ダメだ~!中2の2分野も今までみたいに生物学と地学をまとめて一度にアップしたかったんだけど、量が多いのと、忙しくて時間がないという理由で二部構成にします!
あと『アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン』観ました。相変わらず仲が悪くて面白かった。スタークがまた波風を立てた。
動物のくらしとなかま
タイトル的にどうぶつ奇想天外!的な内容かと思いきや、ほとんど人体の学習だったりする(そりゃヒトも“動物のなかま”だけどさ…)。つーことでかなり医学的な単元。
あと脱ゆとりで進化(ユーステノプテロンや始祖鳥)が復活した。
目
視覚を司る感覚器官。
レンズの前面にある光彩の中央にある穴(瞳孔)の大きさを筋肉で変化させることで目に入る光の量を調節し、像を鮮明にしている(瞳孔は明るいところでは狭く、暗いところでは広い)。これはカメラでいうしぼりの役目を果たしている。
目のすごいところは遠近調節をひとつのレンズで行うことである。なんとグミのような弾力性のあるレンズの厚みを変えることで焦点距離を変更しピントを合わせてしまう。
近くのものを見るときはチン小帯が緩みレンズの厚さは厚くなり、遠くのものを見るときはチン小帯がレンズを引っ張りレンズの厚さは薄くなる。
ちなみに年齢を重ねるたびにレンズの厚さを厚くすることがだんだん難しくなってくる。これが世に言う老眼である。
網膜
レンズを通過した光は硝子体を通ってカメラのフィルムに相当する網膜に到達する。
網膜の作りはちょっとややこしくて、光の刺激を受け取る視細胞が光の向かってくる方向とはなぜか逆向きについている。そのため視細胞が受け取った光の刺激は、信号となった後に神経細胞でグルリと迂回して、視神経から大脳へと送られる。
ちなみに視細胞には薄暗いところで働く桿体細胞(棒状の細胞という意味)と、明るいところで働く錐体細胞の2種類がある。
耳
聴覚を司る感覚器官。
外耳、中耳、内耳の3つで構成されていて、外耳は耳かく、外耳道、鼓膜、中耳は耳小骨とエウスタキオ管、内耳はうずまき管とと半規管・前庭で出来ている。
耳小骨は下顎の骨の一部が進化してできた、つち骨、きぬた骨、あぶみ骨というとても小さな3つの骨でできており、鼓膜が受け取った音の振動をテコの原理で3倍にまで増幅させている。ちなみにあぶみ骨はヒトの骨で最も小さい。
エウスタキオ管は中耳と喉をつなぐ細い管で、中耳内の圧力を大気圧と同じにする働きがある。耳がピーンとなった時につばを飲み込むと治るのはこの管が開くため。
内耳
内耳で音の刺激を受け取るのはうずまき管だけで、内耳の壁の面積は、鼓膜の面積の25分の1しかないため、空気の振動の圧力は25倍にまで増幅される。うずまき管は蝸牛管とも呼ばれ、現代でもまだまだ仕組みに謎が多い。
内耳の半規管は3つの半円状の管でできており(だから昔は三半規管と呼んでいた)その管の根元の部分には、感覚毛が生えている。体が回転すると、半規管の中のリンパ液が流れて、この感覚毛がなびくため、体の回転を感じることができる。
内耳の前庭はうずまき管と半規管の間にある二つの袋状の部分で、内部には感覚毛と、その上に聴砂という石が乗っている。体が傾くと、この聴砂が動くため、体の傾きが感じられるようになっている。
ちなみに内耳はひとつの部位になっていて、半規管、前庭、うずまき管は全てつながっている。
可聴域
聞くことができる音波の振動数のこと。振動数16~20000ヘルツの範囲でヒトは音が聞こえるが、男子の中にはもう少し低い音が聞こえたり、女子の中にはもう少し高い音が聞こえたりする。
エコロケーション
反響定位。音の反響で周囲の状況を探ること。いわゆるソナー。
超音波を飛ばして餌の位置を探るコウモリは70000ヘルツ以上の超音波(ヒトの可聴域を超える振動数の音のこと)が聞こえる。
イルカなど一部のハクジラは最大20万ヘルツの音で仲間と交信をしている。一説には1000キロも離れている仲間とも通信可能らしい。
鼻
嗅覚を司る感覚器官。
鼻の穴の奥は粘膜で覆われた広い空間(鼻腔)になっていて、その天井にある嗅細胞が匂いの化学物質(気体)を受け取ると、嗅神経を通じて刺激が脳に送られる(嗅細胞の数はヒトでは60万個。イヌでは400万個)。
嗅覚と味覚はどちらも化学物質を感じ取るが、嗅覚のほうがずっと敏感である。ヒトでは200個以上の分子さえあれば、その匂いを感じ取れる(イヌではたった一個の分子で匂いを感じ取る)。
ただその反面、嗅覚はとても疲れやすいという一面もあり、最初は感じていた悪臭もしばらくすると嗅細胞が疲れて感じ取れなくなってしまうのだ。自分の口臭が自分ではなかなか気づかないのもこのため。
味盲
特定の味を感じないこと。日本人の8%が該当するという。
味盲の人は、苦味を感じさせるチオフェニール尿酸という物質のみ苦いと感じず、それ以外の苦味物質は苦いと感じる。
昆虫の感覚
昆虫の感覚器官の場所は脊椎動物の常識とは異なるのでなかなか面白い。
昆虫の耳は体全体に生えている毛。また音を使って求愛をするキリギリスやコオロギなどの昆虫は前足のすね、セミはお腹に耳がある。
昆虫の鼻は触覚である。
昆虫の舌は口だけではなく足の裏にもある。ハエが前足を舐めているのはそのため。
昆虫の温度感覚はほとんどが触覚であるが、コオロギなどの一部の昆虫は触覚ではなく前足や口器が温度を感じ取っている。
脳
人の脳は、大脳、間脳、中脳、小脳、延髄の5つの部分で出来ている。
脳の右側は左半身の、脳の左側は右半身の運動を調節している。
最も発達している大脳の表面は、神経細胞の細胞体で構成される灰白質の皮質でできており、大脳の内部は神経線維で構成される白質の髄質でできている。ちょっと煮玉子っぽいカラーリングである。
大脳
感覚や感情・精神の中枢。いわゆる“意識”(『インサイド・ヘッド』)は全てここにある。
間脳
内臓などの働きを調整する自律神経の中枢。
中脳
眼球運動や姿勢などを調整する。
小脳より小さくて矛盾を感じるが、中脳の中は大きさではなく位置が中くらいから来ているらしい。
小脳
運動時に筋肉の働きを調整する。
また平衡感覚の中枢でもあるため、バランス感覚がモノを言う魚類や鳥類では小脳が極めて発達している。
延髄
呼吸や嚥下、心臓の中枢。生命の維持に重要な働きを担っているため、ここが破壊されると生物は死ぬ。某猪木のプロレス技はそう言う意味でまさに必殺技。
脊髄
こいつは脳ではないんだけど、反射の中枢。また、うんち、おしっこ、発汗の働きを担当する。
自律神経
脳や延髄、脊髄などをまとめて中枢神経というが、その中枢神経と、内臓や血液、腺をつなぐ神経が自律神経。
実は自律神経は大脳に支配されていない。だから自律って言うんだけど。
自律神経には脊髄から出る交感神経と、中脳・延髄・脊髄から出る副交感神経の二種類があるが、どちらも間脳が黒幕となって支配している。
面白いのは交感神経と副交感神経の働きが綺麗に正反対なことで、ほとんどの内蔵には交感神経と副交感神経の両方があるため、うまくバランスがとられている。
例えば交感神経は心臓の拍動を促進し、血圧を上昇させ、呼吸を促進し、消化を抑制し、排尿を抑制する。副交感神経はこれの逆を行なう。
消化酵素
消化を促進する物質。作用する相手が決まっている基質特異性、酵素自身は化学反応の前後では変化しない触媒作用が大きな特徴である。
基本的に温度が高ければ高いほど反応速度は上がるが、タンパク質で出来ているため70度を超える高温になると機能を失って(失活)しまう。
またそれぞれの酵素によって最も働くペーハーが決まっている。
デンプンの分解
唾液の中に含まれる消化酵素のアミラーゼ(プリアチン)によってデンプンは分解されるが、いきなりブドウ糖にまでは細かくできない。
アミラーゼは300個以上のブドウ糖がつながったデンプンを、適当に切断したデキストリンと、ブドウ糖二個ずつに切断した麦芽糖(マルトース)にまでしか分解できない。
唾液で麦芽糖にまで分解できなかったデキストリンは、すい液に含まれるアミラーゼ(アミロプシン)で麦芽糖にされ、麦芽糖は小腸でマルターゼという消化酵素によってブドウ糖にまで分解、やっと小腸の毛細血管に取り込まれる。
すい液
三大栄養素全て(+核酸)を分解できることで有名な消化液。
デンプン担当のお馴染みアミラーゼの他、脂肪を分解するリパーゼ、タンパク質をペプチドに分解するトリプシン、そのペプチドをアミノ酸にまで分解するペプチターゼ、核酸を分解するヌクレアーゼがすい液中に含まれている。
ミネラル
科学的な言葉で言うと無機塩類という。
酸とアルカリが中和して出来たものを塩(えん)と言うが、そのうち無機物からできたものを指す。
体液の浸透圧を調整するナトリウムイオン、細胞の浸透圧を調整するカリウムイオン、血液凝固や筋肉の収縮、骨の成分になるカルシウム、遺伝子や歯、骨の成分になる他、代謝のエネルギーに使われるリン、赤血球の成分になる鉄、細胞の代謝率を上げる甲状腺ホルモンの成分になるヨウ素などが有名。
ビタミン
三大栄養素以外の有機化合物の総称。
実はビタミンそのものは体を作る材料やエネルギー源にはならない。しかし体内の化学変化を調整するため、ビタミンを取ると風邪に負けなかったりする。
ABC・・・とアルファベットで識別されているが、これは名づけた順番を表す。しかし必ずしも発見順じゃないし、ビタミンKなどはドイツ語で凝結を表すKoagulationsの頭文字をつけちゃったのでかなりややこしい。
またビタミンBなどは複数の化合物だったためB1、B2と分解された・・・がB3やB4などは間違ってつけてしまったため、いきなりB6、B12と飛んでしまう。
Aは目にいい。レバーやあん肝に多く含まれる。
B1は炭水化物や脂肪の酸化・吸収の促進。豚肉やうなぎなど。
B2は細胞呼吸や発育の促進。神経作用の正常化。レバーやキャビアなど。
Cは細胞呼吸や骨、歯の発育促進。アセロラや緑黄色野菜。
Dは骨、歯の発育促進。あん肝など。
Eは精子、胎盤の形成促進、老化防止。あん肝やアーモンドなど。
Fは皮膚にいい。不飽和脂肪酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸などの必須脂肪酸。
Kは血を固める。納豆や緑黄色野菜、のりなど。
ちなみにビタミンDAKEは脂溶性で使い切れなかった分は肝臓などに蓄積されていくので摂り過ぎに注意する。また水溶性ビタミンでもCなどはサプリメントなどで取りすぎると危険だという。
肝臓
ヒトの内臓器官の中でも最も巨大。沈黙の臓器と呼ばれるように、セガール並みのタフガイだが、以下のような重要な働きをたくさんしているので、無理をさせすぎて悪くすると命に関わる。
①ブドウ糖をグリコーゲンに変えて貯蔵し、必要に応じて再びブドウ糖に変えて血液中に送り出す。
②アミノ酸の一部をグリコーゲンや脂肪に変えて貯蔵する。
③ブドウ糖やアミノ酸を脂肪に作り変える。
④血液成分を作り、古くなった赤血球は破壊する。
⑤体内に入った有毒物質を解毒する。
⑥古くなった赤血球やコレステロールから胆汁を作り胆管に分泌させる。
⑦二酸化炭素とアンモニアから尿素を合成する。
⑧熱を発生させて体温を保つ。
血漿
血液の液体の部分。
栄養分や不要物などの運搬、血小板と協力して血液の凝固作用などを行う(血漿には血液凝固に関係するフィブリノーゲンやプロトロンビンが含まれているため)。
また血漿には免疫グロブリンが含まれている。
赤血球
骨髄で作られる細胞の一種。
赤血球が赤い原因はヘモグロビンという鉄を含む色素のせいで、この色素は酸素が多い場所では酸素と結合し酸素ヘモグロビンになり、酸素が少ない場所では酸素を手放しヘモグロビンに戻る性質がある。
ちなみにヒトの赤血球は中央が凹んだ円盤状の形をしている。また哺乳類の赤血球には核がない。
白血球
色素を持たない血球の総称で、そのため形や大きさは一定ではない。
大型の白血球は骨髄、小型の白血球は脾臓やリンパ腺で作られる。
白血球は細胞の形を変えてアメーバ運動を行うことができ、細菌を捕まえ食べてしまう。
血小板
血小板は骨髄中にある巨大核細胞の破片で、そのため形は一定しておらず核はない。
赤血球の寿命は3~4ヶ月だが、血小板は2、3日で壊れてしまう。
組織液
血漿が毛細血管から細胞と細胞のあいだに染み出たもの。
よって成分的には血漿と一緒。
組織液は、血液と細胞の間における物質のやり取りの仲立ちをする。
リンパ液
組織液の一部は毛細血管に戻らずに、リンパ管という別の管に入り新たな人生を始めてしまう。この時の液体をリンパ漿という。
リンパ管の中には、脾臓やリンパ腺で作られた小型の白血球のリンパ球があり、このリンパ球とリンパ漿を合わせてリンパ液という。
リンパ液も元は血漿なので組織液と同じく、成分は血漿とほとんど一緒。
リンパ液は組織液が運んできた物質を静脈に運ぶ働きがある。また小腸が吸収した脂肪やビタミンA、Dなどの栄養分を運搬する。リンパ液のリンパ球は食作用をする。
ちなみに「リンパ」とはラテン語で「澄んだ水」という意味。私は「ドクター・カール・リンパ」みたいな人がいたのかと思ってました。
貧血
生体中の鉄の60~70%は、赤血球のヘモグロビンを構成するヘム鉄(機能鉄)で、残りの鉄は骨髄や肝臓、脾臓に蓄えられている(貯蔵鉄)。
血中の鉄が不足すると、これらの貯蔵鉄が鉄不足を補うために放出され、それでも足りない場合(出血など)は鉄欠乏性貧血が起こる。
鉄欠乏性貧血になると、だるさや動悸、息切れ、めまい、食欲不振、頭重感を感じ、免疫力も低下するので粘膜が弱まり、口角炎などの合併症も起きる。
ちなみに鉄は、ビタミンCやタンパク質と一緒に朝食の30分前に摂取すると、より吸収が高まる。
血清
ほかの動物に病気を引き起こす抗原を注射し、体内で抗体を作らせた後、その血液を採取、凝固し、上澄みをもらうのが血清。厳密には免疫血清とか抗血清とか言う。
血清療法は19世紀末に北里柴三郎とベーリングが開発した。当時は共同受賞という形式がなかっため、結局ノーベル医学賞はドイツのベーリングのみが受賞したが、彼は「北里がいなかったらこの研究結果はなかった」とコメントしている。
輸血
血液は、種類の違うものを混ぜると血球がくっついてしまう(凝集)。
だから基本的に輸血は同じ血液型で行う。
しかし私の血液型であるO型は、どの血液型の輸血にも使える(凝集が起きない)。
ちなみに最もレアな血液型のAB型は、すべての血液型の人から輸血してもらえる。いいな。
逆にO型はO型の血液じゃないと助からない。
心臓の自動性
心臓の拍動は自律神経によって制御されているが、神経を切断しても動き続ける性質がある。つまり心臓の筋肉は骨格筋とは異なり、神経からの命令がなくても動かすことができる。その原因は右心房にある洞房結節という筋肉が自発的に収縮を繰り返すから。
心臓の拍動のペースはこの筋肉が作っているのでペースメーカーと呼ばれている。
中学2年生理科第1分野覚え書き
2015-07-03 13:59:51 (9 years ago)
お久しぶりです。いや~毎週金曜日はブログの日!みたくなっちゃっているなあ。先週の週末に一応『マッドマックス フューリーロード』を映画館で観たんだけど、まあ久々に“画”だけで充分面白い映画を観たし(面白い度☆5)、これはもう実際に映画館で見やがれヒャッハーって感じなんで、感想の記事は割愛します。人食い男爵は乳首ピアスを触る時めっちゃいい表情をする。(C)どっかのツイート
さて、ということで、今回は中学2年生の物理学と化学をおさらい。おそらく理科嫌いの中学生にとっては最もいやらしい部分。計算問題を出題しやすいからね。
電気の利用
電気回路の法則や、発電の原理である電磁誘導、そして静電気の仕組みを学習する単元。私たちの文明的な生活にめちゃくちゃ関わっている分野ではなかろうか。
帯電列
摩擦によって電子を失いやすい物質と失いにくい物質を並べたもの。
プラスに帯電しやすいもの(つまり電子を奪われやすい)から、ガラス、毛皮、紙、エボナイト(硬いゴム)、ポリスチレン、アクリル、ポリプロピレン、ポリエチレン。
バンデグラフ
あの古畑任三郎にも登場した静電気発生装置だが、なんとバンデグラフさんという人が作ったという、まさかの人名。パンタグラフやヒエログリフも人名なのだろうか・・・
ゴムのベルトをアクリルのローラーにベルトコンベアの要領で猛スピードで擦りつけ、そこで発生した静電気を装置上部の金属球の内部に運搬していく。
説明書によると最大10~15万ボルトもの静電気を帯電できるらしい。
コピー機
静電気を利用した代表例的な機器。
コピー機はまず、セットされた原稿に強い光を当てる。
その時の反射光はプラスに帯電した感光板(カメラのフィルムに近い)に当たるようになっていて、原稿の白い部分は反射光が強く、原稿の黒い部分は反射光が弱いから、感光板には原稿の黒い部分にだけ電気が帯電している状態になる(静電気は強い光を与えると逃げてしまう)。
ここにマイナスの電気を帯電させたトナーのインクが、感光板のプラスの電気が帯電している部分(つまり黒い部分)にくっつき、さらにそこに印刷用の紙を高温で当てると、原稿がコピーできるというわけ。
電気の速度
その昔『電光超人グリッドマン』って特撮番組があって、電話回線の中をグリッドマンが電気になって流れていく映像があったんだけど、アイツのせいで私は電気に対する間違ったイメージを植えつけられたと思う(※番組自体は面白かった)。
電気の正体はJJトムソンの実験によって電子だとされている。つまり電気の速度=電子の速度ということになる。しかし実を言うと導線を流れるすべての電子の平均速度は1Aあたり秒速0.1ミリ程度である(ドリフト速度)。つまりグリッドマンはカタツムリよりも遅い。
しかし、スイッチをつければ電気は瞬時に付く。これはどういうことかというと、実を言うと中学校では電気回路を水路の例えで説明してしまうが(電流を水量、電圧を高低差といったように)電気回路で起こっていることは水路のそれとは大きく違うのである。
スイッチを入れると、導線中の電子が影響を受けることによって、その周囲に電磁場が発生、これが導線中のほかの電子に光の速さで影響を与えることで(いわば全員に号令をかけることで)電気は瞬時に伝わっているのである。
フェルミ速度
スイッチオフの待機状態でも、金属中を自由きままに動き回っている電子(自由電子)一個分の速度のこと。
こちらはかなり速く秒速1600キロメートルだという。しかしみんなでたらめな方向に動いているので、スイッチオフの時の全自由電子の平均速度を出すと0になってしまう。これが電気が流れていない状態というわけである。
電流計
中学校で使うのは大抵が電磁誘導を利用した可動コイル型で、内部に入っているコイルに流れる電流の大きさによって指針が振れるようになっている(モーターの原理とまったく同じ)。
構造は電圧計と同じだが(衝撃の事実)、回路に流れる電流を正確に図るために電流計内の抵抗はできる限り小さく作られている。そのため電池の電極にそのままつないだりしてしまうと、針が振り切れて壊れてしまう。
電圧計
構造は電流計と同じだが(衝撃の事実)、電圧計を並列つなぎをした際に回路に流れる電流の大きさが変化しないように内部の抵抗がとても高く作られている。よって、これを直列につなぐと回路全体の抵抗が上がってほとんど電流が流れなくなってしまう。
ただまあ、なんにせよコイルに流れる電流の大きさから電圧を出す点は電流計と同じで、目盛りのパネルを電流に抵抗をかけた数値のものに差し替えているだけである。
電気抵抗
電流の流れにくさを指す。
導線の抵抗の大きさは、導線の長さが大きくなればなるほど大きくなり、導線の太さが太くなればなるほど小さくなる。つまり狭い道だと渋滞が発生しやすいのと多分同じだ。
また電気抵抗の値は物質によっても決まっている。銀や銅の電気抵抗はほとんど0だが、電熱線に用いられるニッケルとクロムの合金であるニクロム線は電気抵抗が1と大きい。
他にも電球のフィラメントに用いられるタングステンは温度が20℃だと電気抵抗は小さいが、3000℃になると1.23にも上がってしまう。
このように電気抵抗は温度によっても変わる。その理由は、そもそも熱とは原子の振動(熱振動)だからである。原子の振動が激しいと電子がその間を通りにくくなるので電気抵抗は上がってしまうのだ。
超伝導
さて温度が上がると電気抵抗が大きくなるならば、逆に温度を下げれば電気抵抗は小さくなり、ある温度まで下げ続けると最終的にゼロになるんじゃないか?って考えて、水銀の温度を下げて、そこに電気を流してみた人がオランダの物理学者カメルリング・オンネス。
すると、一度電圧を加えて動き出した電子は、その後電圧をゼロにしても止まらない(ずっと電気が流れ続けている)。これを超伝導状態という。
ちなみにこの状態の時に外部から磁場をかけても、一定の強さまではその影響を全く受けない(その磁場を綺麗に相殺する磁場が誘導電流によって即座に発生するから)。これをマイスナー効果という。
オームの法則
ゲオルグ・オームは19世紀のドイツの貧しい物理学者で、学校の教師や家庭教師をしながらボルタ電池の研究を続け、1827年にオームの法則を発表。しかしその論文は当時の学会には認められず、さらに貧しい生活を送り、60歳でとうとう念願の大学教授に就職できたが、そのわずか5年後に亡くなった。
さて、今では全世界の理科の教科書に載っている(と思う)オームの法則だが、この電流は電圧に比例するという法則は、電流や電圧がどんなに大きくても成り立つかというとそうではない。
導線に大きな電圧をかけて大きな電流を流すと、大量の熱(ジュール熱)が発生し、それによって導線の電気抵抗が上がってしまうので電流は流れにくくなってしまう。
つまり中学校の教科書に出てくる綺麗な比例のグラフは、電圧が小さい場合に限られるのだ。
キルヒホッフの第一法則
回路のある点に流れる電流の合計は、その点を通過して出て行く電流の合計と等しい。
キルヒホッフの第二法則
電気が直流回路を一周するとき、電源による電圧上昇の合計は、回路に接続された抵抗器による電圧降下(抵抗×電流)の合計に等しい。つまりほとんどオームの法則。
この法則に従うと、並列回路の電気抵抗は・・・
I=V/Rより・・・➀
並列回路は回路全体の電流は各回路の電流の合計なので
I=I1+I2・・・②
②に➀を代入
I=V/R1+V/R2=(1/R1+1/R2)V
したがって並列の回路の電気抵抗は
1/R=1/R1+1/R2
超高圧送電線
発電所で作られた電気は、18万~110万ボルトという某モンスター並みのとんでもない電圧がかけられ、電柱の上にある変圧器で最終的に100Vまで電圧を下げられ私たちの家庭に送られてくる。
発電所の電流は直流ではなく交流だが、交流は変圧器で電圧を自由に変えられるので、そういう点でも便利なのだ(直流は抵抗器をつけないと電圧が下がらない)。
ちなみに、18万を超える大きな電圧では周りの空気が絶縁体の役目を果たしているので、送電線に接近しただけでも感電してしまう。
化学変化と原子・分子
物質がくっついたり別れたりして全く別の物質に変わってしまうケミカルリアクションを学習する。ちなみに県立入試ではほぼ100%出題されるという超重要分野。
炭酸水素ナトリウム
分解の実験で必ず出てくるやつなんだけど、そもそもこいつは一体何者なんだってのがある。これはいわゆる重曹(重炭酸ソーダ)のことです。シンクの汚れがよく落ちる奴。ソーダ味でお馴染みのソーダはナトリウム化合物を指す。
ちなみにお菓子作りに使うベーキングパウダーの主成分も化学的には全く同じで、小麦粉の中に炭酸水素ナトリウムを混ぜると、加熱時に大量の二酸化炭素が発生するので、パンケーキがふっくら美味しく出来上がります。
ただ炭酸水素ナトリウムが多いと、こいつは加熱するとアルカリ性が強い炭酸ナトリウムになるので苦味が出て、ぶっちゃけまずくなる。
フェノールフタレイン溶液
炭酸水素ナトリウムの熱分解の実験で活躍するアルカリ性を調べるための指示薬。
別にリトマス紙でもBTB溶液でもいいじゃんって感じだが、炭酸水素ナトリウムも、熱分解でできる炭酸ナトリウムもどちらもアルカリ性なので、BTB溶液ではどちらも青になってしまうため、炭酸水素ナトリウムが別の物質に変化したことが分かりにくい。
その点、フェノールフタレイン溶液っていいよな。強いアルカリ性じゃないと赤くならないんだから。
塩化コバルト紙
炭酸水素ナトリウムの加熱分解の実験の時にしか出てこない影の薄いペーパー。水しか調べられない。湿気に非常に敏感で、水に濡らすとブルーがピンクに変わると教科書に書かれているが、水に濡らす前にすでにピンクであることが多い。よって保管するときには乾燥剤のシリカゲルを入れるか、使用直前にドライヤーで湿気を飛ばさなければならない。
物質の燃焼
燃焼とは酸化のうち、火が出ちゃうようなかなり激しい反応のことを言う。
ちなみによく「酸素は燃える気体」と言われるが、正確には燃えているのは酸素に触れ合った物質で、酸素自体は燃えていない。「酸素は物を燃やす気体」なのである(助燃性)。
スチールウール
小学校の実験からお馴染みのやつ。
物質的には鉄(スチール)。なぜこんな毛糸みたいに加工しているかというと、鉄は塊のままでは燃えないのだが、こうして酸素が触れる表面積を増やしてやると空気中でも燃えてくれるため。なので、燃焼実験の際にはかなり“とか”ないと燃えてくれない。
また、実験中けっこう豪快に飛び散るため、燃焼後の質量がむしろ減ることが多く、酸素が化合し重くなることを学生に確認させたい理科教師は、ただ焦る。
赤サビ
空気中に放置された金属にできるサビ。金属をもろくボロボロにさせてしまう。
鉄の場合は弱い磁性がある。化学的には酸化第二鉄(Fe2O3)。
黒サビ
金属が空気中で激しく熱されてできるサビ。
赤サビに比べてかなり緻密な構造なので、かえって金属の内部を保護する。
つまりサビ止めのためのコーティング的として利用される。目には目を、サビにはサビを。
鉄の場合は造岩鉱物の磁鉄鉱となり、磁性がある。化学的には四酸化三鉄(Fe3O4)。
青サビ
銅を水分の多いところに置くとできるサビ。緑青(ろくしょう)とも呼ばれ有毒。
こちらも内部の腐食を防ぐ。
テルミット反応
酸化鉄とアルミニウムを混ぜた物をテルミット(ギリシャ語で熱という意味)といい、これを加熱するとアルミニウムが酸化鉄の酸素を奪う酸化還元反応が起き、この時出る3000℃の熱により、溶けた鉄をゲットすることができる。
この反応は、鉄道のレールの溶接などに利用されている。
実験したい場合は、酸化第二鉄(Fe2O3)1.6グラム、アルミニウム0.6グラムを乳鉢でよく混ぜて、それを点火用のマグネシウムリボンと共に蒸発皿に乗せて着火する。ちょっとした花火(火花もすごい)。
質量保存の法則
化学反応の前後では、その化学変化に関係する物質の質量の合計は変化しないよという法則。
フランスの裕福な(弁護士の家に生まれた)化学者ラボアジエが発見した。
モノ(リンや硫黄など)を燃やすと質量が増えることを発見したラボアジエは、今度は密閉した容器の中でモノを燃焼させた。すると容器全体の重さが変わらなかったことから、容器内の空気が減ったんじゃないかと考えた。
このように、物質の質量に着目し化学変化を研究したラボアジエは化学の父と呼ばれたが、研究も佳境に入ってきた1789年にフランス革命が起き、そのとばっちりを受けて処刑されてしまった。彼は研究資金を得るために、民衆に最も憎まれていた借金取立ての会社(徴税会社)に投資をして利益を得ていたのである。
定比例の法則
銅と酸素が化合するときの質量の比率は4:1、マグネシウムと酸素の場合は3:2と、生成方法には関係なく、一定の比率に必ず決まっているよ、という法則。
こちらはフランスの化学者プルーストが発見した。
授業では、銅とマグネシウムの二種類の金属をガスバーナーで加熱し、どれだけ質量が増加したか(=どれだけの質量の酸素が化合したか)を求めるのだが、ガスバーナーを最強にして10分弱あぶらないとなかなか反応しない。
ただマグネシウムは一度反応すると閃光弾レベルで発火し、また場合によって空気中の酸素ではなく窒素とくっつき質量が期待値よりも減る可能性もある。水で発火もするし、難しい子だなあ。
原子論
この定比例の法則と、先に発表されていたラボアジエの質量保存の法則が、1803年にドルトンが原子論を唱える重要な先行研究となった。
原子論はオームの法則やメンデルの法則とは異なり、割とすんなり当時の学界に受け入れられ、ケミカルの研究は大きく発展した。
分子説
水の電気分解の実験(水素の体積:酸素の体積:水の体積=2:1:2!?)から、現在の分子につながるアイディアをひらめいたのが、当時無名の学者だったイタリアのアボガドロで、酸素の質量が水素の8倍か16倍かで10歳年上のドルトンと論戦を繰り広げた。結局アボガドロの死後、イタリアのカニツァーロの検証によりアボガドロの方に軍配が上がった(16倍だった)。
さて、ということで、今回は中学2年生の物理学と化学をおさらい。おそらく理科嫌いの中学生にとっては最もいやらしい部分。計算問題を出題しやすいからね。
電気の利用
電気回路の法則や、発電の原理である電磁誘導、そして静電気の仕組みを学習する単元。私たちの文明的な生活にめちゃくちゃ関わっている分野ではなかろうか。
帯電列
摩擦によって電子を失いやすい物質と失いにくい物質を並べたもの。
プラスに帯電しやすいもの(つまり電子を奪われやすい)から、ガラス、毛皮、紙、エボナイト(硬いゴム)、ポリスチレン、アクリル、ポリプロピレン、ポリエチレン。
バンデグラフ
あの古畑任三郎にも登場した静電気発生装置だが、なんとバンデグラフさんという人が作ったという、まさかの人名。パンタグラフやヒエログリフも人名なのだろうか・・・
ゴムのベルトをアクリルのローラーにベルトコンベアの要領で猛スピードで擦りつけ、そこで発生した静電気を装置上部の金属球の内部に運搬していく。
説明書によると最大10~15万ボルトもの静電気を帯電できるらしい。
コピー機
静電気を利用した代表例的な機器。
コピー機はまず、セットされた原稿に強い光を当てる。
その時の反射光はプラスに帯電した感光板(カメラのフィルムに近い)に当たるようになっていて、原稿の白い部分は反射光が強く、原稿の黒い部分は反射光が弱いから、感光板には原稿の黒い部分にだけ電気が帯電している状態になる(静電気は強い光を与えると逃げてしまう)。
ここにマイナスの電気を帯電させたトナーのインクが、感光板のプラスの電気が帯電している部分(つまり黒い部分)にくっつき、さらにそこに印刷用の紙を高温で当てると、原稿がコピーできるというわけ。
電気の速度
その昔『電光超人グリッドマン』って特撮番組があって、電話回線の中をグリッドマンが電気になって流れていく映像があったんだけど、アイツのせいで私は電気に対する間違ったイメージを植えつけられたと思う(※番組自体は面白かった)。
電気の正体はJJトムソンの実験によって電子だとされている。つまり電気の速度=電子の速度ということになる。しかし実を言うと導線を流れるすべての電子の平均速度は1Aあたり秒速0.1ミリ程度である(ドリフト速度)。つまりグリッドマンはカタツムリよりも遅い。
しかし、スイッチをつければ電気は瞬時に付く。これはどういうことかというと、実を言うと中学校では電気回路を水路の例えで説明してしまうが(電流を水量、電圧を高低差といったように)電気回路で起こっていることは水路のそれとは大きく違うのである。
スイッチを入れると、導線中の電子が影響を受けることによって、その周囲に電磁場が発生、これが導線中のほかの電子に光の速さで影響を与えることで(いわば全員に号令をかけることで)電気は瞬時に伝わっているのである。
フェルミ速度
スイッチオフの待機状態でも、金属中を自由きままに動き回っている電子(自由電子)一個分の速度のこと。
こちらはかなり速く秒速1600キロメートルだという。しかしみんなでたらめな方向に動いているので、スイッチオフの時の全自由電子の平均速度を出すと0になってしまう。これが電気が流れていない状態というわけである。
電流計
中学校で使うのは大抵が電磁誘導を利用した可動コイル型で、内部に入っているコイルに流れる電流の大きさによって指針が振れるようになっている(モーターの原理とまったく同じ)。
構造は電圧計と同じだが(衝撃の事実)、回路に流れる電流を正確に図るために電流計内の抵抗はできる限り小さく作られている。そのため電池の電極にそのままつないだりしてしまうと、針が振り切れて壊れてしまう。
電圧計
構造は電流計と同じだが(衝撃の事実)、電圧計を並列つなぎをした際に回路に流れる電流の大きさが変化しないように内部の抵抗がとても高く作られている。よって、これを直列につなぐと回路全体の抵抗が上がってほとんど電流が流れなくなってしまう。
ただまあ、なんにせよコイルに流れる電流の大きさから電圧を出す点は電流計と同じで、目盛りのパネルを電流に抵抗をかけた数値のものに差し替えているだけである。
電気抵抗
電流の流れにくさを指す。
導線の抵抗の大きさは、導線の長さが大きくなればなるほど大きくなり、導線の太さが太くなればなるほど小さくなる。つまり狭い道だと渋滞が発生しやすいのと多分同じだ。
また電気抵抗の値は物質によっても決まっている。銀や銅の電気抵抗はほとんど0だが、電熱線に用いられるニッケルとクロムの合金であるニクロム線は電気抵抗が1と大きい。
他にも電球のフィラメントに用いられるタングステンは温度が20℃だと電気抵抗は小さいが、3000℃になると1.23にも上がってしまう。
このように電気抵抗は温度によっても変わる。その理由は、そもそも熱とは原子の振動(熱振動)だからである。原子の振動が激しいと電子がその間を通りにくくなるので電気抵抗は上がってしまうのだ。
超伝導
さて温度が上がると電気抵抗が大きくなるならば、逆に温度を下げれば電気抵抗は小さくなり、ある温度まで下げ続けると最終的にゼロになるんじゃないか?って考えて、水銀の温度を下げて、そこに電気を流してみた人がオランダの物理学者カメルリング・オンネス。
すると、一度電圧を加えて動き出した電子は、その後電圧をゼロにしても止まらない(ずっと電気が流れ続けている)。これを超伝導状態という。
ちなみにこの状態の時に外部から磁場をかけても、一定の強さまではその影響を全く受けない(その磁場を綺麗に相殺する磁場が誘導電流によって即座に発生するから)。これをマイスナー効果という。
オームの法則
ゲオルグ・オームは19世紀のドイツの貧しい物理学者で、学校の教師や家庭教師をしながらボルタ電池の研究を続け、1827年にオームの法則を発表。しかしその論文は当時の学会には認められず、さらに貧しい生活を送り、60歳でとうとう念願の大学教授に就職できたが、そのわずか5年後に亡くなった。
さて、今では全世界の理科の教科書に載っている(と思う)オームの法則だが、この電流は電圧に比例するという法則は、電流や電圧がどんなに大きくても成り立つかというとそうではない。
導線に大きな電圧をかけて大きな電流を流すと、大量の熱(ジュール熱)が発生し、それによって導線の電気抵抗が上がってしまうので電流は流れにくくなってしまう。
つまり中学校の教科書に出てくる綺麗な比例のグラフは、電圧が小さい場合に限られるのだ。
キルヒホッフの第一法則
回路のある点に流れる電流の合計は、その点を通過して出て行く電流の合計と等しい。
キルヒホッフの第二法則
電気が直流回路を一周するとき、電源による電圧上昇の合計は、回路に接続された抵抗器による電圧降下(抵抗×電流)の合計に等しい。つまりほとんどオームの法則。
この法則に従うと、並列回路の電気抵抗は・・・
I=V/Rより・・・➀
並列回路は回路全体の電流は各回路の電流の合計なので
I=I1+I2・・・②
②に➀を代入
I=V/R1+V/R2=(1/R1+1/R2)V
したがって並列の回路の電気抵抗は
1/R=1/R1+1/R2
超高圧送電線
発電所で作られた電気は、18万~110万ボルトという某モンスター並みのとんでもない電圧がかけられ、電柱の上にある変圧器で最終的に100Vまで電圧を下げられ私たちの家庭に送られてくる。
発電所の電流は直流ではなく交流だが、交流は変圧器で電圧を自由に変えられるので、そういう点でも便利なのだ(直流は抵抗器をつけないと電圧が下がらない)。
ちなみに、18万を超える大きな電圧では周りの空気が絶縁体の役目を果たしているので、送電線に接近しただけでも感電してしまう。
化学変化と原子・分子
物質がくっついたり別れたりして全く別の物質に変わってしまうケミカルリアクションを学習する。ちなみに県立入試ではほぼ100%出題されるという超重要分野。
炭酸水素ナトリウム
分解の実験で必ず出てくるやつなんだけど、そもそもこいつは一体何者なんだってのがある。これはいわゆる重曹(重炭酸ソーダ)のことです。シンクの汚れがよく落ちる奴。ソーダ味でお馴染みのソーダはナトリウム化合物を指す。
ちなみにお菓子作りに使うベーキングパウダーの主成分も化学的には全く同じで、小麦粉の中に炭酸水素ナトリウムを混ぜると、加熱時に大量の二酸化炭素が発生するので、パンケーキがふっくら美味しく出来上がります。
ただ炭酸水素ナトリウムが多いと、こいつは加熱するとアルカリ性が強い炭酸ナトリウムになるので苦味が出て、ぶっちゃけまずくなる。
フェノールフタレイン溶液
炭酸水素ナトリウムの熱分解の実験で活躍するアルカリ性を調べるための指示薬。
別にリトマス紙でもBTB溶液でもいいじゃんって感じだが、炭酸水素ナトリウムも、熱分解でできる炭酸ナトリウムもどちらもアルカリ性なので、BTB溶液ではどちらも青になってしまうため、炭酸水素ナトリウムが別の物質に変化したことが分かりにくい。
その点、フェノールフタレイン溶液っていいよな。強いアルカリ性じゃないと赤くならないんだから。
塩化コバルト紙
炭酸水素ナトリウムの加熱分解の実験の時にしか出てこない影の薄いペーパー。水しか調べられない。湿気に非常に敏感で、水に濡らすとブルーがピンクに変わると教科書に書かれているが、水に濡らす前にすでにピンクであることが多い。よって保管するときには乾燥剤のシリカゲルを入れるか、使用直前にドライヤーで湿気を飛ばさなければならない。
物質の燃焼
燃焼とは酸化のうち、火が出ちゃうようなかなり激しい反応のことを言う。
ちなみによく「酸素は燃える気体」と言われるが、正確には燃えているのは酸素に触れ合った物質で、酸素自体は燃えていない。「酸素は物を燃やす気体」なのである(助燃性)。
スチールウール
小学校の実験からお馴染みのやつ。
物質的には鉄(スチール)。なぜこんな毛糸みたいに加工しているかというと、鉄は塊のままでは燃えないのだが、こうして酸素が触れる表面積を増やしてやると空気中でも燃えてくれるため。なので、燃焼実験の際にはかなり“とか”ないと燃えてくれない。
また、実験中けっこう豪快に飛び散るため、燃焼後の質量がむしろ減ることが多く、酸素が化合し重くなることを学生に確認させたい理科教師は、ただ焦る。
赤サビ
空気中に放置された金属にできるサビ。金属をもろくボロボロにさせてしまう。
鉄の場合は弱い磁性がある。化学的には酸化第二鉄(Fe2O3)。
黒サビ
金属が空気中で激しく熱されてできるサビ。
赤サビに比べてかなり緻密な構造なので、かえって金属の内部を保護する。
つまりサビ止めのためのコーティング的として利用される。目には目を、サビにはサビを。
鉄の場合は造岩鉱物の磁鉄鉱となり、磁性がある。化学的には四酸化三鉄(Fe3O4)。
青サビ
銅を水分の多いところに置くとできるサビ。緑青(ろくしょう)とも呼ばれ有毒。
こちらも内部の腐食を防ぐ。
テルミット反応
酸化鉄とアルミニウムを混ぜた物をテルミット(ギリシャ語で熱という意味)といい、これを加熱するとアルミニウムが酸化鉄の酸素を奪う酸化還元反応が起き、この時出る3000℃の熱により、溶けた鉄をゲットすることができる。
この反応は、鉄道のレールの溶接などに利用されている。
実験したい場合は、酸化第二鉄(Fe2O3)1.6グラム、アルミニウム0.6グラムを乳鉢でよく混ぜて、それを点火用のマグネシウムリボンと共に蒸発皿に乗せて着火する。ちょっとした花火(火花もすごい)。
質量保存の法則
化学反応の前後では、その化学変化に関係する物質の質量の合計は変化しないよという法則。
フランスの裕福な(弁護士の家に生まれた)化学者ラボアジエが発見した。
モノ(リンや硫黄など)を燃やすと質量が増えることを発見したラボアジエは、今度は密閉した容器の中でモノを燃焼させた。すると容器全体の重さが変わらなかったことから、容器内の空気が減ったんじゃないかと考えた。
このように、物質の質量に着目し化学変化を研究したラボアジエは化学の父と呼ばれたが、研究も佳境に入ってきた1789年にフランス革命が起き、そのとばっちりを受けて処刑されてしまった。彼は研究資金を得るために、民衆に最も憎まれていた借金取立ての会社(徴税会社)に投資をして利益を得ていたのである。
定比例の法則
銅と酸素が化合するときの質量の比率は4:1、マグネシウムと酸素の場合は3:2と、生成方法には関係なく、一定の比率に必ず決まっているよ、という法則。
こちらはフランスの化学者プルーストが発見した。
授業では、銅とマグネシウムの二種類の金属をガスバーナーで加熱し、どれだけ質量が増加したか(=どれだけの質量の酸素が化合したか)を求めるのだが、ガスバーナーを最強にして10分弱あぶらないとなかなか反応しない。
ただマグネシウムは一度反応すると閃光弾レベルで発火し、また場合によって空気中の酸素ではなく窒素とくっつき質量が期待値よりも減る可能性もある。水で発火もするし、難しい子だなあ。
原子論
この定比例の法則と、先に発表されていたラボアジエの質量保存の法則が、1803年にドルトンが原子論を唱える重要な先行研究となった。
原子論はオームの法則やメンデルの法則とは異なり、割とすんなり当時の学界に受け入れられ、ケミカルの研究は大きく発展した。
分子説
水の電気分解の実験(水素の体積:酸素の体積:水の体積=2:1:2!?)から、現在の分子につながるアイディアをひらめいたのが、当時無名の学者だったイタリアのアボガドロで、酸素の質量が水素の8倍か16倍かで10歳年上のドルトンと論戦を繰り広げた。結局アボガドロの死後、イタリアのカニツァーロの検証によりアボガドロの方に軍配が上がった(16倍だった)。
中学1年生理科第1分野覚え書き
2015-06-26 13:39:25 (9 years ago)
いや~理科の先生なんだけど、なかなか忙しくて理科の勉強をする時間がない。Ohボーイ。とりあえず夏期講習までには中学校の理科の全範囲を網羅しておきたい。
て、ことで中学1年生はこれにて終了!・・・1分野の方が量が少ない??
身近な物理現象
光、音、圧力などの学習単元。そのどれもが具体的な形がないので抽象的でイメージしにくい。特に計算問題が出題されることが多い圧力が苦手な子が多い。
光
電磁波の一種。電磁波は基本的に見えないが、光だけは目に見える。
電磁波は物質ではなくて“現象”であるため、質量(動かしにくさ)がない。よって光速度で進むことができるし、音でいう空気や水のように媒介する物もいらないため、宇宙空間などの真空でも伝わる。
また、電磁波はエネルギーと運動量を持つ。赤外線が暖かいのもそのため。
光の屈折
「光が曲がること」と説明してしまうとカーブを描くようなイメージをしてしまうことがあるので(光は直進する)、「光が折れること」と教えたほうがいい。
なぜ光が空気中から水中(もしくはガラス)に突入するとこのような現象が起きるかというと、光は水中やガラスの中だと、物質中の分子に吸収(&再放射)されることにより減速してしまうからである。
光が水中との境界へ斜めに突入する場合、水中と近い部分から減速していくので、まるで戦車の片方のキャタピラーを減速させると進行方向が変わるように、光の進む向きが変わる。なぜかミリタリー例え。
ちなみに光は水中だと本来の速さ(秒速30万キロ)の75%ほどしかスピードが出せない。
光の速さを回転鏡を使った実験で求めたのはフーコーである。同じ速度で回転する鏡に反射した光でできる像のズレを求めれば、鏡の回転速度から光の速さが求められる。
プリズム
光はガラスに斜めに入射すると屈折をするため、三角形のガラスに光を当てると入る時と出て行く時で二回屈折することになる。
さらに、光は七色の色をすべて足すと加法混色で白くなるが、各色は屈折率が違うため(紫が最も大きく、赤が最も小さい)、白い光をプリズムに通すと白い光が分光され、スペクトル(虹)ができる。
全反射
物質によって光の屈折率は決まっているが、水中の場合は入射角が48度以上になると、屈折角が90度を超えて水中から脱出できなくなる。これを全反射といい、このときの限界の角度を臨界角という。
応用例としては石英ガラスでできた光ファイバーケーブルが挙げられる。ガラスの臨界角は40度ほど。
ちなみに臨界角を求めるスネルの法則により、空気中から水中に光が進む場合、水中の屈折率のほうが空気中のそれよりも高いので全反射は起きない。
臨界角=出て行く側の物質の屈折率n2/こちら側の物質の屈折率n1
※ただしn1>n2に限る。
レイリー散乱
光が、その波長よりも小さい粒子とぶつかることで起きる散乱。光の散乱は粒子の中心から外向きに球状波として発生する。
空が青く見える理由は、太陽光が大気中の酸素や窒素の粒子にぶつかることで、青い光を散乱させるからである。
ペットボトルに水を入れ、数滴牛乳を垂らし(乳脂肪を混ぜる)、底から白い光を出すライトを当てると、ペットボトルの中は青く光る。
ちなみに、この状態でキャップの方向からペットボトルを覗くと、光は黄色く見える。これが夕焼けである。観測者の光源との距離が大きくなると、青い光はほとんどなくなり、散乱しにくい波長の長い光(黄~赤)が届く。
鏡
ガラス(表)と鉄(裏)の板の間に、薄い銀の膜を挟んで作られている。
銀は金属の中でも最も光の反射率が高く(ほぼ100%)、そのため鏡に利用されているが、かなり高価。
音の速さ
音は光と異なり疎密波(縦波)で、媒体さえあれば水中でも進んでいく。一方、光は横波だが、正体は電磁波なので媒質を必要としない。だから宇宙空間でも伝わる。
また、音は空気中では一秒に340メートルの速さで進んでいくが、光と違って、水中ではスピードアップして、速さは5倍になる。さらに金属などの剛体になると、スピードは空気中の15倍になる。
工事現場のコンクリートを砕いたりする音が、すごい響くのはそのため。
ちなみに、音の速さは正確には、媒質の密度ではなく、体積弾性率というものによって決まる。圧力p、体積Vの流体にΔpの圧力を加えた時に、減った流体の体積(Δv)を体積弾性率といい、この値が空気よりも金属や水の方が高いために、金属や水の方が音の伝わる速度が速い。
さらに、音は気温が高くなればなるほど速度が上がる。具体的には、0℃で秒速331メートルを基準に、1℃気温が上がるごとに秒速0.6メートルずつ速くなる。
ドップラー効果
一定の音を出す物体(音源)が、近づいてきたり遠ざかったりすると、音の波長が変化し、近づいてくる場合は高く、遠ざかっていく場合は低く聞こえる現象。
救急車のサイレンがわかりやすいのでそれを例にする。
救急車の速度をvs、サイレンの振動数(つまり音の高さ)をf、サイレンの音が観測者に最初に届いた秒数をt、音速をVとする。ただしこの時風は吹いていない。
さて、ある場所からサイレンを鳴らし始めた救急車が、A地点に静止している観測者の方へB地点までt秒で接近したとする。
この時、AB間の距離は、速さ×時間で求めればいいのでVt(音がt秒間に進んだ距離)-vst(救急車がt秒間に進んだ距離)となる。
AB間の距離=Vt-vst
音源はt秒間の間にf×t個の波を送っているので、AB間にはft個の波が存在している。
この時の波長λ'(一周期=1セットの波が進む距離のこと)は音速÷振動数(無線や電波などの場合は周波数)で求められるので、V÷f・・・ではなく、音と共にBの距離まで救急車もvsの速度で移動してしまっているので、その分、音の速さは相対的に下がる。よって(V-vs)÷fということになる。
λ'=(V-vs)÷f
次に、音の振動数は、一定時間に何周期の波があるかということなので、一秒間に音が進む距離とも考えられる音速を波長で割ればよい。したがってA地点で観測者が聞く音の振動数f'は音速÷波長なのでV÷{(V-vs)÷f}、これを計算すると・・・
f'={V÷(V-vs)}×f
となり、このf'の値は、もともとのサイレンの振動数fよりも大きくなるため、観測者には実際よりも高い音に聞こえる。※V÷(V-vs)は1よりでかいから。
ちなみに、観測者にはこの音が距離÷速さでt(V-vs)÷V秒間聞こえることになる。
まとめ
音速=波長×振動数
波長=音速÷振動数
振動数=音速÷波長
実は最初の式は中学校によってはテストで使ったりする。
音速は速さでもあるけれど、道のりとしても使えるというところがポイント。
圧力の計算
圧力は接地している面積が大きければ大きいほど小さく(ピアノの足の下に置く板など)、接地している面積が小さければ小さいほど大きくなる(釘など)。
従って圧力(Pa)は物体にかかる力の大きさ(N)÷面積(㎡)で算出できる。
ちなみに1Nは100gの質量の物体にかかる力の大きさなので、ほぼ重さと考えて良い。
ここでもっとも重要なのがPaを求める際には面積の単位を㎡にしなければならないということで、よく1メートルは100センチだから、平方センチメートルから平方メートルにする際も小数点を2つ左に移動させればよいと考えてしまう人がいるが、面積の場合は4つ移動させなければならない。
これがクリアー出来てもそもそも小数の計算そのものが間違いやすいので、面積の単位をそのままにして、むしろNのほうを10000倍して計算したほうが手堅かったりする。
身の回りの物質
状態変化や密度、溶解度、そしてガスバーナーやメスシリンダー、上皿てんびんなどの実験器具の使い方を学習する。
金属の磁性
たいていの金属は磁石につきそうだが、実は常温状態で磁性を持つ金属はごく少数派で、鉄、コバルト、ニッケルくらいである、ちなみにこれはすべて地球の中心部にある元素で、地球が大きな磁石であることが分かる。
ちなみに現在流通している日本の硬貨はすべて磁石につかない。鉄はさびやすいし、コバルトは高価ということで不使用、ニッケルは金属アレルギーへの配慮ということでわずかにしか使われていない。
1円玉はアルミニウム、5円玉は黄銅と亜鉛の合金、10円玉は青銅と亜鉛と錫の合金、50円玉と100円玉は白銅とニッケルの合金、500円玉は銅と亜鉛とわずかなニッケルの合金。
黄銅(真鍮)は銅と亜鉛の合金、青銅は銅と錫の合金、白銅は銅とニッケルの合金。
プラスチックの分類
脱ゆとりで追加された分野。似たような名前の奴(ポリ~)ばっかりですごい覚えにくい。
ポリエチレン(PE)はいわゆるビニール袋に使われる素材で、ほかにもバケツなどにも使われる。水に浮く性質がある。
ポリエチレンテレフタラート(PET)はペットボトルの素材。透明性に優れる。水に沈む。
ポリ塩化ビニル(PVC)は燃えにくく、弾力性と光沢がある(脂ぎってるイメージ)。消しゴムやホース、水道管、電線に使われる。水に沈む。
ポリスチレン(PS)はコンビニのおでんのケースや、カップ麺やヨーグルトのカップ、CDケースやプラモデルなどに使われる、おなじみのあれ。軽いが水に沈む。電気をためる。ポリエチレンテレフタラート同様、透明性に優れるが、硬く、傷つきやすい。消ゴムで溶けるオレだから…また、曲げようとすると割れる。
ポリプロピレン(PP)は比重が最も軽いため水に浮き、耐熱性があり、強度もある。ペットボトルのキャップはこっちでできている。だからゴミ分別にうるさい地域だとペットボトル本体とは別に回収する。絵の具のパレットやお風呂用品もこれでできている。ポリエチレンとキャラが被るがこちらはミルク色のイメージがある。
ポリエステル(PL)は吸湿性が少なく(乾きやすい)シワになりにくいということでYシャツなどの衣服に使われている。綿との合成繊維として用いられることも多い。静電気をためるのが難点で、水に沈む。
ちなみにポリエチレンテレフタラートはポリエステルの一種。
密度のグラフ問題
この中で密度が最も大きいものはどれですか?や、密度が同じ物質はどれとどれですか?みたいな問題は、それぞれの点を原点と結んでグラフを作ってしまえば一目瞭然となる。
このときグラフの傾きが最も大きいものが密度が最も大きい物質。グラフの傾きが最も小さいものが密度が最も小さい物質。そして同じグラフ上に乗っている点が密度が同じ物質の組み合わせとなる。よっていちいち計算する必要はない。
沸騰石
ケミカルストーンとも言う。急な沸騰(突沸)を防ぐために入れる石だが、よくよく考えるとこいつを入れたら何で急な沸騰が防げるかは、あまり学校では教えない。
実は純粋な水だとなかなか沸騰が起きず、ある時いきなり堆積が急膨張し、でかい泡ができてしまう。そこで表面に無数の穴がある(=表面積の大きい)沸騰石を入れ、その表面に小さな泡がくっついてあげられるようにしてあげている(泡を分散させている)。
だから表面にたくさんの穴さえ開いていれば別にガラスでもなんでもいいらしい。お前の代わりはたくさんいるんだ。
て、ことで中学1年生はこれにて終了!・・・1分野の方が量が少ない??
身近な物理現象
光、音、圧力などの学習単元。そのどれもが具体的な形がないので抽象的でイメージしにくい。特に計算問題が出題されることが多い圧力が苦手な子が多い。
光
電磁波の一種。電磁波は基本的に見えないが、光だけは目に見える。
電磁波は物質ではなくて“現象”であるため、質量(動かしにくさ)がない。よって光速度で進むことができるし、音でいう空気や水のように媒介する物もいらないため、宇宙空間などの真空でも伝わる。
また、電磁波はエネルギーと運動量を持つ。赤外線が暖かいのもそのため。
光の屈折
「光が曲がること」と説明してしまうとカーブを描くようなイメージをしてしまうことがあるので(光は直進する)、「光が折れること」と教えたほうがいい。
なぜ光が空気中から水中(もしくはガラス)に突入するとこのような現象が起きるかというと、光は水中やガラスの中だと、物質中の分子に吸収(&再放射)されることにより減速してしまうからである。
光が水中との境界へ斜めに突入する場合、水中と近い部分から減速していくので、まるで戦車の片方のキャタピラーを減速させると進行方向が変わるように、光の進む向きが変わる。なぜかミリタリー例え。
ちなみに光は水中だと本来の速さ(秒速30万キロ)の75%ほどしかスピードが出せない。
光の速さを回転鏡を使った実験で求めたのはフーコーである。同じ速度で回転する鏡に反射した光でできる像のズレを求めれば、鏡の回転速度から光の速さが求められる。
プリズム
光はガラスに斜めに入射すると屈折をするため、三角形のガラスに光を当てると入る時と出て行く時で二回屈折することになる。
さらに、光は七色の色をすべて足すと加法混色で白くなるが、各色は屈折率が違うため(紫が最も大きく、赤が最も小さい)、白い光をプリズムに通すと白い光が分光され、スペクトル(虹)ができる。
全反射
物質によって光の屈折率は決まっているが、水中の場合は入射角が48度以上になると、屈折角が90度を超えて水中から脱出できなくなる。これを全反射といい、このときの限界の角度を臨界角という。
応用例としては石英ガラスでできた光ファイバーケーブルが挙げられる。ガラスの臨界角は40度ほど。
ちなみに臨界角を求めるスネルの法則により、空気中から水中に光が進む場合、水中の屈折率のほうが空気中のそれよりも高いので全反射は起きない。
臨界角=出て行く側の物質の屈折率n2/こちら側の物質の屈折率n1
※ただしn1>n2に限る。
レイリー散乱
光が、その波長よりも小さい粒子とぶつかることで起きる散乱。光の散乱は粒子の中心から外向きに球状波として発生する。
空が青く見える理由は、太陽光が大気中の酸素や窒素の粒子にぶつかることで、青い光を散乱させるからである。
ペットボトルに水を入れ、数滴牛乳を垂らし(乳脂肪を混ぜる)、底から白い光を出すライトを当てると、ペットボトルの中は青く光る。
ちなみに、この状態でキャップの方向からペットボトルを覗くと、光は黄色く見える。これが夕焼けである。観測者の光源との距離が大きくなると、青い光はほとんどなくなり、散乱しにくい波長の長い光(黄~赤)が届く。
鏡
ガラス(表)と鉄(裏)の板の間に、薄い銀の膜を挟んで作られている。
銀は金属の中でも最も光の反射率が高く(ほぼ100%)、そのため鏡に利用されているが、かなり高価。
音の速さ
音は光と異なり疎密波(縦波)で、媒体さえあれば水中でも進んでいく。一方、光は横波だが、正体は電磁波なので媒質を必要としない。だから宇宙空間でも伝わる。
また、音は空気中では一秒に340メートルの速さで進んでいくが、光と違って、水中ではスピードアップして、速さは5倍になる。さらに金属などの剛体になると、スピードは空気中の15倍になる。
工事現場のコンクリートを砕いたりする音が、すごい響くのはそのため。
ちなみに、音の速さは正確には、媒質の密度ではなく、体積弾性率というものによって決まる。圧力p、体積Vの流体にΔpの圧力を加えた時に、減った流体の体積(Δv)を体積弾性率といい、この値が空気よりも金属や水の方が高いために、金属や水の方が音の伝わる速度が速い。
さらに、音は気温が高くなればなるほど速度が上がる。具体的には、0℃で秒速331メートルを基準に、1℃気温が上がるごとに秒速0.6メートルずつ速くなる。
ドップラー効果
一定の音を出す物体(音源)が、近づいてきたり遠ざかったりすると、音の波長が変化し、近づいてくる場合は高く、遠ざかっていく場合は低く聞こえる現象。
救急車のサイレンがわかりやすいのでそれを例にする。
救急車の速度をvs、サイレンの振動数(つまり音の高さ)をf、サイレンの音が観測者に最初に届いた秒数をt、音速をVとする。ただしこの時風は吹いていない。
さて、ある場所からサイレンを鳴らし始めた救急車が、A地点に静止している観測者の方へB地点までt秒で接近したとする。
この時、AB間の距離は、速さ×時間で求めればいいのでVt(音がt秒間に進んだ距離)-vst(救急車がt秒間に進んだ距離)となる。
AB間の距離=Vt-vst
音源はt秒間の間にf×t個の波を送っているので、AB間にはft個の波が存在している。
この時の波長λ'(一周期=1セットの波が進む距離のこと)は音速÷振動数(無線や電波などの場合は周波数)で求められるので、V÷f・・・ではなく、音と共にBの距離まで救急車もvsの速度で移動してしまっているので、その分、音の速さは相対的に下がる。よって(V-vs)÷fということになる。
λ'=(V-vs)÷f
次に、音の振動数は、一定時間に何周期の波があるかということなので、一秒間に音が進む距離とも考えられる音速を波長で割ればよい。したがってA地点で観測者が聞く音の振動数f'は音速÷波長なのでV÷{(V-vs)÷f}、これを計算すると・・・
f'={V÷(V-vs)}×f
となり、このf'の値は、もともとのサイレンの振動数fよりも大きくなるため、観測者には実際よりも高い音に聞こえる。※V÷(V-vs)は1よりでかいから。
ちなみに、観測者にはこの音が距離÷速さでt(V-vs)÷V秒間聞こえることになる。
まとめ
音速=波長×振動数
波長=音速÷振動数
振動数=音速÷波長
実は最初の式は中学校によってはテストで使ったりする。
音速は速さでもあるけれど、道のりとしても使えるというところがポイント。
圧力の計算
圧力は接地している面積が大きければ大きいほど小さく(ピアノの足の下に置く板など)、接地している面積が小さければ小さいほど大きくなる(釘など)。
従って圧力(Pa)は物体にかかる力の大きさ(N)÷面積(㎡)で算出できる。
ちなみに1Nは100gの質量の物体にかかる力の大きさなので、ほぼ重さと考えて良い。
ここでもっとも重要なのがPaを求める際には面積の単位を㎡にしなければならないということで、よく1メートルは100センチだから、平方センチメートルから平方メートルにする際も小数点を2つ左に移動させればよいと考えてしまう人がいるが、面積の場合は4つ移動させなければならない。
これがクリアー出来てもそもそも小数の計算そのものが間違いやすいので、面積の単位をそのままにして、むしろNのほうを10000倍して計算したほうが手堅かったりする。
身の回りの物質
状態変化や密度、溶解度、そしてガスバーナーやメスシリンダー、上皿てんびんなどの実験器具の使い方を学習する。
金属の磁性
たいていの金属は磁石につきそうだが、実は常温状態で磁性を持つ金属はごく少数派で、鉄、コバルト、ニッケルくらいである、ちなみにこれはすべて地球の中心部にある元素で、地球が大きな磁石であることが分かる。
ちなみに現在流通している日本の硬貨はすべて磁石につかない。鉄はさびやすいし、コバルトは高価ということで不使用、ニッケルは金属アレルギーへの配慮ということでわずかにしか使われていない。
1円玉はアルミニウム、5円玉は黄銅と亜鉛の合金、10円玉は青銅と亜鉛と錫の合金、50円玉と100円玉は白銅とニッケルの合金、500円玉は銅と亜鉛とわずかなニッケルの合金。
黄銅(真鍮)は銅と亜鉛の合金、青銅は銅と錫の合金、白銅は銅とニッケルの合金。
プラスチックの分類
脱ゆとりで追加された分野。似たような名前の奴(ポリ~)ばっかりですごい覚えにくい。
ポリエチレン(PE)はいわゆるビニール袋に使われる素材で、ほかにもバケツなどにも使われる。水に浮く性質がある。
ポリエチレンテレフタラート(PET)はペットボトルの素材。透明性に優れる。水に沈む。
ポリ塩化ビニル(PVC)は燃えにくく、弾力性と光沢がある(脂ぎってるイメージ)。消しゴムやホース、水道管、電線に使われる。水に沈む。
ポリスチレン(PS)はコンビニのおでんのケースや、カップ麺やヨーグルトのカップ、CDケースやプラモデルなどに使われる、おなじみのあれ。軽いが水に沈む。電気をためる。ポリエチレンテレフタラート同様、透明性に優れるが、硬く、傷つきやすい。消ゴムで溶けるオレだから…また、曲げようとすると割れる。
ポリプロピレン(PP)は比重が最も軽いため水に浮き、耐熱性があり、強度もある。ペットボトルのキャップはこっちでできている。だからゴミ分別にうるさい地域だとペットボトル本体とは別に回収する。絵の具のパレットやお風呂用品もこれでできている。ポリエチレンとキャラが被るがこちらはミルク色のイメージがある。
ポリエステル(PL)は吸湿性が少なく(乾きやすい)シワになりにくいということでYシャツなどの衣服に使われている。綿との合成繊維として用いられることも多い。静電気をためるのが難点で、水に沈む。
ちなみにポリエチレンテレフタラートはポリエステルの一種。
密度のグラフ問題
この中で密度が最も大きいものはどれですか?や、密度が同じ物質はどれとどれですか?みたいな問題は、それぞれの点を原点と結んでグラフを作ってしまえば一目瞭然となる。
このときグラフの傾きが最も大きいものが密度が最も大きい物質。グラフの傾きが最も小さいものが密度が最も小さい物質。そして同じグラフ上に乗っている点が密度が同じ物質の組み合わせとなる。よっていちいち計算する必要はない。
沸騰石
ケミカルストーンとも言う。急な沸騰(突沸)を防ぐために入れる石だが、よくよく考えるとこいつを入れたら何で急な沸騰が防げるかは、あまり学校では教えない。
実は純粋な水だとなかなか沸騰が起きず、ある時いきなり堆積が急膨張し、でかい泡ができてしまう。そこで表面に無数の穴がある(=表面積の大きい)沸騰石を入れ、その表面に小さな泡がくっついてあげられるようにしてあげている(泡を分散させている)。
だから表面にたくさんの穴さえ開いていれば別にガラスでもなんでもいいらしい。お前の代わりはたくさんいるんだ。
中学1年生理科第2分野覚え書き
2015-06-19 16:58:44 (9 years ago)
なかなか学習塾の仕事が忙しくて、平日には勉強の時間的余裕がないので(深夜番組すら終わっているほどの深夜に帰宅)休日にまとめて理科を再確認。
とりあえず今回は中学1年生の第2分野をおさらい。大学では生物学と地学の単位を優先して取得するので(単位上限で一度に全部履修できなかった)。
微生物の観察
顕微鏡の使い方を覚える。大抵は学校にある観察池の緑色の水を採取する。この水はバイキンだらけでお調子者が飲んだらホントにヤバイので注意。
観察する池の水は、プランクトンネットを使ってあらかじめ微生物を濃縮する。このネットは市販では一万円とかするが、パンティストッキングとペットボトルとフィルムケースで自作できたりする。
プランクトン
浮遊生物。泳げない。泳げても小さいので水の流れに負けて漂っている。
ネクトン
遊泳生物。泳げる。魚などの動物が該当する。
ベントス
底生生物。貝やウニなど。サンゴなどの全く動けない固着生物も含む。
ニューストン
水面生物。アメンボなど。
ツルグレン装置
上から光を当てて、光が嫌いな小さな土壌生物をふるい分ける装置。
ペットボトルとガーゼと電気スタンドがあれば簡単に作れる。
装置の下部には光を嫌ってガーゼを通過し落下した生物を殺すためのエタノールや水を入れておく。
この水の量を増やすと、水の中を泳ぐ系の生物を捕まえられるベールマン装置になる。こちらは、フリーズドライ状態になれば、高温(100℃)、低温(ほぼ絶対零度)、高圧(75000気圧)、真空、放射能なにに対してもしぶといと言われる、あのクマムシを捕獲できる。クマムシは乾いたコケ(コンクリートの隙間のギンゴケなど)に生息する。
クマムシを観察する場合は、双眼実体顕微鏡(×20)の方が立体視ができて鮮明に見える。
光合成の対照実験
光合成に必要なものが日光と葉緑体であることを確認する実験。中学1年の1学期の定期試験では極めてよく出題される。ちなみに根、地下茎、花では光合成は行われない。
アルミニウム
葉に日光が当たらないようにするために葉の一部をこれで覆う。この実験を最初に行ったのは19世紀のドイツの植物学者ユリウス・ザックスで、そこからザックスの実験とも呼ばれる。
ちなみにザックスは突然変異の研究で有名なド・フリースの師匠。
エタノール
葉を脱色させるために使用する。沸点が78℃と低いため、直接加熱すると引火する危険性がある。そこでレトルトカレーのように湯煎して温める。
漂白剤
叩き染めで葉を脱色する際に使用する。小学校だとこっちの方法で実験することが多い。ろ紙で葉をはさんで上からハンマーでドンドン叩けるので小学生には楽しい。
この時のろ紙にヨウ素液を加えると青紫色に反応する。
炭酸水素ナトリウム
試験管にオオカナダモやタンポポを入れて光合成を行わせる実験の際に一緒に入れる。別に入れなくても良いが、炭酸水素ナトリウムは水に混ぜると二酸化炭素を発生させるので光合成がさらにさかんになる。
デンプンの性質
光合成によって葉に作られた糖はデンプンに合成されるが、デンプンの粒は大きく水に溶けにくいので、水溶性のショ糖に分解して師管を通じて夜間に運ばれる。
だがイネやエンドウなど一部の植物は何故か昼にショ糖を輸送する。
BTB溶液
中学校の理科の指示薬を用いる問題ではトップクラスに出てくる。なんでかっていうと、アルカリ性、中性、酸性と全ての水溶液の性質を色の変化で示してくれて、すごい使い勝手がいいからなんだけれど、一体お前はそもそも何性で何色の溶液なんだっていう、変身系ミュータントキャラ特有のミステリーがある。実はBTB溶液は元々はアルカリ性で、よって青が基本カラーとなる。
もっと言えばBTB溶液のBTBとはブロモ・チモール・ブルーの略で、こいつは水に溶けにくい性質があり、それを溶かすためにアルカリ性のエタノールを用いているから、アルカリ性の水溶液となっている。
フェノールフタレイン液
こちらはアルカリ性しか調べられないタイプの指示薬。
もともとは無色だがアルカリ性に反応すると赤くなる・・・ここまでが中学校の理科で教える範囲だが、なんと衝撃的な事実。pH13を超えるめちゃくちゃ強いアルカリ性だと再び無色に戻るらしい。さらにpH0を下回るめちゃくちゃ強い酸性だとオレンジ色になってしまう。
植物のからだのつくり
植物の根、茎、葉などの構造について学習する。
ゆとり教育時には種子植物だけだったが、時は流れ、シダ、コケ、海藻まで覚えさせられることになった(仮根とか)。
葉のつき方
互生(互い違い)、対生(双葉状)、輪生(取り囲み型)がある。
海綿状組織
葉の裏側にある細胞がまばらなエリア。表側の柵状組織に比べてスペースが豊富に有りスカスカなのは、葉の裏側に気体の出入り口の気孔がたくさんあり、気体の出入りが盛んなため。
道管
根から取り入れられた水の通り道。植物体が作り出した栄養分の通り道である師管と合わせて維管束という。
道管はすでに死んだ細胞で作られていて固く、植物体を直立させるための大黒柱的な役割も果たしている。木部とも言う。
気孔の位置
気孔とは一言で言えば植物にある気体の出入り口。葉の裏側にたくさんあると中学校では習うが、葉の表側にも、そして若い茎や花びらの表皮にもあることはあまり知られていない。
気孔の開閉
気孔は、昼間や気温が高いとき、体内に水分がある時に開く。
そして、夜間や曇りや雨、晴れていても湿度が低く乾燥している時には閉じる。
夜間に閉じるのは光合成を行なわないため、そして曇りや雨の時に閉じるのは特に水分を必要としないから、乾燥しているときに閉じるのは体内の水分を守るためである。
孔辺細胞
気孔を構成する三日月状の二つの細胞。水を吸うと膨らみ、それによって気孔が開くような仕組みになっている。この時に蒸散が行われ、植物内部の水分は気孔を通じて水蒸気として外部へ放出される。すると潜熱によって温度が下がるので、蒸散は植物の体温調節にも役立っている。木陰が涼しいのはこのため。
蒸散のメカニズム
蒸散のメカニズムはディクソンが以下のような説を唱えている。
まず気孔が開くと植物内部の水分が逃げ、細胞の内液の濃度が相対的に上がっていく。すると浸透圧の関係で、内液濃度の高い細胞が水分を引っ張り出す。この時の力は10~20気圧ほどである。
これにより水分の移動が活発化し、水分を吸収した根は内圧が高まり、この力によっても水は押し上げられる。これを根圧といい2~3気圧ほどの力がある。
さらに水にはお互いの粒が繋がろうとする強い力(凝集力)があるので、これにより水は途切れずに機械的に吸い上がっていく。凝集力の力はマジで強力で200気圧以上の力がないと引き離せない。
このような力によって高さ100メートルを超える巨木(セコイア)も頂上までしっかり水が吸い上げられている。ちなみに1気圧の力は10メートルの高さまで水を吸い上げられる。
蒸散の実験
この実験もよく出るのだが、難しい記述問題として「茎を水中で切るのはなぜでしょう?」みたいなものがある。
その理由は、空気中で切ると気圧に押されて切り口から道管内部に空気が入り、水が途切れてしまうからである。こうなると空気より下の水が蒸散(凝集力)で引っ張れなくなってしまい枯れてしまうのだ。これは花屋で買った花を切って花瓶に生ける時にも用いれられているテクニックである。
火を噴く大地
タイトルがかっこいいが、要は火山の学習単元。
マグマと溶岩の違い
ぶっちゃけほとんど一緒なのだが、マグマは地下にある超高温の液状物質の総称。
溶岩は地表に流れ出したマグマ、もしくはそれが冷えて固まったものを指す。
地表に流れ出たマグマ…もとい、溶岩は900~1200℃にもなり、600~700℃になるとやがて固まり始める。
溶岩の性質
二酸化ケイ素(SiO2)の量で変わる。
二酸化ケイ素の量が多いと粘り気が強く、白っぽくなる。これを酸性岩という。
二酸化ケイ素の量が少ないと粘り気が弱く、黒っぽくなる。これを塩基性岩という。
ちなみに造岩鉱物の石英の化学式はSiO2で二酸化ケイ素である。
同質異像
同じ原子で出来ているが原子の並び方が違うために、異なる性質を持つ物質を言う。
例えばどちらも同じ炭素で出来ているダイヤモンドと鉛筆の芯(セキボク)は、前者がモース硬度が10、後者が1~2である。
ガラス
原子が規則正しく並んで結晶になっていない鉱物を指す言葉。つまり非結晶(アモルファス)のこと。
ガラス工房に行くと分かるけど、ドロドロの液状の物質を急冷すると作れる。分子構造が液状のまま固化したため、水のように透明で光を通してくれる。
揺れる大地
こちらのタイトルもかっこいいが、要は地震の学習。県立入試問題では長らく大問で出題されることはなかったが、昨年度ついに大問で出題され受験生に激震が走った。
アスペリティ
地震が起きた時に大きくずれる領域のこと。大陸プレートと海洋プレートの接触面に存在する。
マグニチュード
地震の規模を表す単位。複雑な対数関数で算出するらしいが、だいたいマグニチュードが1上がるとそのエネルギーは32倍になる。
震度計
地面についたローラーと、宙に浮いていて自由に可動する重りのセットで出来ている。
ローラーには用紙が巻かれ、重りには針がついていてその先がペンになっている。
左右の揺れ(P波。地学では縦揺れと呼ぶので注意!)を測る震度計の重りは振り子状に、上下の揺れ(S波。地学では横揺れと呼ぶので注意!)を測る震度計の重りはバネ状になっている。
震源距離
地震の震源地を特定する際に最初に求めるデータで、中学生の理科でも計算問題としてたびたび出題される。
ちなみに震源距離の計算には大森公式という便利な公式があって、初期微動継続時間に定数のkをかければ求められる。kはだいたい7.5。
震央
震源地の真上の地点のことで、この震央を求めないと震源の深さが計算できない。
震央は、任意の3つの地点から震源距離を半径とする3つの円をコンパスで描き、それぞれ円の交点を結んで引かれる3本の弦がぶつかった場所を求めればよい。
震源の深さ
これがわかればいよいよ震源地がわかる。
計算方法は三平方の定理でOK。
つまり・・・震源の深さの二乗=震源距離の二乗-震央までの距離の二乗。
スラブ内地震
深い場所で発生する地震は沈み込むプレート(スラブ)の内部でほとんど発生し、それは面状に分布する。この深発地震面は和達清夫によって明らかにされたことから、和達ベニオフ帯と呼ばれる。
スラブの断面を見ると地震が発生するエリアは二重に重なっており、上の方は沈み込み方向に圧縮され、下の方は沈み込み方向に引っ張られている。これを二重深発地震面という。
深発地震についてはまだ分かっていないことが多い。超高温高圧下では、地震を起こすために必要なひずみを蓄えることはできないとされているが、実際には深さ700キロメートルでも地震が発生しており、さらに深さ600キロメートルで地震活動は活発になっている。
これは深さ600キロメートル付近で岩石が壊れやすいからだと考えられているが、なぜこの深さで岩石が壊れやすくなるかはわかっていない。
アウターライズ地震
スラブが大陸プレートの下へ沈みこもうとして山折りに折れ曲がった部分をアウターライズ(海溝外縁隆起帯)という。
プレートの沈み込みによってできるひずみはアウターライズにも蓄積されるため、プレート境界地震のあとにはアウターライズが引き裂かれて破壊され地震が起こることがある。
この場合プレート上面には正断層ができることが多い。
陸地から離れた場所で起こる地震であるため、陸地での振動は少ないが、発生する津波は大きい特徴がある。
311においても余震として発生し、アウターライズが折れて正断層が生まれている。
シュードタキライト
地震発生時の断層面に発生する大きな摩擦熱によって岩石が溶けてガラス化したものをいう。
断層面にある黒い帯状のシュードタキライトをみつけることで過去に起きた地震を知ることができる。
とりあえず今回は中学1年生の第2分野をおさらい。大学では生物学と地学の単位を優先して取得するので(単位上限で一度に全部履修できなかった)。
微生物の観察
顕微鏡の使い方を覚える。大抵は学校にある観察池の緑色の水を採取する。この水はバイキンだらけでお調子者が飲んだらホントにヤバイので注意。
観察する池の水は、プランクトンネットを使ってあらかじめ微生物を濃縮する。このネットは市販では一万円とかするが、パンティストッキングとペットボトルとフィルムケースで自作できたりする。
プランクトン
浮遊生物。泳げない。泳げても小さいので水の流れに負けて漂っている。
ネクトン
遊泳生物。泳げる。魚などの動物が該当する。
ベントス
底生生物。貝やウニなど。サンゴなどの全く動けない固着生物も含む。
ニューストン
水面生物。アメンボなど。
ツルグレン装置
上から光を当てて、光が嫌いな小さな土壌生物をふるい分ける装置。
ペットボトルとガーゼと電気スタンドがあれば簡単に作れる。
装置の下部には光を嫌ってガーゼを通過し落下した生物を殺すためのエタノールや水を入れておく。
この水の量を増やすと、水の中を泳ぐ系の生物を捕まえられるベールマン装置になる。こちらは、フリーズドライ状態になれば、高温(100℃)、低温(ほぼ絶対零度)、高圧(75000気圧)、真空、放射能なにに対してもしぶといと言われる、あのクマムシを捕獲できる。クマムシは乾いたコケ(コンクリートの隙間のギンゴケなど)に生息する。
クマムシを観察する場合は、双眼実体顕微鏡(×20)の方が立体視ができて鮮明に見える。
光合成の対照実験
光合成に必要なものが日光と葉緑体であることを確認する実験。中学1年の1学期の定期試験では極めてよく出題される。ちなみに根、地下茎、花では光合成は行われない。
アルミニウム
葉に日光が当たらないようにするために葉の一部をこれで覆う。この実験を最初に行ったのは19世紀のドイツの植物学者ユリウス・ザックスで、そこからザックスの実験とも呼ばれる。
ちなみにザックスは突然変異の研究で有名なド・フリースの師匠。
エタノール
葉を脱色させるために使用する。沸点が78℃と低いため、直接加熱すると引火する危険性がある。そこでレトルトカレーのように湯煎して温める。
漂白剤
叩き染めで葉を脱色する際に使用する。小学校だとこっちの方法で実験することが多い。ろ紙で葉をはさんで上からハンマーでドンドン叩けるので小学生には楽しい。
この時のろ紙にヨウ素液を加えると青紫色に反応する。
炭酸水素ナトリウム
試験管にオオカナダモやタンポポを入れて光合成を行わせる実験の際に一緒に入れる。別に入れなくても良いが、炭酸水素ナトリウムは水に混ぜると二酸化炭素を発生させるので光合成がさらにさかんになる。
デンプンの性質
光合成によって葉に作られた糖はデンプンに合成されるが、デンプンの粒は大きく水に溶けにくいので、水溶性のショ糖に分解して師管を通じて夜間に運ばれる。
だがイネやエンドウなど一部の植物は何故か昼にショ糖を輸送する。
BTB溶液
中学校の理科の指示薬を用いる問題ではトップクラスに出てくる。なんでかっていうと、アルカリ性、中性、酸性と全ての水溶液の性質を色の変化で示してくれて、すごい使い勝手がいいからなんだけれど、一体お前はそもそも何性で何色の溶液なんだっていう、変身系ミュータントキャラ特有のミステリーがある。実はBTB溶液は元々はアルカリ性で、よって青が基本カラーとなる。
もっと言えばBTB溶液のBTBとはブロモ・チモール・ブルーの略で、こいつは水に溶けにくい性質があり、それを溶かすためにアルカリ性のエタノールを用いているから、アルカリ性の水溶液となっている。
フェノールフタレイン液
こちらはアルカリ性しか調べられないタイプの指示薬。
もともとは無色だがアルカリ性に反応すると赤くなる・・・ここまでが中学校の理科で教える範囲だが、なんと衝撃的な事実。pH13を超えるめちゃくちゃ強いアルカリ性だと再び無色に戻るらしい。さらにpH0を下回るめちゃくちゃ強い酸性だとオレンジ色になってしまう。
植物のからだのつくり
植物の根、茎、葉などの構造について学習する。
ゆとり教育時には種子植物だけだったが、時は流れ、シダ、コケ、海藻まで覚えさせられることになった(仮根とか)。
葉のつき方
互生(互い違い)、対生(双葉状)、輪生(取り囲み型)がある。
海綿状組織
葉の裏側にある細胞がまばらなエリア。表側の柵状組織に比べてスペースが豊富に有りスカスカなのは、葉の裏側に気体の出入り口の気孔がたくさんあり、気体の出入りが盛んなため。
道管
根から取り入れられた水の通り道。植物体が作り出した栄養分の通り道である師管と合わせて維管束という。
道管はすでに死んだ細胞で作られていて固く、植物体を直立させるための大黒柱的な役割も果たしている。木部とも言う。
気孔の位置
気孔とは一言で言えば植物にある気体の出入り口。葉の裏側にたくさんあると中学校では習うが、葉の表側にも、そして若い茎や花びらの表皮にもあることはあまり知られていない。
気孔の開閉
気孔は、昼間や気温が高いとき、体内に水分がある時に開く。
そして、夜間や曇りや雨、晴れていても湿度が低く乾燥している時には閉じる。
夜間に閉じるのは光合成を行なわないため、そして曇りや雨の時に閉じるのは特に水分を必要としないから、乾燥しているときに閉じるのは体内の水分を守るためである。
孔辺細胞
気孔を構成する三日月状の二つの細胞。水を吸うと膨らみ、それによって気孔が開くような仕組みになっている。この時に蒸散が行われ、植物内部の水分は気孔を通じて水蒸気として外部へ放出される。すると潜熱によって温度が下がるので、蒸散は植物の体温調節にも役立っている。木陰が涼しいのはこのため。
蒸散のメカニズム
蒸散のメカニズムはディクソンが以下のような説を唱えている。
まず気孔が開くと植物内部の水分が逃げ、細胞の内液の濃度が相対的に上がっていく。すると浸透圧の関係で、内液濃度の高い細胞が水分を引っ張り出す。この時の力は10~20気圧ほどである。
これにより水分の移動が活発化し、水分を吸収した根は内圧が高まり、この力によっても水は押し上げられる。これを根圧といい2~3気圧ほどの力がある。
さらに水にはお互いの粒が繋がろうとする強い力(凝集力)があるので、これにより水は途切れずに機械的に吸い上がっていく。凝集力の力はマジで強力で200気圧以上の力がないと引き離せない。
このような力によって高さ100メートルを超える巨木(セコイア)も頂上までしっかり水が吸い上げられている。ちなみに1気圧の力は10メートルの高さまで水を吸い上げられる。
蒸散の実験
この実験もよく出るのだが、難しい記述問題として「茎を水中で切るのはなぜでしょう?」みたいなものがある。
その理由は、空気中で切ると気圧に押されて切り口から道管内部に空気が入り、水が途切れてしまうからである。こうなると空気より下の水が蒸散(凝集力)で引っ張れなくなってしまい枯れてしまうのだ。これは花屋で買った花を切って花瓶に生ける時にも用いれられているテクニックである。
火を噴く大地
タイトルがかっこいいが、要は火山の学習単元。
マグマと溶岩の違い
ぶっちゃけほとんど一緒なのだが、マグマは地下にある超高温の液状物質の総称。
溶岩は地表に流れ出したマグマ、もしくはそれが冷えて固まったものを指す。
地表に流れ出たマグマ…もとい、溶岩は900~1200℃にもなり、600~700℃になるとやがて固まり始める。
溶岩の性質
二酸化ケイ素(SiO2)の量で変わる。
二酸化ケイ素の量が多いと粘り気が強く、白っぽくなる。これを酸性岩という。
二酸化ケイ素の量が少ないと粘り気が弱く、黒っぽくなる。これを塩基性岩という。
ちなみに造岩鉱物の石英の化学式はSiO2で二酸化ケイ素である。
同質異像
同じ原子で出来ているが原子の並び方が違うために、異なる性質を持つ物質を言う。
例えばどちらも同じ炭素で出来ているダイヤモンドと鉛筆の芯(セキボク)は、前者がモース硬度が10、後者が1~2である。
ガラス
原子が規則正しく並んで結晶になっていない鉱物を指す言葉。つまり非結晶(アモルファス)のこと。
ガラス工房に行くと分かるけど、ドロドロの液状の物質を急冷すると作れる。分子構造が液状のまま固化したため、水のように透明で光を通してくれる。
揺れる大地
こちらのタイトルもかっこいいが、要は地震の学習。県立入試問題では長らく大問で出題されることはなかったが、昨年度ついに大問で出題され受験生に激震が走った。
アスペリティ
地震が起きた時に大きくずれる領域のこと。大陸プレートと海洋プレートの接触面に存在する。
マグニチュード
地震の規模を表す単位。複雑な対数関数で算出するらしいが、だいたいマグニチュードが1上がるとそのエネルギーは32倍になる。
震度計
地面についたローラーと、宙に浮いていて自由に可動する重りのセットで出来ている。
ローラーには用紙が巻かれ、重りには針がついていてその先がペンになっている。
左右の揺れ(P波。地学では縦揺れと呼ぶので注意!)を測る震度計の重りは振り子状に、上下の揺れ(S波。地学では横揺れと呼ぶので注意!)を測る震度計の重りはバネ状になっている。
震源距離
地震の震源地を特定する際に最初に求めるデータで、中学生の理科でも計算問題としてたびたび出題される。
ちなみに震源距離の計算には大森公式という便利な公式があって、初期微動継続時間に定数のkをかければ求められる。kはだいたい7.5。
震央
震源地の真上の地点のことで、この震央を求めないと震源の深さが計算できない。
震央は、任意の3つの地点から震源距離を半径とする3つの円をコンパスで描き、それぞれ円の交点を結んで引かれる3本の弦がぶつかった場所を求めればよい。
震源の深さ
これがわかればいよいよ震源地がわかる。
計算方法は三平方の定理でOK。
つまり・・・震源の深さの二乗=震源距離の二乗-震央までの距離の二乗。
スラブ内地震
深い場所で発生する地震は沈み込むプレート(スラブ)の内部でほとんど発生し、それは面状に分布する。この深発地震面は和達清夫によって明らかにされたことから、和達ベニオフ帯と呼ばれる。
スラブの断面を見ると地震が発生するエリアは二重に重なっており、上の方は沈み込み方向に圧縮され、下の方は沈み込み方向に引っ張られている。これを二重深発地震面という。
深発地震についてはまだ分かっていないことが多い。超高温高圧下では、地震を起こすために必要なひずみを蓄えることはできないとされているが、実際には深さ700キロメートルでも地震が発生しており、さらに深さ600キロメートルで地震活動は活発になっている。
これは深さ600キロメートル付近で岩石が壊れやすいからだと考えられているが、なぜこの深さで岩石が壊れやすくなるかはわかっていない。
アウターライズ地震
スラブが大陸プレートの下へ沈みこもうとして山折りに折れ曲がった部分をアウターライズ(海溝外縁隆起帯)という。
プレートの沈み込みによってできるひずみはアウターライズにも蓄積されるため、プレート境界地震のあとにはアウターライズが引き裂かれて破壊され地震が起こることがある。
この場合プレート上面には正断層ができることが多い。
陸地から離れた場所で起こる地震であるため、陸地での振動は少ないが、発生する津波は大きい特徴がある。
311においても余震として発生し、アウターライズが折れて正断層が生まれている。
シュードタキライト
地震発生時の断層面に発生する大きな摩擦熱によって岩石が溶けてガラス化したものをいう。
断層面にある黒い帯状のシュードタキライトをみつけることで過去に起きた地震を知ることができる。
消費者問題覚え書き
2015-05-20 01:43:44 (9 years ago)
-
カテゴリタグ:
- 社会学
消費者問題
消費者が商品を購入したことで受ける被害や不利益の問題。
誇大広告、有害薬品や食品、欠陥住宅、医療ミス、悪徳商法など。
森永ヒ素ミルク事件
1955年。ヒ素の混入した粉ミルクを飲んだ乳幼児に多数の死者や中毒者が出た事件。
スモン病事件
1955~1970年。整腸剤キノホルムを服用した人に知覚障害などが出た事件。
サリドマイド事件
1961年。睡眠薬サリドマイドを服用した妊婦から障害児が生まれた事件。
カネミ油症事件
1968年。PCBが混入した油を摂取した人々に障害が発生し、多数の死者が出た事件。
HIV訴訟和解勧告
1995年。輸入された非加熱血液製剤によってエイズになってしまった血友病の患者さんたちが厚生省や医薬品メーカーのミドリ十字を相手に裁判を起こした薬剤エイズ訴訟に、裁判所から和解(患者一人当たりに4500万円を支払う)が勧告された。
この運動には泉谷しげるさんや小林よしのり先生も関わった。原告は川田龍平さん。
病原性大腸菌O-157食中毒事件
1996年。岡山県の学校給食での集団食中毒事件を発端に話題になった。
これを受けて菅さんはカイワレ大根のサラダを一生懸命食べていた。
BSE問題
2001年。BSEとは牛海綿状脳症の略で、プリオンタンパク質に感染した牛の脳がスポンジ状になってしまう病気のこと。この病気にかかった牛が国内でも2001年9月に発見されて大騒ぎになった。2003年にはアメリカでBSEに感染した食用牛が確認されたため、政府はアメリカ産牛肉の輸入をストップ、これにより吉野家は牛丼の販売を中止、代わりに豚丼を販売することになった。すき家はどうだったんだっけ・・・なか卯は豚丼だった。
シンドラー社エレベーター事故
2006年。エレベーターを降りようとした男子高校生が、急上昇したエレベーターに挟まって死んでしまった事件。その後の捜査でシンドラー社製のエレベーターは各地でタワーオブテラー的な問題を起こしていることが発覚し騒然となった。
NOVA事件
2007年。有名な英会話教室だったNOVAが突然破綻した。受講生の返金や講師の給料の未払などが問題になった。一説には『銀と金』のような仕手戦もあったらしい。
中国冷凍ギョウザ問題
2008年。中国から輸入される食品の衛生管理はちゃんとしているのか?と食の安全性が疑われることになった。中国の人もその実態を否定せずに「これが中国の生き様」みたいなことを発言したため、日中の意識の違いが浮き彫りとなった。
リーマンショック
2008年9月。アメリカ第4位の投資銀行だったリーマンブラザーズが破綻し、世界的な金融パニックが巻き起こった。ちゃんと借金を返済できるか不安な所得の低い人に(最終的に)高金利の住宅ローンを組ませ、それを金融商品化したサブプライムローンが、住宅バブル崩壊で焦げ付いたことが原因だと言われている。
貴金属等の訪問買取り被害
2010年。自宅にスーツを着た人が押しかけ、「今が最高値です!」と金目のものを市場価格よりも安く買い取ってしまう問題。
こんにゃくゼリー欠陥なし判決
2010年。喉につっかえて窒息してしまう事故が度々取り沙汰されたこんにゃくゼリーだったが、製品そのものには欠陥は無いと裁判所は判断した。マンナンライフなどの販売メーカーは商品表示で「一気食いせずに一口ずつゆっくり噛んで食べましょう」といった注意喚起を促している。ちなみに海外では全面禁止されているらしい。最近ではクラッシュタイプなんていうのもある。
生食用牛肉集団食中毒事件
2011年。これにより馬刺しも危ないんじゃないかと生食用の肉全体の安全性が心配された。
焼肉屋さんで生肉を焼く場合はお箸じゃなくてトングを使いましょう。
地上デジタル放送完全移行
2011年7月。アナログ放送が完全に終了した。これにより旧型のテレビは地デジチューナーをつけないと本当に何の番組も見れなくなった。おのれ草なぎ剛とシカ。これをきっかけにテレビを卒業した人もいたとかいなかったとか。
安愚楽牧場破綻事件
2011年。国産黒毛和牛の繁殖牛のオーナーを募集し(その牛が子牛を生むとお金がもらえる)、全国で7万人以上のオーナーを集めたが、東日本大震災による放射性セシウムの影響で、オーナーに利益金を支払う前に経営破綻してしまった。
大々的なテレビCMをやっておきながら経営が行きづまっていることを出資者に隠したため、豊田商事を超える悪徳詐欺事件として世間を賑わせた。
コンプガチャ問題
2012年。ソーシャルゲームの電子的な景品でプレイヤーに課金をさせるのは独占禁止法違反(判断能力が未熟なちびっこの射幸心を煽る点が独禁法が禁止する不公正な取引に該当する)なんじゃないかと問題になった。
阪急阪神ホテル食品偽装事件
2013年。名門ホテルで出されていた料理の内容がメニューで書かれていたものとは違っていたことが発覚した事件(フレッシュオレンジジュースがフレッシュじゃなかったとか)。その後芋づる式に他の飲食店チェーンや弁当屋でも発覚し、まとめて食材偽装事件と呼ばれるようになった。
消費者運動
このような問題に対して消費者は消費者団体を作って欠陥商品を告発したり、消費生活協同組合を結成し共同購入で値下げを図った。
消費者主権
1962年のケネディ大統領の特別教書に基づく、生産のあり方はメーカーではなく消費者が最終的に決めるという考え方。
ケネディ大統領は、安全を求める権利、知らされる権利、選ぶ権利、意見を反映させる権利という消費者の4つの権利を宣言し、消費者主権を確立させた。
消費者基本法
1968年に制定された消費者保護基本法が2004年にグレードアップしたもの。
従来は消費者の保護を目的としていたが、消費者の自立支援に目的を転換させている。
2009年には消費者庁も設立されている。
クーリングオフ
1994年制定。頭を冷やすという意味。訪問販売や割賦販売(分割払い)での契約を一定期間内であれば違約金なしで解約できる制度。民法の契約原則を修正したもの。
製造物責任法(PL法)
欠陥商品を出したメーカーは例え過失(不注意)がなくてもその責任を負うという法律。
民法の過失責任主義を修正したもの。
消費者がメーカー側の過失を法的、論理的に立証するのは極めて困難なため。消費者は「この商品を使用したらこれこれこういう被害を受けた」ということさえ証明すればよい。
消費者契約法
2000年制定。ウソや強引な勧誘による契約の取り消し、消費者に一方的に不利な契約条項の無効を定める。
2014年の10大項目(国民生活センターのサイトから)
①高齢者の消費者被害が多く、認知症等の被害者も目立っている。
②事業者からの個人情報の大量流出事件発生(ベネッセなど)。
③公的機関(国民生活センターなど)をかたる詐欺的勧誘が急増。
④食の安全と信頼が脅かされる事件が相次いだことによる相談の増加。
⑤インターネット通販などのネット関連トラブルの増加。
⑥遠隔操作によるプロバイダ変更勧誘トラブルの急増。
⑦若者の投資関連トラブルが拡大。
⑧子どもの事故。
⑨消費税が8%にアップしたことへの相談。
⑩消費者関連法規の改正により地方消費者行政の基盤を強化。
消費者が商品を購入したことで受ける被害や不利益の問題。
誇大広告、有害薬品や食品、欠陥住宅、医療ミス、悪徳商法など。
森永ヒ素ミルク事件
1955年。ヒ素の混入した粉ミルクを飲んだ乳幼児に多数の死者や中毒者が出た事件。
スモン病事件
1955~1970年。整腸剤キノホルムを服用した人に知覚障害などが出た事件。
サリドマイド事件
1961年。睡眠薬サリドマイドを服用した妊婦から障害児が生まれた事件。
カネミ油症事件
1968年。PCBが混入した油を摂取した人々に障害が発生し、多数の死者が出た事件。
HIV訴訟和解勧告
1995年。輸入された非加熱血液製剤によってエイズになってしまった血友病の患者さんたちが厚生省や医薬品メーカーのミドリ十字を相手に裁判を起こした薬剤エイズ訴訟に、裁判所から和解(患者一人当たりに4500万円を支払う)が勧告された。
この運動には泉谷しげるさんや小林よしのり先生も関わった。原告は川田龍平さん。
病原性大腸菌O-157食中毒事件
1996年。岡山県の学校給食での集団食中毒事件を発端に話題になった。
これを受けて菅さんはカイワレ大根のサラダを一生懸命食べていた。
BSE問題
2001年。BSEとは牛海綿状脳症の略で、プリオンタンパク質に感染した牛の脳がスポンジ状になってしまう病気のこと。この病気にかかった牛が国内でも2001年9月に発見されて大騒ぎになった。2003年にはアメリカでBSEに感染した食用牛が確認されたため、政府はアメリカ産牛肉の輸入をストップ、これにより吉野家は牛丼の販売を中止、代わりに豚丼を販売することになった。すき家はどうだったんだっけ・・・なか卯は豚丼だった。
シンドラー社エレベーター事故
2006年。エレベーターを降りようとした男子高校生が、急上昇したエレベーターに挟まって死んでしまった事件。その後の捜査でシンドラー社製のエレベーターは各地でタワーオブテラー的な問題を起こしていることが発覚し騒然となった。
NOVA事件
2007年。有名な英会話教室だったNOVAが突然破綻した。受講生の返金や講師の給料の未払などが問題になった。一説には『銀と金』のような仕手戦もあったらしい。
中国冷凍ギョウザ問題
2008年。中国から輸入される食品の衛生管理はちゃんとしているのか?と食の安全性が疑われることになった。中国の人もその実態を否定せずに「これが中国の生き様」みたいなことを発言したため、日中の意識の違いが浮き彫りとなった。
リーマンショック
2008年9月。アメリカ第4位の投資銀行だったリーマンブラザーズが破綻し、世界的な金融パニックが巻き起こった。ちゃんと借金を返済できるか不安な所得の低い人に(最終的に)高金利の住宅ローンを組ませ、それを金融商品化したサブプライムローンが、住宅バブル崩壊で焦げ付いたことが原因だと言われている。
貴金属等の訪問買取り被害
2010年。自宅にスーツを着た人が押しかけ、「今が最高値です!」と金目のものを市場価格よりも安く買い取ってしまう問題。
こんにゃくゼリー欠陥なし判決
2010年。喉につっかえて窒息してしまう事故が度々取り沙汰されたこんにゃくゼリーだったが、製品そのものには欠陥は無いと裁判所は判断した。マンナンライフなどの販売メーカーは商品表示で「一気食いせずに一口ずつゆっくり噛んで食べましょう」といった注意喚起を促している。ちなみに海外では全面禁止されているらしい。最近ではクラッシュタイプなんていうのもある。
生食用牛肉集団食中毒事件
2011年。これにより馬刺しも危ないんじゃないかと生食用の肉全体の安全性が心配された。
焼肉屋さんで生肉を焼く場合はお箸じゃなくてトングを使いましょう。
地上デジタル放送完全移行
2011年7月。アナログ放送が完全に終了した。これにより旧型のテレビは地デジチューナーをつけないと本当に何の番組も見れなくなった。おのれ草なぎ剛とシカ。これをきっかけにテレビを卒業した人もいたとかいなかったとか。
安愚楽牧場破綻事件
2011年。国産黒毛和牛の繁殖牛のオーナーを募集し(その牛が子牛を生むとお金がもらえる)、全国で7万人以上のオーナーを集めたが、東日本大震災による放射性セシウムの影響で、オーナーに利益金を支払う前に経営破綻してしまった。
大々的なテレビCMをやっておきながら経営が行きづまっていることを出資者に隠したため、豊田商事を超える悪徳詐欺事件として世間を賑わせた。
コンプガチャ問題
2012年。ソーシャルゲームの電子的な景品でプレイヤーに課金をさせるのは独占禁止法違反(判断能力が未熟なちびっこの射幸心を煽る点が独禁法が禁止する不公正な取引に該当する)なんじゃないかと問題になった。
阪急阪神ホテル食品偽装事件
2013年。名門ホテルで出されていた料理の内容がメニューで書かれていたものとは違っていたことが発覚した事件(フレッシュオレンジジュースがフレッシュじゃなかったとか)。その後芋づる式に他の飲食店チェーンや弁当屋でも発覚し、まとめて食材偽装事件と呼ばれるようになった。
消費者運動
このような問題に対して消費者は消費者団体を作って欠陥商品を告発したり、消費生活協同組合を結成し共同購入で値下げを図った。
消費者主権
1962年のケネディ大統領の特別教書に基づく、生産のあり方はメーカーではなく消費者が最終的に決めるという考え方。
ケネディ大統領は、安全を求める権利、知らされる権利、選ぶ権利、意見を反映させる権利という消費者の4つの権利を宣言し、消費者主権を確立させた。
消費者基本法
1968年に制定された消費者保護基本法が2004年にグレードアップしたもの。
従来は消費者の保護を目的としていたが、消費者の自立支援に目的を転換させている。
2009年には消費者庁も設立されている。
クーリングオフ
1994年制定。頭を冷やすという意味。訪問販売や割賦販売(分割払い)での契約を一定期間内であれば違約金なしで解約できる制度。民法の契約原則を修正したもの。
製造物責任法(PL法)
欠陥商品を出したメーカーは例え過失(不注意)がなくてもその責任を負うという法律。
民法の過失責任主義を修正したもの。
消費者がメーカー側の過失を法的、論理的に立証するのは極めて困難なため。消費者は「この商品を使用したらこれこれこういう被害を受けた」ということさえ証明すればよい。
消費者契約法
2000年制定。ウソや強引な勧誘による契約の取り消し、消費者に一方的に不利な契約条項の無効を定める。
2014年の10大項目(国民生活センターのサイトから)
①高齢者の消費者被害が多く、認知症等の被害者も目立っている。
②事業者からの個人情報の大量流出事件発生(ベネッセなど)。
③公的機関(国民生活センターなど)をかたる詐欺的勧誘が急増。
④食の安全と信頼が脅かされる事件が相次いだことによる相談の増加。
⑤インターネット通販などのネット関連トラブルの増加。
⑥遠隔操作によるプロバイダ変更勧誘トラブルの急増。
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