『journalism8月号科学報道はどう変わるべきか』

 佐倉統さんがツイッターでこの雑誌に記事を書いたとかつぶやいてて、さっそく本屋さんに買いに行ったんだけど、どこにも置いてなくて、ほいじゃアマゾンで買おうってなったんだけど、そこも在庫切れでこの前やっと届いた、待望の雑誌。
 一連の小保方さん問題は私はブラックボックス化してる感がある科学研究の内幕を珍しく報道機関が切り込んでくれて、それだけでも興味深かったんだけど(科学者も人間なんだな、とか)、ツイッターとかではなんというか本気で怒っているような意識の高い人もいて、まあ偉いなあって思ったんだけど、そうやって真剣にこの問題を批判している連中も大半はSNSでいろいろ文句言うだけで、お祭り騒ぎが終わったら次のネタに移っちゃうような胡散臭さがあってさ、だったらもうちょい科学の現場に携わっている人たちの声を聞いたほうがいいんじゃないかってことで、この雑誌の今月号の特集には興味があったんだ。

 どこの誰かもわからない人の雑感よりは、専門家のまとまった文章の方がまだ相対的に信頼性があるだろっていう。コラムで一億層評論家時代とは当時の私もよく言ったもんで、私も含めて本当みんな適当なこと言うからねwお前はいつ自然科学の守護者になったんだって(^_^;)
 だいたい研究の不正がいけないのは当たり前だけど、そういうミスをした人に対して、みんなで責めてリンチする方もかなり悪質だと思うからね。こういう公開処刑の何が一番たちが悪いって、みんなが正義の側に立ってると思い込んでいるから罪の意識がないっていうことだよ。
 で、笹井センター長の自殺まで発展しちゃって、それでもなお石投げ続けている人が沢山いて、私はこういうことが起こるたび絶望しかないんだけど、つまりはこれって彼らが特別冷酷だったり鈍感ってわけじゃなくて、研究の不正は個人の問題に還元できる(もしくは相対的にしやすい)けれど、ネットリンチってある特定の問題というよりは現象になっているから、リンチに参加している人もそこまでひどいことやってるとは想像しにくいんだよね。
 こういう単体ではほとんど無害な雑魚キャラが膨大に集まると、単純な総和以上の効果が現れることを科学の世界では創発という。

 まあ、いいや。というわけで、今回も面白かった箇所をまとめます。

メディアは専門家からの働きかけに対し、合理的に対応できるだけの見識を持て
村上陽一郎(東京大学名誉教授、国際基督教大学名誉教授)
 安全学で有名な人。科学者のコミュニティは社会や政治的なゴタゴタに干渉されるのをめちゃくちゃ嫌うよっていう話。この例として村上さんはボルティモア事件アシロマ会議を挙げる。 ボルティモア事件とは、1975年にデビッド・ボルティモアさんという科学者が同僚科学者に論文の疑惑を訴えられ、この疑惑に対する調査委員会が下院議員の働きによって組織されることになったのだが、これに対抗したボルティモアさんが全米の科学者に対して「科学の世界に政治が介入するのを断固阻止しよう」と呼びかけたという事件。
 アシロマ会議とは1975年、分子生物学の専門家がカリフォルニアに集まって、この神の領域の技術を今後どう扱っていくか、そのガイドラインを示した会議で、①実験で作り出した動物が繁殖できないように処理をすること(ジュラシック・パークで言うリジン欠乏策)、②実験生物の危険性に応じてラボの防護度合いを4段階に設定し物理的に封じ込める(いわゆるバイオハザード)、③IRB(倫理委員会)の設置の3つの規制措置が定められた。
 この時科学者が一番抵抗したのが③の倫理委員会設置だった。このIRBはメンバーの半分以上が外部の非専門家でなければならないという決まりがあり、これは科学の研究の独立性における重大な侵害行為だとしたのだ。
 しかし言うまでもなく20世紀後半からは、マンハッタン計画のような莫大な予算を食う研究が国家や産業界の自己目的のために行われるようになっている。『ジュラシック・パーク』のまえがきを引用するならば、「今やどの科学者も紐付きなのだ」
 村上さんはネイチャー誌は、全米科学振興協会という専門機関が発行しているサイエンス誌と比べて、科学的知識を一般の人に啓蒙する性質がもともと強い雑誌であり、あえてネイチャー誌は相手にしないという科学者の人もいるらしい。
 ただ経済学の功利計算みたいな感じで、科学雑誌の引用度の合計を計算することでその学説がどれだけ支持されているか(信憑性があるか)が分かるため(インパクトファクター)、論文誌の重要度は“ある程度”客観的な尺度を持つに至ったという。ここらへんは何年か前に読んだ『科学という職業』という本の感想記事を読んでくれい。
 ちなみに論文誌といえば査読という問題もあるが、これも人間関係のしがらみが少ない海外の研究者に頼んだりする人もいるそうな。
 村上さんはSTAP騒動も佐村河内騒動もあんま変わらないだろ、と言う(どっちもキワモノキャラ)。全く同感である。

 「割烹着」だの「リケジョ」だの「コペルニクス的業績」だの、ことの本質とは別次元の話を持ち出して、科学者の側の演出に協力する必然性があったのか。(10ページ)

 私なんとなく思うんだけど、小保方さんにとりわけ噛み付いている人って、この時点での報道でリケジョにちょっと萌えちゃった人なんじゃないかって思うな。私はハナから相変わらずバカバカしいなあって思ってたけど、あそこで盛り上がった人が、その後のダーティな展開に絶望して怒ってんじゃないかって。よく自分が贔屓にしてた美少女アニメのキャラが処女じゃなかったりするとめちゃくちゃ怒る人いるじゃん(^_^;)そういう話じゃないか。ごめん。

3・11に続くSTAPの衝撃 今こそ基礎科学報道を強めるべきだ
尾関 章(科学ジャーナリスト、元朝日新聞科学医療部長)
 科学雑誌は刊行日までその内容を記事として紙面に載せないという条件付きで、事前の報道資料や論文を提供しているという(プレリリースっていうやつ)。この時の情報公開解禁までの期間をエンバーゴ(抑留期間)という。

 エンバーゴで科学者の口は固くなる。リリースと会見で科学記者は忙しい。その結果、科学記者が自発的に大学や研究所を回って話題を拾う機会は狭められている。科学記者と科学者の平時の接触が減ったのである。(14ページ)

 尾関さんいわく80年代くらいまでは割とのどかで、普段の日に京都の大学に出かけて学者の話を聞いていたらしい。それも聞いた話を記事にするわけじゃなくて、その研究が熟したら記事にするみたいなことをしていたようだ。
 しかしこの風潮が10年ほど前になると「そんなすぐ記事にならない話をするために科学者の貴重な研究時間を奪っていいのか?」みたいに批判されちゃうようになったという。
 あと私も思ったけど、STAP細胞って記者会見の時、ネイチャー誌に掲載されるってなってたから、普通に考えて専門家集団の査読をクリアーしてんだし本当なんだろうなって思うよね。
 ただ細胞に刺激を与えるだけで万能化っていう理屈はさすがに記者の何人かも疑問に思ったらしい。細胞って普段から刺激にさらされてないか?って。

 細胞の初期化は、最近の研究でDNAなどにくっついた遺伝子発現にかかわる標識が白紙に戻されることで起こるらしいとわかってきた。標識の消去なら、細胞が酸性刺激のようなストレスを受けることで起こっても不思議ではない。(略)ただし、そうならば生体に不用意な消去を防ぐ安全装置が必要になる。こうしてみると、STAP論文は私たちの生命観を塗りかえるほどの問題提起をしていたことになる。高等動物の細胞分化は、ボタンのひと押しで消えるメモリー素子の記憶ほど危ういということだ。
 
 ここらへんの部分をもっと大々的に報道すれば、再生医療に役に立つどころの騒ぎじゃないぞってことになったんじゃないか?というわけだ。
 科学記者が担当するニュースは、国の政策に関わるニュースである「官庁情報」、医療や災害、ビジネスや消費生活に役に立つニュースである「実用情報」、そして純粋な科学の基礎研究を扱う「知的情報」の三つがあるが、この優先順位が官庁>実用>知的なんだとさ。まあ日本のマスコミには記者クラブ制度とかあるからなあ。
 基礎科学がマスコミの脚光を浴びる機会は、日本人のノーベル賞受賞の時か、未発見のものが見つかるみたいなわかりやすい成果が出た時くらいで、例えば80~90年代にカオス理論や複雑系といった科学界の新しい潮流を新聞紙面が読者に伝えることには成功していない。ジュラシック・パークのマルカム博士はなんだったのだろうか。
 原子力だってぶっちゃけ煎じ詰めれば誰もよくわかっていない技術なわけで、そこらへんの部分を報道すれば、原子力発電所の推進もっと慎重になったんじゃなかっていう。でも専門家がよくわからないって言うと、マジギレする奴いそうだもんな。そういう人を何とかするためにも学校でちゃんと理科(がぶっちゃけ誰もよくわかっていないこと)を教えないといけないよ。

 新聞にとって科学とは、たとえて言えば「科学まんじゅう」から基礎科学というあんこをえぐりとった皮のようなものなのである。(18ページ)

研究者が罪の意識を持たなくて済む「科学の軍事化」が世界に広がっている
池内 了(名古屋大学名誉教授=宇宙物理学、科学・技術・社会論)
 現代の科学には4つのトレンドがあるという。国家が科学研究のスポンサーになったという「科学の制度化」(でも大学の予算は削る)、ちょっとでも軍事的に使えそうな技術開発は金で買い取ってしまう「科学の軍事化」(しかも特定秘密保護法でここらへんを暴こうとする記者は逮捕されることに)ナノテク、ロボット工学、再生医療のように科学と技術の区別がつかなくなっている「科学の技術化」(科学的な原理を明らかにするよりも先に商品化)、そして「科学の商業化」(売れそうな技術は特許が命)である。
 だからライバルに追いつかれないように、論文に発表する内容は一部分だけで、再現実験を“あえて”できないようにさせていたりするという。科学のキモは客観的な再現性だったりするんだけれど、私も最初小保方論文は、この意味で世界中の学者が追試できなかったんじゃないかって思ったんだよね。なにしろあの人自身は200回以上成功させているしな。でも今理研がやってる再調査では22回やって全部失敗だったらしいけどな。小保方さんの秘密のレシピは存在するのだろうか。
 つまり現代の科学というのはロマン主義だったり崇高的なもんではなくかなりきな臭い。そこらへんもちゃんとマスコミは伝えたほうがいいんじゃないかって。
 池内さんはさらに科学だけでは解決しようがない問題を4つ挙げている(トランスサイエンス問題)。科学の守護者な人はよく考えたほうがいいよ。
①複雑すぎて直ちに科学では明確な回答が得られない問題
②共有地の利用に関してそのままでは悲劇になってしまう問題
③技術の妥協における基準の設定問題
④反倫理性を秘めている科学・技術に関わる問題
こうやってみてみると、理科的な問題は①くらいで②と③は経済学の問題、④は倫理学の問題でつまりは社会科が扱う問題は自然科学はカバーしきれないということがわかる。まあ社会科学っていう枠組みもあるけどさ。

科学と社会の乖離は想像以上に大きい メディアは文科省と文科相を批判せよ
佐倉 統(東京大学大学院情報学環教授=科学技術社会論、科学コミュニケーション論)
 ツイッターでもやり取りさせてもらっている私が尊敬する佐倉先生。でも今回の記事の内容は割とおとなしめ。佐倉さんはツイッターの方が「小保方てめえこのやろ」と絶好調だった気がする(※個人の感想です)
 STAP騒動について「最初の記者会見の際、何かおかしいぞ?と見抜くジャーナリストが一人もいなかった」のだろうか、と述べているが、佐倉先生もSTAP細胞が発表された時「え?原理がまったくわからないけど、すげえ!」みたいな感じにつぶやいていたような気がする(^_^;)
 ちなみに佐倉さんはSTAP細胞の再現実験は無意味だと言っていて(たった一度や二度の再現実験では決着がつかず、費用と時間が膨大に費やされてしまうから)、仮にこの再現実験が科学的な問題じゃなくて、社会的な納得を得るためにやるのだとしても、結果の評価基準をあらかじめ設定しておくべきだろうとコメントしている。
 最後の項目の「外部権力、とくに政治権力が科学的な真偽判定に介入するとロクなことがないというのは、歴史が証明している」は『恐怖の存在』でルイセンコ農法や優生学をあげながらマイクル・クライトン先生も言ってたなあ。

科学の不確かさをどう伝えるか 判断材料を提供する案内人として
元村有希子(毎日新聞デジタル報道センター編集委員)
 元村さんいわく、イギリス人は科学に頻繁に接する割に、科学を100%礼賛したり信仰していない、つまりいい感じの距離感が取れているという。言われて思い出したけどイギリスでは90年代BSE問題が起こって科学不信が高まり、その対策としてサイエンスコミュニケーションが発達、「どうせ素人にはわからねえ」という専門家と、「めんどくさいことはプロに任せちゃえ」という市民の間を取り持っている。
 そんなサイエンスコミュニケーションの視点から元村さんは有象無象のSNSを有効活用したらいいんじゃないかと希望を見出している。つまり池内さんの記事とかぶるけど、科学の問題は科学だけでは解決できないので、まあ素人との議論はうざいかもしれないけど、科学者も一応国の税金とかで研究している以上相手にしてやれというワインバーグのトランス・サイエンス論を主張している。
 ここらへんは私は程度問題な気もすんだよな。素人の無知さって恐ろしいからね(^_^;)そういうひとを相手にしていたらきりがないぞっていう。百人組み手かっていうw

社会の中の科学者のすがたを 等身大に描き出す報道を
神里達博(大阪大学特任准教授=科学史・科学論)
 個人的に一番面白かった・・・というか好みだった記事。映画やドラマに出てくる科学者キャラって未だにアインシュタインあたりで止まってねえかっていうw
 これは『ガリレオ』とか見ててもすごい不満なんだけど、この手のフィクションに出てくる科学者って「専門家」じゃないんだよね。「万能人」なんだよ。博物学者なんだよ。それは現代の科学者の実像とは違うだろって。たまに、ときメモの紐緒結奈とか『怪奇大作戦』の牧とか行き過ぎてて、お前は中世の錬金術師か!ってギャグになっちゃっているのもあるからね。
 作劇構造上の都合もあるんだろうけれど、おそらく作家って文系が多いから科学者をよく知らないんだろうね。知っててもあえてロマン主義の時代のステレオタイプ化された科学者を出したいっていう作家もいそうだけどね。
 私は科学者にかかわらず、学者タイプの、自分が興味のある狭い範囲しかモノを知らなくて、色々とめんどくさい部分も作品内で積極的に描こうと頑張っています(学者に怒られるで)。
 でもまあ、神里さんがいくらか挙げているけど、サイエンティストなんて言葉がない時代の人たちはやっぱ守備範囲が広くて、例えば科学革命を大成した超人ニュートンは中年以降は政治の世界に転身、造幣局長官として通貨偽造のシンジケートを摘発し、黒幕を死刑にしたり、錬金術にはまって水銀中毒でいかれちゃったという。
 またパスカルは、サイクロイド曲線のことを考えると虫歯の痛みが消える、よってサイクロイド曲線のことを考えることは神に許されているという、お前科学者かというめちゃくちゃ非論理的な思考をしていた。まあこの時代の人にとって無神論はありえないことだったんだけどね。さらに公共交通機関を考えたのはパスカルなんだって。
 ちなみに独創的で無私的で普遍的かつ懐疑的な科学のルールに則る科学者をCUDOSといい、自分の研究を所有しようとし、局所的かつ権威主義的で、研究を請け負う専門家タイプの科学者をPLACEと言うらしい。
 昔の古き良き科学者はCUDOS型で、現代のサラリーマン化した科学者はPLACE型なのかな?って思ったけど、科学者の理想系がCUDOS型で現実がPLACE型なだけなのかもしれない。

「科学の目」から「複眼の目」へ 進化が求められる科学報道と番組
室山哲也(NHK 解説委員)
 最も読みやすかった記事。テレビマンの書く文章ってやっぱ視覚的に訴えるところがあるのだろうか。面白かった。糸川英夫さんの「現代はプロセスカット文明」とはなるほど。科学まんじゅうのあんこがプロセスってわけだよね。ここが一番面白いのにな。意外と現代っ子って無味乾燥な世界で暮らしているのかもね。ポケモンや妖怪ウォッチはやるけど、実際に野山で虫取りはしたことないとか・・・でも現代っ子でもしてる奴はしているんだよな。

科学的根拠がどこに存在するか ジャーナリストは自分の目で確認せよ
津田敏秀(岡山大学大学院環境生命科学研究科教授)
 最も科学的な文章。福島の8つの地域の甲状腺がんの発生比率の資料からグラフを作って、どのような傾向や因果関係を導き出せるかを割と詳しく解説。『ジュラシック・パーク』でマルカム博士がコンプソグナトゥスという恐竜の数が増えていることを示すのに使ったポアソン分布が登場(※ただし『ジュラシック・パーク』のポアソン分布の使い方はちょっと信頼性に欠ける。コンピーの数が何千匹もいないから。ここらへんの指摘は本文中でも津田さんが取り上げています)。
 福島県の甲状腺がんと原発事故に伴う放射線との因果関係は、全国の甲状腺がんの発生率をやや高めに設定しても、まったくないと言い切るにはめちゃくちゃ確率が低いということになる(何らかの原因で甲状腺がん発生の確率=オッズが上がっている)。これを専門的に言うと「有害影響による病気の多発が見られ、それは統計的有意差があった」という表現になるらしい。
 この記事では95%の信頼性がある区間(つまりかなり上限値と下限値の幅のある区間をとっている)を用いているのでオッズ比の確率分布の95%をフォローしていることになる。100ミリシーベルトの低線量被爆でもがんの発病リスクは上がるのだ。
 しかし現在の日本では、タバコの煙を吸っても肺がんの確率は上がるけれど、すべてのがんの発生確率は上がらない(統計的有意な結果が得られない=信頼性のある区間にオッズ比1が含まれてしまう)、よってタバコの煙を吸っても発ガンのリスクは上がらないみたいな無茶な理屈が低線量被爆の問題では真面目に語られているという。
 これ以上被曝したら健康に影響が出るというしきい値はあるのかないのか、専門家でも意見がまっぷたつに割れているので、もうこれに関しては自己責任で個人個人がどっちかを選べばいいと思う。きのこたけのこあなたはどっち派?みたいな。私はタバコをそんなに怖がってないから、別に低線量被爆も怖くない。でも影響力ゼロはなんか怪しいと思う。

 我々日本人は観察(データ)に基づいた概念形成、すなわち科学に長けてないことを自覚したほうがよいと思う。(125ページ)

夏休み2014

 は~とうとう夏休みも今週でおしまい。というか8月全然ブログ書いてない!なんだかんだで夏休みの方が色々忙しいんだよな。特に今年はいっつも疲れていた気がする。
 でも8月の記事がトランスフォーマーだけなのはいろいろ嫌なので、夏休みを振り返ってみよう(もともとここって日記ブログだしね)。何があったんだっけ。

恐竜ギャラリー
ゴジラサウルスとディメトロドンと丹波竜を更新。
特にゴジラサウルスはタルボサウルスの子どもに次ぐ超難産で、最初にアップしたのもなんかイマイチで20カットくらいアイディア出して色々描き直してました。
ゴジラサウルスってさ、骨の写真が落ちてないのよ。論文も見つからないのよ。なんでもコエロフィシスの親玉的存在だったらしいけど(コエロフィシスの割にでかい)、コエロフィシスってすっごい痩せっぽちのヘビみたいな恐竜だからね。そんなゴジラよかマンダみたいなやつをどうやってゴジラっぽく見せるか、資料が全くない中苦しみあがきました。だったら描くなよって話なんだけど、ゴジラ最新作公開に合わせたいじゃん。
で、基本的なプロポーションは嘘つけないから、ポーズでコエロフィシス的ガリガリ感を和らげようってことになった。変にマッチョにするとコエロフィシスじゃなくてリリエンステルヌスとかディロフォサウルスに見えちゃうんだよね。
ディメトロドンはその点資料も豊富にあるし(なにしろ現物を写真撮ってきたし)、なんかパッと見オオトカゲっぽいから復元のイメージも明確にあって楽だった。
丹波竜も2時間くらいでささっと描いた割には重量感がでてお気に入り。とにかくゴジラサウルスが本当辛かった。カーペンターよ骨を見せてくれ。

葛生×2
ギャラリーのディメトロドンを参照。
こしさんとは今度課題図書を決めて、その本についての議論でもする予定。私も普段理系的な思考なんてしないからね。ロジックよりも感覚的に生きてます。

ソニックブレイド
お盆休みの一週間で、作画作業が終わっていた原稿にデジタルトーンを貼りまくった。すげえ辛い。仕事量膨大。いよいよ本編ではソニックブレイドが出てくるんだけど(おせえよ)、ちょっとトーンの量を制限したほうがいいな。コンピューターってただで何枚でも貼れるから際限がねえ。
大学の単位がほとんど取れたので今後はソニックブレイドをガンガン進める予定です。今ハゲのおっさんをたくさん描いてます。乞うご期待。

アオイホノオテレビドラマ化
実写だと痛々しすぎて見てられん(^_^;)
バイクのお姉さんが何か怖いキャラになっててなんか、すごい凹んだ。二次元の異性のキャラにここまで思い入れがあったとは恥ずかしい&ビックリ。みゆきって誰やねん、あの人はマドンナさんだろ!

テレビCM
東京サマーランドのデカスラが夏休み前半部門を受賞、カルビーひとくち劇場が後半部門を受賞。この二つは中毒的にハマってしまい、今も作業中にユーチューブでリピート再生しています。カルビーこの野郎

動物園
ワニやらオオトカゲやらの写真をバシバシ撮った。機会があったらネコみたいに直立して走り回るタイプのワニ、フルイタカンプサを描きたいから(ただ恐竜ギャラリーはゴジラで懲りたので当分お休みの予定です)。あとソニックブレイドの怪獣に使う哺乳動物の写真も。

今の高校生物の教科書
自分の時とかなり変わってる。特に90年代に進歩し確立したバイオテクノロジーの章が新設!しかも進化論についても木村資生やランダムドリフトまでフォロー、さらにディロングまで登場する網羅ぶりで、今の高校生うらやましいなあって思った。来年度は社会に続いて理科の単位も考えようかなあ。美術と社会と理科の単位を持っている人ってなかなかいないだろ。

平成ガメラ
マロさんに勧められて。夏期講習があったからまともに見たのは3部作の1だけ。2と3は後半流し見。2014版ゴジラに比べれば面白いけど、エメリッヒゴジラには劣るかなってくらい。そう言うと私が相当エメリッヒゴジラが好きって思われそうだけど、こういうのは相対的な評価だから(^_^;)一番好きなのはやっぱり最初のやつ。
ただ平成ガメラはジオラマがすごかったなあ。よくあんな細かいのを作るよ。そして壊すよ。ドミノ的カタルシスがありそうだよね。

 つーことで大したことやらずに夏休み終わり。そういや今年の夏休みってリア友に一度も会ってないな。すごいな、友達誰もいない人になってしまった!((o(。>ω<。)o))

トランスフォーマー/ロストエイジ

 「面白い度☆☆☆ 好き度☆☆☆」

 創造主よ。地球に手を出すな。

 上記のセリフはトランスフォーマーの正義の軍団オートボットの司令官オプティマス・プライムが最後の最後に言うセリフなんだけど、もう爆笑しちゃってさ。
 確かに!ってwほんと、映画やアニメの神とか創造主って、作った世界にちょっかい出しすぎよね。オレはすごいんだぞ!オレの前ではお前らなんて愚かで卑小な存在なんだぞ!って必死にアピールすることほど愚かで卑小なものはないよね。
 だからこの手の世界を創造した神に近しい存在ってしょぼくなっちゃう。沈黙は金って知らないのかって。
 しかしアメリカって『2001年宇宙の旅』みたいな題材が好きなんだなあってつくづく思った。世界は創造主によって構築されているっていう哲学が自然観の底板にあるんだよね。
 そういうのは非科学的だって思う人もいると思うけど、そういった自然観が近代以降ヨーロッパで自然科学を発展させた大きな原動力だったりするからね。古代ギリシャの目的論的自然観との対比で、実験や観察により自然界の法則を明らかにしていく科学的な見方を機械論的自然観っていうんだけど、自然がメカならそれを設計するメカニックが当然いるだろってことになるわけで。
 実際そういったメカニックなしでランダムに生物が進化していくブラインドウォッチメイカー(盲目な時計職人)の考え方ってアメリカ人には受けが悪いらしい。
 ダーウィン進化論っていうのは、竜巻に巻き上げられた鉄くずが、それこそトランスフォーマーみたいにランダムで組みあがって、竜巻が通り過ぎたらボーイングのジャンボジェット機になってたってくらいありえないだろっていう。
 そこでこの映画のスタッフはリチャード・ドーキンスのブラインドウォッチメーカー説とも、創造論者のID節とも異なる第三の学説を提唱したのだ!

 それこそトランスフォーミウム!

 念じるだけでどんな物体にも形を変えられる金属なのだ~!ジャ~ン!・・・ってグリーンランタンか!!
 あれじゃね?トランスフォーマーの神様ってあいつらじゃねえの?合流しちゃえよもうwなんか最近ではプリキュアシリーズでもプリキュアの神が登場して視聴者を騒然とさせているらしいけれど、やっぱり神ならばもっとどっしりと構えて欲しいよね。
 神から見て人類が虫けら同然なら、オレらだっていちいち虫けらの世界に干渉しないわけじゃん。もう眼中にないと思うんだよね。眼中無さ過ぎて偶然踏み潰しちゃったってことくらいはあるけどさ。
 ユダヤ教の神様みたいに、お前らはわしのルールを守らなかった!天罰じゃ~!とかやるのは、割と人類と同等くらいのたいしたことないやつなんじゃないのっていう。
 そういう不満というかツッコミがあったから、自分の漫画で創造主を出すことになったときはいろいろ考えたけどね。そしたら逆の意味でしょぼくなっちゃったっていうw
 つまり人類とスケールが違いすぎて、人類の役に全く立たない。それはそれで、お前ほんとに神か?って話になっちゃってねwでも人類側のそんな挑発に乗るほどオレの神は感情的じゃないからね。オレは神様だから、あれもできるぞ、これもできるぞ、どうだすごいだろウハハ!はなんか違うなあって。

 まあなんにせよ、トランスフォーマーの方々の誕生にはそのトランスフォーミウムっていう金属が関わっているらしいんだな。オレ達有機物の生物はよくわからないけど。
 あとなんと6000万年前の恐竜の絶滅にもトランスフォーミウムが関係していたのだ!なんか地上のあらゆるものを金属にしちゃうメタル爆弾(今勝手に命名。作中ではシードって呼んでた)が爆発して恐竜が金属になって滅んじゃったんだって。
 でもそんなもんで完全に滅ばないのがダイナソー。4体だけはしぶとくメタルになっても生き続け、トランスフォーマー化していたという。だから今回出てくる恐竜型トランスフォーマー(ダイナボット)は一応人間っぽい形にも変形するんだけど知能は恐竜のそれで、会話とかはしない。
 しかしダイナボットってすげ~懐かしいよ。というのも昔日本のテレビアニメでトランスフォーマーってやっててさ。別に私ロボットアニメとか好きじゃなかったんだけど、オモチャ屋に恐竜のオモチャってホントなくてさ。今の若い連中は絶対知らないと思うけど、ほんっとうになんもなくてさ。
 言ってみれば飢餓状態でさ。もう恐竜の形してたらなんでもよくてさ。ダイナボットの5対セット持ってたんだよね。すごい懐かしいよ。あいつらどこやっちゃったんだろ。
 今回の映画ではティラノサウルス(ちょいドラゴンぽい)、スピノサウルス(ノラネコさん曰くちょいアンギラスっぽい)、プテラノドン(ランフォリンクスぽい)、トリケラトプスの4体だったけど、昔はステゴサウルスとブロントサウルスがいたんだよね。で、言うまでもなくブロントサウルスが一番好きだったんだよね。
 だからブロントサウルス型ダイナボットが出なかったのは残念だったけど、冒頭の恐竜の時代のシーンでそれらしい恐竜の群れが出てたから良しとする。あいつらもあんなにいれば一頭くらいはトランスフォーマーになったに違いない。
 まあ最近のアクション映画は動きが機敏でさ。ああいう動きはブロントサウルスの形では無理があるって判断なのかもしれないけどさ。でもさ、あんなにディティールの細かいごちゃごちゃしたロボットがビル街で取っ組みあったり集団戦やられるとさ、もう目が疲れちゃってさ。これは一作目で私が嫌になっちゃった理由なんだけどさ。CGがすごいのは分かるけど目がチカチカしないか。隣の人なんて疲れ果ててグースカ寝てたぜって。映画本編も3時間近くあるしね。

 なんというか盛りすぎなんだよ、マイケルベイ監督は。面白いものとりあえず突っ込んどけ感がすごいよね。特盛映画というか、物量大作戦映画というか・・・
 すごいことをダレ場なしにどんどん上乗せしちゃえば、そりゃパワーインフレどころの話じゃないぜって。まあ小中学生くらいはそれで大喜びだから、いいんだろうけどね。
 だいたい対立勢力が多すぎるだろ。三つ巴は聞いたことあるけど、四つ五つ六つどもえ位になってたよ。作り手把握できてんのかい。トランスフォーマの脚本って足し算しかできないんだろうね。引き算や因数分解(整理)ができないから、長くグダグダになっちゃうんだろうね。でもまあ、ゴジラの悲劇からの反動で、わりと楽しかったけど。
 んで、結局最後までロックダウンっていうトランスフォーマーの勢力が謎だった。謎のまま倒されてしまった。(´;ω;`)あいつと主人公の相棒のメカニックがかわいそすぎる。彼らのリベンジを求む。ロックダウンリベンジ!

ゴジラ GODZILLA

 「面白い度☆ 好き度☆☆」

 ゴジラこそ我々日本人の上に今なお覆いかぶさっている水爆そのものではありませんか。(※本作のセリフじゃなありません)

 1954年版がなんだかんだですごい社会派で面白かったから、恥ずかしながら、内心すごい期待して見に行ってしまった。
 なにしろ98年公開のエメリッヒ監督版は「あんなのゴジラじゃない!」ってことですごい酷評されていて、んで、今回は「ハリウッドがちゃんとゴジラを描く!」って噂になっていたから、見に行ったんだ。

 で、今日まで感想書かなかったのはアレだ。もう自分の感性は本当マイノリティだと思うけど、正直54年版どころかエメリッヒ版の方がずっと面白かったんだよ!!
 つーかさ、脚本がさ、すごい不出来でさ、登場人物の印象も希薄でさ、何故か復活してる芹沢博士がさ、ケンワタナベがさ、結局何がしたかったかよくわからなくてさ、原発のオヤジもさ、味方になった時にはもう瀕死でさ、なら連れて行く意味ねえだろって感じでさ、日本→ハワイ→アメリカ西海岸って感じで主人公の行く先々でうまい具合に怪獣出てくるしさ、なによりさんざひっぱって最初に出てくる怪獣がゴジラじゃなくてでかいタガメでさ、冷戦中の水爆実験は結局ゴジラとタガメどっちを起こしちゃってどっちを倒そうとしてたかブレブレでさ、もう分からないことだかけでね。
 私恐竜とか怪獣好きだけど、なんかただ暴れたり戦っているの見ててもそんな血湧き肉踊らなくてさ。怪獣映画になっちゃった『ジュラシック・パークⅢ』とか、もうなかったことにしてくれないかなあって思ってるしね。自分は恐竜でも怪獣でもないからね、あまり怪獣に感情移入できないし。
 だいたい私ゴジラって初代とエメリッヒしか見てないから、ゴジラシリーズのコンテキストとかほぼゼロだし。ミニラとかキングギドラとかモスラとかよく知らないし。

 だから国会答弁や住民運動あってのゴジラだと思ってたからさ。エメリッヒ版が酷評されているのも、もうちょい反核とかそういう社会的なテーマを盛り込め!ってことだと思ってたからさ。
 そしたら全然テーマ性がないの。なんか映像的には原発事故の避難区域とか(あんなゴキブリ日本にいねえよ)、日本の隠蔽体質とかやってるけど、大した教訓もないしさ。
 それにさ、おそらくゴジラって自然災害の疑獣化なわけじゃん。で、ハリウッドって竜巻とかビル火災とか噴火とかニュートリノでチンとかディザスター映画作るのうまいじゃん。だから災害物のていでやってほしかったんだよね。『ボルケーノ』の時かなんかにも書いたけど、普通の悪役と違ってさ、自然災害って人類が地球に住んでいる限り倒すことできないじゃん。倒せるようなものじゃないじゃん。
 それって「自然は人類ごときに制御できない」っていう『ジュラシック・パーク』(これも初代)とテーマが一緒なわけじゃん。
 一応この映画でも人類無力だけどさ、本当に無力すぎて、魅力もなくてね。なんというかただの背景になってるの。だったらもう人間パートいらねえよって。すごいやっつけなんだもん。
 理不尽でいかんともしがたい大きな力に抗ったり葛藤したり絶望したり・・・そういうところを突き詰めて描けば『ポセイドン・アドベンチャー』みたくなるのにな。
 あとこの手の内容の演出方法はウルトラマングレートのコダラーの回、まあ最終回なんだけど、あれがすごいうまかった。
 
 だから、本当この映画すごい評価が高いらしいんだけど、どこが面白いのか『パシフィック・リム』以上に分からん。ウルトラシリーズで言う太郎的なていで見に行けばよかったのかもね。ハードル上げちゃった自分のせいだな。
 最後にタガメ夫妻といっしょにさんざ街を破壊したゴジラが「大怪獣は英雄か?」みたいに肯定的に受け入れられているしね。悪のタリバン政権を倒すために民間人巻き添えにしちゃった米軍みたいなもんだよな。
 人間って愚かなほど醜いからね、人類の危機の時も絶対に生き残るためにあがくからね。たとえ核が効かなくともあすんなんが実際にいたらとりあえず対処はするよね。まずはゴジラ保険は絶対できるよな。
 ほいでゴジラにデータロガーつけて調査したり。緊急ゴジラ速報つくったり。だからケンワタナベは、もっとこう、初代の山根先生的な動物馬鹿であって欲しかったよな。ずっと眉間にしわ寄せているだけで、怪獣が生まれてから、倒すのか保護するのかの立場が曖昧だった。
 芹沢と山根という水と油を合体させちゃったのがいけなかったんだよ。で、逆に怪獣はゴジラだけに絞って欲しかった。なんでいきなり違う怪獣をしかも複数出すんだよ。あれ第2作目とかの内容だよ!ゴジラ対タガメラだよ!

 あとゴジラってオンカロみたいな核廃棄物最終処理場で飼育すれば、なかなかいい仕事しそうだよな。
 まあでも、放射線出すからあいつ自身が核廃棄物みたいなもんか。そう言う意味で放射線を遮蔽できる海に帰ってくれるあたり偉いよね。自分で冷温停止してたわけだしね。
 つーか『パシフィック・リム』の海底から送られてくる怪獣はとりあえずゴジラが止めて欲しいよな。

法律学概論覚え書き④

 今回は民法について。民法は総則、物権、債権、親族、相続の5つの編で構成されていて、前の3つが財産について、後ろの2つが家族について書かれている。

財産法
静的な所有権や動的な売買取引や権利の変動を定める。
一般市民の間の財産は民法、会社の商取引については商法が適用される。

財産法の基本原則
①人格の自由
すべての個人が完全な法主体性を持ち、法的には対等な立場で取引ができる。
②所有権の自由
所有権が封建的な拘束から解放され自由な取引の客体となる。財産権の保障。
③契約の自由
取引当事者が取引の手段として自由に契約を締結できる。
契約内容を決定する自由や、契約書をつくらず口頭の契約でもでもよいという契約の方式の自由も含まれる。
④過失責任の原則(過失責任主義)
故意または過失があるときにだけ、他人に対して損害賠償の責任を負う。不法行為や債務不履行など。逆に言えば、故意や過失がない限り自由に取引活動ができる。

権利能力
権利の主体になりうる能力のこと。すべての人は出生とともに完全な権利能力を持つ。
出生前の胎児でも相続権や損害賠償請求権が認められている。
しかし20歳未満の未成年者は合理的な取引をするだけの十分な判断能力を持たないので、単独での取引は有効ではないとされている。よって、親権者や未成年後見人の代理または同意が必要。

制限行為能力者
成年被後見人(精神上の障害で事理弁識能力がなく家庭裁判所で後見開始の審判を受けた人)、被保佐人(事理弁識能力を著しく不十分な人)、被補助人(事理弁識能力が不十分な人)は有効な取引ができる能力(行為能力)を欠くとされる。
事理弁識能力とは、物事の実態や考えられる結果などについて理解することができ、自分で有効な意思表示ができる能力のこと。

法人と会社
法人は個人と同様に権利主体として認められている。
営利法人としての各種会社と、一般社団法人、一般財団法人がある。
さらに公益の増進を適正に実施できるとして行政庁より認定された、公益社団法人、公益財団法人、NPO法人(特定非営利活動法人)、特別法による宗教法人、学校法人、社会福祉法人、医療法人などがある。

持分会社
少人数の特定の人々が出資する会社。以下三つある。
①合名会社
全員が無限責任社員。
②合資会社
無限責任社員(会社の債務全額に責任を負う)+有限責任社員(出資額の範囲だけ)
③合同会社
全員が有限責任社員。かつての有限会社。

株式会社
全員有限責任社員。定款自治は合同会社に比べて制限される。

所有と経営の分離
株式会社の所有は株主総会、経営(業務執行)は取締役会と資本と経営を分けること。

不動産
土地や建物など動かせないもの。登記制度あり。

動産
不動産以外の権利の客体全て。登記制度なし。

物権
不動産や動産を直接的に支配する権利。代表的なものは所有権。
所有権の自由は公共の福祉による社会的制約を受ける。権力濫用の禁止。

用益物権
不動産の利用を目的とする権利。山林や宅地の地上権、農地や牧野の永小作権、隣地利用のための地役権(特定の土地の便益のために他人の土地を利用する権利)、山野から共同に採草などをする入会権の四つがある。

担保物権
債権の担保の価値を把握する権利。留置権、先取特権、質権、抵当権の四つ。

占有権
実質上の権利がなくても事実上支配しているような時の権利。

物権法定主義
法律によらなければ新たな物権は創設できない。

債権
お金を借りた人に対して金銭の支払い、その他一定の行為を請求する権利。
金銭債権の他、物の引渡し請求権、賃貸借などものの使用を請求する権利などがある。
一般的に債務者と債権者とのあいだだけの関係になる。

有価証券
手形、小切手、株券等。その流通は強く保護されている。

契約
申し込みと承諾という二つの意思表示によって成立している。

典型契約
民法にまとめられた13種類の契約のこと。しかし契約自由の原則により、これらの典型契約に入らない無名契約も自由に締結することができる。

契約の無効
公序良俗に反する事項を目的にするとその契約は無効になる。人身売買や暴利契約など。
また、詐欺や脅迫によって行なった意思表示は無効とされる。さらに、心裡留保(冗談や嘘)、虚偽表示(財産の仮装譲渡のように当事者双方が真意のないことを知っている契約)、錯誤(思い違い)などは無効とされる。

法律行為
当事者の意思表示に法的効果が与えられ、権利や義務が変動する行為を指す。
一方からの意思表示で成立する単独行為(契約取り消しなど)と、多数の意思表示によって成立する合同行為(会社の設立など)がある。

登記の対抗要件
先に買った人よりも先に登記した人がその土地の所有者として認められる。

物権変動の公示の原則
登記など第三者が認識できる形式による権利の公示に一定の権力を与えること。

公信の原則
公示された所有者が実は嘘で、それを信用して取引をした人が所有者から権利を取得できないとなると、取引の安全性は大きく損なわれるため、公示の内容が実際の権利関係と一致しなくても、公示通りの権利を取得できるという原則(逆に言えば、本当の権利者の利益は犠牲になる)。
不動産:認められていない
動産:認められている
有価証券:動産に上に強く認められている

同時履行の抗弁権
売り手と買い手の当事者間の公平のために、物の引渡しと代金支払いは同時に履行するよう要求できる権利。映画とかで「金はやる、だが人質と同時だ!」みたいなやつだと思う。
違うか。

不動産賃借権の物権化
特別法によって強化された賃借権は自由に譲渡はできないもののほぼ物権に近いものになったので、こう呼ばれている。利用者の地位の安定を公共の福祉に適合するものと考え、所有者の権利を制限したと言える。

消費貸借契約
借り手が自分の金銭を消費して同額の金銭を返すこと。担保が伴うことが多い。借り手がお金を返せない時に代わりににその借金を支払うハメになる保証人は人的担保である。
不動産などの抵当権は、抵当権者が登記をするだけで、借主はその不動産をそのまま利用することができて便利。お金返せないと差し押さえられるけど。

無過失責任
自動車や原子力発電など危険性の高い事業は、加害者側に故意(わざと)や過失(不注意)がなくても被害者へ損害の埋め合わせをしなければならない。
民法では不法行為責任の成立要件は、故意・過失、責任能力、違法性および因果関係となっているが、例えばメーカー側が無過失でも消費者の損害賠償の責任を負う製造物責任法は過失責任主義に当たらない。
これにより商品の欠陥によって被害を受けた消費者は、商品の欠陥を挙げるだけで救済され、メーカーの過失を証明する必要がなくなった。

家族法
身分法とも呼ばれる。財産法が経済的利害によって結合したゲゼルシャフトを扱うのに対して、家族法は利害の打算によらないゲマインシャフトを扱う。
家族関係においてはどちらが勝つかといった訴訟ではなく、調停や審判によって問題を解決することが多い。
国が一定の理念のもとに家族生活を規律しようとするので、原則強行法規。
家族に関する法律は個人の尊厳と両性の本質的平等に基づいて制定されなければならない。

婚姻
法律上の正式な結婚のこと。
「婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない」
男は18歳、女は16歳から結婚できるが、未成年の婚姻は父母の少なくとも一方の同意が必要とされている。
成年は自由に結婚できるが、重婚や近親婚は禁止されている。

法律婚主義
婚姻は戸籍法による婚姻届をすることによって、法律場正式な効力が発生するという考え方。

事実婚主義
結婚式などによって社会的に夫婦と認められていれば、法律上も婚姻の効力があるとする考え方。

内縁
婚姻届はないが社会的に夫婦と認められている男女。大正時代初めに、内縁を不当に破棄すると婚姻予約不履行による慰謝料を請求できるようになった。

夫婦
婚姻届に記載したところに従って夫または妻の氏を称する。
夫婦については親の戸籍とは別に新戸籍を編成する。その際、氏を変えない方が戸籍筆頭者となる。

夫婦別産制
結婚する前、もしくはあとに得た自分名義の財産は、夫婦共有の財産ってことにならない。
法定財産制による。共同生活の費用は、各自の資産・収入に応じて分担する。

離婚
夫婦の合意で離婚届を出せば協議離婚ができる。日本の離婚の9割がこれ。
合意が成立しない場合は裁判離婚になる。
夫婦の一方が反対している場合に離婚を認めるには、一定の離婚原因がないといけない。
その原因を具体的自由のみにするのが絶対的離婚原因主義で、一般条項的な離婚原因を認めるのが相対的離婚原因主義。

有責主義
相手に責任がある場合にのみ離婚を認める考え方。

破綻主義
相手に責任がなくても、婚姻関係が破綻すれば離婚を認める考え方。
自分の責任で破綻を招いた有責配偶者からの離婚請求は認められなかったが、現在では判例が変更され認められるようになっている。しかし責任のない他方の配偶者をどう保護するのかが問題になっている。

財産分与請求
夫婦両者の協力によって得た財産の分割、有責配偶者に対する慰謝料、離婚後の扶養料などが請求できる。

親権
離婚の際には、どちらか一方に親権を定めなければならない。
また法律上の保護者である親権者とは別に、実際の養育にあたる子の監護者を定めることができる。養育費は親権者、監護者に関係なく、父母がその資力に応じて負担する。

嫡出子
正式な夫婦の間に生まれた子ども。しかし妻の生んだ子が必ず夫の子であるとは言えないので、妻が婚姻中に懐胎した子を夫の子と推定している。
さらに妻が離婚成立の日から200日後、または夫の死亡若しくは離婚による婚姻解消の日から300日以内に生まれた子は婚姻中に懐胎したものと推定している。
この嫡出推定を否認できるのは夫だけで、この出生を知った時から1年以内に嫡出否認の訴えを起こさなければ、否認できなくなる。

非嫡出子
婚姻関係のない男女の間に生まれた子ども。いわゆる私生児のこと。
民法では、親からの扶養については嫡出子との区別をしていないが、相続については非嫡出子は嫡出子の半分しかもらえない。
非嫡出子は親子関係が明確でない場合が多いので、父または母の認知届によって法律上の親子関係が生じる。とはいえ母子関係は分娩の事実から明確なので、認知を要しない。
父親が親子の認知(任意認知)をしてくれない場合は、子どもの方から認知の訴えを起こすことができる(強制認知)。

養子
養子になれば、養親の氏を称し、嫡出子と同様な扶養と相続の関係が生じる。
日本では成年養子も認められ、未成年養子よりもその数は多い。
未成年者を養子にする場合は家庭裁判所の許可を受ける必要がある。15歳未満の場合は、養子の法定代理人である親権者または後見人が養子に代わって養子縁組の承諾をする。
養子と養親がうまくいかなくなった場合は裁判離縁や協議離縁が認められる。

親権と後見
法律上の未成年の保護者は、第一に親権者(父母)、第二に未成年後見人。
父母共同親権に基づいて、父母が共同で親権を行うが、父母が離婚した場合、非嫡出子の場合には、どちらか一方だけが親権者になる。
親権者である父母がいなくなった場合は、家庭裁判所で未成年後見人を選んでもらう。未成年後見人は家庭裁判所が監督する。

扶養義務
民法では夫婦や親子の他、祖父母や孫という直系血族、兄弟姉妹の間には、法律上の扶養義務を定めている。さらに特別な事情がある場合は3親等(曽祖父、曾祖母、ひ孫、甥っ子、姪っ子など)以内の親族間にも家庭裁判所で扶養義務を負わせることができる。
扶養義務のどこまでを親族の責任(私的扶養)、国の責任(公的扶助)にするかという問題があるが、日本では私的扶養の責任範囲をかなり広く認めている。
最低生活をこえる扶養や、余裕のない者が自分の生活を削ってまで扶養したりする義務は含まれない。
しかし夫婦や親子には一般の扶養義務(生活扶助義務)より強い生活保持義務があると考えられる。
また、直系血族感と同居の親族間には互いに助け合う互助義務があるとされている。

相続制度
遺産の相続制度も私有財産権の保障の延長として強い法的保護を受ける。

遺言自由の原則
遺言によって自分の遺産を自由に処分できる。
遺言のない場合には法律で定められた割合の相続分に従って、相続人に遺産が継承される。
相続人にとって遺産は一種の不労所得であり、それを社会に還元すべきという考え方があり、高い相続税をかけられたりしている。

諸子均分相続
子、父母、兄弟姉妹といった同順位者は均等に遺産が相続されること。
長男がほかの兄弟よりも遺産を多く相続することはない。

代襲相続
遺産を受け取るはずの子が既に亡くなっていた場合は、その子の子ども、つまり孫が代わりに遺産を相続するということ。
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