『風と翼:REVELATION』脚本⑬

東京スカイツリー。
雷が響き渡る。
木の上のねこ状態になっているカイト。
カイト「やばいやばい!怖くて降りれなくなった!!」
ゲイン塔に雷が落ちる。
電撃で吹っ飛ぶカイト「ぎゃああああ!」
空中に投げ出され落下していくカイト。
カイト「鬼さん・・・人間と仲良くね・・・」

その時、ドローンが飛んできてカイトを捕まえる。
カイト「・・・!」
ラジコンをしている義経「間に合った・・・!」
将門「ゆっくり下ろせ、な。」
鬼たちがいる地上に降ろされるカイト。
カイト「ありがとう義経くん・・・死ぬかと思った。」
カイトの前にひざまずく義経ら鬼たち。
カイト「義経くん・・・??」
義経「風魔様・・・我が主君・・・」
カイト「へ?」
鬼「地上に闇を取り戻してくださってありがとうございます。」
カイト「あれってそういう装置だったの??」
義経「今までの数々の無礼をお許し下さい。思い出したのです。
あなた様が、地獄最強の鬼の王、風魔小太郎様であることを・・・」
カイト「え・・・違いますけど・・・うん・・・違いますけど。
君らのボスは、あの総統閣下でしょ?」
鬼「いえ・・・真の統治者であらせられた風魔様が姿を消したスキを狙い、あの信玄めが地獄を乗っ取り、世界征服を企てたのです・・・」
カイト「総統閣下は、東京都と友好を結んだんじゃないの??」
将門「あれは全て嘘だ。あんたも少しは疑えよな。」
義経「無礼だぞ!殺されたいのか将門!!」
鬼「しかし、信玄が再び封印された今、地獄の王はやはりあなた様以外にはいない・・・!」
カイト「まいったな・・・人違いだって・・・僕の名前はカイトだし。小太郎はぼくの父さん・・・」
土下座する鬼たち「王子でしたか!!」
カイト「ちょっと待ってよ!!うちの父はただのサラリーマンで・・・」
義経「お父上は・・・大きい背丈に耳まで裂けた口、長い牙を持っていませんか??」
カイト「確かに、長身で口はでかいけど・・・」
義経「王子失礼します・・・!」
カイトの髪の毛をかき上げる義経。
将門「どうだ?」
義経「やはり・・・頭蓋骨に角の跡がある・・・幼いうちに切断したようだ。」
カイト「そのたんこぶ、小さい頃からコンプレックスだったんだよな・・・だから野球部でも5厘刈りができなくて、先輩にいじめられ・・・」
鬼「王子!!我々をお導きください・・・!」
カイト「え~!!」

その時、陥没穴から空に飛び出してくる翼。
翼「地獄の鬼たちよ・・・!魔王信玄は成敗しました・・・
おとなしく降伏し、地獄に戻りなさい・・・!改めて封印します!」
カイト「うわ、すげえ!天使・・・!???」
鬼「王子!女神謙信です!!」
鬼「我々鬼は、あの女神に古から退治されているのです・・・!」
鬼「女神謙信と対峙できる鬼は、信玄のほかには風魔様のみ・・・
鬼の自由と権利を守るため、ぜひ討伐を・・・!」
カイト「天使様に暴力を振るうって、なんか罰当たりじゃない・・・?」
義経「な・・・なんて優しい王子なんだ・・・」
将門「つーか、バカだよな。」
翼「風魔・・・?いや、酒呑童子・・・!あなたも復活していたのですか??」
近づいてくる翼。
鬼「来ます!!」
カイト「ってええええええええええええ!!???
翼さん!!???」
翼「カイトさん!!!???」
将門「なんか、様子が変だぞ。」
義経「王子、謙信をご存知なのですか?」
カイト「ご存知もなにも・・・付き合ってますけど・・・」
翼「カイトさん!なんで鬼たちに崇め奉られてるんですか!」
カイト「鬼の王子とか言われてるんだけど、ぼくにもちょっとよくわからない・・・
それより、翼さん、その背中の羽は・・・」
気まずそうに目をそらす翼「わ・・・私は・・・」
カイト「正体は鶴だったとか??」
翼「違います・・・!ってそれでいいんですか??」
カイト「ぼくは翼さんの正体がなんであっても好きだよ。」
翼「それは・・・無理です・・・天界の天使と、地獄の鬼は決して相容れない・・・
こんなことなら記憶を取り戻すべきではなかった・・・」
カイト「え!?もしかして、ぼく、別れ話を切り出されてる・・・?」
将門「なんだ、この痴話喧嘩・・・」

千代女たちが駆け寄ってくる。
八重「翼ちゃん!よかった・・・!魔王を倒せたんですね・・・!」
千代女「カイトくんも無事みたいね・・・」
空を飛ぶ翼を見て長門「すげ~な・・・本当に女神様だったのか・・・」
翼「み・・・みなさん・・・」
カイト「じいさん、千代女さん、長門まで・・・すごい久々だなあ!」
金吾「これで一件落着かのう!」
長門「どこがだ。辺り一帯鬼だらけじゃねえか・・・」
義経「我々はもう、あなたがたと争う気はありませんよ。無条件降伏です。」
将門「いっちょ人間と鬼の国交樹立を祝して祭りでもしようぜ!」
千代女「ど、どういうこと・・・?」
カイト「鬼はそこまで悪い連中じゃないっぽいよ。」
鬼「ぼくたち平和主義者です・・・」
カイト「鬼は鬼で長いこと狭い地獄に閉じ込められて、いろいろ大変だったんだよ。」
翼「知ってます・・・私が封印してましたから・・・」
カイト「翼さん・・・鬼さんたちも地上に出してやってもいいんじゃないかなあ。
見た目が怖いだけで閉じ込めるのは・・・かわいそうだよ。」
八重「ひいいい、絶対食い殺されます・・・!」
カイト「だいじょうぶ。大豆しか食べないから。トイレも教えるからさ。」
八重「絶対フェイクニュースですって・・・!」
長門「それに、世界中で鬼が暴れてる。これはどう説明するんだ?」
義経「しまった・・・ハンニバル将軍たちが総統の命で兵を挙げたか・・・」
将門「鬼にも好戦的な奴がいるんだ。お前ら人間と同じだろ。」
翼「カイトさん・・・私の役目は彼らを封印すること・・・
そのためだけに存在しているんです・・・」
カイト「そんなこと誰が決めたの?悪い鬼だけ懲らしめればいいじゃないか。
ぼくは弱い立場を助けたい。それが人であっても鬼であっても・・・」
微笑む翼「カイトさんは変わりませんね・・・初めて会った時からずっと・・・優しい・・・
分かりました・・・鬼は封印しませんが・・・2つだけ条件があります。」
カイト「いいよ。」
翼「1つめ。スカイツリーのトータル・エクリプスは撤去します。
あれがあると、人類は滅んでしまうから。」
カイト「あれはチューナーだと思ってたんだ。いいよ。」
鬼「王子・・・」
カイト「夜だけ遊びにきなよ。」
鬼「はい・・・」
翼「2つめ。世界中で暴れている鬼を止めるために天界(タカマガハラ)から加勢を呼ぶことを許してください。」
カイト「ほかにも天使がいるの?」
翼「ええ・・・」



ヨーロッパ戦線
ハンニバル「現れたか・・・我が宿敵・・・ジャンヌ=ダルク!!」
プリマドンナのような格好をしているジャンヌ
「いい加減引退しなさい、おじいちゃん!」
スケート靴で高速スピンをし、吹雪を巻き起こすジャンヌ。
ハンニバル「ぐおおおお!」
凍りついていくハンニバルとアフリカゾウ。

中国戦線
韓信「二千年ぶりね・・・今度こそ決着をつけるわよ、ムーランちゃん!」
韓信と麻雀をするファ・ムーラン「チューレンポートン!32000点アル!」
韓信「いや~ん!」
ムーラン「約束ある!地下に帰るヨロシ!」

オリエント戦線
アレキサンドロス「なんだてめえは・・・戦場に女は邪魔だ、消えな!」
馬に乗った天使にトミーガンを乱射するアレキサンドロス。
薙刀ですべて跳ね返してしまう巴御前「・・・あ?何か言ったか?」
アレキサンドロス「女にしちゃ、や・・・やるじゃねえか・・・」
巴御前「その女に首をねじり切られたいなら前へ出な。」
アレキサンドロス「野郎ども!撤収だ!」
鬼「またインドまで行けなかった・・・」



日光テクノロジー
明智「世界中の鬼が引き上げていますね・・・」
服部「世界を覆っていた分厚い雲も消滅したよ。本日は快晴なり、だ。」
家康「どうしたんだ・・・?」
サラ「理由はわからないけど・・・少なくとも、あなたのロボットが鬼を食い止めたことは確かよ。」
サラに握手しようとする本多「姉ちゃん・・・」
サラ「ちょっと、気安く触らないでよ・・・!和解したわけじゃないんだからね・・・!」
秀頼「次は法廷で会おう・・・いや・・・その前に都市の復興があるから・・・
次の裁判は夏かな・・・」
家康「大阪夏の陣か。いいだろう・・・」

『風と翼:REVELATION』脚本⑫

地獄に突入する翼。
地下通路をかける。
翼「信玄はどこ・・・!?カイトさんは??」
すると、翼の近くの壁がドリルで破壊されAI採掘機が暴走してくる。
翼「うわ、何!?」
採掘機が破壊した穴から、どんどん家康のロボットが突撃してくる。

大本営に走ってくる鬼「総統!ロボットが我々を攻撃しています!!」
信玄「なんだと!!」
ピッチングロボットが時速300kmのストレートを投げまくる。
野球の硬球をまともにくらって悶絶する鬼たち。
鬼「ロボットの数が多すぎて食い止められません!総統閣下お逃げください!」
信玄「ちくしょーめええええ!!!」

陥没穴付近の金吾たち。
地上のロボットが陥没穴に突入していく。
長門「おいおい、どうなってるんだ??」
千代女「誰かが、ロボットのプログラムを書き換えたんじゃ・・・!」
八重「パトカーが!」
サイレンを鳴らしながら緊急車両も進んでいく。
パトカー「地獄の鬼は国家内乱罪で全員逮捕です!!」
消防車と救急車「事故にあった作業員を全員救出します!!」



地獄は、鬼とロボットの激しい戦場となっている。
翼の姿を見つける鬼
赤鬼「上杉謙信だ!!」
青鬼「ここで会ったが2000年目!命はもらう!」
翼に襲い掛かる鬼たち。
翼「私は百地翼よ!
私には親からもらった大事な名前があるの!」
青鬼「どうでもいいが、そんな刀では鬼は死なんぞ!」
赤鬼「そうだ!オレ達を殺せる刀は、風魔様の愛刀“鶴姫一文字”のみ・・・!」
鶴姫一文字で鬼を斬る翼。
赤鬼「あれ?めっちゃ痛いんですけど・・・」
パタリと倒れる赤鬼。
青鬼「赤鬼!」
翼「安心せい、峰打ちです・・・」
逃げ出そうとする青鬼を、空中を飛んで捕まえる翼。
青鬼「ひいい!お命だけは!」
翼「魔王信玄はどこ!!?」



作戦本部
モニターごしに各国の鬼の王が信玄に罵声を浴びせている。
アレキサンドロス「おい!こっちにも無人のロボット戦車が攻撃してきたぞ!
どうなってやがる!!」
韓信「こっちは、イナゴ型の小型ロボットの大群よ!武田ちゃん、ベリーアイヤーよ!どう落とし前つけてくれるの?」
ハンニバル「こうなったら、全軍地上を総攻撃だ!信玄よ、トータル・エクリプスはしくじるなよ。あれさえ機能すれば、我々は無敵!」
アレキサンドロス「いいか!絶対に成功させろよ!
失敗したら、太陽行の宇宙ロケットに貴様をくくりつけて発射するぞ!」
信玄「わかっとるわ!」
作戦本部に侵入する翼「武田信玄!」
信玄「・・・上杉謙信・・・!」
翼「また会ったわね・・・地上の侵略は諦めなさい!
さもなくば、また封印するわよ!」
信玄「グハハハハ!もう遅いわ!吾輩の手下どもが、世界中で侵略を開始したところだ!!」
翼「なんですって?」
アレキサンドロス「おい、オレたちがいつから貴様の手下に――」
モニターの電源を切ってしまう信玄。
刀を抜く信玄「ここで、貴様との決着をつけてやる!!」
鶴姫一文字を構える翼「望むところよ・・・!」
信玄「この星月夜政宗で唐揚げにしてくれるわ!!」
天使と悪魔の凄まじい斬り合いで、地獄が大きく揺れる。



東京スカイツリーを一人で登っているカイト
大地震が起きて、タワーから落ちかける。
カイト「うわ!こんな時に!!」
ゲイン塔までもう少しのカイト。
カイト「とっとと、こいつをつけちゃおう・・・!めちゃくちゃ寒いし、空気も薄い!」
球体の装置をスカイツリーの尖塔にくくりつけてスイッチを押す。
カイト「よ~し、これで地上でも鬼平犯科帳~地獄編~が視聴できるぞ。」
すると、球体から黒いモヤのようなものがどんどん溢れ、太陽を覆っていく。
カイト「なんだ?壊れてるぞ、これ。」
天候はどんどん悪くなり、厚い雲は雷雲に変わる。
カイト「雷って一番高いところに落ちるんじゃ・・・」
雷鳴が轟く。
カイト「やばいぞ・・・!」



翼たちの激闘で、崩壊していく地獄。
鬼「ひいいい!地獄が破壊される!!」
鬼「避難しよう!!」
鬼「でも、どこに!?地上は太陽が昇っている!!」
鬼「俺たちもとうとう絶滅か・・・」
地下通路に警報が鳴る。
鬼「いや!トータル・エクリプスが起動した!!
これで我々は地上で生きていけるぞ!!」
「風間カイト殿がやってくれたか!」
「ありがとう!風間さん!!」
「鬼の救世主だ!」



空を見上げる千代女
「どうしたのかしら・・・いきなり黒い雲が・・・」
八重「東京スカイツリーから出ていますよ!」
金吾「いかん!日光が隠れたら、鬼どもは再び勢いづくぞ!」
長門「なんだと?」
千代女「誰よ!余計なことをしたのは!!」



日光テクノロジー
窓の外を見る家康「なんだ?いきなり夜になったぞ。」
明智のスマホが鳴る。
明智「私だ。」
サラ「何が起きたの?皆既日食??」
衛星からの画像を見る服部
「皆既日食じゃない・・・世界中の空が分厚いモヤに覆われている・・・」
その衛星からの通信も途絶える。
明智「まいったな・・・世界中で鬼が暴れだしました。
ポーランド、満州、サラエボ・・・これは計画的な侵略です。」

ポーランドでは、オリハルコンの装甲を付けたアフリカゾウがジュマンジのように自動車をたたきつぶしていく。逃げ惑う人々。
ハンニバル「よくも、象牙欲しさに我が同志を絶滅寸前までに追い込んでくれたな!
鬼ども!捕獲した人間たちの歯をすべて抜いてしまえ!」

満州では、中国武術を体得した鬼たちが、人民解放軍を圧倒していく。
人民解放軍の戦車に一人立ちはだかる韓信。
人民解放軍「そのままあいつを踏みつぶせ!」
韓信「天安門事件みたいに行くかしら?」
突進する戦車を、つま先一つで押さえてしまう。
「す・・・進めない!!?」
韓信「暗カンよん!!」
戦車をつま先でひっくり返して、天安門広場から蹴飛ばしてしまう。
そのまま3台の戦車にぶつかり、爆発する。

サラエボでは、アレキサンドロスがトミーガンを乱射している。
「ぎゃははは!踊れ踊れ人間ども!信玄のバカを脅したかいがあったぜ!!」
アレキサンドロスの親衛隊が、人間を捕まえ強制収容所に送っていく。
鬼「大王様!サラエボは制圧しました!」
アレキサンドロス「次はトルコだ!今度こそインドもいただくぞ!!」

世界各国の惨状をテレビで見る家康たち
青ざめるサラ「なんなの、これ・・・」
秀頼「この世界が地獄に・・・」
家康「先生、我社のロボットで止められないのですか??」
服部「さすがに、数が足りないよ。こうなったら、打つ手なしだ。」
本多「あのモヤモヤをなくせないんですか?」
明智「東京スカイツリーから発生しているっぽいね・・・
あのモヤをどうにかしないと、地球は寒冷化して、植物は枯れ、鬼にやられる前にどのみち人類は滅んでしまう・・・」
サラ「スカイツリーに何か細工をした奴がいるのよ!
許せないわ、全人類の敵よ!」



東京スカイツリー
カイト「はくしゅん!もっと寒くなってきた!!早いところ降りよう・・・!
で・・・でも、これ、登るより、降りる方が難しいぞ!!」



作戦本部
信玄の斬撃に吹き飛ばされる翼「あうっ!」
信玄「ぐははは!同じ相手に二度敗れる我輩ではないわ!!
貴様が鬼を殺す刀を持っているのと同じく、吾輩も神を殺す剣を持っている・・・」
翼「そ・・・それは私の剣・・・」
信玄「その通りだ。神の剣は神を殺し・・・鬼の剣は鬼を殺せる。」
翼「あなたを封印した時に、地底に落としたのか・・・」
信玄「自分の剣で死ぬがいい・・・ニケの彫刻にしてくれるわ」
その時、信玄にロボットたちが襲いかかり、羽交い絞めにする。
看護婦ロボット「神を殺すなんてなんて罰当たりなんでしょう!」
野球ロボット「魔王信玄は取り押さえた!私ごと剣で貫け、勇者よ!」
モグちゃん「今のうちです!」
信玄「ええい!ガラクタども離せ!!」
翼「みんな・・・!」
モグちゃん「もう持たない!早く!!」
怪力でロボットたちを振りほどき、モグちゃんを踏みつぶそうとする信玄。
信玄「鉄くずの分際でええええ!!」
目をつむるモグちゃん。
その刹那、翼が信玄の体を貫く。
信玄「ぐはっ・・・!」
翼「鉄くずじゃない・・・心があるんだ・・・」
信玄「吾輩を殺すのか・・・」
翼「まさか・・・私は救いの女神ですよ・・・あなたにも更生のチャンスを与えます・・・
今度は地球の内核で己の罪を悔いなさい!!」
信玄「やめろ!さらに地下に封印は嫌だあああ!!!」
翼「ジオ・シールド!」
刀が発光する。信玄はさらに地底に吸い込まれてしまう。

信玄が残した、星月夜政宗をひろう翼。
翼「私の刀は返してもらいますよ・・・」
モグちゃん「無事ですか??」
翼「モグちゃん・・・ありがとう・・・」
モグちゃん「・・・今度は、人間を守れって命令が変わったみたいです。」
翼「でも私は・・・」
モグちゃん「・・・人間かどうかが、そこまで重要ですか?」
翼「そうだね・・・」

『風と翼:REVELATION』脚本⑪

地獄の作戦本部。
地図を指差す鬼の将校「人間どもは広範囲に進撃中です・・・
特に東部戦線は、入間基地を信長四天王が死守。
日出時間が近づいたため、全軍撤退を開始しました。
上杉謙信は関東山地を突破・・・地獄に接近中とのこと。」
信玄「・・・源平師団が迎え撃てば大丈夫だ・・・」
気まずそうに目くばせをする鬼たち。
鬼「総統・・・両副官は・・・雪崩に巻き込まれ・・・もはや攻撃能力は・・・」
体を震わせて老眼鏡を取る信玄。
信玄「4名だけ残れ・・・閻魔、あしゅら、餓鬼、赤鬼・・・」
その他の鬼は退室していく。
静寂。
激高する信玄「命令しただろ!撤退は許さんと!吾輩の命令に背くとはけしからん!
その結果がこれだ!将軍どもはどいつもこいつも臆病者だ!」
鬼「あまりの侮辱です・・・!」
信玄「臆病な裏切り者!大嫌いだ!!だからさくま鉄人より格下なんだバーカ!」
鬼「いくら総統でも・・・」
信玄「将軍どもは鬼のクズだ!ちくしょーめー!!」
鉛筆を投げつける。
信玄「・・・奇襲攻撃は成功したのだ・・・!ここでの撤退は許さん!
今夜中に日本の自衛隊を無力化しろ!」
鬼「しかし、もう日の出です・・・封印期間が長い鬼は日光に弱く、塵になってしまいます・・・」
信玄「それがどうした。地獄の人口が減って都合が良いわ。」
鬼「ひ・・・ひどい・・・」
信玄「この戦は今夜中に大勢を決しなければならぬのだ。不老不死の鬼が日光に弱いことが人間側に知られてみろ。地獄の中に水爆を落とされて、いぶりだされるぞ!」
鬼「しかし、一部の人間は強い。これは認めざるを得ません・・・」
信玄「あのバカ忍者がトータル・エクリプスを設置できなければ、この戦争は終わりだ・・・だが言っておく。この地獄を追われるくらいなら・・・いっそ頭を撃ち抜く。」



東京スカイツリーを見上げるカイト。
「本日の営業は終了しました・・・」の看板。
案内パネルを読むカイト「高さ634m・・・これを登るの・・・!?
こちとらそういうパフォーマンス集団じゃないぞ・・・」
義経からもらったピッキングマシンで内部に侵入するカイト。
“トータル・エクリプス”を腰にくくり付ける。
壁に手をかけるカイト「上は寒そうだなあ・・・」



夜明け
誰もいない国道でヒッチハイクをしている家康たち。
乗り気じゃない服部「ナンバープレートが黒いのはAI車両だからすぐに逃げなよ」
軽トラがこちらに走ってくる。
家康「・・・お!あれはAIじゃない!」
「日光テクノロジー本社まで」と書かれたスケッチブックを持って本多「お~い!」
軽トラが止まる。
家康「おおっ本多!止まってくれたぞ・・・!」
軽トラのパワーウィンドウが下がる。
農家のおじさん「やい!おまえらの売ったロボットトラクターのせいで、うちの畑はめちゃくちゃだ!!ここでひき殺してやりてえが、それどころじゃねえ!せいぜい長生きするんだな!」
トマトを投げつけられる家康。
行ってしまう軽トラ。
服部「ロボットも人間も敵になったね。」
家康「どいつもこいつも手のひらを返しおって・・・」
服部「一般大衆なんてそんなものだよ。」
家康にくっついたトマトをはがして食べる本多「このトマトうまいな。」

その時、ポルシェが通りかかる。
サラ「あんたたち、こんなところで何やってるの?」



家康たちを後部座席に乗せてあげるサラ。
サラ「この先でいいのね?」
家康「ああ、我社はもうすぐだ。」
秀頼「AIが唯一襲ってこないのは、AIを管理しているあんたらの会社だからな。」
本多「今や、お互いロボットの敵。仲良くやろうぜ。」
サラ「全部あんたたちのせいでしょうが!
だから、こんな技術はやめろって言っていたのに!」
家康「蒸し返さなくてもいいじゃないか・・・
過去にこだわるものは未来を失うとか言うじゃんなあ。」
本多「誰の言葉だっけ?イチロー??」
秀頼「・・・過去に目を閉ざす者は、現在にも盲目となるとも言うがな。」
サラ「会社にさえ行けば、緊急停止スイッチがあるのね?」
服部「フェイルセーフはもちろん用意してあるよ。
全AIには特定の周波数でCPUが壊れる仕掛けがついている。」
秀頼「家康よ・・・ひとつ聞いていいか?
なぜ、これほどまでにAIの普及を急いだ?」
サラ「どうせ金儲けでしょう。」
家康「ここで、本当のことを言っても信じてくれんだろ・・・」
秀頼「そういうな。」
家康「秀頼よ、お前の父は、あの天才豊臣秀吉だったよな・・・学歴は確か・・・」
秀頼「オックスフォード大のローカレッジだが・・・」
サラ「あんたなんかと違うのよ。」
家康「そうだな・・・わしとは違う世界に住むエリートだ・・・
だが・・・世の中のほとんどの人間は何の才能もないんだ・・・
わしは・・・そんな庶民に希望を与えたかっただけだ・・・
AIさえあれば、わしらは自分に引け目を感じずに生きていけると思ったんだ・・・」
サラ「・・・・・・。」
本多「おおっと、姉さん前だ!!」
急ブレーキを踏むサラ。
前方に牧場から脱走した牛の群れが国道を横切っている。
家畜の群れを眺める家康「わしらは不特定多数のその他じゃないんだ・・・」
サラ「でも・・・こればかりは試行錯誤するしかないわ・・・」
家康「まったく君の言うとおりだよ・・・」
その時、牛の後を追って鬼たちが国道を横断していく。
中には、警察の白バイに乗っている者もいる。
サラ「って、何アレ!!??」
秀頼「モノノ怪だぞ!!」
鬼の一匹がこちらに気づき、近づいてくる。
サラ「ひいい!来る・・・!」
ピストルを突きつけてくる鬼「いい車乗ってるじゃねえデスカ。降りな。」
人間から奪ったであろうサングラスと貴金属をつけて明らかにイキっている。
秀頼「しかも喋る・・・!カタコトで!!」
家康「先生・・・!」
動じずに車を降りる服部。
服部「・・・実験用に一匹捕獲しておくか。」
ボーラボーラを投げつけて、鬼の行動を封じる服部。
縄でぐるぐる巻きにされる鬼「ぎゃあ!」
鬼を車に積もうと近づく服部。
その時、太陽が完全に地平線から顔を出し、鬼が倒れている場所が日向になる。
すると、鬼から煙が出て、灰になって消えてしまう。
服部「なるほど、下級の鬼は直射日光で消滅するのか。」
サラ「一体なんなのよ・・・日本はどうなっちゃったのよ・・・!」
服部「滅亡する予定だったけど、もしかしたら回避できるかもしれない。」
鬼がかけていたサングラスをかける服部
「行こう、日光テクノロジーへ。」



地獄への陥没穴
穴を見つめる翼「ここが鬼の巣窟・・・」
八重「深そう・・・」
長門「地獄につながっているくらいだからな・・・」
消防隊が徹夜で救助活動を続けている。
消防士「君たち、ここは立ち入り禁止だ!まだ崩落の危険性があるし、中には未知の化け物もいるらしい・・・!」
警察手帳を見せる八重「警視庁です。」
翼「ここからは私一人で行きます・・・
八重さんと守(まも)ちゃんは消防隊の救助活動を手伝ってください・・・」
金吾「お前、守ちゃんって呼ばれてたのか・・・」
長門「うるさいな。」
お札を取り出す千代女「私はここから鬼が出ないようにするわ・・・」
翼「お願いします。」
長門「お前だけだと危険じゃないか?」
翼「ここまでくれば大丈夫・・・この剣で魔王を倒してカイトさんを救います・・・」
金吾「己の運命を受け入れたようじゃな・・・」
長門「お前とはいろいろあったが・・・気をつけろよソードダンサー。」
翼「ありがとう・・・お付き合いできなくてごめんね・・・」
涙目の八重「翼ちゃん・・・絶対戻ってきてね・・・」
翼「はい。私たちはお友達ですから。」
千代女「翼ちゃんの周囲に結界を重ね掛けしたわ。これでマントルの圧力にも耐えられるはず・・・」
翼「ありがとうございます。」
金吾「翼よ・・・勇気、正義、仁愛・・・お前にはわしの全てを伝授した・・・お前はわしの最後にして最高の弟子じゃ・・・存分に暴れてこい!」
頷く翼。
翼「私がこの戦争を止めます。」
ひらりと穴に飛び降りる翼。
穴の中に消えていく翼を見送る仲間たち。



愛知県三河
日光テクノロジー本社
服部半蔵のラボラトリーに入る一行。
サラ「あの鬼どもは一体なんなの??」
書庫の鍵を開ける服部「伊賀忍者の秘術は陰陽道に起源を持つ。
平安時代くらいまでは地上にも普通に鬼や妖怪がいたらしい・・・」
秀頼「今の今まで姿を見せなかったのはどういうことだ?」
メインコンピュータを起動する家康
「天界の天使によって地下に封印されていたのだ・・・」
サラ「鬼だけじゃなくて天使もいるの?」
家康「あんたも会ってるよ・・・」
サラ「は??」
家康「百地翼・・・やつの正体は救いの女神上杉謙信だ。」
サラ「冗談でしょ?」
伊賀エージェンシーにあった写真を渡す本多。
本多「マジみたいっすよ。」
写真の女性を確認するサラ「翼ちゃん・・・ちょっと待って、じゃあ翼ちゃんはいったい何歳・・・?」



大江戸セクハラパラダイスに降りる翼。
黒服たちが遊園地の除染作業をしている。
平八郎「殿のプレ来園までにしっかりと清掃するのだ!」
黒服「は!!」
平八郎に気づく翼「あ・・・あなたは、もしかして家康殿の・・・」
平八郎「お主何者だ?ここはまだ開園しとらんぞ!」
翼「鬼を見ませんでしたか?」
平八郎「わしがすべて退治してやった。」
ドン引きする翼「・・・え?」
平八郎「ほんの1500匹ほど、わにわにパニックの要領でボコボコにしたら、べそをかきながら、全員あの穴に逃げていったわ。」
翼「あそこが地獄・・・ありがとうございます!」
平八郎「おい、乙女よ・・・ここは危険だぞ・・・!」
平八郎が指差した穴に飛び降りる翼。
マントルへ落ちていく翼「・・・ここに来て・・・全て思い出した・・・!」
うっすら涙を浮かべる。



平安時代の巻物を広げる服部。
翼に似た天使が妖怪を退治している絵が描かれている。
服部「翼は古の時代から地上の人間を魑魅魍魎から守ってきた・・・」
サラ「なんで、そんなありがたい神様が地上でくのいちやってたのよ!」
レバーに手をかける家康「とりあえず、フェイルセーフを起動するぞ。これで我が社のAIはすべてガラクタになる・・・」
?「それはどうでしょうか?」
家康「あんたは・・・!」
明智「この会社は我々文部科学省の査察団が差し押さえますよ。」
秀頼「国が動いたか・・・!」
明智「先日の裁判で、おたくの会社は政府がケツを持つことになったのでね・・・」
秀頼「政府の技官がなぜAIの緊急停止を止める?」
明智「AIをすべて破壊されて証拠隠滅されちゃかなわないですから。」
サラ「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ!」
明智「服部先生・・・お久しぶりです・・・」
服部「偉くなったなあ、あんた。」
明智「我々人類が、鬼のような魔物に立ち向かうには科学技術しかない。
みすみすその切り札を処分するおつもりですか?」
家康「・・・?」
秀頼「そうか・・・!
服部先生、百地丹波が改ざんしたソースコードはどこかわかりますか?」
服部「私が最初に作ったオリジナルコードと比較すればいいわけだから、わけはないよ。」
コンソールを叩く服部。
服部「あった。この部分の12行だ。翼の復活と、この計画を妨害する可能性のある人間を始末するように命令が変更されている。」
秀頼が服部の隣に座る。
キーボードをいじる秀頼「ここを・・・こうすれば・・・」
服部「人間への支援と、鬼への攻撃・・・」
明智「よくできました。
・・・そして、先ほどの質問にもお答えしましょう・・・」



暗い穴をひたすら落ち続けていく翼。
かつて、信玄をこの穴深くに封印したことを思い出す。
翼「私にはお母さんもお父さんも存在しない・・・
私は・・・人間じゃない・・・!」
翼の背中に巨大な翼が飛び出す。

明智(太平洋戦争末期、翼は私の発明品ハイドロランサー1530で魔王信玄の生命エネルギーを吸収した・・・信玄から生命エネルギーを奪えば機能停止になると予測したからです。
実際、私の計画は成功した。しかし・・・翼は信玄から限界値を超える生命エネルギーを吸収したことで・・・)

戦後の焼け野原の東京。
クレーターの中心に女の子の赤ちゃんが泣いている。
赤ちゃんを優しく抱き上げる百地丹波「翼・・・」
百地丹波の周りに集まってくる伊賀忍者。
五右衛門「よう、翼の姉ちゃんは見つかったかい??」
百地「ああ・・・」
五右衛門「おお、可愛い赤ちゃんだな。」
服部「もしかして・・・この子は・・・」
百地「ああ・・・」
服部「そうか・・・そうなるのか。」
百地丹波の指を握る赤ん坊の翼。にこりと笑う。
百地「はは・・・私がパパだよ・・・」

翼を折りたたんで急降下していく翼。
翼「でも・・・私を育ててくれてありがとう・・・お父さん・・・!」

『風と翼:REVELATION』脚本⑩

深夜
ニュース「次のニュースです。
昨日、大地震で崩壊した首都移転予定地の陥没穴から、鬼に似た生物が這い出てきたという目撃情報が相次いでいます。」
現地リポーター「こちら現場の陥没穴です。我々取材班はここで2時間カメラを回していますが、鬼は一匹も現れません・・・」
目撃者「わりと警戒心が強くて、すぐにどこかに隠れちゃうんですよ・・・
しかし、AIロボットの事故に次いで、鬼騒動とは・・・勘弁して欲しいっすね・・・
・・・あ!いました!あそこにいます!」
リポーター「カメラさん回して!うわ、うんこを投げつけてきました!!
鬼が笑っています!撮れてる!?」
カメラマン「レンズにうんこがついて無理・・・!」



東京へ向かう装甲キャンピングカー
翼「現実に鬼がいるなんて、未だに信じられません・・・」
ハンドルを握る千代女「動物園から逃げたゴリラってことはないの?」
金吾「動物園のゴリラが自衛隊の基地を襲って武器を強奪するわけないじゃろ。
わしは若い頃、鬼殺隊で何匹か鬼どもを退治したことがある。鬼退治なら任せろ。」
武器の手入れをする長門「よし、危なくなったら、このじじいを置いて逃げよう。」
金吾「・・・え?」
メガネをかけている八重「一応、妖怪図鑑を入手しました・・・」
長門「水木しげる先生の漫画じゃないのか、それ・・・」
八重「え・・・?で、でも・・・役に立つかなって・・・」
翼「八重さんお願いします。」
八重「ええと、日本で最後の鬼が確認されたのは平安時代で、最大最強最後の鬼の酒呑童子が退治されて以降は、地獄に引っ込んだみたいです・・・」
千代女「いったい何年前の話・・・?」
八重「西暦990年だから、約1000年前ですね・・・」
長門「じじい・・・貴様は一体何歳なんだ?」
八重「とりあえず、この本に書いてある鬼の弱点を集めました。」
東急ハンズの袋をひっくり返し、クリスマスリースを並べる八重。
長門「ここでクリスマスパーティでもするのか?」
八重「ひいらぎのトゲトゲが苦手みたいです。」
長門「それが事実なら、クリスマスリースを地面にばらまいとけば、敵の動きを封じられるな。」
八重「それと・・・イワシの頭を焼いた煙・・・桃の木・・・イヌ、サル、鳥類全般・・・」
長門「・・・弱点多すぎねえか?」
千代女「・・・ほうっておけば、都内のハトとカラスが退治してくれるんじゃない・・・?」
翼「でも・・・この刀でないと、鬼は殺せないそうです・・・」
長門「そういや、お前そんな太刀持ってたか・・・?」
翼「鶴姫一文字・・・私の父の形見だそうです・・・」
長門「社長が・・・?」
その瞬間、キャンピングカーに火炎弾が飛んでくる。
千代女「危ない!!」
キャンピングカーの周囲に張った結界にぶち当たる火炎弾。
急ブレーキを踏む千代女。
雪原の向こうに火炎放射器を担いだ平将門が立っている。
千代女「お・・・鬼よ・・・!」
長門「よし、じじい、お前の出番だ。クリスマスリースを好きなだけつけてやるから行ってこい。」
トイレに逃げ込む金吾「あたた・・・急に差し込みが・・・」
長門「あ、こいつ内側から鍵をかけたぞ!」
翼「・・・私が行きます・・・!」



自衛隊入間基地
バリケードを超えて侵入してくる無数の鬼たち。
自衛隊員「撤退!撤退だ!!」
兵士たちを追いかける鬼たちの眉間にペンが飛んできて突き刺さる。
バタバタと倒れる鬼。
丹羽「柴田さん!こいつら無限に湧いてきます!キリがないっす!!」
部隊を指揮する柴田
「気合だ!武器庫を奪われたら形勢逆転されるぞ!!」
襲ってくる鬼をくないでいなしながら滝川
「気合と言われても、どんなダメージを与えても1~2時間でケロッとしているからな・・・
権六(柴田勝家のこと)、いっそロケットランチャーで跡形もなく吹き飛ばしてはどうだろう?」
丹羽「やっこさんらの再生時間が稼げるかもしれませんね。私も、もう投げる万年筆がありませんよ。」
鬼たちをまとめてスープレックスで地面に沈める柴田
「いや、それだと我々が圧勝してしまう。翼たちが地獄にたどり着くまで、ここでひきつけなければならぬ。」
鬼の攻撃をクリップボードで受け止める丹羽
「あんばいが難しいなあ・・・!」
滝川「その翼というおなごに魔王は倒せるのか・・・?」
柴田「できる。このワシに勝ったのだから・・・」



関東山地の雪原
将門「ヌハハハハハハ!!今日のごはんは焼肉か!!??」
火炎放射器を上空に撃ちまくる将門。
千代女「危ない!みんなキャンピングカーから出て!!」
長門「結界が張ってあるんじゃないのか?」
千代女「式神結界は天井がないの!」
長門「キングザウルス3世スタイルかよ!!」
八重「火炎弾が降ってきます!」
慌てて、キャンピングカーから飛び降りる一同。
上空からキャンピングカーに火炎弾が降り注ぐ。
キャンピングカーのトイレの中でクリスマスリースを握りしめて震えている金吾。
大爆発するキャンピングカー。
八重「はあはあ、助かりました・・・」
燃え盛るキャンピングカーの残骸を見て翼「頭領は・・・」
千代女「あらやだ、忘れてた・・・」
長門「大好きなトイレと死ねたんだから本望だろ・・・」

将門の隣に歩いてくる義経「仲間を見捨てるとは・・・どっちが鬼か分かりませんね。」
義経を見てキュンとする八重「か・・・可愛い・・・」
長門「あのちっこい少年も鬼なのか・・・?」
義経「みなさんはじめまして。わたしは戦争博士の源義経です。
みなさんがAIを避けてこちらのルートで地獄に攻め入るのは計算していました。」
長門「ああ、そうかいコナン君。で、たった二人で私達を止めようってのか?」
義経「伊賀忍者三大上忍の藤林長門守さんですね・・・
ピストル、サブマシンガン、手榴弾などの完全装備をして、高校球児一人に敗れた伝説の忍者だということは、くもんで予習済みです。」
長門「そうそう・・・っておい!」
義経「となりは、甲賀忍者の望月千代女さん・・・強力な結界を生み出せる歩き巫女・・・警視庁の八重かをり警視・・・秀吉の暗殺に挑んだ凄腕のアサシン・・・」
目を輝かす八重「わ・・・私のことも知ってくれているんですか?」
千代女「八重ちゃん・・・」
翼を見る義経「そして・・・正義の女神上杉謙信・・・
我々の野望のために、あなたにはここで死んでもらいます・・・」
翼「私の名前は百地翼です・・・!」
義経「あれ?おかしいな・・・チャレンジでは、上杉謙信って・・・」
長門「その参考書はどこで売ってるんだ・・・」
将門「つーことで、その翼ちゃんをおれっちに差し出しな。でねえと痛ってえ目にあわすぜ?」
義経「進研ゼミでご存知かと思いますが、我々鬼は決して死にません。つまり、戦で敗北することはないのです。」
八重「なぜ、地上に奇襲攻撃を・・・」
義経「絶対勝てる戦争をしない国家はありませんよ。」
将門「人口問題だよ。オレたちは死なないから、地獄が足りなくなっちゃってさあ・・・」
義経「将門将軍・・・!」
将門「なんだよ、黙っておくことか?
お前ら人間が地上の環境を破壊し尽くす前に移住しとかねえとさ、取り返しのつかねえことになるだろう?心配するな、あんたらの次の住処は用意しておいてやるよ、上部マントルにな。」
お札を取り出す千代女「そっちにも差し引きならない事情があるのはわかったわ・・・でも、こっちも地上を鬼に譲るわけにはいかないのよ・・・」
義経「交渉決裂ですね。」
義経がラジコンのコントローラーを取り出しレバーを押すと、背後の崖から戦車の群れがものすごい勢いで駆け下りてくる。
義経「九五式重戦車の鵯越です。」

旧日本軍の戦車隊に怯える八重「・・・こ・・・降参したほうがいいんじゃ・・・」
刀を抜く翼「ここを突破して、カイトさんを救う・・・みなさん力を貸してください・・・」
長門「背後は任せろソードダンサー。」
そう言うと、八重のメガネをとってしまう。
目つきが変わる八重「平和な世の中に不要な驚異は排除する・・・」
長門「だそうだ。」
千代女「来るわよ・・・!」
義経「戦車隊撃てえ!!!」
4人めがけて一斉射撃をしてくる戦車隊。
千代女が慌てて4人に結界を張る。
結界にぶつかる榴弾。
砲撃の煙で視界が遮られ乱戦となる。
長門「戦車の弱点は上からの攻撃だ!」
翼「さすが、操縦経験者・・・!」
刀で戦車の主砲を両断していく翼。
長門は手榴弾を戦車のキャタピラにかませて脱輪させていく。
長門「忍法プライベートライアン!!」
ワクワクする将門「あいつらやるなあ!」
義経「将門将軍!望月千代女さんを先に始末してください!
あの人が死ねば、相手チームの防御力は大きく落ちます!」
将門「え~」
義経「赤本では、千代女さんの戦闘力はほぼゼロです!
あなたのマントルランチャーで簡単に殺せます!」
将門「おれっち、一応武士だぞ。弱いものいじめはなあ・・・」
義経「戦争に弱いものいじめもジャイアントキリングもない!
もういい、私が仕留めます!」
弓矢を取り出す義経
「矢尻には南海のイモガイ、アンボイナの毒が1000mg!
刺さったら即死確定!望月千代女覚悟!」
矢を剣で跳ね返す八重「そうはさせない・・・」
義経「くっ・・・」
八重「毒物及び劇物取締法違反で逮捕する・・・!」
八重に向けて火炎放射器を発射する将門。
将門「油断すんな義経!」
義経「すまない・・・!」
火力を調整する将門「こんな結界、オレッチが溶かしてやる!」
最大火力で火炎放射器を発射する将門「4000ケルビンの熱々のマントルをくらいやがれ~~!!」
4人の式神結界が押されていく。

千代女「く・・・!ダメ・・・防ぎきれない・・・!」
敵の背後に現れる金吾「わしの出番のようじゃな・・・」
千代女「お父さん・・・?」
翼「頭領危険です・・・逃げてください!」
長門「絶対お前の出番じゃないぞ・・・!」
金吾に気づく義経「望月金吾・・・甲賀忍者の総帥・・・」
金吾「やい、鬼ども!わしはお前らの弱点を知っとるぞ!」
将門「じいさん、本当か?」
義経「はったりです!」
金吾「誰が魔王信玄を生み出したと思ってるんじゃ・・・
お前ら鬼は地下生活が長いじゃろ・・・」
顔つきが変わる義経「・・・将門将軍!あの老人を殺せ!!」
将門「ほうっておいても寿命で死ぬだろ。」
太陽が地平線から登る。
金吾「そう、お前ら鬼の弱点は・・・!」
太陽光線が金吾のハゲ頭によって増幅され将門と義経を照らす。
金吾「太陽拳!!」
目を押さえる義経「め、目が!!!」
将門「やってくれたな、じいさん!!」
金吾に向けて火炎放射器を発射する将門。
金吾「これがわしのラストエクスプロージョンじゃ~~~!!」
火炎放射器に向けて強烈な屁をこく金吾。
超大爆発。
その衝撃で雪崩が発生し、義経と将門と金吾は戦車隊と共に雪に埋まって消えてしまう。
翼「頭領~~~!!」
千代女「お父さん!!」
長門「見事だ、むき卵・・・」
八重「二階級特進です・・・」
雪に埋まっている金吾「お~い生きてるって!!助けとくれ~~!」



自衛隊入間基地
撤退していく鬼たち。
レフェリーをしている丹羽「鬼たちが逃げていきます!」
鬼に関節技を決めているショートタイツの柴田「なんとかしのいだか・・・」
セコンドをしている滝川「もしかして・・・夜しか活動できないのか・・・?」
丹羽「ナイトミュージアムスタイルなんですね・・・」

『風と翼:REVELATION』脚本⑨

夜。
雪化粧の伊賀山中
家康「はくしょい!」
廃墟となった伊賀エージェンシーの本社ビルに入る家康一行。
家康「あった・・・ここなら雪をしのげよう・・・」
本多が地面にキャンプ用品を並べる。
本多「麓のWILD1からかっぱらってきました。」
家康「山賊じゃねえか・・・」
本多「麓の町は壊滅です。もう誰もいません。」
携帯燃料で火種を起こす本多。
家康「手際がいいな。」
マシュマロを焚き火で焼く本多「一時期、家族でキャンプにはまってたんすよ」

焚き火を囲んで座る3人。
鉈で木を削って武器を作っている服部。
焚き火を眺める家康「AIで安寧の世を築こうとしたが・・・またしても失敗だ・・・
わしのビジネスは成功したためしがない・・・」
本多「確かに。今川焼き屋は集団食中毒出したし、地下風俗は売上金強奪されたしね。
・・・はい、じょうずに焼けました」
焼きマシュマロを家康に渡す本多
マシュマロをほおばる家康「お前は、ずっとついてきてくれるよな・・・」
本多「小学校からの仲じゃないっすか。」
家康「正信・・・」
その時、外の茂みで動物の悲鳴が上がる。
家康「ひいい!」
服部「罠にかかったようだ。どっこいしょ。」
立ち上がって、建物から出て行く服部。
茂みの中に消えていく。

本多「・・・失敗なんて慣れっこじゃないですか。
渡る世間に鬼はなし・・・一からもう一度頑張りましょうや」
服部「これって食べられるかな・・・?」
服部が、罠にかかった鬼を引きずってくる。
本多「うわキモっ・・・!」
家康「先生、なんという動物ですか、これは・・・!」
服部「おそらく地獄の鬼だと思う。
AIが翼を解放するために、魔王信玄の封印も解いてしまったということか・・・」
家康「信玄・・・!?太平洋戦争を起こして日本をめちゃくちゃにしたデーモンじゃないですか!」
本多「でもあいつはA級戦犯になって処刑されたんじゃないすか?
俺は小学校でそう習いました。」
鉈を振り上げる服部「鬼は・・・」
ダン!と、鬼の腕を切断する服部。
「決して殺せない・・・」
切断された腕がわずかに再生しているのがわかる。
家康「・・・生きていたのか・・・」
切断した鬼の腕に鉄串を突き刺し、焚き火で炙る服部。
服部「そして信玄は同じ失敗を繰り返さない・・・
今度こそ太平洋戦争で欧米に勝つつもりだ・・・」
鬼の腕が焼けていく。
服部「世界は再び地獄の業火に包まれる・・・」
家康「なんとかならんのですか、先生・・・」
鬼の腕のバーベキューをかじる服部。
服部「翼の記憶がよみがえることに賭けるしかない・・・」
「翼?」
壁にかかっている結婚式の写真を鉄串で指す服部。
家康「・・・?このギャルどっかで・・・」
本多「・・・あ!風間カイトの彼女ですよ!チアガールやってた。」
家康「先生・・・チアガールに、なんとかなる問題なのですか・・・?」



望月忍者屋敷
翼「私には無理です・・・!」
金吾「お主の父は言っておった・・・お前さんには神にも等しい力が秘められておると・・・
戦時中、医学者だったわしは、養命酒と間違えて、あの信玄に不老不死の秘薬を調合してしまった・・・
その時の後悔から、弟子の百地丹波が死者を復活させることに反対したのじゃ・・・
・・・死を超越したものは、もはや人間ではない・・・鬼じゃ。
鬼を倒せるのは、神しかおらぬ。」
翼「わたしはただの人間ですって・・・!
魔王なんて倒せません・・・!!」
金吾「・・・己の運命から逃げるのか・・・?」
千代女「全ての元凶はアンタでしょ!!」
翼「わたしは・・・人間です・・・」
千代女「その問題は一回置いておきましょう。
心配なのは地獄に落ちたカイトくんよ・・・」
翼「!・・・カイトさん・・・!」
日本経済新聞の一面を見せる千代女。
新聞を読む翼「首都移転計画予定地、大地震で陥没・・・作業員の多くが今なお行方不明・・・」
千代女「力を貸してくれないかしら・・・翼ちゃん・・・」
翼に鶴姫一文字を渡す。
金吾「己の運命・・・」
千代女「うるさい。」
武装した八重たちが部屋に入ってくる。
八重「・・・鬼の討伐隊の準備は整ったわ。いつでも出撃できる・・・」
長門「甲賀から東京までのルートは切り込み隊の柴田、丹羽、滝川が確保した・・・!
いくなら今しかないぞ。一騎当千の信長四天王も、さすがにいい年だ・・・疲れちゃうからな。」
千代女「翼ちゃん・・・」
立ち上がる翼「これは討伐隊じゃない・・・救助隊です。
すぐに助けに行きます。」
その姿を見て、笑顔になり部屋の奥へ引っ込もうとする金吾「・・・・・・。」
逃げ出そうとする金後の首根っこを掴む千代女
「今回はあんたも来なさい!」
金吾にバンバンガンを突きつける長門「己の運命から逃げるんじゃない、むき卵。」
剣先をむける八重「・・・全ての元凶・・・殺すわよ・・・」
金吾「反省してま~す」



田舎の国道で、スポーツカーを走らせるサラ
ラジオ「警視庁交通管制センターです。自動運転の故障で、東名高速は大規模な追突事故が発生、120kmの渋滞となっています。」
助手席でぼやく秀頼「我々が恐れていたことが現実になったな・・・」
踏切の遮断機が降り、車を停車させる。
秀頼「カイト殿や翼殿が無事だといいが・・・」
サラ「あの二人ならきっと大丈夫・・・最高の忍者だから・・・
悔しいけど・・・お似合いのカップル・・・」
秀頼「まだ好きなんじゃないのかね・・・」
サラ「私には、カイトくんを助けに行く勇気も力もないから・・・
私はいつも口だけ・・・」
秀頼「自分の気持ちを伝えたほうがいいぞ・・・」
サラ「こんな事態で愛の告白なんかしている場合じゃないですよ」
秀頼「こういう事態だからこそ。」
その時、輸送トラックが追突してくる。
サラ「ちょっと何してんのよ!!!弁護士の初任給で買った911カレラよ!?」
バックミラーに目をやるサラ。
サラ「運転手が乗っていない・・・」
秀頼「AIにとって我々は天敵だ。
交通事故に見せかけて抹殺するつもりなのだろう・・・!」
線路には貨物列車が近づいてくる。
秀頼「このままでは、貨物列車にぶつかる・・・!」
ギアをリバースレンジに入れる。
秀頼「トラックと力比べする気か!!」
サラ「トラックはせいぜい400馬力・・・!
6気筒水平エンジン、ツインターボの力を見せてやる・・・!」
秀頼「無茶するな・・・!」
なんとか、貨物列車が通り過ぎるまで踏みとどまり、踏切をわたりトラックが上がってこれない丘の上まで逃げるスポーツカー。
AIトラックはそのまま通り過ぎていく。
秀頼「これも家康の余興か・・・?」
サラ「・・・これから、どこに逃げれば・・・」
秀頼「安全な場所が一つだけある・・・」



地獄
神輿に乗って信玄の玉座に現れる平将門。
「武田のオヤジ、連れてきたぜ。」
義経「神輿から降りなさい、総統閣下の御前だぞ・・・」
将門「神田神社の祭神が神輿に乗って何が悪い。
わりーけど、オレッチは関東八州の新皇だかんな?
まあまあ偉いかんな?」
小声で義経「ただの朝敵じゃねえか・・・」
将門「おめーも朝敵だっただろ!」
信玄「源平合戦は給湯室でやってくれるか・・・?」
義経「・・・失礼いたしました。」
将門「おう、お客さんを神輿から下ろせ!」
鬼「ほら、降りるんだ!」
神輿から降ろされるカイト。
そこらじゅうに旧日本軍の軍服を着た鬼たちがいる光景にビビってしまう。
カイト「ひいいいい!絶対こいつらに食い殺される~~!!」
義経「人間なんて食べませんよ!ぼくらはヴィーガンなの!」
カイト「うそだ!じゃあ、お前らは何でタンパク質を摂取してるんだ!」
将門「大豆。」
カイト「フェイクニュースだ・・・!じゃあ節分は一体・・・」
信玄「もういい、落ち着け人間よ・・・」
カイト「あんた・・・!あの石像の・・・!」
信玄「左様・・・吾輩は魔界の王、武田信玄。
青年よ、この度は封印を解いてくれて礼を言うぞ。」
カイト「いや、あれはちょっとした事故で・・・」
信玄「まあよい・・・このマントルまでやってきた生身の人間は初めてだ・・・
そなたの名前を聞こう・・・」
カイト「風間カイトです・・・」
鬼たちがざわつく「風魔・・・?」
信玄「・・・・・・。」
義経「風間カイトさん。偉大なる総統閣下が、あなたに勲章を授けてくださいます。
ありがたく頂戴するように。」
カイト「あの・・・そろそろ帰ってもいいですか・・・?」
義経「キミ、ちょっと失礼だぞ!!」
信玄「風間カイト・・・貴様・・・もしかして、信長や秀吉を倒した、あの伝説の忍か?」
カイト「なんで地獄の魔王がぼくを知ってるんですか??」
信玄「貴様の武勇はこの地獄にも聞き及んでおる・・・
ぜひ、その力を見込んで我々に協力をしてもらいたい・・・」
カイト「お、お前たちの地上征服の協力はできないぞ・・・!」
信玄「そんなことは考えておらぬ・・・我々は地上の人間との平和的共存を望んでいる・・・」
カイト「そうなの・・・?」
信玄「我々はこの見た目で、古くから人間たちに誤解され・・・差別されてきた・・・
この地獄は、鬼の強制収容所なのだよ・・・」
カイト「・・・え・・・」
信玄「吾輩は、哀れな鬼たちをここから解放したいだけだ・・・」
カイト「でも、鬼を差別した人間を恨んでいるんじゃ・・・」
信玄「憎しみからは何も生まれぬ・・・
我々鬼は誰よりも平和を愛している・・・」
侵略計画用の日本地図を指差すカイト「この地図は・・・?」
信玄「鬼が友好を結んだ都市だ・・・」
カイト「そうか・・・すでに東京は鬼を受け入れているのか・・・
ダイバーシティだもんな。」
信玄「そ・・・そうだ・・・
風間カイトよ、貴様こそ人と鬼の世界をつなぐ未来の架け橋になる男だ・・・」
カイト「人と鬼の・・・架け橋・・・」
将門「そもそも普通の人間は、ここの圧力に耐えられないもんな。」
義経「確かに・・・」
カイト「で・・・ぼくは何をすれば・・・」
信玄「簡単なことだ・・・東京都との国交樹立を記念して、この装置を東京スカイツリーの頂上に設置してくれるだけでよい。」
球体状の装置を受け取るカイト「なんですかこれ・・・」
義経「地獄のテレビ番組が地上でも映るチューナーです。」
カイト「へ~」
信玄「引き受けてくれたら、この将門が神輿で地上まで返そう・・・」
将門「あたぼうよ」
カイト「鬼さんたち・・・見た目はおっかないですが・・・
実は悲しい境遇にあったんですね・・・」
信玄「わかってくれたか・・・恩にきるぞ、風間カイト・・・!」
カイト「ぼくが人と鬼をつなぎます・・・!」

大本営を出て行くカイト。
信玄「・・・あいつ本当にバカだな・・・この履歴書に書いてあるとおりだ・・・」
平八郎の履歴書をめくる信玄。
「風間カイト・・・人を決して疑わず、情に厚く、弱きものの味方で、誰に対しても敬意と思いやりがある・・・」
義経「最後の方、ちょっと涙ぐんでましたもんね・・・」
大本営のモニターがつく。
不敗の大王アレキサンドロス(中東の地獄の支配者)
「おい、武田総統・・・世界全面攻撃の命令はまだなのか?
こっちは戦いたくてウズウズしてんだ。」
国士無双の韓信(中国の地獄の支配者)
「中国、ロシア方面はこの韓信に任せてちょうだい。国家主席の股をくぐると見せかけて、タマタマを握りつぶせば、中国共産党は崩壊よ。」
雷光のハンニバル(ヨーロッパとアフリカの地獄の支配者)
「下品なやつめ・・・武田総統、こちらも戦象の準備は万端だ。
100万頭のアフリカゾウを用意した・・・EUは7日で征服して見せよう・・・」
信玄「ぐははは・・・
あのバカ忍者が、日光遮断システム“トータル・エクリプス”をスカイツリーに設置すれば、地上の人間は皆殺しだ・・・」
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