやれ!」
「へ、へい・・・!」
海図や計算機を机から落とし、テーブルクロスが敷かれ、楽団が演奏をはじめる。
ライト「そうやって丸め込もうったってそうはいかんからな」
ロジャー「違うって・・・」
ルヴェリエ「とりあえず話を聞いてみましょうよ。」
ライト「ええかルヴェリエ。こいつら海賊っていうのは宇宙で最も油断ならんやっちゃ、絶対気を許すんやないぞ。」

5分後
酒に酔ったライトがロジャーと肩を組んで大爆笑している。
ライト「ニャハハハハあんた気が合うなあ!」
ロジャー「おめーこそ気に入ったぜ!この船に乗り込むたあ海賊以上に血の気が多いぜ!!」
ため息をつくミグ「あのバカ・・・」
ルヴェリエ「すっかり友達になってますね・・・」
ミグ「で、なぜ人の宇宙船を掠奪するんだ?まだ話してもらってないぞ。」
ロジャー「それはだな、海王星のためにやってるんだって。」
ルヴェリエ「海王星のため・・・?」
楽団がお涙頂戴の短調の曲を弾きだす。
ロジャー「あんたらも20年前にこの星に隕石が衝突したのは知ってるだろ?」
ライト「ああ」
「あの隕石の事故処理をしたのが俺たち海賊だったんだよ。」
ルヴェリエ「え・・・?」
ロジャー「ほら衝突直後は海王星は治安もへったくれもなくてな、もう混乱の極みだったんだ。
政府も軍も衝突地点には恐れをなして近づきもしなかったしな。
でも誰かがやらなきゃいけなかったから、オレたちがクレーターの上から大量の土砂をかけて放射線を防いだんだ。あれでも1万分の1にまで減ったんだよ?」
ライト「ふ~ん、でもお前らがタダでそんなよいおこないするはずないやろ。どうせたんまりギャラをふんだくったんちゃうんか」
「まあね・・・
でもよ、その作業のおかげで俺たちの半数は重い病気や障害を抱えている。十分ギャラに見合った仕事はしたと思うぜ。」
周りを見ると海賊のほとんどが腕や足のどこかが失われている。
笑って義手を降る海賊
ルヴェリエ「王家が海賊に面倒な仕事を押し付けていたなんて・・・そういう時、真っ先に国民のために命をかけるのが貴族なんじゃないですか?」
ロジャー「あくまで理想はそうだがな・・・誰かの為に自分の身をなげうつのはなかなか出来ることじゃないんだぜ」
ルヴェリエ「でも・・・」
ルヴェリエを優しくなでるミグ「最後まで聞いてみよう・・・で、なぜ船を盗んだ?」
ロジャー「やっぱそこ行く?それはその・・・中古の宇宙船を集めて他の星に売るんだよ。おたくらの船さ、なかなかいいエンジン積んでいるじゃない?あれは金になるなあって・・・」
ライト「やっぱり金か!しょうもないやっちゃなあ・・・」
ロジャー「オレたちには金がいるんだよ。それも外貨が。」
「なんでやねん」
「それで海王星の支援物資を買っているのさ。何年もずうっとね・・・」
「・・・なんやと?」
「オレたちが命懸けで事故処理をして獲得した最大のギャラはそれさ。
まだわかりませんか?ルヴェリエ・ネプトゥヌス殿下。」
ルヴェリエのコンパスの針がロジャーを指している。



王宮
テロリストが書庫から書類の束を持ってくる「どうぞ」
ピカール「拝見。」
何かを見つけ笑うピカール
「なるほど・・・海王星の財政のからくりが解けましたよ。」
ナッシュ「どういうことだ?」
一枚の書類を見せる「ご覧なさい。」
「これは・・・私掠行為許可証・・・!」
「あの女王なかなかの悪党のようだ。
しかしこれで海王国政府と海賊がつながっていることがわかった。」
「ああ、海賊の居所を聞き出せるな、」
「さっそくお願いします。」



海賊船、艦橋。
ルヴェリエ「え・・・?もしかして僕が探していたのは・・・この人???」
ロジャー「はじめまして殿下。お会い出来て光栄です。」
ルヴェリエ「でも、なぜエガリテ隊長はあなたを訪ねろと・・・」
ロジャー「エガリテは私が近衛隊の隊長をやっていた頃の親友です。そのコンパスは私が仕事をやめた時にあいつに渡したものです・・・」
コンパスを裏返すルヴェリエ。海王国の紋章が刻印されている。
「あなたが・・・海王星の救世主・・・?」
ミグ「そうか・・・海王星の逼迫した財政では、国民全てに十分な生活物資は供給できなかった。
だから海賊を使って非合法な手段で物資を集めさせた・・・私掠行為を許可して。」
ロジャー「すべては海王星のためです。」
ルヴェリエ「僕らの星はあなたがた海賊によって養われていたってことですか・・・!」
ロジャー「え、い、いや、その・・・」

部屋を飛び出すルヴェリエ
海賊「あ、坊ちゃん!」
ロジャー「ほっといてやれ!」
ライト「・・・ショックやったろうな・・・」
ロジャー「俺なんかに会わなかったほうがよかったのかもな。」
ライト「そんなことないって・・・あいつは体はちっこいけれど強いから。」
ミグ「・・・・・・。」


甲板の縁に座って海を眺めているルヴェリエ。
ミグ「いいかな・・・」
隣に座るミグ
「確かに海賊を憎む気持ちはわかる」
「海賊が憎いんじゃないんです。
ボクら王族がこんな汚いことをしていたなんて・・・」
「きっとお母さんも国民を救うために必死だったんだと思うよ。」
「でも・・・何の罪もない他の星の人々を襲って物資を集めてたなんて・・・」
ルヴェリエの肩に軽く手を乗せるミグ「・・・・・・。
キャプテンロジャーがリンドバーグ号を返してくれるそうだ。いつでも出発できる。」
ルヴェリエ「それで僕はどこへ行けばいいんですか・・・?僕の目的地はここだったんですよ」
「そうか・・・じゃあここでお別れだな。」
「ミグさんたちは?」
「ノーチラス号を止めに行くよ。海王星を救わなくては・・・」
「なんで海王星人でもないミグさんがそこまでするんですか?」
「言っただろ・・・私は過去に決着を付けなければいけない。
海王星をこんな状況にしたのは私の責任でもあるんだよ」
「え・・・?」
「あなたに打ち明けるのがずっと怖かった・・・でもここで別れるのなら、勇気を出して告白します。」
「・・・・・・。」
「私の名はミグ・チオルコフスキー。冥王星の軍人。海王星の隕石衝突を止められなかったチオルコフスキー将軍の娘です。そして・・・テロリストのノーチラス号強奪に手を貸してしまった・・・」
「ミグさんが・・・」
「私には償いきれないほどの罪がある。その罪を少しでも償いたいから私は戦う。」

『80日間宇宙一周 Sea of hope』脚本④

夜。
海王星のたくさんの衛星が夜空に輝いている。

リンドバーグ号の寝室。
眠っているルヴェリエに毛布をかけてやるライト
小声のライト「ミグ見てみい、可愛い寝顔やな~」
「お前ってけっこう面倒見いいんだな・・・」
「そうか?」
「なあライト・・・ちょっといいかな。」

コックピット。
「どうした?寝れんの?今日の見張り役は火曜だからオレやで。」
「怖いんだ・・・」
「怖い?泣く子も黙る冥王星の軍人が?」
頷くミグ「・・・・・・」
「・・・・・・。
そうそう、あんたが冥王星人だっていうのはあの子にいつまで隠しておけばいいんや?」
「・・・・・・ルヴェリエ王子を見ていると・・・罪悪感で胸が押しつぶされそうなんだよ・・・
私はこの星の人たちに顔向けができない・・・」
「いやええけど・・・あの子は賢い。薄々感づいていると思うで」
「え・・・?」
「あんま気負うなよ。あんたはあの件に関しちゃ悪くないって。過去は過去や。
いくら自分を傷つけても、もう変えられないんやで。」
「・・・」
「・・・そうやなあ、一度あの王子と話してみたらどうや?
あの子は今、親御さんと離れ離れで不安やろ、あんたならその気持ちがわかるんちゃうかな。」
「私が・・・」
「頑張れミグ。」



夜の王宮。
懐中時計を見るピカール「日が変わってしまいましたよ。まったく強情な人たちだ。」
ピカールとチェスを打つ女王「あなたがたの主砲のエネルギーを増幅するのにあの鉱物が必要だと聞いて、あっさり私たちが教えると思いますか?それに・・・地球を滅ぼしても楽園は訪れませんわ。」
チェス盤を見つめるピカール「・・・らちがあきませんな。」
閣議室に入ってくるナッシュ「隕石の場所は海の墓場と言われる秘密の海域だ。」
デスピナに銃を突きつけるテロリスト「この女が吐きました。命乞いしながらペラペラと」
ピカール「くっくっく・・・で、その海の墓場とは?」
ナッシュ「どこだ?」
デスピナ「あ、あたしは知らない・・・本当よ!海の墓場はもともと宇宙海賊の秘密のたまり場だったのよ」
ナッシュ「ということは海賊しか知らないってことか・・・あんまりあの連中とは関わりたくないんだけどなあ」
ピカール「海賊ですか・・・ちょっと面倒なことになりましたね。」
ナッシュ「ああ。まず宇宙を放浪している海賊どもを探し出すのがな。」
デスピナ「話したんだから、私は返してよ!」
ナッシュ「返すかよ馬鹿。地下牢に戻せ」
デスピナ「あそこのベッドは固くていや~!枕の高さもあってないし!」
テロリスト「うるせえとっとと歩け!」
ナッシュ「どうするよ、先生。」
ピカール「ふむ・・・
女王陛下。私にはむしろ、隕石によって汚染されたこの星が20年間も国体を保てたのが不思議でならないのですがね。かつては鋼の女性と呼ばれたあなたのことだ。一体どんなウルトラCを使ったのですか?」
女王「政治の世界にそんな魔法はありません。」
ピカール「そうですか。ならばゆっくり考えてみることにしましょう。」
女王の前にビショップを動かすピカール「チェックメイト」
女王「わたしにクイーンをわざと取らせたのね・・・」
微笑むピカール



夜明け。海上のリンドバーグ号。
甲板で洗濯物を干すエプロン姿のルヴェリエ。
ルヴェリエ「おはようございます」
ミグ「あ、おはようございます。ゆっくりお休みになれましたか?」
「おかげさまで・・・」
「洗濯ならわたくしがやります、どうか殿下は・・・」
「じゃ、ふたりでやりましょう。」
二人で選択物を干す。
ミグ「あの・・・ひとつ聞いてもいいでしょうか?」
ルヴェリエ「ええ・・・それに、もうその敬語は勘弁してくださいよ。」
「しかし・・・わたくし柔らかい言葉遣いが・・・苦手でして・・・」
「ようし、ライトさんに教えてもらった最終手段だ。伍長よ。これは命令である。」
「・・・・・・。ごほん、失礼。海王星に衝突した隕石のことを聞きたいんだけど・・・いいかな?」
微笑むルヴェリエ「はい。」
ミグ「海王星人は隕石のことをどう思っているのかなあ?」
真剣な顔になるルヴェリエ「憎んでいますよ。」
「・・・そうだよな・・・」
「でも・・・ぼくは正直わからないんです」
「・・・・・・。」
「当時のこと。生まれていませんでしたから。
ぼくは昔の海王星を知らない。だから衝突を目の当たりにした人たちの心の苦しみを本当に理解することはできません。」
「・・・」
「皇太子の兄はかつては明るく前向きな性格だったそうですが、隕石によってすっかり変わってしまいました。いや兄だけじゃない。母も大臣たちも・・・保身にきゅうきゅうとしていて民のことまで思いやれる余裕がないんです。自分たちの心を壊さないようにするので精一杯だから。」
「ルヴェリエ王子・・・」
「ずっと思っていた。ぼくはこの星のために何ができるんだろうって・・・」
「できますよ。王子はお若い。辛い過去がないからこそ前向きにやれることがある。」
「ミグさんは・・・?」
「私は・・・私は自分の過去に決着をつけるためにこの星にやってきたのかもしれない。」
「自分の過去・・・?」
ミグの顔に朝日が当たる「ずっと見て見ぬふりをしていて・・・時には自暴自棄にもなったけれど・・・私はもう過去からは逃げない。諦めない。」
「ミグさん・・・」

海の向こうに島のような影が見えてくる。
尾翼の上に登って双眼鏡をひつかむライト「オーイこっちきてみ~。なんか見えたで~」
ミグ「あれは?」
ルヴェリエ「海上キャラバンだ・・・!」
ライト「え?あれ島ちゃうんか?」
「ええ、行商の船をたくさんくくりつけて人工島のようになっているんです。」
「へ~面白そうやなあ。行ってみるか。」
「本当ですか!?一度行ってみたかったんです・・・!わあ~」
ライト「よしおっちゃんがなんでも買ったる。」
ルヴェリエ「悪いですよ」
ミグ「子供のうちは甘えておくものだよ。遠慮することはない」
「わあい、やった~!」

海上キャラバンはまるでベネチアのようになっている。船と船の隙間をゴンドラが行き交う。
船を降りてキャラバン内を歩く一行。
「は~まるで街やなあ。」
バザーに並ぶ屋台の一つを指差すルヴェリエ
「これはなんですか?空の雲をちぎったみたいですけど・・・綺麗だなあ」
「ああ、わたあめや。つまりはキャンディーやな。」
「え?あれは食べ物なんですか!?」
「甘くてうまいで~食ってみたいか?」
「はい・・・!」
「おっちゃん、この綿菓子いくらや」
おっちゃん「毎度!220ポンドだね」
「高っ!!」
「なにしろ輸入品だからね」
ミグ「食料も全部輸入しているのか?」
おっちゃん「まあモノによるな。砂糖が高いんだよ。」
ルヴェリエ「あ・・・じゃあいいです・・・」
「遠慮するなて!おやじ、三つくれ。」
「700ポンドです」
「高くなっとるやんけ!」
「嗜好品には特別税が加算されるんだよ」
ルヴェリエ「やっぱりいいです・・・」
「わ~ったナンボでもはろうてやるわ!」

綿菓子を食べながら屋台の間を歩く三人。
「おいし~でも溶けてあっという間ですね」
「そうか、じゃオレのもやるわ」
「あ、じゃあ私のも」
「え・・・?」
「食っとけ食っとけ。」
「これってとっとけないんでしょうか?・・・こんな綺麗なお菓子があるなんて母さんに見せてやりたいなあ・・・」
二人「・・・・・・。」

ミグ「王子、手をつなごうか。」
「え・・・?」
ミグ「今は楽しもうよ、ね?」

バザーの客に紛れて三人を見つける海賊。
りんご飴を持ってお祭りのプリキュアのお面をかぶる海賊「お頭、いました。」
ロジャー「でかした新人。」

小物屋
ルヴェリエ「ミグさん、このネックレス似合いますよ」
喜ぶミグ「え?本当?ちょっと私には可愛すぎやしないかなあ・・・」
「綺麗ですって、ね?ライトさん」
「う~ん、オレはお前にはこの宝石のブローチが似合う気がするけどなあ」
「それはさすがにミグさんの歳じゃ厳しいですって・・・ハッ!」
「ガ~ン・・・」
「ミグそんな泣くなよ、子供が言ったことやないか~」
「泣いてないよ馬鹿・・・!」

「じゃあ飯でも食ってくか!」
(まだちょっと凹んでるミグ)
レストラン喫茶に入る三人。
オカマのママ「いらっしゃ~い!な・ん・に・ん?」
ライト「三人。禁煙席で。」
ママ「あら~ご家族~?ぼく、いいわね~」
ライト「家族ってわけやないんやけど・・・」
ルヴェリエとミグ「はい、家族です。」
ママ「これがメニューね。おすすめはBランチ。安心で美味しい魚介類が地球から入ったわよん。」
ミグ「地球・・・?」
ママ「ええ。昔はシーフードと言ったら海王星だったんだけどね。地球の魚介類はけっこうあっさりしていてヘルシーよ。ソテーして白ワインソースて食べるのが地球風。トマトと一緒にパスタに絡めてもいいわね。」
「ほ~イタリアンやな!」
「あら兄さん地球の方?」
「そうや」
ライトの体をペタペタ触るママ「やだ~♡ちょっといい体してるじゃな~い!」
「なんやねんな・・・」
「あたしも地球に行ったことあるのよ~そこで料理の修行してこの星に戻って店を構えたの。」
ライト「じゃ、じゃあBランチを三つでええか?」
ルヴェリエ「はい」
ミグ「異議なし。」
ママ「Bランチ3!じゃ、ちょっと待っててね。兄さん愛してる!」
ミグ「モテモテだなライト・・・」
ライト「なにニヤついてんねん。めっちゃオカマやないかい。」

料理を運んでくるママ「おまたせ~」
ミグ「これが地球の料理・・・」
ルヴェリエ「すっごい美味しそうですね!」
ママ「あ・り・が・と♪
兄さんのにはいろいろサービスしておいたから・・・ウフ」
ライト「やめろや気色悪い。」

ルヴェリエ「うわ~本当に美味しい!味付けが海王星とだいぶ違うんですね。」
ライト「オリーブオイルやからな・・・どうしたミグ?口に合わんか・・・」
窓の外をじっと見つめるミグ「なあ・・・外のあれって・・・」
窓の外で海賊船にリンドバーグ号が引きずられていく。
「!!あ!!俺の船!!」

店を飛び出すライト
ロジャー「は~はっは!今度海賊に喧嘩を売る時はよ~く考えな~!!」
海賊「あばあばあばよ~!ヒャッハーー!!」
リンドバーグ号を船内に格納し波止場を出航する海賊船

ライト「あいつらオレらの船を盗んで行きよった~~!!」
ミグ「やっぱり!!」
ルヴェリエ「どうしましょう!?」
ママ「あら飛行艇なら店の裏にあるわよ。」
ライト「マジで!?ママ、貸してくれへんか!?」
ママ「お安い御用よ、じゃあチューして♡」
「えええ!?」
ミグ「ライト一刻の猶予もないぞ!」
ルヴェリエ「ライトさん、ここは心を殺してください!」
ライト「わ~った!どこにすりゃいいんや、ほっぺか!?」
ママ「・・・左乳首(ポッ)」

フライパンで殴られてピクピクしてるママ。
ライト「ついていけへんわ。追っかけるで~!」
レストランの飛空艇に乗り込んでりエンジンをかけるライト。
離陸する飛空艇。

ライト「さすが海王星人、飛空艇は生活の必需品なんやな」
ルヴェリエ「あの人大丈夫でしょうか・・・」
ミグ(料理半分も残しちゃった・・・)

『80日間宇宙一周 Sea of hope』脚本③

海上。
海の上に飛空艇が着水している。
そのとなりにリンドバーグ号を横付けするライト。
ライト「いや~あんたのおかげで助かったわ~」

飛空艇のドアが相手パイロットが降りてくる。
ルヴェリエ「それはよかった・・・」
ミグ「え・・・!?こども??」
ルヴェリエ「す、すいません・・・」
ミグ「い、いや謝ることじゃ・・・(気まずそうにライトの方を向く)
ルヴェリエの頭を撫でるライト「可愛いボーズやな~。とーちゃんとかーちゃんはどうしたんや?」」
ルヴェリエ「それが・・・」
ライト「なんや迷子か。」
ルヴェリエ「ある場所に向かう途中飛空艇の燃料が切れてしまって・・・」
ミグ「ギリギリの燃料であのドッグファイトをしたのか・・・」
ルヴェリエ「ええ・・・」
ライト「は~とんでもないボーズやな~あんた名前は?」
「え?」
「ええって、助けてくれたよしみや。おっちゃん達がそこまで送ったる。」
「いいんですか?」
「ええよな、ミグ?」
飛空艇の紋章を見るミグ「え?あ、ああ・・・構わないけど・・・」
ライト「すまんな、あいつどっかボーッとしてて・・・」
ルヴェリエ「奥様ですか?」
ライト「うん。オレの第三夫人。」
ミグ「違う!!」
ライト(冗談なのに・・・)

「俺の名はライト・ケレリトゥス。地球出身。宇宙一の冒険家や、どや、かっこええやろ。」
「冒険家・・・?」
「で、こいつがツレのミグ。冥王星の・・・」
「え~っと!!ミグです。よろしく・・・」
「よろしくお願いします。ぼくはルヴェリエ・・・ルヴェリエ・ネプトゥヌスです」
ミグ「やはり・・・」
ライト「なんや知り合い?」
ミグ「いやいや、いいんだ。」
「お世話になります。ライトさん、それに・・・ミグさん」
ミグ「どうも・・・」

リンドバーグ号のドアを開けるミグ
「いや~しかしこの船って飛空艇だったんだな。武器はてんでないけれど、そういうところはちゃんと作ってるんだなあ。」
ライト「え?」

リンドバーグの船内。
ミグ「バカやろう!めちゃくちゃ浸水してるじゃねえか!
ぎゃあああ、すでに絶版となっている所さんのレコードがあああ!!
なぜ飛空艇じゃないのに海の上に着陸した!?」
ライト「いや~助けてくれた彼を見捨てるのはかわいそうやと思って」
ミグ「それで共々漂流か!我々には太陽系を救う使命があるんだぞ!」
ルヴェリエ「・・・え?」
ミグ「あ、いやその・・・」
ライト「別に隠すことでもないやろ、言うたらええやん。」
ルヴェリエ「一体お二人はどういう方たちなんですか?」
ライト「あんな、オイラ達は悪いテロリストから太陽系を守ろうとしてるんや。この宇宙最速の船でな」
イライラしながら濡れた服をテーブルの上にのせるミグ「そう、水洗いされてとっても綺麗。」
ライト「あのお姉さんは無視して~」
ルヴェリエ「太陽系を救おうとしているんですか・・・!?」
ライト「ああ。な?」
ミグ「それだけは私も彼と同意見です。おいドライヤーは二階だっけ?」
「じゃあ・・・」
二人「?」
ルヴェリエ「ぼくの星を救ってください・・・!!」
二人「!」
ライト「・・・・・。まずは一階の荷物を上に運んでからでいい?」
ルヴェリエ「あ、すいません、なんか・・・手伝います」
ミグ「いえいえ助かります・・・」
ライト「ありがとな~」

プロペラをスクリューにして海上を進むリンドバーグ号
ライト「そうか・・・辛かったろうなボーズ・・・よっしゃボーズの星のことは俺達に任せとけ、悪いようにはせん。な?」
ミグ「ああ。ノーチラス号がこの星に停泊していることもわかったしな。」
ルヴェリエ「ありがとうございます!!」
ミグ「しかし緋色の旅団が海王星の労働者の心も掴んでいたとは・・・革命は成功したんですか?」
首を振るルヴェリエ「わかりません・・・クーデターの最中にぼくだけ王宮から逃げ出したんです・・・」
ミグ「そうでしたか・・・」
ライト「おい」
「なんだよ」
「さっきからなんであんた敬語使ってんねん。俺にはタメ口なのにおかしーやろ」
「バカ!このお方は・・・海王星の王侯貴族だぞ!」
「フンフン、へ~・・・ところでボーズ腹減ってるやろ、缶詰食うか?」
「いいんですか?」
「だからお前は上流階級に馴れ馴れしいんだよ!!」
「いえ、ミグさん気になさらないでください。ぼくは人生経験の未熟なただの子供ですから・・・」
「しかし・・・失礼ですがルヴェリエ様のご両親は・・・」
「父はいません。母はナイアド・ネプトゥヌス、ぼくはその次男なんです。」
「でででっででででででで・・・殿下・・・!」
「ボーズ缶詰開いたで~」
「ありがとうございます」
「お前~~~!!この方は女王陛下の・・・」
缶詰を一口食べるルヴェリエ「はっ!」
ミグ「ほら見ろ!王家のお口にこんなものが合うわけ無いだろう!失礼をば・・・!」
「お・・・美味しい・・・!こんな美味しいものがあったなんて・・・」
「美味いか!ニャハハ、もっとあるで~」
ミグ「え・・・」
「本人がそう言ってるんやからええやん。なあ!」
微笑むルヴェリエ「はい!とっても美味しいです!」

ミグ「・・・私、海図で現在地を確認してきます・・・失礼します。」
ライト「おう苦しゅうない。行って参れ」
「お前に言ってるんじゃないんだよ。では殿下。」
リビングから出ていくミグ。
「あの人・・・ボクのこと・・・」
「ああああ、気にすんな、俺ん時も会ったばっかりはあんな感じやったから」
「でも怒ってませんか・・・?」
「怒ってないない。ああ見えてあいつ結構のんびり屋でいい奴やから。
それよりかーちゃんが心配やろ・・・」
「はい・・・でも・・・ボクにはやらなきゃいけない事があるんです。」
コンパスを取り出すルヴェリエ。




海王国王宮
閣議に使う部屋でピカールと女王が机をはさんで座っている。女王の隣にはアダムスとアラゴ、ピカールの隣にはナッシュが立っていて、部屋の周りには武装したテロリストが囲んでいる。
女王「お話はわかりました。」
微笑むピカール
女王「惑星連合の議長星、地球を消し去ると・・・」
ナッシュ「あんたらも大災害の際に惑星連合には非情な仕打ちをされたわけだろ。トカゲのしっぽ切りをされたのは俺たちの星、冥王星と変わらねえんじゃないか?」
アラゴ「それは一理あるね、だがな、そもそもお前らが職務を全うして俺たちの星に隕石をぶつけなければこんなことにはならなかったんだがな」
武装テロリスト「なんだと・・・!」
女王「アラゴ!」
ピカール「はっはっは・・・皇太子殿下はなかなか言いますな」
女王「で、私たちがそんなことに賛同すると・・・?」
ピカール「ほう、断るおつもりですか」
アラゴ「俺たちにもプライドがあるんだよ、それにお前ら冥王星人が俺は嫌いだ。」
ナッシュ「ずいぶん嫌われちまったなあ、先生。」
ピカール「そのようだ」
ナッシュ「いいかバカ殿下、オレはお前らの星を救うために大小あわせて172の隕石を解体してやったんだ、安い給料でな。つまりオレが白血病にならなきゃ、てめえの星はこんなもんじゃすまなかったってことだ。ちったあ感謝して欲しいもんだがな」
アラゴ「じゃあ、あんたみたいなプロがどうしてあの隕石は止められなかった!?」
ナッシュ「・・・最後の最後まで止めようとしたさ、あいつらはな・・・」
女王「その話はもうよしましょう。過ぎてしまったことを蒸し返しても仕方がない」
ピカール「同感ですな。」
女王「で、何が狙いなんです?この星にはあなたがたの欲しいものなど何もありませんよ。文字通り海だけの見捨てられた星なのですから」
ピカール「いいえ・・・我々の計画に重要な物質がこの星にはあります」
アラゴ「放射能か?」
ため息をつくナッシュ。
首から下げたネックレス状の小さな鉱物を見せるナッシュ「俺たちが欲しいのはこれだよ」
アラゴ「石ころじゃねえか。」
ナッシュ「仲間の形見なんだけどね・・・」
ピカール「角柱頑火輝石・・・プリズマメテオタイト。これはナッシュ軍曹が持ち帰った原石ですがね。」
アラゴ「だからそれは何なんだよ?」
ピカール「・・・20年前に落ちた隕石ですよ。我々はその落下海域が知りたい。」



海上を進むリンドバーグ号
窓から手を伸ばし海の水をすくうミグ
「しかしこの星の海は澄んでいて綺麗だな・・・
確か海王星の海は淡水なんだよ。ミネラルウォーターみたくて飲めるんだ、ライトお前もどうだ?」
水を口に含むミグ
ルヴェリエ「でも汚染されてるのできっと体に毒だと思いますよ・・・」
ライト「ミグはよ吐け・・・!!」
ミグ「ごほっごほっ!!」
「隕石が海王星のほとんどを汚染してしまったんです・・・パッと見はとっても美しいんですが・・・」
涙ぐむミグ「殿下、それを先におっしゃって頂けましたら・・・」
「ごめんなさい・・・この星の海の水を飲む人は誰もいないので・・・」
ライト「こんなに水があるのに、あんたらは水が飲めんの?」
「ええ、一部汚染をまぬがれた海域はあるらしいんですが、基本的に飲料水は他の星から輸入しています。」
「難儀やな・・・」
「僕らの星の海は赤みがかってますけれど、地球の海はもっと青いんですよね?」
「せやね。」
「一度見てみたいなあ・・・」
ミグ「・・・・・・。」
ライト「ボーズが大人になったらおっちゃんがいつでも連れてったるよ。」
ルヴェリエ「本当ですか!?」
ライト「ああ。地球をなくすとかいう連中をオレたちが何とかしたらな」
ルヴェリエ「早く大人になりたいなあ・・・」
ライト「みんなそう言うよな、なれるなれる。大人になるのに試験とか資格とかないからw」
ミグ「殿下は立派な大人になりたいとおっしゃってるんだよ。」
ルヴェリエ「ええ、お二人のような。」
ライト「ニャハハ!あんたのパイロットの腕ならいくらでもオレのような冒険家になれるで!なあ!」
「本当ですか?」
机の絵の海図に線を引き計算をするミグ「あまりこの男に憧れない方が・・・」
「どう言う意味や」
海図を持ってくるミグ「殿下。方角はこれであっていますか?」
コンパスを見るルヴェリエ「はい・・・」
ライト「また年代物やなあ。」
「これは私たち王族に仕える戦士に代々受け継がれてきたものだそうです。
きっとこの海路をたどれば、海王星を救ってくれる勇敢な戦士が・・・」
「そのコンパスの持ち主ってことやな。」

『80日間宇宙一周 Sea of hope』脚本②

ライト「お前一体一日に何度風呂入れば気が済むねん~!」
ミグ「ちょっと待っててくれよ。貴族というのはいつでも清潔でなければ・・・」
宇宙空間を進むリンドバーグ号の船内。
ライト「お前なあ、風呂なんて三日に一度くらいでええんや。つーかな、お前がユニットバスを占拠しとるからこちとらションベンもできんのじゃ~!入るで!」
ドアに手をかけるライト
ミグ「やめろ!き・・・貴様、の、のぞいたら絶対殺すからな!!私の裸を見たものは必ず3日以内に死んでいる・・・!」
「嘘つけコラ~!」

バスルームから出てくるミグ「待たせたな。」
トイレに駆け込むライト「あとで絶対シバイたるからな!」
鼻歌を歌うミグ「♫どうか~どうか~ご心配なく~」

何気なくコックピットのレーダーに目をやるミグ「・・・・・・!」

トイレを叩くミグ「ライト!ライト!!」
「さっき入ったばっかやんけ~~!!」
「いや、違う!ノーチラス号だ!」

ヘッドセットをつけてコックピットに座るライト
「間違いないのか?」
ミグ「ああ・・・質量から見て間違いない。」
ライト「しかしどうやら静止しているようやな。ここはどこだ?海王星か?」
ミグ「・・・海王星・・・」

「ミグ、ノーチラス号を止めるチャンスやぞ」
「ああ、わかってる・・・いこうライト。」
海王星の方に進路を変えるリンドバーグ号。

海王星付近の宇宙空間に浮いている大型戦艦。
ライト「あれやな・・・ミグどうする?」
ミグ「気づかれないように出来るだけ接近して・・・おいライト・・・
ノーチラス号ってこんなデザインだったか?(作者が忘れた??)」
「あかんな、これは・・・宇宙海賊や!」
「海賊!?」
海賊船の船首がライトの船のほうに向き直り、中から小型の攻撃艇がたくさん出てくる。
海賊「ヒャッハ~~~!」
ライト「あかんぞ、めっちゃヒャッハー言うとるやん!」
「海賊なんて現代に実在するのか!?」
「なんだか知らんが最近また増えてきたんや。」
「どうする?戦うか?」
「逃げるが勝ちや!」

追いすがる海賊船から逃げ出すリンドバーグ号。
「海王星に逃げこむで!宇宙空間じゃ補足され放題や!」
アウターリングや軌道エレベーターを交わして海王星の大気に突っ込むリンドバーグ号。
雲の中に隠れながら捕獲用ロケットワイヤーをかわす。
ライト「あいつらしつこいなあ!」
ミグ「彼らは何故こんな小さくてボロい船を執拗に狙うんだ?」
「喧嘩売ってんのか。」
「すまん。」
「ええか、連中は転売屋や」
「なんだそれ?」
「縄張りに入った宇宙船を見境なく奪って、それを行商して売りさばくんや。中古の宇宙船やけど闇のルートだから格安で宇宙船が買える。」
「それは転売って言わないぞ・・・」
「じゃあなに?」
「ええと・・・やっぱ海賊?」
「とにかく連中にとってこの船は商品やから手荒な真似はせんやろ」

リンドバーグ号に向かって機銃を撃ってくる海賊船「ヒャハハハハハハハ!」
銃弾が雲の海に当たる
ミグ「でも撃ってきたぞ!!」
ライト「ということは連中は転売屋じゃなくてジャンク屋かな?」
「なんだそれ?」
「宇宙船を破壊解体して使えるパーツごとに売りさばくんや。連中の目当てはおそらくこのラムジェットエンジンやろうな」
「は~なるほど・・・さすがいろんな星を回っているだけあってなんでも知ってるなあ・・・」
「いや~・・・ってだからやばいんやって!!」
銃弾をスレスレでよけるリンドバーグ号。
ミグ「なんか武器はないのか?」
ライト「オイラは民間船やからな、あ、あれがあるで・・・!」
「あれ?」

海賊船コックピット
新人海賊「お頭、あの船ちっこくてボロいくせにチョコマカこざかしいっすね」
宇宙海賊キャプテン・ロジャー「いいか新人。そうやって船の性能を観察し売り付ける時の煽り文句にするのだ。この場合のキャッチコピーは?」
「小回りが利く・・・?」
「違う!パパパパパッソプチプチプチトヨタだ!!」
(関係ないじゃん・・・)
「船体はとにかく、あのごつい星間エンジンは高く売れるぞ、キロ当たり1200アースドルってところだな」
「そりゃすげえや!」
「いいか新人!撃墜させても構わん、エンジンを奪うのだ!」
「ヒャッハーーー!!」
リンドバーグ号のハッチが開いてミグが出てくる。
海賊「あれ?なに??」
ロジャー「やべえ!全機散開だ!」
ミグが追跡する海賊略奪船に隕石解体用EM銃をぶっぱなす。

弾丸が翼に直撃しくるくる回って墜落する小型海賊船
「キーちゃんの船が被弾!」
「撃墜だ~~~!」
「アニキ~~!」
「なんで民間機にあんな高性能軍事兵器がのってるんだ!?」
「やばい船なんじゃ・・・」
ロジャー「面白い、あの銃もいただけ~!」
海賊船から空対空ロケット砲などの武器が飛び出る。

リンドバーグ号船内。
ライト「なんか事態が悪化したんちゃうんか・・・?」
ミグ「仕方ない、敵を殲滅する」
ライト「冥王星の軍人の発想、怖い怖い怖い!!」

双方で激しい戦闘が始まる。

ミグ「ライト12時方向から敵機が3!増援だ!」
ライト「12時方向ってどっちやねん!?前?後ろ?右?左?上?下?」
海賊船のミサイルにEM銃を当てて相殺するミグ「北だ!」
弾丸を装填するミグ「内2機がAAM1!残りがAAM2!IRホーミングミサイル!熱源フレアは!」
ライト「お前訛りひどいぞ、そろそろ直したほうがええんちゃうんか」
ミグ「ばかやろう!このままじゃやられちまうぞ!」

海賊船のミサイルの集中砲火をあびるリンドバーグ号
ミグ「助けて所さ~ん!」
ミサイルがリンドバーグ号に直撃する寸前、ミサイルが爆発する

ミグ「!?」
ライト「・・・味方や!」

小さな飛空艇が海賊の注意を惹きつける。

ロジャー「あれは・・・?」
海賊「新手です!」
ロジャー「こしゃくな!あいつもやっつけろ!」
「イーエー!!」
新人「趣旨が変わってるような・・・」

旋回して銃弾をかわす飛行艇
ライト「あのちっこいのやるやないけ!」

飛空艇がスモッグとジャミング装置をばらまく。

スモッグの中に突っ込む海賊船。
海賊「前が見えねえ!」
海賊のミサイルの誘導装置が狂ってUターンして海賊船の方に向かってくる
海賊「げえええええ!」
ロジャー「取舵いっぱい!」
操舵士「いや面舵の方が!!」
ロジャー「バカ、取舵だって!」
海賊船に直撃するミサイル「ぎゃああああああ!」
海賊船の巨大な旗艦の一部が吹っ飛び、よろめいて、隣の一回り小さな海賊船にぶつかり、その海賊船がさらに小型の海賊船にぶつかっていく。

ミグ「撃退した・・・?」

飛空艇が失速し徐々に高度を下げていく

ミグ「おいライト、我々の命の恩人の様子がおかしいぞ」
ライト「あららら?」

『80日間宇宙一周 Sea of hope』脚本①

ルヴェリエ「これは海王星を救った英雄の話です」

「ここは海王星。星のほとんどが瑪瑙色の海の星――僕のふるさとです。
この星はぼくが生まれるずっと前、大きな隕石が落ちて、陸地から何もかも奪っていきました。
たくさんの人が亡くなり、人々は希望を失っていました。それでもぼくはこの星が好きです。」

戦艦や潜水艦が取り囲む小さな島。その島の中央に巨大な城がそびえている。
海王星の王宮で12歳程度の少年が帝王学の授業を受けている。

家庭教師「いいですかルヴェリエ王子。我が海王星は今もなお多くの問題を抱えています。
ひとつめ。もともと少ない陸地が隕石によって更に減り、多くの民が海上での生活を余儀なくされているということ。
ふたつめ。いくつかの海域は隕石によって汚染されており、国内産業が空洞化し、国民の多くが失業し、飢えていること。」
「みっつめ。少ない陸地と物資をめぐって今も争いが続いていること。」
「よっつめ。国民の王族に対する不満は爆発寸前だということ。」

爆発音
城の外では国民のデモ隊と近衛兵の艦隊がにらみ合っている。
「政府は何をやっているんだ~!」
「雇用を増やせ~」
「おなかすいた~!」
「貴族の土地を解放しろ~!」

城内から窓の外を見るアラゴ。
アラゴ「騒がしいやつらだ」
王宮内の執務室に王族や閣僚たちが集まっている。
政策秘書によって長机に書類が置かれる。
ナイアド女王「さてみなさんお集まりいただいたわね。それでは閣議をはじめることとしましょう。まずはアクエリオス水産大臣から。」
水産大臣「は、いくつかの地方では深刻な食糧危機が起きています。汚染レベルが高すぎて食料生産が不可能だからです。やはりほかの星から食料を輸入し、それを配給しなければ・・・」
財務大臣「女王陛下、我が国の財政は破綻寸前です。ポンドはインフレ、他の星から物資を輸入しようにも自国通貨のレートが安すぎて購入することができません。惑星連合へ復興支援の打診は?」
外務大臣「それがですなスペンサー卿、惑星連合は追加の食糧支援を打ち切ることにしたのですよ。20年経っても海王星の復興がいっこうに進まないのは、惑星連合の支援が海王星の自立を妨げているからだとね。」
水産大臣「バカな!」
科学技術大臣「隕石による環境汚染は少なくとも200年以上は続くのですよ・・・」
財務大臣「このままでは我が国の経済は持ちません。やはり増税するしか・・・」
近衛大臣「そんなことすればさらに暴動が起こるぞ、鎮圧する身にもなってくれ。」
アラゴ皇太子「少ない陸地をめぐって争っていたのは衝突前も同じだろ。」
大臣たち「アラゴ様・・・」
アラゴ「金がなければ政治はできねえ。ならば国を立て直すために国民には耐えてもらうしかねえだろ。それが嫌な奴は国外に亡命でもなんでもすればいいんだ。」
「しかしアラゴ様・・・」
窓の外のデモ隊を眺めるアラゴ「あいつらはいいよな。俺が真っ先に逃げ出したいくらいだぜ」
一同が女王のほうに顔を向ける「女王陛下・・・」
女王「アダムス卿の意見は?」
アダムス首相「確かに増税は避けられんでしょうな。しかし今はタイミングが最悪だ。それにいくら増税をしたからといって自国通貨の価値が低ければなににもならない。問題は深刻なインフレをどうするかでしょう。」
水産大臣「とはいえ自国で物質的な生産が困難である以上・・・」
ルヴェリエが手を上げる「あの・・・いいですか?」
財務大臣「は、はいなんでしょう。」
ルヴェリエ「インフレを武器にしたらどうですか?ポンドが安いということは、他の星にとってみれば自分の星の人を使うよりも海王星人を働かせたほうが安く済むということですよね?」
財務大臣「ええ」
ルヴェリエ「ならばこの星に経済特区を作って外国企業を誘致して外貨を稼いだらどうですか?」
財務大臣「素晴らしい・・・!」
アラゴ「ああ・・・まさに教科書通りの解答だな。とっくの昔にそんなアイディアは出てるんだ。どこのもの好きがこんな海しかない星に企業を移すって言うんだ。」
アダムス「ルヴェリエ様。その構想は一度出たのですよ。エンタープライズゾーンといいましてな。
災害当初は様々な惑星から企業やボランティア団体が集まりましたが、いずれも長続きしませんでした。」
ルヴェリエ「それはなぜ?」
アダムス「この星が住みにくいからです。さらに旨みであるはずの海洋資源も汚染されているとなると、いくら低賃金で労働者を雇えるからといって・・・」
アラゴ「わざわざ病気になるような環境の悪い星で働きたくはないわな」
ルヴェリエ「・・・どこの星も大体こんなもんなんじゃないんですか?」
アラゴ「そんなことはない。俺が子供の頃は、この星は水着ひとつで海を泳げるリゾート地だったんだ。
この世の楽園って言われてたってのに・・・隕石の奴が何もかも悪いんだ。」
ルヴェリエ「・・・・・・。」
アラゴ「いいか小僧。正論もいいがもっと現実を見ろ。」
ルヴェリエ「現実って・・・」
アラゴ「俺たちの星はもう終わりってことだよ。お前の教科書には書いてないがな。」

閣議が終わる。
ぞろぞろと部屋を出ていく閣僚たち。表情が重い。

廊下。
デスピナ「ルヴェリエ」
ルヴェリエ「姉さん・・・」
「かっこよかったわよ~母さん喜んでたわよ」
「そうでしょうか・・・兄には机上の空論だと・・・」
「そうかなあ、私には話がむつかしくてよくわかんなかったけど、なかなかい~んじゃないの?
兄さんったらすねて文句ばっか言ってるだけだから。気にしないの」
「はい・・・」
「あ、ダーリンが待ってるから行くわね!ば~い!」

王室
アダムスの書類に何やらサインする女王
アダムス「それでは女王陛下」
女王「・・・これしか方法はないのかしら」
「残念ながら。では失礼します」
アダムスと行き違いに部屋に入ってくるルヴェリエ。
「母さん・・・」
「ルヴェリエ」

「この星はどうなるんですか?」
「それはあなた自身が考えることなのかもしれないわ・・・」
「ぼくが・・・?」
「あなたはどう思うの?」
「私は・・・王室の財産を貧しい人に分け与えればいいと思います。外ではあんなに困った人が大勢いるのに、ぼくらはお城で優雅な暮らしをしていていいんでしょうか・・・?」
「そうね・・・それができたらいいわね・・・」
「やれます、きっと。最後まで諦めなければ・・・」
ルヴェリエの頭を撫でる女王「・・・あなたは私の自慢の息子だわ。アラゴを見習わせたいくらい。」
「母さん・・・」
「あなたはあなたの好きにやりなさい。」

砲撃。揺れる場内
「!!」
女王が倒れる
女王を起こすルヴェリエ「母さん・・・!」
女王「なにごとです!?」

王宮の上空に巨大な戦艦が降りてくる。

王室に入ってくるアダムス「テロリストによるクーデターです!!」

城の周りのデモ隊の歓声。
近衛兵たちを倒して緋色の旅団の戦闘部隊が城に突入してくる。

王室
アダムス「近衛隊!」
女王を守るエガリテ衛士長「エガリテ隊ここに!・・・他の部隊はどうした!?」

緋色の旅団ナッシュ軍曹「連中ならオレたちが買収したよ。あんたらに手を貸す海王星人なんてこの星にほとんどいないんじゃないのか?」
エガリテ「なんだと?」
ピカール「まあまあその辺にしておきましょう軍曹・・・女王陛下に話があって参上しました」
エガリテ「貴様何者だ・・・」
ピカール「これは失礼。わたくしトリエステ・ピカールと申します。女王陛下に是非とも謁見を。」
女王「女王は私です」
剣を構えるエガリテ「陛下下がってください!貴様らテロリストには陛下には指一本触れさせんぞ!」
銃を構えるナッシュ「そうかい。こっちは民主的な話し合いをしようとしているんだがな」
女王「わかりました。話があるなら聞きましょう。
ルヴェリエ、あなたはエガリテとともにここから逃げなさい」
ルヴェリエ「でも・・・」
「エガリテ、王子を頼みますよ」
「は・・・この命にかえても」
エガリテとともに隠し扉から逃げるルヴェリエ「母さん・・・!」

ナッシュ「おい、逃げたぞ。」
ピカール「ほうっておきましょう。では女王陛下。」
女王「・・・・・。」

城に火の手が上がる

通路を駆ける二人。
ルヴェリエ「彼らは・・・」
エガリテ「おそらく緋色の旅団かと。」
「緋色の旅団?」
「圧政に苦しむ労働者が真に平等な世界を目指して結成したテロリストです」
「え・・・?」

連絡通路に立ちふさがる海王国の近衛隊
近衛隊「おとなしくしてもらおうエガリテ隊長」
エガリテ「貴様ら・・・!王家を裏切りテロリストに寝返ったか・・・!」
「俺たちにも家族がいるんでね。無能な政府には用はない。さあ王子を引き渡せ。戦友のよしみで命は助けてやろう。」
「ルヴェリエ様をどうするつもりだ・・・!」
「王族の連中をつるし上げなきゃ民衆の怒りは収まらねえだろ」
ルヴェリエ「そんな・・・」
エガリテ「おのれ・・・この先に脱出用飛空艇があります。王子はそれに乗って、彼を訪ねてください・・・」
懐からコンパスを差し出す

「ここは私が食い止めます、さあ行って!」
反逆した近衛兵たちと戦うエガリテ。
ルヴェリエは脱出艇の方へ走る。

追っ手「王子を逃がすな~!」

薄暗い通路で手招きしているアラゴ
アラゴ「ルヴェリエ!」
ルヴェリエ「兄さん!」
デスピナ「脱出ポッドはこっちよ!」

脱出用滑走路
小型飛行艇に乗り込むルヴェリエ
アラゴ「よし、操縦の仕方はわかるな?」
「兄さん達は?」
「残った脱出艇はこれ一機、それにこいつは一人乗りだ」
デスピナ「そんな・・・!あたしたちは乗れないの?」
「皇太子のオレが王宮から逃げ出すことはできねえよ。お前が羨ましいぜ、全くよ」
「そんな・・・」
デスピナ「お願い私も連れてって!あたしまだ死にたくない!」
「姉さん・・・じゃあこれは姉さんが乗ってください」
「え?いいの?やった~!」
テロリストの流れ弾に当たるデスピナ
「姉さん!」
「これでお前に決定だ。いいか逃げ切れよ。母さんのことは俺に任せとけ!」
「兄さん・・・」
「行け!!」

離陸する飛行艇。
王宮周辺では飛行艇と戦艦と潜水艦が砲火をまじえている。
王宮から広大な海へ飛び出すルヴェリエの飛空艇。
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