民主党のマニフェストについて

 政党の政治公約マニフェスト。みんな票が欲しいもんだから、あまりに理想的すぎて無茶なことも「やりますやります」って書いちゃって、「あんたのところマニフェストでこう書いているのに全然やってないじゃないか!」って「テレビタックル」あたりで野党の議員さんに詰問されちゃう原因なのがコレ。
 マニフェストの公約には明確な期限を決めていないものもあるれど、それでもあまりに「やるやる」言って「やれなかった」場合は、やはりなんらかの責任を取るべきだと思う。それも次の選挙で国民に下野を突きつけられるとかじゃなくて、例えば一つのマニフェストを破ったら、ペナルティとして与党の議員さんの給料を一万円ずつマイナスにするとか。
 でも、そんなことしたら何もやるって言わなくなりそうで怖いな。「おそらく少ない可能性ではありますが・・・やれるような気がします」くらいになっちゃってインパクトがなくなっちゃうのか。
 でもあまりにひどいのは詐欺罪で逮捕だろ。鳩山さんとか。「ビッグマウスで国民期待裏切り罪」とかで実刑だよ。

 とはいえマニフェストって読んで見るとけっこう面白い。明日の参議院選挙は私、国政選挙では数年ぶりに投票に行こうかなと思っていて(地方自治の投票は毎回している)、だからマニフェストを読んでいるのですが、ちょうど家に民主党のマニフェストの冊子があるので、今回は民主党の公約について感想を述べてみたいと思います(他の党は持っていないので、インターネットで読みます。ただサイトのマニフェストと冊子のマニフェストは若干記述表現が違う)。

 管直人総理は「強い経済、強い財政、強い社会保障で新しい日本へ」とか言ってますが、管さんいわく、強い経済は財政を強くし、強い財政は社会保障を強くし、強い社会保障は経済を強くするという、好循環をもたらすらしい。となると、まずはなにから強くするんだ??って気持ちもするんだけど、2ページを読んで見ると・・・

 私は「第三の道」を選択します。それは、過度に財政によりかかった手法(「第一の道」・・・公共事業中心の経済政策。高度経済成長気には時代に合っていたが、その後巨額の財政赤字を生む)でもなく、過度に競争に偏った手法(「第二の道」・・・偏った市場原理主義に基づく経済政策。ネオリベ。規制緩和。小泉改革路線?これはデフレを長期化させ国民生活は不安定に)でもない、経済、財政、社会保障を一体として捉える経済政策です。

 ということはどうやらまずは経済を強くするみたいで、で「第三の道って具体的に何なんだろう?」ってことになるんですけど

 我が国が抱える環境問題や少子化など、喫緊の課題への解決策。急速に成長するアジア、国内の資源を活かせる観光分野などへの積極策。これらが生み出す大きな需要に応えることで雇用を拡大します。そこから経済の拡大(以下略)
 
 ??私の読解力が低いのか、ちょっとよく分からない。これだけで経済は拡大するのか??環境問題、つまりエコブームはカーボンビジネスのチャンスを生みそうだけど、少子化はどんな雇用を生むんだ?これは育児休暇制度とかの問題なような気がするんだけど・・・
 あと急成長するアジア、観光分野の積極策って具体的にどういうこと??特にアジアが解らん。中国とかにいろいろ日本の物を買ってもらおうってことなのかな?観光に力を入れるのは産業の空洞化にはなりそうにないから(国外に進出とかがあり得ないから)いいとは思うけど、効果としてはどれほどなのかいまいち分からない。

 で、5ページと6ページにもう少し細かい強い経済のことがまとめてあるんだけど、アイディアとしては少しだけ面白いのがある(農業の第6次産業化とか訳分からないのもあるけど。どういう意味?宇宙論の話でもしてるの?)。
 たとえば「総理、閣僚のトップセールスによるインフラ輸出」。これは貧しい国に水インフラシステムや高速鉄道、原発、国際協力銀行、貿易保険、ODAを提供するってことで、ますます日本に対する世界の評価が上がりそうだからやってほしい。「外国の貧しい国のことよりもまずは日本国民だろ!」って思う人もいるかもしれないけど、こういう親切っていつか遠い未来にフィードバックすると思うし。

 あと個人的には「宇宙・海洋」が気になる。「宇宙産業の活性化、海洋基本法に基づく海洋政策を推進し、吐いた絵紀経済水域や大陸棚の確保・活用を進めます。」としか書いてないから具体的に何をするのか分からないんだけど、捕鯨はともかく(立場保留)、宇宙開発なんかはまったく違う分野の技術の発達にもつながったりするから継続してもいいと思う。
 まあ管さんも「麻雀点数算出システム」を開発した理系だから、科学に力入れるのかな。

 しかし日本の経済ってもう行くところまで行ってこれ以上発展、成長しないんじゃないかって思っている人は多いと思う。高度経済成長という過去の栄光にしがみついてる感があるんだけど、あれはスタート地点が焼け野原だったからあそこまで発展できたんだと思うし・・・
 それに自民党なんかが日本の一番の武器とか言っている精密な科学技術は新興国に追いかけられて追い越されかけてるような気がするし、観光とアニメの輸出でも「成長」って感じの成長はするのかな?じゃなくて「どれだけ現状を維持できるか」って時代なんだと思うんだけど。その現状維持ために「赤の女王仮説」っぽく「走り続けろ」ってことなのか?

 次に「強い財政」について。興味深いのは8ページの「2011年度以降、三年単位で予算の大枠を定める「中期財政フレーム」に沿って財政を運営します」ってところ。つまり悪名高い(?)「単年度制」の廃止。やっぱり中長期的なストラテジーは必要だと思う。単年度制で、来年度も予算が欲しいから無理して使いきっちゃえ!っておかしい。そういう意味で三年間は予算を持ち越せるようにするのだろうか?この制度は。

 でもいくら長期目標とは言え、2020年度までに基礎的財政収支の赤字を黒字にできるのだろうか?あと10年しかないよ?「4040年まで」とかにすればいいのに。

 明日の選挙で重要なポイントになりそうなのが9ページの「選挙制度改革」。その項目の真っ先に上がっているのが「参議院の定数を40程度削減します。衆議院は比例定数を80削減します」っていう公約。
 衆議院の議席が80きっちり減ってくれたら、これから中学生に塾で公民教える際にかなり楽になるんだけど(きっちり議席数が400になるから)、だったら参議院も「40程度」とかアバウトなこと言わずに42減らしてほしい!議席数242って覚えづらいよ!
 で、国会議員の数が減るのは「彼らの給料に使われる税金が減ってラッキー」という意見の他に、「議員の数が少数意見が反映されなくなってしまう」という意見もあるんだけど(だったら議席数は維持でイギリスみたいに参議院ノーギャラにしちゃえ。でもナイト爵持っている貴族とか不労所得者が日本にはいないのか)、それに直結するのが衆議院はなぜか比例定数を80減らすということ。
 比例区が減るということは少数政党が選挙で勝てなくなっちゃうし(比例区の短所は少数政党が乱立し多数派が形成されにくいってことなんだけど)そうなると「日本の二大政党制」がかなり現実味を帯びてきそそうで、しかもその二大政党(自民党と民主党)は場合によっちゃ大連立もしそうな気がするから怖い。「大政翼賛会かよ!(さまぁ~ず三村さん風に)」みたいな。
 二大政党の片方が常にブレずに我が道を行く「日本共産党」だったら面白いんだけど、自民と民主の二大政党制ってちょっとどうなんだろう?二つの党の明確なテーゼの違いってちょっと分からない。それに政権交代したわけじゃないのに、与党のリーダーが変わると党の雰囲気もガラって変わっちゃうからなあ・・・

 まあ他にも教育制度改革では少人数学級を推進するのはきめ細かい指導を受けられるという点でいいと思うし・・・でも授業中内職ができなくなっちゃっうから、もし自分が小中学生だったら嫌だな(授業中漫画が描けない)。学校って勉強教わりに行くところというか、社会の縮図を体で覚えるようなところだからね。

 最後に郵政改革は連立組んでいる国民新党に配慮してか「次期国会で最優先課題として速やかな成立を図ります。」という一文しか書いてない(本当に一文しかない!)のが面白い。
 これだけは民主党の立ち位置が全く分からないぞ。卑怯だw。亀井さんってそんなに怖いのかな。

耳をすませば

 「面白い度☆☆ 好き度☆」

 私のダメな映画。理由もちゃんとある。

 この映画、親友が人生のバイブルにしているほど大好きで、それほど好きなら私も好きになりたいんだけど、やはり私の感性には合わないわ。すまん。あと再放送やり過ぎw。必ず塾の仕事上がりにラストシーンがやってる。

 私が思うにこの映画の主人公の女の子「月島雫ちゃん」って心情がいまいち中途半端で(キャラが作中でブレていると言っているのではない。「将来について悩んでブレるキャラ」としてブレてはいない。なんのこっちゃw)、それが今時の中学三年生の平均的な心情としてはリアルなんだろうけど、少なくとも私はあんな中学三年生じゃなかった(結局何がやりたいんだコイツw)。

 私は「人間は中学生で完成する」と信じているところがあって(だから中学以降はもう大きな成長は意外としない。変わるのは周囲の環境だけ)「中学生だからあの程度の甘い考えでいいじゃん」って言うのは、なんか逆に現役の中学生諸氏に失礼だと思う。
 あと最近漫画家志望者のブログ見ていて思うけど、今の中高生ってイラスト巧すぎねえか!?あの才能は正直羨ましいし、ぜひ雫ちゃんにはならずに本気で頑張っていってほしい。

 雫ちゃんは作家、恋愛、進路と板挟みになっちゃって明確な決意や覚悟もせずに映画が終わっちゃったけど、ビートたけしさんが「仕事と家庭どっちも取ろうなんて虫がよすぎるよ」って言っているように、プロフェッショナルって多くを犠牲にしなきゃやっていけないところがあるし、もっと言えば自分の仕事に全てをつぎ込めるくらい非情な奴じゃないとなれないと思う。
 これは大学の先生の受け売りだけど、芸術家って社会に適応できないやばい人格破綻者だと思うもの。「オレは絵を描いていなかったら人を殺していた」みたいな。

 そう考えてみると雫ちゃんは、大好きな男の子がヴァイオリン職人の夢に向かっているのに(なぜか)張り合って、小説を書いているようにも思えるし、なんか本気って感じがしない。
 その上雫ちゃんは「地球屋(アンティークショップ)」のとっても優しいおじいさんに自分の作品を見せるのすら怖がって、お爺さんが読んでいる最中地下室に引き籠ってしまう。これじゃあ出版社に持ち込みなんていけないぞ。
 いや、プロの編集者に自分の作品を読まれている時間って何していればいいか分からないし、確かに読んだ後何言われるかとっても怖いけど、それを乗り越えないことには作家業ははじまらないし、それにおじいさんは辛口編集者ではない。
 「あなたは素敵な原石です」と諭すおじいさんは優しいけれど、逆に言えばプロの編集者ではないので、雫ちゃんをプロの作家として評しているのではなく、一人の人間としてなにかを頑張る姿を応援しているのでしょう。
 だから彼女が作家になるなんておじいさんも本気で思っていないと思うし、そもそも雫ちゃんって作家にしては優しいいい子すぎる。ラストシーンで「受験を頑張ります!」ってなんだよ。マジでやりたいなら天沢聖司くんといちゃつくのも、受験勉強の時間も犠牲にして小説書きまくれって!

 そんな作家志望の雫ちゃんの前に立ちはだかるのが大学生の姉きなんですが、私がもしも彼女の立場で作家を本気でやりたいなら、こんな姉きは蹴っとばす。「うるせえ馬鹿やろう!」って。もしくは「受験やります!」って表面的に言いながらも、勉強する振りしてこっそり執筆。漫画と違って小説はコソコソ隠しやすいだろ。
 だいたい私なんて高校受験の為に勉強した記憶がないし、散々親不幸なことばっかしていると思う。
 でもそれを反省して親やお姉ちゃんに逆らわなくたっていいじゃないか、まっとうな堅気の道に行こうって思っちゃった時点で、こいつの作家としての道は潰えてしまう。作家なんてやくざな道は反骨精神でやっていかないと、なれっこないよ。

 分かりますよ。普通の人はこの映画をそんな風には見ていないってw。青春映画としてみろよって。
 でも江角マキコさんが『ダイナソー』のインタビューで言っていたけど「(こういうストレートでシンプルな映画に感動するのって)恥ずかしいことですよね。自分が思いやりに飢えているからこそ、感動するんですよ。だから、涙を流している自分を見て、自分がすごく飢えていたり、同時に自分にも思いやりが足りないかもって恥じてみたりするんです」って感じで、この映画が好きな人って、自分はもうリアルに青春していないのかな?夢を諦めちゃった人なのかな?って思う。
 だからこそ、この映画に描かれるモヤモヤした甘酸っぱい青春的ファクターがツボに来る。クレヨンしんちゃんのオトナ帝国のように「オレにもそんな頃があったなあ」って懐かしく思ってしまう。でも今も夢に向かって頑張っていたり、青春真っ只中の人は、こんな映画をメタ的には見れない。「冗談じゃねえぜこの結末」って思う。

 この映画が面白いと感じて涙を流すようになった時、それは私が夢を諦め過去を美化するようになっている時だと思う(余命数日とか宣告されない限り来ないと思うけど)。でもまだまだ私の頭は中学生です。

 最後に一言。立花隆。声下手すぎ。勘弁。

侵略的外来種について

 その地域にいなかった動植物が、人間によって他の国や地域から連れて来られて自然に放された場合、外来種はアウェーの空気に適応できず死んでしまうこともありますが、なかにはとんでもなく適応力が強い奴がいて、見事に在来種に混じって仲良くなっちゃう場合があります。
 もっと凄い奴になると、今までいた在来種をけちらして、かつての生態系に大きな影響を与えるものがいます。そんな逞しすぎる彼らを「侵略的外来種」といいます。

 有名どころでは・・・

アライグマ
アニメの影響で持ち込まれたが、凶暴すぎて飼いならせず捨てられ生態系に帰化。まさにジュラシックパーク。

マングース
ハブを駆除するために持ち込まれたが、ハブではなくアマミノクロウサギを食べちゃった。

アカミミガメ
いわゆるミドリガメ。めちゃくちゃ大きくなる。強暴。

ヤギ
彼らのような家畜は実は結構逞しい。ドードーも家畜により絶滅したという説がある。

ブラックバスとブルーギル
言わずと知れた外来魚のスター。もとは食用として連れてこられる。フライやムニエルにするとおいしい白身魚らしいが、まったく流行らなかった。バス釣りファンから「これを規制するのは待ってくれ」という反発がとても強い。

ウシガエル
うちの近所にも小さいころよくいた。最近私の地元ではなぜか全く見かけなくなった。よく道路で無残につぶれて死んでたのに・・・あれは小学生にはトラウマものでした。

ナイルパーチ
観賞魚として人気が高いが、アメリカの湖において固有種を尽く滅ぼした前科あり。

セイヨウタンポポ、シロツメクサ
野原でおなじみの彼ら。もはや日本の原風景化している・・・

 彼らが危険な点は、在来種をいじめる以外にもあって、人体にとって危ない病原菌を持ち込んでいる可能性があるということ。すごく怖いのは狂犬病とか。
 だから外来種はホイホイ税関を通っちゃまずい。外来種には「入れない、捨てない、拡げない」という三原則がありますけど、そんなスローガンでは甘いと思う。
 セイヨウミツバチやブラックバスは社会的に需要があるし、いなくなった時の経済的損失が大きいから特別扱い?とか言ってますが、聖域なし外来種改革しないと日本の生態系はやっぱり変わっちゃうんじゃないのか??結局この問題も経済の話にたどり着くのが興味深い。

 私は海外の珍妙な動物においては、ペットとしての売買を全面的に禁止にしちゃえばいいと思ってます。日本って動物好きなのか、動物園もやたらあるし、ペットショップでも動物園レベルのすごい動物が普通に売ってる。
 こういうのってオタクの需要があるんでしょうけど、どうしても見たいなら動物園に行って見れるようにすればいい。なぜカミツキガメを自分で飼育しようとする・・?
 そうなると「なぜ犬や猫はOKで、マイナーな動物はダメなんだ!?」って反論が来るから、もういいや。ペット全面禁止にしちゃえ。結局イヌやネコは炭酸ガスで無慈悲に殺しちゃっているわけで。
 
 そもそもなんで人間ってペット飼いたがるんだろう??もう少し大きな視点に立つと、やはりそういう遺伝子が人にはあってサブリミナルマインドで、あんなことやってるのだと思う。
 人間がいなければ出会うことはまず地理的に不可能だった世界中の動植物を相互作用させて、ガチンコバトルで淘汰、生態系を安定させようとしているのかもしれない。なにしろ生物多様性は複雑になればなるほど生態系は不安定になりますから。
 世界中の猛者たちを競い合わせて、すごい強い生物を誕生させる手助けを無意識にやっているのが人間だったらすごいなあ。

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 でも一番多い記事は生物学、そして映画と本・・・相対的には漫画も恐竜もあまり記事は無いんだけど・・・これをやると見に来る人が増えるのかな?
 なすぼねさんみたいに生物に詳しい人とかと出会えたらいいな。いろいろ教えてほしいです。

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それいけ!アンパンマン いのちの星のドーリィ

 「面白い度☆☆☆☆☆ 好き度☆☆☆☆☆」

 アンパンマン原点に帰る。

 「アンパンマン」って週末ニュース見ようとしたら、日本テレビはアンパンマンタイムで「なんだアンパンマンかよ・・・」と思いながらも、チャンネルを変えるのがおっくうで、そのまま見ちゃうことが極たまにあるのですが(絵本はもともと好きなので)よくよく考えてみればアンパンマンって、アメコミのヒーローとは一線を画する何とも独特なヒーロー。
 自分の体の一部を引き千切って空腹に苦しむ動物たち(主にかばおくんのイメージ)に分け与えてしまうのだから、こんな利他的なヒーローの前では他のヒーローの善行なんてまだまだ自己満足で利己的だと思う(言いすぎ?)。

 原作者のやなせたかし先生は(descf氏はやなせ先生の漫画の賞を受賞し、本人に会ったそうだ。羨ましい!)NHKの番組において「ほんとうの正義というものは、けっしてかっこうのいいものではないし、そしてそのためにかならず自分も深く傷つくものです(『アンパンマン』の著者あとがき)」と言っていて、これは正義を遂行するということは奇麗事ではなく、少なからず自己犠牲的な精神が伴うものだし、たとえば戦時中の一般市民の生活の苦しさ、貧しさを考えれば、大体の人にとっては政治的な理念どうこうよりも、まずは生活が安定しなければ幸せはない。
 本当のヒーローとは、みんなの空腹をまずもって救ってくれるという哲学が『アンパンマン』には通底している。そのためには顔の形が不格好になっても構わない。もっと言えば顔がなくなっちゃっても構わないと・・・
 戦後生まれの作家にこんなすさまじい発想はできないと思う。

 ということで、『アンパンマン』のテーゼって意外と重い。唄の歌詞でも「なんのためにう~まれて、な~にをし~ていきるのか?」ってめっちゃ哲学的。
 そしてこのテーマをガツンとぶつけてきたのが、この映画『それいけ!アンパンマン いのちの星のドーリィ』です。
 アンパンマンって、そもそもアンパンを焼いていたパン工場の窯に煙突から流れ星が入っちゃって、それによってアンパンマンは誕生するのですが(OPアニメ参照)その設定をこの映画は大きなテーマにしていて、アンパンマンに命を与えた流れ星を「いのちの星」というそうです。
 「いのちの星」は、アンパンマンの世界を生命あふれる美しい環境にする源で、その星をたたえるお祭りをアンパンマンの世界の住人は定期的に開催しているよう。
 この設定は実はけっこうこの世の真理を突いていて、科学的にも地球の生命の材料は宇宙の星が運んできたし、この地球の生態系の根源的エネルギーは太陽ですから、私たちもマジで星のいのちを持っていますよね。

 今作ではその「いのちの星」によって命をもらった人形「ドーリィちゃん」がゲストキャラクターなのですが、こいつがまたニヒルかつ毒舌で、同じ星をもらって生を受けたアンパンマンと対極をなすキャラクター。
 ドーリィちゃんはアンパンマンの唄の歌詞「何のために生まれて?」を「自分のためでしょ」とクールに言い放ち、自分の好き勝手に生きるエゴイスト。幼稚園でもみんなの傷つくことを平気で言うし(空気読めw!)、ルールなんてお構いなしの問題児。
 ドーリィちゃんがここまでやさぐれているのには、けっこう重くて悲しい理由があって、それで「せっかくもらった命なんだから、好きに生きなきゃもったいない」という発想に至ったのですが、周りの空気があまりにも読めないドーリィちゃんは、基本的にみんないい奴のアンパンマンワールドでは見事に浮いてしまい、好きに生きているはずなのに生きててあまり楽しくないんです。星からもらった命もなんか腐ってきているし・・・

 そんな彼女に(あ、ドーリィちゃんって女性。フランス人形みたいなキャラね)アンパンマンは、「僕が生まれてきたのは困っているみんなを助けるためなんだ」と、なんとアンパンマンご本人から、あまり明かされることのなかった自身のヒーロー哲学が公開されます。まさに「情熱大陸」アンパンマン編!このシーンって結構異色だったのでは?

 そして案の定、人形を欲しがるドキンちゃんのわがままを叶える為に、ばいきんまんが開発した最終兵器「スーパーカビだんだん(打つのが面倒くさいので以下SKDD)」が遠隔操作しきれずに暴走。ばいきんまんの手を離れ世界をカビだらけにしてしまいます。
 ドーリィちゃんを助けるために彼女の盾になり、SKDDの攻撃を食らってしまうアンパンマン。ここから凄い展開なのですが、SKDDの腐食液によって、アンパンマンは完全に絶命してしまい、新しい顔をジャムおじさんが投げつけても復活しなくなってしまたのです!
 頭さえ変えればいくらでも戦えると思っていたアンパンマンって腐らせると完全に倒せるのかよ!

 前代未聞のアンパンマンのピンチに、ドーリィちゃんは、これほどまで自分の為に命を投げうってくれたアンパンマンを助けるために自分の「いのちの星」はあったんだ、と自分の「いのちの星」を取り出しアンパンマンに捧げます。
 これによってアンパンマンは最強の兵器SKDDを撃破。しかし星を失ったドーリィちゃんはもとのボロボロな人形に戻ってしまった・・・
 このドーリィちゃんの生き様?に感動した「いのちの星」は再びドーリィちゃんに命をふき込み、彼女は人間の女の子として生まれ変わることができましたとさ。

 ・・・テレビシリーズでは味わえない原作の重くて深いスピリットが感じられる感動作。七夕の夜にぜひどうぞ。ちなみに私はアンパンマンのキャラでは汽車の「エスエルマン」が好きです。あんま出ないけど。
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