東京都、教員を地方でスカウト?

 2007年問題とか言って、団塊の世代の一斉退職から、現場の教員の数が減って採用枠が増えたんですよね。だから私の先輩などは相当教員採用試験に苦しんで、年に一人くらいしか受からなかったんですけど、私の学年から受かる人数が増えてきて、新井先生によれば今年はたくさん受かったそうな。

 特に、東京都や大阪、千葉などは倍率がかなり低く、人材不足に悩まされているのは知っていました。私もかつて一回だけ地元の教員採用試験を受けたことがあるんですけど、面接はまあそこそこ、一般教養、教職教養は9割がたできて、なんとか踏ん張ったのですが、肝心の専門教科「美術」がまったくできなくて駄目でした。新井先生が泣きますね。
 実技試験で私が大嫌いな現代アートの課題が出てしまって、「熱」をテーマにスチレンボードでオブジェを作りなさい、って内容だったのですが、「そもそも熱ってなんだ・・・?」と長考に陥ってしまい、三時間も何も作れず結局何もいいアイディアが浮かびませんでした。「スチレンボードの切れはしもすべて使いなさい=ゴミを出すな」ってことだったので、「これは究極的に難しい、数学のパズルか!?」ってなっちゃってダメでしたね。

 しかし地方の教員採用試験に落ちた人に面接を持ちかけるとは、東京都はすごい!今は、もしかしたら最も教員になりやすいのかもしれないですね。私も受けてみようかな。
 でも免許が小学校と、中学校と高校の美術しか持ってないんだよな・・・美術ってどうしても「評価における教員の主観性の問題」に突き当たっちゃうんで、辛いんですよね。
 もう生徒に自己評価させちゃえばいいじゃんって思うんですけど。それでみんな通知表5。今は相対評価じゃなくて、絶対評価なんだし、いいじゃんって。
 嫌いな生徒に適当な理由つけて「ヘタクソ」って評価して、お気に入りの女の子に「センスがある」って手抜きの絵を評価しちゃう人もいますからね。つまり、絵の評価なんてどうとでも言えるんです。

大気の熱吸収について

 地球は本来-18℃という放射平衡温度になるはずなのですが、大気のおかげで+33℃も温度がアップして平均気温15℃を保っています。
 これは言うまでもなく地球の大気が太陽の熱(短波放射)を吸収してくれて、吸収した熱を放射することによって地球を暖めてくれています。

 ここでステファン=ボルツマンの法則を少し改造します。「E=σ×T4」は全ての光を吸収する、完全なる黒、「黒体放射」を想定した場合なので、大気は勿論そんなブラックホールではないので(ブラックホールですら厳密には黒体ではないか)、「イプシロンε」を「吸収率」として、この式にかけてやります。よって「E=ε×σ×T4」となります。
 例えば、吸収率が80%の場合ε=0.8になります。これはつまり赤外線を80%吸収し、20%をスルー(透過)してしまうという事です。そして吸収した熱は、放射されて、物体の周囲を暖めるのです。

 たとえば、太陽(sun)が地球に「σ×T4sun」だけ短波放射をするとして、大気の吸収率をεとします。すると大気(air)はε分熱を吸収するので、大気の温度は「Tair×ε」になり、「(1-ε)×σ×T4sun」はそのまま大気をすり抜け、地表に行っちゃいます。
 また大気がε分吸収した熱は放射され、その放射量は「E=ε×σ×T4air」となります。

 つまり地球の地表は「大気をスル―した太陽の熱」と「太陽熱を吸収した大気が放射する熱」の合計分、暖められることになります。
 よって「大気をスルーした太陽熱+大気の熱」なので

(1-ε)×σT4sun + ε×σ×T4air

となり、これを計算すると

=σT4sun-εσT4sun+εσT4air
=σT4sun-σ×ε(T4sun-T4air)

となります。
 つまりこの式が言いたいことは、太陽熱「T4sun」と大気熱「T4air」の数値が同じだと、かっこの中が「0」になって、「σT4sun-σ×ε(0)」=「σT4sun」になるということ。
 そして太陽熱が大気熱よりも大きい場合は、かっこの中が「正の数」になるので、地表の温度は下がるということ。(「σT4sun-σ×ε(+の数)」で最終的に引き算になるから)
 逆に大気熱が太陽熱よりも大きい場合は、かっこの中が「負の数」になるので、地表の温度は上がるという事です。(「σT4sun-σ×ε(-の数)」で最終的に足し算になるから)
 ちなみに大気をスルーした熱は、地面から放射される赤外線(4πr2×σT4)となります。

計算してみよう

 地球の熱収支計算(大気なしバージョン)を、「数学嫌い」ってほうりなげちゃうのは、塾のバイトしている以上やっぱ良くないんで「T=4√F0×(1-A)/4σ」を頑張って解いてみます。
 地球はエネルギーを30%反射しちゃうので、「太陽定数1370×0.7=959」
 分母は「4×σ」で、σに5.67×10のマイナス8乗、つまり「5.67÷一億(J・s-1・m-2・K-4)」を代入して、「0.000000057×4=0.000000228」
つまり959÷0.000000228=4206140351(すごい数だ)
 四乗して4206140351になる数は、電卓使うと255の四乗=4228250625が一番近いんで(254の四乗だと4162314256、256の四乗だと4294967296)、やっぱり答えは255になるっぽいです。

地球の熱収支について

 気象学その3です。こっからが本題で、なかなかややこしくなってきます。当ブログの記事「エントロピーについて」でふれましたが、熱湯と冷水を同じ容器に入れて、ぬるま湯になった時、この状態を熱の出入りがない(ようにみえる)状態、「熱的平衡状態」と言います。
 先生によれば、ある系に入ってくる熱量と出ていく熱量が等しく、収支がプラスマイナスゼロになる時、熱的平衡状態となります。

 地球の熱の出入りを単純化して考えると、地球へ入ってくる熱源は「太陽の放射(短波放射。とんでもなく熱い物体は、波長の短い電磁波を出します)」で、地球から出ていく熱源は「地球の赤外放射。地球は15℃で、あまり熱くないから」となります。 

 ここからの話はアバウトすぎて、ちょっと胡散臭いと思ってしまうのですが、太陽の放射量をF0(太陽定数=面積1m2あたりに太陽が放射によって与える仕事量は一秒間で約1.37kW )として、地球を球体でなく円の板、つまり「ハリボテ」として仮定して、その地球のハリボテが吸収する太陽エネルギーは「πr2(円の面積)×F0」となります。
 当たり前ですが、太陽って地球に一方向から放射してくるから、円=断面積にしちゃってるんでしょうね。すごい発想です。

 そして太陽のエネルギーは全て地球に吸収されず(黒体じゃないから)、一部は反射されます。この反射量をAとした場合、「100%-A%」が地球に最終的に吸収されるエネルギーになります。ちなみに地球では約30%が反射されるのでA=30%(=0.30)で、太陽の熱の七割を地球は吸収することになります。
 よって地球(を円盤とした場合)における太陽からの「熱の収入」は「πr2×(1-A)F0」となります。

 収入はこれでOK(かなりアバウトだけど)なので、次に「熱の支出」を考えます。熱を放射して冷めることを「放射冷却」といいますが、前回ふれた通りその式は、ステファン=ボルツマンの法則(出ていく熱量は温度の四乗)から導き出されて、「E=σT4」です。
 収入の際にはハリボテにされちゃった我らが地球ですが、支出の際にはちゃんと球体として扱われます。断面積分食らった太陽のエネルギーが、「表面」に伝わって宇宙へ逃げていくわけですから、球体の表面積の「4πr2」をかけてやります。
 よって支出は「E=4πr2×σT4」となります。

 収入と支出の式が立ったので、いよいよこの二つの式を=でつないで「収支プラマイゼロ」の熱的平衡状態を考えてみます。
 すると「収入=支出」なので「F0×(1-A)πr2=4πr2×σT4」になります。そして、この式を温度をあらわす式「T=なになに」の形に変形すると、πr2とかが消えちゃって、そして四乗根をつける羽目になります。
 「T=4√F0×(1-A)/4σ」

 √がうまくつけれなくて(4×σ分のF0×(1-A)にまるごと四乗根がかかります)、かなり見づらいですが、こうなるわけで、これに地球の反射率30%と、ステファン=ボルツマン定数「σ=5.67×10-8(J・s-1・m-2・K-4)」を代入(ステファン=ボルツマン定数の単位は「仕事量×秒分の一×平方メートル分の一×ケルビンの四乗分の一」だと思います)すると、答えが255ケルビンになって(私にはこんな計算できません)、0℃=273ケルビンなので、摂氏に直せばなんと地球は、放射平衡状態で、マイナス18℃!になってしまうのです。

 しかし観測では地球の平均気温は15℃であり、この違いはなんだって言うと、「“大気”を、この計算に入れていないから」ということになります。
 大気が地球の気温に大きな役割を果たしている事を理解するために、まあ、地球をハリボテにしたり、太陽定数とかステファン=ボルツマン定数とか使ったんですね・・・
 というわけで次回は大気について、先生の説明をまとめます。

熱について

 気象学の続きです。今回は地球の熱収支のイントロダクションをまとめます。あの先生説明が解りやすくて、「歩く『図解雑学』」と呼んでいます。・・・嘘です。今考えました。

 まず「熱」には①伝導②対流③放射の三つの伝わり方があり、また「温度」とは、「分子や原子がどれだけ振動しているか」の度合いです。

 まず①の伝導についてです。ニュートンの法則で「温度差があればある程、熱は伝導する」というもの(熱伝達率)があります。式は確かこんな感じです。
 ΔQαΔT(Δは変化、Qは熱の伝わる量、αは比例、Tは温度差)

 ②の対流は「お風呂のお湯を沸かすとき下の方がぬるい」という、あれです。暖められた水は体積が膨張するので軽くなり、上の方へ移動して対流を起こすというものです。

 ③の放射は、熱が電磁波となって物体から出て行って冷めるというものです。これには「ステファン=ボルツマンの法則」というのがあって「出ていく熱の量は温度の4乗」とされます。
 E=σT4(指数がうてない・・・)式はこうなります(Eは放射エネルギー量、σはボルツマン定数、Tは物体の表面温度)。ステファン=ボルツマン定数がよく分かりませんけど、まあ実験をふまえて計算やって見つけた数値なんでしょう。違う?

 さらに電磁波には波長によって、短い順からX線、紫外線、可視光(紫、青、緑、黄、オレンジ、赤)、赤外線、電波に分けられ、ここからがとってもややこしいと思うんですけど、「温度によって波長のエネルギーの強さのピークが違う」んです。「温度が高ければ、高いほどエネルギーの強さのピークは、短い波長に移る」んです。
 これグラフ見ても対数のグラフなんで、数学で通知表1の私には何とも理解しがたいんですが、しょぼい宇宙論を振りかざして考えてみると、「物体の熱さによって、主に放射する電磁波の種類が違う」と言うことだと思います。すごい熱い奴(例えば白色矮星)からは紫外線や紫の光、あまり熱くない奴(例えば温血動物)からは赤外線が一番出るのかな、と(ウィーンの変位則)。
 だから博物館の学芸員さんは「展示物によって照明の色を変えるのは、色によって温度が違うから、熱で傷むものは黄色とか、オレンジの明かりにする」って言ってたんですね。その理由はこの法則なのか~。なるほど。

 このように物体に跳ね返って反射する光をバッサリ切り捨てて、物体から放射する光(電磁波)だけで考えた放射のことを「黒体輻射(最近では黒体放射)」といいます。究極の黒は、全部の電磁波を吸収しちゃって反射する光がないから、そう言うのでしょう。『ジュラシックパーク』でカオス理論学者マルカムが言ってたあれです。
 でも「黒体輻射」ってマルカムの言うように「黒い服を着ると他の色よりもむしろ効率のいい放射をするから涼しいですよ」って説明になるのかな?熱いところでは熱の吸収もすごいんじゃないか?
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