『ウェブはバカと暇人のもの』

 揚げ足取りが大好きで、怒りっぽく、自分と関係ないくせに妙に品行方正で、クレーマー気質、思考停止の脊髄反射ばかりで、異論を認めたがらない(略)決定的な特徴は「暇人である」ということだ。書き込み内容や時刻から類推するに、無職やニート、フリーター、学生、専業主婦が多いと推測できる。『ウェブはバカと暇人のもの』59ページ

 あ、オレだ。

 著者はニュースサイトの編集者中川淳一郎氏。もうタイトルからしてすごいよね。ネットで話題になるには何をすればいいか心得ている人のタイトルのつけ方だよ。こういうのをバカと暇人への燃料投下というらしい。
 案の定「てめーに言われたくねーよ」とか「バカや暇人に食わしてもらってるのはお前だろ」とか大騒ぎになってビジネス的には大成功?

 まあ数年前に「週刊フジテレビ批評」でも取り上げられ賛否両論となった本だから、アマゾンのレビュー欄に星の数ほど感想はあるので(大体が脊髄反射的な酷評。きっと、無職やニート、フリーター、学生、専業主婦なんだろうな・・・)ここではこの本の内容についてというよりは、この本を読んで私が考えたことをいくつか。

 とりあえずウェブでもなんでもバカは目立つということ。で多分ずっとバカな人はいない。RPGのステータス異常みたいなもんでバカって言う状態がある。でウェブはそのバカな「状態」をデータベースとして記録してしまう。

 ガウス分布的に賢い人は全体に比べて少ない。賢くない人(≒バカ)がとにかく人口が多く、そういったひとが気軽にほぼノーリスクで匿名で発言できるようになっちゃった。だから下からの権力がものすごい。時に社会全体の不利益になるようなブレーキをかけてしまう。

 結局正論だったり偉そうなこと言っても責任の矢面にはみんな立ちたくないから、集団のできるだけ後ろの方で先頭に向かって石を投げている。
 戦略的にそのポジションが一番今はいいんだろうけれど群全体が崖に少しずつ近づいていることを知らない。このままじゃ遅かれ早かれみんな崖から落ちる。
 これをイグアノドン(ベルニサルテンシス)のジレンマと名付ける。後ろにメガロサウルスはいないけれど。メガロサウルスはイグアノドン自身だというね。

 あとウェブって同調圧力(ピアプレッシャー)が半端ない。これって中学生の集団とかに使う言葉だけどウェブの集団にも当てはまる。この圧力はプロフェッショナルというものを産まない。
 プロっていうのはみんなが真面目だったらバカなことやって、みんながバカになったら真面目なことやる。プロは大衆に同調しない。
 でもそういうプロはウェブではなかなか成功しないし、本当のプロはウェブに頼らなくてもリアルで評価される。

 ウェブで勝利するのは恥も外聞も捨てた「迎合」。あえてバカに徹することでバカにバカにされればクチコミが発生する。上から物を言われるよりバカな人は自分よりバカな人をバカにしたい。
 バカはバカの嗅覚でバカっぽい情報を嗅ぎつける。確かにほとんどのネットユーザーはためになる情報を欲してない気がする。それよりも上から目線でツッコめる対象を探している。
 自分がバカだってことにバカな人は気づいていないから。作り手としてはどう考えてもマーケティング丸出しで恥ずかしくてやってられないよっていうのをやっちゃえばいいんだよな。結局はバカを気持ちよくさせるのが勝利の鍵。

 典型的なのが今のエヴァンゲリオンだろうけれど。めっちゃ手の内がわかるけれど結局あの手法は強い。エヴァンゲリオンってコンテンツとしては大して質は高くないと思うんだよ。あれはコンテンツじゃなくてプラットフォームなんだよね。初音ミクとかもそう。そこに徹しているのがすごい。プロじゃなくてプロっぽいアニメオタクが作ったって感じ。

 でもコンテンツの究極進化系ってそれなのかもしれない。たけしさんは日本人からどんどん「間」がなくなったって論じたけれどそれはよく言えば無駄なものが排除されて洗練されたとも言えるんだよね。それが文化として豊かかどうかはわからないけど。

 ただ個人的には「そんなことやってよく恥ずかしくないよなあ」って。露骨に欲望を刺激するものに単純に反応してしまう。作り手の立場を想像するとなんかそれをやっちゃお終いよって。
 だから東浩紀氏の指摘はその点正しい。見方を変えれば「動物化」しているように見える。微分するとそうでもないけれど積分するとバカに見えちゃう。

 まあとにかく『アベンジャーズ』のコピーといいウェブの世界ではバカにされれば勝ちってことだよ。みんな何かをバカにしてツッコミたいわけで。
 ウェブってそういう現象を可視化しちゃうからなあ。ウェブの動向を間にうけない方が絶対にいいな。ごく一部の世界だったりするし。それこそウェブでは暇な人が最強になるわけで。

 だからウェブにどっぷり浸かると人間がバカに見えてきちゃう。でそれは自分がバカになっているってこと。人間の心理はそんな単純なものじゃなくてもっと繊細で複雑ってことを見失っちゃう。だから実際に会ってコミュニケーションとったほうがいいよ。暇なら外へ出ろw
 ウェブにもそのコミュニティのルールはあるけれどそれってリアルの社会と互換性悪そうだし・・・

30代に向けて

 教習所の空き時間になにもやることないので、一昨日買ったビートたけしさんの新書『間抜けの構造』を読んでいるんですけれど、たけしさんがツービートを結成したのって27歳の頃なんですね、それまではずっと鳴かず飛ばずだったらしくて・・・
 あんな大天才でも20代は苦労したんだ、我慢の時期だったんだって思うと、ちょっと希望が湧いてきました。ということで私もまだまだ創作活動を続けていくぞって。
 とはいえYELLでも謝ったんですが最近学校と塾と家庭教師のトリニティアタックで漫画を描く時間的余裕があまりない。
 いやてめえ『メン・イン・ブラック3』リピート鑑賞している暇があるなら描けるだろってツッコミが来るのはわかるんですが、どうもストレスが多くてねw
 ・・・すいません漫画も真面目に頑張ります。こうやって言い訳しちゃうのいくないね。

 で、昨日知って驚いたんですが、教習所の教官の息子さんが漫画家やってて、しかも自分と同い年、さらに自分と同じ年齢で新人賞とって、その後萌え漫画でスマッシュヒット、作品はアニメにもなってるそうなんですよ!
 私はその点、みみっちい経済観念が働いて「つぶし」が効くように国立大学に行っちゃったけれど、なんかその漫画家さんと見事に明暗が別れたなあって・・・
 で、自分の作品がアニメやゲームにもなったなら「一生食っていけるんじゃないんですか?」って聞いたら、ピークでも年収一千万ほどでその後の見通しは立ってないって。天下のアニメ化でも一生安泰ってわけではないんだなあって。

 でも一日の睡眠時間はたった3時間で、それこそ命をすり減らして描いているのに常に将来の不安がつきまとうって本当過酷な職業ですよね。
 しかも漫画家ってめちゃくちゃ自殺率が高いんだって。ほとんどがペンネームだから知らずに死んでいるんですよ。精神的に参っちゃって欝で死んじゃうんだって。
 私は連載経験とかないからそこまでは解らなかったんだけれど、そりゃ担当の編集者はそんなこといきなり言わないよなあ・・・萎えちゃうもんw
 私は少なくとも漫画家は身が持たないから本業にはしないほうがいいなって、しみじみ思いました。プロになるなら絶対原作者だなあって。話考える方が絵を描くよりもずうっと好きですし。

 さて、そんな感じで残り少ない20代、これからどうしていくかって考えているんですよ。
 とりあえずYELLの『超音速ソニックブレイド』を描きながら、学校行って家庭教師やって塾講師をやるのは変わらないんですけれど、今考えているのは美術の先生ってあんまり楽しくないなってw
 中学生くらいだと別に「美とは何か?」なんて話に興味もないから教員採用試験でみっちり勉強するとんでもなく専門的な美術の知識が現場で全く役に立たない。キュビズム?アルカイックスマイル??なんだそりゃってw受験にも必要ないしね。

 だから中学校の数学と理科と社会の免許も取っちゃおうかなあって。なんか通信教育で取れるらしいんですよ、15万払えば。
 なんだかんだ言って複数の仕事掛け持ちしながら自動車の免許通えたから、教習所卒業したら多少暇もできるしやれないことはないなって。
 通信教育ってことだから家から通うってこともないし。15万払って職業選択の自由が増えるなら安いもんだなあって。
 まあ私もいい歳だからフラフラしてないで、もう少し社会貢献したほうがいいしね。頑張ります。

仮免許取得

 よりにもよって修了検定の前日に風邪をひいちゃって、多分寒い中ヤンキーの人と喋ってたからなんだろうけれど・・・とにかく今朝も鼻水と頭痛がひどくてフラフラ。
 大体せっかくの休日が病気で動けないって最悪だよね。私の友達ってもうほとんど家庭を持ってて会う機会が全然ないんだよ。で、やっと遊べるって日に風邪。コノヤロウって。
 しょうがないから家にこもってツイッターとかテレビゲームの『免許を取ろう!』やって時間潰してたんですが、それで「みきわめ」と「修了検定」をプレイしたのが良かったのか、とりあえずコンディション最悪ながら仮免許は取得できました。

 ありがとう三石琴乃教官。

 で、修了試験合格者は夕方の講義を三時間取らなきゃいけなくて、結局フラフラながら帰りがのびて、今やっと終わって帰ってきたところなんですよ。
 なんか受かるんじゃなかったなあ、とか本末転倒な気分で講義を耐えてましたw

 さてこのブログをこれから教習所に通おうとしている人が読むかどうかは分からないけれど、まあそういう人のために修了試験の内容をちょっとだけまとめます。

 まず実技のコースなんだけど、これは「みきわめ」のコースと全く同じコースを一周するだけ。だから「みきわめ」のように授業時間が終わるまでコースを何周もグルグルはしない。一発勝負。
 私なんか「みきわめ」で4周も同じコース走らされて4周目でもう飽きてきちゃって気を抜いたらクランクから脱輪したからねw
 で修了試験は減点方式で、最初100点持っててミスするごとに点数が引かれる感じ。特に脱輪してそのまま行っちゃったり、一時停止の無視は31点マイナスで一発でステージフェイルド。
 脱輪に関しては修了検定はかなりシビアで、私の前の人が脱輪してバックしてリトライしたんだけど落ちちゃってたからね。
 そもそも「脱輪(小)」って項目ですら「脱輪しかけている」なんだよ。だから本当に脱輪しちゃうと合格はかなり厳しいのかも。

 ちなみに実技試験を担当してくれた教官は、前にこのブログでも取り上げた、物腰が柔らかくとっても教え方が丁寧なんだけど、怒らすとヤンキーも震え上がらせる先生で、その後の教習で分かったんだけど、なんと元数学者。地球上の炭素原子の数を数えたことがあるらしい。なんでそんな人が教習所教官にw人に歴史ありだよなあ・・・
 で、この実技で11人いた受験生が7人にまで減って、その実技試験合格者7人で学科試験って感じ。

 学科試験は教本を読んでもはっきり言って役に立たなくて、受付で売っている問題集からそのまま出るって感じ。これをやっておけば結構簡単に学科は合格できる。とりあえず教本は役たたず。だって問題の答えが書いてないんだもん。
 あとプレステの『免許を取ろう!』は免許センター監修だけあって試験問題がほぼ一緒。これも役に立った。ありがとう三石琴乃教官。
 で全部で50問、一問2点って感じ。合格ラインは90点で、つまり6問間違うと不合格になっちゃう。私はバスの優先道路の問題で間違っちゃったんだけど(バスが近づいたら直ちに優先道路から出なきゃいけない)、合格者の4人のうち2人はなんと満点を叩きだしてた。すげえ。

 まあなんにせよ修了検定は無事一発で受かったわけで、あとは教習所で路上教習と残りの学科をやって、で、免許センターにいって最後に筆記試験やるって感じ。
 つまり教習所で行う学科試験はこれでおしまいってこと。それは良かった。あと免許センターで実技試験はないっていうのも意外だった。
 この調子でとっとと取れりゃいいけど・・・ホノオモユルルートだけは勘弁。

アメリカン・ギャングスター

 「面白い度☆☆☆☆☆ 好き度☆☆☆☆」

 ニュージャージーの人間はイカれてる。信じられっか?サツがワルいのを逮捕する。

 勤務先の中学生のおすすめ作品。『エイリアン』や、最近だと『ロビンフッド』『プロメテウス』のリドリー・スコット監督。SFの人ってイメージがあるけど、意外と社会派も監督してるんですよね。
 つーかラッセル・クロウ好きだよねw三谷幸喜と東京サンシャインボーイズって感じだよなw
 てことで今回の映画もラッセル氏があのいつもの表情で強大な権力に一矢報いる話。

 ラッセル演じるリッチー刑事のライバルとなるのが、ベトナム戦争に乗じてヘロインを密売していた大物ギャング「フランク・ルーカス」(演デンゼル・ワシントン)。
 どちらの人物も実在しており、特に軍の輸送機を使ってベトナムで生産したヘロインをアメリカにまで運んでいたエピソードと、アメリカに最初にできた警察の麻薬取締官が汚職まみれだった話は有名。
 多分「世界まる見えテレビ特捜部」か「アンビリバボー」か「世界仰天ニュース」のどれかで取り上げていて、それで知ってた。
 で、ああ!この話をもとにした映画か!って膝を叩きました。いや、実際には叩いてないけど。

 しかし社会秩序や公共の福祉のために働く正義の象徴「警察組織」「軍隊」がここまで腐り果ててたっていうのがすごいよね。マフィアやギャング顔負けだぜってw
 物語の舞台はベトナム戦争の旗色が悪くなって最終的に撤退する70年代前半なんだけど、その一過性のビッグウェーブに乗っかってフランクは今までのドラッグの市場に革命を起こし荒稼ぎをしてしまう。

 物語冒頭でフランクが敬愛するハーレムを取り仕切っていた義賊「バンピー・ジョンソン」が

 こういうのがよくない。なんの権利があって流通を勝手に変える?中間業者をみんな追い出して直接仕入れる、生産者たちからな。アメリカ人は職を失う。誰をナイフで脅せばいいのか・・・それもわからない。無駄だフランク。責任者などいない・・・

 とか言ってたんだけど、皮肉にもバンピーの跡を継ごうとしたフランクはその直販店の方式を裏のマーケットに持ち込む。徹底的なコストカット。合理主義。従来のツリーモデルからリゾームへ。裏社会のネオリベって感じなのだ。
 これに不満なのがドラッグのおこぼれを掠め取っていた中間業者、つまりマフィアや悪徳警察だ。そういう連中を敵に回し、時に排除しながらも、まるでイタリアのマフィアのようにファミリーを拡大させていく。
 まるで往年のホリエモンのようで、差別される立場の黒人が裏社会でのし上がっていく様は、まさにロビンフッド並みの爽快感だけれど、それによってたくさんの人間が薬物中毒で死んでいく。フランクのドラッグって純度高いから。

 日本にいるとなかなか実感がわかないけれど秩序っていうのは、ほんとう紙一重のところで成り立っているんだなあってこの映画を見てしみじみ思う。
 短絡的で愚かな判断する人がある一定数を超えると社会ってものはあっさりひっくりかえってしまうわけで、本当にゲーム理論通りなんだよ。
 ちょっと前に現代人のあまりの当事者意識のなさを嘆いたけれど、本当、「ルールなんて誰かが勝手に決めてくれてそれに従ってりゃいいんでしょ?」なスタンスじゃ危険なわけだ。
 じゃあ「在日の人をリンチしましょう!」なんてルールができたらオレたちはやっちゃうのか。自分はやらなくても黙認しちゃうのか。ルールが一度出来たらみんな黙認しちゃう気がする。でも、それでいいのか。良識や道徳心はないのか。
 大人がそういった民主主義の構造についてあまりに無理解で何も考えてないんだもの、子供だって社会のルールを守るわけない。

 なんでそういったルールがあるのか。そしてルール自体を見直し、議論を重ねてルールをよりよくしていくことが民主主義ではルールを守ることよりずっと大切だとなぜ教えないんだろう。
 ルールは公共の福祉のためのツールでしかないのに、そのツールがいつの間にか目的化してしまっている。本来ルールは変えることができるものだ。そういった矛盾を多分子供の何人かは肌で感じとっているんだろうな。
 そういうことはルールを守ってから言えって言うけど、守れるくらいならそのルールを変えろなんて言わないだろって。

 最後の最後にリッチーとフランクの司法取引によって悪徳警官も一斉検挙されるが、ここらへんの流れが実話とは思えないほど寓話めいてて、なんというか取り調べ室の対話のシーンはえらく宗教的だ。
 リッチーって賄賂、買収のたぐいは絶対しないバカ正直なやつで、これだって作中では深く描写されないけど宗教的な理由だと思うし。
 まああの人正直に浮気しちゃうから奥さんに「あなたの嫌いな汚職警官と一緒に地獄生きよ」って怒られちゃうんだよなあ。
 嘘つかなきゃ悪いことしていいってわけじゃないもんな(笑)

キッズ・リターン

 「面白い度☆☆☆☆☆ 好き度☆☆☆☆☆」

 バカヤロー、まだ始まっちゃいねぇよ。

 1996年公開の北野武監督の青春映画。いや~すっごいいい映画だった!もうすべてがかっこよくて正直こんな私が語るのは恐れ多いし、んなもん蛇足極まりないと思うんですけど、こんなに「すげえ!」って思った、なんというか自分の感性にパチっとはまった映画は『オーケストラ!』以来かもしれません。

 この映画って木村くんも好きで「田代、見ろよ!」ってずいぶん前に勧めてくれたんだけど、結局見るの忘れてて、この前女性のマロさんも勧めてくれたので「これはやっぱ一度ちゃんと見といたほうがいいな」と50円で借りてきたわけです。
 で、とりあえず木村くんには謝るよ。ど~せ少年マガジンとかにありがちな甘ったるいヤンキーものだろって一瞬でも思った私が悪かった!

 そもそもたけしさんがそんな映画を撮るはずない。私たけし映画はともかくたけしさんの書籍はかなり持ってて「悪い奴が急に心を入れ替えて善人面するのは気に入らない。いままでこいつに迷惑したやつの立場はどうなるんだ。まずはそいつらに謝って精算するのが先なんじゃないか」みたいなことを書いてたし「いきがったワルは一度とことん叩きのめされなきゃわからない」とも書いてるんだよね。
 だから、この映画でもハイライトシーンで不良のコンビがとことん叩きのめされる。それは相当辛い挫折かもしれないけど、人生ってそういうことの繰り返しなんだよっていう監督のメッセージのような気がする。だから「終わっちゃいないんだって」ってw

 監督はラストの学校の校庭を昔のように自転車でぐるぐる回るシーンを最初に思いついて、そこに至るまでの物語を後から逆算して組んでったらしいんだ。
 だから脚本の構成の完成度が高いし、たけし映画の中でもかなり筋が分かりやすい(本人曰く日本一後付け設定やつじつま合わせがうまい映画監督)。
 でもなんであのシーンをたけしさんは無性にやりたくなったんだろう?って思ったんだけど、この映画ってバイク事故を経験したたけしさんの監督復帰作なんだよね。つまり自分の挫折を描いてるんだよな。

 そして、ここらへんはもう勝手な推測だけど、この時のたけしさんにあったのは「こんな顔になっちゃった自分はもう一度芸能界でやっていけるんだろうか?」という不安であった気がする。
 フライデー襲撃事件の時は、芸能界復帰が無理なら軍団とヤクザか建設会社でもやるかな、とか考えてたらしいんだけど、事故の時は「顔に棒突き刺されちゃったよ、おでんの気持ちがわかった」とか見舞いに来た軍団の人にボケても、全然笑ってくれなかったんだって。もういたたまれなくて。
 でも最終的に記者会見をやって見事に復帰するんだけど、あの記者会見もある種の賭けだったらしい。どれくらい顔が戻ったらやるか、そのタイミング。

 とにかく、マーちゃんの刺青みたいに一生背負う傷を、あの時のたけしさんは負って、自分の終わりも感じながら、それでもふたたび立ちあがった。また自分の居場所を見つけることができた。
 私が最近思うのは、家庭でも学校現場でも社会でもなんでもいいんだけど、そもそも自分の居場所なんてあらかじめ用意されていないんだよね。自分の居場所っていうのは誰かに与えられるものじゃない。自分で見つけて掴み取るものなんだなって。
 それを勘違いしちゃっているから、社会に適応できない人がいるのかもしれない。相手を蹴落としてまで働きたくないって言うけど、そんなこと言ったら他の動物殺して食って生きている時点でオレらは罪悪感で自殺しているわけだし。

 多少は矛盾していても折り合いをつけなきゃ生活できないんだなあって。そこらへんの矛盾を「矛盾だ」っていう大人が今いないんじゃないのかな。みんなと仲良くしましょうも限度があるってw世の中にはパイが決まっていますってw理想と現実のどっちも教えたほうがいいだろって。
 子供ってすっごい純粋に大人の言うことを額面通りに信じちゃうところがあるし。もう野暮かもわからないけど、大人の方から「とはいえ、これ建前なんだ」って一度子供にちゃんと言うべきなのかもしれない。
 昔はそんなこと大人から言わなくても子供の方が成長して気づいていったんだろうけれどね。

 とにかく私が思うのは学校に居場所がないってグレてるヤンキーも、普通の人も変わらないよってこと。おそかれ早かれどこにも自分の場所なんてないってことを全員が痛感するわけだし。
 それで要領が悪くてうまくいかなかった場合、大人しい奴は引きこもったりうつになっちゃうし、元気な奴は同じような境遇の仲間を作って夜の街に繰り出して悪さをしてしまうのだろう。
 でも十代って本当難しい時期なのかもな。私は「漫画」っていう特殊技能があったから、クラスでなんとなく自分のポジションがあったし、高校では生徒会長やってたから、そういう自分の居場所がないっていう悩みもなく十代は楽しめたけど、大学時代はやっぱり居場所なかったもんねw
 もう先生にキレちゃってからアウトローもいいところで、国立大学でなにやってんだって気はしたけれど。

 俺たちみたいな馬鹿まだいるかな?

 もういないんじゃないですか?


 いますいます。山ほどいます(笑)

 そうやって居場所がなくて不安だったりイライラしたりするのはわかるけれど、それはつまり自分が大人になろうとしていることなんだって思って欲しいよね。私はまだ脱皮できてない気もするけど・・・(職員室に居場所がない)
 でも大人の方が自分の居場所を確保するので精一杯で、自分の子供に居場所を与えられないのは大問題だと思う。ウミガメみたいに卵から孵ってすぐに自分のやるべきことが遺伝子レベルでインプットされているならともかく、人間は教育しなきゃ生き方がわからない動物だからね。
 そこをないがしろにするのだけはあっちゃいけないと思う。子供をないがしろにするのって絶対国家や社会にとって不利益だと思うし。

 あれ?全然『キッズ・リターン』の話してないや。だからこんな素晴らしい映画語ることないんだって!もう冒頭のタイトルが出るところなんて映画史上屈指のカッコよさじゃない?
 なんだあれってw『アウトレイジ』もかっこよかったけどこういう映像的なセンスってたけしさん天才的だよな。
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