『ラストパーティ』脚本㉚

――半年後(現在)
ガリア大陸
魔王の居城ハデス城
玉座に座るハデス「なに・・・?ジルドレイ将軍が敗れただと・・・?」
兵士「は・・・我が軍は壊滅・・・!死者は多数・・・」
ハデス「あの不敗の猛将が・・・信じられぬ・・・
もうよい・・・下がれ・・・」
王の間から出ていく兵士「は!」

兵士がいなくなったのを確認して、脱力する魔王。
ハデス「・・・は~大惨事だ・・・どうしよう・・・」
女性の参謀「・・・お気を確かに、魔王様・・・」
頭を抱えるハデス「これで主力部隊を失った・・・ブリジッドに滅ぼされるのも時間の問題だ・・・」
参謀「和平交渉をするしかありませんわ・・・
ライオンハーテド王を国に返す代わりにブリジッドと講和条約を結ぶのです・・・」
ハデス「それで丸く収まるかな・・・
ライオンハーテドは、半年前のキャッスルヴァニア進攻をまだ僕らの奇襲攻撃だと思っているし・・・」
参謀「それは、この私がパワーポイントで説明したはず・・・」
ハデス「あいつも内心わかっているのさ・・・ただ、それだと開戦の大義名分が立たないだろ?
あいつは大陸領土をどうしても欲しいんだよ・・・」
マッドサイエンティスト風の老人が口を挟む。
大神官イノストランケヴィア3世その人である。
「ライオンハーテド王を魔王にしてはなりませぬ・・・
あの男が魔の力を手に入れたらそれこそ世界は滅亡です。」
ハデス「戦争が好きだからな~あいつは・・・」
参謀「慈悲深いあなた様が魔王のままでいるためにも、ブリジッド王国との和平の道を模索すべきです。」
大神官「レディ・イヤハート・・・あなたは甘すぎます。
好戦的なライオンハーテドがいる限り、この戦争は終わらない・・・
今はVIP待遇でこの城で接待を受けていますが・・・
晩餐の豚の丸焼きにキニーネ系の猛毒を仕込んで、毒殺してはいかがか・・・?」
ハデス「聖職者が考えることか・・・?」
参謀イヤハート「それはなりません・・・!魔王ハデスが無慈悲にも国王を暗殺したとなれば、ブリジッドの民はガリア帝国を絶対に許しません!
それこそ、どちらかが滅ぶまで戦争は続いてしまう・・・!」
大神官「だから不幸にも食あたりで死んだってことで・・・」
イヤハート「タイミング的に絶対に不自然でしょう・・・!」
頭を抱えるハデス「は~・・・どうすればいいんだ・・・!」
大神官「徹底抗戦です!」
イヤハート「平和的共存です!」
ハデス「ちょっと二人同時に喋らないでくれる・・・?」

イヤハート「徹底抗戦と言いますけれど、我が軍の主力部隊はエゼルバルド城の戦いで壊滅したのですよ?今こそ和平交渉の絶好の機会・・・」
大神官「御心配なく。我がラボラトリーで強大な新種の魔物を開発中です。
もはや戦争で人間を戦わせる必要はないのですよ。」
イヤハート「アルバレイク国は同じように巨大な軍馬を品種改良して、制御できず皆殺しにされましたわ。」
大神官「ブリューナク計画が失敗したのは知能が低い馬を用いたこと・・・
私が開発している魔物の学力は早慶上智レベル・・・なにも問題ありません。」
ハデス「まじか・・・偏差値高いな・・・」
大神官「私はあなたをこの戦争に勝たせるために神都すら移転させてきた・・・お忘れなく。」
王の間から出ていく大神官。

ハデスとイヤハートだけになる。
ハデス「あの人も戦争が好きだよな・・・ライオンハーテドと変わらないよ・・・」
イヤハート「多くの人が傷つけば、民は神に救済を求めるからです。」
ハデス「マッチポンプじゃないか・・・」
イヤハート「そのマッチポンプで多くのものが血を流しています・・・」
ハデス「あなたは逆に平和主義者だな。
この戦争を引き起こした責任を感じているのか?
気にするな。どのみち、この戦争は避けられなかった・・・
キャッスルヴァニアの侵攻がなくとも・・・ライオンハーテドは別の口実を探していたさ・・・
そうだろう?コマキ国のプリンセスよ・・・」
イヤハート「・・・・・・。」



エゼルバルド城の中央広場。
戦死した仲間の墓が立っている。
花を手向けて祈るシルビア。
「テスのバカ・・・葬儀屋が先に死んじゃってどうするのよ・・・」
イエヤスの方を向いてゼリーマン
「この広場にメドの石像でも立ててやってくれねえか・・・
この城を守った女神として讃えてやってほしいんだ・・・」
イエヤス「もちろん。」
ヴィンツァー「ヨシヒコさん。この戦争を終わらせに行きましょう・・・
もう、こんなのごめんだ・・・」
ヨシヒコ「同感です。」
ルナ「クレイモア―の発進準備はできています。いつでもご指示を。」
草薙「泉よ、魔王を倒そうぜ。」
ローランド「そして囚われの奥方を救うのだ。」

黒神「ん~っふっふ・・・しかしこの誘拐事件には不可解な点があります・・・」
シルビア「どういうこと?」
黒神「普通、誘拐事件では犯人側から要求がされるもの・・・
しかし1か月以上たっても、魔王側からコマキ側への要求がない・・・」
ヨシヒコ「確かに・・・結城も湯浅さんも何も知らない様子だったな・・・」
黒神「そもそも、泉さんの奥さんは本当に誘拐されたのでしょうか。」
シルビア「・・・え?」
黒神「その竜によってすでに殺されているのでは?」
ルナ「縁起でもない・・・」
黒神「失礼。推理に夢中になってしまう私の悪い癖です。お気を悪くされました?」
ヨシヒコ「いえ・・・妻が死んでいることはありえません。
リングからの発信電波でバイタルサインがまだ届いています・・・」
黒神「そのリングをつけているのが別の人物だとしたら・・・?」
草薙「この警部補はどうしても殺人事件にしたいらしいな・・・」
シルビア「ね・・・」
黒神「では質問を変えましょう。
その竜を召喚することができるのは、本当に魔王ハデスだけなのですか?」
ヨシヒコ「そこはモンスターに詳しい君が・・・」
ゼリーマン「ああ。ジャバウォッキ―はこの世界で最強の召喚獣だ。
あれを使役できる魔力を持つのは歴代の魔王だけ・・・だからライオンハーテドはその資格が欲しいがために、魔王の王位継承を狙っている。」
ヨシヒコ「アメリカ大統領の核のスイッチみたいなんだな・・・」
黒神「そうですか・・・
しかし、ハデスは強引に女性を誘拐するような魔王ではないと、ご友人のヴィンツァー卿はおっしゃっている・・・これは矛盾ですね・・・」
ヴィンツァー「黒神さんはどう見ているんですか?」
黒神「人間の性格というものは・・・何年経とうが変わらないものなんです。
私はヴィンツァー卿、あなたの証言を信じます。あなたは愚かしいまでに誠実だ。
確かに魔王ハデスは明らかに怪しい。・・・が、明らかに怪しいものがミステリーで犯人であったためしはないんです・・・ん~っふっふ・・・」
ゼリーマン「じゃあ誰が旦那の奥さんをさらった?」
黒神「取り調べをしましょう・・・」



エゼルバルド城牢獄
ジルドレイを取り調べる黒神とシルビア。
縛られているジルドレイ「ハデス様は無実だ。」
黒神「では・・・竜を使ってストレイシープ村を襲撃したのは、あなた方ではないと?」
ジルドレイ「あの村か・・・ああ。俺達じゃない・・・
ハデス様は奇襲など、そんな卑怯なことをするお方じゃないんだ・・・」
黒神「しかし、あの竜はおたくの魔王しか使えませんよね?」
ジルドレイ「・・・誰が言ったんだ、そんなこと。」
黒神「他にも容疑者がいると?」
ジルドレイ「この世界でもっとも魔力が高い人間を忘れちゃいないか・・・?」
シルビア「・・・なんであたしを見るのよ。」
ジルドレイ「・・・莫大な魔力を消費するのは、相手を破壊する黒魔法じゃねえ。
相手を再生する白魔法だ・・・そうだろ、シスター・・・」
シルビア「まさか・・・」
シルビアの方を向く黒神。
黒神「何か思い当たることが・・・?」
シルビア「・・・ありえないわ・・・」



ハデス城の地下研究室。
高圧電流が流れるフェンスの中にヘルゴートが飼育されている。
不安そうに「メエエエ」と鳴くヘルゴート。
すると、地響きを鳴らして巨大な動物がヘルゴートの背後に現れる。
強力な顎でヘルゴートを咥えて持ち上げる怪物。
ボトリとヘルゴートの脚が落っこちてくる。
ヘルゴートを丸のみにすると、怒号をあげてフェンスに突撃する怪物。
しかし、フェンスの電流によって阻まれる。
その様子を見上げる大神官イノストランケヴィア「お行儀の悪い子だ・・・
こんな下品な動物が最大最強の魔物とは・・・
強き存在は・・・もっと上品で、もっと気品がないといけません・・・」
フェンスの看板には「ジャバウォッキ―」と書かれている。

大神官が巨竜のフェンスを離れる。
カメラが引いていく。
すると地下の研究室には、まるで動物園のように野生のモンスターの檻が並んでいることが分かる。檻には「コボルト」「ヒドラ」「ケルベロス」など、ガリア大陸でかつて絶滅したはずのモンスターが飼育されている。
研究員がプールの中のセイレーン(人魚のような魔物)に注射器を突き立てる。
悲鳴を上げるモンスター。
研究員「魔力の抽出完了しました!」
大神官「よろしい・・・
我々聖職者が自身の寿命を縮めてまで弱きものを救う時代は終わった・・・
世界の医療と軍事を支配するのは我々、神の使いです・・・
魔王様にはまだ働いてもらわなければなりません・・・」



エゼルバルド城
シルビア「うそよ・・・!神都ハルティロードが裏でそんなことをしていたなんて・・・!」
ジルドレイ「信じたくなければそれでいい・・・
だが・・・抽出した魔物の魔力を黒死病の治療薬にしたことで、多くの民が救われたのは事実だ・・・そして・・・その研究をしていたのが、大神官と・・・リネット・アシュレイさ・・・」



城の通路
ヴィンツァーとすれ違うシルビア
「・・・あなたは知っていたの?」
ヴィンツァー「ぼくとハデスでリネットの医療基金を立ち上げたことは事実だ・・・
でも・・・魔力の研究をしていることは知らなかった・・・本当だよ・・・」
ゼリーマン「ほんで、俺たちモンスターをすり潰してクスリにしてたってわけか・・・」
ヴィンツァー「リネットだって死にたくなかったんだ・・・」
ゼリーマン「なあ・・・オレたちは仲間だろう?隠し事は無しにしようじゃないか。」
シルビア「ヴィンツァー・・・お願い・・・母さんのことを教えて・・・」
ゼリーマン「お前は隠し事が下手なんだ。諦めろ。」
ヴィンツァー「・・・ことの発端は、ヘルシング博士の論文だ・・・
黒死病の治療にモンスターの体液が有効だという研究結果が出たんだ・・・」
ゼリーマン「それは知っている。セレスと一緒にシドニアあての手紙を勝手に読んだからな。」
ヴィンツァー「しかし、ニャルラト・カーンとの戦いでヘルシング博士は亡くなり・・・研究は頓挫してしまった。それを生き残ったリネットが引き継いだんだ・・・
リネットは、モンスターから魔力を直接抽出する方法を見つけたんだと思う・・・」
ゼリーマン「それで・・・?」
ヴィンツァー「・・・・・・。」
ゼリーマン「怒らないから言ってみろ。」
ヴィンツァー「・・・ガリア大陸の魔物はすでにウィンロードさんたちが滅ぼしてしまったから・・・
リネットたちはブリジッド島の魔物を捕獲し、大規模な研究施設(プラント)で大量に繁殖させようとした。特に魔力が大きかったのが・・・」
ゼリーマン「オディオサウルスか・・・」
ヴィンツァー「違う・・・“シルフ”だ。」
ゼリーマン「シルフ?」
ヴィンツァー「アルバレイクの湖畔地方に住む風の妖精だよ・・・
純粋無垢で・・・美しい妖精だ・・・も・・・もういいだろ・・・」
ゼリーマン「ここまで来たら全部言え。」
涙で目を潤ませるヴィンツァー「ハルティロードの神官たちは、シルフ狩りをした・・・
シルフは強大な魔力を持っていたが・・・その力で人を傷つけるという発想がなかった。
彼らにとって・・・魔法とは、お互いを癒したり、楽しませるものだったから。」
震えるシルビア「なんで泣くの・・・?ヴィンツァー・・・」
ヴィンツァー「・・・ごめん・・・」
シルビア「私は覚悟はできてるの。」
ヴィンツァー「シルフはアルバレイク国では神としてあがめられていたので、ハルティロードの行為はアルバレイクの怒りを買った。
リネットは魔力だけを抽出するのであって、シルフに危害は加えないと、アルバレイク王に約束したが・・・シルフの体のほとんどは魔力でできていて・・・
神官たちはほとんどのシルフを死なせてしまった・・・
こうして再び大きな戦争が始まって・・・きみの母さんリネットは死んだんだ・・・
きみの本当の名は、シルフィア・テンペストという・・・
シルフ族最後の末裔だ。」
首を振るシルビア「そんな名前いらない。
私は聖女リネット・アシュレイの娘、シルビア・アシュレイよ。」

『ラストパーティ』脚本㉙

ヨシヒコの自宅
イチカの寝室で娘に絵本を読み聞かせてやるヨシヒコ。
「こうして、お城の竜を退治した勇者はお姫様と結ばれ幸せになりましたとさ・・・
めでたしめでたし・・・」
長女のイチカ「・・・で?」
ヨシヒコ「・・・で??
・・・で?とは・・・??」
イチカ「結婚後の生活はどうなったの?」
ヨシヒコ「こ・・・子どもでも作ったんじゃないかな・・・」
イチカ「それで、この勇者はその後、どんな仕事に就いてお姫様と子どもを食わせるの?」
ヨシヒコ「奥さんの実家が王族だから・・・不労所得が多いんじゃないか・・・?」
イチカ「じゃあ、仕事も家事も子育てもやらなくていいの?」
ヨシヒコ「おそらく・・・召使いがたくさんいるだろうしね・・・」
イチカ「・・・そんな人生つまらない・・・こんなおはなし何もめでたくないわ・・・」
ヨシヒコ「最近の小学生はすごいな・・・そういう批評は国語の授業で教わるのか?」
仕事から帰ってくる桃乃「ただいま~・・・
(寝室に入ってくる)なに?イチカはまだ起きてるの?」
イチカ「おかえりなさい。ママはパパと結婚して人生どうなの?」
桃乃「・・・は?」
絵本を見せるヨシヒコ「ハッピーエンドのその後が気になるんだって・・・」
桃乃「・・・子どもを3人くらい作って、お城で何不自由なく暮らすんじゃないの?」
ヨシヒコ「同じこと言ってる・・・」
イチカ「それって幸せなの?」
イチカをなでる桃乃「幸せだよ。あんたたちがいると退屈しないもの・・・」
イチカ「本当?あたしが生まれてよかった?」
桃乃「もちろん・・・
それに・・・あんたのパパは誰よりもかっこいいのよ・・・」
イチカ「生真面目でつまらないのに?」
桃乃「不真面目で面白いパパが良かった?」
イチカ「そうだけど・・・」
桃乃「パパはね。イチカたちが知らないところでいつも戦っているの。」
イチカ「本当?」
桃乃「本当よ・・・」
イチカ「パパに聞いてるの。」
桃乃&ヨシヒコ「・・・え・・・」

寝ているイチカに毛布をかけるヨシヒコ。
寝室のドアを閉める。

リビング
冷蔵庫から缶ビールを取る桃乃「・・・次の仕事は見つかった?」
食器を洗うヨシヒコ「宮本に頼んでいる・・・」
桃乃「・・・ごめんなさい・・・全部あたしのせいだわ・・・」
ヨシヒコ「あの会長はどうにもならんよ・・・
いいのか?別れた旦那のところに毎晩通っていて・・・」
桃乃「あんなやつ父親だと思ったことなど一度もないわ。
ヨシヒコさんと会った高校時代からね・・・」
流しからコップを持って来てソファに座るヨシヒコ「そんなこと言うなよ・・・
仕事の方は順調か?」
桃乃「え?・・・ええ・・・まあ・・・
でも・・・あなたがいないと淋しいな・・・職場が静かでね・・・」
桃乃にビールをついでもらうヨシヒコ
「ただの生真面目でつまらない男さ・・・」
桃乃「だから退屈しないのよ・・・あなたは会社の不正義を絶対に許さなかった・・・
もうあの暴君を止める者はいない・・・」
ヨシヒコ「島に行くんだな・・・」
桃乃「あなたの代わりはレゲエ・ユーキには無理だから・・・」

深夜
ヨシヒコの家のガレージ
スポーツカーに乗る桃乃「子どもたちにはしばらく出張に行くって言っておいて・・・」
ヨシヒコ「イチカはもう小学3年生だ・・・もう気づいていると思う・・・」
桃乃「でも・・・私はまだ、あの子たちのママでいたいのよ・・・」
ヨシヒコ「困ったことがあったらなんでも言ってくれ・・・いつでも・・・どこでもだ・・・」
桃乃「ありがとう・・・ヨシヒコさんが一番・・・今もね。」
スポーツカーを発進させる桃乃。
車を見送るヨシヒコ。



デスクの電話が鳴る。
受話器を取る結城「は~い・・・ドリームワールド運営本部・・・」
?「くっくっく・・・わしじゃよ・・・」
結城「!会長・・・!!??」
コマキ社総帥:井伊景雅「桃乃がそっちに行くそうじゃの・・・」
白髪の老人が金色のバスタブで酒を飲み、ビキニ美女にお世話をされている。
結城「ええ、現地確認に・・・」
井伊「ドリームワールドはどうなっておる?」
結城「土地収用の交渉を進めているところだけど・・・」
井伊「あんな蛮族に金を払う必要はない。焼き払え。
わしの可愛い娘が到着する前に一切の危険は排除せよ。」
結城「連中を怒らせると面倒くさいわよ。
魔法を使う奴や、火を吐くやつ、石にするやつ、色々いるし…」
井伊「心配するな。貨物船でナパーム弾と毒ガスを10トン送った。
保安部に命じて総攻撃をかけるのじゃ。
交渉に応じた連中はすっかり油断しておる。みな殺しにせい。
失敗は許さんぞ。現地民にうちの桃乃が危害を加えられてみろ。
お前らは全員東京湾の藻屑だ。」
結城「お嬢様のセーフティは保障するわ・・・」
井伊「期待しておるぞ・・・くくく・・・」
電話が切れる。



マジックキングダム
ホーン平原
地面に「井伊会長私設ゴルフ場建設予定地」という立札が突き刺さっている。
そのそばを戦車が通過していく。
戦車を呆然と眺めるオークたち。
オーク「なんだあのカメはブー・・・」

森の中で狩りをするメド。
矢がシカに当たる。
ヘビ女(ラミア)の従者「おみごと・・・!」
従者に弓を渡すメド。
若いヘビ女がメドに近づいてくる「メド様・・・!
大変です!我が領地をコマキ国が攻撃しております・・・!!」
メド「それはあり得ないわ・・・土地収用の交渉は順調だもの。」
ヘビ女「すでに鉄のドラゴンが北の森を焼き払っております・・・!
お逃げ下さい・・・!!」

燃やされているヴァイスシュバルツの森
逃げ惑うモンスター
ミノタウロス「男どもは戦え!子どもは早く防空壕へ逃がすんだ!!」
ハルピュイアたちが羽ばたいて逃げるが、翼に火がつきボトボトと火の中に落下していく。



ウンディーネ地下水路
避難したモンスターたちがゼリーマンを取り囲んで非難している。
メド「コマキ国との交渉役はあんただったわね!どう申し開きするのよ!!」
ゼリーマン「泉の旦那が会社から去ったことで経営方針が変わったらしい・・・
民間企業あるあるだ・・・」
メド「あらそう。・・・殺すわよ・・・」
ゼリーマン「下水道で暮らすのも悪くないぜ?」
メド「冗談じゃない!私は貴族なのよ!!」
オークのガーニー「そうだそうだブー!」
ガーニーを蹴るゼリーマン「おめーはただのブタだろ!」
ガーニー「ぶきょ~!」
メド「いいこと?あの残虐非道な軍隊を止めてくるのよ。さもなきゃ石にして・・・」
ゼリーマン「幸福な王子ってか。」
しっぽのガトリング銃を向けるメド「粉々にしてやる。」
ガーニー「粉々にするブー。」
ガーニーを蹴るゼリーマン。
ガーニー「ぶきょ~!!」



エゼルバルド城
窓から魔物の住処であるヴァイスシュバルツの森を眺めるベオウルフ。
「なんというすさまじき力だ・・・」
戦闘機のナパーム弾頭下で、魔物たちが支配していた深い森が地獄のように燃えている。

会議室のテーブルについている結城
「これでいつでもお外を安全に歩けるわね。」
ベオウルフ「この力があれば、魔王ハデスなど恐れるに足らず・・・」
結城「いつ、あたしたちがブリジットの味方をすると言ったのかしら?」
ベオウルフ「・・・え?」
結城「あんたたちもゲットアウト、マイウェイよ。
この城をあけ渡しなさい。」
テーブルの隅に座っている長門「地域住民はお前らが嫌いだってよ・・・」
ベオウルフ「さんざん村の地上げに協力したのに裏切るのというか・・・!」
長門「もう用済みだということだ・・・」
剣を抜こうとするベオウルフ「おのれ・・・!」
ベオウルフの方に札束を放り投げる結城。
それをすかさず拾うベオウルフ「撤収!!」
引き上げていく甲冑騎士たち。

結城「腐った統治者は話が早いわね。」
長門「まったくだ。」
結城「脅威はまだあるかしら?」
長門「新宿よりも安全さ・・・」

『ラストパーティ』登場人物(姫川桃乃救出編)

 お疲れ様です。勇者ヨシヒコの長い冒険もホントにホントのクライマックスだと思います。パパはママを救えるのでしょうか・・・!そしてとうとうコマキの会長が登場!!

泉ヨシヒコ
異世界「マジックキングダム」に閉じ込められた妻を救出するためにやってきた、元コマキ社のゲームクリエイター。
かつての勇者ヴィンツァーに魔王討伐を依頼する人物。特技は名刺交換とデバッグ作業。

ゼリーマン
全スライムの英雄。戦闘力5のゴミだが、ザコからボスまでモンスターへの顔が広い。

スナイデル・ヴィンツァー
かつて世界を救った勇者。現在では特にやることがないので、村で引きこもっている。
実は人一倍臆病者で、誰も殺めたことがない。
しかし、剣術などのステータスは最強ランクを誇る。

シルビア・アシュレイ
風の魔法使い。世話焼きな女の子。世界を救う大冒険に憧れているが、ヴィンツァーには止められている。

姫川桃乃
ヨシヒコの元妻で、ドリームワールド内で行方不明になったテストプレイヤー。
コマキ社の井伊社長の娘で、彼女が転送先で行方不明になったため、社内は騒然とした。
慎重派のヨシヒコと正反対の行動派の女性。

泉イチカ、フタバ、ミナギ
ヨシヒコの子どもたち。



結城秀夫
天才プロデューサー。破天荒かつ無責任で、採算や安全性を無視して、とにかく楽しいゲームだけを追求する男。彼だけは井伊社長の要求も突っぱねる。サングラスとアロハシャツがトレードマーク。

長門守
ドリームワールド内のすべての転送ゲートを管理するオペレーター。
出世コースから外れたため、適当に仕事をしている。

湯浅専務
GASEから出向してきた中間管理職。異世界で悪戦苦闘するヨシヒコをコマキ社の目を盗んでサポートする。

井伊景雅
レッド財団の総帥で、コマキ社の創業者。自身のグループ企業を王国と名乗り、東京湾の人工島に、安全性が確認されていない異世界にゲストを送り込むテーマパーク「ドリームワールド」を建設した。口癖は打倒オリエンタルランド。
性格はワンマンかつ残忍で、部下の失敗は絶対許さない。黒字第一主義者。



スパルタン草薙
格闘ゲームエリアの「九龍」の武闘派ファイター。中国拳法の使い手で、だいたいの敵は拳でなんとかなると考えている。魔王をKOさせれば、世界最強ということでパーティに付いてくる。
とんでもない大食漢でエンゲル係数はかなり高い。

ルナ・マイヤース
SFシューティングエリアの「メガサターン」のエースパイロット。サイボーグ化された女性であり、「クレイモアー」という宇宙船で宇宙を冒険していた。最終的に、核ミサイルを魔王城に放てばなんとかなると考えている。

ローランド・ペルト
アクションエリアの「ジャングルツアーズ」の伝説的ハンター。19世紀初頭のイギリスの探検隊のような格好をしている。数々の猛獣を狩ってきただけあって、相手がモンスターだろうがひるまない。

黒神志郎
サウンドノベルホラーエリアの「ホーンテッドレジデンス」での惨劇を解決した天才的な私立探偵。ドラキュラ伯爵のような不気味な見た目で、理屈っぽい癖のある性格。



ライオンハーテド王
ブリジッド王国の国王。戦が好きなわりに弱く、敵に捕虜にされることが多い。
身代金を支払う度に重税を課すので国民全員に嫌われている勇猛な王様。

ベオウルフ卿
ブリジッド王国の騎士団長。キザで見えっ張りな性格。

ハデス・モルドレッド
ガリア大陸を支配する魔王。ライオンハーテド王とは遠い親戚にあたる。
戦が嫌いだが、ライオンハーテド王に言いがかりをつけられ百年戦争に踏み切る。

イノストランケヴィア3世
ハルティロードの大神官。王位継承を仲裁する強大な権力者。
ハデス皇帝があまりに気の毒だと、神都移転を受け入れた。意外と好戦的な性格。

ジルドレイ将軍
ガリア帝国軍の隊長。百戦錬磨の軍人。主戦派。

レディ・イヤハート
ハデスに新しく迎えられた参謀。ハデスと共に和平の道を探る。

ハデス城
大神官らの主戦派と、魔王らの和平派で城内の勢力が二分されている。
城内には、絶滅したガリア大陸の魔物を白魔術と遺伝子工学で蘇らせるラボラトリーがある。

究極キマイラ(トリニティ・レックス)
イノストランケヴィアが開発した新種の魔物。
ワシの頭と翼、ライオンの体、大賢者の頭脳を持つグリフォン。

オッシー(オディオサウルス・ジャバウォッキ―)
ハデス城内で飼育されている強大なドラゴン。10万ボルトの電気フェンスで隔離されているが・・・



ローワン・ウイリアム
ゴート大学の歴史家。勇者ヴィンツァーの最後の冒険『ラストパーティ』を後世に残す人物。

『ラストパーティ』脚本㉘

徐々にジルドレイに押されていくラム隊長。
片手の剣を跳ね飛ばされるラム「くっ・・・!」
ジルドレイ「ぐはは・・・!衰えたなラム・・・!!」
ラム「もういい年なんでね・・・」
剣を振り上げるジルドレイ「なら往生するがいい!!」
その時、巨大なファイアーボールがジルドレイに飛んでくる。
ジルドレイ「ぐお!」
なんとかぎりぎりでかわすジルドレイ。
火球は鐘塔に当たり爆発、破片がガリア兵をおそう。
火球が飛んできた方向を振り向く。
ジルドレイ「し・・・死ぬところだったぞ・・・誰だ!!」

杖を向けているテスタメント「はあはあ・・・全盛期にあんたは火葬にするべきだったわ・・・」
ジルドレイ「テスタメント・・・なんだこれは?同窓会か?」
シルビア「テス・・・!そのケガでMPを消費しちゃダメ・・・!」
ラム「テスタメント・・・」
テスタメント「はあはあ・・・あなた・・・昔・・・勝敗は重要じゃないっていったわね・・・
冗談じゃない・・・あたしはあんたの葬式をするなんて絶対にいや・・・」
剣を捨てて、倒れかけるテスタメントを慌てて支えるラム「む・・・!」
テス「はは・・・シドニアの言ったとおりだわ・・・必殺の一撃がかわされたら・・・もう、おしまい・・・」
意識を失うテス。
シルビア「テス・・・!!」
ラム「らしくないことを・・・」

ジルドレイ「もう終わりだな・・・
まず、そこの小娘。回復役の貴様から真っ二つにしてやろう・・・」
シルビア「・・・!」
シルビアの前に立って両腕を広げる草薙。
草薙「てめえ、それでも男か!?男は女を守るものだろう!!」
ジルドレイ「くだらねえ、戦争は勝てばいいんだ。」
シルビア「無茶はやめてスパルタン・・・あんたでは勝てないわ!!」
草薙「あいつが疲れ果てるまで、お前の盾になることはできるさ・・・」
シルビア「あんたは馬鹿よ・・・」
草薙「かもな。」



作戦会議室
泥だらけのゼリーマンが駆けてくる。
ゼリーマン「旦那・・・まずいぞ!
最初は調子が良かったが数の暴力で押されている・・・!!」
ヨシヒコ「わかった・・・けが人を城内に誘導しよう・・・マイヤース。」
ルナ「救急車の出動ですね・・・」
ゼリーマン「そんな余裕はないっす!事態はすでに霊柩車の局面なんだ!!
ヴィンツァーお前の出番だ・・・一人異様に強い奴がいる・・・!あの化け物を倒してくれ・・・!」
ヴィンツァー「・・・ジルドレイ将軍・・・ふたつ名は黒羽のレイ・・・」
ヨシヒコ「知合いですか?」
ヴィンツァー「ぼくの師匠のパーティにいた男です・・・
あまりに強く・・・そして残酷で・・・
師匠のウィンロードは彼を追放した・・・」
ゼリーマン「あんたの実力なら倒せるだろ?」
ヴィンツァー「・・・ぼくには・・・無理だ・・・」
ゼリーマン「あ?」
ヴィンツァー「ぼくは・・・戦争で戦ったことがない・・・」
ゼリーマン「こんな時に冗談はよせ。王立騎士団で軍事顧問をやってただろ。」
ヴィンツァー「・・・兵の被害が極力出ないように陣形を考えていただけなんだ・・・
ぼくは・・・剣を人に向けたことはない・・・
君の言う通り・・・臆病者なんだ・・・」
ゼリーマン「てめえ・・・もう一度言ってみろ・・・」
ヴィンツァー「・・・・・・。」
ゼリーマン「お前はなんで剣を下げているんだ!弱い者を守るためだろ!
お前がどう思おうが知ったこっちゃない!スナイデル・ヴィンツァーは世界を救った勇者なんだ!
その責任を果たしやがれえ!!!」
ヴィンツァーをぶん殴るゼリーマン。
吹っ飛ぶヴィンツァー。
慌ててゼリーマンを取り押さえるヨシヒコ
「熱くなるな!お前らしくもない!!」
ゼリーマン「離してくれ旦那・・・!」
ヨシヒコ「この戦いを判断したのは私だ!すべての責任は私にある!!」
ゼリーマン「そうだ、できることなら俺たちが戦いたいんだ・・・!
だが・・・お前しかできないんだ!!
お前は誰よりも強いからだヴィンツァー!!!」
頬の傷をおさえるヴィンツァー「・・・・・・。」




(回想)
ウィンターズ城の中庭で剣の稽古に励む青年のヴィンツァー。
メイドのセレス「お上手ですわ!」
木刀を下ろすヴィンツァー「・・・おためごかしはやめてください・・・ぼくは暴力は嫌いだ。」
セレス「ヴィンツァー様・・・」
ヴィンツァー「ここでずっと家事手伝いをして暮らしていたいです・・・」
微笑むセレス「いけませんわ・・・わたくしの存在価値がなくなります。」
ヴィンツァー「ぼくは本気で言っているんです。」
真剣な表情になるセレス「・・・旦那様は言っておりました。
ヴィンツァー様は誰よりも優しいと・・・きっと自身の剣技を正しい道に使えるはず・・・
だから、あなたは今ここにいる・・・」
ヴィンツァー「ぼくには・・・人は斬れません・・・怖いんです・・・」
セレス「それはみんなそうよ。
だからわたしたちは戦うの・・・大切な人を守るために・・・」
中庭にやってくるウィンロード
「また2人でサボってるのか。セレスお前は甘いぞ・・・」
直立するセレス「も、申し訳ございません・・・!」
ウィンロード「お前は人を斬りたくないのか・・・なぜだ?」
ヴィンツァー「だって・・・相手は死んでしまうじゃないですか・・・!
ぼくは誰も殺したくない・・・!」
ウィンロード「そうか・・・なら、もっと剣の腕を磨け・・・この俺よりも。
そして・・・誰よりも圧倒的に強くなれ・・・」
ヴィンツァー「・・・え?」
ウィンロード「ゾウがアリを本気で殺そうとするか?」




ボロボロになる草薙「ぐはっ・・・!」
剣で草薙を何度も切り裂くジルドレイ
「なかなかタフじゃねえか・・・
てめえの筋肉は一体何でできてんだ・・・」
草薙「はあはあ・・・お、お前なんか素手で十分なんだよ・・・この卑怯者・・・」
ジルドレイ「じゃあ、こちらも素手で行こうか・・・」
そういうと、脇腹の傷に指を突っ込むジルドレイ。
草薙「ぎゃああああ!!」
シルビア「スパルタン・・・!」
とうとう倒れてしまう草薙。
ジルドレイ「手こずらせやがって・・・
(シルビアに)さあ、次はお前だ。
首をひねってやる・・・」
後ずさるシルビア「やめて!こないで!!」
草薙「に・・・逃げろシルビア・・・!」
シルビアに近づくジルドレイ
シルビアはあたりを見渡すが、ラムもテスもメドもガリア兵に倒されて地面に転がっている。
涙を流すシルビア「母さん・・・父さん・・・誰か助けて・・・!!」

その時、剣を握って飛び出してくるヴィンツァー。
ヴィンツァー「うおおおお!!お前なんか怖くないぞ!あっちいけえええ!!」
ものすごい勢いで剣を振るうヴィンツァー。
その斬撃を紙一重でよけるジルドレイ「おっとおおお!!」
シルビア「ヴィンツァー・・・!!」
ヴィンツァー「はあはあ・・・僕の後ろに!!」
ヴィンツァーの後ろへ駆けるシルビア。

ジルドレイ「ついに伝説の勇者のお出ましかい・・・さあ殺し合おうぜ・・・」
ヴィンツァー「ぼくは殺し合いは嫌いだ・・・」
ジルドレイ「が~はっは!!何を甘いことを・・・」
その時、ジルドレイの仮面と兜が木っ端みじんになる。
素顔を現すジルドレイ。

シルビア「え・・・?女・・・!?」
ジルドレイは美しいロングヘア―の美女だった。
ジルドレイ「見たな・・・てめえら・・・私の素顔を・・・!!
私の正体を知った者は全員死んでもらう・・・」
ヴィンツァー「もういい、勝負はついたんだ・・・これ以上はやめよう・・・」
意味が解らないジルドレイ「ああ?」
その時、ジルドレイが血反吐を吐いて膝をつく。
ジルドレイ「ぐはっ!きさまいったい何を・・・!!」
ヴィンツァー「君の実力じゃ殺し合いにはならない・・・」
意識が遠のくジルドレイ「馬鹿な・・・」
地面に崩れ落ちるジルドレイ。
ヴィンツァー「ゾウが本気でアリを殺すと思うか?」



西の城壁
ライフルで敵を狙撃していくローランド
引き金を引くが弾が出ない。
「くそ・・・弾切れだ・・・!」
マサノブ「こっちもです!」
イエヤス「わしも終わった・・・!」
ライフルを棍棒のように握るローランド「くそ・・・ここまでか・・・!!」
すると、ガリア兵が慌てて引き上げていく。
雲の子を散らすように逃げていくガリア兵。
ローランド「・・・?敵が・・・消えたぞ・・・」



エゼルバルド城の主戦場となった中央広場
敵味方両軍の兵士の死体が地面を覆うように転がっている。
レンガの崩れた壁にラムのツインソードが突き刺さっている。
そのソードを無言で引き抜くヴィンツァー。
ラムとテスタメントがお互い寄り添うように死んでいる。

噴水のそばで串刺しにされたメドの死体を見つめるゼリーマン。
ハルがゼリーマンのそばに舞い降りて、彼を慰める。

傷ついた戦士たちを遠巻きで見つめる老勇者。
ランスロット「・・・長生きはするもんじゃないのうロビン・・・」
ロビンフッド「ああ・・・いったい何人もの戦士を見送ればいいのか・・・」




ウイリアム「こうして、わずか3時間でエゼルバルド城の戦いは終結した・・・
ブリジッド側の戦死者はモンスターを入れてわずか27人・・・
それに対して、ガリア帝国軍は合計2573人にも上った。
サー・イズミの歴史的な采配により、民間人の犠牲者はいなかった。」

『ラストパーティ』脚本㉗


エゼルバルド城の外に陣形を敷くガリア帝国軍800。
自軍を後に、馬に乗り城門に近づくジルドレイ。
大声を出すジルドレイ
「ずいぶん舐めた真似してくれるじゃねえか、ベオウルフ・・・!!
見てくれだけにこだわっていたおめえが、こんな悪知恵を働かせるようになったとはな・・・!
城を捨てたのはブラフだろ?そこにいるのは分ってんだ、姿を見せろい!!」

すると、城門の跳ね橋が下りる。
白いペガサスに乗ったヨシヒコがジルドレイに近づく。

ジルドレイ「ああん?なんだお前は。」
ヨシヒコ「泉ヨシヒコ。企業戦士(サラリーマン)だ。
きみたちに、わずかでも人間の心が残っているなら・・・
この城をよけて・・・国に帰ってほしい・・・」
ジルドレイ「ああん?帰れだと?聞いたか!?
この俺に帰れだとよ!!!
わかったぞ・・・ブリジッドのやつら・・・異国から加勢を連れてきたな・・・!
よくわからねえチュニックなんか着やがって・・・
てめえ一人が増えたところで、何ができるって・・・」

すると、城からヴィンツァーが現れる。
ヴィンツァー「一人じゃない・・・」
ジルドレイ「二人か・・・
ん??お前・・・知ってるぞ・・・
スナイデル・ヴィンツァー・・・ライアーナイト(嘘つき騎士)のスナイデル・ヴィンツァーだ!
邪神に怖気づいて味方を見捨てて逃げた腰抜けじゃねえか!
キサマなど俺の敵じゃねえ!失せろ臆病者!」

ゼリーマン「・・・そいつをそれ以上侮辱するなら、全モンスターの王である、この俺が許さんぞ。」
ジルドレイ「・・・!3人か・・・それもスライムだ!
こんな雑魚キャラなんか連れてきてどういうつもりだ?」

シルビア「雑魚キャラはどっちかしら・・・?」
ジルドレイ「4人・・・今度は女だ。しかも、レイプする気も起きねえケツの青いガキだ!」

指をぽきぽき鳴らす草薙「女性を女と呼ぶんじゃねえ・・・」
ルナ「ええ・・・女性との付き合い方を私が教えてあげますわ。」
ジルドレイ「どんどん増えやがる・・・」
ライフルを向けるローランド「とっととうせろ、坊や・・・」
青筋を立てるジルドレイ「坊や!!???てめえ・・・この俺に坊やと言ったのか!!」

ヨシヒコ「お互い無駄な血は流したくはないだろう・・・?
話し合いで済むなら・・・ぼくは応じるつもりだ。」
ジルドレイ「話し合いだあ?馬鹿言うな、城にオレたちを一歩も入れねえつもりだろ!」
黒神「ん~っふっふ・・・違います。一人も逃がさないつもりです・・・」
ジルドレイ「が~っはっは!!
(一瞬で表情が鬼のようになり剣を抜く)全軍突撃しろおおおお!!!」
怒号をあげながらガリア軍800人がエゼルバルド城に突っ込んでくる。

振り返るヨシヒコ「始まったぞ!!作戦開始!!!」

跳ね橋を上げて場内に引っ込むヨシヒコたち。
それを追いかけようと進軍してくるガリア兵たち。

ヘルゴートがカタパルトを引きながら暴走してくる。
しかし、黒神の落とし穴に足を取られて転び、カタパルトも横転、何人かの兵が下敷きになってしまう。
兵士「ぎゃあああ!!」
ジルドレイ「ひるむな!ただの落とし穴だ!!死にやしねえ、突っ込め!!」
軍曹「隊長、けっこう死んでます!」
落とし穴の下が竹槍になっており、串刺しになっている兵士。

どこに死の落とし穴があるか分からず、怯える兵士たち。
ジルドレイ「・・・100万だ!
最初に城内に到達した兵士には100万ゴールドを進呈!!」
兵士たち「うおおおおお!!!」
落とし穴に落ちて死んだ兵士を踏みつけて城壁に進んでくる。

城壁の上にいるシルビアとテスタメント。
シルビア「あいつら・・・なんて命知らずなの!!」
テスタメント「墓穴に自分から落ちてくれるんだから世話ないわよ。
シスターの得意な攻撃魔法は?」
シルビア「黒魔術はあまり得意じゃなくて・・・でも風なら起こせるわ。」
テスタメント「それはすごい。風ってどうして吹くか知ってる?」
シルビア「考えたことなかった・・・」
テスタメント「温度差よ。」

落とし穴地帯を突破しようとするガリア兵。
すると、突然目の前が真っ白になり、猛吹雪が発生する。
兵士「!!前が見えない!寒い!!うわ・・・!」
ホワイトアウトで視界が完全に遮られ、次々に落とし穴に落ちていくガリア兵たち。

軍曹「隊長!向こうに松たか子がいます!!」
ジルドレイ「魔女め・・・これ以上兵を無駄死にさせるわけには行かねえな・・・
俺が出る・・・!」

シルビア「すごい・・・!天候を変えるなんて・・・!」
テスタメント「あなたもやってみなさい・・・意識を集中させればオーロラだって作れるわ・・・」
あこがれの表情で魔女を見つめるシルビア。
その時、矢がテスタメントの太ももを貫く。
テスタメント「ぎゃあ・・・!」
シルビア「テス・・・!!」

葉巻を吸いながら弩を構えているジルドレイ。
「くそ・・・外したか・・・」
軍曹「お見事です!」
ジルドレイ「バカ!あの女の顔をぶちぬきたかったんだよ・・・!」

太ももをおさえるテスタメント「ぐあああ・・・!体が溶けるように熱い・・・!
矢に何か呪いがかけてある・・・!」
太ももに手をかざすシルビア「じっとしてて・・・今治療するから・・・!」
テスタメント「いけない・・・私はもう十分生きた・・・大切なMPをとっておきなさい・・・!」
シルビア「私は聖女リネット・アシュレイの娘よ。」



ヘルゴートが城門に突っ込み、扉を破壊してしまう。
城内に入ってくる兵士たち。
一番乗りのガリア兵士「やった~!俺が一番乗りだ~!!」
その兵士を弩で射殺するジルドレイ
「よかったな。
城内の人間、全員ぶち殺せええ!!!」

作戦会議室
駆けてくるルナ「城門がとうとう突破されました!!」
眉間に指を当て首を振る黒神「・・・・・・。」
ヨシヒコ「・・・いよいよとなったら君の出番だ・・・クレイモアーの発進準備を・・・」
頷くルナ。



城内になだれ込むガリア兵。
ガリア兵に立ちはだかるゼリーマンらモンスターたち。
ジルドレイ「てめえらか、俺たちをそうめんのように流しやがったのは・・・」
ゼリーマン「そんな風流なものじゃねえだろ。
お前らはクソそのものだ。水洗便所に流してやったのさ。」
ジルドレイ「それがお前の最期の言葉か?」
ゼリーマン「かもな。」
草薙「おい・・・あいつが大将か?」
ジルドレイ「ゴリラの魔物もいるのか・・・おもしれえ、剥製にしてやる・・・!」
乱戦になるガリア軍と魔物たち。



エゼルバルド西ゲート
城壁に近づく敵を銃で防いでいるローランドたち。
ハルが飛んでくる。
ローランドに耳打ちするハル。
ローランド「何?正門が突破された!?お前たち、ここを任せられるか?」
ライフルを構えているが腰が引けているイエヤス「・・・え?」
マサノブ「旦那がいないとちょっと・・・」
両手剣を握るラム「俺が助けに行こう・・・モンスターたちには借りがある・・・」



作戦会議室
ヨシヒコ「・・・ヴィンツァー卿。
城内は多勢に無勢・・・ついに、あなたの力が必要だ・・・」
ヴィンツァー「ヨシヒコさん・・・実は私には・・・ずっと隠してきたことがあるんです・・・
あなたにだけは打ち明けなければならない・・・」
ヨシヒコ「・・・・・・?」
ヴィンツァー「実は・・・今まで一度も、人を斬ったことがないんです・・・」
ヨシヒコ「・・・え?」



中央広場。
モンスターたちを圧倒するジルドレイ将軍。
息を切らせる草薙「なんだこのおっさん、めちゃくちゃ強いぞ!!」
ジルドレイ「ケダモノどもが・・・!」
メド「な・・・なんで石化しないの・・・!?」
ラム「・・・悪魔だからだ・・・」
草薙「なんだと??」
ジルドレイ「久しぶりだな、ラムマヤ・・・いつからモンスターの味方になった?」
ラム「お前は相変わらず残酷だな・・・
シドニア殿のパーティでも、お前は敵に敬意がなかった。」
ジルドレイ「人を殺すのに敬意の有無が重要か?」
ラム「モンスターたち、下がっていろ・・・こいつは私が相手をする・・・」
ゼリーマン「いや・・・全員でリンチにしたほうがいいだろ・・・」
ラム「全員でリンチしても敵わないからそう言っている・・・」
ジルドレイ「わかってるじゃねえか・・・!久々にやるか、ラムマヤ・・・!!」

とんでもない斬撃の応酬をはじめる2人。

草薙「うお・・・!桜庭VSグレイシーを見ているようだぜ・・・!!」
メド「ほかの兵士は私たちが食い止める・・・!
ゼリー・・・あんたは伝説の勇者を呼んできなさい!!」
そう言うと石化光線を放ち、ガリア兵士たちをまとめて石化させ、城内までの道を確保してやるメド。
ゼリーマン「メド・・・死ぬなよ!」
メド「あんたもね。」
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