『青春アタック』脚本㉘佳人薄命

タクシーの中で汗ダラダラの病田
運転手「お客さん、病院のほうがいいんじゃないですか・・・??」



高校時代の病田。
病気の治療でほとんど学校に通えなかったので、友達がいない。
誰もいない裏庭に隠れて、詩集を読んでいる。
女子たちが病田を取り囲んで詩集を取り上げる。
病田をうつ伏せに倒して、蹴飛ばす。
病田のセーラー服から、持病の薬が落ちる。
その薬を踏みつけてぐしゃぐしゃにする。
病田「はあはあ・・・なんで・・・」
いじめっ子の女子「生きる価値のない女を殴るのに理由なんてある?」



病田「・・・確かに・・・こんな不祥事をした私に生きる価値なんてなかった・・・
名言だったな・・・ふふ・・・」
心配する運転手「お客さん、心療内科にしますか??」

その時、タクシーに女子高生が飛び込んでくる。
病田「危ない・・・!」
急ブレーキを踏む運転手。
女子高生を引いてしまうギリギリで停車するタクシー。
運転手「ばかやろー!!死にてえのか~~!!」
涙を浮かべる女子高生「そうよ・・・」
病田「・・・え?」



公園のベンチに座って、女子高生に暖かい缶紅茶を差し出す病田
「どうしてあんな危ない真似を・・・その制服・・・上武高校ですよね・・・?」
女子高生「初対面の方に話せることでは・・・ご迷惑がかかりますし・・・」
病田「・・・わたし・・・こうみえて高校の先生なんです・・・もしかしたらお力になれるかも・・・」
女子高生「・・・そうなんですか・・・?」
病田「それに・・・あなたの気持ちはよくわかるよ・・・」
女子高生の体中のあざを見る病田
女子高生「どんな大人も最初はそういうのよ・・・」
病田「ううん・・・私も・・・いじめで死にたかったから・・・でも・・・あなたのように勇気がなかったの。」
女子高生「・・・・・・。」
目が潤む病田「今だって・・・けっこう死にたい・・・ねえ、どうすれば車の前に飛び出せるの・・・?
そのあとの迷惑とかそういう悩みは、どう払拭できたの・・・?
教えて・・・一緒に死のう・・・!!」
女子高生にしがみつく病田「ひいい!なんか、話がおかしなことになってませんか・・・!!」

自己紹介をする女子高生
「私は、上武高校女子バレー部の鶴橋美羽です・・・」
病田「病田代和香です・・・」
鶴橋「じつは・・・わたしだけ部でカンパするお金を払えなくて・・・
先ほど、壮絶なリンチにあったんです・・・」
病田「わたしの未来かもしれない・・・
で、金額は?」
鶴橋「ひとり10万円。うちは部員が多いから、合計で1000万円集めないと、今日の試合には勝てないとか・・・でも私の家は貧乏だから・・・」
病田「ほかの子は集められたんですか?」
鶴橋「はい・・・なかにはリンチを恐れて窃盗や売春などでお金をかき集めた子もいるそうです・・・
でも・・・あたしは・・・臆病だし・・・こんなに地味だから売春だってできない・・・」
泣きながら眼鏡のレンズを吹く鶴橋。
病田「・・・そんなことは、絶対にやる必要はないです。」
鶴橋「ううう・・・私なんか生きる価値なんかないんだ・・・」
病田「・・・それ、私たち底辺にとって永遠のテーマだよね・・・」

鶴橋(・・・励ましてくれない・・・??)

病田「・・・監督には相談したの?」
鶴橋「何を言ってるの??あの監督こそすべての首謀者よ・・・
この前も、病田っていう馬鹿な女をカモにしてやったって・・・
やまいた・・・」
話していてその人物が、隣の女性教員だと気づく鶴橋。
病田「わたし・・・小学中学と長いこと闘病生活をしていたの・・・
だから学校で友だちが作れなかった・・・
誕生日パーティもいつもひとりぼっち・・・
みんなについていけるように一生懸命院内学級で勉強して・・・
やっと高校に入学できたと思ったら・・・
ガリ勉が気に食わなかったみたくて・・・いじめられた。
・・・私は、この薬がないと生きていけない・・・」
懐から薬を取り出す病田。
「あるとき、いじめがエスカレートして・・・これを隠されちゃってね・・・
私はあそこで一度死んでしまったのかもしれない・・・」
鶴橋「な・・・なんで、そんな目にあって、今も頑張って生きているんですか・・・?」
病田「高校の担任の先生がいい人でね・・・
どんな人間にも必ず味方になってくれる人がいる・・・そう言ってくれたんだ・・・
私・・・その人のことが好きになっちゃって・・・卒業式の日に告白したけど・・・
職員室で机を並べられる日を待っているって・・・
ていよく断られちゃった・・・へへ・・・」
鶴橋「私の学校には九頭に逆らえる教師なんて一人もいない・・・!」
立ち上がる病田。
病田「・・・その教師に・・・私がなってもいいかな・・・」



上武高校
ホスト「え?お金はいらない?」
受話器をおく。
ホスト「あの女・・・感づいたらしい。」
部員「どうすれば?」
ホスト「拐っちゃえ。」



さいたまスーパーアリーナ
海野「え・・・?出場できない・・・?」
黒服「うむ・・・上武高対白亜高は9人制バレーで申請が出ている・・・」
海野「9人制・・・?普通、高校バレーは6人制では・・・!」
黒服「この大会では試合形式は自由だ。
つまり、あと3人を選手登録しなければ試合は認められない・・・」
乙奈「そんな・・・いったい誰が上武高校とそんな申請を・・・」
山村「病田先生だ・・・」
華白崎「これは、上武高校の罠ですよ・・・!
きっと先生を騙したんです・・・!」
ちおり「6人でやっちゃダメなの?」
黒服「一度9人制で申請している以上それは認められない・・・
試合開始時刻までに9人集まっていなければ・・・お前たちは不戦敗だ・・・」
海野「そ・・・そんな・・・!」
花原「あ・・・あのやろ~・・・」

ニヤニヤしながら近づいてくる九頭「あら、みなさんお揃いで・・・」
花原「船の時といい、もう許さない・・・!」
九頭「なんのことかしら?みなさんと9人制バレーができることを楽しみにしてるわ・・・ふふふ・・・」
山村「1000万円で負けてくれるのではないか?」
九頭「そのつもりだったよ。そのつもりだったけど・・・試合ができないんじゃ仕方がない・・・」
花原「なら金を返せ・・・!」
九頭「なんで?」
花原「う・・・」
立ち去る九頭。

海野「・・・どうしよう・・・」
華白崎「そういえば、監督の姿が見えませんが・・・」
山村「ちょっと、よるところがあるとか言ってたな。
諸君らは午後の試合にむけて練習をしていろと言っていたぞ・・・」
花原「練習したって、試合に出れないんじゃ意味がないじゃない・・・!」
海野「いや・・・さくら先生を信じよう・・・
先生は監督を引き受けるときに私たちに条件を出した・・・
指示には必ず従ってほしいと・・・」
花原「海野さん・・・」



千葉県織戸高校
体育館では女子バレー部が活動をしている。
部員「キャプテン・・・お客様が・・・」
キャプテン「誰?」
体育館に入ってくるさくら「・・・織戸高校キャプテンの葛城ユリさん?」
葛城「ええ・・・あなたは?」
さくら「あんたたちが追い出した海野さんが通っている白亜高校の監督。」
葛城「・・・その名前は忘れました・・・」
さくら「あんたたちは、最後の試合にも出ないで引退?」
葛城「私たちは勝つことよりも楽しむことを大切にバレーをしているんです・・・
もう帰ってくれませんか?」
さくら「まあ・・・青春にもいろいろあるからね・・・
ただし・・・2年前の事件の真相を知りたくない・・・?」
葛城「・・・あれは海野さんが全国大会の遠征費を盗んだんです。
私の推理では、彼女ははなからそれが目的でうちの高校を強豪校にした・・・
あの子は両親もいないし、金に困っていた・・・
犯行の同機は十分にある・・・」
さくら「名推理ね・・・で、そんな大切な遠征費はどこに管理していたのかしら?」
葛城「・・・?大金ですからね・・・金庫かなんかじゃないですか?」
さくら「・・・コインロッカーよ。」
葛城「そんなところに入れないでしょう・・・」
さくら「知らないの?結構安全なのよ。コインロッカーって・・・
そして、当時の部長にそれを提案して、家の都合で転校した部員がいたはず・・・
覚えてない?」
葛城「・・・なにがおっしゃりたいの?」
さくら「私は、うちの学校に海野さんが転校してきたときから、すぐに分かったわ。
・・・あんたの推理はくそってことよ。」



ホストクラブに監禁される病田と鶴橋。
病田「・・・ここから出してください・・・!試合が9人制であることをみんなに伝えないと・・・!」
ホスト「試合が終わるまでは、ここにいてもらうよ・・・そして、そこのお前。
よく、ぼくのりりあを裏切ってくれたね・・・
君たち・・・焼きが足りなかったんじゃないか?」
上武高バレー部員が鶴橋を取り囲む。
鶴橋の前で手を広げる病田「や・・・やめて・・・!
こんな部活動間違ってる・・・!
部員同士で傷つけあって・・・こんなの悲しいよ・・・!」
笑顔で病田に近づくホスト「病田先生・・・」
病田をひっぱたくホスト。
鶴橋「先生・・・!」
病田の群青色の髪をつかむホスト「他校のことに口を出すんじゃないよ・・・
それに昨日の金はどこにやった・・・?」
病田「それは・・・」
ホスト「あれはこの店の売り上げだ・・・返してもらえないかな・・・」
病田「だって、あれはりりあちゃんが・・・」
ホスト「気が変わったってさ・・・」
病田「・・・そんな・・・」
もう一度ひっぱたくホスト「さあ、金を返せ。」
鶴橋は部員たちにリンチされている。
部員「この裏切り者!あんたのせいで部がなくなるところだったのよ・・・!」
床でうずくまる鶴橋「ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・!」
病田「やめて・・・!」
何かに気付くホスト「・・・おい。」
病田の胸ポケットを触るホスト。
ボイスレコーダーが入っている。
青筋を立てるホスト「・・・なんだ、これは・・・?」
病田「し・・・知らない・・・!」
立ち上がってスーツの襟をなおすホスト「・・・二人ともぶち殺せ。」
部員「しかし・・・」
ホスト「1000万円を紛失した挙句、こんなくそみたいな真似しやがったんだ・・・
この女は心臓が弱い・・・スタンガンの一つでもあてておけば、病死ってことになるさ・・・
お前は・・・タクシーにひかれて死にたかったんだよな?」
病田「私はどうなってもいい・・・でも・・・美羽ちゃんだけは助けてあげてください・・・!」
ホストにすがり付く病田「お願いします・・・!
まだ、ほんの子どもじゃないですか・・・!!」
ホスト「じゃあ、お前は死ぬんだな。」
ぼろぼろの鶴橋「先生・・・!」
覚悟を決める病田「私なんかの命で生徒が守れるなら・・・」

その時、ホストクラブに野良ネコや野良犬が大挙して入ってくる。
ワンワン吠える凶暴な野良犬の群れ。
倒れるシャンパンタワー。
絶叫して逃げ出す部員たち。
ホスト達「な・・・なんだ、こいつら・・・!」
一羽のカラスが飛んできて、ホストからボイスレコーダーを奪ってしまう。
カラスはそのまま、入り口にいるセーラー服の高校生の腕にとまる。
ホスト「なんだお前は!!」
有葉理央「・・・これで、あなたはもう終わり。
新宿の動物に食われたくないなら、二人を解放しなさい。」



さいたまスーパーアリーナ
コートに並ぶ白亜高校と上武高校
黒服「もう15分で試合が始まるが・・・」
九頭「人数が集められなかったのなら残念だけど、私たちの勝ちね。」
?「待ちなさい!」
九頭「誰?」
誰も知らない女子高生がコートに入ってくる。
「神奈川県立第四高校女子バレー部、風間ケイト推参・・・!
義によって白亜高校の助太刀に参ったぞ・・・!」
ちおり「・・・だれ?」
首を振る海野
ケイト「お前たちの非道な振る舞い・・・目に余っていた・・・!
不戦敗で部を失った数々の高校の恨みをこの私が晴らす・・・!」
海野「どなたかはよく存知ませんが・・・風間ケイトさん、感謝します・・・!」
花原「・・・でも、まだ2人足りないわよ・・・!」
ちおり「ねえ、なんで3人でこなかったの・・・?」
ケイト「・・・え?」

その時、コートに理央と葛城が現れる。
葛城「私たちもいるわ・・・」
海野「!!ゆ・・・ユリちゃん・・・!!??なんでここに・・・」
ちおり「第1話のお姉さんだ!!」
葛城「・・・海野さん・・・謝って済むことじゃないけど・・・ごめんなさい・・・」
海野「・・・え?」
葛城「・・・うちの学校の遠征費を盗んだのは・・・あなたよ!」
九頭を指さす葛城。
葛城「海野さん、覚えてない・・・?
この子はうちの学校のバレー部でマネージャーをやってたりりあよ。」
海野「あ・・・確かに・・・!船であった時、どっかであったことあるなって思ったの・・・!」
葛城「あんたはコインロッカーに遠征費を保管させ、カギを紛失したと嘘をつき遠征費を盗んで転校した・・・そしてその罪を海野さんになすりつけたんだ・・・!」
九頭「記憶にないわね・・・」

こちらに歩いてくるさくら「それは通用しないんじゃない?昨日もやってたんだから・・・」
九頭「しょ・・・証拠はあるのか!」
理央「・・・私の動物たちが全部見てたよ・・・」
病田「私もコインロッカーにくるりりあちゃんを見ました・・・」
九頭「うそでしょ・・・!」
さくら「・・・私は病田先生にこうお願いしたの・・・あえて騙されてやれ、と・・・」
九頭「・・・騙しやがったな・・・!」
さくら「私とやりあうには役不足だったわね、小娘・・・」

花原「なんか、続々人が増えているけど・・・いったいどういうこと?さっぱりわからないわ・・・」
海野「で・・・でも、これで9人集まった・・・理央ちゃんも来てくれてありがとう・・・!」
理央「いえいえ。都会の動物もかわいいですね・・・」
さくら「・・・これで文句はないわね、審判?」
黒服「ああ。」
さくら「さあ、あなたが大好きな9人制バレーをしましょう・・・」
九頭をにらみつける、ケイトと理央と葛城
葛城「・・・9人制は確かローテーションはないはずよね?
海野さん・・・私たち3人を前衛にしてくれない?
私は勝ち負けにはこだわらないけど、スパイクで時速150㎞が出せるわ・・・」
理央「いいですね・・・本当の弱肉強食を教えてあげましょう・・・」
ケイト「成敗・・・」

怯える九頭「じょ・・・冗談じゃないわ・・・!
こんな試合やってられるか!」
上武高の部員「で・・・でも、試合を放棄したらうちの部は廃部に・・・!」
部員「そんなのいやです・・・!!」
九頭「うるさい!なら、あんたたちで勝手にやってなさい!私は帰る・・・!!」
コートから逃げ出そうとする九頭。

破門戸「おやおや・・・彼女ですか・・・レイさんが言っていたスポーツマンシップのかけらもないお馬鹿さんというのは・・・」
狩野「はい・・・」
九頭「あんたは・・・」
破門戸「・・・連れて行きなさい。」
狩野に取り押さえられる九頭「ちょっと・・・!離してよ・・・!」
破門戸「安心なさい。警察には突き出しませんよ。」
九頭に微笑む狩野「・・・うれしいわ・・・やっとあなたを殴れる。」
絶望する九頭「・・・・・・!!」

ちおり「クズの部長いっちゃったよ?」
花原「うん・・・」
海野「せっかく再会できたのにな・・・」



さいたまスーパーアリーナを後にする白亜高校の面々。
病田のあとを追ってくる鶴橋。
「病田先生・・・!」
病田「美羽ちゃん・・・」
頭を下げる鶴橋「ありがとうございました・・・わたし・・・先生がいなかったら・・・今頃は・・・」
病田「わたしの方こそ美羽ちゃんに会えてよかった・・・
わたし・・・教師としてもう少し頑張ってみます。」
鶴橋「先生のこと・・・一生忘れません。・・・また、会えますよね?」
微笑む病田「待っています・・・職員室で机を並べられる日を。」



白亜高校
くしゃみをする羽毛田校長「はくしょい!」
京冨野「校長・・・花粉症ですか・・・?」
羽毛田「はは・・・失敬・・・」

『青春アタック』脚本㉗表裏比興

ついに幕を開けた春の高校バレーバトルロイヤル大会――!

高体連本部ビル
狩野「参加した全国1350校は2日間で624校にまで半減しました・・・」
破門戸「ほほほ・・・全国にはびこる無用な部活をこれほどまで簡単に処分できるとは。」
部屋に入ってくる黒服「失礼します。
試合の結果に不服だという高校が、廃部を拒否して醜く騒いでおりますが。」
狩野「・・・どういたしますか・・・?」
破門戸「・・・懲らしめてやりなさい。」



さいたまスーパーアリーナ
つかみ合いの喧嘩をしている女子バレー部員たち。
黒服の審判「こら!やめんかみっともない!!」
泣き喚く部員「こんな卑怯な真似して許さない・・・!」
部員「ふん、騙される方が悪いのよ!」
部員「殺してやる!!」
審判「よさないか・・・!離れろ!!」
部員「・・・高校最後の大会で試合もできずに廃部なんて・・・!あんまりよ!!」

もめてる女子部員たちに近づく狩野。
審判に話しかける。
狩野「駄々っ子はこいつ?」
審判「は・・・」

部員「廃部なんて私は絶対認めない・・・」
その直後、部員が後頭部を殴られて地面にうつぶせに倒れる。
ネットを張る鉄製のクランクを持っている狩野。
部員「あが・・・」
部員の髪をつかんで、契約書を差し出す狩野。
血まみれの頭を朱肉にして、拇印を押させてしまう。
契約書を黒服に渡す狩野「廃部手続きを。」
審判「わかりました・・・」

狩野「・・・で?事情は・・・」
黒服「試合形式で両者に相違がありまして・・・」
書類に目を通す狩野「・・・ふうん・・・」
黒服「こちらを。6人制の6の左に小さく1と・・・」
狩野「16人も部員がいなかったわけね・・・」

詐欺まがいのやり口で勝利した部員
「そもそも日本のバレーボールは16人制でしょう?」
狩野「・・・個人的にはあんたを殴りたかったわ・・・
詐欺師の名前を聞いてあげる・・・」
ニヤリと笑う部員「上武高校バレー部監督・部長の九頭(くず)りりあよ・・・」



東京の傾国ホテルのロビー
次の試合に向けてチェックインする白亜高校バレー部。
病田「明日はさいたまスーパーアリーナで上武高校との第二試合になります・・・」
花原「船のあいつらか・・・気が重いなあ・・・」
ちおり「じゃあお風呂入らなきゃ。」
花原「毎日入りなさい・・・」

ホテルのロビーにある巨大なテレビには、NHKのニュースが写っている。
ニュースではダム建設の強硬手段に出た建設大臣が謝罪会見を行っている。
建設大臣「現場の暴走を把握できず、遺憾に思います・・・」
テレビを見て花原「うそばっか。」

記者「建設予定地の土地収用は大臣の指示だったんじゃないんですか!」
建設大臣「まったく把握しておりませんでした・・・」
記者「音声や映像も残っているんですよ!しらを切るんですか!」
紛糾する記者会見。

華白崎「ダム建設は中止になりそうですね・・・」
乙奈「本当に良かったですわ・・・」
海野「万石先生がダム建設が生態系に与える影響を告発したらしいよ・・・
そのうえで、建物ごと私たちを口封じしようとした、つよめさんの記事が出ちゃったから・・・」
華白崎「・・・これ、現政権倒れるんじゃないですか・・・??」

フロントから戻ってきたさくらが部員にカギを渡す。
「ほい、部屋のカギ。三年と、一年・二年で部屋を分けたから。」
バスから荷物を下ろす山村「花原さんよろしくな・・・」
少し戸惑う花原「・・・え?」
さくら「男のあんたは、私たち教師の部屋で酒をつぎなさい。」
山村「では、ご相伴にあずかろうか・・・」
病田「山村君は未成年です、先生・・・」

アタッシュケースを持ってロビーに入ってくる京冨野
「・・・部屋はスイートにした方が安全だぞ・・・」
さくら「あら、京ちゃん早かったわね・・・」
アタッシュケースを渡す京冨野「約束の金だ。」
ざわつくロビーの客たち。
さくら「これほどまでに、そのセリフが似合う教師もいないわよ・・・」
病田(ミンボーの女みたい・・・)
さくら「京ちゃんも一杯やってく?」
京冨野「そうしたいのはやまやまだが、卒業式と入学式の雑務が残っててな。
また、誘ってくれ。」
さくら「あら、残念。年度末だもんね。」
駆け寄るちおり「ヤクザのせんせー!」
ちおりをなでる京冨野「お嬢。がんばれよ。お前を入学させたオレの目に狂いはなかった。」
さくら「さあ、部屋で悪だくみでもしようか。」



教師とマッスル山村のスイートルーム
上武高校の資料を並べる病田。
病田「妹によれば、上武高校は対戦形式の合意書で詐欺まがいの行為をして、戦わずして勝利を重ねているそうです・・・」
さくら「いいねえ・・・嫌いじゃないわ、そういう汚いやり口・・・」
病田「監督は、この・・・部長を兼ねる高校3年生の九頭りりあさんで、女子バレー部員120人の頂点に立っている実力者です。」
酒をさくらにそそぐ山村「・・・なんと、ずいぶん部員数が多いではないか。部員数実質一人のうちとは対極にあるな。」
病田「上部高校は女子高ですからね・・・バレーの強豪校ともあって女子バレー部に入部する子が多いみたいです・・・」
さくら「ほいで、この九頭ってやつはどんな性格?」
言いづらそうな病田「・・・い・・・妹によれば、人間のクズだと・・・」
さくら「教育者としてどうなの?今の発言・・・」
山村「聞き捨てなりませんな。」
慌てる病田「・・・い・・・妹が言ってたんですって・・・!
ミスをした部員へのしごき、いじめ、暴行など、なんでもありで、残忍な性格な上に、非常に頭が切れると・・・」
さくら「実際に頭がいいかは置いておいて・・・こいつはそれを自覚してそうかな。」
病田「定期試験の成績も上位なので・・・おそらくは・・・」
さくら「船でもうちの子たちを見下してたから、だいじょうぶか。
・・・よし。」
病田「どういうことでしょう・・・」
アタッシュケースを渡すさくら「病田先生にこのお金を託すから、九頭と八百長の交渉を取りまとめてくれない?」
病田「わわわ・・・私がですか・・・?私には絶対ムリです・・・!!
・・・口下手だし・・・臆病だし・・・頭悪いし・・・」
さくら「慶応大学文学部卒が何言ってんのよ・・・」
山村「こういう汚れ仕事は、監督が向いているのでは・・・?」
さくら「マッスルくん、兵法を分かってないわね。
孫子いわく、ヨゴレ芸人、熱湯風呂に飛び込んでも、肥溜めには落ちず、よ。」
涙目になる病田「あたし・・・肥溜めに飛び込むんですか・・・!?」



アタッシュケースを抱えてタクシーに乗り込む病田
「こんな仕事ばっかり・・・もう・・・なんなのよ・・・」



スイートルーム
上武高校に携帯を入れるさくら。
さくら「もしもし・・・上武高校の九頭監督ですか・・・?
白亜高の監督をしております吹雪です・・・はい・・・お世話になっています。
例の件ですが・・・わたくし、都合が悪くなりまして・・・顧問の病田という者を行かせますので・・・
ええ・・・よろしく。」
携帯を切る。
さくら「・・・これで、連中は病田先生の素性を調べるはず・・・」
山村「われが護衛につかなくてよかったのか・・・?」
さくら「ムキムキのあんたがいたらやつらは委縮しちゃうわ・・・
ああいう連中は相手が弱い時こそ隙を見せる・・・まあ、見ていなさい。」



新宿にあるホストクラブ
タクシーを降りる病田「こ・・・ここが待ち合わせ場所・・・??」

シャンパンタワーが並ぶ店内。
イケメンホストに囲まれながらドレスを着て奥のシートに座っている九頭
「お待ちしてましたわ、病田先生・・・!わたくし、上武高監督の九頭です。
お会いできてうれしいわ・・・」
汚れたリクルートスーツを着て落ち着かない病田「顧問の病田です・・・」
九頭「こういうお店は初めてかしら?何を飲みます?」
病田「・・・わたし・・・お酒が苦手なので・・・」
九頭「じゃあ、ソフトカクテルかなんかを・・・」
ホスト「かしこまりました。」
病田「ああ、いえ・・・おかまいなく・・・あいにく持ち合わせがないので・・・」
病田のアタッシュケースに目をやる九頭「またまた~あ・・・」
カクテルを持って来て、病田の隣に座るホスト「お隣失礼します・・・」
赤くなって照れる病田「ち・・・近いのでは・・・」
ホスト「御迷惑ですか?」
病田「い・・・いえ・・・そんなことは・・・
こんな美男子の方が、わ・・・私なんかのお隣に・・・ありがとうございます・・・」
微笑む九頭「当店ナンバー1ホストのナカノオオエノオウジです。」
ホスト「ナカノオオエノオウジです。病田先生は、うるんだ瞳が素敵な方ですね・・・」
病田「そ・・・そうですか・・・?」
ホスト「すいこまれそうだ・・・この群青色の髪の毛も、青白い肌も美しい・・・」
調子に乗る病田「よ・・・よく言われるの・・・」
ホスト「なにか注文してもよろしいでしょうか・・・」
システムをよく知らない病田「え?ええ・・・何でもご自由に・・・」
ホスト「シャンパンタワー入りまーす!!」
ホスト達「病田先生ありがとうございまーす!!」
病田「あはは・・・」
九頭「・・・で、約束の前金は・・・?」
アタッシュケースを机の上に置く病田「このケースに1000万円が入っています・・・
このうち200万円を前金として支払い・・・
本校が勝利した際に、残りの800万円を当座預金に振り込む形で・・・」
九頭「あら?私たちを信用していないの?」
病田「い・・・いえ・・・決してそういうわけでは・・・」
九頭「私は、120人の部員を預かりながらも、廃部の腹を決めたのですよ?
前金が1000万円でも正直足りないくらいだわ。」
病田「確かに・・・そうですが・・・」
九頭が咳払いをする。
ホスト達が退室していく。
九頭「よわかちゃん・・・って呼んでも?」
病田「え?ええ・・・」
九頭「腹を割ってお話ししましょうよ。よわかちゃん。
私は、あなたを買っている。
確か大学時代の作品が芥川賞の最終選考にまで残っていましたよね?」
病田「な・・・なんでそれを・・・?」
九頭「わたし、先生の処女作『ウェーイの森』の大ファンなんです。」
一気に心を開く病田「ほ、本当ですか!?」
九頭「自身のつらい闘病生活を題材にした結末は涙が止まりませんでした・・・
あなたの才能はもっと世間に評価されるべきです。
最近は、作品は執筆してないんですか?」
病田「・・・教師の仕事が忙しくて・・・」
九頭「本当にもったいないわ・・・
よわかちゃんみたいな天才文学者が、こんな小間使いみたいなことをやらされて・・・
白亜高校の給料は?」
病田「それは・・・」
九頭「それで、ご病気の治療費は賄えるんですか?難病なので保険適用外ですよね?」
病田「ローンをしてます・・・」
九頭「よわかちゃん・・・わたしはあなたに長生きをしてもらいたいの。
この1000万円はそのままお返しします。
さらに、1000万円を支払います。」
アタッシュケースを机に乗せる九頭。2つになるアタッシュケース。
病田「・・・ええっ??」
九頭「だから・・・私の“おともだち”になってほしいの・・・」
ホストが伝票をわたす「代金はこちらになります。」
伝票を見て酔いがさめる病田「270万円って・・・!」
ホスト「つけにしますか?」
九頭「私が払っておくわ。下がりなさい。」
ホスト「かしこまりました。」
病田「そんな・・・こんな大金・・・」
微笑む九頭「いいのよ・・・おともだちなんだから・・・」



ホスト「お嬢様おかえりお気をつけて・・・」
頭を下げるホスト達「ありがとうございました!!」
笑顔でタクシーに乗る病田を見送る九頭。
タクシーが走り去ると、表情を変える。
九頭「ちょろい女・・・とっとと病気でくたばれ。」



ホテルに戻ってくる病田。
さくら「どうだった首尾は?」
病田「え・・・ええ、まあ・・・」
さくら「八百長には乗ってきた?」
病田「はい・・・最終セットでさりげなく負けてくれるそうです・・・」
さくら「なめてるわね。第一セットからぼろ負けしろよ。」
山村「直前で裏切るんじゃないのか?」
病田「そ・・・それはないかと・・・」
山村「アタッシュケースは?」
病田「前金は要らないということなので、駅のコインロッカーに預けちゃいました・・・」
さくら「あら、1000万円すべてふんだくると思った。」
山村「しかし、コインロッカーに貴重品は不用心ではないか?」
さくら「いや・・・賢い。あの手のコインロッカーにはだいたい防犯カメラが設置されてるからね。
駅前なら常時駅員がいるし、交番も近いしね。」
病田(アタッシュケースが二つに増えたなんて言えない・・・)



駅のコインロッカー
駅の窓口に現れる九頭「すいません・・・コインロッカーのカギを紛失してしまったんですけど・・・」
駅員「では、管理会社につなぎますので、ロッカーの番号を教えてください。」
九頭「119です。」
受話器を取る駅員「・・・では、こちらに住所、氏名、電話番号を・・・」
九頭「はい・・・」
病田先生の個人情報を書く九頭。
駅員「管理会社がマスターキーで開けてくれるそうですが、鍵の弁償で2000円かかるそうです。」
九頭「そうですか、わかりました・・・」
駅員「気をつけてくださいね、病田さん・・・」
九頭「御迷惑をおかけしました。」
九頭(たった2000円で2000万円をいただきよ・・・)



翌朝
コインロッカーが開いていることに気づき青ざめる病田
「そんな・・・!」

動転して、公衆電話で九頭に電話をする病田
「本当にごめんなさい・・・わたし・・・九頭さんにいただいたお金を紛失しちゃって・・・」
九頭「いいから、落ち着いて・・・わたしたちはお友だちじゃない・・・」
号泣する病田「ううう・・・」
九頭「白亜高校のみんなにはどう説明するつもり・・・?」
病田「1000万円なくしちゃったって素直に謝ります・・・」
九頭「それはやめた方がいいわ・・・あなたを顎でこき使う連中よ。」
病田「そんなことは・・・!
部員のみんなは優しい子たちばかりで・・・」
九頭「心優しい先生はともかく、お金が絡むと人は変わるの。
もともと、白亜高校の資金は反社会勢力から借りた金でしょう?」
病田「裏カジノって言ってました・・・」
九頭「・・・きっと殺されるわよ。」
病田「りりあちゃん・・・わたし殺されたくない・・・!」
九頭「だいじょうぶ、学校に1000万円のアタッシュケースを用意するわ。
でも、今回はさすがにそのままあげるわけにはいかない・・・」
病田「貸していただけるだけで、けっこうです・・・!」
九頭「では印鑑登録をした実印を持って来てね。」
病田「はい・・・!」

背後から声をかけるちおり。
「せんせーいくよー!」
受話器を切る病田「はい・・・ただいま・・・!」



バス乗り場
海野「・・・え?電車で会場に向かうんですか?」
病田「はい・・・ちょっと急用がありまして・・・みなさんは先に向かっててください。」
ちおり「せんせーとバスであそびたかったな~」
病田「はは・・・帰ってきたウルトラマンごっこはまた今度で・・・」
ちおり「あたし、先生大好き!
顔色がいつも悪くてかいじゅう役にぴったりだもの。
今日は特に青ざめてて、青色発泡怪獣アボラス役にピッタリ・・・」
病田「そういっていただけると光栄です・・・」
海野「試合は午後三時開始です。
私たちは午前中はアリーナ第2小ホールで練習をしていますので。」
ちおり「絶対来てね!」
病田「わかりました・・・」
さくら「病田先生・・・」
ビクッとする病田「・・・ひいいい!はいいい!!」
さくら「・・・頼んだわよ。」
病田「バッチリです・・・!!」

出発するバスを見送る病田。
クルリと振り向き、タクシー乗り場に手を振る。
病田「タクシー!!上武高校まで~~!!」

『青春アタック』登場人物(第三部~関東逐鹿~)

 ついに後半戦だ・・・!DJペンタだぜー!カマキリリュウジだぜ!!

生原血織(はいばらちおり)
高校2年生。セッター。生徒会長。
雑草を食べて生き延びてきた宿無し少女で、精神年齢は小学2年生くらい。
「青春アタック」というアニメの影響でバレーボールにのめり込む。
ホームレス時代にボーリングの球でトスの練習をしていたので、トスの技術が非常に高い。
ふたつ名は「パラボラアテンダー」

花原めぐな
高校2年生。アタッカー。
身長が高いだけの理由で、ちおりに強制的にチームに勧誘される。母親の借金を背負っており、その返済のためにバレー大会に参加する。
運動は苦手だが、スパイクのパワーとブロックの跳躍力を潜在的に秘める。
ふたつ名は「アイアンロックス」

海野美帆子
高校3年生。レシーバー。
白亜高校女子バレー部部長。明るく温厚な性格で、面倒見が良い。
バレーの技術は県内屈指で、特にどんなボールもセッターに返す、レシーブ成功率が全国で最も高い。女子バレー界では「アブソリュートディフェンダー」と呼ばれていた。

乙奈ひろみ
高校3年生。ライト。
海野さんの親友の元アイドル。
物理法則を無視した軌道の読めないサーブを打つことができ、サービスエースとしてチームに貢献する。
ふたつ名は「スターライトステージ」

ブーちゃん
高校3年生。リベロ。
乙奈さんの無二の相棒でいつも一緒にいる無口な料理人。
背が低いが、パスとレシーブが非常にうまく、チームをつなぐ重要選手となる。
ふたつ名は「白亜高校の職人」

華白崎桐子
高校1年生。生徒会副会長。
クールビューティな雰囲気だが、コートに入ると熱血スポーツ少女に豹変する。
中学生の頃バレーボールをしており、千葉県ではかなり名の知れた選手だった。
しかし、海野が中学時代は兵庫県にいたため、面識がなかった。
ふたつ名は「ブランニューレディ」

マッスル山村
高校2年生。マネージャー。
チームのために試合のスケジュール調整、スコア管理、応援などを行う。
思いつめたメンバーをさりげなく励ますことも。

小早川一咲
高校1年生。ブーちゃんがリベロになった際のリザーブ。
超高速帰宅部。家が貧乏で膨大な数のバイトを掛け持ちしていたため、全速力で家に帰っていた。
その走力は陸上部レベルで、アウトボールを拾いまくり、リカバーしてくれる。
ピュアな少年のような見た目と中身で、変態マッスル山村に露骨な恋心を抱くドジっ子。
二つ名は「リニアガール」

葛城ユリ
織戸高校女子バレー部キャプテン。
バレーの技術は高いが、どちらかというと勝利よりもみんなと楽しくスポーツをしたいタイプ。そのため、織戸高校は廃部リスクを考慮し、今年のバトルロイヤル大会にはエントリーしていない。
二時間サスペンス(特に船越英一郎)が大好きで、織戸高校で全国大会の遠征費が盗まれた際、両親がいない貧乏な海野が犯人であると推理した。
二つ名は「アームチェアセオリスト」

狩野レイ
海野さんの神戸時代の親友のロシア美女。現在は高体連で破門戸総裁の付き人をしている。
祖国で戦争を体験した平和主義者だが、手加減なしの暴力に躊躇がない。
182センチという花原を凌ぐ身長の持ち主でもある。

有葉理央
白亜高校の初戦の相手、三畳農業高校バレー部の部長。
厳しい自然で野生動物たちと共にサバイバルをしていただけあって、とんでもないスタミナがある。
奥日光を16年ぶりに下山したが、今度は市街地のノラネコ、ノライヌ、カラスなどを従えている。

病田代和香先生
女子バレー部の顧問。影が薄く、自信をなくしているところを上武高校に買収される。

吹雪さくら先生
保健室の養護教諭。酒とタバコが大好きで、本人は不健康極まりない生活を送っている。
とある事情で、白亜高校のバレーチームの監督を頼まれるが、かなり無責任でいい加減。
しかし、頭は抜群にキレる戦略家。

病田通代女
スポーツ誌の記者。白亜高校の病田先生は姉に当たる。
気弱で繊細な姉とは違って、明るく積極的な性格。他校の情報を教えてくれる。

鶴橋美羽
埼玉県の上武(かんぶ)商業高校のバレー部員。白亜高校二回戦の相手。
気弱な性格で、部内ではいじめられている。

九頭りりあ
埼玉県の上武(かんぶ)商業高校のバレー部長兼監督。
狡猾かつ残忍な性格で、部下のミスプレーは絶対に許さない。
白亜高の選手層が薄いのを狙って、1000万円の前金をもらっておきながら、9人制バレーを提案してくる人間のクズ。二つ名は「バルチャー」

風間ケイト
神奈川県立第四高校女子バレー部のキャプテン。
正義感が強く、他校の厄介事に首を突っ込む。
ふたつ名は「エンプティジャスティス」

榛東スバル
群馬県の詩留々高専主将。学生服の上にはおった作業着がトレードマーク。
少ない女子学生をかき集め女子バレー部を作り、全国大会にまで上り詰めた生粋の叩き上げ。
彼女自身の二つ名は「スナイパー」で、的確な場所へのバックアタックが脅威。
元々ソフトボールのピッチャーをやっており、イニング制のバレーボール勝負を仕掛けてくる。

網野りかぜ
詩留々高専の参謀。遺伝子操作で生まれた天才少女で、エスパー能力を持つ美しきアルビノの軍師。さくら先生と頭脳戦を繰り広げる。

鮎原咲
東京都のお嬢様名門校として有名な聖ペンシルヴァニア女子大学附属高校バレー部キャプテン。
あの伝説のバレー選手の血を引く双子の妹。
活発な性格で、そのアグレッシブなプレースタイルから「ランス」と呼ばれる。

鮎原幹
東京都のお嬢様名門校として有名な聖ペンシルヴァニア女子大学附属高校バレー部副キャプテン。咲の双子の姉のゲーマー。
物静かな性格で、その堅実なプレースタイルから「シールド」と呼ばれる。

『青春アタック』第二部制作裏話

 ここまでが25年前に描いた部分。ネームにすると1000ページほど。こっからは未知の領域。読み返してみると、思っていた以上に三畳農業高戦が長かった。
 大河ドラマにすると、ここでちょうど折り返し地点。はたして全50話で完結できるのでしょうか・・・!?
 第二部は結局、海野さんの過去と初戦で終わってしまった・・・本当は第二戦まで行きたかったんだけどね。

海野美帆子
第二部から本格的に『三国志』を意識しています。彼女は劉備をイメージ。
人の悪口とか言わないし、徳はあると思う。また、もともとはお嬢様で、商社勤めの親の異動で神戸に引っ越したって感じ。育ちがいい人って、けっこういい人が多い気がする。

花原めぐな
関羽をイメージ。全然高潔じゃないけど。気位が高い点だけは似ている。
関羽って怪我の治療をしながら囲碁を打つエピソードがあるんだけど、あれをやってみた。
第二部から、ジャンプ力と怪力のスキルを習得したイメージ。まあ、怪力は第一部からか。

ちおり
張飛をイメージ。とんねるずのノリさん的な、笑顔でとんでもない行動をしでかす感じ。

華白崎
趙雲をイメージ。第一部よりもかなり丸くした。一応後輩だからね、この人。

乙奈
老兵の黄忠ってところか?ボールを怖がる理由は実は全然考えていなくて、なんとかひねり出した。こんなこと、業界では本当にありそうだよな。そしてもみ消してそうだよな。

ソラちゃん
『80日間宇宙一周』のアリエル・スカイから。

山村
こういう変態的な男子の教え子がいた。退屈しなかった。そして中学生なのにめちゃくちゃ腕相撲が強かった・・・バク宙できたしな。

大此木
もう登場させるつもりなかったんだけど、バレーを解説できる経験者が欲しかった・・・

オジカ
こちらも実在の友達。頭がよく東大に進学してた。

吹雪さくら
史上最低な諸葛孔明をイメージ。

徳川店長
『風と翼』の徳川家康。

狩野レイ
呂布をイメージ。
ふつうは「かのう」って読みそうだけど、あえて「カルノ」で。本名のレジーナは「レックス」の女性形。
彼女が言っていた戦争は「チェチェン紛争」のこと。この戦いでプーチンさんが台頭してくるんだよね。
ヤンキー高校の女番長っていう設定だったので、この女なら確かに喧嘩自慢の男たちも従うなっていう、説得力のある恐怖を描くのが大変だった。でも、彼女のシーンは結構怖いと思う。

ジョニー
『ジョニーブラボー』から。口調は茨城弁にした。

久蔵
『七人の侍』から。ヤンキーといえば木刀。

破門戸総裁
『ジュラシックパーク』の創始者、ジョン・ハモンドから。『カイジ』をまるまるパロディにしちゃったけど、呉越同舟というタイトルの回がどうしてもやりたかった・・・!
登場シーンは『アンタッチャブル』のパロディ。

病田通代女
『古代生物オパ』から。タブロイド紙の記者だったが、今作ではスポーツ雑誌のライターという設定。あとは96年の時と変わってないかな。

鮎原咲 
曹操をイメージ。
いわずもがな、あのバレー漫画の主人公から。戦うのは第四部の予定だけど、けっこう試合の展開はすでに考えてある。変更するかもしれないけれど。

有葉理央 
名前は三畳紀の恐竜からとった。
この子のキャラデザインは、個人的に自分のタイプの女の子にしている。オデコがでかくて、眉毛が太くて、八重歯がある、垢抜けていない感じの子。
口調を栃木弁にしようか迷ったが、やめた。もう一人の海野みたい感じにしたかった。どちらも故郷を失っているしね。
本当は、もう少し彼女が山に留まって戦う背景を掘り下げたかったんだけど、これ以上三畳高編を引き伸ばすと、全体的なバランスが悪くなるので割愛した。
ダム建設の闇とか本当はやりたかったんだよな。あれも、水はじつは余っているとか、災害時に治水効果が本当にあるのかとか、もう計画しちゃったからやるしかなくて、自治体に政府が圧力かけてるとかいろいろあるらしいよね。
ただし、八ッ場ダムは完成した直後に、前代未聞のスーパーセルが来て、けっこう活躍したらしいんだよね。難しい問題だよね。

『青春アタック』脚本㉖破鏡不照

観客「海野だ!部長の海野が帰ってきた・・・!」
アライ「いまさら遅いぜ!このアライ様が勝負を決めてやる!」
観客「前衛にはアライだ!」

花原「海野さん・・・」
海野「なに?」
花原「わたしたち・・・ちょっと海野さんに頼りすぎてたみたい・・・
でも・・・海野さんがいない分、みんなちゃんと頑張ったから・・・」
海野「花原さん・・・んーん・・・私もごめんなさい・・・
一人で走り回って・・・みんなの成長をちゃんと見ていなかった・・・
バレーはチームでやるから楽しいんだよね・・・
私は自分の役割を頑張るね・・・勝とう!」
タッチし合う6人。
「白亜高ファイオー!!」

さくら「遅かったじゃん・・・」
隣でライダースジャケットを脱いで、腰で縛るつよめ
「無理言わないでよ・・・こんなオフロードに呼んでおいて・・・
どう?学校の仕事は慣れた・・・?」
さくら「まあ、悪くはないよ・・・あんたの姉さんがいろいろ教えてくれるからね・・・」
病田(わたしなんか教えたっけ・・・??)
床にどかっとあぐらをかいて、撮影機材を設営するつよめ
「・・・で?こんなインチキみたいな試合を取材しろって・・・?」
さくら「インチキだろうが、コートの選手は真剣勝負さ。
まあ見てな・・・あんたを呼んだのにはいろいろ理由があるんだ。」
つよめ「それは楽しみだこと。」
小声で山村「先生の妹君は男みたいなお方ですな・・・」
小声で病田「・・・中身もほぼ男です・・・」

海野が強力なサーブを打つ。
「ナイスサーブ!」
理央が必死に飛び込みレシーブをする。
観客「あっちも必死だ!」
理央「クマガイさん!!」
クマガイがアタックをしようとする。
花原がブロックに入る「させるか・・・!」
しかし、それはおとりでアライがアタックを打つ。
花原(しまった・・・!)
しかしそのアタックをレシーブで拾ってリカバーする海野。
トスを上げるちおり「ほい!」
ブロックに入るクマガイとアライ「打ってこい・・・!止めたらあ!」
アタックをする花原。
アタック返しをするアライ「甘いわあ!!」
それを再びレシーブする海野「ふっ!」
アライ「あのやろー!バテたんじゃなかったのかー!!」

つよめ「・・・あの部長やっぱりめちゃくちゃうまいね。」
さくら「昔の誰かさんみたいだよな。」
つよめ「あら、ありがとう・・・」

乙奈が華白崎にトスを上げる。「はい!」
華白崎がアタックを打つ「勝つ!」
それもカウンターで返すアライ「きかねーって言ってんだろ!」
それをブロックして跳ね返す花原「アタック返し返し!!」
アライ「なにいいいいいい!!!」
ライン内に落ちるボール。
主審の笛。
観客「うおおおお!すげえええ!!」

アライ「きさま・・・なんのまねだありゃあ・・・」
花原「ふふふ・・・君の技は全て見切ったよ・・・」※実はマグレ
大此木「あいつはすぐに人の技をパクるよな・・・」

シャッターを切るつよめ「あんたの学校にあんないいエースアタッカーがいたの?」
さくら「らしいね・・・」
つよめ「なんでもっと前から監督をやらなかったのよ・・・もったいないなあ・・・」
さくら「私はやるからには絶対に勝つからね・・・」

ちおり「適当に腕振り回してただけでしょ?」
花原「うるさい、バラすな。」

理央「オジカくんとクマガイさんにボールを回すわ!どんどん打って!
アライくんはダイレクトアタックを狙って!」
アライ「おう」
クマガイがアタックを打とうとする。
花原がブロックに入る。
オジカ「一人じゃ、あいつのアタックは止められない!」
すると、花原、乙奈、華白崎の3人が同時にブロックする。
クマガイ「さ・・・三枚・・・!!」
大此木「後衛に海野がいるからこそできるプレーだ!!」
観客「これで23対23・・・!同点だ!!」

クマガイを叱るオジカ「女の子たちに負けて捕食動物としておめーは悔しくねえのか!」
ちおり「シカに叱られくまってるくま。」
クマガイ「うまいね!」
オジカ「うまいねじゃねえ!!」
アライ「まあまあ、落ち着けよ・・・まだこっちはくまが前衛なんだ・・・
2点くらい簡単に取れるぜ。」
オジカ「いや・・・事態は深刻だぞ・・・次のサーバーを見てみるがいい・・・」

ボールを持つ乙奈。
アライ「あー!!変態サーブの乙奈だ!!」
オジカ「だから、サーブ権は死守しなければいけなかったのだ・・・!」

サーブを打つ乙奈「たあ。」
突然カーブがかかり、アライの方からクマガイの顔面にぶつかる無回転フローターサーブ。
アライ「むり!!」
観客「逆転!!白亜高マッチポイントだー!!」
理央「やばいよ・・・!」
シマダ「あ・・・あの・・・変化球の統計を取ってみたのですが・・・」
理央「本当??」
シマダ「ええ・・・あのサーブ、前衛レフトに最終的に落ちる確率が一番高いんです・・・
私に任せてくれませんか??」

大此木「いよっしゃー!決めちまえ!!」
病田「みんながんばって・・・!」
つよめ「なんつーサーバーがいるんだ・・・ん?このフォーメーションは??」

三畳高はイノセとシマダ以外のメンバーはほぼコートの隅に待機している。

大此木「完全にイノセ任せだぞ!!イノセの機動力で勝負に出るつもりか!!」
オジカ「賭けだが、イノセの持ち場を広くすればその分イノセの機動力は上がる・・・!
あとはシマダの計算次第だ・・・」
イノセ「いくぜ、相棒・・・」
シマダ「どきどき・・・」

サーブを打つ乙奈「え~い」
クネクネと蛇行しながら相手コートにむかっていくサーブボール。
ボールの方へイノセが発進する。「ファイヤ!」
突進した方向からボールの向きがそれる。
観客「かわされた・・・!」
しかし、すぐに方向転換をするイノセ。
観客「いや!読んでる・・・!!」
乙奈のサーブをぎりぎりレシーブするイノセ。
トスを上げるオジカ「でかした!!!いけクマガイ!!」
クマガイが渾身のアタックを打つ。
華白崎がブロックに入るが、クマガイは器用にインナーコースにスパイクを叩き込む。
華白崎(インナー・・・!!??)
それを海野がバックジャンプしながらレシーブする。
海野「ふっ!!!」
観客「うお!クマガイの全力のアタックをブロックなしで受けたぞ!!」
起き上がる海野「腕がへし折れると思った・・・!!生原さんお願い・・・つないで・・・!!」

トスを上げるちおり「花原さん!」
アタックモーションに入る花原。
慌ててブロックに入る三畳高の前衛。
オジカ「花原を止めろ・・・!!」

この時あげた生原血織のトスは最高に美しかったという・・・

回想
芝生の上で並んで座るちおりと花原の二人。
花原「私はね、スポーツが嫌いなの。
大の大人がボールで遊んでて・・・恥ずかしくないのかしら・・・」

生徒会室
華白崎「あなたには誰もが認める絶対的な才能が一つある・・・それはその身長です。」
とあるチラシを前に出す。
華白崎「あなたは、その身長を活かしてこの大会に出場するべきだ・・・」
花原「高校バレー春のバトルロイヤル大会・・・あなた、この私に球技をやれっていうの・・・??
くだらない・・・なんで私が・・・」

体育館での最初の練習
花原「・・・私バレーに向いてない。」
海野「練習すればできるって・・・!」
ちおり「できるよ!花原さん天才だもん。」





乾坤一擲のアタックを決める花原。
ブロックに入ったクマガイがパワーで負けて後ろに倒れる。

あまりの出来事に一瞬時が止まる会場。

騒然とする会場「すげええ!クマガイが吹っ飛んだ~~!!」
主審が笛を鳴らす。
花原が腕を上げる。
ちおり「やったー!」
白亜高部員「勝ったあああああ!!!」
主審「第二セットは白亜高校の勝利です!」
抱き合うちおりと花原。
華白崎「は・・・ははは・・・」
花原「さあ、帰ろう・・・!」
ちおり「うん!」

主審「い・・・いや・・・まだ第三セットがあるんですが・・・」
テンションが上がってポールによじ登っているちおり「え?おわりじゃないの?」
アライ「てめえら第一セットを落としたじゃねーか・・・!」
花原「キリがいいし、うちの勝ちでいいじゃん。」
アライ「よくねーよ・・・!」

その時、野外で爆発音が轟く。
アライ「!!なんだ!?」
合宿場全体が振動する。
メキメキという音。

さくら「よっしゃー!この混乱に乗じて第三セットスタート!主審!とっとと始めなさい!」
主審「ピ・・・ピー!」
華白崎「地震の最中で試合をするのは危険では・・・!」
怯える観客の野生動物たち。
花原「ちおり!サーブよ!」
ちおり「イエスサー!」
アライ「かかってこいやー!!」
地面に伏せる理央「いや・・・本当に始めるの!??」

サーブを打つちおり「えーい!!」
その瞬間、合宿場全体が大きく傾き、ちおりのオーバーハンドサーブが天井の梁に当たる。
ちおり「わーい!天井サーブだー!」
床が斜めに傾き、滑り落ちていく選手たち。
イノセの蹄では床にしがみつけず、ずるずる後退していく。
もはやレシーブどころじゃない。
オジカ「これは地震じゃない・・・!合宿場が動いている・・・!」
床に爪を立てて踏ん張り、サーブをレシーブするアライ「おらー!」
合宿場が横に移動しているので、慣性の法則で空中のボールが変な方向へ動いている。
アライ「クマガイ!アタックだ!!」
クマガイ「わ・・・わかりました!!」

クマガイがアタックを撃つと、合宿場の床が割れ、白亜高と三畳高のコートがネットを境に分断される。
クマガイ「やばい!体育館を壊しちゃった!!」
白亜高のコートの傾斜が一気について、ほとんど直角になる。
あわててネットにしがみつく白亜校の部員たち。
ちおり「くまちゃん、コートを壊すのは反則だよ。」
クマガイ「ごめん・・・!」
大此木「んなわけあるかい!!」
合宿場の半分がそのまま崖に落下していく。

ネットにしがみついてぶら下がる華白崎「ああ・・・」
ネットがぶちぶちとちぎれて、華白崎が落下してしまう。
「うわああああ!!」
その瞬間、華白崎の脚をつかんで落下を食い止める花原。
残りの片腕でポールをつかんでいる。
花原「がんばれカッシー!」
涙を流す華白崎「花原さん、私まだ死にたくない・・・!私にはまだ小さな兄弟が4人も・・・!!」
ちおりに怒鳴る花原「ちおり・・・サーブだ!」
ちおり「おっけー!」
両足でポールをつかんで、もう一度サーブを打つちおり。
さくら「ナイスサー!」
アライ「こいや~!」
理央「まだバレーをやっているわ・・・!」
角で海野と乙奈を必死に持ち上げているオジカ
「もういい分かった・・・!おれたちの降参だ・・・!!」



巨大なブルドーザーが合宿場を押し、基礎を壊しながら崖へ進んでいく。
建設省役人「ふははは!馬鹿どもめ!
ニャンバダム建設を阻む、こざかしい野生動物どもがすべて小屋に集まっておるわ!
一網打尽にしろ!!」
ブルドーザーを操縦する如月建設「・・・いいのか?このまま落として!
中には人間もいるんだぞ!」
建設省役人「アクセル全開だ!
今朝の集中豪雨で全員流されたことにしろ!
我が政権に逆らうと、こうなるということを思い知らせてやる・・・!」



窓から顔を出すシマダ「ああっ・・・!建設省の役人だ・・・!
圧力でらちがあかないから土地収用の強硬手段に出たんだ!!」
理央「このままじゃ、こっちのコートも落とされちゃう・・・!」

その時、合宿場の窓ガラスが割れて、銃弾のような剛速球がブルドーザーに飛んでいく。
バレーボールは正確に、コックピットの役人の顔面を打ち据える。
役人「ぎゃああああ!!」
気絶して操作盤に覆いかぶさる役人。
如月建設「馬鹿!前が見えないだろ!!」
暴走したブルドーザーは、進路を変えて合宿場をはなし、自らがけ下へ転落してしまう。

サーブフォームをしているさくら「・・・楽しいバレーボールに水を差すんじゃないよ。」



めちゃくちゃに破壊されている校舎。
地面に崩れ落ちる理央「・・・校舎が・・・みんな・・・壊れちゃった・・・
お母さんとの思い出が・・・」
昭和40年の写真を拾う。
海野「有葉部長・・・」
華白崎「信じられない・・・日本政府がこんなことをするなんて・・・」
涙を流す理央「もともと三畳村でダム建設に賛成する人なんて誰もいなかった・・・
でも・・・水没予定地には補助金は出ないし・・・インフラの整備だってしてくれない・・・
そうやって村のコミュニティは崩壊したんです・・・
残ったのは、動物たちだけ・・・
わたしは・・・お母さんの三畳中をもう一度強豪校にしたかった・・・」
海野「・・・有葉さん・・・」
つよめ「・・・もともと50年前の入札ありきの計画だからね・・・
2000億円が転がり込むプロジェクトなら、野生動物くらい簡単に殺すわよ・・・」
さくら「・・・んで、撮れたの?」
ボイスレコーダーを取り出すつよめ「・・・あいつらのクソみたいな会話もね。
私を呼んだ理由ってこういうことね・・・」



無人駅
白亜高を見送る三畳農業高校。
理央「私たちの負けよ。楽しい試合をありがとう・・・」
握手をする海野「・・・みなさんはこれからどうするんですか??」
理央「なにも考えてないけど・・・また、みんなで校舎を作ろうかな。」
アライ「理央・・・お前ももう山を下りろよ。」
理央「・・・え?」
クマガイ「みんなで相談したんです。
ぼくらのために一生に一度の青春時代を無駄にすることはないって・・・」
理央「クマガイさん・・・」
オジカ「・・・これ以上はやめておけ・・・次は猟銃で撃たれるぞ・・・」
理央「でも・・・ダムができたらみんなの自然は・・・!」
アライ「勘違いしてねえか?
俺たちは人間様に住処をあつらえてもらわないと生きてけないほどやわじゃねえ・・・」
イノセ「・・・どこでだって生きてけるさ・・・生命は道を探し出す・・・」
微笑むシマダ「心配しないでください。」
理央「みんなとまたバレーができるかな・・・」
クマガイ「いつでも遊びに来てよ。」
海野「いこう、理央ちゃん・・・汽車が出るよ・・・」
涙をぬぐう理央「・・・うん・・・」
手を振る動物たちを残して、山を下りる人間たち。

ホームに残るアライとオジカ。
アライ「なあ・・・あのまま第三セットを戦っていたら・・・勝てたと思うか?」
微笑むオジカ「・・・ふん、当たり前だ・・・」

春高バレーバトルロイヤル大会
白亜校 対 三畳農業高校
相手チームの降参により、白亜高校の勝利。
三畳農業高校バレー部――廃部
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