『青春アタック』脚本㊷頂上決戦

出盆総合病院
ノックして病室に入ってくる看護婦。
「検温しますね~」
華白崎「・・・さっきしたような・・・」
狩野「ここの外科部長の名前は?」
看護婦「・・・え?」
その直後、看護婦を殴りつけて気絶させてしまう狩野。
倒れる看護婦。
すると、看護婦からポロリと催涙弾がこぼれ落ちる。
狩野「早い・・・!つけられたか・・・!」

病室に充満するガス。
すると、ガスマスクをつけ武装した黒服たちが、煙が充満した病室に殺到してくる。
しかし、入口のところで待ち伏せしていた狩野が点滴スタンドで黒服を殴りつける。
黒服「!!」
倒した黒服から、ゴム弾のグレネードランチャーを奪うと、後続の黒服たちを次々に倒していく。
狩野「入口が狭いからって一列で来るバカがどこにいるのよ・・・」

銃撃戦の中ベッドを横倒しにして隠れている華白崎とりかぜ。
足にギプスをつけながらも、りかぜを守る華白崎「・・・ゴルゴ13って実話だったんですね・・・」
クレヨンで手紙を書くりかぜ「願わくばスバルちゃんを表彰台の一番高い場所に登らせたかった・・・
PS・・・お土産はマトリョーシカでいい・・・?できた・・・」

黒服「なぜ、催涙ガスが充満しているのに、効かないんだ・・・!」
最後の一人にランチャーを向ける狩野。
狩野「なぜって・・・催涙ガスじゃないから・・・あれは私の車にあった発炎筒・・・
総裁に伝えなさい・・・親子ゲンカがしたいならいつでも受けて立つと・・・」
黒服「こ・・・これを総裁から預かったんです・・・
でも、狩野さんは抵抗するだろうから、無力化してから渡せと・・・」
小包を差し出す黒服。
ランチャーを黒服に向けたまま狩野「あなたが開けなさい。」
黒服「は・・・はい・・・」
手紙が出てくる。
狩野「読んでくれる・・・?」
黒服「3年間本当にご苦労様でした・・・
あなたは、高体連での裏方の仕事は自分の生きがいだと言ってくれましたが・・・
大切な高校時代に大好きなバレーボールを奪ってしまったことだけが悔やまれます・・・
もう脚のリハビリは済んだのでしょう・・・
あなたには高校で一緒にバレーをする約束をしていた親友がいましたね・・・
この最後のチャンスで、あなたが輝けることを祈っています。」
狩野「・・・ほかには?」
黒服「・・・ユニフォームです・・・」
狩野が中学時代に着ていたユニフォームが出てくる。
微笑む狩野「催涙ガスをまいて泣かせてから、はなむけの言葉を送るなんて・・・総裁らしいや・・・」



高体連本部ビル会議室
高級そうなテーブルに向かい合って座る、白亜高監督のさくらと、聖ペンシルヴァニア監督の芝。
破門戸「・・・この度は決勝進出まことにおめでとうございます・・・
参加した全国1350校の頂点がいよいよ来週決まりますが・・・
お二人をお呼びしたのはほかでもない・・・試合形式の確定です・・・
なにしろ、巨額の優勝賞金がかかっているので・・・運営側としてもトラブルは避けたいのですよ。
私としては、スタンダードな6人制バレーをお勧めしますが・・・」
さくら「私は芝先生に従うわ・・・」
芝「・・・さくらちゃんも年長者を立てられるようになったのね・・・
なんて思うわけないでしょう。何を企んでいるのかしら・・・」
さくら「いやだなあ先輩・・・」
芝「明日香ちゃんに聞いたよ・・・あなたは13年前とまったく変わってなかったって・・・
金をばら撒いて、うちのチームに強豪校を次々にぶつけてくれてありがとう・・・
おかげさまでこっちのチームはボロボロよ・・・私が何をしたって言うの・・・?」
さくら「・・・無差別テロだろ・・・
私はどうしょうもないクズ人間だって自覚はあるけど医者の端くれ・・・
あんたみたいな人殺しは嫌いでね・・・
鮎原姉妹を勝たせまくって、いったいいくら稼いだんです?
10億円の損害賠償請求は被害者に払えそうですか・・・?」
芝「・・・相変わらず面白いことを言う・・・そろそろバレーの話をしない?」
さくら「ええ・・・だから私はどんな形式でもけっこう・・・勝つのは白亜高校だから。」
破門戸「くっくっく・・・このやりとり・・・非常に懐かしい・・・
監督の私をないがしろにしているのも13年前と全く一緒だ・・・
では、聖ペンシルヴァニア大附属の芝監督の意向に全面的に従うということで、吹雪監督はよろしいでしょうか・・・?」
さくら「けっこう。」
芝「ひとつだけ言っておくけど・・・私の人生を狂わせたのは、未成年のあなたが酔っ払って相手選手を殴ったからよ。あれさえなければ、私はバレーボールを続けられたし、家族を失うこともなかった。」
さくら「はいはい・・・全部私のせいですよ・・・」
立ち上がる芝「負けたらソープランドにはあなただけが行きなさい。」
部屋から出ていく芝。

紅茶をすする破門戸「・・・昔はあんなに仲が良かったのに・・・さみしいですね・・・」
さくら「そういや、あんたの用心棒はどうしたの・・・?」
破門戸「ちょっと喧嘩しちゃいましてね・・・彼女は退職しました。」
さくら「監督・・・予定空いてる?よかったら一緒に飲まない?」
破門戸「・・・喜んで。」



屋台のおでん屋で日本酒を酌み交わすさくらと破門戸。
破門戸「あの時・・・読売ジャイアンツの監督の気持ちがわかりましたよ・・・優秀な選手を集めても集団競技はうまくいかないと・・・」
さくら「・・・ちょっと言いすぎちゃったかな・・・最近歳のせいかイライラしちゃってね・・・」
破門戸「ほほほ・・・あなたは昔から短気でしたよ・・・でも・・・誰よりも優しかった・・・」
さくら「うちのチームの悪性腫瘍とか言ってなかった・・・?」
破門戸「それは事実です。ただ・・・あの時、あなたが日本に帰化した狩野さんをかばって、ソ連の選手を殴ったとき、私も心の中で拍手してましてね・・・
まあ、あんなことは酒でも飲まないとできません。」
酒を注いでやるさくら「迷惑かけたね・・・監督。」
破門戸「・・・吹雪さん・・・ひとつ尋ねてもよろしいかな・・・」
さくら「・・・うん。」
破門戸「・・・なぜバレーボールの監督を引き受けたんです・・・?
あなたの性格上、二度とこの世界には戻ってこないと思っていた・・・
もしかして・・・」
微笑むさくら「・・・さすが監督。
でも、このことは内緒にしてくれないかな・・・一生のお願い・・・」
破門戸「・・・・・・。」
さくら「・・・でも・・・あの子達じゃなかったら引き受けなかったと思うな。
あの子達が・・・私を変えてくれたの・・・」
破門戸「あなたは選手に恵まれましたね・・・」
微笑むさくら「監督と違ってね。
あともう一つお願いがあるんだけどさ。」
破門戸「一生のお願いをさっき聞いた気がするのですが・・・まあ、いいでしょう・・・」
さくら「うちにさ、花原さんって女の子がいるのよ・・・
失踪した親の借金を返そうと必死に頑張っている子がさ・・・」
破門戸「花原・・・まさか・・・」
さくら「そう・・・万が一、そうだったら・・・傷つけてしまうかもしれない・・・
花原さんも・・・そして・・・あの人も・・・」
破門戸「お気持ちはわかりますが・・・隠し続けるのは不可能かと・・・」
さくら「・・・・・・そっか。」
破門戸「とはいえ、あなたの最後の頼みだ。
よろしい。高体連として出来る限りの忖度はいたしましょう。」
さくら「ありがとう監督・・・
ほんでさ、もし・・・あの子らが・・・このままプロになったらさ監督が・・・」
破門戸「くくく・・・何個わたしにお願いするんですか・・・ささ・・・」
さくらに酒を酌む破門戸。
さくら「オヤジ、熱燗もう一本つけて。今日の酒はいつもよりも美味いや。」



白亜高校の保健室。
自分に点滴をしているさくら。
高体連から届いた書類を手に取る。
さくら「・・・ビーチバレーと来たか・・・」



体育館
海野「決勝戦はビーチバレーなんですか!!??」
花原「・・・なにそれ?」
小早川「やっぱり砂浜でやるんでしょうか・・・」
ちおり「わーい!たのしそー!」
乙奈「水着でやるんですか・・・?わたくし恥ずかしいわ・・・」
山村「アメリカ西海岸でウェーイなサーファー連中がやってそうな茶番だな・・・」
さくら「マッスル、そういう偏見よくない。
3年前のアトランタ五輪では正式種目にも採用された、れっきとした競技よ。」
花原「海野さんやったことある・・・?」
海野「中学時代に神戸の海水浴場でレイちゃんとやったことがあるけど・・・」
さくら「確か大人相手に優勝したんだよね。ルールは覚えてる?」
海野「ええ・・・試合は2人ひと組で、2セット先取のラリーポイント制・・・」
さくら「それに足場が砂だし、ボールのエアがゆるいから、かなり勝手が違うのよね。」
花原「2人だけでバレーをするの?むずくね?」
ちおり「華白崎さんはロボットとシングルスでラリーしてたけどね!」
花原「じゃあできないことはないのか・・・でも、そうなると誰が出るの?」
さくら「できれば経験者がもうひとりほしいところねえ・・・」

体育館に入ってくる松葉杖の華白崎
華白崎「ここにいますよ・・・」
花原「カッシー!退院できたの?」
華白崎「というか・・・病院を強襲されて出て行かざるを得なくなったというのが正確でしょうか・・・」
ちおり「ちょっと何言ってるかわからない。」
海野「でも華白崎さんがビーチバレー経験者だなんて知らなかった・・・!足は大丈夫なの?」
華白崎「いえ・・・私ではなく・・・」
体育館に狩野が入ってくる「・・・おじゃまします・・・」
海野「レイちゃん・・・!!」
花原「で・・・でも、あんたは高体連のスタッフだから試合に参加できないんじゃないの?」
華白崎「・・・やめたそうですよ・・・」
狩野「・・・あの時の約束・・・覚えてる・・・?」
海野「う・・・うん・・・」
花原「感動に水を差すようで悪いんだけど・・・
ここに来てあのフリーザの部下がうちのチームに加入してくるのはめちゃくちゃ怪しくない・・・?」
山村「確かに、あのフリーザならスパイを送りかねんな。」
狩野「そう思われても仕方がないですよね・・・
でも選手としての参加は認められなくても・・・みなさんにビーチバレーを教えることはできます・・・」
さくら「私は狩野さんがうちに入ろうが構わないよ。あとはみんなで決めなさい。
スパイだと思うなら、塩を撒いて茨城県に送り返せばいいし。」
華白崎「海野部長。あなたが決めてください。
ただ・・・ひとつだけ言えるのは、網野りかぜさんを高体連から命懸けで守ってくれたのは、狩野さんだということです・・・」
海野「みんなは・・・どう思うの・・・?」
ちおり「私はレイちゃんとビーチバレーしたい!キリンさんみたいにでかいし!」
乙奈「わたくしも異論はありませんわ・・・海野さんの親友はわたくしの親友です。」
花原「・・・山村・・・あんたはどう思うの?」
山村「う~む・・・いい人ではあるとは思うのだが・・・溢れんばかりの殺気がたいへん気になる・・・
ブー師匠はどう思う?」
すると、ブーちゃんが突然ノールックで狩野に孔雀拳の脚をぶちかます。
狩野はとっさに腕で防御をするが、そのまま吹き飛ばされる。
狩野「くっ・・・!」
海野「ブーちゃん・・・!なにを・・・!!」
乙奈にぼそぼそつぶやくブーちゃん。
乙奈「・・・合格だそうです。一般人であれを受けたら、だいたい即死らしいので・・・」
ブーちゃんの拳法を初めて見て言葉を失う花原「・・・・・。」
狩野「はあはあ・・・私を信じてくれますか・・・?」
花原「あ・・あの・・・狩野さん・・・うちのチームに入ってくれるのは心強いんだけどさ・・・
その・・・賞金があるじゃん・・・それについてはどうなの・・・?
なんだかんだで、うちもこれで8人になっちゃうし・・・ひとりあたりの分け前が・・・」
狩野「もちろん、いただきませんよ・・・
私みたいな者を仲間に加えてくださるだけで嬉しいです・・・」
小早川「わたしもいりませんよ。先輩といっしょにいられるだけで幸せですから。」
花原「・・・え?」
ちおり「つーか、そんなことまだ言ってるの、花原さんだけだよ!」
花原「ちょ・・・ちょっと・・・みんなそんな守銭奴を見るような目で私を見ないで・・・きゃあああ!!」
山村「別に普通に見ているだけだが・・・」
海野「じゃあ、みんなレイちゃんを加えてもいい・・・?」
一同「異議なし!」
遠くで狩野を見て怯えている病田(私は嫌だな・・・)



九十九里浜で、ビーチバレーの練習をしている白亜高校。
それを座って見つめているさくら「・・・・・・。」
隣に座る病田「いよいよ明日ですね・・・」
さくら「・・・そうだね・・・ほいで、あさっては卒業式か・・・あっという間ね・・・」
病田「明日は誰を出場させるの・・・?」
さくら「すっごい悩む。
実はビーチバレーって普通のバレーよりもずっと高度だから・・・まあ、順当に行けばビーチバレー経験者の海野と狩野になるんだけど・・・なんか違う気もするんだ・・・」
病田「先生が決めたことなら、あの子達はきっと従いますよ・・・」
さくら「今の子って素直だもんね・・・校舎の窓ガラスを叩き割ってた私らとは違うわ・・・」
病田「た・・・叩き割ってたんですか・・・」
さくら「なんでああいうことをしていたのか自分でも謎だわ・・・多分やり場のない怒りを抱えてたのね・・・バレーに出会えてなかったら、何をしでかしてたか・・・」
病田が、さくらの手元に自分が執筆した小説が置いてあることに気づく。
病田「・・・そ・・・それって・・・」
さくら「買っちゃった・・・けっこう面白くて・・・これって実話・・・?
先生も苦労したんだね・・・ごめんね・・・
もしかしたら、私はこういう子をいじめていた側だったからさ。」
病田「あはは・・・」
さくら「・・・先生・・・あたし、最近死ぬのが怖いんだけどさ・・・どうすればいいかな・・・」
病田「・・・え?」
さくら「先生は小さい頃から難病と付き合ってきたわけじゃん。
自分の死にどう向き合ってきたのかなって・・・」
病田「私だって怖いですよ・・・死んじゃったら、みんなともう会えないし・・・
でも・・・こう考えるようにしていました・・・
死は人生の卒業式なんじゃないかって。
卒業してみんなと別れちゃうからって、絶望して友だちを作らない人はいませんよね・・・
私は作りたくても、できなかったけど・・・学校は楽しいところです・・・
だから私は・・・この職業を選んだ。」
さくら「卒業・・・か・・・」
病田「そして・・・桜の咲く頃には・・・新しい子が入学してくる・・・
希望を胸に抱いて。」
病田の小説を手にとって立ち上がるさくら
「病田先生・・・ありがとう・・・私を監督に誘ってくれて。あんたは長生きしてくれよ。」
病田「が・・・がんばります・・・」
砂浜に向かってさくら「あ~違う違う!ビーチバレーでフェイントをかけるんじゃない!」
ちおり「だめなの~?」
さくら「反則取られるんだって・・・!まってな・・・!」
ビーチバレーのコートにかけていくさくら。
その姿を見つめて、目に涙を浮かべる病田。
病田「そんな・・・」

『青春アタック』脚本㊶不敗神話

――1985年。
どこかの体育館でバレーボールの大会が行われている。
観客たちの大歓声。
選手「点差は開くばかりだわ・・・」
スコアボードのアップ。
JPN16点、USA24点
カウガールのようなバレーボールアメリカ代表「HAHAHA!ファッキンジャップくらいわかるYO!」

タイムを取る日本代表。
破門戸ジャパンの選手――狩野紗耶
「冷戦ファイナルラウンドね・・・やはり昨夜のうちにホテルで連中を暗殺するべきだったわ・・・」
吹雪さくら「怖いんだよ、お前は・・・」
寺島明日香「冗談は置いといて・・・どうする?さくらちゃん、何か手は?」
さくら「・・・私がいつでも奇策を思いつくと思わないでくださいよ先輩・・・
ドラえもんじゃねえんだ・・・」
有葉奈央「わたしはもう鬼怒川温泉に浸かりたい・・・」
すると、コートに入ってくる謎のバレー選手「みんな!試合はまだ始まったばかりよ・・・!」
病田通代女「・・・いや・・・もう終局のような・・・」
謎の選手「希望を捨てなければきっと勝てるわ・・・!」

――あの日、本当に奇跡は起きたんだ・・・
破門戸ジャパンは、世界ランキング一位のアメリカ代表に逆転勝ち・・・
あの人は、誰よりも賢く・・・誰よりも優しく・・・そして誰よりもバレーボールが強かった・・・
・・・その才能をバレーボールだけに使っていれば、あんな大事件は起きなかったのに・・・



東京駅前の大型書店で写真集のサイン会を行っている鮎原姉妹。
出版社の編集者「美少女双子姉妹の女子高生時代最後の写真集となります!
ぜひ、この機会にお買い求めください・・・!」
ファンの長蛇の列。
ゴスロリのフリルだらけの学生服を着て、笑顔でファンの写真集にサインをする幹。
対照的に、Tシャツとジーパンを着て、学校のジャージを羽織っている咲。
幹「あなた・・・双子の統一感を出しなさいよ・・・
イノセント出版は私たちのおおぐちスポンサーよ。
毎年お歳暮で新作ハードを送ってきてくれるんだから。」
咲「そんな服着るくらいなら、私は死ぬわ。」

その様子を見つめているマネージャーのようなおばさんの携帯電話が鳴る。
マネージャー「はいもしもし・・・」
マネージャーが鮎原姉妹に耳打ちをする。
「準決勝の結果が出ました・・・」
小声で幹「・・・で?どっちが私たちの相手・・・?」
小声でマネージャー「海野美帆子です・・・」
突然立ち上がって叫ぶ咲「なんですって!!」
幹「あのチームが詩留々を破ったっていうの・・・?」
咲「言ったとおりになったね・・・芝さん・・・」
冷静な幹「そういえば、この前高体連に行っていたけど、それもこの結果に関係があるの・・・?」
マネージャーの芝「いえいえ・・・あれは、ただのパートです・・・」
咲「給料足りないの・・・?ごめんね・・・・・・来月から2倍にするね・・・」
幹「わたしのバーチャルボーイもあげるわ・・・」
芝「あはは・・・」



聖ペンシルヴァニア大付属高校。
部室の隣のマネージャー専用の小さな部屋に入っていく、聖ペンシルヴァニア大付属高校女子バレー部の監督・・・芝衣舞。
部屋の中には、白亜高校の部員の写真やデータなどが壁にびっしり貼り付けられている。
ずらりと並んだモニターには、白亜高校の今までの試合が全て録画されている。
野生動物と戦った三畳農業高戦。
9人制バレーで戦った上武商業高戦。
海野ロボやクローン人間と戦った詩留々高専戦・・・
一番奥の壁には「借金返済まであと6億円」と書かれた紙が貼られている。
「・・・鮎原姉妹を優勝させれば・・・私は自由・・・自由なんだ・・・
でも・・・」
ヘアバンドを外してメガネを取る芝。
美しいロングヘアーが解かれ、大人の色気をまとった美女の顔が顕になる。
花原めぐなの大会の写真を見つめる芝。



白亜高校
生徒会室に入ってくる海野とさくら。
生原「おかえり!」
花原「・・・網野さんは・・・?」
海野「ストレスがかなり溜まっていたみたい・・・でも・・・命に別状はないって・・・」
花原「よかった・・・」
乙奈「華白崎さんの怪我のほうは・・・?」
さくら「そっちは結構やばくて・・・骨が折れてたのよ・・・
残念だけど、この大会の出場はもうダメだ・・・
・・・ドクターストップをかけてよかった・・・」
花原「カッシー・・・」
さくら「でも、同じ病室のりかぜちゃんと楽しく数学談義をしていたよ・・・これお土産。」
高崎駅で買ったラスクを机の上に置くさくら。

さくら「さて・・・いよいよ決勝戦だ・・・泣いても笑ってもこれが最後の戦い。
詩留々高専との激戦で鮎原姉妹は手負いの獅子だが・・・
ボロボロなのは我々も同じ・・・」
絆創膏だらけの小早川「わたしはまだ、走れます・・・」
乙奈「わたくしもサーブはまだ打てますわ・・・」
無傷のちおり「わたしもトスを上げられるよ!」
花原「お前だけは無傷だからな・・・」
さくら「よろしい。では、鮎原姉妹がなぜ絶対王者と呼ばれているか・・・その理由を教えよう。」
花原「ふつうにバレーがうまいからなんじゃないの?」
さくら「純粋ねえ、花原さんは。
もしそれだけの理由で負けなしなら、私は何個も金メダルを取っているわよ・・・
つまり、どんなプロでも不敗はありえない。しかし、鮎原姉妹は絶対に負けない・・・なぜ?」
乙奈「つまり・・・大会主催者が忖度をしている・・・と?」
指を鳴らすさくら「さすが芸能界の漆黒を知る乙奈さんだわ・・・」
花原「ちょっと待って!あいつら八百長をやっているって言うの・・・!?」
さくら「そこまでは言っていないよ・・・でも、地位と金と知恵さえあれば自分たちに有利なシチュエーションはいくらでもお膳立てできる・・・実際私たちも、2億の金で勝ち抜けたわけでしょう?」
海野「でも・・・詩留々高専での神風は・・・?」
さくら「あれは本当に珍しいパターンね。りかぜちゃんというとんでもない天才に、おそらく人生で初めて追い込まれたんじゃないかしら・・・
・・・さて、この日本を支配しているのはズバリどこ?」
花原「・・・え?この日本にそんな黒幕がいるの・・・?」
ちおり「私知ってるよ!あの優しいおじいちゃんでしょ?きんじょうてんの・・・」
花原「やめろ。」
さくら「与党の自由民政党と、その圧力団体である経団連よ。
そして経団連の会長こそ・・・鮎原姉妹の祖父・・・豊臣藤吉郎・・・
豊臣自動車はバブル崩壊後も時価総額が55兆円でダントツ。
つまり・・・おじいちゃんにおねだりすれば、鮎原姉妹は死ぬほど金が使えるの。」
花原「ち・・・ちくしょ~!なんて羨ましいんだ~~!!」
さくら「さらに・・・向こうにはとんでもない参謀がいてね・・・
地位も金も知恵もあるわけ・・・」
乙奈「あら、吹雪監督が他人を一目置くのは初めてですわ・・・」
さくら「まあね・・・人生でこいつにはまったく勝てないなって思ったのは後にも先にもそいつだけ。」
花原「・・・勝てるんですか・・・?」
さくら「言ったでしょう?わたしは勝てない勝負はしない。ぶっつぶす。」
花原「まじか・・・」
さくら「あなたたちは船で鮎原の妹に会ったよね?どんな印象だった?」
花原「・・・え?」
さくら「金持ちを鼻にかけた嫌な奴だった?」
花原「・・・なんかいい人だったような・・・なんかフェアプレーとか言ってたし・・・」
海野「うん・・・咲ちゃんも幹ちゃんもいい子だと思うな・・・」
さくら「その通り・・・あの姉妹はフェアプレーで純粋にバレーボールを楽しみたいんだ。
大人たちがお膳立てをした接待試合なんてもうたくさんなのよ・・・
だから、詩留々高専のイニング制のバレーボール勝負に乗っかってきた・・・
知らないルールにワクワクできるから。」
海野「確かに、勝ちが決まっているスポーツなんてやってて面白くない・・・」
花原「じゃあ、今度も特殊なルールのバレーボールを持ちかければ・・・」
さくら「あの姉妹は必ず乗ってくる・・・」



聖ペンシルヴァニア大附属高校
ポカンとする咲「・・・ビーチバレー?」
ゲームボーイをしながら幹「あの2対2でやるやつ・・・?」
芝「はい・・・現在私たちのチームは、咲ちゃんと幹ちゃん以外は満身創痍です・・・
それに・・・この前の白亜高校の試合を見て・・・
あの学校の選手には全員とんでもない特殊能力があることが判明しました・・・素人の弱小チームだと思ってたけど大違い。
全国レベルのオールラウンダープレイヤー海野美帆子と華白崎桐子・・・
予測不能のサービスエース、乙奈ひろみ・・・
レシーブの職人、高木智子・・・
アウトボールをすべてコートに戻す超速スプリンター、小早川一咲・・・
安定したトスを打つ天才セッター、生原ちおり・・・
そして・・・
野生のくまを吹き飛ばす驚異のアタックを繰り出す花原めぐな・・・
2人に絞ってしまった方が勝機はあります・・・」
咲「たしかに・・・
幹ねえはどう思う?」
ゲームボーイのボタンをいじる幹「私は楽しければなんでもいいよ。
でも、向こうが乗ってくるかな。6人が2人になっちゃうわけで。」
芝「もって行き方しだいかと・・・」
幹「・・・それで、水着でやるの?風邪ひかない・・・?」
咲「もう暖かくなってきたし大丈夫じゃないかな。」
幹「あと、東京体育館にビーチはないけど、それはどうするの・・・?」
芝「すでに、横浜の赤レンガ倉庫に特設ビーチを用意しました。」
咲「幹ねえ、楽しそうじゃない!」
幹「いいよ。全部芝さんに任せる。
あとは、白亜高校をうまく説得してくださいな。」
芝「・・・かしこまりました。」



高体連本部ビルの総裁室
ネコを撫でる破門戸「ハッキングの犯人を見逃したのですか・・・?
あなたにしては手ぬるいですねえ・・・」
狩野「私が駆けつけた時には死にかけていたので・・・」
破門戸「なら、とどめをさせばよろしいでしょう・・・」
狩野「総裁・・・私がこれまで手を下した人間は、私腹を肥やし他者を踏みにじる悪人です・・・
しかし・・・今回は違う・・・
大切な親友のために行ったことです・・・私に免じて見逃してくれませんか・・・?」
総裁「あなたの気持ちはわかりますが・・・それを許すと、今後友人やチームのためだとうそぶいて平気でルール違反をするチームが増えそうですねえ・・・
それに・・・そのクローン・・・本当に忍び込んだのは友人のためなのでしょうか・・・
優勝賞金で、自分自身の開発にかかった費用を返済したかったんじゃないですか・・・?」
資料を机に投げる破門戸。
資料を手に取る狩野。
破門戸「・・・開発費用がちょうど6億円だ。」
震えた声で狩野「・・・どこの世界に、自分が生まれるためにかかった費用を返済しなければならない子どもがいるんですか・・・」
破門戸「分かりました・・・この件はあなたが手をくださなくてもよろしい。他の者にやらせますよ。
ゆっくり休んでいてください・・・」
ひざまずく狩野「震災で死にかけていた私を救っていただいたのは総裁です・・・!
傷ついた者には手を差し伸べる・・・
同じことではないですか・・・!お父さん・・・!」
破門戸「あなたが私の娘だと思っているなら、親の言うことには従うものです。」
立ち上がる狩野「・・・分かりました。網野りかぜの息の根を止めます・・・
しかし・・・これを私の最後の仕事にさせてください・・・」
破門戸「ほう・・・」
深々と頭を下げる狩野「3年間・・・ありがとうございました・・・」
部屋を出ていく狩野。

部屋に入ってくる黒服「・・・どういたしますか?」
破門戸「・・・相手はロシアの暗殺者の末裔です・・・くれぐれも仕損じないように。」



出盆総合病院の病室
チェス盤のアップ。ルークが逆さにひっくり返っている。
華白崎「ちょっと・・・これはダメだから・・・」
りかぜ「え・・・?ならないの?」
華白崎「将棋じゃないんで・・・やめてください・・・はい、チェック。」
りかぜ「ちょ・・・!ちょっと待った・・・!」
華白崎「あなた、何回目ですか・・・」
りかぜ「歩兵3体と交換条件で、3ターン前に戻さない・・・?」
華白崎「そういうゲームじゃないって何度・・・」

2人の病室に息も絶え絶えに入ってくる狩野。
狩野「クローン人間はいる・・・?」
手を上げるりかぜ「・・・は・・・はい・・・」
華白崎「その呼び方やめてくれませんか?網野さんにはちゃんと名前があるんだから。」
狩野「はあはあ・・・ご・・・ごめんなさい・・・気を悪くしないで・・・」
りかぜ「いえ・・・」
狩野「りかぜちゃん・・・この病院から出たほうがいいわ・・・」
りかぜ「退院ですか・・・?」
狩野「私に正直なところを教えて・・・あなた・・・高体連のビルに侵入して、白亜高校の血液サンプルを盗んだんじゃない・・・?」
華白崎「・・・え?」
狩野「違ったらごめんね・・・証拠は一切ないし・・・
でも・・・あなたじゃないとあのセキュリティシステムは絶対に突破できない・・・」
頷くりかぜ「・・・はい・・・」
華白崎「だから、我々そっくりなロボットが作れたんだ・・・」
りかぜ「・・・ほ・・・本当にごめんなさい・・・あたし・・・罪を認めて警察に出頭します・・・」
狩野「・・・正直に話してくれてありがとう・・・
白亜高校の吹雪監督が動いてくれたから、あなたが警察に捕まることはない・・・でも・・・
高体連はあなたを絶対に許さない・・・ここにいたら殺されるわ。」
華白崎「なんですって・・・!?」
狩野「私も戦闘の心得が多少あるから、数人までなら撃退できるけれど・・・武装した集団でこられたらもう敵わない・・・なので、あなたには私の祖国でしばらく身を隠して欲しいの・・・」
コンテナ輸送船のチケットを渡す狩野。
狩野「税関には話は付けておいた・・・あなたは貨物庫のアカゲザルのコンテナの中に入ってほしい・・・」
りかぜ「ま・・・まあ・・・入れないこともないか・・・」
華白崎「確かに窃盗は犯罪ですが・・・なんで殺されなきゃいけないんですか・・・!」
狩野「・・・見せしめよ。
お願い・・・この計画でうまくいくのか・・・未来を予知できない・・・?」
首を振るりかぜ「・・・もう、その力は使わないことにしたんです・・・
狩野さん・・・ありがとう・・・あなたのその気持ちだけで嬉しい・・・
私・・・コンテナ船に乗ります。最後にスバルちゃんへの手紙だけ書かせてください・・・」

『青春アタック』脚本㊵奸雄終命

高体連本部ビル
黒服たちを集めて捜査本部を立ち上げる狩野。
狩野「高体連のローカルエリアネットワークは外部から完全に遮断されている。
警察は必死に存在しないハッカーを探しているけど、そもそも高体連のセキュリティシステムに外部が侵入することなど不可能よ・・・どういうことかわかる?」
黒服たち「・・・・・・。」
ロケットランチャーを黒服たちに向ける狩野
「この中に内通者がいるってこと。」
慌てる黒服たち「我々では決してありません・・・!」
狩野「このパンツァーファウストで木っ端みじんになったやつは、生前だいたいそんなことを言ってたわ・・・」
土下座する黒服たち「我々は高体連を絶対に裏切りません!」
黒服A「裏切者はお前だろ!」
黒服B「な・・・何を言うか、それならお前だろ!!」
引き金に指をかける狩野「・・・もう誰だかわからないので、全員食らっとく・・・?」
パニックになる捜査本部。
その時、後ろの席で一人の中年女性がパイプ椅子に座って、いびきをかいて寝ている。
狩野「・・・誰?」
黒服「先週入ったパートのおばさんです・・・」



給湯室
ださいメガネをかけた司書のようなパートのおばさんがお茶を入れている。
給湯室に入ってくる狩野「総裁はアールグレイを好むわ・・・」
微笑むおばさん「これはわたしが飲む煎茶。」
狩野「あの状況でよく寝てたわね・・・」
おばさん「あの狭い部屋でロケットランチャーは撃てないわ。あなたも吹き飛んじゃうもの・・・」
狩野「あなた・・・何者なの・・・?」
おばさん「ハッキングが外部攻撃ではないことに気づいたのは鋭いわ。
ビル内のセキュリティシステムはインターネットに接続されていないから外からの侵入は不可能・・・
それに、仮に侵入できたとしてもRSA暗号の突破には、1000桁の素因数分解を計算しなければならない・・・素数の規則性が不明な以上、どんな天才でも歯が立たないわ・・・」
狩野「では、血液サンプルの紛失はわたしの気のせいかしら・・・?」
おばさん「桁の大きな素因数分解は不可能だけど・・・二つの素数の積は電卓で簡単に出せるわよ。」
狩野「・・・システム開発元か・・・」

資料庫のカギを開ける狩野。
書類をあさるパートのおばさん。
おばさん「あった・・・プロメテウス・テクニカルサービス・・・」
狩野「・・・この一流企業がちんけな盗みをする動機は?」
おばさん「一流企業が自社で製品を作ると思う?下請け、孫請けがいる・・・」
すると、ある資料を狩野にわたす。
おばさん「はい。見つけた。」
狩野「詩留々高専情報工学科・・・」
おばさん「つながったわね。」



華蔵寺公園
バックアタックを決めるスバル「おらああ!」
スコアボードは「詩留々22―白亜17」で逆転している。
実況「すごい展開になりました!百発百中のバックアタックはまさにスナイパー!」
スバル「あと5点取ってコールド勝ちだ!」
火野「うちの主将が確変に入ったぞ!!」
月野「スーパーラッキー!」
息を切らす海野「・・・強い・・・!」
花原「前衛が全員アタックができるからブロックがしきれないよ・・・」
水野の必殺サーブをレシーブしまくり、さすがのブーちゃんも腕が赤くなっている。

さくら「・・・まいったね。うちの連中に疲れが出てきた・・・」
山村「まだ、三回の表だが・・・」
さくら「バレー歴3か月の素人が、全国レベルの選手である海野5人とやり合ってんのよ?
埼玉県のクズ相手とは疲労度は段違いよ・・・」

スバル「どうだい?こちとら打倒海野で一年間必死に練習を重ねてきたんだ・・・
賞金目当ての素人には絶対負けない・・・!」
海野「スバルちゃん・・・」
スバル「あんたが言う通りバレーボールは楽しいよ・・・もしかしたらソフトボールよりもな・・・
だが・・・強敵に勝つのはもっと楽しいだろ・・・」
海野「そうだね・・・決着をつけよう・・・!」

海野と互角のラリーの応酬をするスバル。
スバル「嬉しいぜ・・・!バレーボールで初めて敗北を教えてくれた、あこがれの選手とここまでの打ち合いができてよ・・・!」

さくら「・・・執念だな。」
山村「なにか手はあるのか・・・?」
さくら「この戦いに小細工は野暮ってもんよ、マッスルくん。
ただ・・・ロボットには疲労はないと思っていたけど・・・あんな繊細な動きを制御しているんだ・・・
バッテリー的に、もしかしたらそこまで長時間は稼働できないのかもしれない・・・」
山村「・・・では、両者の根性で勝負は決まると・・・?」
さくら「プロのバレーボールの勝敗はだいたいそこで決まるのよ。
ゲームには必ず流れと・・・潮目がある・・・」

りかぜ(・・・さすがに勘づいたか・・・試合時間を夜にしたのは失敗だった・・・
木野さんの無回転サーブで短期決戦のはずが、ここまで互角の長期戦になるなんて・・・
彼女たちの太陽充電式のバッテリーパネルはあとどれだけ持つか・・・
お願いスバルちゃん・・・ここで勝負を決めて・・・!)

りかぜの様子に目をやるさくら。
さくら「・・・ねえ、詩留々のマネージャーさん。」
りかぜ「・・・?」
さくら「・・・私はコートの選手よりもあなたの体調が心配よ・・・
体・・・丈夫じゃないんでしょう?」
りかぜ「ここにきて敵に同情ですか・・・」
さくら「あなたは勘が鋭いのよね・・・自分の未来はわからないの・・・??」
りかぜ「何が言いたいのかしら。」
さくら「・・・医者として忠告するわ。あなた・・・このままだと過労死する・・・」
りかぜ「バカバカしい。」
さくら「・・・私には超能力者のことは分からないし、今まで信じてなかったけど・・・乙奈さんのサーブを予知してから、もうフラフラじゃない。せめて椅子に座ったら?」
りかぜ「選手が頑張っているのに私だけ座れないわ・・・」
さくら「・・・あなたがここで意地を張って倒れても、私には治療ができないのよ?
サイキック少女の病理経験なんてないんだ・・・」
りかぜ「・・・チームのためなら本望よ・・・」
さくら「たかがバレーボールに、あなたは命をかけるの?」
りかぜ「そうよ・・・!あなただってそうでしょう!?」
悲しそうな目でクローン人間を見つめるさくら「・・・・・・。」

主審の笛がなる。
実況「ついに9点差だ~!!詩留々高専のコールド勝ちまであと1点!」

山村「おい!とうとう追い込まれたぞ!!」
ぼろぼろな両選手。
花原「ここまで来て・・・負けてたまるか・・・!華白崎さんに申し訳が立たないわ・・・!」
海野「勝負はまだ決まっちゃいない!がんばろう!」
小早川「アウトボールは全てお任せください・・・!」
ふらふらする木野「まずいですわ・・・もうバッテリーがない・・・」
水野「スバルちゃん・・・私たちはもう限界・・・」
月野「にゃ~・・・」
金野「止めをさしてください・・・!」
火野「頼んだわ主将・・・!私たちの思いを・・・!」
スバル「おう・・・!この部は、うちが絶対に守る!!」

慌てる山村「どうするんだ!?あんたのことだ!奥の手はあるんだろう?」
缶ビールを傾けるさくら「あるっちゃあるけど・・・
バレーボールはバレーで勝敗をつけたほうがいいんじゃない?」
山村「負けるんだぞ・・・!??」
さくら「・・・山村くん、負けのない人生なんてこの世にないのよ。
しかし人生でひとつだけ取り返しのつかないことがある・・・」
りかぜの方を向くさくら「あんたみたいに命を粗末にすることよ・・・」
りかぜ「人気者の吹雪さくらに何がわかるんだ・・・
巨額な開発費を回収するために、生まれた時からずっと見世物小屋の珍獣のように扱われた・・・
5才で二次方程式の解の公式を書いたときは喝采が起きたわ・・・」
さくら「・・・・・・。」
りかぜ「でも・・・私が三次方程式の解を一般化したときには、もう世間はクローン人間に飽きていた・・・
製造会社の人間には、金食い虫と罵倒され見捨てられたわ・・・
あるとき、クローン人間を恐れた人権団体が、帰る家のない私を拉致して炎天下の野球場に放り出したの・・・
その球場がここよ・・・」
さくら「でも、あのスバルがお前を救ったんだろ!!
こんなことして、あの子が喜ぶと思うのか!!」
吹雪さくらが初めて本気で怒る姿にびくっとする山村。
白亜高校のチームを指差すさくら「あの子たちが順風満帆な人生を歩んでいると思うの!?
誰だってみんな、人には言えない苦しみを抱えて必死に生きてるんだ!
私の部員は、お前のように生きることを諦めたりはしない!!」
目に涙をたたえるりかぜ「・・・見えないのよ・・・」
さくら「・・・?」
ガタガタ震えるりかぜ「もう・・・」
りかぜ「わたしの未来が・・・」

スバルの強烈なアタックをレシーブをするブーちゃん。
しかし、とうとう疲労が頂点に達したブーちゃんはラフプレーをしてしまいボールがコートアウトする。
猛ダッシュでそのボールに飛んでいく小早川「・・・・・・!」
スコアボードと審判台の方に行ったボールを飛び込みレシーブでひろう小早川。
小早川と激突し、ガシャーンと大きな音を立てて倒れるスコアボードと審判台。
小早川「うぎゃあああああ!!」
海野「・・・小早川さん!!」
乙奈「大事故ですわ!!」
土煙が上がるが、そこからポーンとボールが返ってくる。
花原「ボールは生きてる!!」
ちおり「海野さん!」
勢いよく飛び上がって体を反らす海野「・・・負けない!!」
渾身のスパイクを放つ海野。
剛速球はスバルの方へ向かうが、もはやスバルはボールの方を向いていなかった。
コートに叩きつけられるボール。
ちおり「やったー!」
花原「これでチェンジよ!あぶね~!!」

しかし、スバルはボールなど全く興味がない様子でコートの外に駆け出していく。
コートの外では、網野りかぜが意識を失ってうつ伏せに倒れていた。



試合中断。
網野りかぜの制服を脱がせて、胸を必死に両手で押すさくら。
人工呼吸を繰り返す。
さくら「誰か・・・車を・・・!!お願い・・・本当に死んじゃうわ・・・!!」
球場に狩野が入ってくる。
海野「・・・レイちゃん・・・!」
駆け寄ってくる狩野「私が車を出します!救急病院は近いわ・・・!」
息を切らせるさくら「よっしゃあ、呼吸が戻った・・・!
出盆総合病院の倉井外科部長を頼りなさい。ERの神様よ。吹雪さくらの友人だって言って!」
狩野「分かりました・・・!」
さくら「冷静にね。くれぐれも交通事故には気をつけて。」
頷く狩野。
小さくか弱いりかぜを両手で抱えて車に乗せる狩野。
スバル「うちも連れてってくれ・・・!」
狩野「試合は棄権となりますが・・・」
スバル「あいつと勝たなきゃ意味がないんだ!!」
狩野の車に乗り込むスバル「狩野さんよ、頼む・・・!うちのかけがえのない友達なんだ・・・!」
狩野「しっかりつかまってなさい・・・」
球場を出て行く自動車。

小さくなる車を見送る白亜高校バレー部。
花原「大変なことになっちゃったわね・・・」
海野「レイちゃんが都合よく来てくれて本当に良かった・・・」
小早川「もし死んじゃったら・・・」
小早川を小突くブーちゃん。
小早川「ごめんなさい・・・」
さくら「大丈夫・・・大丈夫だから。」
ちおり「なんで倒れちゃったの・・・?」
ちおりを優しくなでるさくら「ちょっと無理しちゃったんだよ・・・
お友だちのことが大好きだったからね・・・」
祈る乙奈「主よ・・・
どんな形で生を受けても、人の命は平等なはずですわ・・・あの子をお救いください・・・」

今度はパトカーが会場に集まってくる。
山村「今度は何だ??」
警察官「・・・網野りかぜさんはいますか?
電波法違反、住居侵入、窃盗の容疑で逮捕状が出ています・・・!」
さくら「あら・・・日本の警察もバカじゃないのね・・・」
警察官「今なんか言いました?」
さくら「なにも・・・」
警察官「ここに大人はあなただけですか?」
さくら「・・・あの子が何を盗んだって?」
警察官「あなたがたの血液サンプルです。」
さくら「馬鹿な子・・・」
さくらが詩留々高専のコートを振り返ると、海野ロボがバッテリー切れで倒れている。

さくら「逮捕状を出すのは結構だけど・・・
あの子が高体連のシステムをハッキングした証拠はあるのかしら・・・?」
警察官「・・・え?」
さくら「それに盗まれた血液はそもそも高体連のものじゃない・・・わたしら白亜高校のものよ・・・
被害届なんか出してないんだけど?
こんな強引な捜査して許されるのかしら・・・?」
警察官「しかし・・・高体連が・・・」
さくら「破門戸だろ?
あんな詐欺師に忖度してんじゃないよバカ警察・・・
とっとと帰んな・・・今のわたしは機嫌が悪い・・・」
警察官「ちょっと、あなたね・・・!」
さくら「この一部始終を私の友人が録音してんだけど?」
警察官の上司「おい・・・!帰るぞ・・・」
球場から出て行くパトカー。

マウンドに降りてくるつよめ「・・・警官を殴るかと思った・・・ハラハラさせないでよ・・・」
さくら「そこまでバカじゃないわよ。」
山村「もしかして・・・監督は知っていたのか?」
さくら「必ずなにか手を打ってくると思ったから・・・つよめにりかぜちゃんを尾行させててね・・・
うちらの血液を盗んだ証拠写真を突きつければ、相手をいつでも反則負けにすることができた・・・
でも・・・そこまでして勝つ気にはなれなくってね・・・」



出盆総合病院
病室のベッドで目を覚ますりかぜ「・・・試合は・・・?」
涙を流すスバル「よかった・・・本当に・・・」
りかぜ「廃部期間は10年よ・・・」
スバル「10年後にまた二人でやろうや・・・」
目が潤むりかぜ「なんでそこまで・・・」
スバル「・・・そういう運命だから。」

――白亜高校決勝進出。

『青春アタック』脚本㊴縦横無尽

東京都千代田区の高体連本部ビル
警察のパトカーが集まっている。
本部ビルのセキュリティルーム。
コンソールを叩いて防犯カメラの履歴を確認する狩野
「・・・あのセキュリティシステムをハッキングするのは不可能よ・・・」
敬礼する警察官「破門戸閣下のご期待に応えられるよう、犯人を全力で捜査します・・・!」
微笑む破門戸「ほほほ・・・頼みましたよ・・・」

警察の捜査現場から離れる二人。
狩野「・・・警察のサイバー捜査班に任せますか?」
破門戸「ご冗談を。我々の難攻不落の防衛を突破し、痕跡ひとつ残さずに消えた亡霊のようなハッカーですよ・・・機械音痴の日本の警察の手に負えるわけがない・・・
それで・・・被害は?」
狩野「・・・白亜高校の部員の冷凍された血液サンプル6本・・・」 
破門戸「それだけ・・・?」
頷く狩野「ええ・・・抗体検査用の・・・」
笑う破門戸「くっくっく・・・そんなものを欲しがる人間は非常に限られるでしょうね・・・」
狩野「どういたしますか・・・?」
破門戸「我々も随分なめられたものだ・・・キーは持っていますね?」
何かの鍵を取り出す狩野。
その鍵で、地下倉庫のロッカーを開ける。
ロッカーの中にはロケットランチャーが入っている。
狩野「気の毒だけど本当の亡霊になってもらうわ・・・名も無きハッカーさん・・・」



伊勢崎華蔵寺公園の球場
実況「さあ、春の高校バレーバトルロイヤル大会準決勝も3回の表になりました!
白亜高校は激戦の末、選手一名が負傷・・・このピンチをどう乗り切るのでしょうか!!」
スコアボードは「詩留々高専13-白亜高校17」

出場を予想してなかった小早川「えええ!?私が出るんですか・・・!?」
さくら「ついに出番よ、リニアガール!」
花原「つーかなんで、あんた制服着てるのよ!」
海野「・・・ユニフォームは・・・?」
小早川「下に着てますけど・・・」
花原「なら、早く脱ぎなさい・・・!カッシーの代わりをやってもらうわ!」
海野「急いで、急いで・・・!」
みんなにセーラー服を脱がされる小早川
小早川「あたた・・・ブラジャーも脱げてます・・・!」

その様子を眺めているスバル「・・・誰だあいつ・・・?」
りかぜ「・・・控え選手だと思うけど・・・試合に出るとは思ってなかったみたいね・・・」
スバル「バレー経験者だと思うか?」
首を振るりかぜ「白亜高校にバレー部は一人しかいない・・・」
スバル「じゃあ、あいつは一体何者なんだ・・・?」

コートに入る小早川
「あわわ・・・こんなハイレベルな試合に私なんかがお邪魔していいのでしょうか・・・」
ざわめく火野「うお、なんか知らない人が入ったぞ!秘密兵器か・・・!!」
月野「きっとすげー選手だ!」
小早川「ああ・・・なんかすごい期待されてます・・・」
花原「緊張することないわよ・・・あなたならできるわ・・・」
ちおり「海野さん以外はみんなバレー素人だしね!」
小早川「し・・・しかし・・・!あんなハイレベルな試合を見せられた後では・・・
あたし・・・かけっこしかできない・・・!」
海野「小早川さん、深呼吸!」
乙奈「ええ、まずは落ち着くことです・・・チョコレートの箱は開けてみるまで・・・」
取り乱す小早川「その例え難しくてわからない・・・!」

スタンドの控え席に座る華白崎
「・・・わたしのせいで小早川さんにすごいプレッシャーを与えてしまった・・・」
華白崎の足首をアイシングするさくら「あなたは自分の体の心配だけしてればいいの・・・
おし、応急処置は完了。
病田先生・・・車でカッシーを近くの病院に連れてってくれない?
この時間だと・・・夜間外来かな。レントゲンを取らないとね。」
病田「わかりました・・・」
華白崎「私は大丈夫です・・・試合の行く末を見させてください・・・」
さくら「だめ。
誰よりも我慢強いあなたが涙をこぼしたのよ・・・?
万が一骨が損傷していたら養護教諭として責任が取れない・・・」
華白崎「生徒を風俗に売っていたのに、いつからそんな生徒思いになったんですか?監督・・・」
さくら「情がわいちゃったのよ。足首は固定したから動かさないように。
病田先生・・・お願い。」
駐車場へ駆け出す病田「車を近くに持ってきます。」
さくら「・・・さて。マッスル山村。出番よ。」
スコアノートに目をやる山村「・・・何を言っているのか、さっぱりだ。」
真剣な顔になるさくら「そういう冗談はいいから。
世界中で山村くんだけなの。あの子に勇気を与えられるのは・・・」

ガタガタ震える小早川「私のせいでみなさんが負けたら・・・」
笑顔でちおり「だいじょうぶだよ!
それに仮に負けても、みんなでソープランドっていうテーマパークで遊べるよ!」
慌てる花原「バカ・・・!」
ショックで泣いてしまう小早川「ひいいい!お嫁さんの前に泡嬢はいや!」
山村「かずさよ・・・恐れるな・・・!われがついている・・・!」
小早川「先輩・・・わたし・・・怖い・・・!」
山村「笑止・・・いったい何を恐れることがある・・・?」
小早川「わたしは強い先輩とは違う・・・弱虫だから・・・」
すると山村が立ち上がって小早川に近づく。
小早川「・・・先輩?」
すると、小早川を持ち上げて肩に乗せて、お尻を叩く山村。
ケツを思い切りペシペシする山村「この野郎!」
小早川「あたたた・・・!!」
小早川を下ろしてやる山村「二度とそんなことを言うんじゃない!
うぬは弱虫なんかじゃ決してない!
オレは筋肉があるから強いのか?道楽で筋トレをしているオレと違って、君は家族を養うために朝まで必死に働いて、ポストに新聞を入れてただろう・・・!」
小早川「・・・・・・。」
山村「・・・意気地なしのオレにはとてもそんな勇気はない・・・
君ほど家族想いで強い女の子はいない・・・
だから・・・自分を信じるんだ・・・オレは君を信じている。」
小早川「・・・先輩・・・」
山村「・・・君を愛しているからな。」
真っ赤になる小早川「・・・わたし・・・バレーボールに命をかけます・・・!!」
ちおり「ひゅーひゅー!」
花原(わ・・・私もいつか言われたい・・・)

息を切らせて戻ってくる山村「これでいいのか・・・」
さくら「・・・ありがとう・・・先生も君の事愛してるよ・・・」
山村「・・・結婚式の仲人は任せたぞ・・・」

サービスエリアに入る水野美帆子。
水野「ど・・・どうしよう・・・不安だな・・・」
スバル「水野さんよ、そういう作戦かもしれんぜ?」
水野「・・・え?」
スバル「バレー経験者がコートに入るだけであそこまで怯えんだろ。」
水野「確かに・・・」
スバル「試しにあんたの全力のジャンプサーブをお見舞いしたらどうだ?」
頷くと、プロ並みのジャンプサーブを打つ水野。

海野「・・・!いけない・・・!小早川さんを狙ってきた・・・!」
小早川にフォローに入る海野。
海野「だいじょうぶ!私が取るから!」
海野が下がって片腕でレシーブをするが、球速が落ちず、そのままコート外に飛んで行ってしまう。
海野「しまった・・・!勢いを殺しきれなかった・・・!」
ブーちゃんが慌ててアウトボールを拾おうとするが、コートから離れていくボールに追いつけない。
すると、白い影が風のようにブーちゃんを追い抜いていく。
スプリントの奇麗なフォームで、ぐんぐんボールに追いついていく小早川。
海野「・・・速い・・・!!」
とうとうボールに追いつき、レシーブをして自軍コートに戻してしまう。
花原「うお、あの距離を追いついた!!」
ちおり「はえー!!」
ストップウォッチをとめる山村「5秒38!なんてタイムだ・・・!」
さくら「なんですって!?何メートルが!?」
山村「それは分らない・・・!」
そのまま走りながら山村の方を見つめる小早川「・・・先輩♡」
すると、そのままアルプススタンドに勢いよく激突してしまう。
小早川「ぐげえ!!」

その様子に目が行くコートの中の選手たち。
火野「・・・!」
月野「いたそー」
海野「今だ・・・!」
アルプススタンドの方に意識が行っている詩留々高専のすきをついてスパイクを決める海野。
スバル「しまった!!」
主審の笛が鳴る。

海野「小早川さんフォローありがとう・・・!大丈夫・・・?」
小早川「あたた・・・は・・・はい・・・」
花原「いきなりケガで退場はやめてよ・・・」
ちおり「もう残機ないからね!」

スバル「おいおい・・・なんだ、あのスプリンターは・・・!」
りかぜ「まるでダチョウね・・・」
水野「スバルちゃん、どうしよう・・・」
スバル「今度は後衛の乙奈を狙えばいいさ。」
水野「・・・そうだね・・・」
今度は乙奈にジャンプサーブを打つ水野。
乙奈「きゃあああ!」
乙奈がなんとかレシーブをするが、再びコートを飛び出て後方へ飛んでいくボール。
海野「またアウトだ・・・!」
すると、また小早川が全力疾走をしてボールに追いつく。
スバル「またあいつだ!」
ボールの落下地点直前でつまづいて転んでしまう小早川。
小早川「ぺげえ!」
スバル「でもころんだ!」
それが結果的に飛び込みレシーブの形になり、ボールを拾う小早川。
猛ダッシュで、小早川が拾ったボールをバックアタックで相手コートに送る海野。
スバル「うわ!また返ってきた・・・!」
海野のバックアタックを顔面で受ける火野「ぎゃああ!」
主審「ツーアウト!!」

倒れてピクピクしている火野。
スバル「おいおい火野!レシーブしてくれよ!!」
金野「主将・・・火野さんをあまり責めないでやってください・・・
彼女は誰よりもボールにぶつかり・・・誰よりも人の痛みがわかるアンドロイドです・・・」
スバル「・・・え?う、うん・・・ごめんね・・・」
りかぜ「コートを野球場の真ん中に設営したのは失敗したわね・・・
あれでは大草原に赤兎馬をはなつようなもの・・・」
スバル「どうする?せっかく水野さんがいいサーブを打っても、あの陸上部が全部アウトボールを拾っちまうぜ・・・!」
りかぜ「・・・ひとつだけ手があるわ・・・」
スバル「りかぜちゃん・・・!あんた本当にすごいな・・・!」
りかぜ「水野さん・・・ちょっと・・・」
近づく水野「うん・・・」
何かを水野に耳打ちするりかぜ。
水野「・・・!そ・・・そうか・・・!」

水野が普通のフローターサーブを打つ。
海野(ジャンプサーブをやめた・・・?)
すると、ボールはレシーブの名手ブーちゃんに飛んでいく。
綺麗にレシーブをして、セッターにボールを送るブーちゃん。
ちおりが花原にトスを上げる。
アタックモーションに入る花原「なんだそら!ただのチャンスじゃない!くらえ~!!」
すると、火野と金野が2枚で花原のアタックをブロックする。
花原「うお!壁が厚い・・・!」
後方に飛んだボールをバックアタックするスバル。
背の低いちおりはブロックしようにもボールに手が届かず、後ろの乙奈もレシーブできない。
海野「しまった・・・!」
ガッツポーズをするスバル「おっしゃあ!1点!!」
海野「な・・・なんて的確な照準なの・・・!」
拳を握り締めて悔しがるちおり「ちびっこに生まれたことをこれほどまでに悔やんだことはありません・・・!」
高身長がコンプレックスの花原「うそつけ・・・」
乙奈「ごめんなさい・・・」

りかぜ「逆転の発想よ・・・レシーブが得意な選手を狙ってアウトボールを出させなきゃいい・・・」
スバル「もう、何がなんだかわからん・・・」

『青春アタック』登場人物(第四部~赤壁大戦~)

生原血織(はいばらちおり)
高校2年生。セッター。生徒会長。
雑草を食べて生き延びてきた宿無し少女で、精神年齢は小学2年生くらい。
「青春アタック」というアニメの影響でバレーボールにのめり込む。
ホームレス時代にボーリングの球でトスの練習をしていたので、トスの技術が非常に高い。
ふたつ名は「パラボラアテンダー」

花原恵菜
高校2年生。アタッカー。
身長が高いだけの理由で、ちおりに強制的にチームに勧誘される。母親の借金を背負っており、その返済のためにバレー大会に参加する。
運動は苦手だが、スパイクのパワーとブロックの跳躍力を潜在的に秘める。
ふたつ名は「アイアンロックス」

海野美帆子
高校3年生。レシーバー。
白亜高校女子バレー部部長。明るく温厚な性格で、面倒見が良い。
バレーの技術は県内屈指で、特にどんなボールもセッターに返す、レシーブ成功率が全国で最も高い。女子バレー界では「アブソリュートディフェンダー」と呼ばれていた。

乙奈姫櫨美
高校3年生。ライト。
海野さんの親友の元アイドル。大震災の被災地での支援コンサートで海野と再会した。
ボール恐怖症で、レシーブ面でチームの足を引っ張るが、物理法則を無視した軌道の読めないサーブを打つことができ、サービスエースとしてチームに貢献する。
ふたつ名は「スターライトステージ」

ブーちゃん
高校3年生。リベロ。
乙奈さんの無二の相棒でいつも一緒にいる無口な料理人。
背が低いが、パスとレシーブが非常にうまく、チームをつなぐ重要選手となる。
ふたつ名は「白亜高校の職人」

華白崎桐子
高校1年生。生徒会副会長。
クールビューティな雰囲気だが、コートに入ると熱血スポーツ少女に豹変する。
中学生の頃バレーボールをしており、千葉県ではかなり名の知れた選手だった。
しかし、海野が中学時代は兵庫県にいたため、面識がなかった。
ふたつ名は「ブランニューレディ」

マッスル山村
高校2年生。マネージャー。
チームのために試合のスケジュール調整、スコア管理、応援などを行う。
思いつめたメンバーをさりげなく励ますことも。

小早川一咲
高校1年生。ブーちゃんがリベロになった際のリザーブ。
超高速帰宅部。家が貧乏で膨大な数のバイトを掛け持ちしていたため、全速力で家に帰っていた。
その走力は陸上部レベルで、アウトボールを拾いまくり、リカバーしてくれる。
ピュアな少年のような見た目と中身で、変態マッスル山村に露骨な恋心を抱くドジっ子。
二つ名は「リニアガール」

カルノスク水.jpg
狩野レイ
海野さんの神戸時代の親友のロシア美女。現在は高体連で破門戸総裁の付き人をしている。
祖国で戦争を体験した平和主義者だが、手加減なしの暴力に躊躇がない。
183センチという花原を凌ぐ身長の持ち主でもある。
震災の時に脚に重傷を負い、バレーからは離れていたはずだが・・・

病田代和香先生
女子バレー部の顧問。病弱で影があるが、生徒思いの心優しい先生。

吹雪さくら先生
保健室の養護教諭。酒とタバコが大好きで、本人は不健康極まりない生活を送っている。
とある事情で、白亜高校のバレーチームの監督を頼まれるが、かなり無責任でいい加減。
しかし、頭は抜群にキレる戦略家。

病田通代女
スポーツ誌の記者。白亜高校の病田先生は姉に当たる。
気弱で繊細な姉とは違って、明るく積極的な性格。他校の情報を教えてくれる。

榛東スバル
群馬県の詩留々高専主将。学生服の上にはおった作業着がトレードマーク。
少ない女子学生をかき集め女子バレー部を作り、全国大会にまで上り詰めた生粋の叩き上げ。
彼女自身の二つ名は「スナイパー」で、的確な場所へのバックアタックが脅威。
元々ソフトボールのピッチャーをやっており、イニング制のバレーボール勝負を仕掛けてくる。

網野りかぜ
詩留々工高専の参謀。遺伝子操作で生まれた天才少女で美しきアルビノの軍師。さくら先生と頭脳戦を繰り広げる。
クローン人間ということから、つらい偏見や差別を受けてきたため、自身の特殊能力は隠していた。

バレーボーロイドUMX12
網野りかぜが開発した、海野美帆子をモデルにしたアンドロイド。
海野をはじめ、生原、花原、乙奈、華白崎のDNAを電子頭脳の思考ルーティンに組み込んでいる。

鮎原姉妹.jpg
鮎原咲
東京都のお嬢様名門校として有名な聖ペンシルヴァニア女子大学附属高校バレー部キャプテン。
あの伝説のバレー選手の血を引く双子の妹。
活発な性格で、そのアグレッシブなプレースタイルから「ランス」と呼ばれる。

鮎原幹
東京都のお嬢様名門校として有名な聖ペンシルヴァニア女子大学附属高校バレー部副キャプテン。咲の双子の姉のゲーマー。
物静かな性格で、その堅実なプレースタイルから「シールド」と呼ばれる。

芝さん.jpg
芝衣舞
聖ペンシルヴァニア大附属バレー部の監督。鮎原姉妹に頭が上がらず、目立たないエージェント業務を行っているが・・・

花原龍太郎前総理大臣
ダンディなイケメン政治家で、大蔵省と結託して消費税をさらに上げようともくろんでいた。

華白崎和也
霞が関で発生した地下鉄チオペンタール事件を糾弾していた人権派弁護士。

破門戸錠
高体連の総裁。平成の世にオリンピックで金メダルを取れるような「東洋の魔女」を復活させようと、春高バレーをバトルロイヤル式にした主催者。
フリーザの口調と水谷豊の外見を持つ、旧華族で、元女子バレー日本代表の監督でもある。

破門戸ジャパン
10年以上前の日本代表。メンバーは、セッターの吹雪さくら、主将の寺島明日香、レシーバーの病田通代女、ライトの有葉奈央、アタッカーの狩野紗耶、そしてもうひとりの謎の人物。
オリンピックで金を狙えるほどのメンバーだったが、吹雪さくらが飲酒騒動を起こし崩壊したという。
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