美少女だけが漫画じゃない

 大体最近はちょっと多すぎますよ。女の子ばっかりの漫画やアニメ。まあコンスタントに稼げるからやっているのでしょうが、たまには『カールじいさんの空飛ぶ家』みたいな冒険をやってみればいいのに・・・
 まあそんな爺さん、ほとんどの書き手も楽しくないんでしょうね。描いてて。そんな事言うなら私だって男だろうが女だろうが人なんて描いてて楽しくないですよ。ただのサルじゃないですか。描いてて楽しい恐竜だけ描いてたって、読み手を楽しませる漫画は描けないから、頑張っているのになあ。

 で、なぜこんな事ぼやいているかと言うと、なんかTさんが持ち込みで編集者に「もっと女の子を可愛く、そしてお色気を」とかダメだしされたようですが、そんな奴蹴とばしとけばいいんですよw。こっちはそういう路線の漫画を書いているわけじゃないんだし。全ての漫画がそうなったらとてもつまらないです。つ~か私はTさんの描く女の子可愛いと思うし。
 K氏情報によれば、この編集者の雑誌は路線変更の為、連載作品が“全て”所謂萌え系になってしまったらしく、K氏のように読者の方も辟易としてる人多いんじゃないでしょうか?
 まあ萌え雑誌を自負しているならば、当然少年漫画の編集者とは違った目線で意見を言ってくるだろうし、見せる相手を間違ったってことです。うん。

 だから作品を全否定されたとか取らない方がいいです。K氏によれば『ワンピース』の作者さんは一切編集者の意見に耳を貸さないそうです。
 人の意見よりも自分が面白いと信じる者を描く!最終的には作家ってそれしかできないんだと思います。自分が楽しいと思って描いてないものを他人に見せてもほとんどつまらないものだろうし。
 私も雑誌のカラーを意識しすぎたためになんだか訳わからなくなっちゃったのが『クオリア』でしたしw。まあ・・・あれはあれで満足。見せた中学生いわく「え?この漫画?普通に上手いよ?」wありがとう~・・・!
 で、結局今は自分の描きたいものを描いています。それが周りの人を楽しませる上で一番いいんだと気付きました。それでプロになれなくてももはや別にいいよ。身近な人に面白いって言ってもらえれば。
 『80日間~』なんて確実に萌え漫画に反するものだろうし。いいじゃん、美少女なんて描けなくても。

 結局のところ大切なのは「自分が“何を”面白いと思うか?」の認識だと思う。他の作品を見て「ああ、面白かったw」で終わり(Q.E.D)にするのではなく「じゃあ自分は何でこれを面白いと感じたのか?」もしくは「なんで納得いかなかったのか?」を整理して、自分の作品に取り入れればいいんじゃないか、と。
 つまりシラー風に言うならば「他人の作品で自分を知ること」が自分が面白いと思えるものを作る上で重要なんだと思います。

匿名でつぶやく若者

 NHKってたまにすっごい若者に媚びた番組やりますよね。今やっている草食系の若者を取り上げた討論番組で気持ち悪いのが、番組の大人の討論に対してスタジオの若者が携帯を使って、意見をつぶやくシステム。スタジオにいるなら直接言えよ・・・。相手は暴力団や秘密警察じゃないんですから。
 同じ若者ながら、上の世代に「今の若者は皆リスク回避のことしか考えていない」って馬鹿にされるのは嫌だな。こういう奴に限ってリスクを考えない若者に意見を言われると、取り乱して辻褄のあわないことを言うんですよ。
 絶対に反論されない状況で「今の若い奴は自分の意見が言えない」と若者を見下す大人は、匿名じゃないと意見が言えない若者と何も変わらないって。

 「朝まで生テレビ」でもスタジオになぜか大学生かなんか呼びますけど、生放送中、田原総一郎さんの頭ひっぱたきに行く奴とかいなんですかね?あの番組長い歴史もあるし、そういう人いたかもしれませんが・・・

 あと私は「ツイッター」って全然よく分からないんですが、あれ政治家もはまっているのが、異様。いい歳した中年の人がテレビゲームやっている感じで凄い光景ですよね。
 なんか政治家にとって利点があるから原口総務大臣とかもやっているんでしょうけど、何がメリットなのかな?有権者との場所を超えた交流?確かに楽しそうだけど。

 そういえばNHK「熱中スタジアム」で恐竜マニアを取り上げるらしいのですが、どうしようかな・・・見ようか迷っていますw。
 傍から見ればこの人達(お前もだろ!!)も異様ですからね・・・しかも恐竜ってちびっ子の人気は絶大ですが、K氏のようにほとんどの人は卒業してしまいますし。
 それを卒業しないで、しがみついている恐竜マニア・・・。これはガンダムや美少女オタクなどのサブカルオタクよりもずっとハードなオタクだし(少なからず学術的なので間口が狭い??)絶対数は確実に少ないですよ。私ですら恐竜オタクの同志に会ったことありませんから。
 だから人口が少ない分オタク魂の精鋭が残っているわけで、非常に気持ち悪い番組になる気が・・・いきなり「恐竜って指の骨の数(関節の数)が外側に行くにつれて増えていくって知ってますか?」とかぬかしたらスタジオどん引きでしょうね。

不思議の国のアリス

 「面白い度☆☆☆☆☆ 好き度☆☆☆☆☆」

 K氏と会話するといろいろ漫画について考えてしまいます。そう言えば、この前「私は漫画はあまり読まない」とYukiko Tさんにコメントしたのですが、でも漫画と言う表現媒体は好きなんですよね。読まないからって嫌いではないし・・・なんて言えばいいのでしょうか?
 またまた『レミーのおいしいレストラン』のアントン・イーゴーの引用で申し訳ないのですが、「漫画が好きなのではない。愛しているのだ。」が心情的に近いと思います。
 愛と言うのは盲目だし、時にアンビバレントな感情だと思うので・・・

 私は映画でもアニメでも漫画でも「数は見ない」んです。しかし「これはすげえ!」っていう映画はセリフを丸暗記できるくらい何回も見ます。
 たとえば『ジュラシックパーク』や『ダンボ』『ルパン三世 カリオストロの城』などは確実に100回以上は見ており、『ダンボ』に至っては高校の頃ついにビデオが擦り切れ戦死しましたw。

 今日は『ダンボ』には及ばないが、これも数え切れないほど見たであろう1951年の『不思議の国のアリス』アニメ映画版を見たのですが、いや~すごい!うまい!笑える!面白い!なによりいかれてる!!
 原作のカオスさをアニメならではのスラップスティックな動きで表現しており、表現媒体の違いを上手くふまえていると思います。お茶会のシーンとか、もう、神ですよ。あんな馬鹿な帽子屋いませんってw。
 上手いのはアリスが激怒した女王たちに追いかけられるラストシーン。ここで今まで登場したキャラを再登場させ、なんと劇中歌のちょっとしたインストメドレーが展開されます。これは舞台ならばカーテンコールのような、本当に楽しいサービスでした。

 やっぱり歳を取ったから「アリス」を楽しめなくなったわけではないな、とつくづく思いました。『アリス・イン・ワンダーランド』も良くできた映画だとは思いますが、やっぱりあの映画の暗い雰囲気よりも、アニメ映画版のはっちゃけた感じの方がいいです。
 それにアニメ映画版でも、無口でへんてこな鳥だらけの「タルジキ森」のシーンはかなり不気味で怖く、やはり『ダンボ』と同じく夢と希望のあるディズニーアニメの中にも、当時の戦争の暗さが影を落としているように思いました。
 あそこだけ突出して怖いんです。アニメ版は。だからチェシャ猫が女王の庭への近道の扉を開けてくれたときには心底ほっとしましたよ。

お疲れ様でした!

 T君のペン入れが完了したそうです。あとはトーンを少し貼ってついに完成ですね。ご苦労様でした。

 一方「まずは仕上げることだ」と偉そうなことほざいていた私は、最近「アリス」の脚本とか違うことやってて大して漫画が進まず、今日K氏に激励されてしまいましたw。
 K氏はあまりコメントなどの足跡を残さないので、サイトに来てないと思ってた(笑)。そうしたら、かなりこまめに尋ねてきてくれて『80日間~』の続きが描かれているか、確認していたそうです。これは申し訳ない。
 『80日~』もいよいよ佳境!ここからロードムービーモード突入で物語は一気に転げ落ちますよ!ただだからこそ絵にもこだわりたいので、もうちょっと待ってね。十年以上喜劇を書いてきた私ですが、今回は感動させたいんですよ。

 追記:あ、そうそう、K氏『80日宇宙一周』53ページの「プ~クスクス」に気付いてくれてありがとうw。そう、あれは『ドラえもん』の引用ですw。描いた私もあのコマには笑っちゃいます。ライトとミグって噛みあってるんだか無いんだか、イマイチ分らないですよねw。

電子書籍について

 書籍をデータ化して端末で読むという次世代の本「電子書籍」。学校の教科書で電子書籍を使う話もあって、私みたいな若造が言うのもなんですが「時代は変わったなあ・・・」と。
 で、この電子書籍は本当に印刷出版というこれまでの本の在り方を大きく変えてしまうのでしょうか?
 今回は電子書籍のメリットとデメリットについて考察したいと思います。

 メリットがデメリットを大きく上回れば、それは普及すると言うことですが、例えば電子書籍のメリットは、とにかくかさばらない。子どもが大きく分厚い漫画雑誌を買う習慣は、携帯電話にとって変わられたと言う人もいますから。
 電子書籍は端末さえあれば、必要なのはせいぜいメモリーカードのようなソフト(書籍データのバックアップ)だけで、本棚はかなり片付きます。

 その反面デメリットは、新聞や大きなサイズの図鑑は端末におさまらないので「スクロール」したり、「iフォン」のように指で「クローズアップ」させるしかありません。これは面倒だと思います。人間の目で直接本を見れば、目が自然にやってくれることを端末をいちいち操作して行うことで、読者と本の間に一層フィルターが増えてしまうからです。
 また机の上に複数の本を広げるような「同時読み」は一つの端末では不可能でしょう。私の机には様々な資料が一度に開かれていますが、ああいうことは限りある端末の小さな画面ではできないだろうな・・・
 さらに携帯やパソコンにも言えますが、少なからず機械の光を直視するので、小説などに没頭して長時間読むには目に負担がかかる。まあ最新技術で目に極力優しいディスプレイくらい作ってくれそうですが。

 ただ個人的には電子書籍は「活字本」には強いと思います。論文を書く際の参考資料はかつては付箋というタグをつけて引用箇所を整理したり、メモをとったりしていましたが、活字本がワードのようにテキスト化されて端末に配信されてくれると、検索がかなり楽。引用はもっと楽。
 そして「回し読み」「本の貸し借り」がよりグローバルになります。なにせこの本(?)は「データ」ですから、複製するのも容易で、複数の他の人に同時に配信することができます。
 これは便利な分、前回の記事でもふれたように著作権について引き締めにかかる漫画出版社にしては頭が痛い問題でしょう。
 ただルネサンス期に発明されたグーテンベルグの活版印刷が、写本の時代よりもずっとたくさんの人に聖書や『不思議の国のアリス』を配信したように、書籍に関する技術はどんどん「共有化」される方向に向かっていると思います。これはどっちかというと社会主義的進歩であり、資本主義、作家主義(≒個人主義)の思惑とは外れた進化の道筋を辿っていることは大変興味深いです。

 さて、Yukiko T.さんが注目している漫画の電子書籍化についてですが、これが主流になると(おそらく当分ならないと思いますが)漫画の見せ方が大きく変わることになるんじゃないか、と私は考えています。
 漫画には「ネーム」を楽しむと言う重要な要素があって、まずは「ページ見開いた時の全体的な印象」を眺め、そして右上から読み進めていって、コマの相対的な大小関係によって「リズム」が生まれ(例えば作家が読者に“見せたい”コマは限られた紙面の中で大きく描く。これは常に同サイズのスケールのフレームで展開する映画やテレビドラマと漫画が大きく異なる点です。カメラの「より」と「引き」に当たるものって感じでもないんです・・・)、最後に「めくり」を楽しませます。

 黒澤明監督は「映画の八割は脚本で決まる」と言いますが、漫画業界では「漫画の八割はネームで決まる」ともいわれ、この作家の用意周到なネームの技術が、電子書籍や携帯電話で読む漫画などでは、どれほど反映されるのだろうか・・?という素朴な疑問があります。
 もしかしたら「フラッシュアニメ」と漫画のキメラみたくなって「電子的紙芝居」みたいになるんじゃないか?という気もしますね。それはそれで違ったメディアになって面白いな。音楽や声、ストーリー進行も作り手が操作できるし。
 でもそれはもはや漫画じゃないですね・・・読者が自分に合ったペースで好きに読み進められるのが本や漫画のいいところだと思うし・・・う~ん・・・

 (強引な)結論:電子書籍は印刷された本にとって代わることはないが、ちょっとした活字資料をインストールする分にはかなり便利。
 漫画が電子書籍化されると、かなり違った雰囲気で漫画を楽しむことになると思う。「iフォン」などでクローズアップやスクロールされて読まれちゃうと、おそらくネームの面白さは分からない。
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