港区
グリッドライン社日本支社のビルを破壊するソニックブレイド
崩れ落ちる自社ビル
・
練馬区仮説避難所
えると勘兵衛が炊き出しの列をぬって歩く。
支援物資を運ぶ寺島「なんでここにいるとわかったの?」
える「・・・この避難所は一度も大きなトラブルがないと聞いて。」
寺島「きて。」
勘兵衛の方を向くえる「待っててくれますか?」
勘兵衛「うむ。」
簡易的な事務所
寺島「お茶しか出せないけど。」
える「ありがとうございます。」
寺島「顔つきが変わったね。」
える「・・・お願いがあるの。」
寺島「うん。」
える「グリッドライン社に代わって日本を統治してほしいんです。」
寺島「ははは。」
える「先生は思いやりがあって、仕事が丁寧。きっといい政治をする。」
寺島「あたしは、ただの公務員よ?」
える「日本のリーダーになって。私には政治のことなんかわからないから。」
寺島「もう、世界の支配者のつもりなんだね。」
える「つもりじゃない。そうなの。」
寺島「・・・マルスくんは、あなたにこんなことをやってほしくなかったから、アメリカに行ったんじゃない?」
える「やめて。」
寺島「アメリカに行った理由を聞いた?あなたの体を治すために・・・」
える「・・・やめて!」
寺島「・・・えるちゃん・・・」
える「・・・この体じゃ愛せないってことでしょう?」
寺島「それは・・・」
える「また来ます。考えておいてください。」
事務所を出る。
避難所
勘兵衛「おい。よくわかんない奴がお前に会いたがっているぞ。」
える「え?」
須藤「えるの姉貴・・・!」
える「・・・須藤くん?」
須藤「覚えていてくれたんすね!嬉しいっす!」
える「忘れるわけないよ。ちょっと痩せました?」
須藤「あのころから10kg太ったっす。やっぱり忘れてるっすね。」
久しぶりに笑顔になるえる「あはは・・・」
勘兵衛「知り合いか。」
える「学生時代の。今は何をしてるの?」
須藤「在日米軍でドローン兵器のパイロットをやってるっす。
エレキングを一度撃退したのは、何を隠そうこの俺っす。」
える「ごめんね・・・あのときは負けちゃった。」
須藤「姉貴・・・オレを雇ってくれないっすか?」
える「え?」
須藤「姉貴の世界征服に協力したいっす。ドローンの操縦に関してオレの右に出るやつはいないっす。どうか・・・」
勘兵衛「戦力になりそうじゃな。いいんじゃないか。」
える「須藤くん・・・ごめんね。」
須藤「そうっすよね・・・え?」
える「須藤くんには、私みたいになってほしくない。」
須藤「いまさら何言ってるんすか。」
える「決めたんだ。悪いことは今後はすべて私がやるって。」
須藤「オレにも背負わせてください・・・!」
える「須藤くんは、あと何年生きるつもり?」
須藤「糖尿病に気をつければ、まだまだ生きていけるんじゃないっすかね。」
える「わたしにはもう寿命がない。」
須藤「・・・え?」
える「だから、世界中のみんなの憎しみをすべて受けて死んじゃえば・・・
今度こそ・・・きっと世界は平和になる。
須藤くんが活躍するのはその時。」
須藤の肩に手を置いて微笑むと、行ってしまうえる。
須藤「姉貴・・・」
勘兵衛「わしは老い先短いからな。」
える「そういうわけでは・・・」
・
アメリカ
グリッドライン社 役員会議
帰国したダリア「日本はソニックブレイドに掌握されました・・・」
メトロン「・・・。」
ダリア「お許しを・・・」
笑顔のメトロン「きみが無事に戻ってきてくれただけで嬉しいよ。」
ダリア「ありがたき幸せ・・・このダリア、会長のために命がけで・・・」
真顔に戻るメトロン「・・・新型の進捗は?」
モートン「マルス。」
マルス「ジャスティスブレイドはほとんど完成。
装甲の強度も、リアクターの出力も、武器の威力もソニックブレイドの三倍。
あとはパイロットだ。」
メトロン「マルスくん、きみは天才だ。」
マルス「約束してくれ。
ソニックブレイドを破壊しても、えるの命は助けると。」
メトロン「神に誓おう。」
・
会長室
メトロン「マルスは深未えるが生きていると分かったとたん従順になったな。」
モートン「ジャスティスブレイドでソニックブレイドを撃破したのち、殺します。」
メトロン「そこまでするか?」
モートン「偉大なる会長を殴った。」
メトロン「本当に従順だな、きみは。」
モートン「会長のためなら、わたくしはなんでも・・・」
メトロン「その言葉に嘘はないか。」
頷くモートン。
メトロン「ジャスティスブレイドにはパイロットがいない。」
モートン「・・・。」
メトロン「乗ってくれないか。きみは軍隊経験があり戦場を知っている。」
モートン「わたくしが・・・」
メトロン「幹部はほとんどが死んだ。もはや信頼できるのはきみしかいない。」
モートン「・・・・・・。」
メトロン「改造手術が怖いか?」
モートン「いいえ・・・」
メトロン「いい子だ。」
モートン「あの・・・サイボーグになる前に私を抱いてくれませんか?」
・
格納庫
ジャスティスブレイドを見つめるダリア
「・・・あの悪魔が二体になった・・・」
マルス「あんたなんだろ?」
ダリア「・・・え?」
マルス「えるをサイボーグにした科学者は。」
ダリア「なぜそれを・・・」
マルス「よかったな。そうじゃなかったら、あんたはここにはいなかった。」
ダリア「あんな手術するんじゃなかった・・・
彼女はモンスターよ。」
ブチ切れるマルス「お前がモンスターにしたんだろ!」
ダリア「ひいい・・・許して・・・!」
マルス「・・・あんたにチャンスをやる。」
ダリア「・・・なにをすればいいの?」
マルス「ジャスティスブレイドが出撃する前に、ソニックブレイドを無力化するんだ。」
ダリア「なんで・・・」
マルス「あのメトロンが約束を守るわけないだろ。
ソニックブレイドからえるを救い出して、人間に戻せ。」
ダリア「・・・いやよ、会長に逆らうことになる・・・」
マルス「一度も二度も同じさ。
あの冷徹な男がお前のことを完全に信用していると思うのか?
それに幹部のモートンの最後の障害は誰だ?」
ダリア「・・・死にたくない・・・」
マルス「オレが守ってやる。それは愛とか信頼とか不確かなものじゃない。
利害関係だ。えるを手術できるのは、お前しかいないからな。」
ダリア「日本のラボに、ソニックブレイドのスペックを付与した改造怪獣がいます・・・」
マルス「よし。人的被害の少ない場所で暴れさせろ。」
ジャスティスブレイド開発室
部屋に入ってくるマルス
カレル「どうだったザンスか?」
マルス「あんたは天才だ。」
カレル「女の操り方は任せるザンス。」
フェイ「最低。」
ロイド「男の方はどうすんだ。」
マルス「あのモートンを引き離さないと。」
・
手術台の上に横たわるモートン
「やってくれ。」
百戦錬磨のモートンの体は傷だらけ。
ダリア「・・・本当にいいの?
他の人だっているじゃない・・・」
モートン「お前を信用しているからな。」
ダリア「会長の玉の輿はいいの?」
モートン「くだらん。わたしは金に興味はない。
あの人の役に立てればいいんだ。」
ダリア「私が玉の輿になったら消すの?」
微笑むモートン「バーカ。友人の幸せを祝福するさ。」
そう言って目をつむるモートン。
メスを握るダリア。
「ごめんなさい、私の最後の友だち・・・」
・
一週間後・・・
日本
奥多摩山中の変電所に現れる、裂刀怪獣バギラ。
両腕にはソニックブレイドに似た巨大な刃がグロテスクについている。
ソニックブレイドで現場に向かうえる
「まだ怪獣の残党がいた・・・私が生きているうちに絶滅させないと・・・」
無線で勘兵衛「接近せず、レールガンで即死させろ。
幸い、周辺に人気はない。存分にやれ。」
える「オーケイ。」
スペシウムレールガンを構えるソニックブレイド。
無心で引き金を引く。
哀れな改造怪獣に発射される砲弾。
しかし・・・
ソニックブレイドのレールガンを頑丈な装甲で跳ね返してしまう怪獣バギラ。
える「・・・え?」
するとバギラが顎を開いて、強力な破壊光線を発射する。
とっさに身をかわすソニックブレイド、しかしその時には怪獣は機体のすぐそばまで迫っていた。
お互いの腕のブレードで斬りあうロボットと怪獣。激しい火花が散る。
しばらく硬直状態に陥るが、ソニックブレイドのブレードがポキっと折れてしまう。
える「こいつ・・・強い!」
ソニックブレイドを押し倒そうとする怪獣。
怪獣の腹部にけりを入れて距離を取ろうともがくえる。
しかし、その脚をブレードで切断してしまう怪獣。
える「そんな・・・!」
地面にひっくりかえって、両腕を振り回すソニックブレイド。
その両腕も切断してしまう改造怪獣。
える「いや・・・いや・・・
やだ・・・負けない・・・やだあああ!!」
慟哭をあげるえる。
・
動力部をすべて破壊され、地面に転がるソニックブレイドの胴体。
怪獣が鉤爪で器用にコックピットをこじ開ける。
血まみれでぼろぼろなえるが気絶している。
そこへワゴン車が接近してくる。
怪獣は攻撃をやめておとなしくなる。
ワゴン車を飛び降りて、後部のラゲッジルームを開けるダリア。
ダリア「パイロットは・・・」
ソニックブレイドのコックピットにかけていくダリア。
えるの脈を確認するダリア。
ダリア「よかった・・・生きてる。これで、この子は」
その直後、ダリアの頭が吹き飛び、体も木っ端微塵に銃撃される。
返り血を浴びるえる。
上空には膨大な数のドローン兵器が飛行し、バギラに一斉射撃を開始する。
飼い主を失ったバギラは両目を潰されると、ドローンに反撃できず、頑丈な装甲のつなぎ目から血が噴き出す。
ほどなくして、とうとう爆発四散するバギラ。
・
どこかのネットカフェにいる須藤
キーボードを叩く。
「あぶね~・・・姉貴がさらわれるところだったっす。
姉貴だけ死なせはしないっすよ・・・」
・
アメリカ
グリッドライン社
会長室
メトロン「ダリアのやつ、勝手な真似を・・・!
モートン!」
サイボーグのモートン「・・・は。」
メトロン「きっとマルスの差金だ!
マルスを殺したいといったな?許す。今すぐやれ!」
モートン「・・・・・・。」
メトロン「聞こえなかったか!早く行け!」
モートン「私の機械の体に爆弾が埋め込まれているのは本当なのですか?」
メトロン「・・・なんだと?」
モートン「あなたはダリアを玉の輿に決めた。
だから、わたしが不要になったんだ・・・」
メトロン「何を言ってるんだ!どうでもいい!マルスを殺せ!」
涙目になるモートン「私は今まであなたに忠誠を誓ってきた・・・
その結果がこれなんですか・・・?」
メトロン「・・・マルスのやつ・・・離間の計をはかりやがった・・・」
モートン「愛するダリアだけ先に日本に逃がしたのが証拠。」
メトロン「・・・お前はもっと賢い奴だと思ってたがな。
こんな子供だましの策略に騙されるとは、お前を側近にしたのが俺の最大の失敗だ!」
モートン「では、証明してください。」
そう言うと、メトロンにスマホを渡す。
モートン「あなたが世界征服のために作った最初のスマートフォンです。
あなたは、これで人類の知能を低下させ、従順な奴隷にするとわたしに野望を語った・・・
あれから10年・・・私はあなたとずっと一緒だった・・・」
メトロン「・・・待て。」
スマートホンの画面には爆弾の起爆スイッチが写っている。
モートン「嘘ではないなら、スイッチを押せますよね・・・?」
汗がにじむメトロン「・・・落ち着け!金ならいくらでもやる!
だから、冷静になるんだ・・・」
モートン「私は冷静よ。
それに私は金のためにあなたについてきたんじゃない・・・
あなたはずっとそう思っていたの?」
メトロン「俺の全資産は37兆だ・・・!37兆ドルやる!」
モートン「・・・あなたの言うとおりよ。
私は本当に愚か。あんたは一緒に死ぬ価値のある男じゃなかった。」
軍服の日本刀を抜き、メトロンを股から真っ二つにしてしまうモートン。
バラバラの死体がプールに落ちて、水を赤く染める。
モートン「まだカレルの方が愛してくれたわ。」
『帰ってきたソニックブレイド』脚本⑤
2025-11-16 22:35:06 (72 days ago)
グリッドライン本社ビル
マルスを出迎えるメトロン「グリッドライン社へようこそミスターマルス・・・!
歓迎いたします。わたくし会長のメトロン・ゲティスバーグ・・・」
メトロンを思い切り殴るマルス
倒れかけるメトロンを支えるモートン「会長・・・!」
笑顔のメトロン「ははは・・・いい、いい」
マルス「俺の国をめちゃくちゃにしやがって・・・」
メトロン「日本については哀悼の意を示すよ。」
マルス「お前らがソニックブレイドを倒すために開発した生物兵器だろ・・・!」
モートン「あれはただの新種の野生動物。言いがかりよ。」
メトロン「そうだ。あの怪獣を倒せるロボット兵器を新たに開発して欲しい。」
マルス「おれはえるの命を救うためにわざわざ来たんだ。
そのえるがお前らの怪獣に倒された。協力する目的がない。」
モートン「さらに多くの日本人がエレキングに殺されるけど?」
マルス「知るか。こんなもんいたちごっこだ。
世界一の金持ちを殴れただけでアメリカに来た意味はあったな。俺はもう帰る。」
会長室を出ていくマルス。
モートン「どういたしますか。」
怒り狂うメトロン「あのやろう・・・この俺を殴りやがった・・・
この地球に俺に逆らう人間はあいつだけだ!なんとか協力させろ!
失敗したら全員クビだ!」
モートン「ソニックブレイドが敗れた以上、新型ロボットの開発は不必要では?」
睨みつけるメトロン「なんだと?」
モートン「・・・口が過ぎました。」
メトロン「日本での我社のイメージは最悪じゃねえか。
あのマルスだけじゃねえ、どんなバカでも、あの怪獣はオレたちの仕業だってわかるだろ!
こんな状況で安定統治できるか!GHQですらもっとうまくやったぞ!」
デスクのものを荒々しくひっくり返すメトロン。
メトロン「ザラやバルタは賢かった。お前の脳みそでは理解に乏しいようだな、ゼッター。」
うつむくモートン「・・・申し訳ありません。」
メトロン「我社の信頼を取り戻すには、あのエレキングを我社のロボットで倒すしかないんだよ。そのためには、あのいけすかねえガキに頭を下げなきゃいけねえんだ!
覚えとけ!!」
会社の屋上
マルス「・・・向こうでは一緒に静かに暮らそうな。」
手すりを乗り越え飛び降りようとする。
フェイ「・・・にげるの?」
マルス「・・・フェイ・・・?」
フェイ「ソニックブレイドで一番激しかった戦闘は、この前のエレキングかしら?
違うわ。チンジャオ・ゴーゴリの乱よ。核兵器をぶつけられても、あの子はやけどで済んだ。」
マルス「生きてるっていうのか・・・?あの頃よりも衰弱してたのに?」
フェイ「確認してからでもいいでしょう?
でないと・・・私はなんで身を引いたのよバカ。」
マルス「・・・。」
フェイ「それに・・・愛する女が死んだら、男がすることはあとを追うことじゃない。
生き続けるの。花を手向けるために。」
涙を流すマルス。
マルスの手を取るフェイ「聞き分けのいい子。ほら立って。
ロスアラモス時代のスタッフはみんなここにいるわよ。」
マルス「カレル博士・・・ロイドさんも?」
フェイ「みんな、あなたに会えるの楽しみにしてたんだから。」
・
グリッドライン社の私設格納庫
改造されたグリッドブレイドのフレームが並んでいる。
至る場所で溶接のスパークが火花を散らす。
モートンと並んで歩く工学者のエディ・ロイド
ロイド「一週間でソニックブレイドをしのぐ巨大ロボットなんか作れるわけないだろ!
プラモデルじゃねえんだ。」
モートン「人も資金も惜しまない。エレキングのせいで時間がないの。」
ロイド「当初の計画では2年の話だっただろ、それでも突貫工事だ。
ソニックブレイドの完成には10年かかってんだぞ。」
数学者エバリスト・カレル「善処するザンス。」
ロイド「おい、カレル!」
カレル「グリッドブレイドの戦闘データはすべて回収済み。これを新たな電子頭脳に学習させれば、わけはないザンス。」
ロイド「ソニックブレイドに負けたデータじゃねえか。」
カレル「負けないと勝てないでしょ?」
ロイド「それは教育役がいる場合だ。」
モートン「ソニックブレイドの時のようにパイロットがいる・・・?」
ロイド「それも、百戦錬磨の戦闘者が。」
カレル「かよわい女の子でも、あそこまで強くなったザンスからね。」
モートン「わかった。見繕う。」
カレル「それよりもゼッターちゃん。新ソニックブレイドが納期内に完成したら、約束通りデートしてくれるんだよね?」
モートンの腰に手を回すカレル。
赤くなるモートン「か・・・考えておくわ。」
カレル「ゼッターちゃん大好き!ちゅっちゅ」
モートン「あんた、女の趣味悪いんじゃない?
軍隊あがりの私のどこがいいんだ?」
カレル「その鍛え上げられた肉体・・・ベッドで堪能したいザンスよ~」
カレルの腕を決めるモートン「最低。」
カレル「あたたたた!」
モートン「一週間よ。」
歩き去るモートン。
ため息をつくロイド「何考えてんだお前は・・・」
真顔になるカレル「敵からは信用されないと。」
・
日本
廃病院のようなグリッドライン社のラボ
スマホをとるダリア「はいはい。ああ、モートンさん。
ピットは出かけてます。」
モートン「ちょうどいい。エレキングの東京襲撃で会長は怒り狂ってるぞ。」
ダリア「ソニックブレイドの撃破を我々に命令したのは、あなたではなくて?」
モートン「バルタの計画を台無しにしろとは言ってない。
会長はバルタを可愛がっておられた。お前たちの処分は私に任されたぞ。」
表情が変わるダリア「私はソニックブレイドを倒したのよ・・・!
なんでそういうことになるのよ!」
モートン「この状況で日本を支配できると思うか?」
ダリア「・・・ピットが勝手に私の実験体を盗んだのよ。」
モートン「ああ、そうだよな。すべてはあいつの暴走だ。」
ダリア「会長に直接釈明できる機会を与えてくれますか?」
モートン「考えておこう。」
ダリア「ありがとう・・・」
モートン「あのエレキングはわが社の新型ロボットで制圧する。
それまでは湖に沈めておけ。」
自信なさげなダリア「あの怪獣はもうピットのものなの。止められるかしら・・・」
モートン「ならふん縛れ。」
ダリア「私には無理です・・・ただの科学者だもの・・・
それに、あの子は怖い・・・バルタもためらいなく殺してしまった。
次はわたしよ・・・」
モートン「情けない奴め。ならばピットは私がやる。
お前はソニックブレイドだ。」
ダリア「・・・?倒したけど。」
モートン「確認したのか?」
ダリア「・・・え?」
モートン「パイロットの生死を。」
・
神社
ソニックブレイドが移動されている。
える「どうやって運んだんですか?」
勘兵衛「土建屋をやっている男がおっての。
年を取ると知り合いが多いんじゃ。」
える「動くの?」
勘兵衛「・・・電気系統はすべて直した。」
える「山根さんが・・・??すごい!」
表情が暗くなる勘兵衛「ガダルカナルの軍神と言っただろ。」
える「・・・?」
勘兵衛「これを設計したエンジニアは優秀じゃな。よくできとる・・・
日本は結局アメリカには敵わない。」
目に涙を浮かべる勘兵衛。
える「・・・山根さん・・・」
勘兵衛「年寄りの戦争の話を聞いてくれるか。」
頷くえる。
勘兵衛「わしは大東亜戦争で整備士だったんじゃ。
ミッドウェー海戦で敗北し、日本軍の絶対防衛ラインは崩壊。
わしのいたガダルカナル島も米軍に攻略された。
捕虜になったわしは何をしていたと思うね。」
える「・・・。」
勘兵衛「東京を爆撃するためのB29を整備していたんだ。
それがガダルカナルの軍神の正体だ。人殺しなんだよ。
・・・どうせ人を殺すなら・・・今度は日本のために戦って死にたい。」
ボロボロ涙を流すえる「おじいさん・・・」
勘兵衛「泣いてくれるのか。」
える「わたしも同じだから。人殺ししかできないの。」
・
昼
奥多摩
ダリア「ピット・・・モートンが私たちを処分するって。」
ビキニを着て湖で泳ぐピット「ただの脅しよ。
だいたいその話・・・会長から直接聞いたの?」
ダリア「いいえ。」
湖から上がるピット「あいつも追い込まれてるのよ。ざまあみろだわ。
私についていれば大丈夫。
私は会長の玉の輿。あなたは最高幹部。いいでしょう?」
タオルを差し出すダリア「そうね・・・」
髪の毛を拭くピット「日本国民が反抗的なら従うまで、この子で蹂躙すればいいじゃない。」
ダリア「日本人は蜂のような連中よ。総玉砕したら・・・」
無垢にほほ笑むピット「美しい自然が帰ってくる。素敵じゃない。」
ダリア(この子は人間が嫌いなんだ・・・)
・
夜
横浜の夜景を破壊するエレキング
逃げ惑う群衆。
蛍のいる野原で、都市で暴れるエレキングを見つめるピット。
ピット「夜景は嫌い。月明かりが気の毒だもの。」
神社
ソニックブレイドに乗り込むえる。
勘兵衛「市街戦の場合、民間人の犠牲を一人も出さずに戦うのはムリじゃ。
この前の二の舞になるぞ。多少の犠牲を恐れずに、最大火力で短期決戦に持ち込むんじゃ。
それが結果的に最も多くのものの命を救うことになる。」
える「わかってます。もうためらわない。」
・
ラボ
ピットに電話をかけるダリア
ダリア「やめなよピット・・・!エレキングをとめて・・・!」
ピット「怖気づいたの?」
ダリア「もし、その子がやられたら・・・
私たちには切り札がなくなるのよ・・・!」
ピット「あのソニックブレイドを倒したのよ。やられるわけない。」
ダリア「あの時は、たまたまソニックブレイドが接近してきたから勝てたのよ・・・!」
ピット「たまたま?・・・なんで接近したかわからないの?」
ダリア「それは・・・」
ピット「民間人の犠牲が出るからよ。」
ダリア「え・・・」
ピット「だからこんなビル街を壊してるんじゃない。」
今度はモートンに電話をするダリア
「ピットがまたエレキングを・・・」
モートン「ソニックブレイドはだいじょうぶなんだろうな。」
ダリア「深未えるが見つからなくて・・・」
モートン「くっくっく・・・ピットにつくなら勝手にしろ。」
ダリア「ちがうわ・・・!」
電話が切れる。
頭を抱えるダリア「どうすればいいの・・・」
・
着陸するソニックブレイド。
スペシウムレールガンを構える。
える「お前は母さんを殺した。許さない。」
ためらわず引き金を引く。
横浜のみなとみらいごとエレキングを吹き飛ばす。
・
ラボ
ダリア「ソニックブレイドが・・・民間人を殺した・・・」
スマホが鳴る。モートンからの着信。
恐ろしくてスマホに出れないダリア。
・
山中
息を切らせてかけていくピット
「はあはあ・・・あのロボット・・・狂ってる・・・
エレキングごと都市を吹き飛ばすなんて・・・」
ダリアのラボに入るピット
部屋は暗い。
叫ぶピット「ダリア!エレキングがやられた!ずらかるわよ・・・!」
涙を流すダリア「ピット・・・ごめん・・・」
ピット「次がある、逃げるのよ・・・!」
震えるダリア「次はないよ・・・」
すると、地面が振動する。
ラボの天井が突然破壊され、ちぎれたエレキングの首が落ちてくる。
エレキングの体液でびしょびしょになるピット。
暗がりから、パイロットスーツを着たえるが現れる。
える「・・・この怪獣はあなたの?」
ピット「・・・深未える・・・」
える「人間の死体を見たことはある?」
ピット「ないわよ・・・怖いもの。」
える「ふうん・・・だからこんな虐殺ができるんだね・・・」
えるの冷たい表情に、怯えて土下座をするピット
「許して・・・すべてあの会社に命令されてやったのよ・・・!
私だってこんなことはやりたくなかった・・・!」
える「バルタさんを突き落としたのも?」
ぎょっとしてダリアを見るピット「・・・ダリア!」
ダリアは目を合わせない。
ビデオのメモリーカードを取り出すピット「ちょっとまって・・・!
はあはあ・・・あの女はあんたの彼氏を寝取ったのよ!ウソじゃないわ!
こ・・・これが証拠よ・・・は・・・ははは・・・
あなたにあげる・・・」
える「いらないよ。」
恐怖でとうとう失禁してしまうピット。
ピット「お願いします・・・会社も辞める。なんでもしますから・・・
命だけは・・・」
える「さようなら。」
ラボをあとにするえる。
勘兵衛「すんだか?」
える「すんだ。」
・
ラボ
モートンに電話をかけるダリア。手は震えている。
ダリア「言われた通りにしました・・・」
モートン「そうか。ご苦労だったな。本社に帰って来い。
ソニックブレイドの対策を考えよう。」
スマホを切る。
ダリア「あんな化け物に勝てるわけがない・・・」
マルスを出迎えるメトロン「グリッドライン社へようこそミスターマルス・・・!
歓迎いたします。わたくし会長のメトロン・ゲティスバーグ・・・」
メトロンを思い切り殴るマルス
倒れかけるメトロンを支えるモートン「会長・・・!」
笑顔のメトロン「ははは・・・いい、いい」
マルス「俺の国をめちゃくちゃにしやがって・・・」
メトロン「日本については哀悼の意を示すよ。」
マルス「お前らがソニックブレイドを倒すために開発した生物兵器だろ・・・!」
モートン「あれはただの新種の野生動物。言いがかりよ。」
メトロン「そうだ。あの怪獣を倒せるロボット兵器を新たに開発して欲しい。」
マルス「おれはえるの命を救うためにわざわざ来たんだ。
そのえるがお前らの怪獣に倒された。協力する目的がない。」
モートン「さらに多くの日本人がエレキングに殺されるけど?」
マルス「知るか。こんなもんいたちごっこだ。
世界一の金持ちを殴れただけでアメリカに来た意味はあったな。俺はもう帰る。」
会長室を出ていくマルス。
モートン「どういたしますか。」
怒り狂うメトロン「あのやろう・・・この俺を殴りやがった・・・
この地球に俺に逆らう人間はあいつだけだ!なんとか協力させろ!
失敗したら全員クビだ!」
モートン「ソニックブレイドが敗れた以上、新型ロボットの開発は不必要では?」
睨みつけるメトロン「なんだと?」
モートン「・・・口が過ぎました。」
メトロン「日本での我社のイメージは最悪じゃねえか。
あのマルスだけじゃねえ、どんなバカでも、あの怪獣はオレたちの仕業だってわかるだろ!
こんな状況で安定統治できるか!GHQですらもっとうまくやったぞ!」
デスクのものを荒々しくひっくり返すメトロン。
メトロン「ザラやバルタは賢かった。お前の脳みそでは理解に乏しいようだな、ゼッター。」
うつむくモートン「・・・申し訳ありません。」
メトロン「我社の信頼を取り戻すには、あのエレキングを我社のロボットで倒すしかないんだよ。そのためには、あのいけすかねえガキに頭を下げなきゃいけねえんだ!
覚えとけ!!」
会社の屋上
マルス「・・・向こうでは一緒に静かに暮らそうな。」
手すりを乗り越え飛び降りようとする。
フェイ「・・・にげるの?」
マルス「・・・フェイ・・・?」
フェイ「ソニックブレイドで一番激しかった戦闘は、この前のエレキングかしら?
違うわ。チンジャオ・ゴーゴリの乱よ。核兵器をぶつけられても、あの子はやけどで済んだ。」
マルス「生きてるっていうのか・・・?あの頃よりも衰弱してたのに?」
フェイ「確認してからでもいいでしょう?
でないと・・・私はなんで身を引いたのよバカ。」
マルス「・・・。」
フェイ「それに・・・愛する女が死んだら、男がすることはあとを追うことじゃない。
生き続けるの。花を手向けるために。」
涙を流すマルス。
マルスの手を取るフェイ「聞き分けのいい子。ほら立って。
ロスアラモス時代のスタッフはみんなここにいるわよ。」
マルス「カレル博士・・・ロイドさんも?」
フェイ「みんな、あなたに会えるの楽しみにしてたんだから。」
・
グリッドライン社の私設格納庫
改造されたグリッドブレイドのフレームが並んでいる。
至る場所で溶接のスパークが火花を散らす。
モートンと並んで歩く工学者のエディ・ロイド
ロイド「一週間でソニックブレイドをしのぐ巨大ロボットなんか作れるわけないだろ!
プラモデルじゃねえんだ。」
モートン「人も資金も惜しまない。エレキングのせいで時間がないの。」
ロイド「当初の計画では2年の話だっただろ、それでも突貫工事だ。
ソニックブレイドの完成には10年かかってんだぞ。」
数学者エバリスト・カレル「善処するザンス。」
ロイド「おい、カレル!」
カレル「グリッドブレイドの戦闘データはすべて回収済み。これを新たな電子頭脳に学習させれば、わけはないザンス。」
ロイド「ソニックブレイドに負けたデータじゃねえか。」
カレル「負けないと勝てないでしょ?」
ロイド「それは教育役がいる場合だ。」
モートン「ソニックブレイドの時のようにパイロットがいる・・・?」
ロイド「それも、百戦錬磨の戦闘者が。」
カレル「かよわい女の子でも、あそこまで強くなったザンスからね。」
モートン「わかった。見繕う。」
カレル「それよりもゼッターちゃん。新ソニックブレイドが納期内に完成したら、約束通りデートしてくれるんだよね?」
モートンの腰に手を回すカレル。
赤くなるモートン「か・・・考えておくわ。」
カレル「ゼッターちゃん大好き!ちゅっちゅ」
モートン「あんた、女の趣味悪いんじゃない?
軍隊あがりの私のどこがいいんだ?」
カレル「その鍛え上げられた肉体・・・ベッドで堪能したいザンスよ~」
カレルの腕を決めるモートン「最低。」
カレル「あたたたた!」
モートン「一週間よ。」
歩き去るモートン。
ため息をつくロイド「何考えてんだお前は・・・」
真顔になるカレル「敵からは信用されないと。」
・
日本
廃病院のようなグリッドライン社のラボ
スマホをとるダリア「はいはい。ああ、モートンさん。
ピットは出かけてます。」
モートン「ちょうどいい。エレキングの東京襲撃で会長は怒り狂ってるぞ。」
ダリア「ソニックブレイドの撃破を我々に命令したのは、あなたではなくて?」
モートン「バルタの計画を台無しにしろとは言ってない。
会長はバルタを可愛がっておられた。お前たちの処分は私に任されたぞ。」
表情が変わるダリア「私はソニックブレイドを倒したのよ・・・!
なんでそういうことになるのよ!」
モートン「この状況で日本を支配できると思うか?」
ダリア「・・・ピットが勝手に私の実験体を盗んだのよ。」
モートン「ああ、そうだよな。すべてはあいつの暴走だ。」
ダリア「会長に直接釈明できる機会を与えてくれますか?」
モートン「考えておこう。」
ダリア「ありがとう・・・」
モートン「あのエレキングはわが社の新型ロボットで制圧する。
それまでは湖に沈めておけ。」
自信なさげなダリア「あの怪獣はもうピットのものなの。止められるかしら・・・」
モートン「ならふん縛れ。」
ダリア「私には無理です・・・ただの科学者だもの・・・
それに、あの子は怖い・・・バルタもためらいなく殺してしまった。
次はわたしよ・・・」
モートン「情けない奴め。ならばピットは私がやる。
お前はソニックブレイドだ。」
ダリア「・・・?倒したけど。」
モートン「確認したのか?」
ダリア「・・・え?」
モートン「パイロットの生死を。」
・
神社
ソニックブレイドが移動されている。
える「どうやって運んだんですか?」
勘兵衛「土建屋をやっている男がおっての。
年を取ると知り合いが多いんじゃ。」
える「動くの?」
勘兵衛「・・・電気系統はすべて直した。」
える「山根さんが・・・??すごい!」
表情が暗くなる勘兵衛「ガダルカナルの軍神と言っただろ。」
える「・・・?」
勘兵衛「これを設計したエンジニアは優秀じゃな。よくできとる・・・
日本は結局アメリカには敵わない。」
目に涙を浮かべる勘兵衛。
える「・・・山根さん・・・」
勘兵衛「年寄りの戦争の話を聞いてくれるか。」
頷くえる。
勘兵衛「わしは大東亜戦争で整備士だったんじゃ。
ミッドウェー海戦で敗北し、日本軍の絶対防衛ラインは崩壊。
わしのいたガダルカナル島も米軍に攻略された。
捕虜になったわしは何をしていたと思うね。」
える「・・・。」
勘兵衛「東京を爆撃するためのB29を整備していたんだ。
それがガダルカナルの軍神の正体だ。人殺しなんだよ。
・・・どうせ人を殺すなら・・・今度は日本のために戦って死にたい。」
ボロボロ涙を流すえる「おじいさん・・・」
勘兵衛「泣いてくれるのか。」
える「わたしも同じだから。人殺ししかできないの。」
・
昼
奥多摩
ダリア「ピット・・・モートンが私たちを処分するって。」
ビキニを着て湖で泳ぐピット「ただの脅しよ。
だいたいその話・・・会長から直接聞いたの?」
ダリア「いいえ。」
湖から上がるピット「あいつも追い込まれてるのよ。ざまあみろだわ。
私についていれば大丈夫。
私は会長の玉の輿。あなたは最高幹部。いいでしょう?」
タオルを差し出すダリア「そうね・・・」
髪の毛を拭くピット「日本国民が反抗的なら従うまで、この子で蹂躙すればいいじゃない。」
ダリア「日本人は蜂のような連中よ。総玉砕したら・・・」
無垢にほほ笑むピット「美しい自然が帰ってくる。素敵じゃない。」
ダリア(この子は人間が嫌いなんだ・・・)
・
夜
横浜の夜景を破壊するエレキング
逃げ惑う群衆。
蛍のいる野原で、都市で暴れるエレキングを見つめるピット。
ピット「夜景は嫌い。月明かりが気の毒だもの。」
神社
ソニックブレイドに乗り込むえる。
勘兵衛「市街戦の場合、民間人の犠牲を一人も出さずに戦うのはムリじゃ。
この前の二の舞になるぞ。多少の犠牲を恐れずに、最大火力で短期決戦に持ち込むんじゃ。
それが結果的に最も多くのものの命を救うことになる。」
える「わかってます。もうためらわない。」
・
ラボ
ピットに電話をかけるダリア
ダリア「やめなよピット・・・!エレキングをとめて・・・!」
ピット「怖気づいたの?」
ダリア「もし、その子がやられたら・・・
私たちには切り札がなくなるのよ・・・!」
ピット「あのソニックブレイドを倒したのよ。やられるわけない。」
ダリア「あの時は、たまたまソニックブレイドが接近してきたから勝てたのよ・・・!」
ピット「たまたま?・・・なんで接近したかわからないの?」
ダリア「それは・・・」
ピット「民間人の犠牲が出るからよ。」
ダリア「え・・・」
ピット「だからこんなビル街を壊してるんじゃない。」
今度はモートンに電話をするダリア
「ピットがまたエレキングを・・・」
モートン「ソニックブレイドはだいじょうぶなんだろうな。」
ダリア「深未えるが見つからなくて・・・」
モートン「くっくっく・・・ピットにつくなら勝手にしろ。」
ダリア「ちがうわ・・・!」
電話が切れる。
頭を抱えるダリア「どうすればいいの・・・」
・
着陸するソニックブレイド。
スペシウムレールガンを構える。
える「お前は母さんを殺した。許さない。」
ためらわず引き金を引く。
横浜のみなとみらいごとエレキングを吹き飛ばす。
・
ラボ
ダリア「ソニックブレイドが・・・民間人を殺した・・・」
スマホが鳴る。モートンからの着信。
恐ろしくてスマホに出れないダリア。
・
山中
息を切らせてかけていくピット
「はあはあ・・・あのロボット・・・狂ってる・・・
エレキングごと都市を吹き飛ばすなんて・・・」
ダリアのラボに入るピット
部屋は暗い。
叫ぶピット「ダリア!エレキングがやられた!ずらかるわよ・・・!」
涙を流すダリア「ピット・・・ごめん・・・」
ピット「次がある、逃げるのよ・・・!」
震えるダリア「次はないよ・・・」
すると、地面が振動する。
ラボの天井が突然破壊され、ちぎれたエレキングの首が落ちてくる。
エレキングの体液でびしょびしょになるピット。
暗がりから、パイロットスーツを着たえるが現れる。
える「・・・この怪獣はあなたの?」
ピット「・・・深未える・・・」
える「人間の死体を見たことはある?」
ピット「ないわよ・・・怖いもの。」
える「ふうん・・・だからこんな虐殺ができるんだね・・・」
えるの冷たい表情に、怯えて土下座をするピット
「許して・・・すべてあの会社に命令されてやったのよ・・・!
私だってこんなことはやりたくなかった・・・!」
える「バルタさんを突き落としたのも?」
ぎょっとしてダリアを見るピット「・・・ダリア!」
ダリアは目を合わせない。
ビデオのメモリーカードを取り出すピット「ちょっとまって・・・!
はあはあ・・・あの女はあんたの彼氏を寝取ったのよ!ウソじゃないわ!
こ・・・これが証拠よ・・・は・・・ははは・・・
あなたにあげる・・・」
える「いらないよ。」
恐怖でとうとう失禁してしまうピット。
ピット「お願いします・・・会社も辞める。なんでもしますから・・・
命だけは・・・」
える「さようなら。」
ラボをあとにするえる。
勘兵衛「すんだか?」
える「すんだ。」
・
ラボ
モートンに電話をかけるダリア。手は震えている。
ダリア「言われた通りにしました・・・」
モートン「そうか。ご苦労だったな。本社に帰って来い。
ソニックブレイドの対策を考えよう。」
スマホを切る。
ダリア「あんな化け物に勝てるわけがない・・・」
『帰ってきたソニックブレイド』脚本④
2025-11-16 10:05:37 (73 days ago)
回想
千代田区
豪華な邸宅に暮らす中学生のえる
国連の職員たちが今日子の荷物をまとめている。
今日子「じゃあ・・・いい子にしているのよ。」
える「はい。」
今日子「本当に一緒に来ないの?日本の学校なんか行かなくてもいいのよ?」
える「・・・友達もいるから。」
今日子「何かあったら連絡して。」
える「お父さんは?」
今日子「よしなさい。」
練馬区
ボロボロの家の前で待っているえる。
毒蝮三太夫似の汚い作業着姿の男「・・・よう、えるじゃねえか。」
える「お父さん。」
狭い部屋
日本酒の一升瓶を注ぐ父「母さん元気か。」
える「今度はアメリカに行っちゃった。」
酒を飲む父「忙しいやつだな。」
える「3人で暮らしたかった。なんで離婚しちゃったの?」
父「とうちゃんが浮気したからだ。」
える「なんで?」
父「仕事を辞めろってうるせえんだよ、あいつ。」
える「怪獣の解体?」
父「お前の父親としてふさわしい仕事をしろってさ。
それでとうちゃん頭に来てな。」
える「お母さんが悪い。」
父「えるは優しいな。かあちゃんの前だととうちゃんが悪いって言うんだろ?」
苦笑いするえる「・・・・・・。」
父「・・・とうちゃんは、この仕事に誇りを持っている。
あいつが倒し、俺がかたす。
昔は今日子もわかってくれたんだけどな。
お前ができて・・・変わっちまった。」
える「あたしのせい・・・」
父「わりいわりい!そういう意味じゃねえよ。とうちゃんもかあちゃんもお前のことが好きなんだ。ほら、惣菜食えよ。冷めちまうぞ。」
える「うん・・・」
それから、父親と暮らし出すえる。
ご飯を作って父親の帰りを待っているえる。
扉が開く音がする。
笑顔になるえる。
父「よお・・・ごほごほ・・・」
える「お父さんだいじょうぶ?」
父「年には勝てねえな。最近疲れやすくなった。ほら惣菜。
あっためて食え。俺は飯はいいや。」
える「・・・お父さん・・・
少しは休みとったら?」
父「オレの仕事は人手不足なんだ。父ちゃんが休んだら迷惑がかかる。」
える「でも・・・怪獣の死骸って毒ガスや放射能を出すのもあるんでしょう?
お父さんの体が心配だよ・・・」
父「おめえまで今日子みたいなこと言うのか。」
える「せめて病院に・・・」
父「かあちゃんのとこに帰れ!俺の生きがいを奪うな!」
・
マルス(君の体を心配しているんだ!俺はお前に家にいて欲しいんだよ・・・!)
・
朝
アパートのダイニングで目を覚ますえる。
える「・・・ライちゃん・・・」
チャイムが鳴る。
飛び起きて扉を開けるえる。
える「・・・あなた・・・誰ですか?」
バルタ「あなたが深未えるさん?
わたくしグリッドライン社のリクルーター、バルタ・シカーダと言います。」
える「英会話教材とかならうち貧乏ですから・・・」
バルタ「マルスくんが言うとおり、色気のない子ね。」
える「ライちゃんを知ってるんですか??」
バルタ「ええ。この度、マルスくんは我が社のエンジニアに転職しましてね。
急遽アメリカに行くことになりました。」
える「うそですよね?」
バルタ「彼からあなたに伝言を預かっておりますわ。」
手紙を受け取るえる
(俺は君の体を心配するあまり、君の気持ちを無視し続けてしまった。
本当にすまない。君には君の人生があり・・・君のやりたいことがあるはずだ。
・・・別れよう)
頭が真っ白になるえる「うそよ・・・」
バルタ「では私はこれで。」
える「だって・・・約束したもん。これからはずっと一緒にいるって・・・!」
バルタ「学生時代の恋人なんて大体数年続けばいいほうなのだから、持ったほうじゃない?」
号泣するえる「約束したんだも~ん・・・!」
慌てるバルタ「ちょっと、あなた・・・」
える「ライちゃん、あたしがバカだった・・・捨てないで~・・・!」
バルタ(・・・こんなやつがザラを撃破したって言うの・・・?)
過呼吸になるえる「はあはあ・・・」
バルタ「・・・成田空港113便。」
える「・・・え?」
バルタ「まだ間に合う。大切なことは会って直接言いなさい。
ソニックブレイドには二度と乗らないと。」
える「うぐうぐ・・・タクシー代がない~・・・」
バルタ「あなたは本当に一人じゃ生きてけないのね!ほら3万円!」
える「ありがとう、訪問販売のお姉さん・・・」
バルタ「いいから行きなさい・・・」
える「美人なお姉さん・・・」
バルタ「はやく!」
駆けていくえる。
バルタ「・・・計画完了。」
・
奥多摩の湖
ダリア「あなた本気・・・?」
ピット「これじゃあ、会長の玉の輿はあのおっぱいになるのよ!」
ダリア「それはムカつくけど。」
ピット「なら、バルタの計画をめちゃくちゃにしないと。」
ダリア「モートンにバレたら、ただじゃすまないわよ。」
ピット「なら、私とあんたであいつを消せばいい。」
ダリア「あんたが一番怖いわ・・・だから組んだんだけど。」
ピット「懸命な判断よ。さあ、よこしなさい。」
試験管を渡すダリア「エレクトロファルス・レックス。
実験段階だから、うまくいくかは保証できないわよ。」
試験管の中身を湖に入れるピット「だいじょうぶ。失敗したらあんたのせいにする。」
しばらくすると湖に入れた小さなウナギのような生物がみるみる巨大化し、怪獣エレキングとなる。
ピット「よく税関に通ったね。」
ダリア「裏技があるのよ。」
ピット「さあ行きなさい。」
都心へ歩いていくエレキング。
ダリア「ソニックブレイドは電気で動くのよね。」
ピット「ロボットだからそうなんじゃない?」
ダリア「ならば絶対勝てるわ。
この生物は50万ボルトもの電気ショックを相手に与える。
ソニックブレイドの電気回路はすべて焼き焦げるわ。」
・
成田空港
腕時計に目をやるマルス
「えるは一緒にいけないのか。」
アメリカからの黒服「日本政府が手放さないだろ。」
・
永田町 国会
政府高官「いやいや、参りましたよ・・・
先日、ソニックブレイドがロボットたちの暴走を止めたことで霞ヶ関は大混乱です。
あのロボットはアメリカから東京都と文科省が出資して買い上げましたが、もはや科学館のモニュメントじゃない。日本を守った兵器だ。
所管を防衛省に移すべきという声も上がっていて・・・となると特別立法を可決させる必要がある。そんな矢先に奥多摩での怪獣出現だ。」
今日子「議員さんは大切なことを忘れているわ。」
政府高官「ええ。だから急遽あなたを呼んだんです。
あのロボットはあなたの娘さんしか動かせない。
つまり深未えるさんの同意がなければ、戦力・・・いや失敬、実力にはならんのです。」
今日子「あの子を説得しろと?」
政府高官「でなければ、あの怪獣によって東京は今度こそ壊滅です。」
・
空港に急行するタクシー
える「運転手さん急いでください・・・!」
運転手「青春だねえ・・・」
える「ライちゃんと別れたら・・・あたしはもう生きてけない・・・」
運転手「大丈夫。俺に任せろ。間に合うから。
・・・ん?あれ?」
える「どうしたんですか?」
運転手「事故かな・・・渋滞しやがった・・・」
える「そんな・・・!」
えるのケータイが鳴る。
・
国会
政府高官「よかったつながった・・・!」
ケータイを切る今日子
政府高官「娘さんはなんて?」
今日子「今はそんな場合じゃないって。」
政府高官「・・・え?」
・
渋滞中の高速道路
警察「この先は通行止めです!」
運転手「ひと組のカップルの未来がかかってんだぞ!」
警察「怪獣が暴れてるんですよ!」
運転手「それがどうした!もう慣れたわ!
埒があかねえな・・・つかまってろお嬢ちゃん!」
ギアを入れ替えて、バリケードを破壊し強引に下道に出るタクシー。
える「ありがとう、運転手さん・・・でもどうして・・・」
運転手「俺はこれでも、十年前は一部上場の会社の経営者だったんだ。
それがテレスドンの野郎に、自社ビル、従業員全てぶち殺されて、倒産。
俺の金目当てで結婚した妻は出て行った。負債は1000億だ。死ぬまで払えねえ。」
える「・・・・・・。」
運転手「あんたらみたいな若い子には幸せになってもらいたいのさ。」
・
小学生時代のえる。
寝室のベッドの中でうずくまっている。
壁越しに夫婦喧嘩が聞こえる。
今日子「あなたが汚い格好で働いているせいで、あの子が学校でいじめを受けてるのよ!」
父「そんなバカほうっておけ!オレがやらなかったら、誰が町を守るんだ!」
・
タクシーの中のえる
「・・・止めて。」
運転手「え?」
える「引き返してください。」
運転手「彼氏はいいのか?」
える「私がやらなかったら誰が町を守るの・・・!」
・
夜
高級ホテルのスイート。
テレビには「怪獣出現 都内全域に緊急事態宣言」の文字。
バスローブ姿でスマホを握っているバルタ。
バルタ「会長を出しなさいモートン!
一体どういうことなの!あの怪獣のせいでわたしの計画が台無しよ!
深未えるはソニックブレイドに乗らなかったし、マルス・ライがうちに来ればソニックブレイドより強大なロボット兵器が開発できた!」
モートン「会長は留守だ。」
バルタ「あんた・・・私をハメたわね・・・」
モートン「私は何も知らん。怪獣がそっちに行ったそうだぞ。直ちに撤退しろ。」
バルタ「覚えておきなさい・・・」
カーテンを開けると、すぐそばでエレキングが暴れている。
涙を浮かべるバルタ「うちの会社は馬鹿よ・・・
あの子の体を元に戻すだけで勝てた戦いなのに・・・」
エレキングがバルタのスイートを攻撃しようとする刹那、ソニックブレイドが飛び出し、宇宙怪獣と格闘を始める。
バルタ「・・・えるちゃん・・・」
ソニックブレイドのコックピット
える「ここで重火器は被害が拡大する・・・
肉弾戦で無力化しないと・・・」
その時、エレキングの体が青白く光る。
える「・・・なに?」
・
国会
テレビ中継を見る議員たち。
政府高官「あれはなんていう怪獣なんですか?」
今日子「・・・知らない。見たこともないわ。
もしかして・・・人工的に造られたのかも・・・」
・
次の瞬間、エレキングが強力な電気ショックをソニックブレイドに浴びせる。
悲鳴を上げるえる「があああああ!」
崩れ落ちるソニックブレイド。
ホテルのスイート
バルタ「うそでしょ・・・ソニックブレイドが負けた・・・」
ピット「あんたは一体どっちを応援してるのよ。」
ぎょっとして振り返るバルタ「ピット・・・!」
小型銃で両膝を撃たれるバルタ
ピット「痛いでしょう?いつも薄着だからよ。」
うつ伏せのバルタ「このぶりっこ野郎・・・
あれはエレキング・・・ダリアを抱き込んだわね・・・」
バルタのブラジャーからメモリーカードを奪うピット
「このエロビデオは彼を脅迫するのに使えるわね。」
バルタ「待って・・・私はまだ利用価値があるわよ・・・」
ピット「ないと思うよ。」
窓ガラスが割れて、ホテルのスイートから外へ落下していくバルタ。
部屋に入ってくるダリア「あんた、やりすぎよ・・・」
ピット「勝手に飛び降り自殺しちゃった。」
・
太平洋を飛行する旅客機
日本のニュースを機内で知るマルス
黒服「ソニックブレイドが負けて東京は壊滅した。いいタイミングで国外脱出できたな。」
絶句するマルス「・・・・・・。」
・
明け方
ボロボロのソニックブレイド
コックピットで目を覚ますえる。
ぐえっと吐いてしまう。
コックピットを降りると、バルタの飛び降り死体が転がっているのに気づく。
ショックを受けるえる「はあはあ・・・」
周囲を見渡すと都市が壊滅しており、死体の山が転がっている。
える「・・・またここに戻ってきたのね。」
・
とぼとぼとガレキと化した東京都を歩くえる。
自分たちのアパートにたどり着く。
当然だがマルスはいない。
ドアを叩く音。
ドアを開けると暗い表情で寺島が立っている。
える「先生・・・」
寺島「・・・あなただったのね・・・」
える「・・・・・・。」
寺島「国会が吹き飛んだのは知ってる?」
える「気絶してたから。」
涙目になる寺島「気をしっかり持ってね・・・あなたのお母さんもいたの。」
ショックで涙も出ないえる「・・・・・・。」
寺島「ロボットの暴走も結局仕組まれていたそうよ。
でも、日本だけえるちゃんが撃退したから、一時的にしらを切ったのよ。
グリッドライン社はとうとう全世界を統治したわ・・・
教えて・・・これから、どうやって生きていけばいいんだろう・・・?」
・
神社
える「山根さん・・・」
勘兵衛「お前か。」
える「力を貸して・・・」
勘兵衛「覚悟は出来たか。なにをする?」
える「あいつらを皆殺しにする。」
千代田区
豪華な邸宅に暮らす中学生のえる
国連の職員たちが今日子の荷物をまとめている。
今日子「じゃあ・・・いい子にしているのよ。」
える「はい。」
今日子「本当に一緒に来ないの?日本の学校なんか行かなくてもいいのよ?」
える「・・・友達もいるから。」
今日子「何かあったら連絡して。」
える「お父さんは?」
今日子「よしなさい。」
練馬区
ボロボロの家の前で待っているえる。
毒蝮三太夫似の汚い作業着姿の男「・・・よう、えるじゃねえか。」
える「お父さん。」
狭い部屋
日本酒の一升瓶を注ぐ父「母さん元気か。」
える「今度はアメリカに行っちゃった。」
酒を飲む父「忙しいやつだな。」
える「3人で暮らしたかった。なんで離婚しちゃったの?」
父「とうちゃんが浮気したからだ。」
える「なんで?」
父「仕事を辞めろってうるせえんだよ、あいつ。」
える「怪獣の解体?」
父「お前の父親としてふさわしい仕事をしろってさ。
それでとうちゃん頭に来てな。」
える「お母さんが悪い。」
父「えるは優しいな。かあちゃんの前だととうちゃんが悪いって言うんだろ?」
苦笑いするえる「・・・・・・。」
父「・・・とうちゃんは、この仕事に誇りを持っている。
あいつが倒し、俺がかたす。
昔は今日子もわかってくれたんだけどな。
お前ができて・・・変わっちまった。」
える「あたしのせい・・・」
父「わりいわりい!そういう意味じゃねえよ。とうちゃんもかあちゃんもお前のことが好きなんだ。ほら、惣菜食えよ。冷めちまうぞ。」
える「うん・・・」
それから、父親と暮らし出すえる。
ご飯を作って父親の帰りを待っているえる。
扉が開く音がする。
笑顔になるえる。
父「よお・・・ごほごほ・・・」
える「お父さんだいじょうぶ?」
父「年には勝てねえな。最近疲れやすくなった。ほら惣菜。
あっためて食え。俺は飯はいいや。」
える「・・・お父さん・・・
少しは休みとったら?」
父「オレの仕事は人手不足なんだ。父ちゃんが休んだら迷惑がかかる。」
える「でも・・・怪獣の死骸って毒ガスや放射能を出すのもあるんでしょう?
お父さんの体が心配だよ・・・」
父「おめえまで今日子みたいなこと言うのか。」
える「せめて病院に・・・」
父「かあちゃんのとこに帰れ!俺の生きがいを奪うな!」
・
マルス(君の体を心配しているんだ!俺はお前に家にいて欲しいんだよ・・・!)
・
朝
アパートのダイニングで目を覚ますえる。
える「・・・ライちゃん・・・」
チャイムが鳴る。
飛び起きて扉を開けるえる。
える「・・・あなた・・・誰ですか?」
バルタ「あなたが深未えるさん?
わたくしグリッドライン社のリクルーター、バルタ・シカーダと言います。」
える「英会話教材とかならうち貧乏ですから・・・」
バルタ「マルスくんが言うとおり、色気のない子ね。」
える「ライちゃんを知ってるんですか??」
バルタ「ええ。この度、マルスくんは我が社のエンジニアに転職しましてね。
急遽アメリカに行くことになりました。」
える「うそですよね?」
バルタ「彼からあなたに伝言を預かっておりますわ。」
手紙を受け取るえる
(俺は君の体を心配するあまり、君の気持ちを無視し続けてしまった。
本当にすまない。君には君の人生があり・・・君のやりたいことがあるはずだ。
・・・別れよう)
頭が真っ白になるえる「うそよ・・・」
バルタ「では私はこれで。」
える「だって・・・約束したもん。これからはずっと一緒にいるって・・・!」
バルタ「学生時代の恋人なんて大体数年続けばいいほうなのだから、持ったほうじゃない?」
号泣するえる「約束したんだも~ん・・・!」
慌てるバルタ「ちょっと、あなた・・・」
える「ライちゃん、あたしがバカだった・・・捨てないで~・・・!」
バルタ(・・・こんなやつがザラを撃破したって言うの・・・?)
過呼吸になるえる「はあはあ・・・」
バルタ「・・・成田空港113便。」
える「・・・え?」
バルタ「まだ間に合う。大切なことは会って直接言いなさい。
ソニックブレイドには二度と乗らないと。」
える「うぐうぐ・・・タクシー代がない~・・・」
バルタ「あなたは本当に一人じゃ生きてけないのね!ほら3万円!」
える「ありがとう、訪問販売のお姉さん・・・」
バルタ「いいから行きなさい・・・」
える「美人なお姉さん・・・」
バルタ「はやく!」
駆けていくえる。
バルタ「・・・計画完了。」
・
奥多摩の湖
ダリア「あなた本気・・・?」
ピット「これじゃあ、会長の玉の輿はあのおっぱいになるのよ!」
ダリア「それはムカつくけど。」
ピット「なら、バルタの計画をめちゃくちゃにしないと。」
ダリア「モートンにバレたら、ただじゃすまないわよ。」
ピット「なら、私とあんたであいつを消せばいい。」
ダリア「あんたが一番怖いわ・・・だから組んだんだけど。」
ピット「懸命な判断よ。さあ、よこしなさい。」
試験管を渡すダリア「エレクトロファルス・レックス。
実験段階だから、うまくいくかは保証できないわよ。」
試験管の中身を湖に入れるピット「だいじょうぶ。失敗したらあんたのせいにする。」
しばらくすると湖に入れた小さなウナギのような生物がみるみる巨大化し、怪獣エレキングとなる。
ピット「よく税関に通ったね。」
ダリア「裏技があるのよ。」
ピット「さあ行きなさい。」
都心へ歩いていくエレキング。
ダリア「ソニックブレイドは電気で動くのよね。」
ピット「ロボットだからそうなんじゃない?」
ダリア「ならば絶対勝てるわ。
この生物は50万ボルトもの電気ショックを相手に与える。
ソニックブレイドの電気回路はすべて焼き焦げるわ。」
・
成田空港
腕時計に目をやるマルス
「えるは一緒にいけないのか。」
アメリカからの黒服「日本政府が手放さないだろ。」
・
永田町 国会
政府高官「いやいや、参りましたよ・・・
先日、ソニックブレイドがロボットたちの暴走を止めたことで霞ヶ関は大混乱です。
あのロボットはアメリカから東京都と文科省が出資して買い上げましたが、もはや科学館のモニュメントじゃない。日本を守った兵器だ。
所管を防衛省に移すべきという声も上がっていて・・・となると特別立法を可決させる必要がある。そんな矢先に奥多摩での怪獣出現だ。」
今日子「議員さんは大切なことを忘れているわ。」
政府高官「ええ。だから急遽あなたを呼んだんです。
あのロボットはあなたの娘さんしか動かせない。
つまり深未えるさんの同意がなければ、戦力・・・いや失敬、実力にはならんのです。」
今日子「あの子を説得しろと?」
政府高官「でなければ、あの怪獣によって東京は今度こそ壊滅です。」
・
空港に急行するタクシー
える「運転手さん急いでください・・・!」
運転手「青春だねえ・・・」
える「ライちゃんと別れたら・・・あたしはもう生きてけない・・・」
運転手「大丈夫。俺に任せろ。間に合うから。
・・・ん?あれ?」
える「どうしたんですか?」
運転手「事故かな・・・渋滞しやがった・・・」
える「そんな・・・!」
えるのケータイが鳴る。
・
国会
政府高官「よかったつながった・・・!」
ケータイを切る今日子
政府高官「娘さんはなんて?」
今日子「今はそんな場合じゃないって。」
政府高官「・・・え?」
・
渋滞中の高速道路
警察「この先は通行止めです!」
運転手「ひと組のカップルの未来がかかってんだぞ!」
警察「怪獣が暴れてるんですよ!」
運転手「それがどうした!もう慣れたわ!
埒があかねえな・・・つかまってろお嬢ちゃん!」
ギアを入れ替えて、バリケードを破壊し強引に下道に出るタクシー。
える「ありがとう、運転手さん・・・でもどうして・・・」
運転手「俺はこれでも、十年前は一部上場の会社の経営者だったんだ。
それがテレスドンの野郎に、自社ビル、従業員全てぶち殺されて、倒産。
俺の金目当てで結婚した妻は出て行った。負債は1000億だ。死ぬまで払えねえ。」
える「・・・・・・。」
運転手「あんたらみたいな若い子には幸せになってもらいたいのさ。」
・
小学生時代のえる。
寝室のベッドの中でうずくまっている。
壁越しに夫婦喧嘩が聞こえる。
今日子「あなたが汚い格好で働いているせいで、あの子が学校でいじめを受けてるのよ!」
父「そんなバカほうっておけ!オレがやらなかったら、誰が町を守るんだ!」
・
タクシーの中のえる
「・・・止めて。」
運転手「え?」
える「引き返してください。」
運転手「彼氏はいいのか?」
える「私がやらなかったら誰が町を守るの・・・!」
・
夜
高級ホテルのスイート。
テレビには「怪獣出現 都内全域に緊急事態宣言」の文字。
バスローブ姿でスマホを握っているバルタ。
バルタ「会長を出しなさいモートン!
一体どういうことなの!あの怪獣のせいでわたしの計画が台無しよ!
深未えるはソニックブレイドに乗らなかったし、マルス・ライがうちに来ればソニックブレイドより強大なロボット兵器が開発できた!」
モートン「会長は留守だ。」
バルタ「あんた・・・私をハメたわね・・・」
モートン「私は何も知らん。怪獣がそっちに行ったそうだぞ。直ちに撤退しろ。」
バルタ「覚えておきなさい・・・」
カーテンを開けると、すぐそばでエレキングが暴れている。
涙を浮かべるバルタ「うちの会社は馬鹿よ・・・
あの子の体を元に戻すだけで勝てた戦いなのに・・・」
エレキングがバルタのスイートを攻撃しようとする刹那、ソニックブレイドが飛び出し、宇宙怪獣と格闘を始める。
バルタ「・・・えるちゃん・・・」
ソニックブレイドのコックピット
える「ここで重火器は被害が拡大する・・・
肉弾戦で無力化しないと・・・」
その時、エレキングの体が青白く光る。
える「・・・なに?」
・
国会
テレビ中継を見る議員たち。
政府高官「あれはなんていう怪獣なんですか?」
今日子「・・・知らない。見たこともないわ。
もしかして・・・人工的に造られたのかも・・・」
・
次の瞬間、エレキングが強力な電気ショックをソニックブレイドに浴びせる。
悲鳴を上げるえる「があああああ!」
崩れ落ちるソニックブレイド。
ホテルのスイート
バルタ「うそでしょ・・・ソニックブレイドが負けた・・・」
ピット「あんたは一体どっちを応援してるのよ。」
ぎょっとして振り返るバルタ「ピット・・・!」
小型銃で両膝を撃たれるバルタ
ピット「痛いでしょう?いつも薄着だからよ。」
うつ伏せのバルタ「このぶりっこ野郎・・・
あれはエレキング・・・ダリアを抱き込んだわね・・・」
バルタのブラジャーからメモリーカードを奪うピット
「このエロビデオは彼を脅迫するのに使えるわね。」
バルタ「待って・・・私はまだ利用価値があるわよ・・・」
ピット「ないと思うよ。」
窓ガラスが割れて、ホテルのスイートから外へ落下していくバルタ。
部屋に入ってくるダリア「あんた、やりすぎよ・・・」
ピット「勝手に飛び降り自殺しちゃった。」
・
太平洋を飛行する旅客機
日本のニュースを機内で知るマルス
黒服「ソニックブレイドが負けて東京は壊滅した。いいタイミングで国外脱出できたな。」
絶句するマルス「・・・・・・。」
・
明け方
ボロボロのソニックブレイド
コックピットで目を覚ますえる。
ぐえっと吐いてしまう。
コックピットを降りると、バルタの飛び降り死体が転がっているのに気づく。
ショックを受けるえる「はあはあ・・・」
周囲を見渡すと都市が壊滅しており、死体の山が転がっている。
える「・・・またここに戻ってきたのね。」
・
とぼとぼとガレキと化した東京都を歩くえる。
自分たちのアパートにたどり着く。
当然だがマルスはいない。
ドアを叩く音。
ドアを開けると暗い表情で寺島が立っている。
える「先生・・・」
寺島「・・・あなただったのね・・・」
える「・・・・・・。」
寺島「国会が吹き飛んだのは知ってる?」
える「気絶してたから。」
涙目になる寺島「気をしっかり持ってね・・・あなたのお母さんもいたの。」
ショックで涙も出ないえる「・・・・・・。」
寺島「ロボットの暴走も結局仕組まれていたそうよ。
でも、日本だけえるちゃんが撃退したから、一時的にしらを切ったのよ。
グリッドライン社はとうとう全世界を統治したわ・・・
教えて・・・これから、どうやって生きていけばいいんだろう・・・?」
・
神社
える「山根さん・・・」
勘兵衛「お前か。」
える「力を貸して・・・」
勘兵衛「覚悟は出来たか。なにをする?」
える「あいつらを皆殺しにする。」
『帰ってきたソニックブレイド』脚本③
2025-11-14 22:07:13 (74 days ago)
テレビのニュース
「先日起きたグリッドブレイドの暴走については、第三者委員会とグリッドライン社が原因を解明するとのことです。」
記者会見をするメトロンCEO「開発下請け会社を控訴することに決めました。
今後も世界の安定と平和のためにわが社は全力で取り組むことを約束します。」
幹部会議
モートン「会社の株価は?」
ラップトップをいじるバルタ「許容範囲ね。ザラも死んで責任を取ってくれたし。」
ピット「あいつ、年下のくせに生意気だったから、いなくなってせいせいした。」
白衣のダリア「問題はあの試作機よ。どうする?」
バルタ「パイロットの素性は割れてるから、その女を消せば済む話じゃない?」
ピット「女なの?」
えるの画像を会議室に投影するバルタ「こいつよ。」
ピット「・・・ガキに見えるけど。」
ラップトップをたたむバルタ「こんな小娘、このわたしがひとひねりにしてやるわ。」
モートン「では、お前に任せる。しかし失敗は許さん。」
バルタ「私が失敗したことがあった?」
モートン「ない。」
退室するバルタ。
ダリア「・・・あの子はマグナム弾でも殺せないのに。」
ピット「そうなの?教えてあげたら?」
ダリア「会長の玉の輿になる確率が上がるでしょ?」
ピット「わるいんだ~」
モートン「バルタは手練れだ。パイロットはあいつに任せておけ。
お前たちはロボットの方を当たれ。」
ダリア「はい。」
会議室に映されたままのえるの画像。
・
夜
アパート
えるの手当をするマルス。
「無茶なことをしたもんだ。」
える「ごめんなさい・・・」
マルス「ソニックブレイドには二度と乗らないんじゃなかったのか。」
える「あのロボットが襲ってきたから。」
マルス「君の体はもう戦えるような状態じゃないんだぞ。」
える「じゃあ、センターのみんなを見捨てればよかったの?」
マルス「そうは言ってないけど。」
える「愛野さんがいないの。」
マルス「・・・彼女は亡くなった。」
青くなるえる「・・・うそでしょう?」
マルス「あの子だけじゃない。多くの人が死んだんだ。
きみが気にすることじゃない。
自分のことだけを考えろ。」
える「わたしも人の役に立ちたいの。」
マルス「きみが大けがしたら直せる人間がいないんだぞ?
オレはきみに家にいてほしいんだ。」
える「わたしにはなんにもやらせてくれないんですね。」
マルス「・・・とげのある言い方だな。」
える「わたし・・・あのロボットと戦って確かに怪我しちゃったけど・・・
町のみんなに感謝されたんだ。
いじめられっ子で足手まといな私が感謝されたの。人生で初めて。」
マルス「これが私の生きる道とか言うんじゃないだろうな。」
える「私にはもう時間がないの。なら、残りの時間を人のために・・・」
マルス「みんなが感謝したのはきみじゃない!ソニックブレイドだ!」
部屋を出ていくえる「ライちゃんのバカ!きらい!!」
部屋に入ってくる妹のろな
大学生のろな「お兄ちゃん大丈夫?パパが様子見て来いって。あれ?えるちゃんは?」
マルス「出て行った・・・」
ろなに缶ビールを注いでやるマルス「あいつが初めて怒った・・・」
ろな「あら珍しい。」
マルス「言い過ぎたのかもしれない。」
ろな「お兄ちゃんの気持ちはわかってると思うよ。」
マルス「もう戦ってほしくないんだ。ずっとそばにいてほしい。」
ろな「それは向こうも一緒だって。
ただ、お兄ちゃんに言ってもらいたいの。」
マルス「なにを。」
ろな「ありがとうって。最近言ったことあった?」
・
神社
おさいせんをいれるえる「ライちゃんと仲直りできますように・・・」
浮浪者の老人「こんな夜中に若い女が出歩くんじゃない。」
える「す・・・すいません・・・」
老人「まったくどうなっとるんだ日本の風紀は・・・ぶつぶつ」
える「へんなおじいちゃんに絡まれちゃったな。」
老人「馬鹿者!わしには山根勘兵衛という名前があるわ!
だいたいパジャマのようなかっこうで外出する非行娘に老人扱いされる筋合いはない!家に帰れ!親が心配するじゃろ。」
える「・・・ケンカしちゃったんだもん。」
勘兵衛「ケンカがなんじゃ。
わしが若い頃には戦争で鬼畜米英と命の取り合いをしとったんじゃ。可愛いもんじゃろ。」
える「おじいちゃん、戦争に行ってたんですか?」
無視する勘兵衛「・・・。」
える「山根さん、戦争に行ってたの?」
勘兵衛「これでもガダルカナルの軍神と呼ばれておったわ。」
える「わたしも行きましたよ。戦争。」
勘兵衛「こんな小娘にからかわれるようになるとは・・・死んでいった戦友に申し訳が立たん・・・こんな社会にわしの居場所はない。潔く自決じゃ・・・」
える「社会に居場所がないのも一緒だ。」
勘兵衛「お前にわしの苦労が分かるものか!家に帰れ!」
ブラウスのボタンを外すえる。
勘兵衛「こら!年頃の娘がはしたない!」
えるが胸をさらけ出すと、グロテスクな傷跡とそこに機械が埋め込まれている。
勘兵衛「・・・。すまなかった。」
神社の境内に並んで座る二人。
勘兵衛「あの悪魔のようなロボットを倒したのは、お前さんじゃったか。」
える「それでこっぴどく怒られちゃった。」
勘兵衛「気にするな。
誰かが戦わなければ国は守れない。
お前さんは正しいことをした。胸を張れ。」
目を潤ませるえる
勘兵衛「泣くことないじゃろ・・・」
える「うう・・・」
勘兵衛「老いぼれがひとつ教えてやろう。
これからは自分のことは自分で決めるようにしなさい。
一度きりの自分の人生だ。お前さんが正しいと思ったことをやれ。」
える「・・・」
勘兵衛「もし、お前さんがこれからもあれに乗って戦うというのなら・・・
ここに来い。力になってやろう。」
える「おじい・・・山根さんが?」
勘兵衛「武将には軍師がいるじゃろう?」
遠くからマルスの声がする。
マルス「える~!」
勘兵衛「まずは恋人と仲直りしろ。」
・
マルスに背負われて家に帰るえる。
える「ごめんなさい・・・」
マルス「オレも言い過ぎた。ただ心配なんだ。きみの体が。」
える「うん・・・」
マルス「・・・約束しただろう?えるの体は絶対に直してやる。
だから自分を大事にしてくれよ。オレのために。」
える「ありがとう・・・」
える(その優しさがつらいの。)
・
アパート
ふとんで寝ているえる。
病院の領収書を手に取るマルス「これを見つけたから働きたいと言い出したのか。」
領収書を見ると、えるを延命するための薬が高額であることが分かる。
マルス「確かにこのままじゃ家賃も払えなくなる・・・
時間がないのかもな。」
・
翌日
高校の屋上
愛野沙良に花を手向けるマルス
「ごめんな・・・守ってやれなかった。」
背後から声をかけるセクシーな美女「お優しいのね。」
マルス「・・・お前は?」
美女「わたくしグリッドライン社オーストラリア支社の重役をしております
バルタ・シカーダと言います。」
マルス「真相を知るオレをついに消しに来たか。」
バルタ「お~ほっほ、ご冗談を。わが社も被害者でしてね。
グリッドブレイドの電子頭脳をハッキングされ、あろうことか殺戮マシーンに悪用された。」
マルス「あんたの会社が嫌いな人間がきれいに殺されたのも偶然か?」
バルタ「おほほほ、あなたが生きているでしょう?
メトロン会長は、今回の事件を重く受け止めておりまして・・・
プロトタイプの開発者をアメリカに呼び戻し、原因究明をしたいお考えです。」
マルス「ソニックブレイドのことか。」
バルタ「あなた方があれを作る際に、意図的に人工知能プログラムにバックドアを仕組んだのではないかと、会長は懸念されております。」
マルス「あんた・・・」
バルタ「シカーダよ。」
マルス「頭がいいな。」
バルタ「女が全てあなたよりバカだと思ってたの?」
マルス「いいや。」
バルタ「では、ついてきてくださる?」
・
ロイヤルホテル
高級そうなバー。美しい東京の夜景が広がる。
マルス「何考えてやがる。色仕掛けなんか俺には通用しないぜ。」
頬杖をつくバルタ「ふふ・・・こんなお洒落なところ彼女と来たことないでしょう。」
マルス「えるは酒が飲めないんだ。」
バルタ「可愛い彼女さんよね。」
マルス「えるに手を出してみろ。殺してやる。」
バルタ「まあ、ひどい言い方。むしろあの子を助けに来たのに。」
マルス「オレはアメリカにはいかない。」
バルタ「あの子の手術にかかる費用を負担すると言っても?」
マルス「なんだと・・・?」
バルタ「頭のいいあなたならわかるでしょ?
今の仕事を続けながら彼女の介護をして・・・将来はあるの?」
マルス「介護って言うな。・・・オレたちは支え合って暮らしてるんだ。」
バルタ「失礼。あなたには才能がある。
そして、我が社は才能のあるものに対価を惜しまないわ。」
マルス「オレはもうソニックブレイドなんか作らないぞ。
どうせお前らみたいなのに悪用される。」
胸の谷間から小切手を取り出すバルタ「とんだ陰謀論ね・・・
ではこうしましょう。人間に絶対に危害を与えない人工知能を作ってちょうだい。
それで報酬は1億ドル。どうかしら。」
マルス「・・・・・・。」
立ち上がるバルタ「・・・優柔不断な男ね。さようなら。」
バルタの腕をつかむマルス「・・・待て。」
意地悪に微笑むバルタ「ふふ・・・なあに?」
マルス「・・・確証が欲しい・・・えるを助けられるという確証が・・・」
バルタ「いいわよ。そのまえに乾杯しましょう。」
マルス「・・・・・・。」
・
アパート
える「ライちゃん遅いな・・・ごはん冷めちゃうよ。」
マルスに電話をかける。
・
ホテルのスイートルーム
マルスのケータイが鳴る。
睡眠薬で眠らされたマルスが起きると、ベッドにあおむけになっている。
ぎょっとすると、すぐそばに全裸のバルタが立っている。
マルスのケータイを手に取るバルタ。
バルタ「録音してたのね。賢い子。このやり取りを聞かせれば、あのおバカな彼女も浮気を疑わないものね・・・」
マルス「・・・・・・。」
ケータイをハイヒールでつぶしてしまうバルタ
「あなた・・・色仕掛けなんか通用しないって言ったわよね?」
マルス「うう・・・」
バルタ「私の色仕掛けが通用しないオスはこの宇宙にはいないの。」
そう言うと、マルスにキスをするバルタ。
・
グリッドライン社
会長室
モートン「シカーダが動きました。」
自分が表紙のTIME誌を読んでいるメトロン「ほう。」
モートン「しかし深未えるはサイボーグです。やはり暗殺ならわたしが行くべきでした。」
メトロン「暴力だけが戦いじゃないさ。
きみはシカーダくんの種族を知っているかい?」
モートン「バルタン星人。」
メトロン「多くの惑星があの異星人に乗っ取られたが、それは軍事力によってではない。」
モートン「御教示ください。」
メトロン「繁殖力だよ。」
・
スイートルーム
体を密着させるバルタ「正直になりなさい。えるちゃんは異性として見れないんでしょう?
あどけないし、全身は機械・・・こんな風にセックスだってできないじゃない。」
涙を流すマルス「・・・卑怯だぞ、お前・・・」
バルタ「うふ、確証をあげるわ。わが社に、えるちゃんを改造した科学者がいる。
あの子ならえるちゃんの体を元に戻せるわよ。」
マルス「・・・!」
バルタ「わたくしはスケベで卑怯だけど正直者よ。」
すると、ビデオカメラのスイッチを切る。
ビデオのメモリーを手に取るバルタ「まあ、あなたたちが破局しなければの話だけど。」
「先日起きたグリッドブレイドの暴走については、第三者委員会とグリッドライン社が原因を解明するとのことです。」
記者会見をするメトロンCEO「開発下請け会社を控訴することに決めました。
今後も世界の安定と平和のためにわが社は全力で取り組むことを約束します。」
幹部会議
モートン「会社の株価は?」
ラップトップをいじるバルタ「許容範囲ね。ザラも死んで責任を取ってくれたし。」
ピット「あいつ、年下のくせに生意気だったから、いなくなってせいせいした。」
白衣のダリア「問題はあの試作機よ。どうする?」
バルタ「パイロットの素性は割れてるから、その女を消せば済む話じゃない?」
ピット「女なの?」
えるの画像を会議室に投影するバルタ「こいつよ。」
ピット「・・・ガキに見えるけど。」
ラップトップをたたむバルタ「こんな小娘、このわたしがひとひねりにしてやるわ。」
モートン「では、お前に任せる。しかし失敗は許さん。」
バルタ「私が失敗したことがあった?」
モートン「ない。」
退室するバルタ。
ダリア「・・・あの子はマグナム弾でも殺せないのに。」
ピット「そうなの?教えてあげたら?」
ダリア「会長の玉の輿になる確率が上がるでしょ?」
ピット「わるいんだ~」
モートン「バルタは手練れだ。パイロットはあいつに任せておけ。
お前たちはロボットの方を当たれ。」
ダリア「はい。」
会議室に映されたままのえるの画像。
・
夜
アパート
えるの手当をするマルス。
「無茶なことをしたもんだ。」
える「ごめんなさい・・・」
マルス「ソニックブレイドには二度と乗らないんじゃなかったのか。」
える「あのロボットが襲ってきたから。」
マルス「君の体はもう戦えるような状態じゃないんだぞ。」
える「じゃあ、センターのみんなを見捨てればよかったの?」
マルス「そうは言ってないけど。」
える「愛野さんがいないの。」
マルス「・・・彼女は亡くなった。」
青くなるえる「・・・うそでしょう?」
マルス「あの子だけじゃない。多くの人が死んだんだ。
きみが気にすることじゃない。
自分のことだけを考えろ。」
える「わたしも人の役に立ちたいの。」
マルス「きみが大けがしたら直せる人間がいないんだぞ?
オレはきみに家にいてほしいんだ。」
える「わたしにはなんにもやらせてくれないんですね。」
マルス「・・・とげのある言い方だな。」
える「わたし・・・あのロボットと戦って確かに怪我しちゃったけど・・・
町のみんなに感謝されたんだ。
いじめられっ子で足手まといな私が感謝されたの。人生で初めて。」
マルス「これが私の生きる道とか言うんじゃないだろうな。」
える「私にはもう時間がないの。なら、残りの時間を人のために・・・」
マルス「みんなが感謝したのはきみじゃない!ソニックブレイドだ!」
部屋を出ていくえる「ライちゃんのバカ!きらい!!」
部屋に入ってくる妹のろな
大学生のろな「お兄ちゃん大丈夫?パパが様子見て来いって。あれ?えるちゃんは?」
マルス「出て行った・・・」
ろなに缶ビールを注いでやるマルス「あいつが初めて怒った・・・」
ろな「あら珍しい。」
マルス「言い過ぎたのかもしれない。」
ろな「お兄ちゃんの気持ちはわかってると思うよ。」
マルス「もう戦ってほしくないんだ。ずっとそばにいてほしい。」
ろな「それは向こうも一緒だって。
ただ、お兄ちゃんに言ってもらいたいの。」
マルス「なにを。」
ろな「ありがとうって。最近言ったことあった?」
・
神社
おさいせんをいれるえる「ライちゃんと仲直りできますように・・・」
浮浪者の老人「こんな夜中に若い女が出歩くんじゃない。」
える「す・・・すいません・・・」
老人「まったくどうなっとるんだ日本の風紀は・・・ぶつぶつ」
える「へんなおじいちゃんに絡まれちゃったな。」
老人「馬鹿者!わしには山根勘兵衛という名前があるわ!
だいたいパジャマのようなかっこうで外出する非行娘に老人扱いされる筋合いはない!家に帰れ!親が心配するじゃろ。」
える「・・・ケンカしちゃったんだもん。」
勘兵衛「ケンカがなんじゃ。
わしが若い頃には戦争で鬼畜米英と命の取り合いをしとったんじゃ。可愛いもんじゃろ。」
える「おじいちゃん、戦争に行ってたんですか?」
無視する勘兵衛「・・・。」
える「山根さん、戦争に行ってたの?」
勘兵衛「これでもガダルカナルの軍神と呼ばれておったわ。」
える「わたしも行きましたよ。戦争。」
勘兵衛「こんな小娘にからかわれるようになるとは・・・死んでいった戦友に申し訳が立たん・・・こんな社会にわしの居場所はない。潔く自決じゃ・・・」
える「社会に居場所がないのも一緒だ。」
勘兵衛「お前にわしの苦労が分かるものか!家に帰れ!」
ブラウスのボタンを外すえる。
勘兵衛「こら!年頃の娘がはしたない!」
えるが胸をさらけ出すと、グロテスクな傷跡とそこに機械が埋め込まれている。
勘兵衛「・・・。すまなかった。」
神社の境内に並んで座る二人。
勘兵衛「あの悪魔のようなロボットを倒したのは、お前さんじゃったか。」
える「それでこっぴどく怒られちゃった。」
勘兵衛「気にするな。
誰かが戦わなければ国は守れない。
お前さんは正しいことをした。胸を張れ。」
目を潤ませるえる
勘兵衛「泣くことないじゃろ・・・」
える「うう・・・」
勘兵衛「老いぼれがひとつ教えてやろう。
これからは自分のことは自分で決めるようにしなさい。
一度きりの自分の人生だ。お前さんが正しいと思ったことをやれ。」
える「・・・」
勘兵衛「もし、お前さんがこれからもあれに乗って戦うというのなら・・・
ここに来い。力になってやろう。」
える「おじい・・・山根さんが?」
勘兵衛「武将には軍師がいるじゃろう?」
遠くからマルスの声がする。
マルス「える~!」
勘兵衛「まずは恋人と仲直りしろ。」
・
マルスに背負われて家に帰るえる。
える「ごめんなさい・・・」
マルス「オレも言い過ぎた。ただ心配なんだ。きみの体が。」
える「うん・・・」
マルス「・・・約束しただろう?えるの体は絶対に直してやる。
だから自分を大事にしてくれよ。オレのために。」
える「ありがとう・・・」
える(その優しさがつらいの。)
・
アパート
ふとんで寝ているえる。
病院の領収書を手に取るマルス「これを見つけたから働きたいと言い出したのか。」
領収書を見ると、えるを延命するための薬が高額であることが分かる。
マルス「確かにこのままじゃ家賃も払えなくなる・・・
時間がないのかもな。」
・
翌日
高校の屋上
愛野沙良に花を手向けるマルス
「ごめんな・・・守ってやれなかった。」
背後から声をかけるセクシーな美女「お優しいのね。」
マルス「・・・お前は?」
美女「わたくしグリッドライン社オーストラリア支社の重役をしております
バルタ・シカーダと言います。」
マルス「真相を知るオレをついに消しに来たか。」
バルタ「お~ほっほ、ご冗談を。わが社も被害者でしてね。
グリッドブレイドの電子頭脳をハッキングされ、あろうことか殺戮マシーンに悪用された。」
マルス「あんたの会社が嫌いな人間がきれいに殺されたのも偶然か?」
バルタ「おほほほ、あなたが生きているでしょう?
メトロン会長は、今回の事件を重く受け止めておりまして・・・
プロトタイプの開発者をアメリカに呼び戻し、原因究明をしたいお考えです。」
マルス「ソニックブレイドのことか。」
バルタ「あなた方があれを作る際に、意図的に人工知能プログラムにバックドアを仕組んだのではないかと、会長は懸念されております。」
マルス「あんた・・・」
バルタ「シカーダよ。」
マルス「頭がいいな。」
バルタ「女が全てあなたよりバカだと思ってたの?」
マルス「いいや。」
バルタ「では、ついてきてくださる?」
・
ロイヤルホテル
高級そうなバー。美しい東京の夜景が広がる。
マルス「何考えてやがる。色仕掛けなんか俺には通用しないぜ。」
頬杖をつくバルタ「ふふ・・・こんなお洒落なところ彼女と来たことないでしょう。」
マルス「えるは酒が飲めないんだ。」
バルタ「可愛い彼女さんよね。」
マルス「えるに手を出してみろ。殺してやる。」
バルタ「まあ、ひどい言い方。むしろあの子を助けに来たのに。」
マルス「オレはアメリカにはいかない。」
バルタ「あの子の手術にかかる費用を負担すると言っても?」
マルス「なんだと・・・?」
バルタ「頭のいいあなたならわかるでしょ?
今の仕事を続けながら彼女の介護をして・・・将来はあるの?」
マルス「介護って言うな。・・・オレたちは支え合って暮らしてるんだ。」
バルタ「失礼。あなたには才能がある。
そして、我が社は才能のあるものに対価を惜しまないわ。」
マルス「オレはもうソニックブレイドなんか作らないぞ。
どうせお前らみたいなのに悪用される。」
胸の谷間から小切手を取り出すバルタ「とんだ陰謀論ね・・・
ではこうしましょう。人間に絶対に危害を与えない人工知能を作ってちょうだい。
それで報酬は1億ドル。どうかしら。」
マルス「・・・・・・。」
立ち上がるバルタ「・・・優柔不断な男ね。さようなら。」
バルタの腕をつかむマルス「・・・待て。」
意地悪に微笑むバルタ「ふふ・・・なあに?」
マルス「・・・確証が欲しい・・・えるを助けられるという確証が・・・」
バルタ「いいわよ。そのまえに乾杯しましょう。」
マルス「・・・・・・。」
・
アパート
える「ライちゃん遅いな・・・ごはん冷めちゃうよ。」
マルスに電話をかける。
・
ホテルのスイートルーム
マルスのケータイが鳴る。
睡眠薬で眠らされたマルスが起きると、ベッドにあおむけになっている。
ぎょっとすると、すぐそばに全裸のバルタが立っている。
マルスのケータイを手に取るバルタ。
バルタ「録音してたのね。賢い子。このやり取りを聞かせれば、あのおバカな彼女も浮気を疑わないものね・・・」
マルス「・・・・・・。」
ケータイをハイヒールでつぶしてしまうバルタ
「あなた・・・色仕掛けなんか通用しないって言ったわよね?」
マルス「うう・・・」
バルタ「私の色仕掛けが通用しないオスはこの宇宙にはいないの。」
そう言うと、マルスにキスをするバルタ。
・
グリッドライン社
会長室
モートン「シカーダが動きました。」
自分が表紙のTIME誌を読んでいるメトロン「ほう。」
モートン「しかし深未えるはサイボーグです。やはり暗殺ならわたしが行くべきでした。」
メトロン「暴力だけが戦いじゃないさ。
きみはシカーダくんの種族を知っているかい?」
モートン「バルタン星人。」
メトロン「多くの惑星があの異星人に乗っ取られたが、それは軍事力によってではない。」
モートン「御教示ください。」
メトロン「繁殖力だよ。」
・
スイートルーム
体を密着させるバルタ「正直になりなさい。えるちゃんは異性として見れないんでしょう?
あどけないし、全身は機械・・・こんな風にセックスだってできないじゃない。」
涙を流すマルス「・・・卑怯だぞ、お前・・・」
バルタ「うふ、確証をあげるわ。わが社に、えるちゃんを改造した科学者がいる。
あの子ならえるちゃんの体を元に戻せるわよ。」
マルス「・・・!」
バルタ「わたくしはスケベで卑怯だけど正直者よ。」
すると、ビデオカメラのスイッチを切る。
ビデオのメモリーを手に取るバルタ「まあ、あなたたちが破局しなければの話だけど。」
『帰ってきたソニックブレイド』脚本②
2025-11-13 18:30:04 (75 days ago)
東京都 練馬区生涯学習センター
メインエントランスには、えるが乗っていたソニックブレイドが展示されている。
える「これって・・・」
寺島「あなたのお母さんが寄贈してくれたの。
けっこう小さい子に人気なんだ。」
える「そうなんですね・・・」
寺島「すごいよね、こんなロボットに人が乗りこんで怪獣と戦っていたなんて。
今は人工知能じゃない。」
える「あはは・・・」
寺島「こっちよ。」
学習スペースに案内する寺島
駆け寄る子どもたち「せんせ~」
寺島「今日はあたらしい先生をつれてきたよ。
深未える先生です。」
エプロンをつけるえる「深未えるです。好きな教科は図工です。よろしくお願いします。」
子ども「せんせい・・・この人大人なの・・・?」
寺島「・・・え?」
える「正真正銘のアラサーです。缶ぽっくり作ってあげるね。」
子ども「なにそれ?」
える「昭和の最高の娯楽です。」
寺島「高校の頃もよく遊んでたよね・・・じゃ、えるちゃんよろしくね。」
缶ぽっくりを作ってあげるえる「できた~!」
子ども「なにこれ、ダサい。」
子ども「あれだろ。このロープを振り回して戦う、フレイル系の武器だろ。」
える「え?ちが・・・」
子ども「おら~!」
缶ぽっくりを武器にされ、子どもたちに袋叩きにされるえる
える「ちょっとやめて・・・いたい!いたい!!」
子ども「やっつけろ~!!」
える「ひいい!助けて・・・!」
沙良「こら!」
逃げていく子ども「ひいい!」
子ども「スイッチでもやろうぜ。」
える「助かりました・・・あれ?どこかで・・・」
沙良「深未えるさんですよね?」
える「え~と・・・」
沙良「愛野沙良です。」
える「愛野さんもいじめを・・・?」
沙良「なかなか周囲になじめなくて。」
える「先生に相談しないの?」
沙良「迷惑かけたくないから。」
える「そんなことないと思うよ。」
沙良「それに・・・」
える「?」
沙良「わたし・・・先生のこと好きだから。」
える「青春ですね!」
あきれる沙良「・・・あなたって本当に頭が悪いのね。私は賢い人が好き。」
える「ごめんなさい・・・やっぱりわたし何もできない。
いじめを受けた子の気持ちならわかってあげられると思ったけど。」
沙良「・・・本当にソニックブレイドに乗って戦っていたの?」
える「・・・え?」
沙良「全人類はあなたを恐れていたというの?」
える「何の話でしょうか・・・」
沙良「とぼけないで。
あなたは数年前、世界最強の軍事力を有していた。
それなのになぜ、自分をさげすむ人間に復讐しなかったの?」
える「愛野さん怖い・・・」
沙良「ひどいいじめをうけて・・・なぜ恨みや憎しみを抱かないの?」
える「う~ん・・・守ってくれた人がいたからかな。」
沙良「あなたは甘ったれよ。自分で何とかせず、結局人に守ってもらっている。
わたしにはそんな人はいなかった。今までも・・・これからも。」
える「私でよかったら・・・」
沙良「いじめを受けた小学生にすらいじめられていたあなたになにができるの?」
える「それは・・・」
沙良「わたしはあなたとは違う。あなたは人より劣っていたからいじめられたけど・・・
私は人より優れているからいじめられた。」
アパート
える「ただいま・・・」
台所のマルス「おかえり。オレも今帰ったところだ。初仕事はどうだった?」
える「小学生には暴力を振るわれ・・・高校生には甘ったれだととがめられました・・・」
絶句するマルス「お前はそこでもいじめられたのか・・・!」
泣いてしまうえる「あたし・・・なにもできない・・・年を食っただけ・・・うう・・・」
マルス「まだ、初日だろ・・・ほら温かいスープ。」
える「でもなんで、あの子はわたしがロボットに乗ってたこと知ってたんだろう・・・」
マルス「?・・・今なんて言った?」
える「センターに来てた女の子がソニックブレイドのこと知ってたんです。」
マルス「もしかして・・・愛野沙良か。」
える「え・・・?」
マルス「やっぱり、いじめられていたんだ・・・
ほかになんて言っていた?」
える「・・・忘れちゃった。」
マルス「思い出せ。」
える「やだ。」
マルス「オレの教え子なんだぞ。守ってやらないと。」
える「あの頃のわたしみたいに?」
マルス「何言ってんだよ。」
える「ライちゃんのこと好きなんだって・・・」
マルス「ただの子どもの言うことだ。からかってんだよ。」
える「ちがう。その気持ちだけは私にだってわかるよ・・・本気だって・・・」
・
夜
真っ暗なマンションの部屋。
スマートフォンが鳴る。
沙良「はい・・・
計画の唯一の障壁ですが・・・脅威ではないと断言できます。
マルスライには野心がないし、深未えるは総じて愚かです。
会長に批判的な人間は東京で4万人。
スマートフォンですべて追跡可能です。
ご命令とあらば・・・グリッドブレイドで。」
スマホを切る沙良。
沙良「だから、スマートフォンは嫌い。」
マンションの部屋にはサーバーが所狭しと並んでいる。
・
東京都庁
移民反対のデモ隊が集まっている。
都庁の会議室
寺島「・・・日本の移民政策は失策だと思う?」
今日子「・・・いささか性急すぎたのかもしれないわね。」
寺島「国連がそう言うか。」
今日子「推進派は移民をていのいい労働力としか見ていないし、反対派はすべての移民を侵略者だと思っている。どちらも根底にあるのは差別よ。
そういった感情を無視して、グリッドライン社は世界中に圧力をかけた。
まあ、気持ちはわかるわ。安全圏での判断は、えてして現場の実態を無視したものになる。
ある人にそう言われたことがあったから。」
寺島「誰に?」
今日子「あなたの教え子よ、明日香。」
窓の外では警視庁の機動隊が集まってくる。
寺島「で・・・世界危機管理局WEMAの局長が何の用?」
今日子「うちの職員が不穏なやり取りを傍受して。杞憂だといいのだけど。」
高校
授業をするマルス
生徒全員がスマホをいじっている。沙良は欠席している。
学習センター
子どもたちにもみくちゃにされるえる
える「だからそういう遊び方じゃないって・・・!」
どこかの高い場所に上っている沙良
コントローラーを操作する。
グリッドライン社
受話器を握るモートン「会長。ラブクラフトからです。」
メトロン「やってくれ。」
モートン「グリッドブレイド発進!」
沙良がコントローラーのスイッチを押す。
世界中に配備されたグリッドブレイドが勝手に動き出す。
東京都庁に現れるグリッドブレイド。
巨大ロボットを見上げるデモ隊。
デモ隊「こいつを使って移民を皆殺しにすればいいんだ!」
グリッドブレイドの電子頭脳が、付近のスマホの個人情報を読み取り、粛清対象か否かを計算する。
ブオーという轟音を鳴らし、グリッドビームをチャージする、グリッドブレイド。
あたりが白い光に包まれる。
スマートホンのカメラでその様子を撮影する野次馬。
その直後、グリッドビームが矢のように発射される。
その殺人光線は、グリッドライン社に批判的な人物だけを奇麗に射抜き、白い灰に変えていく。
悲鳴があがる。
逃げ出すデモ隊を一人残らず抹殺していくグリッドブレイド。
会議室
青ざめる寺島「なんてことなの・・・」
冷静に紅茶を飲む今日子「スマホって持ってる?」
IDOの携帯電話を取り出す寺島「ガラケー。」
今日子「なら安心なさい。標的ではないわ。」
ロボット兵器による大虐殺の様子を見下ろす沙良
「人類なんてタダの虫けらね。」
高校
黒板を向いて授業をしているマルス。
生徒は窓の外を見て騒いでいるが、マルスは無視している。
恐怖におののき、教室から逃げ出していく生徒たち。
チャイムが鳴る。
マルス「~というわけで、日直さん、号令。」
教室にはだれもいない。
マルス「とうとうボイコットか。」
学習センター
子どもに叩かれるえる「暴力反対!」
その時、地面が振動する。
怯える子どもたち。
える「・・・ダメ!慌てないで!机の下に隠れるの!」
泣き叫ぶ子ども「せんせ~!」
子どもを抱きしめるえる「だいじょうぶ!みんなは先生が守るから・・・!」
人々を蹂躙するグリッドブレイド。
誰もいない高校
屋上
遠くには火の手が上がっており、グリッドブレイドが進撃している。
沙良「・・・終わったわね。」
マルス「やっぱりここにいた。」
沙良「・・・マルス先生・・・」
マルス「学校になじめない卑怯者は大体ここに行く。」
沙良「いつから気付いていたんですか?」
マルス「これでもコンピュータは強いんだ。」
沙良「・・・あ~あ・・・バレちゃった。先生のこと好きだったのに。」
マルス「ぼくらが開発したロボットが悪用されるのは胸が痛いな。」
沙良「いじめっ子を黙らせただけです。」
マルス「きみがいじめを受けたのは、優秀だからじゃない。高慢だからだ。」
沙良「いじめを生徒本人のせいにするなんて、ひどい教師ね。」
マルス「ああ・・・
とはいえ、クラスの連中がきみをいじめていい理由にはならないし・・・
それを防げなかったのは、教師である私の責任だ。すまなかった。」
沙良「先生がいじめを止めても、私はこのスイッチを押しましたよ。」
マルス「そうか・・・かわいそうな子だな。」
沙良「そんな風に言うのはやめて。警察に突き出すなら突き出してよ・・・!」
マルス「そんなことするわけないだろ。
可愛い教え子は守ってやる。」
沙良「4万人殺したのよ・・・!」
マルス「それがどうした。オレのフィアンセは10万人殺した。」
すると、ソニックブレイドが現れ、暴れるグリッドブレイドを破壊する。
沙良「うそでしょ・・・
あ・・・あたしの・・・グリッドブレイドが・・・」
膝をついて崩れる沙良。
マルス「きみにそのボタンを押させた奴に言え。
世界は一部の金持ちの思い通りにはならないって。」
・
夕暮れ
グリッドブレイドから守られた学習センター
ソニックブレイドのコックピットでふうと息を吐くえる。
コックピットを降りると、子どもたちが駆け寄ってくる。
「せんせ~こわかったよ~!」
子どもの頭をなでる「わたしにはこの仕事しかないのかな。」
・
都庁
テレビニュースでソニックブレイドに倒されるグリッドブレイドのニュースが流れる。
寺島「いったい誰がソニックブレイドに乗ったの?」
立ち上がる今日子「あなたに預けて正解だったわ。」
寺島「どこへ行くの、今日子。」
微笑む今日子「侵略者の後始末。」
・
夜
マンションの部屋を引き払う沙良。
サーバーのすべてのハードディスクを叩き壊し、証拠隠滅を図る。
マンションから野外に出ると、腕だけになったグリッドブレイドにつかまれる。
沙良「・・・やめて離して!」
今日子「あなたのロボットに殺された人の気持ちがわかったかしら?」
沙良「・・・誰なの?」
今日子「ごあいさつがおくれましたわ。世界危機管理局局長の深未今日子と言います。」
沙良「深未・・・」
今日子「くだらないラジコンでとんでもない虐殺をしてくれたわね。」
沙良「くだらないラジコンを世界にばらまいたのはあなたでなくて?」
今日子「だから怒っているの。
私はソニックブレイドを世界平和のために提案した。」
握り締められる沙良「いたい・・・!」
今日子「周到な計画だったわ・・・証拠がないから、あなたの罪は裁かれない。
でもね・・・わたくしはマルスくんと違って甘くないの。
だって、あなたの本当の正体を知っているから。」
沙良「もう許して・・・差別主義者を粛正したほうがいい星になるでしょう?」
今日子「この異星人の面汚し。
あなたの悪行でザラブ星人すべてが今後、いわれのない差別や偏見を受けるのよ。」
沙良「ふふふ・・・悪行って・・・」
今日子「何がおかしいのかしら?」
沙良「あなたの娘も一緒じゃない・・・!」
鬼の形相になる今日子「死ね。」
グリッドブレイドに握りつぶされる沙良「ぎゃああああ!」
グリッドブレイドの指のあいだからピンク色の血液が流れる。
・
グリッドライン社本社
モートン「世界各地で反逆者は粛清完了。
ただし・・・日本だけが蜂起しました。」
メトロン「失敗したか・・・ザラくんは。
ソニックブレイド・・・まさか帰ってくるとはね。」
メインエントランスには、えるが乗っていたソニックブレイドが展示されている。
える「これって・・・」
寺島「あなたのお母さんが寄贈してくれたの。
けっこう小さい子に人気なんだ。」
える「そうなんですね・・・」
寺島「すごいよね、こんなロボットに人が乗りこんで怪獣と戦っていたなんて。
今は人工知能じゃない。」
える「あはは・・・」
寺島「こっちよ。」
学習スペースに案内する寺島
駆け寄る子どもたち「せんせ~」
寺島「今日はあたらしい先生をつれてきたよ。
深未える先生です。」
エプロンをつけるえる「深未えるです。好きな教科は図工です。よろしくお願いします。」
子ども「せんせい・・・この人大人なの・・・?」
寺島「・・・え?」
える「正真正銘のアラサーです。缶ぽっくり作ってあげるね。」
子ども「なにそれ?」
える「昭和の最高の娯楽です。」
寺島「高校の頃もよく遊んでたよね・・・じゃ、えるちゃんよろしくね。」
缶ぽっくりを作ってあげるえる「できた~!」
子ども「なにこれ、ダサい。」
子ども「あれだろ。このロープを振り回して戦う、フレイル系の武器だろ。」
える「え?ちが・・・」
子ども「おら~!」
缶ぽっくりを武器にされ、子どもたちに袋叩きにされるえる
える「ちょっとやめて・・・いたい!いたい!!」
子ども「やっつけろ~!!」
える「ひいい!助けて・・・!」
沙良「こら!」
逃げていく子ども「ひいい!」
子ども「スイッチでもやろうぜ。」
える「助かりました・・・あれ?どこかで・・・」
沙良「深未えるさんですよね?」
える「え~と・・・」
沙良「愛野沙良です。」
える「愛野さんもいじめを・・・?」
沙良「なかなか周囲になじめなくて。」
える「先生に相談しないの?」
沙良「迷惑かけたくないから。」
える「そんなことないと思うよ。」
沙良「それに・・・」
える「?」
沙良「わたし・・・先生のこと好きだから。」
える「青春ですね!」
あきれる沙良「・・・あなたって本当に頭が悪いのね。私は賢い人が好き。」
える「ごめんなさい・・・やっぱりわたし何もできない。
いじめを受けた子の気持ちならわかってあげられると思ったけど。」
沙良「・・・本当にソニックブレイドに乗って戦っていたの?」
える「・・・え?」
沙良「全人類はあなたを恐れていたというの?」
える「何の話でしょうか・・・」
沙良「とぼけないで。
あなたは数年前、世界最強の軍事力を有していた。
それなのになぜ、自分をさげすむ人間に復讐しなかったの?」
える「愛野さん怖い・・・」
沙良「ひどいいじめをうけて・・・なぜ恨みや憎しみを抱かないの?」
える「う~ん・・・守ってくれた人がいたからかな。」
沙良「あなたは甘ったれよ。自分で何とかせず、結局人に守ってもらっている。
わたしにはそんな人はいなかった。今までも・・・これからも。」
える「私でよかったら・・・」
沙良「いじめを受けた小学生にすらいじめられていたあなたになにができるの?」
える「それは・・・」
沙良「わたしはあなたとは違う。あなたは人より劣っていたからいじめられたけど・・・
私は人より優れているからいじめられた。」
アパート
える「ただいま・・・」
台所のマルス「おかえり。オレも今帰ったところだ。初仕事はどうだった?」
える「小学生には暴力を振るわれ・・・高校生には甘ったれだととがめられました・・・」
絶句するマルス「お前はそこでもいじめられたのか・・・!」
泣いてしまうえる「あたし・・・なにもできない・・・年を食っただけ・・・うう・・・」
マルス「まだ、初日だろ・・・ほら温かいスープ。」
える「でもなんで、あの子はわたしがロボットに乗ってたこと知ってたんだろう・・・」
マルス「?・・・今なんて言った?」
える「センターに来てた女の子がソニックブレイドのこと知ってたんです。」
マルス「もしかして・・・愛野沙良か。」
える「え・・・?」
マルス「やっぱり、いじめられていたんだ・・・
ほかになんて言っていた?」
える「・・・忘れちゃった。」
マルス「思い出せ。」
える「やだ。」
マルス「オレの教え子なんだぞ。守ってやらないと。」
える「あの頃のわたしみたいに?」
マルス「何言ってんだよ。」
える「ライちゃんのこと好きなんだって・・・」
マルス「ただの子どもの言うことだ。からかってんだよ。」
える「ちがう。その気持ちだけは私にだってわかるよ・・・本気だって・・・」
・
夜
真っ暗なマンションの部屋。
スマートフォンが鳴る。
沙良「はい・・・
計画の唯一の障壁ですが・・・脅威ではないと断言できます。
マルスライには野心がないし、深未えるは総じて愚かです。
会長に批判的な人間は東京で4万人。
スマートフォンですべて追跡可能です。
ご命令とあらば・・・グリッドブレイドで。」
スマホを切る沙良。
沙良「だから、スマートフォンは嫌い。」
マンションの部屋にはサーバーが所狭しと並んでいる。
・
東京都庁
移民反対のデモ隊が集まっている。
都庁の会議室
寺島「・・・日本の移民政策は失策だと思う?」
今日子「・・・いささか性急すぎたのかもしれないわね。」
寺島「国連がそう言うか。」
今日子「推進派は移民をていのいい労働力としか見ていないし、反対派はすべての移民を侵略者だと思っている。どちらも根底にあるのは差別よ。
そういった感情を無視して、グリッドライン社は世界中に圧力をかけた。
まあ、気持ちはわかるわ。安全圏での判断は、えてして現場の実態を無視したものになる。
ある人にそう言われたことがあったから。」
寺島「誰に?」
今日子「あなたの教え子よ、明日香。」
窓の外では警視庁の機動隊が集まってくる。
寺島「で・・・世界危機管理局WEMAの局長が何の用?」
今日子「うちの職員が不穏なやり取りを傍受して。杞憂だといいのだけど。」
高校
授業をするマルス
生徒全員がスマホをいじっている。沙良は欠席している。
学習センター
子どもたちにもみくちゃにされるえる
える「だからそういう遊び方じゃないって・・・!」
どこかの高い場所に上っている沙良
コントローラーを操作する。
グリッドライン社
受話器を握るモートン「会長。ラブクラフトからです。」
メトロン「やってくれ。」
モートン「グリッドブレイド発進!」
沙良がコントローラーのスイッチを押す。
世界中に配備されたグリッドブレイドが勝手に動き出す。
東京都庁に現れるグリッドブレイド。
巨大ロボットを見上げるデモ隊。
デモ隊「こいつを使って移民を皆殺しにすればいいんだ!」
グリッドブレイドの電子頭脳が、付近のスマホの個人情報を読み取り、粛清対象か否かを計算する。
ブオーという轟音を鳴らし、グリッドビームをチャージする、グリッドブレイド。
あたりが白い光に包まれる。
スマートホンのカメラでその様子を撮影する野次馬。
その直後、グリッドビームが矢のように発射される。
その殺人光線は、グリッドライン社に批判的な人物だけを奇麗に射抜き、白い灰に変えていく。
悲鳴があがる。
逃げ出すデモ隊を一人残らず抹殺していくグリッドブレイド。
会議室
青ざめる寺島「なんてことなの・・・」
冷静に紅茶を飲む今日子「スマホって持ってる?」
IDOの携帯電話を取り出す寺島「ガラケー。」
今日子「なら安心なさい。標的ではないわ。」
ロボット兵器による大虐殺の様子を見下ろす沙良
「人類なんてタダの虫けらね。」
高校
黒板を向いて授業をしているマルス。
生徒は窓の外を見て騒いでいるが、マルスは無視している。
恐怖におののき、教室から逃げ出していく生徒たち。
チャイムが鳴る。
マルス「~というわけで、日直さん、号令。」
教室にはだれもいない。
マルス「とうとうボイコットか。」
学習センター
子どもに叩かれるえる「暴力反対!」
その時、地面が振動する。
怯える子どもたち。
える「・・・ダメ!慌てないで!机の下に隠れるの!」
泣き叫ぶ子ども「せんせ~!」
子どもを抱きしめるえる「だいじょうぶ!みんなは先生が守るから・・・!」
人々を蹂躙するグリッドブレイド。
誰もいない高校
屋上
遠くには火の手が上がっており、グリッドブレイドが進撃している。
沙良「・・・終わったわね。」
マルス「やっぱりここにいた。」
沙良「・・・マルス先生・・・」
マルス「学校になじめない卑怯者は大体ここに行く。」
沙良「いつから気付いていたんですか?」
マルス「これでもコンピュータは強いんだ。」
沙良「・・・あ~あ・・・バレちゃった。先生のこと好きだったのに。」
マルス「ぼくらが開発したロボットが悪用されるのは胸が痛いな。」
沙良「いじめっ子を黙らせただけです。」
マルス「きみがいじめを受けたのは、優秀だからじゃない。高慢だからだ。」
沙良「いじめを生徒本人のせいにするなんて、ひどい教師ね。」
マルス「ああ・・・
とはいえ、クラスの連中がきみをいじめていい理由にはならないし・・・
それを防げなかったのは、教師である私の責任だ。すまなかった。」
沙良「先生がいじめを止めても、私はこのスイッチを押しましたよ。」
マルス「そうか・・・かわいそうな子だな。」
沙良「そんな風に言うのはやめて。警察に突き出すなら突き出してよ・・・!」
マルス「そんなことするわけないだろ。
可愛い教え子は守ってやる。」
沙良「4万人殺したのよ・・・!」
マルス「それがどうした。オレのフィアンセは10万人殺した。」
すると、ソニックブレイドが現れ、暴れるグリッドブレイドを破壊する。
沙良「うそでしょ・・・
あ・・・あたしの・・・グリッドブレイドが・・・」
膝をついて崩れる沙良。
マルス「きみにそのボタンを押させた奴に言え。
世界は一部の金持ちの思い通りにはならないって。」
・
夕暮れ
グリッドブレイドから守られた学習センター
ソニックブレイドのコックピットでふうと息を吐くえる。
コックピットを降りると、子どもたちが駆け寄ってくる。
「せんせ~こわかったよ~!」
子どもの頭をなでる「わたしにはこの仕事しかないのかな。」
・
都庁
テレビニュースでソニックブレイドに倒されるグリッドブレイドのニュースが流れる。
寺島「いったい誰がソニックブレイドに乗ったの?」
立ち上がる今日子「あなたに預けて正解だったわ。」
寺島「どこへ行くの、今日子。」
微笑む今日子「侵略者の後始末。」
・
夜
マンションの部屋を引き払う沙良。
サーバーのすべてのハードディスクを叩き壊し、証拠隠滅を図る。
マンションから野外に出ると、腕だけになったグリッドブレイドにつかまれる。
沙良「・・・やめて離して!」
今日子「あなたのロボットに殺された人の気持ちがわかったかしら?」
沙良「・・・誰なの?」
今日子「ごあいさつがおくれましたわ。世界危機管理局局長の深未今日子と言います。」
沙良「深未・・・」
今日子「くだらないラジコンでとんでもない虐殺をしてくれたわね。」
沙良「くだらないラジコンを世界にばらまいたのはあなたでなくて?」
今日子「だから怒っているの。
私はソニックブレイドを世界平和のために提案した。」
握り締められる沙良「いたい・・・!」
今日子「周到な計画だったわ・・・証拠がないから、あなたの罪は裁かれない。
でもね・・・わたくしはマルスくんと違って甘くないの。
だって、あなたの本当の正体を知っているから。」
沙良「もう許して・・・差別主義者を粛正したほうがいい星になるでしょう?」
今日子「この異星人の面汚し。
あなたの悪行でザラブ星人すべてが今後、いわれのない差別や偏見を受けるのよ。」
沙良「ふふふ・・・悪行って・・・」
今日子「何がおかしいのかしら?」
沙良「あなたの娘も一緒じゃない・・・!」
鬼の形相になる今日子「死ね。」
グリッドブレイドに握りつぶされる沙良「ぎゃああああ!」
グリッドブレイドの指のあいだからピンク色の血液が流れる。
・
グリッドライン社本社
モートン「世界各地で反逆者は粛清完了。
ただし・・・日本だけが蜂起しました。」
メトロン「失敗したか・・・ザラくんは。
ソニックブレイド・・・まさか帰ってくるとはね。」
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