ダンボ

 「面白い度☆☆☆☆☆ 好き度☆☆☆☆☆ 曲☆☆☆☆☆」

 魔法の羽根なんて嘘だ!羽根がなくたって君は飛べるんだよダンボ!

 今漫画でサーカスのシーンを描いているのですが、いろいろサーカスのことを調べたりイメージを膨らませていたりすると、つい思い出してしまうのがこの作品。
 このアニメは私幼稚園の頃から直球ど真ん中で大好きで、ビデオテープが擦り切れるまで見た覚えがあります(例えではなくて実話)。

 なんでもダンボを作った頃(第二次世界大戦始まってすぐくらい)はディズニーは資金に行き詰っていたようで、低予算映画ながらディズニーの経営を救ったのがこの映画。
 とにかく制作予算が少なかったからか上映時間が一時間チョイなのが良い。これくらいの長さだと気楽に見れるし物語もシンプル。でもシンプルながら扱っているテーマはなかなかの社会派で心に訴えてくるものがあります。

 ダンボは他のゾウよりも耳が大きいいわば奇形のゾウの赤ちゃん。この耳のおかげで他のゾウには無視され、人間の悪ガキにはいじめられ、母親とも引き離されてしまいます。さらにはその大きな耳に足が絡まり、ゾウのピラミッドで最もぶつかってはいけない位置に突っ込み、ショーを台無しに・・・サーカスは壊滅します。
 とまあ、そんな感じで前半はダンボのコンプレックスである大きな耳が、これでもかってほどハンデキャップとして描かれます。
 とにかくダンボが可愛い&切なす。あんなに大きいのに自分よりずっと小さなネズミのティモシーの尻尾を心細そうに握るところとか、まだ母親が恋しい赤ちゃんなんだって感じだよね。
 
 踏んだり蹴ったりの前半部の転機になるのは、一部のちびっ子に深いトラウマを残しそうなピンクエレファントの泥酔シーン。このサイケでシュールなシーンは『不思議の国のアリス』の「タルジキ森」のように映画全体としてはかなり異質なシーン(ディズニー冒険してます)。
 しかしその異物を起承転結の「転」にしているのはアリスの時と一緒。このシーンによってダンボの耳に可能性が開けるのです。

 この映画って「差別をやめよう」とか「ハンディキャップのある人も平等だ」とか、そう言う映画じゃないと思う。じゃなくてハンデは確かにハンデのままだけど、時と場合によってはそれは素晴らしい個性にもなり得るんだよって言う(必ずそうなるわけではない)、かなり現実を見据えた作りになっていると思う。
 そもそも後半ダンボの飛行訓練に協力するカラスたちがなんかブラックピープルっぽいし(歌がジャズ調)、相棒のティモシーだってゾウにゴキブリの如くめちゃくちゃ恐れられる嫌われ者のネズミ。ダンボサイドはみんなアウトローなんだ。
 そしてどんな境遇の人でも、金を稼ぐ才能があればちゃんと成り上がれるっていうのがやっぱりアメリカ。ラストシーン(ケイシージュニア・サーカストレインが花のレイをつけているのが可愛い!)ではプライベート車両のVIP待遇だもんな。ひと儲けできて笑っている団長が目に浮かぶ・・・
 挙句の果てには「ダンボンバーズ」っていうダンボ型爆撃機(目立つって!w)が製造。やっぱりこれは単なる子ども向けのおとぎ話じゃない。
 
 最後に思ったんだけど、そう言えばサーカスで活躍するゾウって大抵アジアゾウだよね。ダンボに出てくるゾウたちも耳の小さなアジアゾウなんだけど。
 もしかしたらコウノトリの野郎がうっかり住所を間違えて、アジアゾウのところに耳の大きなアフリカゾウの赤ちゃんを宅配しちゃったような気もするぞ・・・もしアフリカゾウのコミュニティにダンボが届いていたら差別はなかったかもね。

『恐竜大陸サウラシア』脚本修正

 『恐竜大陸サウラシア』の脚本をちょっと修正。雑なところをもう少し解りやすくしたり、セリフを変えたり、あとは面白いんだけど流れが不自然になるなどの理由で入れられなかったポケモンバトルならぬ恐竜バトルのシーンを追加。
 私はムシキングと言いポケモンと言い、闘鶏のように動物同士をケンカさせるゲームって悪趣味だなあって思っちゃうので、そこらへんを訴えたかった。あれはあれで美学があるんだろうけど・・・

 ただ一番変わったのはフィリップのバカシーンを大量追加したこと。まったく自己懐疑せずに突き進むフィリップと、それに呆れながらもついていくリズリーの関係性を強調しました。
 修正版のフィリップはもうバカ全開です。まさに怖いものなしと言うか。やっぱり『アデル ファラオと復活の秘薬』のようにキャラがぶれない方がいいしね。これが簡単なようでなかなか難しい。
 大きなストーリーの流れがキャラの行動原理(アルゴリズム)とうまくなじまない場合、ストーリーにキャラを合わせるとストーリー展開が明確化する反面キャラの魅力がなくなっちゃうし(ストーリーの流れをふまえてキャラが台本通りにただ演技しているように見える)、キャラにストーリーをあわせるとキャラがかってに暴走してストーリーの起承転結がどちゃめちゃになっちゃう。

 だから大まかなストーリーがキャラの成長に有機的に結びついているのが一番良いのだけど、これはかなりテクニカルな技。『カールじいさんの空飛ぶ家』とか見ていると本当に勉強になるんだけどね。
 ミグの成長一本に絞り込んだ『80日間宇宙一周』はうまく行った方だと思うんだけど(だからライトの一人称が無い)、『サウラシア』は登場人物たちの思惑の交錯がやや複雑で(メインキャラが少し多い)難解なパズルを解いているようだった。
 特に未亡人のアニーは難しかったなあ・・・

教員が保護者を提訴

 埼玉県の小学校教員が保護者のクレームで寝れなくなったってことで裁判所に訴え出たらしい。そもそもの発端はクラスでケンカが起きて、それを仲裁した先生の対応がこの保護者には気に食わなかったようだ。それでずっとその先生を連絡帳で批判していたみたい。
 さらには先生が給食のとき児童の背中に触れただけで警察に被害届を提出・・・ここまでいくとちょっとモンスターペアレントかもしれない・・・まあ先生の方にも非があったかどうかはニュースだけじゃ分からないから、報道が先生に有利でちょっとフェアじゃないんだけど・・・
 でも背中に触れただけで警察に被害届なんて出すかなぁ?もし真実なら私なんて授業中ふざけている愉快な奴ビシッってやっちゃってるから起訴されちゃうよ。

 おそらくこういう風な事件が起こる原因の一端は、マスコミの教員(=税金で食ってる公務員)叩きにもあると思う。でも本当にどうしょうもない変態の先生もいて事件を起こすんだからしょうがない。
 モラルのない小学校の先生は自分が実習中にもいて「こいつ偉そうに教育を語っているけど、俺たちが裏でやってること暴露したら教員できなくなるぞ」って言うくらいの人は意外といる。
 ここまで自分を棚に上げれる無神経な奴じゃないと、ただでさえ風当たりの強い教師は務まらないんじゃないか、とも思ったんだけど、なんかスッキリはしないよね。この事実は政治家も一緒か。
 
 問題は教育現場のいざこざを裁判で争うようになっちゃったことだよね。これが一番異常だと思う。教育委員会や学校側とかは和解を求めたんだけど、保護者の方ははねつけちゃってもう法廷で争うしかないのか・・・
 一番可哀想なのはこの児童だよね。クラスの雰囲気も悪くなって「おいあいつの親って○○先生と裁判やるんだぜ」ってなっちゃうと、優等生タイプの子たちはその保護者の子どもをいじめちゃう気もして怖い。ここまでのことを想像して双方は法廷闘争を選択したのだろうか?
 
 だからここでの解決法はやたら裁判をしない社会にする、もしくはいっそ裁判の敷居を思いっきし下げることだと思う。
 なんか日本って改革とかのせいでアメリカ型訴訟社会になりかけているから、もう裁判を気軽にできるスポーツ化しちゃった方が早い気もする。
 で、陪審員を近所の人を呼んできてやらせれば、最終的にはこれは「裁判」じゃなくて、かつてあった「地域の人々のつながり」になるんじゃないか、さらに、こういう民事裁判の場合は罰金刑とかじゃなくて、スポーツだから試合終わればノーサイドって。

 ・・・う~ん・・・そんなんで済むならとっくに和解してるか。

美少女フィギュア量産工場

 ワールドビジネスサテライト(世の中金かよ畜生とかなんだかんだ言って結構見ている番組)で、秋葉原の美少女フィギュアの胴体部分をひたすら作っている「オビツ製作所」っていう町工場が取り上げられていたんだけど、これがすっごい面白かった。
 まさか萌え文化の礎が葛飾区のおもちゃ工場だったなんてって。確かに『こち亀』の初期の話で、葛飾区の零細おもちゃ工場がいろんなおもちゃ会社に自社製品を持ち込みするて言う回があって(この回大好きw)、葛飾区はかつてたくさんおもちゃ会社があったようだ。
 この会社が作るカスタマイズドールの素体(髪の毛も服も付いていない状態。細部はモデラーの人が好きにアレンジするんだろう。眼や胸の大きさとか)を「オビツボディ」って言うらしいんだけど、普通のおもちゃって二つの金型でパーツを作ってそれを合わせて完成させるから継ぎ目が出来ちゃうんだけど(だからその継ぎ目を感じさせないぺーつ分割を考えたり、モデラーがパテで隠したりする)、この製作所は一つの金型だけで抜くから継ぎ目がないのだそうだ。
 確かに初期のチョコラザウルス(古生物の食玩フィギュア)の継ぎ目はひどいものがあったなあ。シリーズ後半はすっごい技術が向上したけど。

 今は少子化&携帯電話による子どものおもちゃ、ゲーム離れが進んでいて、オビツ製作所はオモチャのメインターゲットを子どもからオタクに変更することで、時代の変化に適応したんだろうって考えると、なんか「女の裸ばっか作ってんだ」ってバカにはできない切実なものがある。
 しかも今度は、救命実習用の等身大の人形の金型を手掛けるとか言っていたんだけど、そんな巨大な人形をバングラディッシュ人の成形主任が金型から抜くシーンは、キャスターの人も言っていたけど「すごい画」になりそう。
 これを美少女フィギュアのていで作っちゃったら、人工呼吸の練習とかじゃなくて、もうダッチワイフみたいなもので、それはそれで売れそうだよね。

 私の家もこんな感じの工場なんだけど、やっぱり他の企業が出来ない技術があって、テレビのオファーも一回断ったそうだ。企業秘密。
 オビツ製作所はあえて製造過程(の一部)を見せてくれたけど、これは真似できるもんならやってみろや!っていう自信の表れなのかもしれないよね。かっこいいなあ。
 私ももっと紙とか筆記用具を作ってくれている人たちに感謝した方がいいなあ。お世話になってます。

レッドクリフ Part1

 「面白い度☆☆ 好き度☆☆」

 ウマの顎の下が丸見えの映画!こんなアングル動物図鑑でも見れないぜ~!(C)中川翔子

 全国の動物マニア必見。孫権の妹が秘孔をついてウマを寝かせちゃうシーンがあるんだけど、ここでめっちゃ顎の下の印象が全光でバッチリ分かる。
 私なんてこれを見るために上野動物園まで行ったって言うのに・・・!とにかく顎の中心に沿ってすっごい深い溝があった。面白いなあ・・・なんでああなっているんだろう?

 ・・・え~っと・・・で、三国志の映画なんだけど、ごめん、私三国志知らない。descf氏がかなり詳しくてかっこいいんだけど、私ってあまり名作を読まずに人づてに感想とかを聞いて、よく分からない残りの部分は勝手に物語を作っちゃうんだ(物語作りの練習)。
 でもこの前、私の妄想三国志の話をしたら、descf氏が「まあ大体そんな感じだよ」って言ってたし、KO氏に『80日間宇宙一周』を見せた時は「なんで銀河英雄伝説(艦隊SFモノらしい)見てないのにそれっぽいシーンを描くんだろう?」って言われたこともある。
 だからまあ、「作り手は別に評論家じゃないんだからいろいろ見なくてもいいんだよ」ってものぐさを言い訳してます。
 K氏には会うたびに某少年漫画を読めって言われるけど、もう何十巻も出ている漫画を一巻から読むくらいならドストエフスキーの長編読んだ方がはくがつくぜっての。

 さて『レッドクリフ』の内容は結構単純。登場人物の名前がややこしいだけ。三世紀の初めに魏の曹操(そうそう)っていう漢王朝の後ろ盾を武器に領土を広げる奴がいて、そいつに屈しない蜀(シュノサウルス!)の劉備(りゅうび)と呉の孫権(そんけん)が手を組んで曹操に立ち向かうって、ただそれだけの話。
 で、劉備は曹操軍に負け続きなんだけど、けっこう名将に人気があって、赤ちゃん負んぶしながら戦場を駆ける「趙雲」や、勉学を子どもに教えながらも義に熱いマッチョの「関羽」、さらに槍で攻撃しても槍の方が折れるというもはや人間の強さではないゴリラを従えている。

 しかし戦記ものだけあって戦争シーンばっかなんだけど、とにかく人(ザコキャラ)が死ぬ。曹操軍の連中は、劉備軍のビッグ3のたった三人すら倒せない。無駄死にの嵐。これはもう漫画なんだよね。
 三国志って言うのは実際にあった出来事らしいんだけど、こういう名武将って言う人は結局のところ実際は前線で戦っていなかったんだと思う。長生きしての伝説だから。
 これと真逆なのが中世ヨーロッパの指揮官。彼らは戦場で最前線で戦うのが美徳だって考えてたから、まあすぐに死ぬ。あっさり戦死。せっかくいいキャラなんだからもっと生きてよ!って思っても死んじゃう。
 でも、あれだよね。『アバター』といい、ここまでたくさんの人がバタバタ死ぬ映画がいいなら、私も今描いている奴もう少し人が死んじゃってもいいかなって思っている。あんまり人が死ぬ漫画は描きたくないんだけど(ホントだよ!)。
 
 しかし三国志は、武将の言葉遣いがやっぱり「義を重んじる中国」だけあって礼儀正しいのがいいよね。なんか漢文読んでいるみたいで教訓めいていて楽しい。牛泥棒のくだりとかなんかのメタファーなんだろうな。
 意外と私が好きなのが悪役とされる曹操。曹操は素直に敵の劉備軍も評価しちゃうから「劉備は優秀な武将に慕われている。私もあんな武将が欲しいものだ」とか言っちゃうのが面白い。普通悪役なら怒り狂ったりするのにね。
 このプライドの無さ?がなんか今の中国にも言えて興味深い。日本の技術力を評価しながらも、「じゃ中国は売る才能があるんで・・・」とか言って他国をあっさり支配しようとするところとかふまえると、中華思想でアジアの覇権を握ろうとする中国共産党って曹操スピリットを受け継いでいるような気がするよね。じゃあ劉備は台湾に撤退しちゃった中国国民党かな?
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