熱化学方程式
左辺は反応物、右辺は生成物を表す。
なぜか、エネルギーが低い物質名=エネルギーが高い物質名-エネルギー(kJ)というややこしい方程式になっている(エネルギーのあるやつからはエネルギーを奪わないとどうにもならない、みたいな式)。
あまりにややこしい場合は、エネルギーの値を移項して、エネルギーの低い物質+エネルギー=エネルギーが高い物質に式を変形すると、どちらの物質のエネルギーが高いかすっきりする。
発熱反応
反応するのに熱が余分
反応物=生成物+熱エネルギー
吸熱反応
反応するのに熱が必要
反応物=生成物-熱エネルギー
反応熱
反応によって発生したり、吸収されたりする熱エネルギーのこと。
以下の4つが取り沙汰される。
①燃焼熱
物質が酸素と反応する際に、二酸化炭素と水と一緒に発生する熱のこと。
燃焼物質1molを基準にする。
②生成熱
ある化合物が各単体から生成される際に、やりとりされる熱のこと。
生成化合物1molを基準にする。
③溶解熱
ある物質が多量の溶媒(水だったらアクアのaqと表示)に溶ける際に、やりとりされる熱のこと。溶質1molを基準にする。
④中和熱
中和反応の際に、水と一緒に発生する熱のこと。
水1molを基準にする。
ヘスの法則
一言で言うと、化学版熱力学第一法則(エネルギー保存の法則)。
反応によって最終的に生じる熱は、反応の途中経路にかかわらず常に一定というもの。
これを踏まえると、それぞれの熱化学方程式は連立方程式のようにまとめて計算することができる。
例えば
①H₂ + 1/2O₂ = H₂O + 286kJ
②C + O₂ = CO₂ + 394kJ
③C₂H₂ + 5/2O₂ = 2CO₂ + H₂O + 1309kJ
という3つの熱化学方程式から、アセチレン(C₂H₂)の生成熱を求める場合・・・
④2C + H₂ = C₂H₂ + ?kJ
なので、①~③の方程式を上手く変形させて、上の④式の物質をエネルギー以外すべて消す。
①の両辺を入れ替え
②の式を×2してから、両辺を入れ替え
③はそのままで
④の式にすべて足すと・・・
2C + H₂ = C₂H₂ + ?kJ
+(H₂O + 286kJ = H₂ + 1/2O₂)
+(2CO₂ + 788kJ = 2C + 2O₂)
+(C₂H₂ + 5/2O₂ = 2CO₂ + H₂O + 1309kJ)
このとき両辺に等しくある物質はすべて相殺されるため・・・
286kJ + 788kJ = ?kJ + 1309kJ
と、熱だけの多項式になるので、この一次方程式を解いて・・・
?kJ=-235kJとなる。
つまりアセチレンの生成は吸熱反応であり、235kJの熱が必要である。
電気分解について
2018-03-19 20:02:15 (6 years ago)
-
カテゴリタグ:
- 化学
電気分解
二種類の金属板を電源装置とつなぎ、その金属板を電解質水溶液に浸したあと、電気をかける(電子を移動させる)ことで、強制的に酸化還元反応を起こすこと。
このとき電源装置の+極につないだ方は陽極、-極につないだ方は陰極と呼ばれる。
電池との違いは以下の通り。
化学電池:化学反応→電子のやりとり→電気
電気分解:電気→電子のやりとり→化学反応
陽極での反応
電子が外れる酸化反応が起こる。
電子の外れ方には以下の3パターンある。
①電極が銅である場合は銅自身が反応して電子が外れる。
②電解質水溶液に塩化物イオンが含まれている場合は、塩化物イオンが塩素ガスになることで電子が外れる。
③それ以外の場合、水溶液がアルカリ性の場合は水酸化物イオン、中性・酸性の場合は水分子が反応し電子が外れる。
陰極での反応
電子を受け取る還元反応が起こる。
電子の受け取り方には以下の2パターンある。
①水溶液に銅イオンや銀イオンが含まれている場合、これらのイオンが電子を受け取り、銅や銀に戻る。
②それ以外の場合、水溶液が酸性の場合は水素イオンが電子を受け取り水素ガスに戻る。水溶液が中性・アルカリ性の場合は水が電子を受け取り水素ガスと水酸化物イオンに湧かれる。
ファラデーの法則
電気分解において、電極で反応する物質の量は、流した電気の量に比例する。
また、電気量が一定のとき、電極で反応する物質の量は、イオンの価数に反比例する。1価ならそのまま、2価なら半分といった具合。
ちなみに、元素だけではなく電子にも物質量があり、電子96500個分で1molに換算される。この96500C/molという値をファラデー定数という。
電気量(クーロン)はC=A×sで算出されるので、電流の大きさと時間をかけた値が96500である場合、その時の電子の物質量はぴったり1molであるといえる。
これをまとめると・・・
流れた電子の物質量(mol)=(電流の大きさ×流した秒数)÷96500
という式ができる。
例えば、2アンペアの電流を96500秒間流し続けた場合の電子の数は2molとなる。
この時、電気分解によって析出する銅の物質量は・・・
Cu2+ + 2e- → Cu
より、電子2個で銅が1個出来るため、ファラデーの法則により、電子2molならば、析出する銅は1molということになる。
二種類の金属板を電源装置とつなぎ、その金属板を電解質水溶液に浸したあと、電気をかける(電子を移動させる)ことで、強制的に酸化還元反応を起こすこと。
このとき電源装置の+極につないだ方は陽極、-極につないだ方は陰極と呼ばれる。
電池との違いは以下の通り。
化学電池:化学反応→電子のやりとり→電気
電気分解:電気→電子のやりとり→化学反応
陽極での反応
電子が外れる酸化反応が起こる。
電子の外れ方には以下の3パターンある。
①電極が銅である場合は銅自身が反応して電子が外れる。
②電解質水溶液に塩化物イオンが含まれている場合は、塩化物イオンが塩素ガスになることで電子が外れる。
③それ以外の場合、水溶液がアルカリ性の場合は水酸化物イオン、中性・酸性の場合は水分子が反応し電子が外れる。
陰極での反応
電子を受け取る還元反応が起こる。
電子の受け取り方には以下の2パターンある。
①水溶液に銅イオンや銀イオンが含まれている場合、これらのイオンが電子を受け取り、銅や銀に戻る。
②それ以外の場合、水溶液が酸性の場合は水素イオンが電子を受け取り水素ガスに戻る。水溶液が中性・アルカリ性の場合は水が電子を受け取り水素ガスと水酸化物イオンに湧かれる。
ファラデーの法則
電気分解において、電極で反応する物質の量は、流した電気の量に比例する。
また、電気量が一定のとき、電極で反応する物質の量は、イオンの価数に反比例する。1価ならそのまま、2価なら半分といった具合。
ちなみに、元素だけではなく電子にも物質量があり、電子96500個分で1molに換算される。この96500C/molという値をファラデー定数という。
電気量(クーロン)はC=A×sで算出されるので、電流の大きさと時間をかけた値が96500である場合、その時の電子の物質量はぴったり1molであるといえる。
これをまとめると・・・
流れた電子の物質量(mol)=(電流の大きさ×流した秒数)÷96500
という式ができる。
例えば、2アンペアの電流を96500秒間流し続けた場合の電子の数は2molとなる。
この時、電気分解によって析出する銅の物質量は・・・
Cu2+ + 2e- → Cu
より、電子2個で銅が1個出来るため、ファラデーの法則により、電子2molならば、析出する銅は1molということになる。
リメンバー・ミー
2018-03-18 18:21:57 (6 years ago)
「面白い度☆☆☆☆ 好き度☆☆☆☆ 集大成感☆☆☆☆☆」
君に会えて本当に良かった。君が死ぬのを待っているよ。
今までも、最新テクノロジーのCGを駆使しながらも、先達の人々の偉業を謙虚にたたえる姿勢を崩さなかったピクサー映画だけど、とうとうその集大成がやってきた感じ。
まさかのメキシカンお盆ホリデー映画。というか、ここまでいくとピクサーってもはや過去作のレジェンドの蓄積が多すぎて、その引用で映画一本分の脚本が作れちゃうっていうのをまざまざと見せつけられたというか・・・そう言う意味で、新しさに関しては今ひとつだったけど、もう、マーベルもそうだけど、原理的にこの路線でこれ以上のモノって作れないというか・・・もはやひとつのスタイルを確立しちゃったんだろうな、と。
主人公の動機は『レミーのおいしいレストラン』で、だから音楽版レミーかな、と思ってたんだけど、そんなわかりやすい2番煎じはやらないよっていう。今までの作品の美味しいところバンバン引っ張ってきたよ、みたいな。
悪役の造形は『カールじいさん』+『シュガーラッシュ』、悪役の転落のさまは『モンスターズ・インク』、奇抜な世界観(社会観とあえて言いたい)は、それこそ初代『トイ・ストーリー』や『インサイドヘッド』でお馴染み。
毎回、この荒唐無稽な世界を作りながらも、ちゃんとその内部で完結できる社会的なルールを成立させる、メタに逃げないっていう姿勢は素直にすごいなって思う。
そして相棒のイヌ(※いろいろヤバそうな(^_^;))の名前がダンテなのは、ああ、神曲をやってるのか、と。あれって、あの世巡りだからね。
ただ、昨年の『カーズ3』も大傑作だったけど、どんどん大人向けというか、今回が最もギャグが少なくてね。・・・子ども大丈夫か?(^_^;)ダンテとかフリーダ・カーロとか知ってるちびっ子とかいないだろ。
ちなみに同時上映の『アナ雪』短編(※ただ歌うだけ。そしてわりと長い。)も、テーマにおいて“家族の歴史と、その欠落”を扱っていて、意図的にリンクさせたのかなあ。あと、ついにあの国がノルウェーであることが特定されました。
まあ、とにもかくにも家族がテーマなんだろうけど、それをもっと拡張した、家系というか、歴史とか古典のリスペクトがすごい映画でした。
自分なんておじいちゃん・おばあちゃんの親の時点からもう知識が曖昧で(政治家やってたらしいくらい)全然遡れないよ。
逆に記憶から消したい一族の事実とかもありそうだしな。あんな完全犯罪が白日の下に明らかになっちゃったデラクルスの子孫とかどうすんだよ、みたいな(^_^;)
許さなくてもいい、でも忘れないで欲しい。
君に会えて本当に良かった。君が死ぬのを待っているよ。
今までも、最新テクノロジーのCGを駆使しながらも、先達の人々の偉業を謙虚にたたえる姿勢を崩さなかったピクサー映画だけど、とうとうその集大成がやってきた感じ。
まさかのメキシカンお盆ホリデー映画。というか、ここまでいくとピクサーってもはや過去作のレジェンドの蓄積が多すぎて、その引用で映画一本分の脚本が作れちゃうっていうのをまざまざと見せつけられたというか・・・そう言う意味で、新しさに関しては今ひとつだったけど、もう、マーベルもそうだけど、原理的にこの路線でこれ以上のモノって作れないというか・・・もはやひとつのスタイルを確立しちゃったんだろうな、と。
主人公の動機は『レミーのおいしいレストラン』で、だから音楽版レミーかな、と思ってたんだけど、そんなわかりやすい2番煎じはやらないよっていう。今までの作品の美味しいところバンバン引っ張ってきたよ、みたいな。
悪役の造形は『カールじいさん』+『シュガーラッシュ』、悪役の転落のさまは『モンスターズ・インク』、奇抜な世界観(社会観とあえて言いたい)は、それこそ初代『トイ・ストーリー』や『インサイドヘッド』でお馴染み。
毎回、この荒唐無稽な世界を作りながらも、ちゃんとその内部で完結できる社会的なルールを成立させる、メタに逃げないっていう姿勢は素直にすごいなって思う。
そして相棒のイヌ(※いろいろヤバそうな(^_^;))の名前がダンテなのは、ああ、神曲をやってるのか、と。あれって、あの世巡りだからね。
ただ、昨年の『カーズ3』も大傑作だったけど、どんどん大人向けというか、今回が最もギャグが少なくてね。・・・子ども大丈夫か?(^_^;)ダンテとかフリーダ・カーロとか知ってるちびっ子とかいないだろ。
ちなみに同時上映の『アナ雪』短編(※ただ歌うだけ。そしてわりと長い。)も、テーマにおいて“家族の歴史と、その欠落”を扱っていて、意図的にリンクさせたのかなあ。あと、ついにあの国がノルウェーであることが特定されました。
まあ、とにもかくにも家族がテーマなんだろうけど、それをもっと拡張した、家系というか、歴史とか古典のリスペクトがすごい映画でした。
自分なんておじいちゃん・おばあちゃんの親の時点からもう知識が曖昧で(政治家やってたらしいくらい)全然遡れないよ。
逆に記憶から消したい一族の事実とかもありそうだしな。あんな完全犯罪が白日の下に明らかになっちゃったデラクルスの子孫とかどうすんだよ、みたいな(^_^;)
許さなくてもいい、でも忘れないで欲しい。
中和反応について
2018-03-16 19:36:28 (6 years ago)
-
カテゴリタグ:
- 化学
中和反応
酸の水素イオンと塩基の水酸化物イオンが反応して水が出来ること。
この時、塩基の陽イオンと酸の陰イオンが反応してできる水以外の副産物を塩という。
ちなみに塩を水に溶かしたときの性質(酸性かアルカリ性か)は塩自身の化学式ではなく、その塩がどういった酸と塩基によってできたかによって決まる。
①強酸×強塩基=塩化ナトリウムなら中性の塩、化学式が酸性っぽいなら酸性の塩
②強酸×弱塩基=弱酸性の塩(水に溶かすと酸性)
③弱酸×強塩基=強塩基の塩(水に溶かすとアルカリ性)
④弱酸×弱塩基=ほとんどが不溶性の塩。水溶性のものは中性
中和反応の計算
ある濃度(mol)で、ある容積(mL)の酸もしくは塩基と、過不足なく反応する塩基もしくは酸の濃度や容積はいくつでしょう?みたいな問題の計算方法。
例題:0.20mol/Lの硫酸(H2SO4)30mLと過不足なく中和する、0.10mol/Lの水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液は何mLでしょう?※容積の方が分からないパターン
①水酸化ナトリウムの容積をχmLとおく。
②水酸化ナトリウムの物質量を求める。
0.10mol/Lはリットル基準なので、ミリリットルに単位を合わせると0.0001χmol
③水酸化ナトリウム中の水酸化物イオンの物質量を求める。
水酸化ナトリウムは一価の塩基なので、水酸化物イオンも0.0001χmol
④硫酸の物質量を求める。
こちらは容積が決まっているので、0.20mol/L×0.03L=0.006molで確定。
⑤硫酸中の水素イオンの物質量を求める。
硫酸は二価の酸なので、0.006mol×2=0.012mol
⑥過不足なく反応すると言うことは、水素イオンの物質量と水酸化物イオンの物質量が等しいと言うことなので、0.0001χ=0.012molという方程式を解く。両辺を10000倍すればいいのでχ=120となる。
よって、0.20mol/Lの硫酸(H2SO4)30mLと過不足なく中和する場合、0.10mol/Lの水酸化ナトリウムは120mL必要。
pH(水素イオン指数)
1909年にセレン・セーレンセンが考案。ポテンシャル・オブ・ハイドロジェンの略。
0~14の全15段階あるが、水素イオンの濃度は非常に広い範囲で変化するため、常用対数でpHは算出している(水素イオン濃度の対数の逆数で出しているため、数値が低い方が水素イオンの濃度が高く、酸性の度合いが高いことになる)。
ちなみに、pH7が中性で(※一気圧25℃の時)、この時、水素イオン濃度も水酸化物イオン濃度も共に10-7(mol/L)でつり合っているということになる。
これを基準にすると、水素イオン濃度が10倍になると、水酸化物イオン濃度は逆に0.1倍になるため、以下のような式が作れる。
水素イオン濃度の指数+水酸化物イオン濃度の指数=-14
中和滴定
ある水溶液の濃度を調べるために、その水溶液と反対の性質があり、かつ、濃度が分かっている水溶液をビュレットなどで正確に滴下すること。
このとき、縦軸にpH、横軸に滴下量(mL)をとったグラフを中和滴定曲線と言い、この曲線の形から、滴下量がある点(中和点)に達すると急激にpHが変化することが分かる。
つまり滴下するときは、少しずつ慎重に行わないと中和したタイミングを見逃す危険性があるということである。
さらに中和を水溶液の色の変化で示す指示薬のチョイスも重要である。指示薬の色が変化するpHのエリア(変色域)は指示薬の種類によって異なるため、塩の水溶液が弱酸性である場合は、変色域がアルカリ性に近いフェノールフタレイン(対応pH8.0~9.8)ではなく、変色域が酸性に近いメチルオレンジ(対応pH3.1~4.4)を用いる必要がある。
酸の水素イオンと塩基の水酸化物イオンが反応して水が出来ること。
この時、塩基の陽イオンと酸の陰イオンが反応してできる水以外の副産物を塩という。
ちなみに塩を水に溶かしたときの性質(酸性かアルカリ性か)は塩自身の化学式ではなく、その塩がどういった酸と塩基によってできたかによって決まる。
①強酸×強塩基=塩化ナトリウムなら中性の塩、化学式が酸性っぽいなら酸性の塩
②強酸×弱塩基=弱酸性の塩(水に溶かすと酸性)
③弱酸×強塩基=強塩基の塩(水に溶かすとアルカリ性)
④弱酸×弱塩基=ほとんどが不溶性の塩。水溶性のものは中性
中和反応の計算
ある濃度(mol)で、ある容積(mL)の酸もしくは塩基と、過不足なく反応する塩基もしくは酸の濃度や容積はいくつでしょう?みたいな問題の計算方法。
例題:0.20mol/Lの硫酸(H2SO4)30mLと過不足なく中和する、0.10mol/Lの水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液は何mLでしょう?※容積の方が分からないパターン
①水酸化ナトリウムの容積をχmLとおく。
②水酸化ナトリウムの物質量を求める。
0.10mol/Lはリットル基準なので、ミリリットルに単位を合わせると0.0001χmol
③水酸化ナトリウム中の水酸化物イオンの物質量を求める。
水酸化ナトリウムは一価の塩基なので、水酸化物イオンも0.0001χmol
④硫酸の物質量を求める。
こちらは容積が決まっているので、0.20mol/L×0.03L=0.006molで確定。
⑤硫酸中の水素イオンの物質量を求める。
硫酸は二価の酸なので、0.006mol×2=0.012mol
⑥過不足なく反応すると言うことは、水素イオンの物質量と水酸化物イオンの物質量が等しいと言うことなので、0.0001χ=0.012molという方程式を解く。両辺を10000倍すればいいのでχ=120となる。
よって、0.20mol/Lの硫酸(H2SO4)30mLと過不足なく中和する場合、0.10mol/Lの水酸化ナトリウムは120mL必要。
pH(水素イオン指数)
1909年にセレン・セーレンセンが考案。ポテンシャル・オブ・ハイドロジェンの略。
0~14の全15段階あるが、水素イオンの濃度は非常に広い範囲で変化するため、常用対数でpHは算出している(水素イオン濃度の対数の逆数で出しているため、数値が低い方が水素イオンの濃度が高く、酸性の度合いが高いことになる)。
ちなみに、pH7が中性で(※一気圧25℃の時)、この時、水素イオン濃度も水酸化物イオン濃度も共に10-7(mol/L)でつり合っているということになる。
これを基準にすると、水素イオン濃度が10倍になると、水酸化物イオン濃度は逆に0.1倍になるため、以下のような式が作れる。
水素イオン濃度の指数+水酸化物イオン濃度の指数=-14
中和滴定
ある水溶液の濃度を調べるために、その水溶液と反対の性質があり、かつ、濃度が分かっている水溶液をビュレットなどで正確に滴下すること。
このとき、縦軸にpH、横軸に滴下量(mL)をとったグラフを中和滴定曲線と言い、この曲線の形から、滴下量がある点(中和点)に達すると急激にpHが変化することが分かる。
つまり滴下するときは、少しずつ慎重に行わないと中和したタイミングを見逃す危険性があるということである。
さらに中和を水溶液の色の変化で示す指示薬のチョイスも重要である。指示薬の色が変化するpHのエリア(変色域)は指示薬の種類によって異なるため、塩の水溶液が弱酸性である場合は、変色域がアルカリ性に近いフェノールフタレイン(対応pH8.0~9.8)ではなく、変色域が酸性に近いメチルオレンジ(対応pH3.1~4.4)を用いる必要がある。
酸・塩基について
2018-03-15 22:30:51 (6 years ago)
-
カテゴリタグ:
- 化学
酸・塩基の定義
レモンやビネガーなどすっぱいものが酸。
石けん水や石灰など苦くヌルヌルなものがアルカリ。
なぜか高校からアルカリ性を塩基(ベース)と呼び始めるが、これは酸とアルカリの定義が変わったことによる。
①アレニウスの定義(1887年)
中学校で習う最も古い定義。
酸:水溶液中で水素イオンが生じる物質(pH7未満)
アルカリ:水溶液中で水酸化物イオンが生じる物質(pH7超過)
②ブレンステッド=ローリーの定義(1923年)
高校で習う。アルカリ(塩基)について水酸化物イオンが生じる物質(反応)に限定したため、水溶液中の反応しかカバーできなかったアレニウスの定義を改良。
これによりアンモニアなど気体の反応にも対応できるようになったが、その反面、酸と塩基の尺度が相対的なものとなり、いくらpHが低くても、さらにpHが低い物質と反応する場合は、その物質は塩基ということになった。
酸:他の物質に水素イオン(プロトン)を与える物質
塩基:酸から水素イオン(プロトン)を受け取る物質
③ルイスの定義(1923年)
大学で習う。ブレンステッドとローリーの定義の範囲をさらに拡張。
酸が塩基に水素イオンを与えることは、酸が塩基から電子対を受け取ることとイコールだと考え、水素イオンをもっていないアルミニウムイオンと水の反応など化学反応のほとんどを酸・塩基反応としてカバーできるようになった(アルミニウムイオンが酸、水がアルカリ)。
酸:電子対を受け取る物質
塩基:電子対を与える物質
酸・塩基価数
分子一つから生じる水素イオンや水酸化物イオンの個数のこと。
これに関してはアレニウスの定義が活躍する。
酸の価数
分子式のHの係数がだいたい価数。※酢酸のCH3COOHのH3はカウントしない!
1価の酸:塩酸、硝酸、酢酸
2価の酸:硫酸
3価の酸:リン酸
塩基の価数
分子式のOHの係数がだいたい価数。※アンモニアに注意!
1価の塩基:水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア
2価の塩基:水酸化カルシウム、水酸化バリウム
3価の塩基:水酸化アルミニウム
電離度
酸や塩基を水に溶かしたとき、どれだけイオンに分かれるかの度合い。
電離度(α)=電離した物質の量(mol)/水に溶かした物質の量(mol)
という式で算出されるため、電離度の変域は(0≦α≦1)になる。このとき電離度が1に近いものを強酸・強塩基という(逆が弱酸・弱塩基)。
ちなみに、電離度は価数とは関係がない。例えば強酸の塩酸の価数は一価。
代表的な強酸には、塩酸、硝酸、硫酸が、代表的な強塩基には、水酸化バリウム、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどがある。
レモンやビネガーなどすっぱいものが酸。
石けん水や石灰など苦くヌルヌルなものがアルカリ。
なぜか高校からアルカリ性を塩基(ベース)と呼び始めるが、これは酸とアルカリの定義が変わったことによる。
①アレニウスの定義(1887年)
中学校で習う最も古い定義。
酸:水溶液中で水素イオンが生じる物質(pH7未満)
アルカリ:水溶液中で水酸化物イオンが生じる物質(pH7超過)
②ブレンステッド=ローリーの定義(1923年)
高校で習う。アルカリ(塩基)について水酸化物イオンが生じる物質(反応)に限定したため、水溶液中の反応しかカバーできなかったアレニウスの定義を改良。
これによりアンモニアなど気体の反応にも対応できるようになったが、その反面、酸と塩基の尺度が相対的なものとなり、いくらpHが低くても、さらにpHが低い物質と反応する場合は、その物質は塩基ということになった。
酸:他の物質に水素イオン(プロトン)を与える物質
塩基:酸から水素イオン(プロトン)を受け取る物質
③ルイスの定義(1923年)
大学で習う。ブレンステッドとローリーの定義の範囲をさらに拡張。
酸が塩基に水素イオンを与えることは、酸が塩基から電子対を受け取ることとイコールだと考え、水素イオンをもっていないアルミニウムイオンと水の反応など化学反応のほとんどを酸・塩基反応としてカバーできるようになった(アルミニウムイオンが酸、水がアルカリ)。
酸:電子対を受け取る物質
塩基:電子対を与える物質
酸・塩基価数
分子一つから生じる水素イオンや水酸化物イオンの個数のこと。
これに関してはアレニウスの定義が活躍する。
酸の価数
分子式のHの係数がだいたい価数。※酢酸のCH3COOHのH3はカウントしない!
1価の酸:塩酸、硝酸、酢酸
2価の酸:硫酸
3価の酸:リン酸
塩基の価数
分子式のOHの係数がだいたい価数。※アンモニアに注意!
1価の塩基:水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア
2価の塩基:水酸化カルシウム、水酸化バリウム
3価の塩基:水酸化アルミニウム
電離度
酸や塩基を水に溶かしたとき、どれだけイオンに分かれるかの度合い。
電離度(α)=電離した物質の量(mol)/水に溶かした物質の量(mol)
という式で算出されるため、電離度の変域は(0≦α≦1)になる。このとき電離度が1に近いものを強酸・強塩基という(逆が弱酸・弱塩基)。
ちなみに、電離度は価数とは関係がない。例えば強酸の塩酸の価数は一価。
代表的な強酸には、塩酸、硝酸、硫酸が、代表的な強塩基には、水酸化バリウム、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどがある。
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