「面白い度☆☆☆☆ 好き度☆☆☆」
あの国はよそから来た人に優しいはずなの。
遅ればせながら先週観に行ってきた。内容は割とベタベタなコメディで、なんとなく『アルフ』と『カールじいさんの空飛ぶ家』を足したような感じだったけど、訴えたいテーマがタイムリーすぎてちょっと考えさせられた。
日本は島国だし、難民を受け入れないっていう鎖国国家だから、あまりこういう問題について考えることはなかったけど、でも、あれか、東日本大震災とかで、故郷から移住しなきゃいけなくなった人ももいて、そう言う人をどうやって受け入れるか、場合によっては自分に切り分けられるパイが少なくなった時に、どこまで許容できるかっていう、大人の試練があるよなあ。
ただ、現在、国際問題になっているシリアの難民のように、人種や言語、宗教が全く違う人が大量にドドドっと国境を越えてくるような、そういうスケールの大きな民族大移動って、日本ではおそらく元寇くらいしか直面してないんじゃないかっていう。
ヨーロッパの人たちってやっぱり西ローマ帝国滅亡のトラウマがある気はするよな。国境が陸続きという危機感って、私たち日本人にはあまり想像ができない。
ほいで、ここまで書いて気づいたんだけど、この映画の舞台のイギリスも島国じゃねーかっていう。
あのロンドンの描写はまさにジャパニーズ東京駅だよね。いや、先進国の都会っていうのはニューヨークもロサンゼルスも、どこもあんな感じになるのだろうか。
そういや、移民問題に関しては、アメリカ大統領選でも政治素人の不動産王ドナルド・トランプ候補がメキシコの国境に壁を作るという、この前の『ブリッジ・オブ・スパイ』を見たあとだと、「Ohボーイ」な発言をしてたけど、意外とこの過激発言が、合法的に入国許可を取っているヒスパニック系の人たちにも支持されているのは注目しないといけない。
現実問題として不法移民に職を奪われたら、トランプ候補のマッチョなファシズムに喝采を送っちゃう気持ちはわかるもんな。
トランプ候補は最初、綾小路的な毒舌漫談やってる人なのかなって思ってたんだけど、意外と人のネガティブな感情を刺激するのがメトロン星人並みにうまいよなって、ポピュリスターとしての驚きと恐ろしさを感じている。
大衆を動かすにはまず認知されなきゃいけないわけだけど、ヘタをこくと炎上して悪いブランドイメージが浸透し、SNSでくすぶっている連中に「あ、この人は悪人だからいくらでもリンチしてもいいんだ」と非情な判断をされ、挙げ句の果てには大喜利ネタとして消費されて終わっちゃうから、まさに諸刃の剣なんですが、トランプ候補はブラックジョーク耐性があるアメリカをバトルフィールドにしているので、状況は違うんだろうな。
なんにせよ日本ではまず出てこないキャラクターだよな。でも、安倍さんはちょっとトランプ的なところあるよな。
社会で波風を立てないがための知恵だった「建前」の、建前であるが故のアキレス腱を「王様は全裸」的に攻撃して、そういった建前に不満を持っていた不器用な人間の喝采を浴びるようなところとか。
でも、そもそも、これって総理大臣とかがやることなのかなって気がする。こういうのはかつては、お笑いやギャグマンガが、それこそ総理大臣みたいな権威のあるエスタブリッシュメントに対してやってたんだよな。
もう現代の格差社会、情報社会で大衆の支持を得るにはこの修羅の道しかないのかな。
負け犬の数が一定数を超えると、信頼や許容という綺麗ごとの理想主義を叫ぶよりも、憎悪を刺激して既存の社会システムを破壊したほうが簡単だもんな。
社会を進歩させるには一度徹底的に自爆したほうがいいっていう、主のご意志なのかもしれないけど、アメリカに自爆されるとアース的に色々とばっちり受けるから、ここはやっぱり民主党のサンダースさんあたりが頑張って欲しいな。あの人マイケル・ムーア監督の『キャピタリズム』でも民主社会主義者として登場していて、軽く感動したもんな。
それにプロの政治家ではなく、政治の素人である市民に国家を統治させ、政治に新しい風をって言うけど、前にも映画俳優を大統領にしたら、結局、大企業>政府>国民という独占資本主義になって、国家が企業的に“経営”されたって、あの映画でも描いていたしな。
そう言う意味じゃマルクスの予言ってすごいよな。
しかし昔HNK教育で『くまのパディントン』ってやってたけど、こんな話だったっけ。さらに、「紳士くま」っていうから、もっと見た目はぬいぐるみ、中身は英国ミドルクラスの中年かと思ってたけど、あの松坂桃李さんの吹き替えの感じじゃ、震災の被害を受けて上京した純粋な大学生って感じだよね。
つーかペルーにクマっていたんだな。まあマレーシアとかにもいるから熱帯でも適応できるんだよな。だとしたらクマの生息レンジって広いな。北極にも魔の手を広げてるしな。
家とは単に屋根のある場所を指すのではない。
ブリッジ・オブ・スパイ
2016-02-13 18:15:33 (8 years ago)
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「面白い度☆☆☆☆ 好き度☆☆☆」
ボウリングのストライクは一件だ。十件じゃない。
スポーツでもビジネスでもそうだけど、参入する人の絶対数が多いと、なかにはとんでもない天才だとか、英雄的な人が現れることがある。ということで、さすが訴訟大国アメリカ。とんでもない弁護士がいたもんだぜ。
時は冷戦。世界は、人間を幸せにするのは自由か平等かという対立するおせっかいによって一触即発の危機に瀕していた。
そこで活躍したのがエスピーワイ。相手陣営に潜り込み、超法規的に諜報活動を行なうという、法を遵守する弁護士とは真逆の任務についた人々だ。
私はてっきりトム・ハンクスがスパイで活躍する映画だと思っていたから、冒頭で登場する画家(※スパイ)が主役だと思っていて、トム・ハンクスもさすがに老けたなあ。痩せちゃったし禿げちゃったよ。とか思っていたら、いつものトム・ハンクスがそのあと出てきて、え、スパイじゃないの!?ってじゃあこのハゲ誰やねんっていう。
しかし、スピルバーグ監督はもうバカ映画に飽きちゃったのか、史実を題材にした硬派な映画ばっかり撮ってるけど、今回の映画はその中でもトップクラスに地味。スパイ映画なのに全くアクション(=暴力)シーンがなく、全編交渉。
そう、現代の民主主義社会を成り立たせているのは言論、対立する相手と根気づよくコミュニケーションをとり続ける姿勢こそが大切なんだということなんだろう。
かのキルケゴールはヘーゲルの弁証法を「あれもこれも」と批判したが、アウフヘーベンは希望なのだ。なかなか現実で実現しないから希望なんであってね。
もしケネディとフルシチョフが、キルケゴール的に「あれかこれか」一本で突き進んでいたら、確実にユーラシア大陸は滅んでいただろう。しかし現実には、その後ホットラインが敷かれたっていうね。
さて、商業主義で映画をやるならば、暴力をやったほうがいいんだ。暴力の肯定とか否定とかの問題は置いといて。暴力は頭を使わなくていいし、原始的な感情を刺激するから血が騒いでワクワクする。
しかしスピルバーグ監督レベルになると、その桎梏を超えたレベルで映画を作れるからすごいし、ほとんどのクリエイターっていうのは、そういった倫理観とか義務感よりも、全能感を味わいたいとか、賞賛されたいとか、既存の価値観を壊したいみたいな自己中心的なリビドーの方が強いから、多分こういう映画を作れる立場になっても作らないだろうし、作れないんだよな。
私もやっぱり、今回はさすがに地味だし、救いがなさすぎるだろ、スピさんって思ったら、最後の最後でちゃんと「僕のパパは世界一」的なアメリカのホームドラマ的カタルシスをちゃんと繰り出してくれるから、ああやっぱり天才だなあって、まあ毎回感じてるんですけど、今回も納得してしまった。
でもアメリカってやっぱりフロンティアスピリットなのか、考えることがベンチャー的というか、常識の斜め上をためらわず実行するよね。
だいたい、国家の命運をかけた交渉事を、政府レベルじゃなくて、民間、もっといえば一個人に丸投げしちゃうって滅茶苦茶じゃね。しかもその職務内容は秘密で、失敗しても責任は取らないからっていう。
そんなリスクしかない仕事誰が受けるんだって話だけど、アメリカはやっぱり国旗に忠誠を誓う愛国者の国なんだよね。いやそれが欧米のナショナリズムでは当たり前なんだろうけれど。
で、やってくれる人がいるっていう。ほいで、やったらやったで、同じ愛国者に鉛弾撃ち込まれるという。それでも国家への忠誠を捨てないという。キャプテンアメリカが実在するんだよな、あの国は。
普通の妻子のいるパパンなら、この時点で家族の安全を取ると思うんだけど、ドノバン弁護士はそのまま突き進み、釣りという名目で長期出張をしてしまう。やっぱり、彼は愛国者であるという以上に、弁護士のプロフェッショナルなんだよね。
法曹というものが彼のアイデンティティや矜持になっているからこそ、スパイ活動という法を逸脱した行為に対して、あくまでも法に則って裁きを下し、法の支配の正当性を示す。ちなみにアメリカという国家はとりわけ司法権が強い。
学校だってそうなんだ。規則を破る子に「いいよいいよ」って物分りよく特例も認めちゃうと最後、規則は形骸化し、東ドイツのような無法地帯になってしまう。
規則は確かに鬱陶しい。運転免許を取るとおのれポリスメンと思うことも多いし、私は法律学概論の単位に苦戦しました。
しかしホッブスの『リヴァイアサン』よろしく、無きゃないで非常に恐ろしいことになる。私たちは生まれた時から法治国家にいるから、法が機能しないという状況を想像できない。法がどれだけ私たちを守ってくれているかというメリットを忘れてしまう。
愛国心、国家の安全を守るためだったら、法やルールを超法規的に無視していいのか。これは、特に今の日本の政治を見ていると考えさせられるテーマなんだけど、じゃあ愛国心や国家の安全がどこから生まれているかと想像すれば、それはやっぱり法なんだよね。
イェリネックじゃないけど、法がなければ主権はない。主権がなければ国家はない。そう考えると、国家のためにという建前で法律を無視しちゃう人は、一体何と戦っているのか注視する必要はあるよね。
もちろん政治というのは現実としてゴリ押ししないと何も決定できないっていう局面はあるとは思うのだが。
それでも私たちは決して法と言論を放棄してはならない。現実はそうじゃねーしと過去の人々が命懸けで獲得して現代の私たちが享受しているものを冷笑しちゃうと、もったいないゴーストが出ます。セーフティバーに触ってはいけない。それを引くのは私の役目。
アイルランド系にドイツ系。我々を米国人と規定するのは、ただ一つ。規則だ。
ボウリングのストライクは一件だ。十件じゃない。
スポーツでもビジネスでもそうだけど、参入する人の絶対数が多いと、なかにはとんでもない天才だとか、英雄的な人が現れることがある。ということで、さすが訴訟大国アメリカ。とんでもない弁護士がいたもんだぜ。
時は冷戦。世界は、人間を幸せにするのは自由か平等かという対立するおせっかいによって一触即発の危機に瀕していた。
そこで活躍したのがエスピーワイ。相手陣営に潜り込み、超法規的に諜報活動を行なうという、法を遵守する弁護士とは真逆の任務についた人々だ。
私はてっきりトム・ハンクスがスパイで活躍する映画だと思っていたから、冒頭で登場する画家(※スパイ)が主役だと思っていて、トム・ハンクスもさすがに老けたなあ。痩せちゃったし禿げちゃったよ。とか思っていたら、いつものトム・ハンクスがそのあと出てきて、え、スパイじゃないの!?ってじゃあこのハゲ誰やねんっていう。
しかし、スピルバーグ監督はもうバカ映画に飽きちゃったのか、史実を題材にした硬派な映画ばっかり撮ってるけど、今回の映画はその中でもトップクラスに地味。スパイ映画なのに全くアクション(=暴力)シーンがなく、全編交渉。
そう、現代の民主主義社会を成り立たせているのは言論、対立する相手と根気づよくコミュニケーションをとり続ける姿勢こそが大切なんだということなんだろう。
かのキルケゴールはヘーゲルの弁証法を「あれもこれも」と批判したが、アウフヘーベンは希望なのだ。なかなか現実で実現しないから希望なんであってね。
もしケネディとフルシチョフが、キルケゴール的に「あれかこれか」一本で突き進んでいたら、確実にユーラシア大陸は滅んでいただろう。しかし現実には、その後ホットラインが敷かれたっていうね。
さて、商業主義で映画をやるならば、暴力をやったほうがいいんだ。暴力の肯定とか否定とかの問題は置いといて。暴力は頭を使わなくていいし、原始的な感情を刺激するから血が騒いでワクワクする。
しかしスピルバーグ監督レベルになると、その桎梏を超えたレベルで映画を作れるからすごいし、ほとんどのクリエイターっていうのは、そういった倫理観とか義務感よりも、全能感を味わいたいとか、賞賛されたいとか、既存の価値観を壊したいみたいな自己中心的なリビドーの方が強いから、多分こういう映画を作れる立場になっても作らないだろうし、作れないんだよな。
私もやっぱり、今回はさすがに地味だし、救いがなさすぎるだろ、スピさんって思ったら、最後の最後でちゃんと「僕のパパは世界一」的なアメリカのホームドラマ的カタルシスをちゃんと繰り出してくれるから、ああやっぱり天才だなあって、まあ毎回感じてるんですけど、今回も納得してしまった。
でもアメリカってやっぱりフロンティアスピリットなのか、考えることがベンチャー的というか、常識の斜め上をためらわず実行するよね。
だいたい、国家の命運をかけた交渉事を、政府レベルじゃなくて、民間、もっといえば一個人に丸投げしちゃうって滅茶苦茶じゃね。しかもその職務内容は秘密で、失敗しても責任は取らないからっていう。
そんなリスクしかない仕事誰が受けるんだって話だけど、アメリカはやっぱり国旗に忠誠を誓う愛国者の国なんだよね。いやそれが欧米のナショナリズムでは当たり前なんだろうけれど。
で、やってくれる人がいるっていう。ほいで、やったらやったで、同じ愛国者に鉛弾撃ち込まれるという。それでも国家への忠誠を捨てないという。キャプテンアメリカが実在するんだよな、あの国は。
普通の妻子のいるパパンなら、この時点で家族の安全を取ると思うんだけど、ドノバン弁護士はそのまま突き進み、釣りという名目で長期出張をしてしまう。やっぱり、彼は愛国者であるという以上に、弁護士のプロフェッショナルなんだよね。
法曹というものが彼のアイデンティティや矜持になっているからこそ、スパイ活動という法を逸脱した行為に対して、あくまでも法に則って裁きを下し、法の支配の正当性を示す。ちなみにアメリカという国家はとりわけ司法権が強い。
学校だってそうなんだ。規則を破る子に「いいよいいよ」って物分りよく特例も認めちゃうと最後、規則は形骸化し、東ドイツのような無法地帯になってしまう。
規則は確かに鬱陶しい。運転免許を取るとおのれポリスメンと思うことも多いし、私は法律学概論の単位に苦戦しました。
しかしホッブスの『リヴァイアサン』よろしく、無きゃないで非常に恐ろしいことになる。私たちは生まれた時から法治国家にいるから、法が機能しないという状況を想像できない。法がどれだけ私たちを守ってくれているかというメリットを忘れてしまう。
愛国心、国家の安全を守るためだったら、法やルールを超法規的に無視していいのか。これは、特に今の日本の政治を見ていると考えさせられるテーマなんだけど、じゃあ愛国心や国家の安全がどこから生まれているかと想像すれば、それはやっぱり法なんだよね。
イェリネックじゃないけど、法がなければ主権はない。主権がなければ国家はない。そう考えると、国家のためにという建前で法律を無視しちゃう人は、一体何と戦っているのか注視する必要はあるよね。
もちろん政治というのは現実としてゴリ押ししないと何も決定できないっていう局面はあるとは思うのだが。
それでも私たちは決して法と言論を放棄してはならない。現実はそうじゃねーしと過去の人々が命懸けで獲得して現代の私たちが享受しているものを冷笑しちゃうと、もったいないゴーストが出ます。セーフティバーに触ってはいけない。それを引くのは私の役目。
アイルランド系にドイツ系。我々を米国人と規定するのは、ただ一つ。規則だ。
夢と魔法の王国
2016-02-04 20:16:22 (8 years ago)
-
カテゴリタグ:
- 雑記
11年ぶりくらいに行ってきました。
スティッチエンカウンター
これって、アニメキャラにいじられて本気でキレないような人を瞬間的に判断する能力がスタッフ側に必要だよね。そう言う意味で割とハラハラするアトラクション。ある程度台本決まってるんだろうけど、長いことやってると人選ミスっていうのもあるんじゃないのかな。まさかサクラってこともあるまい。
ジャングルクルーズ
学校の授業同様、スキッパーのトーク力で顧客満足度が左右されるアトラクション。
リニューアルということで、イラワジ川の遺跡のエリアにいたトラがリストラされててショックだった。
当初、ウォルト・ディズニーはこのアトラクションはモノホンのアニマルを使う予定だったらしい。サイにつつかれてる探検隊とかどうするつもりだったんだろう。
ウエスタンリバー鉄道
これをやりたいがためにディズニーランド計画は生まれた。
故青野武さんの「タバコはご遠慮下さい、煙を吐くのは機関車の役目ですから」などのガイドが涙を誘う。
恐竜相変わらず古かった。
ホーンテッドマンション
生まれて初めて乗った。建物の外観がすごいかっこいい。
というかどういう原理なのアレ!?
なんかすごい感動してしまった。マジックミラー的な?科学ってすごいな。
アリスのティーパーティ
アリスフリークとして乗った・・・が、開始2秒で乗ったことを激しく後悔した。
今も気持ち悪い。もう一生乗らない。
プーさんのハニーハント
マッドティーパーティの後遺症で、このアトラクションも乗り物酔いしました。
意外とロジャーラビットのカートゥーンスピン的なアグレッシブなアトラクションだった。
イッツアスモールワールド
すごい平和的なアトラクション。世界は狭い。だから各地で紛争が起こるんだよな。由々しきことである。
ワールドバザール
塔の上の中川翔子のマグカップが可愛かったので購入した。しかしディズニーランドは本当に円がインフレだよね。ポップコーンが2000円以上するもんね。
久々に行って思ったのは、そこまで敷地面積自体は広くないんだね。小さい頃は自分が小さかったから広く感じたんだな。遠いところまで来ちまったなあ。
この前さ、友達と話してて、もうこの年齢になると心の底から感動したりすることって少なくなるよなあって。逆にストレス耐性がついたとも言えるんだけど、感受性が鈍ってきたよなっていう。大人になるってそういう切なさもあるのかっていう。
ディズニーランドってさ、世間ずれしたくたびれた大人も、子どもに戻ってはしゃいじゃうって言うじゃん。あれは人によるよね。
私なんか、これ作るの苦労したんだろうなあとか、考えちゃうもんな。そう言う意味ではホーンテッドマンションは面白かったな。これどうやって作ったんだろう!?って感情久しぶりだったもんな。あれは頭のいい人の仕事だよね。多分透明なスクリーンつーかガラスに反射させてんだろうな。理科だなあ。スネルの法則だなあ。
スティッチエンカウンター
これって、アニメキャラにいじられて本気でキレないような人を瞬間的に判断する能力がスタッフ側に必要だよね。そう言う意味で割とハラハラするアトラクション。ある程度台本決まってるんだろうけど、長いことやってると人選ミスっていうのもあるんじゃないのかな。まさかサクラってこともあるまい。
ジャングルクルーズ
学校の授業同様、スキッパーのトーク力で顧客満足度が左右されるアトラクション。
リニューアルということで、イラワジ川の遺跡のエリアにいたトラがリストラされててショックだった。
当初、ウォルト・ディズニーはこのアトラクションはモノホンのアニマルを使う予定だったらしい。サイにつつかれてる探検隊とかどうするつもりだったんだろう。
ウエスタンリバー鉄道
これをやりたいがためにディズニーランド計画は生まれた。
故青野武さんの「タバコはご遠慮下さい、煙を吐くのは機関車の役目ですから」などのガイドが涙を誘う。
恐竜相変わらず古かった。
ホーンテッドマンション
生まれて初めて乗った。建物の外観がすごいかっこいい。
というかどういう原理なのアレ!?
なんかすごい感動してしまった。マジックミラー的な?科学ってすごいな。
アリスのティーパーティ
アリスフリークとして乗った・・・が、開始2秒で乗ったことを激しく後悔した。
今も気持ち悪い。もう一生乗らない。
プーさんのハニーハント
マッドティーパーティの後遺症で、このアトラクションも乗り物酔いしました。
意外とロジャーラビットのカートゥーンスピン的なアグレッシブなアトラクションだった。
イッツアスモールワールド
すごい平和的なアトラクション。世界は狭い。だから各地で紛争が起こるんだよな。由々しきことである。
ワールドバザール
塔の上の中川翔子のマグカップが可愛かったので購入した。しかしディズニーランドは本当に円がインフレだよね。ポップコーンが2000円以上するもんね。
久々に行って思ったのは、そこまで敷地面積自体は広くないんだね。小さい頃は自分が小さかったから広く感じたんだな。遠いところまで来ちまったなあ。
この前さ、友達と話してて、もうこの年齢になると心の底から感動したりすることって少なくなるよなあって。逆にストレス耐性がついたとも言えるんだけど、感受性が鈍ってきたよなっていう。大人になるってそういう切なさもあるのかっていう。
ディズニーランドってさ、世間ずれしたくたびれた大人も、子どもに戻ってはしゃいじゃうって言うじゃん。あれは人によるよね。
私なんか、これ作るの苦労したんだろうなあとか、考えちゃうもんな。そう言う意味ではホーンテッドマンションは面白かったな。これどうやって作ったんだろう!?って感情久しぶりだったもんな。あれは頭のいい人の仕事だよね。多分透明なスクリーンつーかガラスに反射させてんだろうな。理科だなあ。スネルの法則だなあ。
理科教育法覚え書き④
2016-01-04 12:30:29 (8 years ago)
参考文献:小原茂巳著『「たのしい授業」のすすめ方』
授業の導入
授業の導入は、理科に限らずすべての教科で最も重要な「つかみ」である。ここで子どもの心をつかめれば、あとはだいたいうまくいくことが多い。それだけに授業の導入は用意周到に行う必要がある。
テキストでは授業の始めにさらっとこれまでの授業の復習をするとよいと書かれている。
これにより、この続きが楽しみだな、今日はどんな授業なのかな?と子どもたちの好奇心を高め、これから始まる授業にスムーズに入れるようにするわけだが、この時の復習はあくまでもさらっと、しつこくなく、今学んでいる学習内容が思い出せる程度でいい。
問題の意味を伝える
次に、今回学習する問題が書かれたプリントを子どもたちに裏の状態のままで配る。これも表にはどのようなことが書かれているのだろうと、子どもたちをワクワクさせるちょっとした工夫である。また、前の席の子が先に問題を読んでしまって、後ろの席の子が「ネタバレ」をくらってしまうこともない。
そして、子どもにプリントに書かれている問題を音読させるのだが、この場合は「誰か問題を読みたい人いますか?」よりも「誰か読んでくれる人いませんか?」と尋ねるほうが良いという。
その理由は、積極的な子どもならともかく、思春期を迎えたような恥ずかしがりやな子には、先生から頼られているというシチュエーションの方が手を挙げやすいからである。
また、子どもがプリントを読んでいる際には、せっかく読んでもらっているのだから、その子に恥をかかせないように、読みにくい感じが出てきたらさりげなく教師が素早くすっと読んであげるのがいい。
最後に、問題の意味を子どもたち全員にわかりやすくきちんと伝えるには、実験器具などの実物を見せて、手順を説明&実演し、さらに実験結果が出る寸前まで実際にやって見せてしまう。
これにより、この実験のどの段階が「問題」になっているのかが明確化し、仮説実験授業で重要な「予想」を子どもたちが立てやすくなる。
確かに、口頭で説明したり、プリントを読ませるだけでは、子どもたちが実験の具体的な内容をイメージすることは難しいだろう。初めて行う実験ならなおさらである。
以上をまとめると、授業者が大切にすべきことは、常に授業を受ける子どもたちの立場に立って、問題を投げかけたり、教材を配ったり、実験を説明したりするということである。
こういった細かな配慮が、子どもたちを積極的に授業に引き込むテクニックとなっている。
生徒は実験が好きなのか
理科の授業の醍醐味は何かと聞かれれば、実験であるというイメージは強い。
しかし、本当に子どもたちは実験それ自体が好きなのだろうか?テキストのアンケートでは、理科の実験が好きだと答えた大学生は100人中39名にとどまった。つまり4人にひとりは理科の実験はどちらかといえば嫌いだというのである。
その理由は、片付けと準備が面倒、班別行動が嫌だった、細かい作業が苦手、実験の得意な友達ばかりがやっていたので嫌だったなどであった。
逆に、実験で楽しかった思い出を尋ねたところ、試験管でアイスを作ったこと、液を一滴垂らすだけで水の色が変わったとき、太陽光を虫眼鏡で集めて黒い紙を燃やしたこと、牛乳パックでカメラを作ったことなどが挙がった。
しかし実際には、実験中はみんなとおしゃべりできたり、珍しい器具を触れたから楽しかっただけで、別に実験そのものが楽しかったわけじゃなかったというのが大方の本音であった。
実験とは何か
理科の実験が、実はそこまで人気がない理由、それは理科の授業で行われる実験が、教科書に書かれていることの確認作業にとどまっているからである。
では、そもそも実験とはなんなのだろうか?
実際に体験すること、習ったことの確認、今まで知らなかったことを実験で発見できる、教科書で学ぶだけでなく、実際に目で見て確認すること、などいろいろな考え方があるが、仮説実験授業を提唱している板倉聖宣によれば、実験が実験足りえる重要な要素は「仮説」なのだという。
天秤や試験管やその他珍しい実験器具を使うことが実験だと思っている人もいるが、仮説が本当に正しいかどうか調べてみる試み、これが実験なのである。したがって仮説がないことには実験は成立しない。
人々の予想が大きく分かれてしまうような問題や疑問があったとき、人々は話し合いや討論をし、いろいろな考えが生まれてくる。つまり仮説の全貌が明確化する。
すると、では実際に実験をしてみて、どの説が正しいか白黒決着をつけようということになり、実験の結果が非常に楽しみになる。これこそが本当の実験なのである。
つまり、実験を授業として行う際には、問題点を子どもたちが共有できるように簡単な手順の実験にすること、子どもたちが予想を立てやすいようにABCなどの選択問題になっていること、それぞれの予想の支持者がばらつくように、大人でも確信を持って正しい考えを出せないような問題にすること、などの事前の教材研究が重要なのである。
討論の注意点
日本人は討論が苦手だというイメージがある。それは自分の意見を持っていないからできないというよりは、もし場の空気を読まずに一人だけ変なことを言って目立ってしまったらどうしようという恥ずかしさや、恐れ、同調圧力によるものが大きいのだと私は思う。
そもそも議論が得意だと言われる欧米人も、自分の意見がまとまる前にとりあえず発言して、話しながら自分の意見を明確化していることも少なくないらしい。
となれば、授業者が子どもたちに討論をさせたい場合にもっとも重要なことは、どんな意見でも意見として尊重される、自由で楽しい場の空気を作ることだろう。
間違っても、子どもたちに意見を要求しておきながら、それが自分が想定した授業展開に沿わない意見だからと、注意したり叱ったりするようなことはあってはいけない。
そういう経験が子どもたちに刷り込まれることで、前例やマニュアルがないと何も行動できないような大人が生まれてしまうのである。
これをテキストの内容に沿って言い換えるならば、教師の立場はあくまでも中立でなければならないということであろう。
教師の態度がある見解に偏ると、教師の権威が影響し、子どもたちは教師の支持する答えが正しいのだと思ってしまう。どんなに教師が子どもと対等であろうとしても、教師と生徒には構造的な優劣関係が存在する。
そこで教師はあくまでもポーカーフェイスを保ち、どの意見にも過剰に反応することがないようにする。しかし心の中が読まれないように教師が無表情をずっとしているのは、なんとなく冷たいイメージを子どもに与えてしまうので、テキストでは教師はずっとニコニコしているのがいいと述べられている。
とにかく仮説実験授業は、実験で正解を確かめる部分がハイライトになっている授業なので、教師の表情でなんとなく正解がわかってしまうのは興ざめになってしまう。
二つ目に重要な点は、子どもたちに発言や討論を強要しないことである。
子どもたちの「発言をする権利」を尊重し、発言をしやすい雰囲気を教師が作るのは当たり前だが、それと同時に「発言をしない権利」を保障することも大切である。
「一人必ず一回は意見を言う」というように無理に発言をさせようとすると、教師が権威を使って討論を押し付けているように思えるし、そういう空気を子どもは敏感に察知するのでますます発言できない雰囲気になってしまう。
そもそもよく発言をする生徒が主体的によく考えていて、発言をしない生徒が授業に消極的で何も考えていないということは必ずしも当てはまらない。討論の成り行きを観察しながら、発言をしている生徒以上に心の中で考えていることも多い。
また、討論が始まらない場合はもしかしたら「討論すべきテーマではない」と子どもたちがシビアに判断している可能性もある。その場合はクラスの雰囲気を尊重し、すぐに実験に進んだほうがいい。
逆に、討論が白熱しすぎて、それに夢中になっている生徒と、討論に飽きてしまっている生徒に分かれてしまった場合は、発言する生徒に対して人数制限をしたり、時間制限をしたり、そろそろ実験に移るかどうかを尋ねるといった、臨機応変な判断が求められる。
授業者の喜び
授業をする喜びとは言うまでもなく、子どもではなく教師の感じる喜びである。
それは一体どのようなものなのだろうか、テキストの第3章「学生による「楽しい模擬授業」」で模擬授業を行なった学生の感想を以下にまとめる。
・みんなが楽しそうに授業を受けてくれたからうまくいったんだ」。私が「みんなにたのしくてわかりやすい授業にしたい」と思ってやったことも、うまくいった理由ではないかなと思います。(滝沢さん)
・自分の短所が嫌いな子どもたちはたくさんいると思います。そういった子どもたちにも「短所は個性だ」と気づいてもらえるような授業をできる教師になりたいと強く思いました。(瀧沢くん)
以上を踏まえると、授業をする喜びとは、伝える喜びがまず挙げられるだろう。
性格が明るいこと、声がはっきりしていること、板書が上手なこと、指導力があること、など教師の資質を要求する人もいるが、人間には向き不向きや、持って生まれた気質があるので、そういう部分で悩んでいても仕方がない。
それよりは、伝えたくて仕方がないこと、ワクワクすること(教えるに値する教材)に出会い、それを子どもたちに伝えたくて仕方がないと教師自身が思えば、その授業は8割成功する。
また、授業の成功には子どもたちの協力が必要不可欠であるという、教えるということのインタラクティブ性も感じることだろう。授業の成否を判断するのはあくまでも授業を受ける子どもたちである。
よって子どもたちから、自分でも気づかないようなアドバイスや評価をもらえれば、模擬授業を実践した学生のように、短所だと思っていたことが実は自分の大切な個性(むしろ授業をする上ではメリット)だと気づくこともできる。
教師は、子どもに教えることで、逆に子どもからいろいろなことを教えてもらっている存在である。だからこそ、楽しい授業をすることで、教師も元気になり、授業をすることの喜びや楽しさを感じることができるのである。
授業の導入
授業の導入は、理科に限らずすべての教科で最も重要な「つかみ」である。ここで子どもの心をつかめれば、あとはだいたいうまくいくことが多い。それだけに授業の導入は用意周到に行う必要がある。
テキストでは授業の始めにさらっとこれまでの授業の復習をするとよいと書かれている。
これにより、この続きが楽しみだな、今日はどんな授業なのかな?と子どもたちの好奇心を高め、これから始まる授業にスムーズに入れるようにするわけだが、この時の復習はあくまでもさらっと、しつこくなく、今学んでいる学習内容が思い出せる程度でいい。
問題の意味を伝える
次に、今回学習する問題が書かれたプリントを子どもたちに裏の状態のままで配る。これも表にはどのようなことが書かれているのだろうと、子どもたちをワクワクさせるちょっとした工夫である。また、前の席の子が先に問題を読んでしまって、後ろの席の子が「ネタバレ」をくらってしまうこともない。
そして、子どもにプリントに書かれている問題を音読させるのだが、この場合は「誰か問題を読みたい人いますか?」よりも「誰か読んでくれる人いませんか?」と尋ねるほうが良いという。
その理由は、積極的な子どもならともかく、思春期を迎えたような恥ずかしがりやな子には、先生から頼られているというシチュエーションの方が手を挙げやすいからである。
また、子どもがプリントを読んでいる際には、せっかく読んでもらっているのだから、その子に恥をかかせないように、読みにくい感じが出てきたらさりげなく教師が素早くすっと読んであげるのがいい。
最後に、問題の意味を子どもたち全員にわかりやすくきちんと伝えるには、実験器具などの実物を見せて、手順を説明&実演し、さらに実験結果が出る寸前まで実際にやって見せてしまう。
これにより、この実験のどの段階が「問題」になっているのかが明確化し、仮説実験授業で重要な「予想」を子どもたちが立てやすくなる。
確かに、口頭で説明したり、プリントを読ませるだけでは、子どもたちが実験の具体的な内容をイメージすることは難しいだろう。初めて行う実験ならなおさらである。
以上をまとめると、授業者が大切にすべきことは、常に授業を受ける子どもたちの立場に立って、問題を投げかけたり、教材を配ったり、実験を説明したりするということである。
こういった細かな配慮が、子どもたちを積極的に授業に引き込むテクニックとなっている。
生徒は実験が好きなのか
理科の授業の醍醐味は何かと聞かれれば、実験であるというイメージは強い。
しかし、本当に子どもたちは実験それ自体が好きなのだろうか?テキストのアンケートでは、理科の実験が好きだと答えた大学生は100人中39名にとどまった。つまり4人にひとりは理科の実験はどちらかといえば嫌いだというのである。
その理由は、片付けと準備が面倒、班別行動が嫌だった、細かい作業が苦手、実験の得意な友達ばかりがやっていたので嫌だったなどであった。
逆に、実験で楽しかった思い出を尋ねたところ、試験管でアイスを作ったこと、液を一滴垂らすだけで水の色が変わったとき、太陽光を虫眼鏡で集めて黒い紙を燃やしたこと、牛乳パックでカメラを作ったことなどが挙がった。
しかし実際には、実験中はみんなとおしゃべりできたり、珍しい器具を触れたから楽しかっただけで、別に実験そのものが楽しかったわけじゃなかったというのが大方の本音であった。
実験とは何か
理科の実験が、実はそこまで人気がない理由、それは理科の授業で行われる実験が、教科書に書かれていることの確認作業にとどまっているからである。
では、そもそも実験とはなんなのだろうか?
実際に体験すること、習ったことの確認、今まで知らなかったことを実験で発見できる、教科書で学ぶだけでなく、実際に目で見て確認すること、などいろいろな考え方があるが、仮説実験授業を提唱している板倉聖宣によれば、実験が実験足りえる重要な要素は「仮説」なのだという。
天秤や試験管やその他珍しい実験器具を使うことが実験だと思っている人もいるが、仮説が本当に正しいかどうか調べてみる試み、これが実験なのである。したがって仮説がないことには実験は成立しない。
人々の予想が大きく分かれてしまうような問題や疑問があったとき、人々は話し合いや討論をし、いろいろな考えが生まれてくる。つまり仮説の全貌が明確化する。
すると、では実際に実験をしてみて、どの説が正しいか白黒決着をつけようということになり、実験の結果が非常に楽しみになる。これこそが本当の実験なのである。
つまり、実験を授業として行う際には、問題点を子どもたちが共有できるように簡単な手順の実験にすること、子どもたちが予想を立てやすいようにABCなどの選択問題になっていること、それぞれの予想の支持者がばらつくように、大人でも確信を持って正しい考えを出せないような問題にすること、などの事前の教材研究が重要なのである。
討論の注意点
日本人は討論が苦手だというイメージがある。それは自分の意見を持っていないからできないというよりは、もし場の空気を読まずに一人だけ変なことを言って目立ってしまったらどうしようという恥ずかしさや、恐れ、同調圧力によるものが大きいのだと私は思う。
そもそも議論が得意だと言われる欧米人も、自分の意見がまとまる前にとりあえず発言して、話しながら自分の意見を明確化していることも少なくないらしい。
となれば、授業者が子どもたちに討論をさせたい場合にもっとも重要なことは、どんな意見でも意見として尊重される、自由で楽しい場の空気を作ることだろう。
間違っても、子どもたちに意見を要求しておきながら、それが自分が想定した授業展開に沿わない意見だからと、注意したり叱ったりするようなことはあってはいけない。
そういう経験が子どもたちに刷り込まれることで、前例やマニュアルがないと何も行動できないような大人が生まれてしまうのである。
これをテキストの内容に沿って言い換えるならば、教師の立場はあくまでも中立でなければならないということであろう。
教師の態度がある見解に偏ると、教師の権威が影響し、子どもたちは教師の支持する答えが正しいのだと思ってしまう。どんなに教師が子どもと対等であろうとしても、教師と生徒には構造的な優劣関係が存在する。
そこで教師はあくまでもポーカーフェイスを保ち、どの意見にも過剰に反応することがないようにする。しかし心の中が読まれないように教師が無表情をずっとしているのは、なんとなく冷たいイメージを子どもに与えてしまうので、テキストでは教師はずっとニコニコしているのがいいと述べられている。
とにかく仮説実験授業は、実験で正解を確かめる部分がハイライトになっている授業なので、教師の表情でなんとなく正解がわかってしまうのは興ざめになってしまう。
二つ目に重要な点は、子どもたちに発言や討論を強要しないことである。
子どもたちの「発言をする権利」を尊重し、発言をしやすい雰囲気を教師が作るのは当たり前だが、それと同時に「発言をしない権利」を保障することも大切である。
「一人必ず一回は意見を言う」というように無理に発言をさせようとすると、教師が権威を使って討論を押し付けているように思えるし、そういう空気を子どもは敏感に察知するのでますます発言できない雰囲気になってしまう。
そもそもよく発言をする生徒が主体的によく考えていて、発言をしない生徒が授業に消極的で何も考えていないということは必ずしも当てはまらない。討論の成り行きを観察しながら、発言をしている生徒以上に心の中で考えていることも多い。
また、討論が始まらない場合はもしかしたら「討論すべきテーマではない」と子どもたちがシビアに判断している可能性もある。その場合はクラスの雰囲気を尊重し、すぐに実験に進んだほうがいい。
逆に、討論が白熱しすぎて、それに夢中になっている生徒と、討論に飽きてしまっている生徒に分かれてしまった場合は、発言する生徒に対して人数制限をしたり、時間制限をしたり、そろそろ実験に移るかどうかを尋ねるといった、臨機応変な判断が求められる。
授業者の喜び
授業をする喜びとは言うまでもなく、子どもではなく教師の感じる喜びである。
それは一体どのようなものなのだろうか、テキストの第3章「学生による「楽しい模擬授業」」で模擬授業を行なった学生の感想を以下にまとめる。
・みんなが楽しそうに授業を受けてくれたからうまくいったんだ」。私が「みんなにたのしくてわかりやすい授業にしたい」と思ってやったことも、うまくいった理由ではないかなと思います。(滝沢さん)
・自分の短所が嫌いな子どもたちはたくさんいると思います。そういった子どもたちにも「短所は個性だ」と気づいてもらえるような授業をできる教師になりたいと強く思いました。(瀧沢くん)
以上を踏まえると、授業をする喜びとは、伝える喜びがまず挙げられるだろう。
性格が明るいこと、声がはっきりしていること、板書が上手なこと、指導力があること、など教師の資質を要求する人もいるが、人間には向き不向きや、持って生まれた気質があるので、そういう部分で悩んでいても仕方がない。
それよりは、伝えたくて仕方がないこと、ワクワクすること(教えるに値する教材)に出会い、それを子どもたちに伝えたくて仕方がないと教師自身が思えば、その授業は8割成功する。
また、授業の成功には子どもたちの協力が必要不可欠であるという、教えるということのインタラクティブ性も感じることだろう。授業の成否を判断するのはあくまでも授業を受ける子どもたちである。
よって子どもたちから、自分でも気づかないようなアドバイスや評価をもらえれば、模擬授業を実践した学生のように、短所だと思っていたことが実は自分の大切な個性(むしろ授業をする上ではメリット)だと気づくこともできる。
教師は、子どもに教えることで、逆に子どもからいろいろなことを教えてもらっている存在である。だからこそ、楽しい授業をすることで、教師も元気になり、授業をすることの喜びや楽しさを感じることができるのである。
天文学覚え書き
2016-01-01 21:54:41 (8 years ago)
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カテゴリタグ:
- 地学
明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。2016年一発目の記事は初日の出的に太陽についてです。理科の単位取得もいよいよ折り返し、それと同時に漫画も描けたらな、と思っています。
しっかし天文学は現役時代も鬼門だったんですが、やっぱり難しい!理科の中でもトップクラスに数学的なセンスが問われる分野なんじゃないでしょうか。この宇宙世紀、君は生き残れるか??
太陽系
太陽とその周りを公転している天体の集まりのこと。
天文単位(AU)
太陽~地球の距離1.5億キロメートルを1天文単位としている。
太陽から太陽系で最も外側にある惑星の海王星までの距離は30天文単位であるが、太陽系自体はもっと広く、海王星の外側にはエッジワース・カイパーベルト(50天文単位)、さらにその外側にはオールトの雲という、冥王星をはじめとする太陽系外縁天体(TNO)が存在するエリアがあり、それを含めると太陽系の大きさは1万~10万天文単位と考えられている。
太陽系の誕生と形成
46億年前、ガス(主成分は水素とヘリウム)や塵などの星間物質が収縮して太陽系は出来た。太陽だけではなく、地球をはじめとする太陽系の惑星もほぼ同時期にできたとされている。
まず星間物質が集まって収縮して中心部に原始太陽ができ、残りの星間物質は回転を続けながら平たい円盤状に広がり原始太陽系星雲になった。
このような星間物質の中で大きめの塵は、衝突や合体を繰り返し、直径1~10キロメートルの微惑星になり、この微惑星が衝突や合体をして原始惑星ができた。
この原始惑星がさらに衝突、合体して惑星になった・・・雪だるまか。
太陽
太陽系のすべての質量の99.8%を占める恒星。
明るさは見かけの実視等級で-27等級。
半径は約70万キロメートル。
質量は2.0×1030キログラム。
地球から見ると満月とほぼぴったりの大きさに見えるが、実際は地球の109倍の大きさがある。
さらに、その質量は、地球の質量のなんと33万倍である。
なんか、すごい大きい気がするが、実は質量は長さの3乗なので、109の3乗=130万倍になるはずである。これは太陽が地球よりも軽い物質で出来ているからである。
太陽の組成
可視光線をプリズムに通すと、光は色(波長)によって屈折率が異なるため、虹のように分光する(波長が短いほうが屈折率が大きい)。
この時できる光の帯をスペクトルというが、太陽放射のスペクトルには、ところどころ細くて暗い線(吸収線)が入っている。
この線はフラウンホーファー線と呼ばれ、太陽の大気に含まれる元素の種類と存在量を調べる手がかりになる。
元素には種類によってそれぞれ特定の波長の光を吸収する性質があるので、太陽大気の中にある元素が吸収する波長の光は地球にまで届かない。これがフラウンホーファー線のできる原因である。
これによれば、太陽の93%は水素で出来ており、残り7%はヘリウムであることがわかる。つまり太陽の組成は、木製型惑星と非常に似ている。
光球
可視光線として見られる太陽の表面で、太陽の表面~深さ500キロメートルほどの薄い層である。
太陽の表面温度は6000Kだが、その明るさは円の中心から周辺に行くに従って暗くなっていく(周辺減光)。
また、光球には太陽の対流活動によって出来る、どことなく細胞っぽい、小さなつぶつぶの模様(粒状斑)がある。粒状斑の大きさは1000キロメートルほどあり、できて5~10分で消える。
黒点
光球の表面にある黒い点。
中央部は暗部、周辺の薄暗い部分は半暗部と呼ばれる。
黒点の寿命は10日ほどで、黒点の数が多いと太陽の活動は活発に、少ないと穏やかになる。
黒点は0.2テスラほど(1テスラ=10000ガウス)の強い磁場を持ち、内部にある高温のガスの浮上を妨害してしまう。そのために温度が4000Kと周囲よりも低く、黒く見える。
白斑
黒点とは逆に、光球よりもさらに600K温度が高い斑点。黒点のそばや、光球の淵にある。
彩層
光球の上部を取り巻く数千キロメートルの大気層で、皆既日食の時には赤く見える。
コロナ
彩層のさらに外側に広がる薄い大気の層。光球よりもはるかに熱く100万~200万Kにもなる。そのため水素やヘリウムの原子から電子が分離してイオンになっている。
この時できるイオンや電子は太陽風として周囲に放たれる。
コロナは皆既日食の際には白っぽい灰色(真珠色)に見える。
プロミネンス(紅炎)
彩層の外側から吹き出している、高さ数十万キロメートルに達する巨大な炎的なもの。
コロナの中に浮いているものもある。
長期間安定しているもの(静穏型)と、短い時間で形が崩れてしまうもの(活動型)の2タイプがある。
またプロミネンスによって太陽の表面にできる影はダークフィラメントと呼ばれる。
中心部
太陽の中心部では核融合反応が起きていて、その温度は1500万Kにものぼる。
核融合反応は化学反応と異なり、反応の前後で元素が変化し、その時失われた質量が莫大なエネルギーとして放出される。
フレア
太陽活動が活発なときに発生する太陽表面での爆発。彩層やコロナが急激に明るくなり、X線や太陽風が放出される。
この時のX線は地球の大気に影響を与え、短波通信に障害を引き起こす。これをデリンジャー現象という。
太陽風
コロナのイオンや電子といった荷電粒子が宇宙空間に放出したもの。
この太陽風が地球磁気圏に急激な変化を与えることを磁気嵐という。
磁気嵐の電波障害は通信衛星の発達によってかなり解消されているが、それでもGPSや人工衛星の誤作動を引き起こす可能性があるので、太陽活動は宇宙天気予報によって情報公開がされている。
太陽系の天体
太陽系の惑星には、岩石でできた地殻・マントルと、金属でできた核を持つ地球型惑星(岩石惑星)と、表面が厚いガスで覆われ、その下に高い圧力で液体になった金属水素、そして中心部に岩石と氷でできた核がある木星型惑星(巨大ガス惑星)、そして、表面がガスで、その下に水やメタンなどの氷、岩石と氷の核を持つ天王星型惑星(巨大氷惑星)の三つのタイプがある。
水星
太陽系の惑星の中で最も大きさと質量が小さい。
大気や水が存在しないため、表面には古いクレーターが侵食されずにそのまま残っている。
昼間は430℃、夜間は-170℃と気温の日較差が非常に激しい。これは大気がない上に、彗星の自転周期が59日もあるからである(昼と夜の時間が長い)。
また、数百キロメートルに渡る断崖は、水性の冷却に伴う収縮、もしくは太陽の潮汐力でできたシワだと考えられている。
金星
大きさは地球とほぼ一緒。
しかし大気のほとんどが二酸化炭素で分厚く、90気圧もある。二酸化炭素の温室効果で金星の表面は460℃に達する。
また、惑星は一般的に自転と公転の向きが同じなのだが、金星ではバックスピン的に逆回転をしている。
地球
大きさは以下の通り。
半径が6400キロメートル。
直径が12700キロメートル。
円周は40000キロメートル。
太陽系の惑星で唯一ハビタブルゾーン(生息ゾーン)という領域に入っているため、水が液体の状態で存在している。これよりも太陽よりだと水は水蒸気に、外側だと水は凍ってしまう。
ちなみに月もこのゾーンにあるのだが、質量が小さいために、大気や水を重力で表面にとどめておくことができない。
月
地球のたった一つの衛星。
半径は地球の4分の1で、重力は6分の1。
原始地球の末期(45.5億年前)に火星くらいの大きさの天体が地球にぶつかり、その時の破片が再びくっついて、1ヶ月程の突貫工事で作られた(ジャイアント・インパクト説)。
そのため、月には誕生時の隕石の衝突によってできた多数のクレーターがあり、その後このクレーターを月の内部から噴出した黒い玄武岩質溶岩が埋め、クレータがー少ない平坦な部分(海)を作った。
したがって、月の海は地球から黒く見え、クレーターが多いエリア(高地)は白く見えるのに注意。
火星
大きさは地球の半分くらい。地球と同様に自転軸がナナメに傾いているので季節が存在する。
金星同様、大気の主成分は二酸化炭素だが、大気圧は地球の100分の1しかない。
現在、火星に液体の水は発見されていないが、河川の跡があることからかつてはあったんじゃないかと言われている。また巨大な火山や渓谷がある。
木星
太陽系最大の惑星。表面には縞模様やうず模様が見られ、特に大きいうずは大赤斑と呼ばれる。表面温度は-150℃と冷たい。
60個以上の衛星を従えている。もうちょい質量があったら恒星になれた可能性がある。
土星
太陽系で二番目に巨大な惑星だが、平均密度が最も小さく、水の密度よりも小さいので、こんなにでかいのにプールに浮く。
望遠鏡でもわかるくらい巨大なリングを持っているが、その厚さは数百メートルほどで、幅(7万キロメートル)に比べて非常に薄い。このリングは氷をメインに岩のかけらが集まったものである。
また偏平率が非常に大きいため、見るだけで楕円形であるのが分かる。
60個以上の衛星を従えている。
天王星
太陽系で三番目に大きい惑星。なにげにかなりデカイ。
表面温度は-200℃以下で非常に冷たい。
自転軸は垂直に傾いており、なんと横倒しの状態で自転をしている。
海王星
大きさや構造は天王星と似ている。地球を超えるほどの綺麗なブルーの星だが、これは海があるのではなく大気に含まれるメタンによるもの。
小惑星
アステロイド。
主に火星と木星の間(メインベルト)を公転している岩石のこと。現時点で50万個も発見されている。ほとんどは直径10キロメートル以下の大きさだが、最大の小惑星のケレスは直径が1000キロメートルもある。
小惑星は太陽系ができたころの微惑星の残骸で出来たと考えられるため、ここからサンプルを採取できればどのように太陽系ができたのかを知る重要なヒントになる。
太陽系外縁天体(TNO)
トランス・ネプチュニアン・オブジェクト。
海王星の軌道の外側にある天体をまとめてこう言う。
メインベルトの小惑星と異なり、こちらは氷を主成分とする小天体。直径100キロメートル以上のものでも現在1000個以上発見されていて、準惑星に降格してしまった冥王星もここに含まれる。というか冥王星よりも巨大な天体も見つかっている。
カロン、ニクス、ヒドラ、エリスなど冥界めいているというか、禍々しい名前のものが多い。
彗星
コメット。
楕円軌道を持つ小天体のうち、太陽に接近すると塵の尾を発生させるもの。
彗星は氷がメインで、ほかに岩石の塵を持っている。大きさは直径数キロメートルほど。
太陽に近づくと温まって、表面からガスを吹き出し先端は白く輝く。この部分をコマという。この時に噴射したガスや塵、イオンは、太陽風に吹かれて、太陽と反対側に伸びる。
隕石
メテオライト。
主にメインベルトの小惑星の破片が地球やほかの天体に接近、衝突したもの。
大きいものがぶつかるとクレーターができる。
アリゾナ州のメテオクレーターからはキャニオン・ディアブロという鉄隕石が採取され、鉄とニッケルの混合酸化物や、衝撃の際の圧力でできた鉱物(コース石)が発見された。
クレーターは世界で180個程度見つかっている。
太陽の未来
恒星の最期は超新星爆発でチュドーンというイメージがあるが、太陽はそこまで質量が大きな星ではないので、その最期はそこまでドラマチックではない。
これが太陽の10倍になると超新星爆発の後に中性子星(パルサー)に、30倍以上になると超新星爆発の後にブラックホールになる。
主系列星
収縮した原始星が1000万Kまで温度を上昇させると、中心部で核融合が始まり光り輝く。この状態を主系列星という。また、主系列星になる直前の星はTタウリ型星という。
核エネルギーは星を膨張させる力があるため、星を収縮させる重力とつり合い、収縮は止まり、星の明るさや半径はほとんど変化しない。
恒星は一生のうちで最も長い期間を、主系列星の状態で過ごし、現在の太陽もこの状態である。一般的に、恒星の寿命はこの主系列星の期間をさし、太陽では100億年だと考えられている。つまり、太陽(46億歳)は、あと50~60億年は大丈夫。長生き。
赤色巨星
核融合では、水素がどんどんヘリウムに変わっていくので、中心部にヘリウムが溜まっていく。こうなると水素による核融合が起こらなくなり、中心部は重力に負けて収縮していく。
しかし、今度は中心部の外側で水素核融合が始まり急激に膨張していく。
すると表面積が大きくなるため、表面温度は6000Kから3000Kに低下し、反面、明るさは現在の1000倍になる。
また、収縮した中心部では増大した原子の落下エネルギーによって温度が上がり、1億Kを超えると今度はヘリウムが核融合を起こし、炭素や酸素を作るようになる。
この段階になると、赤色巨星全体もいったん収縮するが、やがてそのヘリウムも使い切って、炭素や酸素の核ができると、再び膨張する。
最終的には太陽は現在の200倍まで膨張し、水星や金星を飲み込み、地球のすぐ近くにまでやってくる。この頃には地球は太陽に吹き飛ばされるか、太陽の熱によって蒸発している。悲しい。
惑星状星雲
中心部のヘリウムを使い切ると核融合は停止して、赤色巨星の外側のガスは宇宙空間に流出する。このときのガスは、星間物質となり、再び星間雲を作る材料としてリサイクルされる。
惑星状星雲という名前がつけられているが、丸い形(球体)だけではなく、リングやリボン、砂時計などいろいろな形が存在する。
白色矮星
宇宙空間に外側のガスが全て流出してしまうと、中心部には現在の太陽の大きさの100分の1程の高密度で小さな星が残る。これを白色矮星という。
白色矮星は核融合を停止しており、徐々に冷やされて暗くなっていく。こうして太陽は死んでしまう。
系外惑星
太陽系以外の惑星のこと。地球以外に知的生命体がいそうな惑星ってあるのかな(SETIプロジェクト)という好奇心もあるのか、4000個近く発見されている。
間接的な方法で検出してきたが、観測技術が進歩して直接観測も可能になってきた。
系外惑星の検出方法としては、惑星の重力によって変化する中心の星からの光の波長を調べるドップラーシフト法(共通重心の関係から惑星の質量のあたりがつく)、惑星が中心の星を横切る際の明るさの変化を調べるトランジット法(惑星の大きさのあたりがつく)などがある。
ホットジュピター
木星のように巨大な惑星なのに、中心の恒星(太陽)のすぐ近くの軌道を回るタイプ。
エキセントリックプラネット
彗星のような離心率の大きい楕円軌道を持つ惑星。
銀河系(天の川銀河)
多数の恒星と星間物質からなる大集団を銀河というが、その中でも太陽や地球を含む銀河は銀河系という。銀河系は恒星が約2000億個もある。
銀河系は中心部のバルジ、ここから伸びた円盤状のディスク、ディスクの外側を取り巻くハローで構成されている。
①バルジ
バルジとは「ふくらみ」と言う意味で、その名の通り、中心部の膨らんでいる部分。
恒星が集中しており半径は1万光年。
ちなみに1光年は9兆5000億キロメートルである。数がでかすぎてよくわからん。
②ディスク(円盤部)
バルジから伸びた円盤状の部分。半径は5万光年。
銀河系内の大部分の恒星がここにあり、若い星の集まりの散開星団や多くの星間物質がある。
太陽もディスクにあり中心部から約2万8000光年の距離にある。
また、天の川は地球からディスクを眺めたもので、したがって一年中見えるのだが、夏に天の川が七夕などで取りざたされるのは、地球が夏にバルジの方向を向くからである。
逆に冬はバルジの反対側を向くため、見える星は少なくなり、冬の天の川は細くて暗い。
③ハロー
こんにちは、ではなく、ラテン語で「後光」という意味。ディスクを球状に取り巻くエリア。半径は7.5万光年。
ここには100億年以上の歳をとった星の集団の球状星団がまばらにある。
銀河
銀河系は、約20万光年の場所に大マゼラン雲と小マゼラン雲という小型の銀河を従えているが、その銀河系もさらに230万光年の距離にある銀河系よりも巨大なアンドロメダ銀河に従えられている。
アンドロメダ銀河は直径が600万光年もあり、銀河系の他に40個以上の銀河を抱えている。このグループを局部銀河群と言う。
また、この局部銀河群よりもさらに巨大な、数百~数千もの銀河が集まったグループは銀河団と呼ばれ、アンドロメダ銀河率いる局部銀河群も、おとめ座銀河団に従えられている。
しかし、宇宙にはまだ上があり、数億光年もの大きさがある超銀河団は銀河群や銀河団もまとめてしまう。
太陽系<銀河系<アンドロメダ銀河(局部銀河群)<おとめ座銀河団<超銀河団
活動銀河
中心部から非常に強い電磁波を放射する銀河のこと。強さに応じて以下の三つがある。
クェーサー
非常に遠く(=古く)異常なまでに明るい核を持つ。
そのエネルギー源は、ブラックホールに落ちた物質が解き放つ重力エネルギーだと言われている。
セイファート銀河
クェーサーよりは放射エネルギーは小さいものの、異常な明るさと特徴的なスペクトルを持つ光を放つ銀河。その多くは渦巻き状で、アメリカの天文学者のセイファートが発見した。
電波銀河
通常の銀河に比べて強い電波を放射している銀河。多くは楕円の形をしており、中心核の活動は激しくガスをジェット噴射しているものもある。
宇宙
宇宙には銀河が一様には分布しておらず、銀河がたくさんあるエリア(グレートウォール)と、ほとんどないエリアがある。この銀河の分布構造を泡構造という。
宇宙の誕生
1929年にアメリカの天文学者のエドウィン・ハッブルは、ほぼ全ての銀河は銀河系から遠ざかっていること、つまり宇宙全体は膨張していることを発見した。
逆に言えば、かつての宇宙は、非常に小さく超高温・高密度の状態だったことになる。このような火の玉のような状態をビッグバンという。
宇宙は137億年前のビッグバンによって急膨張を開始し、徐々に温度を低下させた。
ビッグバンから10万分の1秒後に宇宙空間にできた陽子や中性子は、その数分後にはくっついて原子核になった。
ちなみに、ハッブルは形による銀河の分類や距離の測定なども行っているが、その才能は天文学だけにとどまらず、学生時代は陸上競技やボクシング、大学卒業後は弁護士もやっていた。
物質の誕生
宇宙ができて38万年後、温度は3000Kまで低下し、宇宙に満ちていた電子は水素原子核やヘリウム原子核と結合した。これによって、霧の中を進む車のヘッドライトのように、光が電子に遮られることがなくなり、宇宙は晴れ上がった。
この時の発生した電磁波は赤方偏移で波長が伸びて宇宙背景放射として観測される。
星の誕生
ビッグバンから1~3億年後に最初の星ができた。その後銀河がつくられ宇宙の構造が形成された。
しっかし天文学は現役時代も鬼門だったんですが、やっぱり難しい!理科の中でもトップクラスに数学的なセンスが問われる分野なんじゃないでしょうか。この宇宙世紀、君は生き残れるか??
太陽系
太陽とその周りを公転している天体の集まりのこと。
天文単位(AU)
太陽~地球の距離1.5億キロメートルを1天文単位としている。
太陽から太陽系で最も外側にある惑星の海王星までの距離は30天文単位であるが、太陽系自体はもっと広く、海王星の外側にはエッジワース・カイパーベルト(50天文単位)、さらにその外側にはオールトの雲という、冥王星をはじめとする太陽系外縁天体(TNO)が存在するエリアがあり、それを含めると太陽系の大きさは1万~10万天文単位と考えられている。
太陽系の誕生と形成
46億年前、ガス(主成分は水素とヘリウム)や塵などの星間物質が収縮して太陽系は出来た。太陽だけではなく、地球をはじめとする太陽系の惑星もほぼ同時期にできたとされている。
まず星間物質が集まって収縮して中心部に原始太陽ができ、残りの星間物質は回転を続けながら平たい円盤状に広がり原始太陽系星雲になった。
このような星間物質の中で大きめの塵は、衝突や合体を繰り返し、直径1~10キロメートルの微惑星になり、この微惑星が衝突や合体をして原始惑星ができた。
この原始惑星がさらに衝突、合体して惑星になった・・・雪だるまか。
太陽
太陽系のすべての質量の99.8%を占める恒星。
明るさは見かけの実視等級で-27等級。
半径は約70万キロメートル。
質量は2.0×1030キログラム。
地球から見ると満月とほぼぴったりの大きさに見えるが、実際は地球の109倍の大きさがある。
さらに、その質量は、地球の質量のなんと33万倍である。
なんか、すごい大きい気がするが、実は質量は長さの3乗なので、109の3乗=130万倍になるはずである。これは太陽が地球よりも軽い物質で出来ているからである。
太陽の組成
可視光線をプリズムに通すと、光は色(波長)によって屈折率が異なるため、虹のように分光する(波長が短いほうが屈折率が大きい)。
この時できる光の帯をスペクトルというが、太陽放射のスペクトルには、ところどころ細くて暗い線(吸収線)が入っている。
この線はフラウンホーファー線と呼ばれ、太陽の大気に含まれる元素の種類と存在量を調べる手がかりになる。
元素には種類によってそれぞれ特定の波長の光を吸収する性質があるので、太陽大気の中にある元素が吸収する波長の光は地球にまで届かない。これがフラウンホーファー線のできる原因である。
これによれば、太陽の93%は水素で出来ており、残り7%はヘリウムであることがわかる。つまり太陽の組成は、木製型惑星と非常に似ている。
光球
可視光線として見られる太陽の表面で、太陽の表面~深さ500キロメートルほどの薄い層である。
太陽の表面温度は6000Kだが、その明るさは円の中心から周辺に行くに従って暗くなっていく(周辺減光)。
また、光球には太陽の対流活動によって出来る、どことなく細胞っぽい、小さなつぶつぶの模様(粒状斑)がある。粒状斑の大きさは1000キロメートルほどあり、できて5~10分で消える。
黒点
光球の表面にある黒い点。
中央部は暗部、周辺の薄暗い部分は半暗部と呼ばれる。
黒点の寿命は10日ほどで、黒点の数が多いと太陽の活動は活発に、少ないと穏やかになる。
黒点は0.2テスラほど(1テスラ=10000ガウス)の強い磁場を持ち、内部にある高温のガスの浮上を妨害してしまう。そのために温度が4000Kと周囲よりも低く、黒く見える。
白斑
黒点とは逆に、光球よりもさらに600K温度が高い斑点。黒点のそばや、光球の淵にある。
彩層
光球の上部を取り巻く数千キロメートルの大気層で、皆既日食の時には赤く見える。
コロナ
彩層のさらに外側に広がる薄い大気の層。光球よりもはるかに熱く100万~200万Kにもなる。そのため水素やヘリウムの原子から電子が分離してイオンになっている。
この時できるイオンや電子は太陽風として周囲に放たれる。
コロナは皆既日食の際には白っぽい灰色(真珠色)に見える。
プロミネンス(紅炎)
彩層の外側から吹き出している、高さ数十万キロメートルに達する巨大な炎的なもの。
コロナの中に浮いているものもある。
長期間安定しているもの(静穏型)と、短い時間で形が崩れてしまうもの(活動型)の2タイプがある。
またプロミネンスによって太陽の表面にできる影はダークフィラメントと呼ばれる。
中心部
太陽の中心部では核融合反応が起きていて、その温度は1500万Kにものぼる。
核融合反応は化学反応と異なり、反応の前後で元素が変化し、その時失われた質量が莫大なエネルギーとして放出される。
フレア
太陽活動が活発なときに発生する太陽表面での爆発。彩層やコロナが急激に明るくなり、X線や太陽風が放出される。
この時のX線は地球の大気に影響を与え、短波通信に障害を引き起こす。これをデリンジャー現象という。
太陽風
コロナのイオンや電子といった荷電粒子が宇宙空間に放出したもの。
この太陽風が地球磁気圏に急激な変化を与えることを磁気嵐という。
磁気嵐の電波障害は通信衛星の発達によってかなり解消されているが、それでもGPSや人工衛星の誤作動を引き起こす可能性があるので、太陽活動は宇宙天気予報によって情報公開がされている。
太陽系の天体
太陽系の惑星には、岩石でできた地殻・マントルと、金属でできた核を持つ地球型惑星(岩石惑星)と、表面が厚いガスで覆われ、その下に高い圧力で液体になった金属水素、そして中心部に岩石と氷でできた核がある木星型惑星(巨大ガス惑星)、そして、表面がガスで、その下に水やメタンなどの氷、岩石と氷の核を持つ天王星型惑星(巨大氷惑星)の三つのタイプがある。
水星
太陽系の惑星の中で最も大きさと質量が小さい。
大気や水が存在しないため、表面には古いクレーターが侵食されずにそのまま残っている。
昼間は430℃、夜間は-170℃と気温の日較差が非常に激しい。これは大気がない上に、彗星の自転周期が59日もあるからである(昼と夜の時間が長い)。
また、数百キロメートルに渡る断崖は、水性の冷却に伴う収縮、もしくは太陽の潮汐力でできたシワだと考えられている。
金星
大きさは地球とほぼ一緒。
しかし大気のほとんどが二酸化炭素で分厚く、90気圧もある。二酸化炭素の温室効果で金星の表面は460℃に達する。
また、惑星は一般的に自転と公転の向きが同じなのだが、金星ではバックスピン的に逆回転をしている。
地球
大きさは以下の通り。
半径が6400キロメートル。
直径が12700キロメートル。
円周は40000キロメートル。
太陽系の惑星で唯一ハビタブルゾーン(生息ゾーン)という領域に入っているため、水が液体の状態で存在している。これよりも太陽よりだと水は水蒸気に、外側だと水は凍ってしまう。
ちなみに月もこのゾーンにあるのだが、質量が小さいために、大気や水を重力で表面にとどめておくことができない。
月
地球のたった一つの衛星。
半径は地球の4分の1で、重力は6分の1。
原始地球の末期(45.5億年前)に火星くらいの大きさの天体が地球にぶつかり、その時の破片が再びくっついて、1ヶ月程の突貫工事で作られた(ジャイアント・インパクト説)。
そのため、月には誕生時の隕石の衝突によってできた多数のクレーターがあり、その後このクレーターを月の内部から噴出した黒い玄武岩質溶岩が埋め、クレータがー少ない平坦な部分(海)を作った。
したがって、月の海は地球から黒く見え、クレーターが多いエリア(高地)は白く見えるのに注意。
火星
大きさは地球の半分くらい。地球と同様に自転軸がナナメに傾いているので季節が存在する。
金星同様、大気の主成分は二酸化炭素だが、大気圧は地球の100分の1しかない。
現在、火星に液体の水は発見されていないが、河川の跡があることからかつてはあったんじゃないかと言われている。また巨大な火山や渓谷がある。
木星
太陽系最大の惑星。表面には縞模様やうず模様が見られ、特に大きいうずは大赤斑と呼ばれる。表面温度は-150℃と冷たい。
60個以上の衛星を従えている。もうちょい質量があったら恒星になれた可能性がある。
土星
太陽系で二番目に巨大な惑星だが、平均密度が最も小さく、水の密度よりも小さいので、こんなにでかいのにプールに浮く。
望遠鏡でもわかるくらい巨大なリングを持っているが、その厚さは数百メートルほどで、幅(7万キロメートル)に比べて非常に薄い。このリングは氷をメインに岩のかけらが集まったものである。
また偏平率が非常に大きいため、見るだけで楕円形であるのが分かる。
60個以上の衛星を従えている。
天王星
太陽系で三番目に大きい惑星。なにげにかなりデカイ。
表面温度は-200℃以下で非常に冷たい。
自転軸は垂直に傾いており、なんと横倒しの状態で自転をしている。
海王星
大きさや構造は天王星と似ている。地球を超えるほどの綺麗なブルーの星だが、これは海があるのではなく大気に含まれるメタンによるもの。
小惑星
アステロイド。
主に火星と木星の間(メインベルト)を公転している岩石のこと。現時点で50万個も発見されている。ほとんどは直径10キロメートル以下の大きさだが、最大の小惑星のケレスは直径が1000キロメートルもある。
小惑星は太陽系ができたころの微惑星の残骸で出来たと考えられるため、ここからサンプルを採取できればどのように太陽系ができたのかを知る重要なヒントになる。
太陽系外縁天体(TNO)
トランス・ネプチュニアン・オブジェクト。
海王星の軌道の外側にある天体をまとめてこう言う。
メインベルトの小惑星と異なり、こちらは氷を主成分とする小天体。直径100キロメートル以上のものでも現在1000個以上発見されていて、準惑星に降格してしまった冥王星もここに含まれる。というか冥王星よりも巨大な天体も見つかっている。
カロン、ニクス、ヒドラ、エリスなど冥界めいているというか、禍々しい名前のものが多い。
彗星
コメット。
楕円軌道を持つ小天体のうち、太陽に接近すると塵の尾を発生させるもの。
彗星は氷がメインで、ほかに岩石の塵を持っている。大きさは直径数キロメートルほど。
太陽に近づくと温まって、表面からガスを吹き出し先端は白く輝く。この部分をコマという。この時に噴射したガスや塵、イオンは、太陽風に吹かれて、太陽と反対側に伸びる。
隕石
メテオライト。
主にメインベルトの小惑星の破片が地球やほかの天体に接近、衝突したもの。
大きいものがぶつかるとクレーターができる。
アリゾナ州のメテオクレーターからはキャニオン・ディアブロという鉄隕石が採取され、鉄とニッケルの混合酸化物や、衝撃の際の圧力でできた鉱物(コース石)が発見された。
クレーターは世界で180個程度見つかっている。
太陽の未来
恒星の最期は超新星爆発でチュドーンというイメージがあるが、太陽はそこまで質量が大きな星ではないので、その最期はそこまでドラマチックではない。
これが太陽の10倍になると超新星爆発の後に中性子星(パルサー)に、30倍以上になると超新星爆発の後にブラックホールになる。
主系列星
収縮した原始星が1000万Kまで温度を上昇させると、中心部で核融合が始まり光り輝く。この状態を主系列星という。また、主系列星になる直前の星はTタウリ型星という。
核エネルギーは星を膨張させる力があるため、星を収縮させる重力とつり合い、収縮は止まり、星の明るさや半径はほとんど変化しない。
恒星は一生のうちで最も長い期間を、主系列星の状態で過ごし、現在の太陽もこの状態である。一般的に、恒星の寿命はこの主系列星の期間をさし、太陽では100億年だと考えられている。つまり、太陽(46億歳)は、あと50~60億年は大丈夫。長生き。
赤色巨星
核融合では、水素がどんどんヘリウムに変わっていくので、中心部にヘリウムが溜まっていく。こうなると水素による核融合が起こらなくなり、中心部は重力に負けて収縮していく。
しかし、今度は中心部の外側で水素核融合が始まり急激に膨張していく。
すると表面積が大きくなるため、表面温度は6000Kから3000Kに低下し、反面、明るさは現在の1000倍になる。
また、収縮した中心部では増大した原子の落下エネルギーによって温度が上がり、1億Kを超えると今度はヘリウムが核融合を起こし、炭素や酸素を作るようになる。
この段階になると、赤色巨星全体もいったん収縮するが、やがてそのヘリウムも使い切って、炭素や酸素の核ができると、再び膨張する。
最終的には太陽は現在の200倍まで膨張し、水星や金星を飲み込み、地球のすぐ近くにまでやってくる。この頃には地球は太陽に吹き飛ばされるか、太陽の熱によって蒸発している。悲しい。
惑星状星雲
中心部のヘリウムを使い切ると核融合は停止して、赤色巨星の外側のガスは宇宙空間に流出する。このときのガスは、星間物質となり、再び星間雲を作る材料としてリサイクルされる。
惑星状星雲という名前がつけられているが、丸い形(球体)だけではなく、リングやリボン、砂時計などいろいろな形が存在する。
白色矮星
宇宙空間に外側のガスが全て流出してしまうと、中心部には現在の太陽の大きさの100分の1程の高密度で小さな星が残る。これを白色矮星という。
白色矮星は核融合を停止しており、徐々に冷やされて暗くなっていく。こうして太陽は死んでしまう。
系外惑星
太陽系以外の惑星のこと。地球以外に知的生命体がいそうな惑星ってあるのかな(SETIプロジェクト)という好奇心もあるのか、4000個近く発見されている。
間接的な方法で検出してきたが、観測技術が進歩して直接観測も可能になってきた。
系外惑星の検出方法としては、惑星の重力によって変化する中心の星からの光の波長を調べるドップラーシフト法(共通重心の関係から惑星の質量のあたりがつく)、惑星が中心の星を横切る際の明るさの変化を調べるトランジット法(惑星の大きさのあたりがつく)などがある。
ホットジュピター
木星のように巨大な惑星なのに、中心の恒星(太陽)のすぐ近くの軌道を回るタイプ。
エキセントリックプラネット
彗星のような離心率の大きい楕円軌道を持つ惑星。
銀河系(天の川銀河)
多数の恒星と星間物質からなる大集団を銀河というが、その中でも太陽や地球を含む銀河は銀河系という。銀河系は恒星が約2000億個もある。
銀河系は中心部のバルジ、ここから伸びた円盤状のディスク、ディスクの外側を取り巻くハローで構成されている。
①バルジ
バルジとは「ふくらみ」と言う意味で、その名の通り、中心部の膨らんでいる部分。
恒星が集中しており半径は1万光年。
ちなみに1光年は9兆5000億キロメートルである。数がでかすぎてよくわからん。
②ディスク(円盤部)
バルジから伸びた円盤状の部分。半径は5万光年。
銀河系内の大部分の恒星がここにあり、若い星の集まりの散開星団や多くの星間物質がある。
太陽もディスクにあり中心部から約2万8000光年の距離にある。
また、天の川は地球からディスクを眺めたもので、したがって一年中見えるのだが、夏に天の川が七夕などで取りざたされるのは、地球が夏にバルジの方向を向くからである。
逆に冬はバルジの反対側を向くため、見える星は少なくなり、冬の天の川は細くて暗い。
③ハロー
こんにちは、ではなく、ラテン語で「後光」という意味。ディスクを球状に取り巻くエリア。半径は7.5万光年。
ここには100億年以上の歳をとった星の集団の球状星団がまばらにある。
銀河
銀河系は、約20万光年の場所に大マゼラン雲と小マゼラン雲という小型の銀河を従えているが、その銀河系もさらに230万光年の距離にある銀河系よりも巨大なアンドロメダ銀河に従えられている。
アンドロメダ銀河は直径が600万光年もあり、銀河系の他に40個以上の銀河を抱えている。このグループを局部銀河群と言う。
また、この局部銀河群よりもさらに巨大な、数百~数千もの銀河が集まったグループは銀河団と呼ばれ、アンドロメダ銀河率いる局部銀河群も、おとめ座銀河団に従えられている。
しかし、宇宙にはまだ上があり、数億光年もの大きさがある超銀河団は銀河群や銀河団もまとめてしまう。
太陽系<銀河系<アンドロメダ銀河(局部銀河群)<おとめ座銀河団<超銀河団
活動銀河
中心部から非常に強い電磁波を放射する銀河のこと。強さに応じて以下の三つがある。
クェーサー
非常に遠く(=古く)異常なまでに明るい核を持つ。
そのエネルギー源は、ブラックホールに落ちた物質が解き放つ重力エネルギーだと言われている。
セイファート銀河
クェーサーよりは放射エネルギーは小さいものの、異常な明るさと特徴的なスペクトルを持つ光を放つ銀河。その多くは渦巻き状で、アメリカの天文学者のセイファートが発見した。
電波銀河
通常の銀河に比べて強い電波を放射している銀河。多くは楕円の形をしており、中心核の活動は激しくガスをジェット噴射しているものもある。
宇宙
宇宙には銀河が一様には分布しておらず、銀河がたくさんあるエリア(グレートウォール)と、ほとんどないエリアがある。この銀河の分布構造を泡構造という。
宇宙の誕生
1929年にアメリカの天文学者のエドウィン・ハッブルは、ほぼ全ての銀河は銀河系から遠ざかっていること、つまり宇宙全体は膨張していることを発見した。
逆に言えば、かつての宇宙は、非常に小さく超高温・高密度の状態だったことになる。このような火の玉のような状態をビッグバンという。
宇宙は137億年前のビッグバンによって急膨張を開始し、徐々に温度を低下させた。
ビッグバンから10万分の1秒後に宇宙空間にできた陽子や中性子は、その数分後にはくっついて原子核になった。
ちなみに、ハッブルは形による銀河の分類や距離の測定なども行っているが、その才能は天文学だけにとどまらず、学生時代は陸上競技やボクシング、大学卒業後は弁護士もやっていた。
物質の誕生
宇宙ができて38万年後、温度は3000Kまで低下し、宇宙に満ちていた電子は水素原子核やヘリウム原子核と結合した。これによって、霧の中を進む車のヘッドライトのように、光が電子に遮られることがなくなり、宇宙は晴れ上がった。
この時の発生した電磁波は赤方偏移で波長が伸びて宇宙背景放射として観測される。
星の誕生
ビッグバンから1~3億年後に最初の星ができた。その後銀河がつくられ宇宙の構造が形成された。
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