『青春アタック』脚本⑥応機接物

保健室に登校した海野たちが殺到してくる。
「花原さん大丈夫!?」
乙奈「火遊びしちゃダメですよ・・・!」
微笑む花原「いや、違うから・・・」



花原が生原たちホームレスを命懸けで守ったという噂が学校中に広まる。
男子「おい聞いたか、花原がホームレス狩りを撃退して警察から表彰されたそうだぜ・・・!」
女子「聞いた聞いた・・・!なんでもギリシアの火っていう魔法を使って敵を火だるまにしたらしいよ」
男子「不良に続いて、大人の犯罪者も倒すとは・・・マジですげーな、あの人・・・」
女子「ねえ、今度の理科の授業でその火炎系の魔法のやり方教えてもらおうよ・・・!」



職員室
窓の外を眺める華白崎「・・・・・・」
京冨野「なんか面白くなさそうだな委員長・・・」
華白崎「私は委員長じゃない・・・」
京冨野「女子バレー部の稼働が学校の雰囲気をよくしたじゃねえか。
花原も体を動かしたことで、生徒へのあたりも柔らかくなったらしいし・・・
お前さんの見立て通りだよ。」
華白崎「私は女子バレー部を潰そうとしたんです・・・予算削減のためにね・・・」
京冨野「連中がバレーの大会に出場すれば、その問題もなしだ。よかったな。」
華白崎「あの大会に優勝できるわけないじゃない・・・
高校の部活動の大会はだいたい金のある名門私立高校が優勝するんです・・・」
京冨野「はは・・・違いねえ。」
チャイムが鳴り出席簿とドスを持って職員室から出ていく京冨野。
華白崎「わたしが卒業するまで、この学校には潰れてもらっちゃ困るんだ・・・」
デスクの上の生原ちおりの履歴書に目をやる華白崎。
華白崎「校長もなんで学費も払えないあんな一文無しを入学させたのか・・・
イヌネコを拾ってくるんじゃないんだから・・・
ほかの学生がどれだけ苦労して学費を稼いでると思ってるんだ・・・」



理科室
黒板に易しい回路図を板書する花原。
「これが直列つなぎで、こっちの分かれ道があるのが並列つなぎです。
さて、このテレビのリモコンにはこのように単4電池が2つ取り付けられていますが、これが直列つなぎか並列つなぎか判断するにはどうすればよいでしょう?」
ちおり「はいはいは~い!」
花原「じゃあ、生原ちおり・・・」
ちおり「片方とって使えるか調べる!」
花原「・・・。10ポインツフォーユー!」
ちおり「やったー!」
女子「なんかあどけない生原さんが来てくれたおかげで授業の内容が小学生に戻ってすごいわかりやすい・・・!」
男子「かつてはあいつ自身の研究発表の場だったからな・・・つーか全然授業うまかったんだな」
ちおり「直列つなぎにするくらいなら、なんで電池の長さを長くしないの?」
花原「千歳飴みたいにか。それは電池の発明者アレッサンドロ・ボルタという学者が試みて・・・」
理科室に京冨野が入ってくる。
花原「あら、先生・・・」
京冨野「生原のお嬢ちゃん、クラス替えだ・・・」

女子「せっかく仲良くなったのに残念だわ・・・」
ちおり「みなさんのご親切忘れません。」
花原「あんたを東京理科大に合格させたかったわ・・・」
ちおり「じゃあ、放課後体育館でね!」
花原「あいよ。」

廊下でちおりを見送る4組。
男子「花原がクラスから追い出されるのはわかるが、なんであんな心が綺麗なちおりちゃんが・・・」
花原「確かに・・・って今言ったの誰だ!!」
目をそらす一同。



生徒会室
乙奈「お呼びですか?華白崎生徒会副会長・・・」
華白崎「どうぞかけてください。
3組で芸能界にメジャーデビューしそうな学生は出てきそうですか?」
乙奈「・・・3組の担任を引き受ける際に申しましたとおり、わたくしは音楽の楽しさを伝えるだけで、プロの芸能人を育成することは致しかねますわ・・・」
華白崎「しかし3組の学生はアイドルの夢を目指して毎日学校に通っている・・・
生徒の思いに担任は応えてやるべきではないですか?」
乙奈「希望者にはオーディションの日程や親身になってくれる芸能プロダクションは紹介しております。しかし、私から歌やダンスを教えることはお断りしますわ・・・
若い才能は学校で画一的に育つものではないので。」
華白崎「あなたは教えたくないのではなく・・・教えられないのでは?」
微笑む乙奈「あなたの言葉はいつも冷たいですわね・・・
気に食わないのでしたら、いつでも3組の担任を変えてもらって結構。
わたくしは先生のお仕事をやる柄じゃないので。」
生徒会室から出ていこうとする乙奈
「・・・あなた・・・2年前に突然活動を休止した大人気アイドル“ツツジっ子クラブ”のセンター、百地翼じゃない?アイドル時代の名残を必死にかき消してはいるけれど。」
立ち止まる乙奈「・・・だから?」
華白崎「世間の熱狂から逃げるように、無名のこの学校に入学してきた。」
乙奈「マスコミ各社にリークするおつもり?」
華白崎「さあ、どうかしら・・・
とはいえ・・・大人気のアイドルが突然芸能界から姿を消したのだから、所属事務所からは多額の損害賠償請求が来ているはず・・・」
乙奈「・・・わたくしに何をしろと?」
華白崎「例の入学生・・・生原ちおりに・・・学費くらいは稼げる芸を仕込むことはできませんか?」
乙奈「サーカスの動物じゃないのですから・・・お金なら3ヶ月後のバレーの大会で・・・」
華白崎「わたしはそんなギャンブルに全ベットするほど愚かじゃない。
それに・・・この学校は3ヶ月もたないかもしれない・・・」



3組音楽室。
ちおり「ここが新しいクラスか~!」
扉を開けると、可愛い女の子たちがダンスの練習をしている。
ちおり「すげ~武富士ガールズがこんなに・・・!」
ツインテールの練習生「ちがいますよ・・・!
新入生のちおりちゃんですよね?
わたしたちはアイドルを目指してるんです。」
ちおり「テレビに出れるの?しろったま子さんに会える?」
練習生「アニメキャラはちょっと・・・でもアテレコしている人にはスタジオで会えるかも・・・」
ちおり「本当に!?じゃあわたしもアイドルなりたい!」
練習生「このクラスに入れたってことは、アイドルとしての素質があるんだと思いますよ。
ちおりちゃん、小さくて可愛いし。」
ちおり「わ~い、小さくて可愛くてよかった~!」
練習生「お互い頑張りましょうね!」
キョロキョロするちおり「・・・このクラスには先生はいないの?」
練習生「いますけど、ほとんど教室に来ないので、基本的には自由に歌って踊ってます。」
ちおり「それでプロのアイドルになれるの・・・?」
練習生「そ・・・それは・・・」
ちおり「アイドルのなり方教えてもらおうよ!」
練習生「・・・先生は教えてくれないんですよ・・・
とっても温厚で優しい先生で、いつも褒めてくださるのですけど・・・
あまりアイドルになることを快く思ってないみたいで・・・」
ほかの練習生「みんなで先生に頼んで、やっとやってくれた授業が枕営業の断り方だったもんね・・・」
練習生「あと、変質者が熱狂的ファンになった場合の対処法と、芸能界に蔓延するドラッグの恐ろしさもあった・・・」
ちおり「・・・キラキラしてないね!」
乙奈「あら、誰の噂かしら?」
姿勢を正す練習生「せ・・・先生!!」
ちおり「あ、乙奈さんだ!」
乙奈「ちおりちゃん、ようこそ3組芸能クラスへ・・・」
練習生「・・・珍しいですね・・・先生が教室に足を運んでくださるなんて・・・」
乙奈「クラスの子を集めてくださる?今日はみなさんにご相談があります・・・」
練習生「は・・・はい・・・!」

練習生「3組全員集合しました・・・!」
乙奈「回りくどいのがわたくしは好きではないので、単刀直入にお話します。
白亜高校の経営が危機的状況です・・・
このままでは、アイドルの夢を叶えるどころか、全校生徒が中卒で社会に放り出されます・・・」
生徒たち「そんな・・・そんなにやばいんですか・・・?」
乙奈「どうにかして100万円を稼がないと年が越せないそうです・・・」
生徒たち「どんな学校なんだ・・・!」
乙奈「現在それぞれのクラスがお金を稼ぐため頑張っていますが、4組は研究費でむしろ借金まみれ、2組はバレーの大会が年明け、1組は歳末助け合い募金を募っていますが、それでも26万円・・・」
ちおり「ダンボールの家の作り方なら教えられるよ?」
練習生「ホームレス確定・・・!?」
乙奈「そこで、3組に白羽の矢が立ったわけです・・・」
練習生「今こそライブをやりましょう・・・!そのために今日まで努力してきたんです・・・!」
乙奈「・・・わたくしの提案としては、学食のブーちゃんと協力して年越しそばを大量生産し、それを1食200円で売れば、5000食でノルマがクリアできます。」
練習生「なんでみんなで蕎麦をうたなきゃいけないんですか!」
練習生「私たちはアイドルとしてみんなに夢や希望を与えたいんです!やらせてください・・・!」
気乗りしない乙奈「う~ん・・・」
ちおり「やらせてみたら?」
練習生「・・・わたしたちじゃまだ実力不足なのでしょうか・・・!?」
乙奈「いえ・・・みなさんは容姿もいいし、性格もいいし、歌唱力もダンスも高い水準だと思います・・・しかし・・・わたくしは蕎麦づくりがいいなあ・・・麺棒買っちゃったし・・・」
練習生「ノリノリじゃないですか!」
ほかの練習生「もういいです!私たちが勝手にライブを開いて100万円を稼ぎます!
先生は勝手にそばを打っててください・・・!
みんないくよ!ザ・パンチラーズのメジャーデビューよ!」
練習生「う・・・うん・・・!」
音楽室から出て行ってしまう3組の練習生たち。
乙奈「あ・・・」
ちおり「行っちゃったね。」

乙奈「困りましたわ・・・」
ちおり「・・・ミニスカート履くだけでお金は稼げないって、はっきり言った方がいいんじゃない?」
乙奈「いえ・・・あの子たちには才能があります・・・わたくしよりもずっと・・・」
ちおり「・・・なんで乙奈さんはアイドルの養成なんてしてるの?」
乙奈「・・・わたくしが元アイドルだった・・・なんて言っても信じてはもらえませんでしょう?」
ちおり「スカート長いしね!」
笑う乙奈「そう・・・アイドルで成功するためには実は才能はそこまで大きな要因じゃない・・・
このわたくしがなれたのですから・・・
6歳のころにお父様が勝手にオーディションに応募してから、右も左もわからないまま怒涛の芸能生活・・・
普通の学生生活なんて何もできなかった・・・わたくしは歌が人よりちょっと上手なだけで、基本的な学力も常識もない・・・そしてお友だちも・・・」
ちおり「それでアイドルやめちゃったの?」
顔を上げてちおりの方を向く乙奈「わたくしは、もう19です・・・最後の十代で一度でもいいから普通の高校生活をしたいんです・・・もう、あんな魑魅魍魎のいる芸能界に戻るなんてまっぴら・・・」
ちおり「でも、あの子たちの夢だよ?」
乙奈「そうですわね・・・」
ちおり「楽しいこともあったんじゃない?それを教えてあげたら?」
乙奈「・・・。」
ちおり「みんな先生のこと慕ってたよ。」
乙奈「・・・そうね・・・先生は・・・生徒の力になるべきですわね・・・
ちおりちゃん・・・手伝ってくださる?」
微笑むちおり「ともだちだもん!」

『青春アタック』脚本⑤一騎当千

体育館裏
病田「やめた方がいいです・・・」
海野「大丈夫、先生にブルマーは冗談ですよ・・・」
病田「ちが・・・本気であの大会で優勝する気ですか・・・?」
海野「ま・・・まあ、出るからにはそこを目標にしたいですけど・・・」
病田「・・・正直、あの子たちで全国制覇できる見込みってあるんですか??」
海野「今の段階では・・・ないですけど・・・」
病田「大会なんか出ずに・・・みんなで楽しくバレーをしているだけじゃだめなの・・・?
確かに美帆子ちゃんの技術はプロ並みだし・・・優しくて指導が上手だから・・・
無名の織戸高校でも全国に通用するチームにしてしまった・・・
その結果・・・」
海野「学校側や保護者も介入してきて、練習が厳しくなり、バレーを楽しむ感じではなくなりました・・・
でも・・・勝つことと楽しむことは両立できるはずです・・・」
チラシを眺める病田「・・・いつから学校の部活動はお金のためにやるようになっちゃったんだろう・・・」
海野「その件ですけど・・・もし優勝したら、賞金は学校と花原さんの借金に充ててください。私は高校最後の年にバレーができただけで十分です。これで、心置きなくピーナツ農園に就職できる・・・」
病田「美帆子ちゃん・・・」
海野「でも・・・私はまだ高校生です・・・誰もが一生で一度しかなれない・・・高校生なんだ・・・」
病田「わかりました・・・でも、くれぐれも無理はしないでね・・・
学校の借金のことなんか考えなくていいから・・・」
体育館の中に目をやる海野「大丈夫です・・・あのメンバーは全員修羅場をくぐった経験があります。
花原さんはマッドサイエンティストで逮捕歴があるし、乙奈さんは元アイドルで芸能界の闇を知っている・・・ブーちゃんは厳しい料理人の修業を積んでいるし・・・なにより生原さんは・・・
文字通りの雑草魂・・・
この平成の日本で社会的な支援を一切受けずにたった一人で生き延びてきた・・・
彼女たちは・・・きっとどんな女子高生よりもタフですよ。」
体育館の中からスパイクの轟音が轟く。
花原「よけんな山村!」
病田に海野が微笑む「ね。」

体育館に戻っていく海野を見送る病田
「高校生には一生で一度しかなれない・・・か・・・」



夜。
海野「今日の練習はこれくらいにしよう!みんなお疲れ様!」
コートに倒れている5人。
海野「・・・最初にしてはハードにやっちゃったかな・・・」
花原「・・・マッスル、よく耐えたわね・・・」
山村「痛みとは生きている証拠よ・・・」

帰り道
海野「今日はよく休んでね!」
一同「ばいばーい」
生原「いや~おもしろかったね~」
花原「あんなに体を動かしたの生まれて初めてよ・・・」
乙奈「わたくしもずいぶん久しぶりですわ」
山村「生原さん、6人目のメンバーはどうするんだ?」
花原「なんとかしなさいよーこんだけ練習してても出れないんだから」
生原「う~ん・・・あ!そうだ!!」
花原「なんか思いついたの?」
生原「青春アタックが始まっちゃう!!」
山村「なんと!!学友の諸君さらば!!」
ジェットのように帰宅する山村。
生原「電気屋行かなきゃ!花原さん早く!」
花原「・・・・・・」
乙奈「わたくしたちは、道がこちらですので、ごゆっくり~」

電気屋の前
「閉店しました」の張り紙がシャッターについている。
生原「・・・!!」
花原「あら・・・残念だったわね・・・」
号泣する生原「う・・・うわああああああああああ!!!!!」
花原「そ・・・そんな嗚咽するようなことか!?」
ゲロをする生原「おろおろおろ・・・」
花原「きたねえ・・・!」



ボロアパートの裸電球を付ける花原。
狭い部屋は試験管と借金の督促状と刺激臭で溢れている。
ダイヤル式のテレビをつけてやる花原「あ・・・あれ・・・?」
テレビを蹴飛ばす。
「ほら・・・写った・・・」
『青春アタック』のOPが始まる。
生原「放送に間に合った~!」
花原「これか・・・下手くそな絵のアニメだなあ・・・」
真剣な生原「静かにして!」
花原「失礼・・・」
ブラウン管の中では、しろったま子たちが木材を担いで特訓をしている。
生原「あれ、明日やろうよ」
花原「あれが仮にスギ材でも1本あたり約750kgよ・・・
あれを3本も持ち上げるなら、種目をウエイトリフティングに変更したほうがいいわ・・・メダルが取れるから。」
生原「花原さんって物知り~!」
花原「ありがと・・・」
生原「今週も面白かった~!花原さんちはテレビがあって羨ましいな~」
花原「こんな借金まみれの生活のどこが羨ましいのよ・・・」
生原「でも家にカラーテレビがあるよ?」
微笑む花原「あんたは幸せもんね・・・」
生原「私の家は主にダンボールで出来ているからクオリティの面でちょっと・・・」
昔の花原の写真を見つけるちおり。母親と写っている。
生原「これ花原さん?」
花原「あ・・・」
生原「うわーかわいー!」
花原「・・・これでも昔はフランス人形みたいで可愛いって言われたのよ・・・」
生原「こんな小さなお子さんいたんだね!」
花原「・・・おい、そっちは私の母さんだ・・・」
生原「花原さんに似て美人だね!お母さんはおしごと・・・?」
花原「・・・まあ、そんなところ・・・」
生原「なんの仕事してるの?」
花原「・・・借金を何とかするって言ってベーリング海に行ってから何年も戻ってこない・・・
きっと海に落ちて死んだのよ・・・
見ず知らずの人の借金の連帯保証人になんかなって・・・本当にバカみたい・・・」
生原「優しい人だね!」
涙目になる花原「・・・うん・・・優しいの・・・」
生原「きっと帰ってくるよ!たくさんカニを持ってきて。」



夜の公園
生原「じゃあちおり帰るね!今夜はおじゃましました。」
花原「本当にダンボールの家に帰るの?」
生原「割とあったかいよ!」
花原「ちょっと見に行ってもいい・・・?
建築学の素養がある私がもっと快適で安全な家を作ってあげるよ・・・」
生原「本当に!?うれし~」
アパートから支柱とモルタルを持ってくる花原「・・・で、あんたの家はどこにあるの・・・?」
指を指す生原「あっちだよ!」
指を指す方角が明るい。
花原「・・・なんか燃えてない・・・?」



ちおりの家が燃えている。
かけよる生原「ちょうろう!」
ホームレスの長老「おじょう、逃げるんじゃ・・・!ホームレス狩りじゃ・・・!」
凶暴なビジネスマン「ひゃっはー!会社をリストラされて家族も財産も何もかも失ったぜ~!
もう何も怖くねえ!野郎ども、金目のもの以外は全て燃やせ~!汚物は消毒じゃー!」
火炎瓶を投げつけるサラリーマンやリクルートスーツの就活生たち。
「わははは燃えろ燃えろ!就職先がどこにもねえ、この絶望感をくらえ!」
花原「・・・年の瀬になると毎年湧いて出てくるバブル崩壊の犠牲者だわ・・・
警察と消防に連絡しないと・・・!」
燃える家に入ろうとする生原「海野さんからもらった私の宝物が・・・!」
生原を慌ててとめる花原「何考えてるのよ!焼け死ぬわよ!」
泣き叫ぶ生原「うわあああああん!私のバレーボールが~!!」
花原「そんなもん諦めなさい・・・!」
生原「おろおろおろ・・・!」
花原「吐くんじゃない!!ええい、わかった・・・!」
自分が着ているダッフルコートにモルタルを塗ったくる花原
「バレーボールね?」
そのまま燃える生原の家に突っ込んでいく。
生原「花原さん・・・!!」
炎の中に消える花原
生原「花原さ~ん!」
生原に気付くサラリーマン「なんだ、この汚ねえガキは?」
就活生「小学生のくせにセーラー服なんか着てやがる」
サラリーマン「待て、高校の制服は高値で売れるぞ!身ぐるみをはげ!」
ホームレス狩りに取り押さえられる生原「にゃ~セーラー服を脱がさないで~」

その時、炎の中から勢いよくバレーボールのスパイクが飛んできて、ホームレス狩りの頭部にぶち当たる。
眼鏡が割れて倒れるリストラサラリーマン。
ホームレス狩り「業務課長・・・!」
振り返ると、炎の中からボロボロの花原が立っている。
花原「・・・わ・・・私の友だちに何をするんだ!!!」
生原「花原さん助けて・・・!」
「思い上がるな・・・希望がなくて苦しいのはお前らだけじゃないんだ~!!」
そう叫ぶと、火の粉をまき散らしながら突っ込んでくる花原。
逃げていくホームレス狩り「業務課長がやられた・・・!撤退だ・・・!」
花原の真っ黒になったコートを脱がせてやる生原「花原さん・・・!」
バレーボールを拾う花原「ほら・・・あなたの宝物・・・」
涙を流す生原「花原さん・・・大好き・・・」
力なく倒れる花原「セメントは燃えにくいだけで・・・燃える・・・」



中学生時代の記憶
母親と一緒に中学校から帰る花原
母親「わかってるわ・・・めぐなちゃんからじゃないんでしょ・・・?」
花原「あいつら・・・母さんを馬鹿にしたの・・・国会議員の愛人だって・・・」
微笑む母親「・・・もしそうだったら、もう少しいい暮らしをしてる・・・」
手をつなぐ2人。
花原「・・・ねえ母さん・・・」
母親「なあに?」
花原「わたし・・・学校で友達ができたよ・・・」



花原「・・・はっ・・・!」
意識が戻る。あたりを見渡すと、保健室であることに気付く。
花原「保健室・・・?」
視線を下にやると、ベットにちおりが寄りかかって眠っている。
保健室の先生「一晩中あなたを心配してたわよん・・・いい友達がいたのね・・・
というか、あなたって友達がいたのね。」
花原「さくら先生・・・」
さくら先生は、ショートカットのボーイッシュな女性で白衣をだらしなく着ている。
さくら「まったく科学に強いわりに無茶したわね・・・
Ⅱ度の熱傷で感染症が怖かったけど・・・
科学研究部の冷蔵庫に飛び切りよく効く局所抗菌薬があってさ・・・
そのおかげで、やけど痕は残らないと思うよ。」
オーラルクリーナーのアンプルを取り出すさくら。
さくら「これを作ったやつに感謝ね。」
花原「・・・わたしだ。」
煙草に火をつけるさくら「どこで何の発明が役に立つかなんてわからないわね・・・
私は授業を持たないから偉そうなこと言えないけどさ、もっと自分に自信持っていいんじゃない?」
ちおりに目をやる花原。

2024年の目標

タツノオトシゴ.jpg
 あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。このブログも15年目に突入!※無駄に長寿コンテンツ。

 今年は、まず30代がとうとう終わるので、健康で40代に突入したい。漫画を毎日描いていた20代は病気がちだったのだけど、30代でほとんど描かなくなってからは、一度も大きな病気をしていないという奇跡。コロナ禍も感染してないし。いや、気づかずに感染はしてたかもしれないけど発症してないし。

 次に、今年は朝の連続テレビ小説のようにちびちび書き進めている『青春アタック』を完結させる!しかし、スポーツものって漫画だとある程度長期連載ってイメージがあって、映画みたいにサクって終わるようなものじゃないなっていう。
 『80日間~』から自分の漫画脚本って映画の構成をイメージしてたんだけど、スポーツでそれやるとけっこうダイジェストっぽくなっちゃうなってことで、連ドラや大河ドラマみたいなイメージで制作してます。
 結局ひとの親になって思うのは、日本っていうのは若い世代に金をかけない国だよなっていうこと。で、もしバブル崩壊で本当に日本が経済的に崩壊したら、まずまっさきに切り捨てられるのは子どもたちなんじゃないかっていうコンセプトで、世界観のバックボーンを掘り下げてみたんだ。
 もともと、社会に見放された役たたずの動物たちが集まって一旗揚げようとする『ブレーメンの音楽隊』をイメージしてたっていうのもあるしね。ちおりがネコで、花原がロバで、海野がイヌ、みたいな。
 あとは、『モンモンモン』みたいに、一人ずつ仲間が増えていくみたいにしようとも思ったんだけど(なので主要キャラにクラスを担当させた)、それをやるといつまでたってもバレーボールができないのでやめた。
 しかし、部活動て学校にとっちゃ超負担だからな。時代の流れでなくなっていくと思う。昔は学校で友達と放課後スポーツをやったりして遊べたんだよって思い出話になりそう。そういう青春を謳歌する場が消えちゃうってのもさみしいけど、学校の先生の人数も給料も上げないのなら仕方がない。

 3つめは、メダルゲームのメダルをせめて50万枚くらいに増やす。結局、ハイベットしても今の店長はでかい当たりを出さないということを90万枚以上使って学習したので、今後もローベットで遊び続けちびちびメダルを抜いていけば、意外と達成できるんじゃないか。もう20万枚目前だしね。おそらく、10万枚あれば極悪設定のフォーチュントリニティも安心して遊べそうなんだけど、一度7000枚使ってもステーションチャレンジ突破できないことがあったからね。油断ならない。

2023年は微妙

 純粋に去年が超幸運だっただけなんだけど、やっぱり去年と比較すると今年はどうしても今ひとつだった。
 まず、昨年末77万枚も増やせ、今年は100万枚まで貯めるぞ!とかイキっていた預けメダルがまさかの消滅・・・!0枚・・・!平家の栄華並みにあっけなかった・・・
 結局のところ各ゲーセンには「設定」というイカサマがあるので、いきつけのゲームセンターの店長が配置替えとなり、鬼の店長となったことでアニマボッタされた挙句、メダルバンクのバグ?で預けメダル消滅。補償なし!

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 その後、数ヶ月立ち直れず、ゲーセンを絶っていたが、10月くらいから10ベットでチビチビカラコロッタをハイエナプレイし、3ヶ月ほどでなんとか17万枚くらいまでは戻せた。(ビデスロの糞みたいなイベントやってなかったら20万枚はいってたな・・・)
 でもまあ、ドラマ足利時代の預け枚数にまで回復できたのはすごい。プッシャーで増やしたわけじゃないんだけどね。

 あとは『風と翼』の脚本が完結できたのは良かった。私も最近脳が老化しててさ、昔なんかはわりと記憶力良かったんだけど、この前の研修で「ごんべんのつく漢字を制限時間内にできる限り挙げなさい」って課題があってさ、私も漢検2級くらいは余裕で取れる漢字力があったから自信あったんだけど、まさか「語」と「話」の2個しか出てこなくて、あまりのショックに心中穏やかじゃなかったからね。
 そんな老化した脳みそで、よくまあ書き上げれたな、と。

 逆に成長著しいのが、あずさくんで、溢れんばかりのアクティブさで、マジで目が離せない。なんなら、このブログを書いている時も、私の膝の上に乗っていて、隙あらばキーボードをいじろうと暴れているからねkhkkfjpbじゃおk@pやめおr

『青春アタック』脚本④鍛冶研磨

体育館
ステージの上でポージングをしているマッチョマン。
マッチョマン「俺は誰よりも強く・・・そしてビューティフル・・・」
コートでネットを設営している海野たちに気付く。

ちおり「わ~ここがたいいくかんか~!」
機具庫からポールを運んでくる海野「織戸高校の体育館と比べるとせまいけどね・・・」
ちおり「わ~海野さん力持ち~すご~い!」
ポールを設置する海野「肉体労働しか私はできないから・・・」
ブーちゃんと一緒にポールを運んでくる乙奈「このポールはこちらに差せばいいかしら?」
海野「うん」
ちおり「だれ?」
海野「ああ、私の古い友人で・・・人数足りないから協力してくれるんだ。」
微笑む乙奈「ごきげんよう、おちびちゃん」
ちおり「よろしくね!」
体育館にすごい気まずそうに入ってくる花原「・・・・・・。」
ちおり「あ!花原さんだ!!」
海野「女子バレー部にようこそ、花原さん!」
花原「バレー部に入部したわけじゃない・・・」
海野「・・・?どうしたの???」
体育着姿が絶妙に似合っていない花原。
花原「このブルマってやつを考えた奴を殴ってやりたいわ・・・」
海野「恥ずかしいなら、ハーフパンツにすれば・・・?」
花原「ハーパンに逃げるのもな・・・」
ちおり「ミニスカートは履くのに、ブルマは恥ずかしいんだ!かわいい!」
花原「うるさいな。」
海野(もしかして、花原さんがスポーツが嫌いな理由って・・・)
花原「・・・で?私は何をすればいいの??1億円のためならドーピングでもするわ。」
海野「そんなことやったら失格になっちゃうから・・・花原さんはバレーボールは・・・?」
花原「もちろん調べてきたわ・・・19世紀末にアメリカマサチューセッツ州で・・・」
海野「歴史・・・!?ルールは・・・?」
花原「え・・・?」

ステージでダブルバイセップスを決めるマッチョマン。誰も眼中にはない。

海野「・・・バレーボールはコートにボールを落とさないように3球以内に相手コートへ返球し合うスポーツです。」
花原「・・・なんで?」
海野「な・・・なんでと言われても・・・そういうゲーム性を大切にしているとしか・・・
・・・まずは基本動作のオーバーハンドパスを練習してみようか・・・」
トスをやって見せる海野。
「こういう感じでボールに手を添えて・・・高く上げるパスです。」
花原「ククク・・・その程度なら運動音痴の私でもできそうね・・・」
ちおり「花原さんすごいね!」
花原「とりゃあ!(ボールを上げる)」「へい!(ボールを掴む)」「ほりゃあ!(もう一度上げる)」
ちおり「かっけー!」
海野「いやいやいや、それだとホールディングだから・・・!」
花原「おかしなことを言うわね・・・同じようにやったつもりだけど・・・?」
海野「ボールをしっかり掴んじゃダメなのよ・・・
だから基本的なパスのわりに初心者には結構難しいの・・・」
花原の手の方にボールを乘せる海野「こう、ボールが来たら肘を軽く曲げて、手首は柔らかくして・・・一番肘が曲がった時にボールに触って・・・体全体の伸びでボールを上げる・・・!」
花原「ああ、そういうことね。」
海野「この動作を一瞬でやるって感じ。じゃあ、私がパスを送るからボールを返してみて!」
海野が花原にボールをトスする。
海野「ボールの下に入ってさっきの動作をすれば返せるよ!」
花原「ええと・・・これは初速Voの斜方投射だから落下点の位置は・・・」
乙奈「すごいですわ・・・物理の計算をしておられます・・・!」
ボールの方へ移動する花原「ここだ!」
思い切りボールを顔面に受ける花原
乙奈「ご自身の身長を計算式に考慮しておられなかったのですわ・・・!」
床に倒れてピクピクしている花原。
海野「だ・・・大丈夫!?花原さん!」
起き上がる花原「・・・私バレーに向いてない。」
海野「練習すればできるって・・・!」
ちおり「できるよ!花原さん天才だもん。」
花原「まあ・・・確かにな。」
海野(そう誘導するのか・・・)

花原「ねえ・・・もっと天才の私にあったカッコいいやつってないの?」
海野「・・・じゃあスパイクでもやってみる?
となると、レシーブ役がほしいなあ・・・」
ステージを降りてくるマッチョマン「この体育館も変わらねえなあ・・・」
乙奈「あ・・・!あの方は・・・!誰もいない体育館で毎日ポージングにいそしむ孤高のナルシスト・・・マッスル山村さんですわ・・・!」
小声で花原「・・・あいつは関わっちゃいけない系の人じゃない?」
乙奈「自分の腹筋を見せつけたいだけで基本的には人畜無害ですわ・・・」
筋肉をつつくちおり「かっこい~」
海野「山村君・・・バレーボールできる?」
マッスル山村「俺にできないスポーツはない・・・特にバレーボールはボディビルに次いで我が得意とするき・・・」
海野「じゃあレシーブお願い」
無視されるマッスル山村「御意・・・」
海野「生原さん、わたしにこの前みたいなトスを送ってくれる?」
トスを上げる生原「いいよ。やっ」
海野「じょうずよ!」
飛び上がって、勢いよくボールを叩き込む海野。
海野が放った剛速球をレシーブする山村「馬鹿な・・・おなごにこのような力が・・・!」
後ろに吹っ飛ぶ山村「うわああああ!」
生原「かっこいー!」
海野「これがスパイクです。で、生原さんがくれたパスをトス。山村くんが受けたのをレシーブというの。」
花原「・・・ちょっと待って。ということはさっきのあれを我々も受けなきゃいけないってこと・・・?」
乙奈「あれ、痛そうですわね・・・」
海野「・・・え?ええ・・・まあそういうことに・・・」
乙奈「あざとかできないんですか・・・?」
気まずそうに海野「それは日常茶飯事・・・」
花原「冗談じゃないわ・・・!これは球技の名を借りた暴力に他ならない・・・!」
得意げなちおり「花原さん。知らなかったの?すべてのスポーツは暴力だよ。
もともとバレーはボールじゃなくて敗北した武将の生首でやってたらしいし。
しろったま子さんがそう言ってた。」
花原「誰だよ、それ!」
山村「あのアニメは今季一番面白いよな。特にボールが爆弾になっていてコートに落ちると起爆するというアイディアは秀逸であった・・・」
生原「青春アタックを知ってるんですか!?ぜひ、我がチームに・・・!」
山村「よかろう・・・!これでメンバーの数は6人・・・!はーはは、喜べ!これで6億円の大会に出場できるぞ!」
海野「知ってたんだ、それ・・・」
花原「あんたはムキムキだからいいけど、こっちはか弱い乙女なのよ・・・」
山村「心配するな。私がカール・ゴッチ式スクワットを伝授するので、3か月後には諸君らも立派なレスラーだ。」
海野「・・・冗談はさておき、両手でちゃんとボールを受ければ大丈夫だし、練習ではもっと弱く打つから・・・乙奈さんやってみる?」
乙奈「・・・え?」
花原「やめときなさい、これは放課後のレクリエーションの域を超えているわ・・・」
ブ-ちゃんが手を挙げる。
海野「ブーちゃん・・・!」
乙奈「ブーちゃんが挑戦するって言ってます・・・!」
山村「道開くもの・・・勇者・・・」
海野「よし、ブーちゃんやろっ!」
すごい弱くブーちゃんにボールを送る海野。
たやすくレシーブをするブーちゃん。
海野「じょうず!」
花原「な~んだ・・・あんなに弱く打つのか・・・あれなら私にも楽勝ね・・・」
山村(俺への剛速球はいったい・・・)
花原「はいはいは~い!次、わたし!」
海野「よ~し・・・じゃあいくよ!えい!」
みぞおちにボールを受ける花原「ぐえええ!」
海野「だ・・・大丈夫!?花原さん・・・!」
山村「何故かがまない、長身の少女よ・・・!!」
海野「か・・・花原さんはボールを受けるよりも打つ方が向いてるよ!」
花原「そ・・・そうかな・・・」
海野「そうよ・・・!バレーの花形スターはアタッカーよ!その背の高さはアタッカー向きよ!」
花原「アタッカー・・・スター・・・?」
気を使う海野「うん!そうよ!スーパースター!バレー界の主役!」
花原「やってみるか・・・」
海野(・・・)

海野「じゃあ、私がトスを上げるのでさっきの私のようにジャンプしてボールをはたいてみて!」
花原「む・・・難しそうね・・・」
海野「スターなら簡単!」
ちおり「スター!」
花原「・・・楽勝・・・」
トスを上げる海野「はいっ!」
走り出す花原
海野「ボールの方に走りこんで・・・そこでジャンプ!」
山村「おおっ!」
ちおり「かっこいい!!」
花原「くらえ!これがスーパースター・・・はたき!!」
力任せにボールをたたきつける花原
海野「すごい・・・!」
一同「・・・ってボールがこっちにくる・・・!」
剛速球をよける乙奈たち。
やっぱり山村にぶち当たる「馬鹿な・・・理系女子にこのような力が・・・うわああああああ!!」
海野「すごいわ!花原さん本当にアタッカーの才能があるかも・・・!」
乙奈「思い切りアウトですけどね・・・」
遠くで倒れている山村を眺めるブーちゃん。
花原「へ・・・へへ・・・バレーがんばっちゃうぞ~~!!」

海野「それでは、2つのグループに分かれて練習しましょう。
乙奈さん、ブーちゃん、私の3人でパスとレシーブの練習をしましょう。
花原さん。生原さん、山村くんは引き続きスパイクの練習をしててね。」
生原「は~い!」
海野さん「生原さんがトスを上げて・・・花原さんがスパイクを打って・・・山村くんが・・・受けてね」
山村「い・・・いやだ・・・!」
花原「山村・・・すべてのスポーツは暴力よ・・・腹をくくりなさい。」



日が落ちてくる。
外から体育館の中の様子を盗み見ている病田先生。

ちおりが気づく「海野さん、なんか知らない女の子がこっちを覗いているよ?
仲間に入れていい?お~い、おいで~怖くないよ~」
海野「あ・・・あれ顧問の先生なんだ・・・」
乙奈「病田代和香先生は、体が弱すぎて受け持ったすべての学級を崩壊させてきた伝説の教師ですわ・・・」
花原「なんでそんな人が運動部の顧問しているのよ・・・」
乙奈「さあ・・・」
ちおり「あたしと同い年じゃないの?」
花原「あの見た目で28歳らしいよ・・・」
おどおどしている気弱な病田「あ・・あの・・・美帆子ちゃん・・・華白崎さんから聞きました・・・
本当にあの大会に出場するんですか・・・?」
海野「はい。みんなバレーは初めてなんですけど素質があると思うんです。」
病田「でも・・・このままでは大会には出場できないと思いますよ・・・」
パイプいすを出してやる山村「先生いすどうぞ」
病田「あ・・・ありがとうございます・・・」
花原「なんで出場できないのよ先生」
病田「に・・・人数が足りません・・・」
山村「はっはっは・・・おかしなことをおっしゃる・・・ここにいるのはどう数えても6人・・・」
病田「あ・・あの・・・今更こんなことを打ち明けるのもなんですけど・・・あの大会は女子しか出場できません・・・」
ショックを受ける山村「!!!」
ちおり「え~マッスル出れないの?」
花原「・・・じゃあ、もう用無しね。じゃあねマッスル。」
山村「た・・・たのむ!俺を見捨てないでくれたもう・・・!」
花原「仕方ないでしょう、ちんちんあるんだから!」
山村「うう・・・そーだ!俺をせめてこのチームのマネージャーにしてくれ・・・!」
花原「なぜ、そこまでして参加したいんだ!賞金はやらねえぞ・・・!」
山村「・・・入学してこの日まで体育館でずっとポーズを決めていたのに、話しかけてくれたのは諸君らだけだった・・・その恩に報いたいのだ・・・!」
ちおり「・・・なんか可愛そうだから混ぜてやろうよ。」
花原「あんたがそう言うなら・・・」
乙奈「しかし・・・こうなると代わりの女子が一名必要になりますよね・・・」
花原「あの病田先生にブルマーはかせれば誤魔化せない?」
ちおり「いけるいける。」
乙奈「まあ、なんて破廉恥な。ブルセラですわ」
困る病田「あ・・・あはは・・・美帆子ちゃん・・・ちょっといいかな・・・」
海野「あ、はい・・・みんなは練習を続けてて。」
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