結局みんなアニメが好き

 ノラネコさんによれば『アバター』の人気が止まらない。解り易いストーリーはリピート鑑賞に持ってこいらしいです。
 私もそれなりに楽しめたのに、どうしてこの映画に違和感を感じるのか…おそらくそれは、『アバター』の脚本が「極めてアニメ的」だったからだと思います。
 超リアルな映像世界と、ひねりのない勧善懲悪的(反リアル)なストーリー(深読みすれば、そうとも言えませんが、普通に見る分には深い話とはとても言えない)がギャップを生んでいるのだと。
 これ、ジブリのようなアニメ映画にすれば相当楽しめただろうな、と思うんです!最高評価していたかもしれない。
 『アバター』を楽しんだ人は、結局みんなアニメ(しかも宮崎)が好きなんですよ。

 ちなみに私は『ナウシカ』も『もののけ姫』もダメ。…意味が分からなくて…あれって、深いテーマ(=環境保全・・・私はこれも深いテーマとは思わないけど)を伝えたいとかは建前で、宮崎監督の趣味を丸出ししてるだけですって、きっと。
 でも悪く言っちゃいけないな。ジブリでは『紅の豚』は面白かったし。『ルパン三世 カリオストロの城』100回も見た奴が何言うかって話ですよね。
 作画はおそらく日本一うまいでしょうし(大塚康生さんとか)。

アンチが出ればガッツポーズ

 大学図書館で借りた佐倉統さんの『進化論の挑戦』は永久保存版にしたいほど面白かったので、取り寄せて購入決定。しかしもう絶版らしく、代わりに文庫版があるのでそちらを取り寄せてもらうことにしました。こんな良本が600円で買えるとはいい時代だなあ…

 この本で佐倉さんは、「進化心理学を曲解(非科学的)して大衆に伝える竹内久美子の本は、ぼくの本(=佐倉さんの本)の10倍以上も売れているのだ」と書いているのですが、それと関連することを少し追記します。ちなみに私は、佐倉さんの本は最高に面白いと思います。佐倉さんの学歴はとても高いけれど、決して難しい本じゃないし。

 「SAPIO」に掲載されていた『天皇論追撃篇』は、もう電車で読んでて爆笑してしまった…
これは「小林よしのり」さんが天皇陛下の宮中茶会に出席した際の出来事を漫画にしたものなんですが・・・もう、この人嫌い(笑)。
 結局漫画家魂が強くて、すごいサービス精神旺盛な人だから、謹んで論じるべき天皇陛下を最終的にコミカルにネタにしてしまっている…!
 結局やってることがミーハーで、こうやってマンガで伝えちゃうと、ギャグ漫画としては最高点なんですけど「いいんかな?こんな馴れ馴れしく天皇陛下を漫画のキャラとして出しちゃって…」とも思ってしまいます。天皇陛下と「よしりん」の関係の構造が、この漫画ではマイケルジャクソンとマイケルの熱狂的大ファンみたいに読者にとられちゃうと思うからなあ…

 実は論考の精度より、漫画的演出を実はいつも選択してきた(と思う)小林先生の『ゴーマニズム宣言』。小林先生も「知識人の本はそれが大作で論理がしっかりしているものほど売れないジレンマがある」と仰っているように、超商業的結果主義の「少年ジャンプ」で戦ってこられた先生は、「いくら論考の内容が正しくても小難しすぎると、大衆は理解できず人気が出ない」という、大衆の半歩先を行くバランス感覚の重要性を確実に知っています。

 その結果が、あのような過激で主観的な論考と演出なのでしょう。ブログでも掲示板でも炎上するというのは、大多数の人の注目を集めている証拠。映画にしろアニメ、マンガにしろ「アンチ」が登場したら人気があると思って、まず間違いありません。
 逆に、難しすぎたり(例えば「対称性の破れ」について書かれたたった5ページのノーベル物理学賞の論文)、論理武装が強固で批判のしようのない意見には、ほとんどの一般人はかみつきたくても噛みつけないのです。
 そう考えるとやはり小林先生は学術でなくて、大衆娯楽の世界の人なんだな~と思っちゃいます。

SAPIO

 駅でオピニオン誌の「SAPIO」を久しぶりに購入。この情報量で500円は安いと思います。
 
 この前、塾の冬期講習で公民を教えたとき、中学三年生の男子が「小沢ってなんなんすか?しゃしゃり出すぎじゃないっすか?」と、小沢さん批判をしていたのですが、漫画家の小林よしのりさんも「SAPIO」内で「小沢一郎の天皇私物化を許さん!」というタイトルで漫画を描いていたので、どういうこと言ってるのかな?と4年くらいぶりに『ゴーマニズム宣言』を拝読。
 描き方は相変わらず、過剰で過激ですが、言っている事はみんな思っていることだと思う。

 小沢「お前(記者)は日本国憲法読んでいるのか?」→お前が読め。

 批判の内容を一言で言えば、こういうことでしょう。

 ただこの「SAPIO」という雑誌が面白いのは、雑誌内で論調をあわせたりせず、情報や意見をごたまぜの状態で読者に提供していること。「いろんな意見があるけど、あとは編集部じゃなくて読者さんが自主的に判断してください」というスタンスは相当読者側にメディアリテラシーを要求させられる。
 なにせ亀井静香さんを批判している小林先生の漫画と一緒に、亀井静香さんのインタビュー載せてるんだから。
 
 と、いうわけで私がこの雑誌を買ったのは、池上彰さんの「世界の紛争地域」の解説ページが解りやすそうだな、と思った為。私みたいに情報を雑観したいだけの人間には、偏らず客観的に情報を解り易く解説してくれる池上さんみたいな人は神様みたいな存在。

 あと無害なのは、業田良家さんの四コマ漫画「ガラガラポン!日本政治」です。くすりと笑えて、おそらく萌え漫画とかもこういう空気なんでしょうが、個人的には『あずかんが大王』や『けいおん』より業田さんの方が好きかな。いや、萌え漫画読んだことないけど。ごめん。
 とにかく、この人は本当に陽性の風刺の天才だと思う。いしかわじゅんさんらが絶賛するのも解る気がする。ただ、業田さんは、どのキャラクター(政治家)も大体本人の特徴捉えて、似てるんだけど、麻生さんだけは似てない(最初誰だか分らなかった)…鬼門なのかな?

アキシャルポンプシステム!

 「町工場芸人」とは、面白いくくりだな~…こういうマニアックな会話大好き。「アメトーク」では「俺たちのプロレスオールスター戦」も面白かった。工学もプロレスも詳しくはないけれど、マニア魂は分かるので。
 「タモリ倶楽部」はさらにマニアックすぎるので、多少詳しい生物、自然科学系の回でないと、ちょっとついていけない…
 チリメンジャコかなんかから、小さな動物プランクトンのレアなヤツを見つけるって回は、笑ったなあ。

ご都合主義とマクガフィン

 「ディズニー映画は、ご都合主義で、今までの話の筋を壊してもハッピーエンド展開」というマロさんの意見が大変興味深かったので、素人ながら脚本を制作する者として、そこら辺をちょっと考察します。

 私はディズニー映画は、あざといミュージカル展開はともかく(ここは私もついていけないところがあります。そこで歌うか!?と)しっかり計算しつくした骨太のストーリーラインを持っている、と考えています。
 大人なら、小難しい内容でも(子どもに比べて)辛抱強く見てくれますが、観客が子供だとそうはいきません。子どもの集中力を持続させるために、ディズニー映画は極力、ストーリーの無駄な枝葉をバッサリ切っています。だからこそ、話の背骨にあたる部分が明確で、物語作りの教科書にはうってつけなんです。

 よってディズニー映画が無茶な展開(話の筋を壊してもハッピーエンド)をするというのは、私は「まったくの逆じゃないかな?」と思うわけです。ディズニー映画はまったく無茶な展開をせず、物語の展開が単純でベタなので、そこが見る人によっては先が読めて退屈だから、苦手な人もいるのでは?と思うんです。
 余談ですが、話の筋がメチャクチャになっちゃう(破綻する)のは、週刊連載のストーリー漫画の方がずっと度合いがすごいと思います。そのどちゃめちゃ具合が逆に好きな岡田斗司夫さんのような人もいます。

 また「ご都合主義」についてですが、フィクションの物語は多かれ少なかれご都合主義です。でなければ話の収拾がつきません。問題はその度合、「あざとさ」です。
 私も昔自分の漫画が「ご都合主義な展開」と評価されたことがあります。その自己弁護になっちゃいますが、まあ私の場合は腕が未熟だったんですけど、とにかく作り話はご都合主義にならざるを得ないんです。あるべきエンディングにキャラクター達を導いてあげるには。
 ここら辺は普通、物語の「枝葉」でご都合主義をうまく隠して自然に見せるのですが、ディズニー映画はそこを剪定しちゃっているので、あざとく感じちゃうのかもしれないです。

 ただ、マロさんの言っていることは正しいんです(批判っぽくなっちゃって大変すいません)。マロさんは「最終的に受け手の期待が裏切られないような、伏線の回収こそプロの仕事だと思います(ちょっと違いますか?)」とかつて仰っていました。
 実は、この前の『アバター』はひとつの物語を構成する重要であるべきファクターを放り投げてしまったんです(ネタばれ注意)。

 キャラクターの行動や物語の展開を作り手がうまく操作するための舞台装置のことを「マクガフィン」といいます。マクガフィンは、それ自体に意味はないのですが、この設定によってキャラクターの行動や話の展開に意味が生まれます。
 
 『アバター』では衛星パンドラの原住民「ナヴィ」の村の真下に存在する、有価鉱物の鉱床がそれ(マクガフィン)で、この鉱物を採掘するために地球人が入植し、ナヴィと対立しています。
 最終的に海兵隊の強硬手段によってナヴィの村はミサイルで焼き払われ、ナヴィ達は難民となって村を去ります。
 理屈で言えば、これで地球人の目的は達成されたわけなのですが、ここから人間と怒りに燃えるナヴィとの戦争シーンがはじまり、有価鉱物のくだりは放置されてしまうのです!
 さらに私は、ナヴィが崇めるパンドラの全ての生命を統合する神のような存在と、この鉱物は絶対関係があると踏んでいたのですが、なんと関係なし!神にあたる存在は鉱物でなく、命の木みたいなやつでした。
 この鉱物の存在が、人間とナヴィとの残虐な殺し合いのそもそもの“発端”(この鉱物がパンドラになければ、戦争は起きなかった)なのに、この鉱物を投げっぱして観客に忘れさせちゃうのはどうなのか?と思ったんです。
 
 ノラネコさんは「レアメタルみたいなのは、話のベースではあるのですが、テーマにつながるものではないので、特に気にならなかった」と仰っているのですが、私は気になってしまった…後半のかなりの時間を割いて描かれた悪趣味な(笑)戦争シーンの元凶がこの鉱石なんだから、「惑星パンドラの全ての命を供給するエネルギー源」とかにしたって良かったんじゃないかと、素人の作り手ながら考えてしまいました。
 
 というか、この映画ってじゃあ何がテーマだったんだろう…
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