効果測定合格

 教習所も一週間がすぎて(…といってもろくに実車乗ってないけど)とりあえず学科試験はなんとかなりそう。
 学科試験受けるために必要なテストで「効果測定」っていう、今まで分からなかった謎の項目があったんだけど、教習所で知り合った人に聞いたらコンピューター使って勝手に受験できるって言うので試しに予習なしで直で受けてみたら1回目でギリギリ90点で受かっちゃった。
 で2回90点以上取らなきゃいけないって言うから、もう一度別の項目で受けたら96点取れちゃって、こんな高い点数をテストで取ったのって小学生以来ですっごいいい気分。

 ・・・つ~か学科試験簡単すぎないか?「41.走行中の車から空き缶を捨てるのはいけないが、たばこの吸いがらや紙くずであれば、投げ捨てても構わない」とかどう考えてもなにかおかしい質問が結構あって、まともな常識人なら結構簡単に取れちゃうんだよね、これ。
 そりゃそうだ、ほとんどの大人が免許証くらい持ってるんだからw

 実車の方はまだ3回目なんだけど、①外周カーブと車線変更、停車②右左折、信号機③坂道発進・・・ってきて、来週ついにチェンジレバーを「R」に入れる練習だって。つまりバック。うわあああバック!
 でも1回目では「ブライトさんオレ、ガンダム乗れません!(※ガンダム知らない人)」って感じで心が折れかけたけど、3回目くらいでだいぶ落ち着いて運転できるようになった。
 3回目に当たった教官の人がとりわけ教えるのがうまくて、運転時の目安とかをとってもわかりやすく説明してくれたんだよね。
 だから1回目で起きた、実際には直線でまっすぐ走っているらしいんだけど、なんか遠近感や目の錯覚で左に行ってるような気がする現象はなんとかなった。あの原因は多分運転席に自分が一度も座ったことがなかったからだったんだろうな。

 とはいえ本当、最初は覚えたことを順序よくやるのでパニック紙一重だったのに、最初の教官がとなりで教習と関係のない身の上話始めちゃって、先生俺にそんな余裕ないです!って感じでした。
 今思えば、リラックスさせようと気を使ってくれてたんだろうけど、この初回の先生、穏やかな口調で丁寧な印象なんだけど、なめたことしたら絶対おっかない二面性のあるタイプの人な感じで、ヤンキーの人も何人かそれに気づいて恐れてるもんねw
 ヤンキーも教官もそうだけど人に威圧感与えられるってのも才能だよな。自分にはそんなんないもん。ずるいよ。
 
 ヤンキーといえば、私が通っている教習所はここらへんでも特にヤンキー率が高くて、この時期は更にカタギの人が来るような時期じゃないじゃん。戸塚ヨットスクールみたくなっててすごいよwそんなバイクにまたがりたくてしょうがない元気な若者を相手にしているから教官も受付もヤンキー慣れしているよな。
 でも一口に不良タイプって言ってもいろんな人がいるよね。なかにはすっごい腰の低い礼儀の正しい人もいて、なんだよ~!って思っちゃう。そんなギャップ萌え効果ずるいよってw

免許がない!

 わたくし恥ずかしながら28歳なのにまだ免許取ってないんですよ。友達や家族に乗せてもらったり、自転車でフラフラしたりしてて・・・あと東京の出版社に打ち合わせに行く時は電車で済んじゃうじゃないですか。
 でも先週から非常勤講師をやることになって、朝自転車で通うには遠すぎる位置に勤務先の中学校があるので、ついに一大決心!

 あのモビールのパイロットを目指します!!

 これは大学時代の話なんですが、高校出たてのくせに大人ぶった奴が親に買ってもらった車乗りこなして女の子口説いているのがなんかすごい嫌で、こんなキザな奴にはならないぞってアンチ免許だったんですよ。オレにはまだ早い!って。
 車乗ってりゃ大人なのかよって。爆笑問題だって、バカリズムだって免許持ってないじゃないかって。

 でも時は経ち10年・・・私どう考えても大人じゃん。もう時代の波に乗り遅れまくってて持ってないと恥ずかしいなって。

 これはあれだよね、小学生の頃彼女とかがいると「ヒューヒュー」ってクラスのみんなにからかわれてすごい恥ずかしい思いをするんだけど、結局時が経つにつれ、みんなそこそこの異性と付き合いだして、んでだいたい結婚しちゃって「ヒューヒュー」って言ってる奴がもうマイノリティになっちゃうような、そんな愛しさと切なさと心強さとだよね。
 てめえら一緒にからかってたくせに裏切るのか!みたいなw

 で、もうしょうがないから今日から通いだしたんですよ。

 一日目はさすがに実際の車には乗らなかったんですが、ゲーセンのドライブゲームみたいなのでさっそくアクセル(右のペダル)とブレーキ(左のペダル)踏み間違えるorzよくみんなこんな複雑なメカ操縦してるよ、大人ってスゲエって思ったね。
 発進だけでもサイドブレーキやギヤチェンジとあんなに手順があってそれをものの二、三秒でやっちゃうわけじゃん。
 大学の女の子が免許取り立ての頃、ステーションワゴンで私の足を間違えて踏んづけたことがあったけど、あれもしょうがないなあってw

 ブレーキは強く踏むのが面倒くさいし(しかもなぜかアクセルよりもペダルが小さい)、アクセルは軽く足を乗せるだけでどんどん速度が出ちゃう。なんだこのギャップ。
 右足でどっちも操作するから足がつっちゃう気がする・・・あ~こんなんできるのかなあ。自転車なんかだと何度も転んでうまくなっていくけれど、自動車はそういうの無理じゃん。事故じゃん。
 そもそもブレーキ踏み続けないと、スルスル自動車が前に進んじゃうっていうのが怖い。クリープ現象とか言うらしいんだけど、あんな重いペダルをずっとギュッと踏んでるのって右足が落ち着かないよ。
 
 あ、そういえば『アオイホノオ』でも描かれた、教習所の「船長は乗客の安全を守る責任があるようにドライバーは交通ルールを守る義務があります」って強引な例えのアニメあったじゃないですか。
 なんとあのアニメ2012年でもまだ見せてる!!「これか~~~!」って感動したと同時に80年代からあれをずっと流しているっていうのが・・・すごい使い倒してるよねw日本で一番再放送してるアニメかもしれない。

 学科の運転適性検査では「自己主張が強すぎ」「楽観的すぎる」「協調性0」とズバズバ診断され「道路はあなたのためだけにあるものではありません」なんて診断結果に怒られる始末。乗っちゃダメな人なのか?ww
 もう明日から実車で練習させられるんだけど、どうしよう。高校生の頃に買ったテレビゲームの『免許を取ろう!』やり直そうかな・・・(教官の声優がやたら豪華なやつ)
 あ、『クラッシュ・バンディクー レーシング』しかないや。だめだこりゃ。

対談 円崎さん×田代剛大  『80日間宇宙一周』はライトなのに重い?

 ツイッターでお世話になっていて、幕張のオフ会でもご一緒した現在高校一年生の「円崎さん」から『80日間宇宙一周』の感想を頂きました!嬉しいのでここに掲載します。
 やっぱり若い人に伝わっているのが一番嬉しいですよね。漫画って若い人に見向きもされなかったらおしまいだと思うので・・・スカイプでのやりとりだったので対談形式になっています。

田代剛大: もうやりたいことはやったから当分新作はいいな。

madosaki: 寂しいですけど先生も忙しいですからねw

田代剛大: 世の中に言いたいことや感じたことは『CRIMSON WING』でほとんど吐き出したし

madosaki: 武器商人にしても『ヨルムンガンド』とは全く別物でしたよ

田代剛大: でしょ?だって『ヨルムンガンド』よく知らないんだもんw
兵器開発といえば一作目でも軍に協力しろってシーンがあったじゃん。あれをもう一回やってみたんだよね。

madosaki: なるほど、でも流石ライトでしたw
四作目にしてライトの人間的な部分が見えた感じでした

田代剛大: 初めて感情的になるからね・・・ だから重い話に見えたんだろうね
今まで相棒のミグの一人称でやってたから。

madosaki: 田代さんのはキャラ設定がラノベなのに動かし方が重たいというか

田代剛大: ほう、ラノベですかw世代的に読んでないからなあ

madosaki: 例えばライトのキャラ設定です。
ネット小説なんかを読んでても、一見そういうキャラはいっぱいいるんですよ

田代剛大: はいはい

madosaki: でも物語自体を勢いで書いているのでなかなか熱くならないというか

田代剛大: それは意外な意見だね。普通は勢いがあったほうが熱くなるんですよ

madosaki: んー、なんていうんでしょうかwやっぱりネット小説止まりだなぁってのがわかるですよねw

田代剛大: わかるかも・・・作者だけ乗ってて読者がおいてけぼり?

madosaki: あ、そうです!主人公を完璧超人にしすぎて作者がついていけてないんです

田代剛大: チートキャラですねw私が嫌いなチートキャラ!ww
チートキャラっていうのは私の中では悪役に置くものなんですよ。最近だと『魔法少女まどか☆マギカ』のアイツとか

madosaki: チートキャラを主人公にしたのが『デルトラクエスト』だったんですよ

田代剛大: いや、そういうのはたくさんあります、ジャンプ漫画はほとんどそうですし

madosaki: 小学生のころガーっとはまったんですがすぐ冷めちゃうんですよねw

田代剛大: 現実の世の中がそうなってないもんねw
どんな強者だって年取ったり弱ったりしたらやられちゃうもんね。それが自然界じゃんw

madosaki: 代が変わっていくのは変わらない理ですからね

田代剛大: だからライトもチートに見えるだけで違うんだよね
実際あの作品のチートはノーチラス号やミラージュだもん。何人殺してんだあの兵器。

madosaki: いやクロックダイルでしょうw

田代剛大: あのワニねwじゃああれを退治した青ヒゲが一番すごいねw

madosaki: オカマは最上位捕食者w

田代剛大: どんな宇宙だw

クロックダイル・グリニッジエンシスのネタには誰も気づかなかったね。残念だった。
ピーターパンの海賊の腕を食ったので時計わにっていうのがいるんだよ、海王星は海賊の話だから最初から出そうと思ってた。

madosaki: 時計を飲み込んでるんですよねw ggって初めて知りました

田代剛大: う~ん世代じゃないもんね

madosaki: スズメバチの警戒音みたいで面白かったですw

田代剛大: あれでかつての海王星は標準時を決めていたというとんでも設定だなw

madosaki: そんな馬鹿なwwだからグリニッジ、と

田代剛大: もともとギャグマンガを専門にやってたから、作風がアホっぽいんだよ。
シリアスやろうと思ってもシリアスにできなくて、そっちのほうがギャップが出て印象的だとも思うし、できないもんはできないからもういいやって

madosaki: でも何を伝えたいかはっきりしてて単なるギャグとも一線を画してます

田代剛大: ただ、お説教臭くならないようにしないとね。
私は今回の脚本では最後の記者会見のシーンが大好きで、副社長が社長になるんだけどマスコミが手のひら返してて

madosaki: はい

田代剛大: こいつら・・・!ってwあれ東京電力の現在の心境ってああだと思うんだよw
ああいう風刺が好きでさ

madosaki: マスゴミって言葉ができるくらいですからね

田代剛大: あのシーンで私はマスコミを叩いてるんじゃなくてさ、もっと大きな社会の構造だね

madosaki: 世論とかですか?

田代剛大: はい、だからそういったコードとかプラットフォームを叩いたって天につばなんだよね。ブーメランというか・・・
そういうやり場のないイライラが今の世の中にはたくさんあってさ。みんな思春期の中学生みたくて、そういうのをもう少しだけ大人になってみんなで許していこうよっていうのをテーマにしたかった

madosaki: そういうどこに矛先を向ければいいか分からないっていう風潮は昔からあったんじゃないですか?

田代剛大: うん、ちょっと突っ込んだ話をするとネットが整備されたよね?もっと前だとテレビだね。
こういうマスメディアの登場でさ、そういう実体のない権力の方向性や構造が「可視化」されちゃったんだよ。実際はそれも虚構なんだけど情報社会に生きるほとんどの人はそれがあるものだと思っている、というか神学論争になってるんだよね

madosaki: 確かに現在の情勢は手に取るようにわかりますもんね

田代剛大: それはわかるように編集されているからなんだよ。
複雑なものをあらかじめ抽象化してメディアは発信するから個々のリテラシーが低下せざるを得ないんだ

madosaki: なるほど・・・・

田代剛大: 複雑な事象を一から斟酌する力がなかなか養われない。
・・・まあこんな難しいことはほっといて、純粋に楽しんでいただければ私としては嬉しいんですけどw

madosaki: それはもう!読めるところはほとんど読んで楽しませていただきました

田代剛大: あれを漫画にするの大変だろ?w海賊船とか戦闘機とか書けねえってww

madosaki: 確実にアシが要りますねw

田代剛大: アニメ映画の尺で脚本組んでるからね。アイドル編とかも風刺が効いてて好きなんだけど、あれやばいよなw

madosaki: アリエルがまさかのボーカロイド・・・

田代剛大: アニメや声優やアイドルが信仰なきこの国で信仰化してるじゃんw面白い現象だなあって。だから、たかがアニメにオレたちはムキになるのかってw
洒落じゃなく案外そんなもので戦争って起こってるんじゃないのって。違う世界の人間を許容できなければ、ね

madosaki: 田代さん80日間は水戸黄門だっていつもおっしゃってますが僕はどっちかっていうと最遊記に近い気が・・・ってほぼ一緒ですねw

田代剛大: ああ、西遊記w地球にお経を貰いに行くww

madosaki: いっそ所さんのサインをもらいに行くとかすれば・・・

田代剛大: 最終的に何しに行ってんだお前ってw

『80日間宇宙一周 CRIMSON WING』制作裏話

 やっと非常勤講師の最初の一週間が終わって時間が取れたので、この前アップロードした脚本『80日間宇宙一周 CRIMSON WING』についていくつか。
 本当は書き上げたその日に、こういうのって書いちゃったほうがいんだよな。時間が経つと熱も冷めちゃうし。基本的に脱稿直後はテンションが変に感じにハイになってるからね。まあ冷静にしみじみ振り返るのもたまにはいいか、と。
 でも私って自分が書いたものの内容を忘れちゃうから、時間が経つと「あれ?なんでこんなん書いたんだろう?」ってなっちゃうんですよ。案外読んだ人のほうが細かいディティールは覚えてくれていたり。

 私が基本的に読み切り作品ばかりやって、長い話をやらないのもそのためなんですが、キャラの描き方は愚か、こいつどんな性格だったっけ?とかはよくありますし(あっちゃダメなんだけど)、ちょっと期間があいた時に一番忘れやすいのが、それぞれのキャラが現時点で抱いている「思い」。
 人間の感情っていうのが一番繊細で、ドラマ表現の肝になる部分だから、このシーンの時点ではこのキャラの感情の熱量はどれくらいなんだっけ?っていうペース配分とか微妙なコントロール感覚を忘れるのは痛い。
 これを失敗するとキャラに人間味が出なくて、読んでいる方もしらけちゃう。つまり「こんな奴いねえよ」になってしまう。「ゼハートそれはねえよ」とか。

 さらに、最近の私はあまり登場人物を極端に記号、類型化しないから、主役格のキャラって物語が進むにつれて性格や思想が変わっていくんです。成長ですね。
 そのRPGのセーブデータ(ぼうけんのしょ)のような複雑な情報を全部覚えきれるわけないから、これまでのおはなしと矛盾が出ないようにするので必死です。
 「あれ?こいつ前にこんなことあったのに、それはいいの?」とかw読者のツッコミが飛ぶ前にさんざん自分で何度も読み返して自分でツッコミ入れて確認&修正しています。
 その作業が今回は一番印象に残っているのかも。

 ということで今回の土星編。前にも言いましたがすっごい難産でした。で、今回のテーマはズバリ「原点回帰」と「許し」。
 まあほかにも伝えたいテーマは今回に関してはかなりたくさんあって、こっちが「伝えてえんだ!」って熱い気持ちはすっごいあったんですが、それをセーブすることを心がけましたね。「抑えろオレ」ってw

 実はそこまで強く伝えたい感情がある方が表現ってうまくいかないんですよね。どこか客観的に見れてないと作品が独善的で独りよがりなものになってしまうし。
 親や先公のお説教みたいな作品なんて、読んでいる人も楽しめないし、うんざりしてしまう。大事なのは読んでいる人を楽しませながら、お説教をお説教と思わせないテクニック。

 ただやっぱりこの4作目は私の作品の中でもかなり「お説教臭い」というか「かなり説話(昔話)的かつ寓話的」というか、「教訓的な田代漫画此処に極まれり」というか・・・
 ということでこの作品に、私が現時点で人間や世の中に対して思っていることをほとんどぶつけたので、今はかなりすっきりしています。
 エンターテイメントの形をギリギリ壊さないでなんとか言いたいことは言えたからね。もうこれが自分の最後の作品になってもいいや。

 一ヶ月かけて何十回も書き直したのは正直辛かったけれど、一応納得のいく形に作り上げることができたから。本当気がつけばノートが土星編のアイディアで全部埋まってるんですよ。
 土星の世界観は天王星編で決まってたし、伝えたいメッセージもあったんですが、これを娯楽の形にするのが結構難しかったんだろうな。
 ですから本編は難しいこと考えず「ああ楽しかった」って思ってもらえればそれで十分です。ありがとうございます。

 とはいえ、マロさんいわくシリーズで最もシビアな話ということですし、確かになんというか、明るく爽やかな海王星や天王星のお話とは毛色が違う、ちょっと暗くて重い話になってしまいました。
 それはある程度意図していて、もう4回もやったら新しいことはできないから、いっそ一作目の雰囲気に戻そうって思ったんです。そろそろ「原点回帰」の頃合だな、と。
 で、あらためて一作目読み返してみたら、けっこう重い話なんですよね。ミグもライトもかなり重い原罪背負っちゃってるなあって。
 で、これをもう一度やるにはどうすればいいか。

 そこで私が考えたのが、かつてのミグとライトが出会った頃のような雰囲気(二人のキャラが噛み合わない)を他のキャラクターにやらせればどうだろう、そしてそれを見たミグとライトが一回り成長し、どんなにバックボーンが違う人間でも分かりあえることだってあるということを教えたらどうだろう、ということ。
 で、そのセリフを言わせるのはミグだなっていうのは早い段階から決まっていた。そしてライトのライバルを出すっていうのも。

 今までのゲストキャラクターって海王星ではルヴェリエ王子、天王星ではアリエルで、どっちもミグやライトよりもずっと若く、はっきり言って扱いやすかったんですが、それで三度目はないなってことで、今回同世代のキャラをメインのゲストにしよう、と。
 んで一作目のミグとライトよりもゲストキャラのカップルの対立の溝を深めてみようかって。

 じゃあどうするって言ったら、一作目でミグはコミュニスト(全体の奉仕者)みたいなことを言うし、ライトはリベラルですよね。
 ならミグよりガチガチな社会主義者と、ライトよりももっとリベラルな資本主義者を出せばいい。で、互いに敵対どころか主義主張、信仰の違いで命を狙っているのはどうだって。
 でもこれ、あの二人がどう止めるんだよとも思いましたが、そこはあとで考えればいいやってw

 ガンダムの富野監督は後後ストーリーが展開していくにつれて使える、最初の時点ではあまり重要でない余計な設定をバラバラと配置するのがうまいと言われていますが、オレもなかなかのもんじゃないかって。
 ミグを凌ぐ共産主義者は「緋色の旅団」がいるし、ライトを凌ぐほどリベラルな奴は天王星編で出てきた「サーペンタリウス」がいるじゃん!ってw

 はっきり言ってサーペンタリウスなんて、こうやって使うなんてアイドル編では全く思ってなかったからね。ミグが所さんの歌が好きな設定も歌をテーマにしたアイドル編で役に立ったし。
 やっぱり「無駄」って素晴らしいな。ランダムドリフトの重要性を説いた中立進化説は正しかったよ!
 あとここまで読めば一作目でなんでライトがピカールの司法取引にあそこまで頑なに応じなかったかもわかりますもんね。ノーベルとダイナマイトを例にして、ひょうひょうとかわしていましたが、こういうことがあったのかって・・・w

 ライトで思い出したんですけど、この4作目がちょっと暗くてシビアなのは1~3作目まで絶対的なポジティブキャラだったライトが初めて弱さを見せたからなのかもしれない。
 ライトって機械仕掛けの神様的なところがあったから、そのライトがネガティブな感情を見せるのって新鮮だった。今回のライトは初めて感情的になるもんね。怒るし、泣くし。
 ライトに暴力を振るわせたのも初めてかもしれない。いやキャロット軍曹のお尻を電気棒でつついたりはしてたけどw
 でもいずれライトが悲しんでいるのを、今度はミグが励ましてやるっていうのは絶対やりたいと思っていた。

 ライトってさ、今までの少年漫画のヒーローみたいに暴力で敵をやっつけて、か弱い女性を救い出すマッチョな男じゃないんだよ。
 人種、思想関係なく、出会った人にはできる限り力になってあげたいってやつで、敵とも仲良くなろうとしちゃう。まあそれくらいの博愛主義者じゃないと冥王星でミグとも仲良くなれなかった気がするし・・・
 それが悪く出ちゃったのが海王星と天王星のクライマックス。実はライトどっちも女性を傷つけているんだよね。これは私も書いてて気になった。ミグはナッシュに瀕死の重傷を負わされるし、アリエルは暗殺のターゲットになって狙撃されてしまう。
 かつてのヒーロー漫画ならヒーロー失格だ。全然ヒロイン守れてないんだから。

 よく自分が愛するたった一人の女の子のためなら、世界なんてどうなってもいい!っていう展開があるけれど、私はそれはあまりに無責任だろって思う方なんですよ。
 たった一人を笑顔にするために世界すら変えていけばいいんじゃないかって、そんなスタンスをライトに与えたんですよね。
 だからこそ、かつてレオナの為に最強の戦闘機を作ったことに対してライトは複雑な気持ちでいる。あれは「愛する人さえ帰ってくれば世界がどうなってもいい」の典型だから。
 その呪いのようなものの象徴としてミラージュっていうのを出したんですよ。あ~でも戦闘機が好きな人にも楽しんでもらえてよかった。
 私も久しぶりに満足しているので新しい話はもう当分いいかな。中学校で若手を育てますw

 ふむなさんには航空機における貴重な知識を分けていただいて大変助かりました。この場を借りてお礼を申し上げます。

『80日間宇宙一周 CRIMSON WING』没シーン

 今回の脚本には没シーンが数多くあります。
 その中でもとりわけ面白かったんだけど、物語のテンポが悪くなるということで使いようがなかった「オルドビス宮殿」のシーンを特別公開!
 制作裏話は、ちょっと時間がないのでまた今度。ではお楽しみください。

没だけど。

エド「社長くれぐれも発言には気をつけて・・・」
ヴィン「どうせこんな番組誰も見てねえよ」
「しっ!スタッフの人聞いてますから!!」
「だいたいオレが出たいって言ったわけじゃないからね。」
「そうですが、各方面からどうしても出て欲しいと・・・社長のメディアへの露出率で航空ショーの入場者数が大きく変わるので・・・」
「ふうん、土星の発展のためなら仕方ないか。」

「今夜のオルドビス宮殿は宇宙を股にかけたグローバル企業プロメテウス社長ヴィンセント・レイセオンが登場!年商1000兆ドルを稼ぐ宇宙最大のキャピタリストの成功哲学に迫る!」

司会「ようこそヴィンセント」
ヴィン「ありがとうダニー、ちなみに去年の年商は900兆ドルくらいだったと思うよ。みんな頑張ってくれたし、もうちょい稼ぎたかったんだけどね。」
司会「・・・航空ショーで発表した新型戦闘機ですが、そのコンセプトについてまずはお聞かせください」
ヴィン「ああ、あれね。あれがね、売れると思ったんだよ。でもさあどこも買ってくんねえの。
あれ、セレブ御用達の高級ホテルのドアと一緒だよな。」
「どういうことですか?」
「高級ホテルのドアって自動ドアじゃないんだよ。相変わらずドアマンが開けてくれんの。
アトラスホテルの社長にこの前聞いたんだ、なんでなのって?
そしたらあれ、ホスピタリティの精神が・・・とかは建前でさ、ドアマン雇ったほうが機械化するよりも安いんだって。それに人間に開けさせたほうが金持ちは優越感を感じるんだってさ。あのじじい面白いこと言うよな~って。あれ?これ言っていいんだよね?まあ適当に編集してよダニー」
「生放送です・・・」

エド「ゴードン氏これ見てたら卒倒するぞ・・・」

ヴィン「で、兵器もそうなんじゃないかなって。
本当は人が死なない戦争が理想なわけで、だからそういう戦闘機を作ったんだ。
でも死者が出てもいいから戦闘機に兵士を乗せたい奴らがいるんじゃないかって。オレはそういうのが嫌いなんだ。平和のための戦争って言うなら人死にが出ないほうがいいわけじゃない。
これからの目標は人の命を機械よりも重くすることだね。徹底的なコストカット。
そうすれば建前どうこうなんてものは事実にひれ伏すって。ミラージュ買ったほうが兵士雇うよりも安上がりだぞっていう事実にね・・・」
「多国籍企業が兵器製造を手がけるということで死の商人という批判もありますが、その点はどうお考えですか?ミラージュはパイロットは死にませんがたくさんの人間を殺すステルス爆撃機ですよね?」
「そうね。空から農薬まくもんじゃないからね。しかし我々はボーダーレスなグローバル世界に生きている。
公正なルールに基づく競争によって星によって格差ができるのは仕方がない事なんじゃない?
うちは金さえ払ってくれればどこにでも平等に売るからね。
土星の発展には一生懸命貢献してきたし、これからもそうするつもりだけれど。土星だけを依怙贔屓はしないよ。」
「ほかの星が購入したプロメテウスの兵器によって土星が攻撃されても?」
「それ以上に土星がうちの武器を買えばいいでしょって。」
「話を土星に移します。
昨今エコロジーが叫ばれていますが、都市部のエネルギーの大量消費が土星の環境を破壊しているという指摘は?」
「その手の批判はいつの時代にもあった。しかしデータを見たまえ。30年前と現代、死亡率はどっちが高かった?こんな住みにくい星はなかったよね?
当時の医師会や保険会社がどんなに批判してもラメトリーの登場で多くの人の命が救われたことには変わりがない。
君らの快適な生活は君らが叩いているテクノロジーによってなされたものだ。つまり僕の会社の技術だ。最近考えているんだ。そんなに土星にやさしくしたいならぼくはいつでも星中の電気を止める準備は出来ているってね。」
「それは極端な・・・」
「冗談だよ。そんな無責任なことはしない。私はこの星を愛している。だから最終的には責任をもって土星に住むすべての人々が健康で豊かに暮らせるようなインフラを整備したい。
現在文明の恩恵に預かっているのは全人口のたった二割に過ぎない富裕層だ。
しかし私はこれからもどんどん土星を開発し残りの八割も豊かにしていきたいね。
それを環境破壊と言いたいなら構わない。
今日はありがとうダニー」握手をしようとするヴィン。
「私の名前はジョンです・・・」
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