ジャパンスネークセンターへの旅

 今月中にやらなければならないシステム設計の課題が20%くらいしか終わっていないのに、何を血迷ったかヘビと戯れに行きました。

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 ヘビのヘビによるヘビのための施設。

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 しかし、このアオダイショウは可愛すぎるだろ!20年ぶりくらいにアオダイショウくんに触ったけど、相変わらずこのヘビは大人しいよね。これが同じく毒のないシマヘビとかだと力いっぱい抗ってくるもん。

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 有料(¥1000)で首に巻いて記念撮影ができるボアコンストリクター。

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 温室の二階に何故か存在する(そして長らく放置されている気がする)昭和の図鑑感漂う生き物の歴史コーナー。恐竜が鳥類ではなく冷血の爬虫類代表というイメージがあった頃、ヘビとセットでぶち込んだれって感じで作ったのだろうか。模型の痛みが非常に激しくトリケラトプス角とれてます。作り直す際は私に是非連絡をください。

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 あっあそこにチュー太郎がいるぞ!ってチャットの友達みたいに言ってるけど、多分チュー太郎の運命はあまり芳しくないだろう。

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 昔の研究で使ってたらしい旧型のオートクレーブ。ほかにもヘビ毒に含まれるタンパク質を大きさ別に分別する分光光度計などもありました。

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 キングコブラってこんなにでかいのか!さすが王者!でかいのに毒って怖すぎる。毒って基本的に弱小の動物が最後の切り札的に持っているイメージあるからね。ハサミを持つ巨大なサソリには毒がないらしいし。

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 ちょっと入浴感のあるニシキヘビの標本。

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 ヘビ料理が食べられるというレストランの不穏な注意書。

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 なかがわ水遊園のピラルクー料理の時と同じく、ドナルドのダブルバーガーを中途半端な時間に食べてしまったためにお腹一杯で断念・゜・(つД`)・゜・わりと値が張るし、万全のコンディションの時に賞味してみたい。

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 ヤマカガシの特別展。ヤマカガシは地域ごとにカラーバリエーションが豊富なために素人がうかつに判断してさわると危険だという内容。私も知らずに触っていたのかも…
 特に顔がシマヘビと似てるので、無毒なシマヘビだと思って触ってた可能性あるぞ、怖~(また昔の図鑑ではヤマカガシは毒ヘビと書かれていなかった)。

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 ヤマカガシは珍しいタイプの毒ヘビで、頭の後ろの首からも、餌のヒキガエル由来の毒液を噴射するという。これは怖い。というのも、ヘビって首と頭の付け根を掴んじゃえば無力化するというイメージがあるからね。それを見越した上でのエボリューションということか。まったく侮れねえ。

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 定時に行われるハブの採毒ショー。ショーなのかわからないけど(^_^;)イケメンのお兄さんが華麗なヘビさばきでワイングラスのような容器に毒を採取。
 というか、ハブって二本の牙のうち一本でも欠けると毒液って出せないのね。知らなかった・・・

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 毒ヘビは基本的に大人しく臆病だが、好奇心の強い人間(ちびっこ)などがよせばいいのに触りにいってしまうために毎年ひどい目にあっているらしい(特にヘビは頭を触られると機嫌が悪くなる)。
 あとは、キノコ採りの時にヘビがいるのを知らずに手を伸ばしちゃって噛まれるってのも多いらしいよね。これはネイチャージモンが言ってたんだけど。
 いずれにせよ、小さい頃から野生のヘビにバンバン手を出していた私。己の無知を反省せねばならぬ。

ミュージアムパーク茨城県自然博物館への旅

 メリケンの名門Y大学で研究しているこしさんが帰国しているってことで、連絡をもらって、で、まだ二人共行ったことがない日本の博物館に行きましょうって話になったので、ここにしました。
 ちょうど春日部で合流して、つーか春日部駅って初めて降りたんだけど、古いいい感じのステーションでさ、ホームにこれまたいい感じの軽食レストランがあったので、そこでお昼を食べて茨城に出撃しました。駅そばとか、こういうお店って駅のリニューアル工事でだんだんなくなっているから貴重。
 
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 なんとここ、私の大好物にして、ほとんど外食では見たことがない、また、家庭でも食べたことがない、スコッチエッグがある喫茶店なのだ!
 結局カレーを食べちゃったけど、もし私が通勤サラリーマンだったら、朝は絶対ここのスコッチエッグよ。結局カレーを食べちゃったけど。あとコーヒーも美味しい。また今度行きたい。

 で、もはや、こしさんと会った時しかしないような生物学の学術的な会話をしながら、ミュージアムパークへ。というか、ここ、公式サイトで調べてみたら、常設展示の情報とかあまり載ってなくて、そこまで大きな博物館じゃないのかな、でもいいや、ヌオエロサウルスって、そんなのそういやいたなって感じで選んだんだけど、どっこい、群馬県自然史博物館をあっさり凌駕するほどの規模で、つーかこんなに情報量の多い博物館ないってくらいの、ちょっと一日じゃちゃんと見きれないようなパークであった。なんか自然公園の中にあるしね。とになく、めちゃめちゃいい博物館だった。
 生物学と地学の2分野にしっかり限定しているのも潔い。逆に言えば、物理と化学が好きな人は絶望するだろうけど(^_^;)まったく1分野の展示ないからね。
 
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 ちょっと信じられないくらい巨大なマンモス。そんじょそこらの恐竜よりもでかい。
 
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 隕石押しの宇宙コーナーから始まって・・・恐竜コーナーもしっかりしてます。写真は、なんか国内の博物館ではここにしかないような気がするランベオサウルス。ほかにもティラノサウルス、トリケラトプス、エウオプロケファルスなどなどがいた。そして、この博物館は古生物の復元模型がすごいクオリティが高くて素晴らしい。
 あと恐竜コーナーにはかなりよく動くアニマトロニクス恐竜もいます。出来が良すぎてちびっ子号泣してました。

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 アクロカントサウルスの顎のアップ。この手のアロサウルスの仲間が顕著なんだけど、上顎と下顎が重なっちゃって顎閉まらないじゃんってずっと思ってたんだけど、この形状を見て、下顎の一部は上顎の裏側にハマるんだなっていう予想が確信にかわりました。
 
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 信じられないくらい剥製標本が多くて、もう所狭しと置かれている。

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 この海中生態系の模型は、2Fのステップから見下ろすと海鳥が海上から魚群を狙っていたりと、なかなか工夫が楽しい。
 
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 来年の年賀状対策ってことで。ここのエリアは植生とかの森林環境を題材にしてるんだけど、フィールド調査をしているような気分になれる、双眼鏡などを使った観察ギミックがあって、なかなかこちらも芸が細かい。特に、森林のジオラマの裏側の暗室に入ると、夜行性の生き物の観察ができるようになっていて、ホタルなんかはLEDとかなんだろうけど、めちゃめちゃリアル!
 最近はちょっと植生というか、樹木を区別できるようになりたいんだよな。技術やってるし。

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 こちらはツルグレン装置とかで採集できる土壌の小動物のコーナー。アントマンのようにお客さんを縮めてみたというナイス設定。そしてミミズの大きさよ!つーかミミズってこんな葉っぱをハムハムできるような可愛い口があるのね。

 このボリュームでまだまだ序盤なのがすごい。なんとお次は、なかがわ水遊園的な、めちゃめちゃ凝った水族館があります。まさかの、博物館の中にちゃんとした水族館!!
 しかも、実際の生きた魚が泳ぐ水槽の上には、それを狙う鳥の模型が置いてあって、博物館と水族館の奇跡のコラボが楽しめます。

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 ミジンコが、殻を背負っているんだってのがよくわかる拡大模型。あれだね、カンブリア紀のオダライアとかと近くて、なるほど、甲殻類なんだな、と。

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 上流から海までの水槽があって、こちらはウミウがいる寿司ネタになりがちな海水魚のコーナー。君の水槽を食べたい。

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 面白かったのは、水族館の次にあった、生き物の感覚だとか細胞などの構造を学ぶエリアで、特に聴覚の可聴域の実験が面白かった。いろんな動物の模型があって、音の周波数を変えると、その周波数が聞こえない動物の模型は動かなくなるという。そしてイヌが一番すごいっていうね。
 しかもショックなのは、こしさんが私よりもちょっと若いからなのか、私よりも可聴域がかなり広くて、やべえ、モスキート音とかあったな、と。年とると聞こえる音の幅狭くなるのホントなんだって切なくなった。
 でも、こしさんによれば、音って耳だけじゃなくて全身の細胞が感知できるらしいから、ああ、だからデジタルと生音は立体感が違うんだ、とか、こんな高周波は自分の耳には聞こえないはずなのに、だからなんとなく頭痛がするのかって腑に落ちた。
 あと、面白いのは、可聴域ギリギリになると、音量が下がってきて、最終的にはフェードオフされちゃうのが面白い。こしさんによれば反応できる耳の細胞が減ってくるからじゃないですか?と。なるほどね。

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 これもよく見ると、フレームがずれていて、ああ細胞壁なのか、と。ムラサキツユクサ的な植物細胞なんだってのがわかる。

 で、最後はもうちょっと理論的な環境学とか生態学のコーナーがあって、あと分類学か。鉱物と動物と植物の分類ごとの標本があって、常設展示はおしまい。
 もう、公式サイトがその魅力のすべてを伝えるのを諦めたほどの大ボリューム!もしかしたらあの科博よりも、2分野に関しては充実している可能性があるよ。びっくり(館内にはすごい立派な図書館もあります)。

 て、ことで、頭脳もカラダもクタクタになったんだけど、なんと、このパークは最寄り駅からめちゃくちゃ遠くて、確か10キロ近くあるのかな、でもって路線バスが一時間に一本しかないってことで、蛭子&太川のごとく田舎道を二人でさまようことになり、途中で徒歩で駅に帰るのは諦めて、大利根っていう大変居心地のいいレストランで、こしさんの論文とか研究題材について色々喋っていました。いろいろアドバイスを求められたんだけど、なんか、向こうの大学も生き馬の目を抜く世界らしくて、詳しい内容は書けないんだけどね。
 でも意外と、なんとなくしか解ってない現象って多いんだな、と。そんな、なんとなくな感じで理論を発表していいんだっていうのは意外だった。わりと、思いつきでもいいのか、と(^_^;)

 で、なんだっけ、ああ、大利根さんなんだけど、結構美味しくて、特にレバーの唐揚げは、他店であんまり見ないメニューで美味しかった。あとクラゲ食べたな。今思い返すと渋いオーダーだなw
 和食も洋食もあるんだけど、なんとなく中華に強いレストランな感じがした。チャーハンも美味しかったし。バス停に近いところにあるからバスを待つにはうってつけだね、ここ。でも路線バスであのパークに来てた人、ほとんどいなかったけどな。
 富岡もそうだけど、車で行くべき場所だったな。それを痛感したのが夜中で、電車が人身事故で運休して、家まで帰れなくなり、結局電車がなくなってシータクを利用する羽目に・・・
 最近はガソリン代が高いってことで、自家用車ではなく電車を選んだってのに結局高くついたっていう。
 こういう予測不能な事態に対処できるのが自家用車の尊いところだな、と。茨城くらいは今後は車で行こうっと。春日部駅ホームの喫茶店に行けなくなるのがデメリットだが。

おまけ
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 特別展の「くだもの展」の写真。ミクロトーム的に薄片処理されています。全体的には、なんとなく物産展っぽかった(^_^;)ここにきて、私の空腹度はマックスになりました。
 
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 対して、ぬっぺふほふ的なあまり食欲を刺激されないフルーツ。デザーテッドアイランドの水子の木みたいだな。

システム設計演習覚え書き①

 ついにやってきた、情報のラスボス。果たして10月中に50以上にも及ぶすべての課題を攻略できるのでしょうか・・・
 もう、いきなり言葉が特殊でわかりにくい。同じような言葉を別の分野ではこう言うよねっていうのがあって。例えば、汎化っていうよりは一般化とかの方がメジャーな表現だと思うわけよ。オブジェクトって表現もあまりピンと来ないんだよな。英語圏の人はスッと入るんだろうけれど。
 というか、最近のビジネス業界のなんでもカタカナにしときゃいいんだ的風潮が本当に腹が立つ。グロスを総計と言わない理由には何かあるのかい??レジャーもそうだよ、アクティビティとかコンセッションとかよ。やっぱり外資系の圧力なのかね??
 例えば、コミュニケーションとか日本語にないワードならばいいんだけど、上手く日本語に訳せる言葉ですらカタカナ使っているのがなあ・・・しかも、なんか、使っている奴が大抵得意げなのもムカつくよなwまあ、その権化が小池百合子さんだと思うよ。

参考文献:内山俊郎著『わかりやすい情報システムの設計』

 未来を予測する最善の方法は、未来を発明することである。――アラン・ケイ(オブジェクト指向のパイオニア)

システム
複数の要素が有機的に関係しあい、全体としてまとまった機能を発揮している要素の集合体。組織、系統、仕組み。
つまり、構成要素がてんでバラバラに、それぞれ好き勝手に働いているものはシステムではない。

いいシステムの条件
不具合が生じた時には、システムの構成要素を修正する必要があるが、その時にできるだけ修正範囲を限定でき、修正すべき内容が理解しやすいシステムがいいシステムだとされる。
オブジェクト指向は以下のよいシステムの条件が実現しやすいと言われている。

条件①疎結合性
システムの構成要素同士の結合度が低い(複雑になりすぎるので、あんまりなんでもかんでも結び付けない)。

条件②高凝集性
直感的に理解しやすい抽象性を持つ(全部具体的に書かない)。

エンジニアは顧客の要求通りのシステムは作ってはいけないというのは笑った。
理由は、①顧客は作るべきシステム要件を全て知らないから。②顧客は作るべきでない要求をする可能性があるから。
こういうのって、ダメな上司の命令とかもありそうだよな。で、うまくいなして、部下たちが勝手にフォローしちゃうっていうね。

UML
ユニファイド・モデリング・ラングエージ。統一モデリング言語。
システムの構造を分かりやすく図で示す統一された方法のこと。80年代~90年代初頭には、紛らわしいローカルルールがたくさん存在したため、オブジェクト指向プログラミング言語の標準化に乗り出したという経緯がある。

クラス
データ(属性)と処理(操作)をセットにしたもの。
例えばAというグループに分類できるデータは処理Aが行うといったようにすること。これによりシステムがわかりやすくなる。
UMLでは

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といった図で表す。

インスタンス(オブジェクト)
実体。クラスによって作られる値。
粉物を例にすると、クラスがたい焼き器、インスタンスがたい焼き。
これがクラスがたこ焼き器になると、インスタンスはたい焼きではなくたこ焼きができる。

UMLでは

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と二段の長方形で描く。インスタンス名をクラス名より先に記述するのに注意。
また、クラスのUMLと区別するために、インスタンスのクラス名やインスタンス名には必ず下線を引く。

ちなみにクラス名のみ記述する場合は

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と:を残す。

また、属性すら省略する場合は

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とする。

サブクラス
会員における特別会員など。ベン図などの集合の考え方をすると理解しやすい。
逆に言うと、特別会員を汎化したものが会員なので、特別会員 → 会員 と矢印で記述する。
※矢印の形は本当は正三角形に直線。これは正しく書かなければならない。

関連
クラスとクラスが関連している場合、そのクラスどうしを実線で結び、その端には、関連先に結びつくインスタンスの数(多重度)を示す。
多重度(カーディナリティ)の記述の仕方は以下のとおり。

0..1  0か1
1    1だけ(5とかけば5だけ)
1..*  1以上(2..*と書けば2以上)
*    0以上(ならなんでもいい)

例えば、購入者というクラスと、購入というクラスと、タイトルというクラスがあった場合、ある特定の購入があった場合を考えると、購入者は一人に、購入された書籍のタイトルは一冊に特定できるので、クラス関連図は以下のようになる。

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※逆にある購入者がいたとき、その人が行った本の購入は(よほどの活字アレルギーでもない限り)複数回あるため、購入のクラス側には*を用いている。

このように、関連図は中央に出来事(用言)のクラス、両端に人や物(体言)のクラスが来ることが多い。

多重度の演習
多重度の入れ方がかなり難しい問題。
生徒が20人いて、生徒が受講できる講義の科目が10科目あるとする。生徒、受講、講義科目の3つのクラスを作り、これらの関係図を作りなさい。
なお、1つも講義を受講しない生徒や、一人も生徒が受講しない講義があっても良いとする。

解答例
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一人の生徒から見て、その生徒が受講する科目の数は最低で0科目、最大で10科目なので、左側の多重度が0..10となり、逆にある講義科目から見て、その講義科目を受講する生徒は最低で0人、最大で20人なので、右側の多重度は0..20となるのである。

インタフェース
境界面という意味。抽象クラスと近いが、仕様の定義(抽象操作の宣言)のみを行なうため、インタフェースからインスタンスは作れない。
つまり、インタフェースには具体的な実体がないので、実体化するためにはほかのクラスに実装してもらう必要がある。その場合は三角形付きの点線矢印で結ぶ。
また、あるクラスがインタフェースを使用する場合を図で表す場合は、両者を依存関係を表す点線の矢印で結ぶ。
また、インタフェースにはもうひとつ表現の仕方があって、それはロリポップ(キャンディ)という円で示す方法なのだが、この場合は実装関係が実線になるので注意!

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日本文法覚え書き⑤

 お元気ですか。最近いきなり寒くなって、私は風邪をひきました。そして初めて国語のレポートで不合格になりました。自信がある教科だとけっこう凹むな。こしゃくな。

参考文献:市川孝、山内洋一郎監修『標準古典文法』

いろは歌
後半使える音が減っていくのに最後まで作りきったのがすごい。

いろはにほへと(色は匂えど) ちりぬるを(散りぬるを)
わかよたれそ(我が世たれぞ) つねならむ(常ならむ)
うゐのおくやま(有為の奥山) けふこえて(今日越えて)
あさきゆめみし(浅き夢見じ) ゑひもせす(酔ひもせず)


現代語訳
桜の花は色美しく照り映えるけれど 儚く散ってしまう。
我々人の世ですら 無常である。
道もなく越えがたい深い山のようなこの世を 今日もまた越えていくような人生で
浅い夢を見るように目の前の出来事に惑わされたりはしない。
酒に酔いしれるようにわけのわからないまま生涯を送ったりはしない。

文語敬語動詞「奉る」「参る」
「奉る」「参る」ともに謙譲と尊敬の二つの用法がある。

まず謙譲語の場合である。
「奉る」は「与ふ」の謙譲語。
「参る」は「来・行く・与ふ・す」の謙譲語である。
また、「奉る」には補助動詞(本来の意味がなく、あくまでも補助として添えられている動詞)の用法もある。

左大将の北の方、源氏に若菜参りたまふ。――源氏物語
(左大将の奥方が源氏に若菜をさしあげなさる。)

見送りの人々、見奉り送りて帰りぬ。――竹取物語
(お送りの人々は、見送り申し上げて帰った。)

次に尊敬語の場合である。
「奉る」は「食ふ・飲む・着る・乗る」の尊敬語。
「参る」は「食ふ・飲む」の尊敬語である。
「参る」に飲食的なイメージがないだけに難易度が高い。

一人の天人言ふ、「壺なる御薬奉れ。」――竹取物語
(一人の天人が言った。「壺にある薬を召し上がれ。」)

「何か、今は粥など参りて。」――蜻蛉日記
(なに、今はご飯などを召し上がって。)

文語動詞「酔ふ」「恨む」「寝」
どれも一癖ある動詞ばかり。

酔ふ
「よう」ではなく「えう」と読む。
活用はハ行四段活用で「酔は(ず)」「酔ひ(たり)」「酔ふ(。)」「酔ふ(時)」「酔へ(ども)」「酔へ(。)」

恨む
「うらむ」と読む。
未然形接続は現代的な感覚では「恨まず」のような感じがするが、「恨みず」が正しく
ひっかけのマ行上二段活用である。
「恨み」「恨み」「恨む」「恨むる」「恨むれ」「恨みよ」
命令形の「恨みよ」に、すごい違和感がある。


「ぬ」と読む。
現代的な感覚では「蹴る」といった下一段活用っぽいが、下一段活用は「蹴る」しか存在しないので、語幹と語尾の区別がない下二段活用となる。
「寝(ず)」「寝(たり)」「寝(。)」「寝る(時)」「寝れ(ども)」「寝よ(。)」
やはり命令形の「寝よ」にかなり違和感がある。そこは「寝ろ」だろう、と。
語幹と語尾の区別がない下二段活用はほかにも、「得(う)」や「経(ふ)」がある。

文語動詞「侍り」「候ふ」
ひとつめは「あり」「をり」の謙譲語(自分の方が身分が低い場合に自分の動作に用いる敬語)で「おそばにお仕えする」という意味、もしくは「仕ふ」の謙譲語で「お仕えする」という意味。

局してこのたびは日ごろ候ふ。――更級日記
(局をいただいて、この度は数日お仕えする。)
※内親王様のそばで仕事をすることになりましたというシーン。

ふたつめは丁寧語として使われている場合で、動詞で用いられている場合は、「身分の高い人のそばに仕える」の意味に解釈できないときには、丁寧語になる。

正月の十余日までは侍りなむ。――枕草子
(正月の十余日までは、きっとございますでしょう。)
※「ある」の丁寧語の「ございます」になっている。

また、補助動詞(本来の意味がなく、あくまでも補助として添えられている動詞)で用いている場合はすべて丁寧語である。

さらば自害は思ひとどまり候ひぬ。――平家物語
(それならば、自害は思いとどまりました。)

文語助動詞「まし」
「まし」は活用語の未然形に接続する文語助動詞で、意味は①反実仮想(もし~だったら・・・だろうに。)と、②迷い・ためらい(・・・たものだろうか。・・・たらよかろうか。)の二つがある。

①反実仮想
反実仮想とは、事実に反することを仮定して結果を想像するという意味である。つまり、「雨が降っていたら傘は必需品だ。」といった一般論とは異なり、事実と仮定を対立(反実)させなければならない。
なんとなく「もし、あの時雨が降っていたら、私は傘を持っていっただろうに。」のように、過去のことを振りかえるパターンが多い印象がある。

竜を捕らへたらましかば、またこともなくわれは害せられなまし。
(もし竜を捕まえていたら、またわけもなく私はきっと殺されただろうに。)

これは『竹取物語』の一節だが、殺されずに済んだことを強調するため、事実と反対のことを仮定して結果を想像したのである。

反実仮想の表現パターンには

A・・・ましかば・・・まし
B・・・ませば・・・まし
C・・・せば・・・まし
D・・・ば・・・まし

があるが、特にCの「せば」の「せ」は過去の助動詞「き」の未然形。「ば」は仮定を示す接続助詞である。「もし・・・だったなら・・・だろうに」と訳す。

②迷い・ためらい
「まし」が「・・・ば・・・まし」の形で用いられていないときは、多くは「迷い・ためらい」を表す。この場合、「いかに」「何」などの疑問語が前にあることが多い。

これに何を書かまし。
(これに何を書いたらよかろうか)

枕詞
下にある言葉を導き出したり、文章内容に豊かさや味わい深さを生み出したりする技巧である修辞法の一つ。
下の特定の言葉にかかる、固定的な飾りの言葉で、声調を整えたり、余韻を添えたりする。大部分の枕詞は5音節からなり、普通は口語訳しない。
例えば「ぬばたまの」だったら、下の言葉は「夜」と、連想ゲームのように決まっており、枕詞とかかる語はセットになっている。
もともとは、意味の連想や音の類似によって下の言葉にかかるものだったが、「ひさかたの」など本来の意味が不明になっているものも多い。

①「茜さす」と「紫・日」
②「足引の(あしひきの)」と「山」
③「梓弓(あづさゆみ)」と「張る・引く」
④「天離る(あまざかる)」と「日・鄙(ひな)」
⑤「新玉の(あらたまの)」と「年」
⑥「青丹よし」と「奈良」
⑦「唐衣」と「着・裁つ」
⑧「白妙の(しろたえの)」と「衣・雪」
⑨「玉だすき」と「畝火(うねび)」
⑩「垂乳根の」と「母」
⑪「千早振る(ちはやぶる)」と「神」
⑫「久方の」と「天(あめ)・空・光」
⑬「百敷の」と「大宮」
⑭「若草の」と「妻」


文語助動詞「む」「べし」
意味は似ているが、shouldとmustで強さが違うように「む」より「べし」の方が強い。


「む」は活用語の未然形に接続する助動詞。
発音的には「ン」になるが、『平家物語』など中世以降の作品では、表記も「む」から「ん」となっているものが多く見られるようになる。
意味は以下の4つ。

①推量
「・・・う」「・・・よう」「・・・だろう」
主語が三人称の時はこの意味が多い。一般論や客観的な記述の時。

これを待つ間、何の楽しびかあらむ。――徒然草
(これ=“老いと死”を待つ間、なんの楽しみがあろう。)

②意志
「・・・う」「・・・よう」「・・・つもりだ」
主語が一人称の時はこの意味が多い。

今宵は、ここに候はむ。――伊勢物語
(今夜はここでお仕えしましょう。)

③適当・勧誘
「・・・べきだ」「・・・のがよい」「・・・たらどうだ」
アドバイス的なニュアンスであるため、主語は二人称である場合が多い。

子といふものはなくてありなむ。――徒然草
(子どもというものはないのがよい。)

花を見てこそ帰りたまはめ。――宇津保物語
(花を見てお帰りになりませんか。)

※「む」の已然形が「め」で、このように已然形となる場合は、適当・勧誘の意味になることが多い。

④仮定・婉曲
「・・・としたら」「・・・ような」

ただ一度にいらへむも、待ちけるかともぞ思ふ。――宇治拾遺物語
(ただ一度で返事をするとしたら、それも待っていたのかと思うといけない)

心あらむ友もがな。――徒然草
(情趣のわかるような友がほしい。)

べし
「べし」は活用語の終止形に接続する助動詞。ただしラ変の場合は、連体形に接続。

①推量
「・・・にちがいない」

この戒め、万事にわたるべし。――徒然草
(この戒めは、すべてのことに通じるに違いない。)

②意志
「・・・つもりだ」

この一矢に定むべしと思へ。――徒然草
(この一本の矢で決めるつもりだと思え。)

③適当・勧誘・命令
「・・・のがよい」「・・・べきだ」「・・・せよ」

かならずこのたびの御遊びに参るべし。――宇治拾遺物語
(必ずこの次の遊びに参上せよ。)

④当然・義務
「・・・はずだ」「・・・なければならない」「・・・べきだ」

子になりたまふべき人なめり。――竹取物語
(私の子どもにおなりになるはずの人であるようだ)

⑤可能
「・・・できる」
打ち消し表現の中にある「べし」は「可能」の意味になることが多い。

財多しとて頼むべからず。――徒然草
(財産が多いからといってあてにすることはできない。)

文語助詞「に」
「海に入る」の「に」は名詞(海)についているので格助詞。
格助詞は、体言や連体形について、資格を表す助詞。
この場合は、用言(入る)を修飾する、連用修飾格。

「見るに竹の中光れり」の「に」は連体形(見る)につき、「見る」と「に」の間に「の」を入れることができないので、単純接続助詞。
「見ると」や「見るところ」といった意味になる。

「家に帰りて業(なり)をしまさに」の「に」は、活用語の未然形についているので、終助詞。
「・・・てほしい」という意味になる。

日本語表現法覚え書き

 来月のテス勉コーナー。

参考文献:沖森卓也、半沢幹一編『日本語表現法』

日本語における話しことばと書きことばの違い
「シンジョウを打ち明ける」と聞いた場合、この「シンジョウ」はどのような意味の語として理解するか、いくつかの可能性がある。
まず「信条」「身上」は文脈に合わないため、「心情」「真情」に絞られるが、前者は「心情を察する」といった場合で使うため、「打ち明ける」という部分から、単なる心情ではない「偽りのない心」の意味がある「真情」が正しいとなる。
このように、話し言葉の場合、音声による伝達であるため、同音異義語が特定しにくいことがある。また、よく知らない語が使われるとなおさら理解が困難になる。
これに対して、書き言葉は文字による伝達であるために、漢字によって意味が特定・推測できたり、また読み返して理解を深めたりすることも出来る。このように、話しことばと書きことばには、その伝達形式による大きな違いがある。

話しことばは口頭による表現であって、独り言を除いて、たいていは話し手の前に聞き手がいる場で話される。
その場合、周囲の環境や時間的な制約などにより、その場面に応じた言葉づかいをする。実際の話しことばは、しばしば文脈が乱れたり、口ごもったり、文中や文末に「ね」「さ」「よ」といった助詞や、「え~」「あの~」「その~」といった感動詞を挿入したり余剰的なことも多い。
また、言語による伝達を、表情や身振り、あるいは音声の抑揚などの手段で補うこともでき、それでも通じない場合は言い直したり、別の言い方で言い換えたりすることもできる。このように、話しことばは、相手やその場に応じて意味の伝達を補完することができ、簡便で気軽なものである。

これに対して、文字による表現である書きことばは、相手が目の前にいるわけではない。
時間的空間的な制約を受けることなく、ただ書いていけばよいのであるが、表情や身振りなど、ことばを補うすべがないだけに、話しことばよりも正確でなければならない。
そして、書かれた文字は残るため、誰に読まれるか分からないから、安易には書けない。そのため、書くことは大きな緊張を伴う。
しかし、書くことによって考えたことの不備を反省し、それを整ったものにしたり、思考を深めたりすることもできる。それは自己を認識し、自己を鍛える場でもある。その意味で、書くことは人間形成の場であるとも言える。

日本において、近代以前の中世・近世においては、話しことば(口語)と書きことば(文語)は全く異なるものであった。
口語は時代とともに移り変わるが、文語は平安時代の言語を模範として、そのまま定型化したため、両者は乖離し、文語文は特殊なものとなった。
これが明治の半ば頃になると、言文一致運動が起こり、旧来の文語は日常的に使われなくなり、書きことばも話しことばに基づくようになった。これが現代の口語文である。
ただ、前述したような相違点は、伝達形式の根本的な違いによって現代においても認められている。

まとめると、話しことばと書きことばの違いは以下のような点が挙げられるだろう。
①音声(聴覚)で伝達するか、文字(視覚)で伝達するか。
②目の前に聞き手がいるか、いないか。
③周囲の環境や時間的制約があるか、ないか。
④情報が余剰的か、洗練されているか。
⑤表情や身振り、声の抑揚などで補完できるか、できないか。
⑥通じない場合にその場でただちに修正できるか、できないか。
⑦簡便で気軽か、煩雑で緊張を伴うか。


日本語の表記の特徴
日本語の文章を書き表す(表記する)時に用いる文字には、漢字・平仮名・片仮名・ローマ字(アルファベット)がある。これらは、それぞれ内的整合性を持つ組織的集合であり、これを文字体系という。
このうち、漢字と平仮名、片仮名は混合表記されるため、欧米などアルファベットだけを用いる言語に比べて文字表記に際しての労力が非常に大きい。
しかし、その反面、「とんねるをぬけるとゆきぐにであった。」→「トンネルを抜けると雪国であった。」のように、文脈の理解を助け、情報に対する柔軟な対応を可能にする。片仮名がトンネルを外来語と限定し、漢字は視覚的に語の意味を限定する働きがあるためである。
このように表記は単にことばを文字に定着させるだけでなく、文脈理解と深く関わっている。

また、社会的に規範とされる正しい表記法を正書法というが、これは日本語にはない。
例えば、「すでに」「既に」(漢字表記ゆれ)でも、「いなずま」「いなづま」(仮名遣いゆれ)でも、「行う」「行なう」(送り仮名ゆれ)でも、どちらでもよく、どちらが正しいということはない。このことは逆に書き手自身が表記法の選択を任されているということになり、時に表記に迷うこともあるが、その分個性を発揮したり、芸術性を付帯させたりすることも出来る。
このように、複数の文字体系を有していることは、日本語の書き言葉を豊かにしており、これを面倒がるのではなく、逆に表記するおもしろさ、楽しさを味わいたいものである。

ただし、正書法はないといいながらも、以下のような社会的な傾向や慣例はある。
①外来語や擬声語、動植物名は片仮名で書く。
②副詞・接続詞(「すべて」「また」など)は、多く平仮名で書く。
③形式名詞・補助動詞(「こと」「ゆく」「もらう」など)は、ふつう平仮名で書く。
④読みにくい難しい漢字は避けて、できるだけ常用漢字を使う。


日本語の表記の特徴には他にも「仮名遣い」がある。
「王手」と「大手」はどちらも「オーテ」と発音されるが、前者は「おうて」、後者は「おおて」と書き分けることになっている。
このように、同じ発音なのに、仮名遣いが一定しないことがある。しかし、この仮名遣いには合理的な根拠がある。
そもそも、現代仮名遣いは歴史的仮名遣いを受け継いでいる面があり、両者の対応には規則性があるのである。
①基本的には発音通りに仮名を用いる。
②助詞の「を(オ)」「は(ワ)」「へ(エ)」は歴史的仮名遣いを用いる。
③長音はア~エ列のものはそれぞれ「あ」~「え」を添え、オ列については「う」を添える。例:「王手(オーテ)」→仮名「おうて」
④オ列の長音のうち、「通り」「氷」のように、歴史的仮名遣いでオ列の仮名に「ほ」「を」が続くものは、「う」ではなく「お」を添える。
また、「映画(エーガ)」「稼いで(カセーデ)」などは、エ列長音で発音されるが、エ列の仮名に「い」を添えて書く。 
⑤「ち」の次の「ぢ」、「つ」の次の「づ」は、例外の「いちじく」「いちじるしい」を除いて、「ちぢみ」「つづく」のように歴史的仮名遣いによる。
⑥「ち」と「つ」がにごった場合、「はなぢ」「かたづく」のように「ぢ」「づ」と書く。ただし、「地」の字音は「ち」であるが、元来「じ」の字音もあるため、「布地」などは「ぬのじ」と書く。
⑦「杯(さかずき)」「世界中(せかいじゅう)」など現代語の意識では二語に分解しにくいものは、「じ」「ず」で書くことを基本とするが、「ぢ」「づ」を用いてもよい(「いなずま」「いなづま」どちらでもOK)。

日本語の敬語の特徴
日本語の表現は、それ自体に、話し手が、聞き手、あるいは話題の中の人物とどのような人間関係であるか、そしてそれらの人に対して尊敬・親愛・軽蔑など、どのような気持ちを抱いているかということが含まれている。
例えば、「何を召し上がりますか?」と「何を食べるの?」の違いだったり、「その件につきましては社長の沖森がご説明申し上げます」といったように、地位・身分などの社会関係に基づく上下の意識や、同一の社会集団に属しているかいないかという人間関係に基づくウチ・ヨソの意識などによって、話し手がことばを選んで敬意を表す言い方を敬語という。

ただし、話し手の主体的な意識は、敬語という言語表現に特有のものではない。例えば、「あいつがぬかしやがった」など、相手を軽んじる軽卑語や「あの人が言った」などの普通語においても、相手に対する意識の在り方がうかがえる。
また、敬語は聞き手や第三者に対して敬意を表す言語活動であるが、相手を敬わない場合にも用いられる。例えば、夫婦げんかで「仕事仕事とおっしゃいますが、こんなに遅くまでどういうお仕事をなさっているのですか?」と奥さんが皮肉を言ったり、道ばたで知らない人に「申し訳ございませんが、郵便局への道順を教えて下さいませんでしょうか」と尋ねたりする場合である。
これら例において、敬語とは、相手との距離を隔て、あえて親しい間柄に心理的なよそよそしさを作り出したり、また、知らない相手から自分の身を守ろうとしたりする、一種の「なだめ行動」ととらえることも可能である。
したがって、親しい間柄では、敬語を使う必要がなく、普通語や軽卑語を交えて会話をしているのである。
このように、あらゆる言語行動自体に、話し手、聞き手、第三者とのさまざまな関係が表されている。こうした社会的心理的関係や場面によって表現を使い分けることを待遇表現という。

さて、敬語には、話し手が聞き手に対して直接敬意を表す丁寧語(聞き手尊敬)と、話し手が話題の中の人物に対して敬意を表す尊敬語(為手尊敬してそんけい)、謙譲語(受け手尊敬)に分けられる。
丁寧語は「です」「ます」によって表現され、尊敬語と謙譲語は一対になっていることが多い。さらに表現形式のうえでは、語を添加するタイプ(分担型。お身体、わたくしども、お父上様、行かれるなど)と、特定の語を代わりに用いるタイプ(統合型。言う→おっしゃる、申すなど)がある。
ちなみに、分担型と統合型を比べると、統合型の方が敬意が高い傾向がある。

このほか、敬意を表す表現に、「寝る→休む」「死ぬ→なくなる」といった婉曲語や、「きょう→本日」「すこし→少々」といった改まり語がある。
さらに、話し手自身の上品さを保つ「お買い物」「お洗濯」といった、女性特有の「お」は美化語と呼ばれている。

最後に敬語で最も間違えやすい点が、尊敬語と謙譲語の混同である。
特に以下のように、尊敬語を使う場面で謙譲語を使う間違いが多い。

×この度課長にご昇進されました。
○この度課長にご昇進なさいました。

×おたずねしてください。
○おたずねになってください。

×ご使用できます。
○ご使用になれます。

×ご納得していただけると思います。
○ご納得いただけると思います。

×一度お目にかかってくださいませんか。
○一度お会いになってくださいませんか。

国語辞書を効果的に活用する方法
文章作成ツールのひとつである国語辞書は、おおよそ、小型辞書と中型辞書、大型辞書のみっつに分けられる。
小型国語辞書は、6~8万語程度を収録し、一般的にB6版のソフトカバーの体裁を取る。『三省堂国語辞典』や『新明解国語辞典』などがこのクラスに当たる。普通名詞や動詞など、現代語の基本的な語を収録し、人名・地名などの固有名詞や古語などはあまり載せない。
中型国語辞書は、20万語程度を収録し、B5変版のハードカバーの体裁を取るものが多い。固有名詞や専門用語も多く収録し、古語も現代語に交えて掲載されている。『大辞林』『広辞苑』がこのクラスである。
大型国語辞書は、『日本国語大辞典』のように数巻に及ぶもので、その語の初出例や時代的な意味の変遷なども記述されている。
これらは、中型が小型よりも辞書として優れ、正確であるとは限らず、現代語の助詞や助動詞など、付属語の用法については小型の方が詳しいこともある。辞書によって特色があると考えるべきだろう。

実際の国語辞書の項目の内容は以下の通りである。
①見出し
辞書に提出する単語を配列する部分。
原則的に和語・漢語は平仮名、外来語は片仮名で表示される。
仮名でどう表すかという表記情報の他、語幹と語尾の区切れや、語構成の区切れ情報なども「・」や「-」などの記号で表される。

②漢字表記
その語を漢字で表記する場合の、標準的な表記や慣例的な表記が示される。
ここには「▽」「×」などの記号によって、その漢字の音訓が常用漢字に含まれるとか、「五月雨」は熟字訓であるといった情報も記される。
もちろん漢字仮名交じりで表記されるところから、送り仮名の情報も含まれる。

③歴史的仮名遣い情報

④品詞情報
基本的に中学校の国語科で扱われる学校文法に準拠して品詞の認定がされるが、辞書によって語の品詞認定には異同が少なくない。
また「いわずもがな」「にっちもさっちも」のような固定的な言い回しは「連語」として単語扱いされることもある。

⑤語釈
語の意味を文章で定義したもの。

⑥言い換え語
理解を助けるための類義語を示す。

⑦用例
典型的な用例の他、慣用句や固定的な言い回しがここでされることもある。

このように国語辞書には、豊富な情報が盛り込まれているのだが、多くの利用者は、漢字表記を探す「字引」として利用するか、意味を確認するのに利用するくらいである。
しかし国語辞書から旨く情報を引き出すことで、より正確で的確な表現を探し、語彙力や表現力を高めることも可能となる。
そのために、まずなにより、辞書を身近に置き、すぐ引く習慣をつけるようにすることである。初めは漢字調べや意味調べでよいので、気になったらすぐをモットーに、辞書を引き慣れることが大切である。
「気になったらすぐ」を実行するには、一冊の辞書で済まそうとせず、自宅の机に小型辞書と中型辞書、カバンにはコンサイス(簡潔)な辞書、学校のロッカーにも別の小型辞書といったように、複数の辞書を準備しておくとよい。
まさに辞書にまみれたライフスタイルである。
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