2010年の世論調査で死刑制度に賛成する人は全体の85%で過去最高の結果らしいです。秋葉原の無差別殺傷事件などの凶悪事件を受けての流れらしいのですが、私個人としては死刑制度は反対です。終身刑を作るべきだと思います。
死刑制度には主に二つの意味が考えられます。
①凶悪事件の抑止力
②理不尽に殺された人の遺族の復讐のため
ちなみに凶悪犯を再び世の中に出さないのならば、終身刑でもいいんで割愛です。
さて①は、あまり意味がないと思います。(本気かどうか知りませんが)「死刑になりたい」と言って犯罪をする人もいますし、大それた凶悪犯罪する時点でそれなりの覚悟はできているから、やる人はやると思います。
ひかり市母子殺害事件を考えてみると、考えるべきは②の方だと思います。遺族は犯人を殺したいほど憎いから、それを司法と行政機関が代行するってことですけど、遺族の中には殺したいほど憎いけど、更生して欲しいという人もいるし(カメラの前の公的な発言だからそう言ってるだけで、そういう人も内心は殺したいと思う)、そこは「遺族が死刑かどうかを判断する」って言うのはどうなのでしょうか?
大切な人を奪われた遺族が、凶悪犯の生殺与奪、最後の審判をする方が、法律に素人の裁判員が裁くよりいいと思うんですけど。そうしたらみんな死刑ってなっちゃうか。
でも日本って江戸時代とかに仇討制度とかがあったわけで、死刑賛成ならそれくらいやってもいいと思うんですけど。
で、ここまでが死刑を前提にした話なんですけど、そもそもフーコーの言うように監獄とは、犯罪者を更生させ、健全な社会に戻す「再生装置」なので、執行されたらどう考えてもシャバに戻れない死刑はその定義に反するということ、そして最大の理由は冤罪がどうしても発生しちゃうんじゃないか、ということです。
よってもし死刑を執行しちゃった後でその人が冤罪ってわかったら、警察、検察、裁判官、裁判員、法務省の責任者も死刑になるのなら、別にいいです。
身勝手な犯罪にしろ、法的な制度にしろ、人を殺すというのはそれくらい重いことだと思います。
功利主義に基づく暴力装置はほかにもあって核兵器もその一つだと思います。核抑止力とか言いますからね。
他国に侵略したがる攻撃的な国に核兵器を持たせるのは、とても恐ろしいのですけど、なにをもって「その国は核を持ってよろしい」と判断するのかが解りません。
北朝鮮は韓国や日本の人を拉致していた危ない国だから、核を持っちゃだめってことなのでしょうけど、拉致は最近やっていない気もするし(表沙汰になっていないだけ?)、北朝鮮にとってはあの問題は、小泉総理の訪朝の際“終わった”話なのでしょう。
アメリカが核兵器を日本に落とした(しかも市街地)のと一緒で、もう過去のことをうじうじ蒸し返すな!って言いぶんなんでしょうね。北朝鮮にしてみれば。
もちろん拉致被害者の方のことを考えれば終わったわけではないし、原爆症の人だっているんですからアメリカの大量虐殺を厳しく今も抗議すべきだと思うのですけど、北朝鮮に比べて、アメリカを批判するのって結構腰が引けてるんですよね。
アメリカだってイラクにしてみれば、今だってかなり侵略的な国だろうし、中国だって民族問題で少数民族を平気で殺してしまう恐ろしい国です。
その二つが核兵器を持っているから、なんか説得力に欠けるんですよね。「危ない国は核を持つな」は。「あんたらの方が危ないよ」って。
また、他の国だっていつ攻撃的な国になるか分からないし。
そもそも(死刑を含む)法律と核兵器はちょっと似てます。ホッブスはルールがないとみんなが己の自由のもとバトルロイヤルをしてしまう(万人の万人に対する戦い)と考えましたけど、私が考えるに我々日本人は確かに法治国家に生きていますが、何かの振る舞いを決定するときに、これは法律に引っ掛かるかな?なんていちいち考えていないと思うんです。
それよりも「これは相手に失礼かな?」とか「これは常識だろう」などと自分の道徳やモラルに照らし合わせて考えていると思います。
だから法律がなくても集団にモラルがあれば、社会は安定化するだろうし、バトルロイヤルは起きないんじゃないか。
じゃあ法律は全く必要ないのか?ってことですけど、「すっごいまれな異常事態」に対応するために、あらかじめ法律というマニュアルを作っておいているんじゃないでしょうか。その時、あたふたしないで対処できますからね。
よってハイチ大地震は異常事態を想定したルールが無かったから、混乱しちゃったんだと。まあ通常も治安のアベレージは低かったみたいですけど。
つまり法律も核兵器も、ほとんど来ないだろうけど100%来ないとは言えない異常事態に対する掛け捨ての保険のようなものだと思います。
なんか火星人みたいなのが地球に襲来した時に、すごい兵器持っていた方がやりあえるかもしれないですし。これだって100%無いとは言い切れませんからね。
画面の白がきついようです
2010-02-08 21:10:33 (11 years ago)
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カテゴリタグ:
- サイト・ブログ
今日は授業で作った私の陶芸作品を一年生の方が預かってくれた上、寒い中校門のところへ届けてくれました。もうなんてお礼を言っていいのか・・・頭が上がりません。駄目な先輩です。
とにかく、本当にありがとうございました!
それとKO氏がこのサイトを読んでくれているようなのですが、「コラムのページの白と黒がきつくて、読みにくい」ってことらしいので、なにか対応策を考えなければいけないですね。白い部分をアイボリーにするとか。これバイオロジーも同じデザインでやってるので、けっこう面倒なことになるぞ・・・
白い部分の色の出かたって、パソコンのモニターによっても違うし、省エネ設定で光も抑えられるような気もします。なんとかならないだろうか・・・駄目なら大手術決行だなあ・・・
とにかく、本当にありがとうございました!
それとKO氏がこのサイトを読んでくれているようなのですが、「コラムのページの白と黒がきつくて、読みにくい」ってことらしいので、なにか対応策を考えなければいけないですね。白い部分をアイボリーにするとか。これバイオロジーも同じデザインでやってるので、けっこう面倒なことになるぞ・・・
白い部分の色の出かたって、パソコンのモニターによっても違うし、省エネ設定で光も抑えられるような気もします。なんとかならないだろうか・・・駄目なら大手術決行だなあ・・・
実は厳しい?サブカル業界
2010-02-08 10:41:44 (11 years ago)
近所のゲームセンターがつぶれちゃいました。やっぱり売れに売れた家庭用ゲーム機Wiiでアーケード版のような体感ゲームが家にいながらできるようになったので、ゲームセンターでわざわざゲームをする人が減っちゃったのかもしれません。
私としては『ロストワールド』のガンシューティングが、あそこは稼働していたからとても残念です。あれソフトになってないですからね。
しかしマンガ、アニメ、ゲームとサブカル全盛って感じがする昨今ですけど、私が思うにどれもピークは過ぎたんじゃないか、と思っています。
マンガ雑誌はジャンプ以外は発行部数がドンと落ち、アニメは2006年をピークに制作数にしろDVDの売上にしろ落ち込み始めているらしいです。ゲームもPS3はそこまで売れているって感じでもないですし。
マンガに関しては、多様化する読者の好みに対応するために雑誌の種類を増やして読者を分散させちゃったからという考察もあるようですけど、やはり大きな原因は「(少なくとも少年、少女)マンガはちびっ子を楽しませるもの」という本来の目的を見失ってしまったことだと思います。少年マガジンの主要読者が30代で、そこを相手にしなくちゃ、もう成り立たなくなっているという話は衝撃的でしたよ。“少年”マガジンじゃないじゃん。
かつて赤塚先生が「今のマンガの絵は似てる。ドラえもんみたいな絵をかいてごらんよ」と仰ってくれたことがあるのですけど、子供の読み物としての原点に帰ったマンガが少ないということだったのではないでしょうか。
私も含む30代以下はサブカル全盛世代、漫画やアニメを大人になって見てても恥ずかしくない世代って気もしますが、そういったものから卒業できないジレンマもあるような気がします。私も幼稚園からはまった恐竜を卒業できていないし。
結局心の中では、「大人になってもサブカルに、はまっていていいんだろうか?」と思っているから「それは子どもためのものだ」という意見に、拒絶反応を示し「それは押し付けだ!人の自由だろ」となるんじゃないか、と。なんで「・・・まあそうなんだけどね。でもやめられなくてさ」って言えないんだ、と。
中学校の頃K氏と大激論になりましたが、私はマンガやアニメはまずもってちびっ子を楽しませるためにあるべきだと思うし、そこを落としちゃうから少子化に加えて新規読者の獲得がなかなかできないでいるのではないかと思うんです。
今のちびっこは、いい年して漫画やアニメ見ている大人をどう思うのでしょうか?「俺らの気持ちを分かってくれるいい大人」とシンパシーを感じてくれるのかな?
やっぱりマンガは「カツオ~!マンガばっか見てないで勉強しなさい!」って言う親に隠れて読むものだと思うんですけどね。
マンガ業界も社会への反骨精神でやってきたところってありますから。アナーキーでアウトローなのかもしれません。
私としては『ロストワールド』のガンシューティングが、あそこは稼働していたからとても残念です。あれソフトになってないですからね。
しかしマンガ、アニメ、ゲームとサブカル全盛って感じがする昨今ですけど、私が思うにどれもピークは過ぎたんじゃないか、と思っています。
マンガ雑誌はジャンプ以外は発行部数がドンと落ち、アニメは2006年をピークに制作数にしろDVDの売上にしろ落ち込み始めているらしいです。ゲームもPS3はそこまで売れているって感じでもないですし。
マンガに関しては、多様化する読者の好みに対応するために雑誌の種類を増やして読者を分散させちゃったからという考察もあるようですけど、やはり大きな原因は「(少なくとも少年、少女)マンガはちびっ子を楽しませるもの」という本来の目的を見失ってしまったことだと思います。少年マガジンの主要読者が30代で、そこを相手にしなくちゃ、もう成り立たなくなっているという話は衝撃的でしたよ。“少年”マガジンじゃないじゃん。
かつて赤塚先生が「今のマンガの絵は似てる。ドラえもんみたいな絵をかいてごらんよ」と仰ってくれたことがあるのですけど、子供の読み物としての原点に帰ったマンガが少ないということだったのではないでしょうか。
私も含む30代以下はサブカル全盛世代、漫画やアニメを大人になって見てても恥ずかしくない世代って気もしますが、そういったものから卒業できないジレンマもあるような気がします。私も幼稚園からはまった恐竜を卒業できていないし。
結局心の中では、「大人になってもサブカルに、はまっていていいんだろうか?」と思っているから「それは子どもためのものだ」という意見に、拒絶反応を示し「それは押し付けだ!人の自由だろ」となるんじゃないか、と。なんで「・・・まあそうなんだけどね。でもやめられなくてさ」って言えないんだ、と。
中学校の頃K氏と大激論になりましたが、私はマンガやアニメはまずもってちびっ子を楽しませるためにあるべきだと思うし、そこを落としちゃうから少子化に加えて新規読者の獲得がなかなかできないでいるのではないかと思うんです。
今のちびっこは、いい年して漫画やアニメ見ている大人をどう思うのでしょうか?「俺らの気持ちを分かってくれるいい大人」とシンパシーを感じてくれるのかな?
やっぱりマンガは「カツオ~!マンガばっか見てないで勉強しなさい!」って言う親に隠れて読むものだと思うんですけどね。
マンガ業界も社会への反骨精神でやってきたところってありますから。アナーキーでアウトローなのかもしれません。
崖の上のポニョ
2010-02-06 22:28:53 (11 years ago)
-
カテゴリタグ:
- 映画
「面白い度☆☆ 好き度☆」
・・・すごい。なにひとつ意味が分からない。
「宮崎駿版ファインディングニモ」とも言われたこの映画、私はそもそも「ぽ~にょ、ポニョポニョ魚の子」ってどう考えても魚の子じゃねえだろ!と思ってスル―しちゃったんですけど、まあそれでよかったのか、な?
もちろん日本一アニメが巧い宮崎監督だけあって、動画のレベルは秀逸。海の動きに北斎漫画っぽいタッチを入れるなどの実験的手法や、風の強さ、自動車を降りる際の重心の移動など、細かいところは本当に神業。
重さや流体って、なかなか視覚化しづらいものだから、それを動きで表現するのは本当にすごいなあ。
で、問題は脚本。これでよく通ったなってくらい、意味不明。いや想像を逞しくすれば、なんか言わんとしている事は分かるんだけど、でもそれも誤読である可能性もあるし。
「芸術作品に答えなどないのだから、観客が好きに解釈してください」ってことで、この不親切かつ、ご都合主義的かつ、自己満足的な展開にしているのなら、もう宮崎アニメはエンターテイメントではなく、ファインアートとして考えるしかない。
おそらく『もののけ姫』あたりからその傾向(脚本面の練りこみの足りなさ)が出てきて、『千と千尋の神隠し』でこの流れが大成されちゃった気がするんだけど、どうでしょう。
脚本が投げやりだと、当然登場人物もなかなかキャラ立ちしにくくなっちゃうと思うんですけど、まあキャラクターなんて濃くなければいけないってこともないんだろうけど、私としては今一つ。なんかキャラクターの心理の描きこみ不足は否めないと思います。
でもポニョの父親、(おそらく)生態系の秩序を魔法でうまく安定させているフジモトさんは、キャラが固まっていない欠点が、この人の変人さ加減の表現に一役買って、むしろ長所になったと思います。介護老人ホームのお婆ちゃんが、フジモトさんを「いい人なんだろうけどねえ・・・」と呟くシーンが最後の方であるのですけど、まさに同感。
あのちょっと不気味で不器用な、変なおじさん感は、所ジョージさんの投げやりな演技(笑)ともマッチしていて、一番親近感を感じたキャラでした。
これ私がトコジョーファンとか(そうだけど)、異端児とか(そうだけど)で言っているわけではないですよ。
そう言えば日本テレビで『崖の上のポニョ』やってた時、裏で『所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ』をやってたのが印象的だったなあ。
あとは、吉行和子さん演じる、ちょっと素直になれない感じのお婆さんトキさんも良かったですね。正直、フジモトVSトキのやり取りが見れただけで、まあ満足だったかもしれない。私的にはあそこが爆笑ハイライトでした。
まあ、もともと宮崎アニメはあまり好きではないんですけど、一応話題になった作品だし(それはあの電波ソングか)、最後まで見ずに判断するのは良くないな、としっかり見て感想を書くことにしました。
descf氏のように星で五段階評価するなら☆1かな。その星一つ分は、動きのすごさと、フジモトVS吉行に捧げます。
・・・すごい。なにひとつ意味が分からない。
「宮崎駿版ファインディングニモ」とも言われたこの映画、私はそもそも「ぽ~にょ、ポニョポニョ魚の子」ってどう考えても魚の子じゃねえだろ!と思ってスル―しちゃったんですけど、まあそれでよかったのか、な?
もちろん日本一アニメが巧い宮崎監督だけあって、動画のレベルは秀逸。海の動きに北斎漫画っぽいタッチを入れるなどの実験的手法や、風の強さ、自動車を降りる際の重心の移動など、細かいところは本当に神業。
重さや流体って、なかなか視覚化しづらいものだから、それを動きで表現するのは本当にすごいなあ。
で、問題は脚本。これでよく通ったなってくらい、意味不明。いや想像を逞しくすれば、なんか言わんとしている事は分かるんだけど、でもそれも誤読である可能性もあるし。
「芸術作品に答えなどないのだから、観客が好きに解釈してください」ってことで、この不親切かつ、ご都合主義的かつ、自己満足的な展開にしているのなら、もう宮崎アニメはエンターテイメントではなく、ファインアートとして考えるしかない。
おそらく『もののけ姫』あたりからその傾向(脚本面の練りこみの足りなさ)が出てきて、『千と千尋の神隠し』でこの流れが大成されちゃった気がするんだけど、どうでしょう。
脚本が投げやりだと、当然登場人物もなかなかキャラ立ちしにくくなっちゃうと思うんですけど、まあキャラクターなんて濃くなければいけないってこともないんだろうけど、私としては今一つ。なんかキャラクターの心理の描きこみ不足は否めないと思います。
でもポニョの父親、(おそらく)生態系の秩序を魔法でうまく安定させているフジモトさんは、キャラが固まっていない欠点が、この人の変人さ加減の表現に一役買って、むしろ長所になったと思います。介護老人ホームのお婆ちゃんが、フジモトさんを「いい人なんだろうけどねえ・・・」と呟くシーンが最後の方であるのですけど、まさに同感。
あのちょっと不気味で不器用な、変なおじさん感は、所ジョージさんの投げやりな演技(笑)ともマッチしていて、一番親近感を感じたキャラでした。
これ私がトコジョーファンとか(そうだけど)、異端児とか(そうだけど)で言っているわけではないですよ。
そう言えば日本テレビで『崖の上のポニョ』やってた時、裏で『所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ』をやってたのが印象的だったなあ。
あとは、吉行和子さん演じる、ちょっと素直になれない感じのお婆さんトキさんも良かったですね。正直、フジモトVSトキのやり取りが見れただけで、まあ満足だったかもしれない。私的にはあそこが爆笑ハイライトでした。
まあ、もともと宮崎アニメはあまり好きではないんですけど、一応話題になった作品だし(それはあの電波ソングか)、最後まで見ずに判断するのは良くないな、としっかり見て感想を書くことにしました。
descf氏のように星で五段階評価するなら☆1かな。その星一つ分は、動きのすごさと、フジモトVS吉行に捧げます。
セックスとジェンダー
2010-02-05 03:41:23 (11 years ago)
-
カテゴリタグ:
- 社会学
「セックス・レス」という考え方があるそうです。これは、夫婦仲が冷え込んでいるという意味ではなくて、男女の性別(セックス)による個人の自由意思への抑圧を否定し、性別から自由になろうという考え方なのですが、セックスを「生物学的性差」と定義するならば、セックスレスなんてあり得るはずはありません。
おそらく『進化論の挑戦』の著者佐倉統さんにしてみれば、鼻で笑ってしまうトンデモな理論でしょう。
『進化論の挑戦』の文庫版129ページで佐倉さんは「性差は、ある」と断言(あたりまえですが)。オスとメスの境界はグラデーションのようにつながっていても、それが性差の区別がつけられない理由にはならない、それは本州と北海道だって海底では地続きだけれども区別は出来ることと同じだ、と論じています。
また生物学的な実験によって男女の脳の構造に差が発見されたとしても、それがすぐさま差別につながるわけではない、とも付け加えています。
よって「セックスレス」などは不可能な空論であって、考えなければならないのは「ジェンダーレス」なのではないでしょうか?
ジェンダーレスならば納得できます。この考え方はかつて与謝野晶子さんらが唱えた「女権主義」とほとんど同じだと思います。
つまり社会進出において、男女の概念を積極的に取っ払ってしまおう、という考え方です(個人的には全肯定はできませんが)。この考え方に基づけば、キャビンアテンダントや看護婦を男性がやってもいいし、最前線で戦う軍人や相撲取りを女性がやってもいいわけです。
ここで問題なのは、「生物学的性差=セックスが、どこまで男女の社会的振る舞いに影響を与えているか」です。
豊泉周治先生によれば「ジェンダーフリーはセックスを否定するものではない。むしろジェンダーの過剰こそがセックスに基づいた関係のゆがみを大きくし、セックスレス化の傾向を生んでいる」とのことです。
ここでいう「ジェンダーフリー」とはでは一体どういうことなのでしょうか?
それは「それぞれの個人的な関係の中で、自分の性(セックス)を肯定し、別の性を持つ他者(目の前の誰か)との間で支配関係を伴わない非権力的な関係作りを追求すること」だと豊泉先生は言います。
つまり男女問題でややこしい用語を整理するならば・・・
「セックス」・・・生物学的性差
「ジェンダー(生物学用語)」・・・性的意味を伴わない、先天的な雄、雌のこと。エッチな意味のセックスと区別。つまり生物学的性差という意味の「セックス」と同じ。
「ジェンダー(社会学用語)」・・・社会や文化における性別の意識、通念の在り方。あくまでも性別における考え方の“枠組み”であって、性差ではない。
「セックスレス」・・・生物学的性差を否定しようとするラディカルな思想。不可能。
「ジェンダーレス」・・・社会におけるジェンダーを否定する思想。
女権主義とほぼ同じと思われる。「社会の上では男も女もない!」という、考えようによっては個人主義に基づいた考え方。
ラディカルな例で言えばレディースデーや少年、少女漫画、女性専用車両、トイレや温泉における男女のセパレートを批判する。
「ジェンダーフリ-」・・・ジェンダーによって形成される非対称的な支配構造(男が偉くて、女はサポート)を是正する動きである点は、ジェンダーレスと似るが、ジェンダーレスと大きく異なる点は、「ジェンダーフリーは、ジェンダーを全否定はしていない」ということである。
女権主義も、「女性の女らしい生き方も社会は平等に認めてよ」という女性主義も内包するがイコールでは決してない。
ジェンダーフリーはより大きな概念であり、ジェンダーに基づく前提を疑い続け、男女の在り方を個人が自由に選択できるような、柔軟な社会を目指す動きのようである。
つまりジェンダーフリーとは男女の性別だけに基づく、大した根拠もない支配構造や不自由(ただ性別のみによって選べる職業が制限されるようなことなど)さえなくなれば、あとは個人が自由に考えていい、という考え方のようです。
よってジェンダーフリーの社会では、昔の家長制度やりたい夫婦はやってもいいし、夫婦別姓やりたきゃやってもいいし、自分は男だから男らしく生きようと思えば、それもそれで別にいいんじゃない、ということなんだと思います。
メイド喫茶なんて私から見れば「なんて男尊女卑な思想に基づく文化なんだ」と思うのですけど、あそこで働いているメイドさんは、自分がああいうサブカルチャーが好きで、自分でメイドという職業を選択して働いているので、ジェンダーフリー的には「OK」ってことなのでしょうね。
ヴィクトリア朝では、男女差別どころか身分の低い人を、どれだけ召使として雇っているかで金持ちとしてのステータスが決まったと言いますからね。
だから特に意味なくメイドに階段を掃除させて、お客さんに自分のセレブ度をアピールしたりしてたらしいです。
またメイドを雇うのが流行ったのは、オタク的な発想ではなくて、単純に政府が召使いを雇った場合にかかる税金を女性にはかけなかったので、本当は力仕事のできる男を雇いたかったんだけど、安いし女でいいかってことらしいですね。
あ、なんか話それてますね。
おそらく『進化論の挑戦』の著者佐倉統さんにしてみれば、鼻で笑ってしまうトンデモな理論でしょう。
『進化論の挑戦』の文庫版129ページで佐倉さんは「性差は、ある」と断言(あたりまえですが)。オスとメスの境界はグラデーションのようにつながっていても、それが性差の区別がつけられない理由にはならない、それは本州と北海道だって海底では地続きだけれども区別は出来ることと同じだ、と論じています。
また生物学的な実験によって男女の脳の構造に差が発見されたとしても、それがすぐさま差別につながるわけではない、とも付け加えています。
よって「セックスレス」などは不可能な空論であって、考えなければならないのは「ジェンダーレス」なのではないでしょうか?
ジェンダーレスならば納得できます。この考え方はかつて与謝野晶子さんらが唱えた「女権主義」とほとんど同じだと思います。
つまり社会進出において、男女の概念を積極的に取っ払ってしまおう、という考え方です(個人的には全肯定はできませんが)。この考え方に基づけば、キャビンアテンダントや看護婦を男性がやってもいいし、最前線で戦う軍人や相撲取りを女性がやってもいいわけです。
ここで問題なのは、「生物学的性差=セックスが、どこまで男女の社会的振る舞いに影響を与えているか」です。
豊泉周治先生によれば「ジェンダーフリーはセックスを否定するものではない。むしろジェンダーの過剰こそがセックスに基づいた関係のゆがみを大きくし、セックスレス化の傾向を生んでいる」とのことです。
ここでいう「ジェンダーフリー」とはでは一体どういうことなのでしょうか?
それは「それぞれの個人的な関係の中で、自分の性(セックス)を肯定し、別の性を持つ他者(目の前の誰か)との間で支配関係を伴わない非権力的な関係作りを追求すること」だと豊泉先生は言います。
つまり男女問題でややこしい用語を整理するならば・・・
「セックス」・・・生物学的性差
「ジェンダー(生物学用語)」・・・性的意味を伴わない、先天的な雄、雌のこと。エッチな意味のセックスと区別。つまり生物学的性差という意味の「セックス」と同じ。
「ジェンダー(社会学用語)」・・・社会や文化における性別の意識、通念の在り方。あくまでも性別における考え方の“枠組み”であって、性差ではない。
「セックスレス」・・・生物学的性差を否定しようとするラディカルな思想。不可能。
「ジェンダーレス」・・・社会におけるジェンダーを否定する思想。
女権主義とほぼ同じと思われる。「社会の上では男も女もない!」という、考えようによっては個人主義に基づいた考え方。
ラディカルな例で言えばレディースデーや少年、少女漫画、女性専用車両、トイレや温泉における男女のセパレートを批判する。
「ジェンダーフリ-」・・・ジェンダーによって形成される非対称的な支配構造(男が偉くて、女はサポート)を是正する動きである点は、ジェンダーレスと似るが、ジェンダーレスと大きく異なる点は、「ジェンダーフリーは、ジェンダーを全否定はしていない」ということである。
女権主義も、「女性の女らしい生き方も社会は平等に認めてよ」という女性主義も内包するがイコールでは決してない。
ジェンダーフリーはより大きな概念であり、ジェンダーに基づく前提を疑い続け、男女の在り方を個人が自由に選択できるような、柔軟な社会を目指す動きのようである。
つまりジェンダーフリーとは男女の性別だけに基づく、大した根拠もない支配構造や不自由(ただ性別のみによって選べる職業が制限されるようなことなど)さえなくなれば、あとは個人が自由に考えていい、という考え方のようです。
よってジェンダーフリーの社会では、昔の家長制度やりたい夫婦はやってもいいし、夫婦別姓やりたきゃやってもいいし、自分は男だから男らしく生きようと思えば、それもそれで別にいいんじゃない、ということなんだと思います。
メイド喫茶なんて私から見れば「なんて男尊女卑な思想に基づく文化なんだ」と思うのですけど、あそこで働いているメイドさんは、自分がああいうサブカルチャーが好きで、自分でメイドという職業を選択して働いているので、ジェンダーフリー的には「OK」ってことなのでしょうね。
ヴィクトリア朝では、男女差別どころか身分の低い人を、どれだけ召使として雇っているかで金持ちとしてのステータスが決まったと言いますからね。
だから特に意味なくメイドに階段を掃除させて、お客さんに自分のセレブ度をアピールしたりしてたらしいです。
またメイドを雇うのが流行ったのは、オタク的な発想ではなくて、単純に政府が召使いを雇った場合にかかる税金を女性にはかけなかったので、本当は力仕事のできる男を雇いたかったんだけど、安いし女でいいかってことらしいですね。
あ、なんか話それてますね。
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